JP2001250507A - 蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

蛍光ランプおよび照明装置

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JP2001250507A
JP2001250507A JP2000200295A JP2000200295A JP2001250507A JP 2001250507 A JP2001250507 A JP 2001250507A JP 2000200295 A JP2000200295 A JP 2000200295A JP 2000200295 A JP2000200295 A JP 2000200295A JP 2001250507 A JP2001250507 A JP 2001250507A
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fluorescent lamp
phosphor
glass bulb
yttrium oxysulfide
mercury
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Iwatomo Moriyama
厳與 森山
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物の花芽分化抑制に有効な作用、防虫作用
を呈する蛍光ランプ、およびその蛍光ランプを使用した
照明装置の提供。 【解決手段】 内壁面に蛍光体層3が形成され、かつ水
銀および希ガスを封有するガラスバルブ1と;前記ガラ
スバルブ1内に陽光放電柱を発生させる一対の放電電極
とを有する蛍光ランプであって、前記蛍光体層3は少な
くともEu及びMg、Eu及びTi、又はEu及びMg
及びTiで付活された酸硫化イットリウム蛍光体を含
み、かつ第1の発光ピークが赤色光領域内に、第2の発
光ピークが遠赤色光領域内にあることを特徴とする蛍光
ランプである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光ランプおよび照
明装置に係り、さらに詳しくは、植物の光形態形成など
に適する蛍光ランプおよびその蛍光ランプを用いた照明
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低圧水銀蒸気放電ランプ(蛍光ランプ)
は、一般照明を始めとして、最近では植物育成用の光源
などにも利用されている。たとえばガラス管内壁面に、
発光ピーク波長が440〜460nm、540〜560
nm、600〜620nmにある希土類元素を付活剤と
する3種類の蛍光体を含む蛍光体層を有する3波長蛍光
ランプが、一般照明などに使用されている。
【0003】ところで、植物用蛍光ランプとしては、植
物の徒長や開花など植物の光形態形成のコントロール
が、フィトクロムの光可逆反応に基づくので、670n
mをピークとする赤色光に感応する反応と、730nm
をピークとする遠赤色光(又は近赤外光)に感応する反
応とを効率よく利用できることが望まれる。しかしなが
ら、植物の光形態形成に有効な550〜700nmの波
長域において、光量子束を出力するのは、600〜70
0nmに発光ピークを有する蛍光体のみであり、上記3
波長蛍光ランプの場合、植物育成用としての機能が十分
でない。
【0004】一方、440〜460nmに発光ピークを
有する蛍光体は、その発光および水銀輝線によって、青
色より短波長領域の発光を有する。この場合、昆虫の吸
光性反応によって、外的な刺激を受け、能動的に体を一
定の位置又は方向に保とうとする性質から、刺激(光)
に対して移動を起こす(走光性という)。ここで、光源
に向かって進む走光性を正の走光性、逆に光源に対して
忌避行動に出るのを負の走光性という。したがって、正
の走光性を持つ生物がランプの点灯時に害虫を誘虫し、
植物に被害を及ぼすことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような被害に対す
る防虫効果のある光源として、紫外線領域の水銀輝線を
カットし、かつ黄色領域の発光を有する蛍光ランプが開
発されている(特開昭52−18086号公報、特開平
1−187757号公報)。
【0006】また、発光ピーク波長が400〜500n
m、520〜550nmおよび600〜630nmにあ
る上記希土類元素を付活剤とする3種類の混合蛍光体
に、発光ピーク波長が700〜800nmにある鉄付活
アルミン酸リチウム蛍光体を添加及び混合した蛍光体層
を設けた植物育成用の蛍光ランプも知られている(特開
平1−187757号公報)。
【0007】さらに、この蛍光ランプにおいては、アル
ミン酸リチウム蛍光体に含まれているリチウムが、ガラ
ス中のナトリウムと置換して、ガラス管強度の左右され
るのを防止することも試みられている。すなわち、3種
類(3波長)の混合蛍光体で第1の蛍光体層を形成し
て、その第1の蛍光体層上に、鉄付活アルミン酸リチウ
ム蛍光体から成る第2の蛍光体層を形成する構成も知ら
れている。
【0008】しかし、上記の各蛍光ランプは、植物育成
用を対象とした場合、実用上いろいろ問題がある。たと
えば菊の花芽分化を抑制する作用効果を呈するが、一方
では、防虫の作用効果を呈しないなど、農業用植物育成
用蛍光ランプという点で満足できる蛍光ランプの提供が
待たれている。
【0009】すなわち、植物の徒長や開花など植物の光
形態形成を効果的に抑制する670nmをピークとする
赤色光、730nmをピークとする遠赤色光を発光する
一方、 500nm以下の水銀輝線をカットし、昆虫の
吸光性反応を防ぐ両機能を備えた蛍光ランプの開発が期
待されている。
【0010】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、植物の花芽分化抑制に有効な作用、防虫作
用などを呈する蛍光ランプ、およびその蛍光ランプを使
用した照明装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内壁
面に蛍光体層が形成され、かつ水銀および希ガスを封有
するガラスバルブと;前記ガラスバルブ内に陽光放電柱
を発生させる一対の放電電極と;を有する蛍光ランプで
あって、前記蛍光体層は少なくともEu及びMg、Eu
及びTi、又はEu及びMg及びTiで付活された酸硫
化イットリウム蛍光体を含み、かつ第1の発光ピークが
赤色光領域に、第2の発光ピークが遠赤色光領域にある
ことを特徴とする蛍光ランプである。
【0012】ここで、Eu及びMg、Eu及びTi、又
はEu及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリウ
ム蛍光体(Eu・Mg、Eu・TiもしくはEu・Mg
・Ti)とは、EuとMgで付活された酸硫化イットリ
ウム蛍光体、EuとTiで付活された酸硫化イットリウ
ム蛍光体、又はEuとMgとTiで付活された酸硫化イ
ットリウム蛍光体を意味するものである(以下の請求項
についても同様である。)。
【0013】請求項2の発明は、内壁面に蛍光体層が形
成され、かつ水銀および希ガスを封有するガラスバルブ
と;前記ガラスバルブ内に陽光放電柱を発生させる一対
の放電電極と;を有する蛍光ランプであって、前記蛍光
体層はEu及びMg、Eu及びTi、又はEu及びMg
及びTiで付活された酸硫化イットリウム蛍光体で形成
されていることを特徴とする蛍光ランプである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
蛍光ランプであって、ガラスバルブが波長500nm以
下の水銀輝線を透過しないように処理されていることを
特徴とする蛍光ランプである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の蛍光ランプであって、蛍光層中の蛍光体
は、Eu及びMg、Eu及びTi、又はEu及びMg及
びTiで付活された酸硫化イットリウム蛍光体、緑色系
を発光する蛍光体および青色系を発光する蛍光体を含ん
でいることを特徴とする蛍光ランプである。
【0016】請求項5の発明は、水銀及び希ガスを封入
したガラスバルブと;前記ガラスバルブ内で放電を生じ
させる一対の放電電極と;前記ガラスバルブ内壁面上に
形成されたEu及びMg、Eu及びTi、又はEu及び
Mg及びTiで付活された酸硫化イットリウム蛍光体
と;前記ガラスバルブ内壁面上に形成された紫外線蛍光
体と;を具備することを特徴とする蛍光ランプである。
【0017】請求項6の発明は、請求項5記載の蛍光ラ
ンプであって、前記酸硫化イットリウム蛍光体と前記紫
外線蛍光体とは、質量比が5:5〜9.5:0.5の割
合で混合されていることを特徴とする蛍光ランプであ
る。
【0018】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
か1項に記載の蛍光ランプであって、ガラス内壁面と蛍
光体層の間に保護層を設けてあることを特徴とする蛍光
ランプである。
【0019】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
か1項に記載の蛍光ランプであって、ガラスバルブがU
字形曲成部を有することを特徴とする蛍光ランプであ
る。
【0020】ここで、U字形曲成部を有する蛍光ランプ
は、一般的に、点灯回路を内蔵し、かつエジソンベース
の口金を備えた筐体ないし外囲管に内装され、いわゆる
電球型蛍光ランプを構成するものである。電球型蛍光ラ
ンプには、いわゆるA形、G形、D形、又はT形の蛍光
ランプ等が挙げられる。
【0021】請求項9の発明は、蛍光ランプ用照明器具
と;前記照明器具に装着された請求項1〜8のいずれか
1項に記載の蛍光ランプと;を具備することを特徴とす
る照明装置である。
【0022】上記請求項1〜4、及び7〜9に係る発明
は、次のような知見に基づいてなされたものである。す
なわち、本発明者は、赤色を発光する酸硫化イットリウ
ム蛍光体の付活剤に、Eu及びMg、Eu及びTi、又
はEu及びMg及びTiを使用した場合、図1に例示す
るように、 第1の発光ピーク波長が赤色光領域内に、第2の発光
ピーク波長が遠赤色光領域内に、また、 第1の発光ピーク波長(615〜620nm程度の波
長)の強度が、第2の発光ピーク波長(700〜750
nm程度の波長)の強度よりも大きいため、結果とし
て、 600〜700nm(赤色光領域)の光量子束と70
0〜800(遠赤色光領域)nmの光量子束との比(R
/FR)が常に1よりも大きく、植物の光形態形成にお
いて、フィトクロムの赤色吸収によりPR→PFRの反
応を促進し、植物の花芽分化抑制に有効な光質を1種の
蛍光体で得られる。
【0023】上記EuとMgおよびTiの少なくとも
1種との混合型の付活酸硫化イットリウム蛍光体を含む
蛍光体層を有する3波長蛍光ランプなどの場合、500
nm以下の水銀輝線を吸収する層をガラスバルブの外周
面に設けるか、あるいは500nm以下の水銀輝線を吸
収するガラスバルブを使用することにより、防虫作用を
併せて付与できる。
【0024】換言すると、Eu及びMg、Eu及びT
i、又はEu及びMg及びTi付活酸硫化イットリウム
蛍光体を含む蛍光体層を設けることにより、常に、安定
した600〜700nm(赤色光領域)の光量子束と7
00〜800nm(遠赤色領域)の光量子束との比(R
/FR)の光が得られ、かつR/FR>1.0の分光分
布をつくれるので、フィトクロムの赤色光吸収反応(6
30nm吸収反応)である植物の花芽分化抑制効果が得
られる。
【0025】また、500nm以下の水銀輝線を不透過
形化(又は水銀輝線の不透過化処理)により、光源に対
し正の走光性をもつ昆虫に対する誘虫作用が抑制され
る。したがって、たとえば電照菊の栽培に有効な電球型
蛍光ランプなどを提供できることになる。なお、Eu及
びMg、Eu及びTi、又はEu及びMg及びTi付活
酸硫化イットリウム蛍光体を含む場合は、発光効率も向
上する。
【0026】請求項1〜4、及び7〜9に係る発明にお
いて、蛍光体層は、上記Eu及びMg、Eu及びTi、
又はEu及びMg及びTi付活酸硫化イットリウム蛍光
体の1種のみで形成してもよいが、上記Eu及びMg、
Eu及びTi、又はEu及びMg及びTi付活酸硫化イ
ットリウム蛍光体の他、たとえばLa2O3 SiO2
P2O5:Ce,Tb、LaPO4:Ce,Tb、Y2
SiO5:Ce,Tb、CeMgAl11O19:T
b、Zn2 SiO4:Mnなどの緑色蛍光体、たとえ
ばBaMg2Al16O27などの青色蛍光体を含む混
合蛍光体層としてもよい。
【0027】請求項1〜4、及び7〜9に係る発明にお
いて、ガラス管外周面に設ける500nm以下の水銀輝
線を吸収ないし遮断するための吸収層は、Fe2O3、
CuO、TiO2 又はこれらの混合体などを素材とし
て形成され、その厚さは、たとえば0.1〜100μm
程度である。なお、前記水銀輝線の吸収層を設ける代り
に、水銀輝線吸収性を有するガラスで、ガラス管を形成
してもよい。また、蛍光ランプを包皮ないし内装するグ
ローブを備えた電球型蛍光ランプなどの場合、グローブ
内壁面に水銀輝線の吸収層を設ける構成を採ることもで
きる。
【0028】さらに、蛍光体層を介してガラス管と封入
された水銀との反応などを防止するための保護層は、A
l2O3 、TiO2 、SiO2、ZnO2、CeO
2、Y2O3 の少なくとも1種の酸化物などを素材と
して形成され、その厚さは、たとえば0.1〜100μ
m程度である。
【0029】請求項5〜9に係る発明において、紫外線
蛍光体とは、300〜400nmの波長領域内に発光ピ
ーク波長を持つ蛍光体であり、具体的には例えば、Ba
Si2O5:Pb、(Ba,Sr,Mg)3Si2O
7:Pb、(Mg,Ba)Al11O19:Ce、YP
O4:Ce、又はLaPO4:Ceが挙げられる。
【0030】さらに、ガラスバルブ内壁面上とは、ガラ
スバルブ内壁面に接触している状態に限られず、ガラス
バルブ内壁面に接触していない状態も含まれる。
【0031】請求項5〜9の発明では、ガラスバルブ内
壁面上に形成されたEu及びMg、Eu及びTi、又は
Eu及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリウム
蛍光体と、ガラスバルブ内壁面上に形成された紫外線蛍
光体とを具備するので、一つの蛍光ランプで植物の花芽
分化抑制及び光に対して、正の走光性を有する昆虫の誘
虫を効果的に行うことができる。
【0032】即ち、赤色を発色する酸硫化イットリウム
蛍光体の付活剤にEu及びMg、Eu及びTi、又はE
u及びMg及びTiを使用した場合、第1の発光ピーク
波長(615〜620nm程度の波長)が赤色光領域内
に現れるとともに第2の発光ピーク波長(700〜70
5nm程度の波長)が遠赤色光領域内に現れる。この第
1の発光ピーク波長の強度が、第2の発光ピーク波長の
強度よりも大きいため、600〜700nm(赤色光領
域)の光量子束と700〜800nm(遠赤色光領域)
の光量子束の比(R/FR)が常に1より大きくなり、
フィトクロムの赤色吸収反応(630nm吸収反応)で
ある植物の花芽分化抑制効果が得られる。
【0033】また、Eu及びMg、Eu及びTi、又は
Eu及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリウム
蛍光体が形成された蛍光ランプに紫外線蛍光体を形成す
ることにより、300〜400nmの波長領域内に発光
ピーク波長が現れる。
【0034】ここで、300〜400nmの波長領域内
の発光で上記した光に対して正の走光性を持つ昆虫を誘
虫できることが知られているので、紫外線領域の発光に
より正の走光性を持つ例えばハチ、チョウ、又はアブの
ような花の受粉を行う昆虫を誘虫することができる。特
にハチの中でもマルハナバチは、同じ種類の花を見分け
て訪花する習性があるため、同一植物に対する受粉機能
が高く、例えばイチゴやメロンのような果物、例えばキ
ュウリ、ナス、トマト、しそ、又は大葉のような野菜の
電照栽培の受粉に特に有効である。
【0035】従って、一つの蛍光ランプで植物の花芽分
化抑制及び光に対して正の走光性を有する昆虫の誘虫を
効果的に行うことができる。また、一つの蛍光ランプで
植物の花芽分化抑制と光に対して正の走光性を有する昆
虫の誘虫を行うので、消費電力を低減することができ、
コストの低減を図ることができる。さらに、省スペース
化を図ることができる。
【0036】請求項1〜9に係る発明において、ガラス
バルブ(発光管を成す)の形状は、直管型、円形型、U
字型、くら型などが挙げられ、その形状は、特に限定さ
れない。
【0037】請求項1〜9に係る発明において、一対の
放電電極は、一般的に、ガラスバルブの両端側に封装さ
れ、ガラスバルブ内に陽光放電柱を発生させる構成を採
るが、一方の放電電極をガラスバルブ内に封装し、他方
の放電電極をガラスバルブ外に配置した構成や、ガラス
バルブ外に高周波発生装置や点灯装置を配置した構成な
どを採ることもできる。
【0038】さらに、請求項1〜9に係る発明におい
て、ガラスバルブ内に封入された放電媒体、すなわち水
銀(水銀アマルガムを含む)や希ガスは、蛍光ランプに
通常使用されているものであり、また、それらの封入量
も通常の場合と同程度である。
【0039】請求項1および2の発明では、赤色光領域
および遠赤色領域に発光ピーク波長(615〜620n
m程度及び700〜705nm程度の波長)があり、か
つ600〜700nmの光量子束と700〜800nm
の光量子束との比(R/FR)が1よりも大きい発光を
するので、植物の花芽分化抑制に有効な蛍光ランプなど
として機能する。
【0040】請求項3の発明では、500nm以下の水
銀輝線を吸収する吸収層をガラスバルブの外周面に設け
たことにより、光に対して正の走光性を有する昆虫の誘
虫作用も抑制され、植物の光形態形成に適する蛍光ラン
プとして機能する。ここで、水銀輝線を吸収する吸収層
の形設する代りに、500nm以下の水銀輝線を吸収す
るガラスでガラスバルブを形成した場合も、同様に、光
に対して正の走光性を有する昆虫の誘虫作用も抑制さ
れ、植物の光形態形成に適する蛍光ランプとして機能す
る。
【0041】請求項4の発明では、赤色系蛍光体に、緑
色系蛍光体および青色系蛍光体を配合した蛍光体層が設
けられていることにより、植物の花芽分化抑制作用およ
び誘虫作用も抑制された蛍光ランプとして機能する。請
求項5の発明では、ガラスバルブ内壁面上に形成された
Eu及びMg、Eu及びTi、又はEu及びMg及びT
iで付活された酸硫化イットリウム蛍光体と、ガラスバ
ルブ内壁面上に形成された紫外線蛍光体とを具備するの
で、一つの蛍光ランプで植物の花芽分化抑制及び光に対
して正の走光性を有する昆虫の誘虫を効果的に行うこと
ができる。
【0042】請求項6の発明では、前記酸硫化イットリ
ウム蛍光体と前記紫外線蛍光体とは、質量比が5:5〜
9.5:0.5の割合で混合されているので、植物の花
芽分化抑制及び光に対して正の走光性を有する昆虫の誘
虫をより効果的に行うことができる。
【0043】請求項7の発明では、ガラスバルブと封入
された水銀との反応などを防止する保護層を設けたこと
により、植物の光形態形成に適する長寿命型の蛍光ラン
プとして機能する。
【0044】請求項8の発明では、ガラスバルブの曲成
ないしコンパクト化で、例えば菊やイチゴ電照栽培に適
する蛍光ランプとして機能する。
【0045】請求項9の発明では、植物の光形態形成な
どに適する蛍光ランプを光源とするため、自然照明用装
置として機能する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下図2〜図9を参照して実施の
形態を説明する。
【0047】(第1の実施の形態)以下、本発明の第1
の実施の形態について説明する。
【0048】図2は、第1の実施の形態に係る蛍光ラン
プの要部構成を示す一部切欠断面図である。図2におい
て、1は管径32.5mm、管長さ580mmのソーダ
ライムガラス製で、かつ両端側に一対の電極を封装する
とともに、所要の放電媒体を気密に封有するガラスバル
ブ(発光管)であり、基本的には、一般照明用の蛍光ラ
ンプと同様の構成を採っている。
【0049】2は前記ガラスバルブ1の内壁面に設けら
れた膜厚0.1μm程度の保護層(たとえばAl2O3
膜)、3は前記保護層2上に設けられた膜厚20μm程
度のEu及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリ
ウム蛍光体層(以下、Eu及びMg及びTiで付活され
た酸硫化イットリウム蛍光体(Y2O2S:Eu・Mg
・Ti)を単に「付活酸硫化イットリウム蛍光体」とも
いう。)。4は前記ガラスバルブ1外周面に設けられた
500nm以下の水銀輝線を吸収する膜厚50μm程度
の吸収層ないし顔料層(たとえばFe2O3膜)、5は
端子ピン5a,5bを備えた口金である。
【0050】上記蛍光ランプを規定の照明器具に装着し
て点灯を行ったところ、前記図1に示す相対発光効率な
いし発光分布を呈する光源として機能した。すなわち、
赤色光領域(600〜700nmの波長領域)内および
遠赤色領域(700〜800nmの波長領域)内に発光
ピーク波長(615〜620nm程度及び700〜70
5nm程度の波長)があり、かつ600〜700nmの
光量子束と700〜800nmの光量子束との比(R/
FR)が1よりも大きい発光を行った。そして、この発
光は、植物の花芽分化抑制に有効であるとともに、50
0nm以下の水銀輝線を吸収層4を設けたことにより、
光に対して正の走光性を有する昆虫の誘虫作用も抑制さ
れ、植物の光形態形成に適する蛍光ランプとして機能す
ることが確認された。
【0051】なお、本実施の形態において、保護層2お
よび吸収層4を省略した場合は、この保護層2や吸収層
4による作用効果の低減が見られるものの、植物の花芽
分化抑制に有効な赤色光領域内および遠赤色光領域内に
発光ピーク波長(615〜620nm程度及び700〜
705nm程度の波長)のある蛍光ランプとして利用で
きる。
【0052】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下本実施の態
以降の実施の形態のうち先行する実施の形態と重複する
内容については説明を形省略する。
【0053】図3は、第2の実施の形態に係る蛍光ラン
プの要部構成を示す一部切欠断面図である。図3におい
て、1′は管径32.5mm、管長さ580nmの水銀
輝線(500nm以下)吸収性を有するガラス製で、か
つ両端側に一対の電極を封装するとともに、所要の放電
媒体を気密に封有するガラスバルブ(発光管)であり、
基本的には、一般照明用の蛍光ランプと同様の構成を採
っている。
【0054】2は前記ガラスバルブ1′の内壁面に設け
られた膜厚0.1μm程度の保護層(たとえばAl2O
3膜)、3は前記保護層2上に設けられた膜厚20μm
程度の付活酸硫化イットリウム蛍光体層(Y2O2S:
Eu・Mg・Ti)、5は端子ピン5a,5bを備えた
口金である。前記第1の実施の形態の場合との相違は、
ガラスバルブ1′が水銀輝線(500nm以下)吸収性
を有するガラス製であるので、吸収層4の形成を省略し
た点である。
【0055】上記蛍光ランプを規定の照明器具に装着し
て点灯を行ったところ、前記図1に示す相対発光効率な
いし発光分布を呈する光源として機能した。すなわち、
赤色光領域内および遠赤色光領域内に発光ピーク波長
(615〜620nm程度及び700〜705nm程度
の波長)があり、かつ600〜700nmの光量子束と
700〜800nmの光量子束との比(R/FR)が1
よりも大きい発光が行われた。そして、その発光は、植
物の花芽分化抑制に有効であるとともに、ガラスバルブ
1′自体が500nm以下の水銀輝線を吸収する作用を
有することにより、光に対して正の走光性を有する昆虫
の誘虫作用も抑制され、植物の光形態形成に適する蛍光
ランプとして機能することが確認された。
【0056】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0057】図4は、第3の実施の形態に係る電球型蛍
光ランプ(G形)の要部構成を示す一部切欠断面図であ
る。図4において、1″はガラス管を鞍形に曲成したガ
ラスバルブ、6はに前記鞍形ガラスバルブ1″を支持装
着するカバー、7は前記カバー6に内装及び保持された
点灯回路、8は前記カバー6の開口端に、開口端が係着
して前記ガラスバルブ1″を被包及び内装するグロー
ブ、9は前記カバー6の他端側に装着された口金で、こ
の口金9を照明器具に装着し、電気的に接続するもので
ある。
【0058】ここで、ガラスバルブ1″の両端部には、
前記点灯回路7を介して口金9に電気的に接続する一対
の放電電極(図示省略)が対向して封装され、かつ水銀
アマルガム(In,Pbを含まない)および希ガスが所
要量封入されている。また、前記ガラスバルブ1″の内
壁面には、蛍光体層が設けられている。すなわち、一般
式;Y2S2O3:Eu・Mg・Tiの化学組成で示さ
れる付活酸硫化イットリウム蛍光体から成る蛍光体層を
設けた蛍光ランプである。
【0059】さらに、前記ガラスバルブ1″の外周面に
は、500nm以下の水銀輝線を吸収する膜厚50μm
程度の吸収層ないし顔料層(たとえばFe2O3 膜)
が設けられている。
【0060】上記電球型蛍光ランプを規定の照明器具に
装着して点灯を行ったところ、前記図1に示す相対発光
効率ないし発光分布を呈する光源として機能した。すな
わち、赤色光領域内および遠赤色光領域内に発光ピーク
波長(615〜620nm程度及び700〜705nm
程度の波長)があり、かつ600〜700nmの光量子
束と700〜800nmの光量子束との比(R/FR)
が1よりも大きい発光を行って、植物の花芽分化抑制に
有効であるとともに、鞍形ガラスバルブ1″自体が50
0nm以下の水銀輝線を吸収する作用を有することによ
り、光に対して正の走光性を有する昆虫の誘虫作用も抑
制され、植物の光形態形成に適する蛍光ランプとして機
能することが確認された。
【0061】なお、上記電球型蛍光ランプの代りに、鞍
形ガラスバルブ1″内壁面ヘ付活酸硫化イットリウム蛍
光体に緑色系蛍光体および青色系蛍光体を混合した混合
蛍光体層を設けて成る3波長蛍光ランプを使用した場合
も、ほぼ同様の結果が認められる。
【0062】(第4の実施の形態)以下、本発明の第4
の実施の形態について説明する。
【0063】第3の実施の形態において、外周面に50
0nm以下の水銀輝線を吸収する吸収層ないし顔料層
(たとえばFe2O3 膜)を設けない電球型蛍光ラン
プ(G形)を使用し、その代りに、図5(a) ,(b) ,
(c) それぞれ異なる構成を断面的に拡大して示すよう
に、グローブ8を500nm以下の水銀輝線を吸収する
性質を有するガラス8a製(図5(a))、前記ガラス
8aの外側表面に 500nm以下の水銀輝線吸収層4
を設け(図5(b))るか、あるいは前記ガラス8aの
内側表面に光拡散膜10を設ける一方、外側表面に50
0nm以下の水銀輝線吸収層4を設け(図5(c))た
構成とすることもできる。
【0064】つまり、図4に図示した電球型蛍光ランプ
の構成において、グローブ8の構成を上記図5(a),
(b),(c) に図示したように設定した場合も同様
に、誘虫作用も抑制され、植物の光形態形成に適する蛍
光ランプとして機能することが確認された。すなわち、
赤色光領域内および遠赤色光領域内に発光ピーク波長
(615〜620nm程度及び700〜705nm程度
の波長)があり、かつ600〜700nmの光量子束と
700〜800nmの光量子束との比(R/FR)が1
よりも大きい発光が行行われ、植物の花芽分化抑制に有
効であるとともに、鞍形ガラスバルブ1″自体が500
nm以下の水銀輝線を吸収する作用を有するので、光に
対して正の走光性を有する昆虫の誘虫作用も抑制され、
植物の光形態形成に適する蛍光ランプであった。
【0065】なお、上記電球型蛍光ランプの代りに、鞍
形ガラスバルブ1″内壁面へ付活酸硫化イットリウム蛍
光体に、緑色系蛍光体および青色系蛍光体を混合した混
合蛍光体層を設けて成る3波長蛍光ランプを使用した場
合も、ほぼ同様の結果が認められる。
【0066】(第5の実施の形態)以下、本発明の第5
の実施の形態について説明する。
【0067】本実施の形態では、ガラスバルブ1内壁面
上に付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍光体を混
合した蛍光体層を形成する構成とした。
【0068】図6は、本実施の形態に係る蛍光ランプの
要部構成を示す一部切り欠き断面図である。
【0069】図6に示すように、ガラスバルブ1内壁面
には、例えば酸化物からなる保護層2が形成されてお
り、ガラスバルブ1とガラスバルブ1内に封入された水
銀とが反応するのを防止するようになっている。ガラス
バルブ1と水銀との反応を防止することによりガラスバ
ルブ1の強度を維持できるので、蛍光ランプの寿命を延
ばすことができる。また、保護層2を形成する酸化物と
しては、例えばAl2O3を使用することが好ましい。
Al2O3で保護層2を形成するが好ましいとしたの
は、より確実にガラスバルブ1とガラスバルブ1内に封
入される水銀との反応を防ぐことができるとともに透過
性に優れているので明るさを低下させることがないから
である。また、保護層2の厚さは、例えば約0.2μm
である。
【0070】また、保護層2上には、付活酸硫化イット
リウム蛍光体と、例えばBaSi2O5:Pbのような
紫外線蛍光体とを混合した蛍光体層21が形成されてい
る。ここで、蛍光体層21を形成する付活酸硫化イット
リウム蛍光体と紫外線蛍光体とは、質量比が5:5〜
9.5:0.5の割合で混合されていることが好まし
い。さらに、付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍
光体とは、質量比が7:3〜9:1の割合で混合されて
いることがより好ましい。付活酸硫化イットリウム蛍光
体と紫外線蛍光体とを質量比5:5〜9.5:0.5の
割合で混合することとしたのは、付活酸硫化イットリウ
ムの質量比が5を下回ると、付活酸硫化イットリウムが
もつ植物の花芽分化抑制効果が十分に得られないという
問題があり、また、付活酸硫化イットリウムの質量比が
9.5を上回ると、紫外線蛍光体がもつ誘虫効果が十分
に得られないという問題があるからである。
【0071】また、この蛍光体層21は、例えば付活酸
硫化イットリウム蛍光体粉末と紫外線蛍光体粉末とを上
記割合で混合するとともにバインダ溶液を加えて蛍光体
懸濁溶液にした後、保護層2の表面上に塗布、乾燥及び
焼成して形成される。
【0072】また、ガラスバルブ1内にはアマルガムが
収容されている。ガラスバルブ1内にアマルガムを収容
することにより、高温でも水銀蒸気圧を制御でき、明る
さの低下の少ない安定した発光を得ることができる。ま
た、寿命を伸ばすことができる。
【0073】さらに、本実施の形態では、吸収層ないし
顔料層4は形成しないものとする。
【0074】このように、本実施の形態に係る蛍光ラン
プでは、付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍光体
とを混合した蛍光体層21をガラスバルブ1内壁面上に
形成するので、一つの蛍光ランプで植物の花芽分化抑制
及び受粉を行う光に対して正の走光性を有する昆虫の誘
虫を効果的に行うことができる。また、一つの蛍光ラン
プで植物の花芽分化抑制と受粉を行う光に対して正の走
光性を有する昆虫の誘虫を行うので、消費電力を低減す
ることができ、コストの低減を図ることができる。
【0075】また、付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫
外線蛍光体とが混合されているので、付活酸硫化イット
リウム蛍光体と紫外線蛍光体との両方に直接水銀輝線が
照射され、発光効率を向上させることができる。さら
に、容易に製造することができる。 (実施例1)以
下、実施例1について説明する。
【0076】本実施例は、第5の実施の形態に係る蛍光
ランプを照明装置に装着して波長に対する発光強度を測
定した。ここで、本実施例の蛍光体層21は付活酸硫化
イットリウム蛍光体と、紫外線蛍光体としてBaSi2
O5:Pbをと混合するとともにバインダ溶液を加えて
蛍光体懸濁溶液にした後、ガラスバルブ1内壁面に塗
布、乾燥及び焼成して形成したものを使用した。また、
酸硫化イットリウム蛍光体とBaSi2O5:Pbと
は、質量比が8:2の割合で混合した。
【0077】図7は、本実施例の蛍光ランプに係る分光
分布を示したグラフである。
【0078】図7に示すように、300〜400nmの
波長領域内である350〜360nm付近に発光ピーク
波長が確認された。また、赤色光領域(600〜700
nmの波長領域)内及び遠赤色光領域(700〜800
nmの波長領域)内に発光ピーク波長が確認された。ま
た、600〜700nmの光量子束と700〜800n
mの光量子束との比(R/FR)が1よりも大きい発光
が行われたことも確認された。
【0079】赤色光領域内及び遠赤色光領域内での発光
は植物の花芽分化抑制に有効であり、300〜400n
mの波長領域内での発光は光に対して正の走光性を有す
る昆虫の誘虫に有効であるので、上記蛍光ランプが植物
の光形態形成及び受粉を行う光に対して正の走光性を有
する昆虫の誘虫に適することが確認された。
【0080】(実施例2)以下、実施例2について説明
する。
【0081】本実施例では、(Ba,Sr,Mg)3S
i2O7:Pb、(Mg,Ba)Al11O19:C
e、及びYPO4:Ce、LaPO4:Ceの波長に対
する発光強度を測定した。
【0082】図8(a)、(b)は、それぞれ(Ba,
Sr,Mg)3Si2O7:Pb、(Mg,Ba)Al
11O19:Ceの分光分布を表すグラフである。図9
(a)、(b)は、それぞれYPO4:Ce、LaPO
4:Ceの分光分布を表すグラフである。
【0083】図8(a)及び(b)に示すように、(B
a,Sr,Mg)3Si2O7:Pbでは365〜37
0nm付近に発光ピーク波長が現れ、(Mg,Ba)A
l11O19:Ceでは335〜345nm付近に発光
ピーク波長が現れた。また、図9(a)及び(b)に示
すように、YPO4:Ceでは355〜365nm付近
に発光ピーク波長が現れ、LaPO4:Ceでは310
〜320nm付近に発光ピーク波長が現れた。
【0084】図8及び図9に示すように、上記各物質の
発光ピーク波長は、300〜400nmの波長領域内に
存在するので、上記各物質が受粉を行う光に対して正の
走光性を有する昆虫の誘虫効果を有することを確認し
た。
【0085】従って、上記各物質は、紫外線蛍光体とし
て使用できることが確認された。
【0086】(第6の実施の形態)以下、本発明の第6
の実施の形態について説明する。
【0087】本実施の形態では、電球型蛍光ランプ(G
形)のガラスバルブ1″内壁面上に付活酸硫化イットリ
ウム蛍光体と紫外線蛍光体を混合した蛍光体層を形成す
る構成とした。
【0088】即ち、概略構成は第3の実施の形態の図4
に示す電球型蛍光ランプと同様であり、鞍形ガラスバル
ブ1″内壁面に保護層、及び付活酸硫化イットリウム蛍
光体と紫外線蛍光体を混合した蛍光体層を形成する構成
とした。
【0089】また、本実施の形態では、吸収層ないし顔
料層を形成しないものとする。
【0090】このように、本実施の形態の蛍光ランプで
は、電球型蛍光ランプの鞍形ガラスバルブ1″内壁面上
に付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍光体を混合
した蛍光体層を形成するので、一つの蛍光ランプで植物
の花芽分化抑制及び受粉を行う光に対して正の走光性を
有する昆虫の誘虫を効果的に行うことができるとともに
コンパクトにすることができる。
【0091】なお、本発明は上記第1〜第6の実施の形
態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、
各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜変更可能である。例えば発光管を構成するガラス素
材、ガラスバルブの寸法及び形状、Eu及びMg、Eu
及びTi、Eu及びMg及びTiで付活された酸硫化イ
ットリウム蛍光体と他の蛍光体との組み合わせ(混
合)、500nm以下の水銀輝線を吸収する吸収層の素
材など、蛍光ランプの用途や製造コストなどを考慮して
適宜選択できる。
【0092】また、第1〜第6の実施の形態では、Eu
及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリウム蛍光
体を使用しているが、Eu及びMg、又はEu及びTi
で付活された酸硫化イットリウム蛍光体も使用できる。
【0093】また、第1〜第6の実施の形態では、保護
層にAl2O3を使用しているが、例えばTiO2、S
iO2、ZnO2、CeO2、及びY2O3のような酸
化物を使用することも可能である。これらの酸化物を使
用した場合でもAl2O3と同様の効果が得られる。
【0094】また、第1〜第6の実施の形態では、保護
層が形成されているが、保護層を省略することも可能で
ある。
【0095】また、第1〜第6の実施の形態では、アマ
ルガムをガラスバルブ1、1´、1″内に収容している
が、アマルガムを省略することも可能である。
【0096】また、第5及び第6の実施の形態では、付
活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍光体とを混合し
て蛍光体層を形成しているが、付活酸硫化イットリウム
蛍光体と紫外線蛍光体とをそれぞれ異なる層で形成する
ことも可能である。この場合、保護層の内側表面と付活
酸硫化イットリウム蛍光体層又は紫外線蛍光体層のどち
らを接触させてもよい。付活酸硫化イットリウム蛍光体
と紫外線蛍光体とをそれぞれ異なる層で形成することに
より付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍光体とを
それぞれ均一に発光させることができる。
【0097】さらに、第5及び第6の実施の形態では、
付活酸硫化イットリウム蛍光体と紫外線蛍光体とが形成
された蛍光ランプを植物の花芽分化抑制と受粉を行う光
に対して正の走光性を有する昆虫の誘虫を目的として使
用しているが、電撃殺虫器に組み込んで殺虫する目的と
して使用することもできる。
【0098】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、 600〜7
00nmの光量子束と700〜800nmの光量子束と
の比(R/FR)が大きい発光をするので、一般的な照
明用および植物の花芽分化抑制に有効な蛍光ランプを提
供できる。
【0099】請求項2の発明によれば、600〜700
nmの光量子束と700〜800nmの光量子束との比
(R/FR)が1よりも大きい発光をするので、一般的
な照明用および植物の花芽分化抑制に有効な蛍光ランプ
を提供できる。
【0100】請求項3の発明によれば、光に対して正の
走光性を有する昆虫の誘虫作用も抑制されるので、より
植物の光形態形成に適する光源を提供できる。
【0101】請求項4の発明によれば、植物の花芽分化
抑制作用を有するとともに、光に対して正の走光性を有
する昆虫の誘虫作用も抑制する自然光が得られる蛍光ラ
ンプを提供できる。
【0102】請求項5の発明によれば、一つの蛍光ラン
プで植物の花芽分化抑制及び光に対して正の走光性を有
する昆虫の誘虫を効果的に行うことができる。
【0103】請求項6の発明によれば、植物の花芽分化
抑制及び光に対して正の走光性を有する昆虫の誘虫をよ
り効果的に行うことができる。
【0104】請求項7の発明によれば、植物の光形態形
成などに適する長寿命型の蛍光ランプを提供できる。
【0105】請求項8の発明によれば、コンパクト化
で、かつ例えば菊やイチゴの電照栽培に適する蛍光ラン
プを提供できる。
【0106】請求項9の発明によれば、植物の光形態形
成などに適する照明用装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の蛍光ランプが備えている蛍光体膜
を形成するEu及びMg、Eu及びTi、又はEu及び
Mg及びTi付活酸硫化イットリウム蛍光体の相対発光
効率と波長との関係例を示す特性図である。
【図2】第1の実施の形態に係る蛍光ランプの要部構成
を示す一部切り欠き断面図である。
【図3】第2の実施の形態に係る蛍光ランプの要部構成
を示す一部切り欠き断面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る電球型蛍光ランプの要
部構成を示す一部切り欠き断面図である。
【図5】(a),(b),(c) は第4の実施の形態
に係る電球型蛍光ランプが具備する互いに異なるグロー
ブの構造例を示す断面図である。
【図6】第5の実施の形態に係る蛍光ランプの要部構成
を示す一部切り欠き断面図である。
【図7】実施例1に係る蛍光ランプの分光分布を示した
グラフである。
【図8】(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb、
(Mg,Ba)Al11O19:Ceの分光分布を表す
グラフである。
【図9】YPO4:Ce、LaPO4:Ceの分光分布
を表すグラフである。
【符号の説明】
1、1′、1″……ガラスバルブ 2……保護層 3、21……蛍光体層 4……水銀輝線吸収層 5、9……口金 5a、5b……端子ピン 6……カバー 7……点灯回路 8……グローブ 10……拡散膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 61/35 H01J 61/35 L

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁面に蛍光体層が形成され、かつ水銀
    および希ガスを封有するガラスバルブと;前記ガラスバ
    ルブ内に陽光放電柱を発生させる一対の放電電極と;を
    有する蛍光ランプであって、 前記蛍光層は少なくともEu及びMg、Eu及びTi、
    又はEu及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリ
    ウム蛍光体を含み、かつ第1の発光ピークが赤色光領域
    に、第2の発光ピークが遠赤色光領域にあることを特徴
    とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 内壁面に蛍光体層が形成され、かつ水銀
    および希ガスを封有するガラスバルブと;前記ガラスバ
    ルブ内に陽光放電柱を発生させる一対の放電電極と;を
    有する蛍光ランプであって、 前記蛍光体層はEu及びMg、Eu及びTi、又はEu
    及びMg及びTiで付活された酸硫化イットリウム蛍光
    体で形成されていることを特徴とする蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の蛍光ランプであっ
    て、ガラスバルブが波長500nm以下の水銀輝線を透
    過しないように処理されていることを特徴とする蛍光ラ
    ンプ
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍
    光ランプであって、蛍光体層中の蛍光体は、Eu及びM
    g、Eu及びTi、又はEu及びMg及びTiで付活さ
    れた酸硫化イットリウム蛍光体、緑色系を発光する蛍光
    体および青色系を発光する蛍光体を含んでいることを特
    徴とする蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 水銀及び希ガスを封入したガラスバルブ
    と;前記ガラスバルブ内で放電を生じさせる一対の放電
    電極と;前記ガラスバルブ内壁面上に形成されたEu及
    びMg、Eu及びTi、又はEu及びMg及びTiで付
    活された酸硫化イットリウム蛍光体と;前記ガラスバル
    ブ内壁面上に形成された紫外線蛍光体と;を具備するこ
    とを特徴とする蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の蛍光ランプであって、前
    記酸硫化イットリウム蛍光体と前記紫外線蛍光体とは、
    質量比が5:5〜9.5:0.5の割合で混合されてい
    ることを特徴とする蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍
    光ランプであって、ガラス内壁面と蛍光体層の間に保護
    層を設けてあることを特徴とする蛍光ランプ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍
    光ランプであって、ガラスバルブがU字形曲成部を有す
    ることを特徴とする蛍光ランプ。
  9. 【請求項9】 蛍光ランプ用照明器具と;前記照明器具
    に装着された請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光
    ランプと;を具備することを特徴とする照明装置。
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