JP2001243918A - セラミックス放電ランプ - Google Patents

セラミックス放電ランプ

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JP2001243918A
JP2001243918A JP2000053790A JP2000053790A JP2001243918A JP 2001243918 A JP2001243918 A JP 2001243918A JP 2000053790 A JP2000053790 A JP 2000053790A JP 2000053790 A JP2000053790 A JP 2000053790A JP 2001243918 A JP2001243918 A JP 2001243918A
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electrode
power supply
supply conductor
frit glass
discharge lamp
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JP2000053790A
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Kazuhiro Miyagawa
和弘 宮川
Hisashi Honda
久司 本田
Shigehisa Kawazuru
滋久 川鶴
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Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給電導体と電極とを接合して電極構成体を形
成する場合に、安価な構成で精度良く形成する。 【解決手段】 電極構成体3を形成するための給電導体
7と電極6との接合を、相対的に融点の低い給電導体7
のみを溶融して行う。これにより、接合時に給電導体7
に対する電極6の偏心が起こらず、給電導体7と電極6
とが安定した直線形状をなす電極構成体3を得ることが
でき、しかも、給電導体7と電極6とには高い加工精度
が不要であるので、安価な構造の電極構成体3を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスを用
いて形成された透光性セラミックスバルブを備えるセラ
ミックス放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミナなどのセラミックスを用
いて形成された透光性セラミックスバルブを使用したセ
ラミックス放電ランプが普及しつつある。このセラミッ
クス放電ランプは、中央部に位置する放電空間とその両
端に位置する一対の電極構成体挿入孔とを有する透光性
セラミックスバルブ、電極と給電導体とを接合して構成
された電極構成体、透光性セラミックスバルブの放電空
間内に封入された希ガスや水銀や発光物質としてのメタ
ルハライドからなる放電媒体等から構成されている。電
極構成体は、電極が放電空間内で対向するように電極構
成体挿入孔に挿入され、電極構成体中の給電導体の外周
面と電極構成体挿入孔の内周面との間はフリットガラス
で気密封着されている。
【0003】給電導体を形成する材料としては、アルミ
ナやフリットガラスなどの熱膨張係数と近似した値の熱
膨張係数を有するニオブ(Nb)が使用されている。
【0004】しかし、ニオブは、放電媒体として放電空
間内に封入されるメタルハライドと容易に反応して腐食
し易く、放電媒体のリークを発生し易いため、フリット
ガラスにより給電導体(ニオブ)を完全に被覆する必要
がある。
【0005】フリットガラスにより給電導体を完全に被
覆するということは、この給電導体に接合されている電
極の一部をも被覆することになる。電極を形成している
タングステンなどの材料の熱膨張係数はフリットガラス
の熱膨張係数より小さいため、フリットガラスが電極を
被覆している領域が広くなると、その熱膨張係数の差に
よりフリットガラスにクラックが発生することがある。
【0006】給電導体と電極との接合方法を開示した技
術文献は少ないが、実際には、給電導体をパイプ状に
形成し又は棒状の給電導体の端部に凹部を形成し、その
孔部又は凹部に電極の端部を挿入する方法。給電導体
の端部と電極の端部とを当接させ、その当接部分の外周
にコイルを巻き付ける方法。給電導体の端部と電極の
端部とを電子ビームにより加熱して溶着する方法が採ら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したの方法に
よれば、非常に高い加工精度が必要であり、コスト高に
なっている。さらに、の方法では、コイルが必要であ
るために部品点数が増え、より一層コスト高になってい
る。の方法では、給電導体と電極との両方が融けるこ
とによりその接合時に給電導体に対して電極が偏心しや
すい。
【0008】そして、不十分な加工精度や接合時におけ
る電極の偏心などにより、給電導体と電極との接合部の
形状にばらつきが生じていると、フリットガラスによる
封着工程においてフリットガラスの流れ込み位置がばら
つきを生じる。
【0009】フリットガラスの流れ込みが不十分であっ
てフリットガラスによる給電導体の被覆が不十分になる
と、給電導体(ニオブ)が放電媒体として放電空間内に
封入されるメタルハライドと反応して腐食が発生し、放
電媒体のリークが発生する。
【0010】一方、フリットガラスが電極側へ流れ込み
過ぎ、電極を被覆する領域が広くなり過ぎると、フリッ
トガラスと電極との熱膨張係数の差によりフリットガラ
スにクラックが発生する。
【0011】また、フリットガラスの電極側への流れ込
み位置がばらつきを生ずると、ランプの特性を決定する
最冷部温度が各ランプ毎にばらつくようになり、一定の
品質が得られない。
【0012】そこで本発明は、給電導体と電極との接合
を、安価な構成で精度良く行うことができるセラミック
ス放電ランプを提供することを目的とする。
【0013】さらに本発明は、電極構成体挿入孔の内周
面と給電導体の外周面との間を封着するフリットガラス
の電極側への流れ込みの制御を良好に行えるセラミック
ス放電ランプを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のセ
ラミックス放電ランプは、中央部に放電空間が形成さ
れ、両端に一対の電極構成体挿入孔が形成されたセラミ
ックス製の透光性セラミックスバルブと;耐ハロゲン性
を有する高融点金属材料で形成された棒状の電極と、前
記電極より融点が低く前記セラミックスの熱膨張係数と
近似した値の熱膨張係数を有する金属材料で形成された
棒状の給電導体とからなり、前記給電導体の一端を溶融
することにより前記給電導体と前記電極とが直線状に接
合され、前記電極が前記放電空間内で対向するように前
記電極構成体挿入孔に挿入された一対の電極構成体と;
前記放電空間内に封入されたハロゲン化合物を含む放電
媒体と;前記電極構成体挿入孔の内周面とこの電極構成
体挿入孔内に挿入された前記電極構成体中の前記給電導
体の外周面との間を気密状態に封着したフリットガラス
と;を具備している。
【0015】本発明及び以下の各発明において、特に指
定しない限り、用語の定義及び技術的意味は以下の通り
である。
【0016】透光性セラミックスバルブとは、放電空間
内での放電により発生した所望の波長域の可視光を外部
に導出することができるものであって、耐熱性、気密性
を備えたバルブであり、その材料としては、アルミナや
YAGなどのセラミックスが使用されている。放電空間
は、その両端部に形成された電極構成体挿入孔の部分よ
り大径である球体形状をなすものが一般的であるが、角
型形状でもよく、又は、電極構成体挿入孔と同径寸法に
形成されたものであってもよい。電極の材料としては、
タングステン(W)が適しており、給電導体の材料とし
てはニオブが適している。
【0017】給電導体と電極とを接合して直線状の電極
構成体を形成するとき、融点が相対的に低い給電導体の
みを溶融することにより、接合時に電極の偏心が発生せ
ず、安定した直線形状の電極構成体を得ることができ
る。また、このようにして形成される電極構成体は、給
電導体と電極とにおいて高い加工精度が不要であり、安
価な構造となる。
【0018】フリットガラスは、Al23−SiO2
Dy23などで形成されたガラス状接着剤で、その熱膨
張係数はセラミックスやニオブの熱膨張係数と近似して
いる。電極構成体を電極構成体挿入孔に挿入した後、フ
リットガラスを溶融して電極構成体における給電導体の
外周面と電極構成体挿入孔の内周面との間に流し込むこ
とにより、このフリットガラスにより、電極構成体中の
給電導体の外周面と電極構成体挿入孔の内周面との間が
封着される。
【0019】放電媒体は、アルゴン(Ar)ガスのよう
な希ガス、適量の水銀(Hg)、発光物質としてのナト
リウム(Na)、タリウム(Tl)、ジスプロシウム
(Dy)等のハロゲン化合物が含まれる。ニオブで形成
された給電電極は、ハロゲン化合物から遊離されたハロ
ゲン元素と容易に反応して腐食し易いが、この給電電極
をフリットガラスで確実に被覆することにより、給電電
極とハロゲン元素との反応が防止される。
【0020】したがって、このような請求項1記載の発
明のセラミックス放電ランプによれば、電極構成体を形
成するための給電導体と電極との接合が、相対的に融点
の低い給電導体のみを溶融して行われるので、接合時に
給電導体に対する電極の偏心が起こらず、給電導体と電
極とが安定した直線形状をなす電極構成体が得られる。
また、給電導体と電極とには高い加工精度が不要であ
り、安価な構造の電極構成体が得られる。
【0021】請求項2記載の発明は、請求項1記載のセ
ラミックス放電ランプにおいて、前記給電導体と前記電
極との接合部分において、前記給電導体が前記電極の周
囲を取り囲んでいる。
【0022】したがって、給電導体と電極との接合強度
が高い電極構成体が得られる。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項2記載のセ
ラミックス放電ランプにおいて、前記給電導体が前記電
極の周囲を取り囲んだ部分にはテーパ形状部が形成され
ている。
【0024】したがって、このテーパ形状部が形成され
ることにより、給電導体と電極との接合強度がさらに高
くなる。さらに、このテーパ形状部が形成されることに
より、給電導体と電極との接合部側へのフリットガラス
の流れ込みが良くなり、電極との接合部近傍の給電導体
がフリットガラスにより確実に被覆される。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項3記載のセ
ラミックス放電ランプにおいて、テーパ形状部の長さ寸
法は0.2mm以上である。
【0026】したがって、給電導体と電極との接合強度
のアップが確実に行われる。
【0027】請求項5記載の発明は、請求項3記載のセ
ラミックス放電バルブにおいて、前記給電導体の外径寸
法をDとし、前記テーパ形状部の長さ寸法をLとすると
き、その比率L/Dが、0.3≦L/D≦4.7である。
【0028】したがって、給電導体と電極との接合部側
へのフリットガラスの流れ込み制御が容易になる。そし
て、フリットガラスが電極側へ流れ込み過ぎることが防
止され、フリットガラスが電極側へ多量に流れ込み過ぎ
ることにより発生する、電極とフリットガラスとの熱膨
張係数の差が原因となるフリットガラスのクラック発生
が防止される。また、フリットガラスの電極側への流れ
込み位置のバラツキが防止され、流れ込み位置のバラツ
キが原因となる各セラミックス放電ランプにおける最冷
部温度のバラツキ発生が防止される。
【0029】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
のいずれか一記載のセラミックス放電ランプにおいて、
前記給電導体の外径寸法をDとし、前記電極の外径寸法
をdとするとき、その比率d/Dが、0.2≦d/D≦
0.95である。
【0030】したがって、給電導体と電極との接合部側
へのフリットガラスの流れ込み制御が容易になる。そし
て、フリットガラスが電極側へ流れ込み過ぎることが防
止され、フリットガラスが電極側へ多量に流れ込み過ぎ
ることにより発生する、電極とフリットガラスとの熱膨
張係数の差が原因となるフリットガラスのクラック発生
が防止される。また、フリットガラスの電極側への流れ
込み位置のバラツキが防止され、流れ込み位置のバラツ
キが原因となる各セラミックス放電ランプにおける最冷
部温度のバラツキ発生が防止される。
【0031】請求項7記載の発明は、請求項2ないし5
のいずれか一記載のセラミックス放電ランプにおいて、
前記給電導体の溶融部分に周囲を取り囲まれている前記
電極の端部は、前記電極における他の部分より結晶が大
きい再結晶状態となっている。
【0032】ここで、給電導体と電極とを接合するため
に給電導体を溶融したときの熱で、電極における給電導
体との接合部近傍は、結晶が大きい再結晶状態となり、
脆くなっている。しかし、この脆くなった部分が給電導
体の溶融部分で覆われているので、給電導体と電極との
接合部分は十分な強度が維持される。
【0033】請求項8記載の発明は、請求項1ないし7
のいずれか一記載のセラミックス放電ランプにおいて、
前記電極の長さ寸法をLEとし、前記フリットガラスの
封着寸法をLFとするとき、その比率LF/LEが、
0.15≦LF/LE≦0.85である。
【0034】したがって、セラミックス放電ランプにお
ける最冷部温度が十分に低くなり、給電導体とハロゲン
化合物から遊離したハロゲン元素との反応が抑制され
る。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1はセラミックス放電ランプを示す
縦断正面図、図2はその一部を拡大して示す縦断正面
図、図3はその一部をさらに拡大して示す縦断正面図で
ある。
【0036】セラミックス放電ランプ1は、概略的に
は、透光性セラミックスバルブ2と、一対の電極構成体
3と、図示しない放電媒体とにより構成されている。
【0037】透光性セラミックスバルブ2は、セラミッ
クスであるアルミナを用いて形成され、中央部に楕円球
状形の放電空間4が形成され、その両端には一対の電極
構成体挿入孔5が形成されている。透光性セラミックス
バルブ2の長手方向の長さ寸法aは23mm、透光性セ
ラミックスバルブ2における放電空間4が形成されてい
る部分の外径寸法bは6mm、透光性セラミックスバル
ブ2における放電空間4を覆っている部分の肉厚寸法は
0.5mm、電極構成体挿入孔5の内径寸法cは0.7m
mである。
【0038】電極構成体3は、耐ハロゲン性を有する高
融点金属材料、例えば、タングステンで形成された棒状
の電極6と、電極6より融点が低くアルミナや後述する
フリットガラスの熱膨張係数と近似した値の熱膨張係数
を有する金属材料、例えば、ニオブで形成された棒状の
給電導体7とからなり、これらの給電導体7と電極6と
は溶融により直線状に接合されている。
【0039】電極6は、外径寸法dが0.2mmに形成
され、先端部にはφ0.15mmのタングステン製のコ
イル6aが4ターン巻かれている。給電導体7は、外径
寸法Dが0.64mm、長さ寸法eが10mmに形成さ
れている。ここで、給電導体7の外径寸法Dと電極6の
外径寸法dとの比率d/Dは、約0.31である。
【0040】給電導体7と電極6との溶融接合は、希ガ
ス雰囲気中に入れた給電導体7の端部と電極6の端部と
を当接させておき、給電導体7の端部をプラズマトーチ
などで溶融することにより行われる。このとき、給電導
体7と電極6との接合部分において、溶融された給電導
体7の端部が電極6の端部を取り囲む状態となり(図3
参照)、給電導体7が電極6を取り囲んだ部分にはテー
パ形状部8が形成されている。テーパ形状部8の長さ寸
法Lは、0.8mmである。ここで、給電導体7の外径
寸法Dと、テーパ形状部8の長さ寸法の比率L/Dは、
約1.25である。また、電極6における給電導体7の
テーパ形状部8に取り囲まれている部分は、給電導体7
の溶融時の熱により他の部分より大きな結晶である再結
晶状態となっている。
【0041】電極構成体3は、電極6のコイル6aが放
電空間4内で対向する向きに電極構成体挿入孔5に挿入
されている。放電空間4内に配置された一対の電極6の
間隔fは4mmである。電極構成体挿入孔5に挿入され
た電極構成体3における給電導体7の外周面と電極構成
体挿入孔5の内周面との間には、フリットガラス9が流
し込まれ、気密状態に封着されている。さらに、給電導
体7における電極6と溶融接合されたテーパ形状部8
も、流し込まれたフリットガラス9により被覆され、給
電導体7が放電空間4に対して露出しないようにされて
いる。フリットガラス9は、Al23−SiO2−Dy2
3などで形成されたガラス状接着剤で、その熱膨張係
数はセラミックスやニオブの熱膨張係数と近似してい
る。
【0042】電極構成体挿入孔5の内周面と電極構成体
3における給電導体7の外周面との間へのフリットガラ
ス9の流し込みは、電極構成体3を電極構成体挿入孔5
に挿入した後、電極構成体挿入孔5の入口側に固体のフ
リットガラス9を配置し、このフリットガラス9を溶融
することにより行われる。溶融されたフリットガラス9
は、電極構成体挿入孔5の内周面と給電導体7の外周面
との間の微小な隙間部分に流れ込む。
【0043】電極構成体挿入孔5に電極構成体3を挿入
し、フリットガラス9で封着した状態において、電極6
の長さ寸法LEが5.5mmであり、フリットガラス9
の封着寸法LFが4mmであり、その比率LF/LE
は、約0.73である。
【0044】放電空間4内に封入されている放電媒体
は、約200toorの希ガスであるアルゴンガス、適
量の水銀、発光物質としてのナトリウム、タリウム、ジ
スプロシウム等のハロゲン化合物である。
【0045】電極構成体3における給電導体7の外周面
には、複数個の突起部10が形成されている。この突起
部10は、電極構成体3を電極構成体挿入孔5に挿入し
たとき、電極構成体挿入孔5の入口側縁部に当接するこ
とにより、電極構成体挿入孔5への電極構成体3の挿入
位置を規制するものである。この突起部10の形成は、
給電導体7の外周面に押し当て金属(図示せず)を押し
当て、給電導体7の外周部に凹み部10aを形成すると
ともにこの凹み部10aの容積に相当する容積の給電導
体7の一部を盛り上げることにより行われている。ここ
で、押し当て金属の押し当て面部は曲面形状に形成され
ており、この押し当て金具が押し当てられて形成された
凹み部10aの表面は、曲面とされている。これによ
り、ランプの点灯時、消灯時などに凹み部10aにかか
る応力を分散させることができ、応力集中による給電導
体7の破損が防止される。
【0046】上述した構成のセラミックス放電ランプ1
は、内部を真空状態として外管ガラス(図示せず)内に
収納されて使用される。
【0047】このような構成において、電極6が放電空
間4内で対向配置された一対の電極構成体3に給電する
と、電極6間で放電が生じ、セラミックス放電ランプ1
が点灯する。この際、放電媒体中のナトリウムハロゲン
化合物により赤色の発光色がもたらされ、タリウムのハ
ロゲン化合物により緑色の発光色がもたらされ、ジスプ
ロシウムのハロゲン化合物により青色の発光色がもたら
される。
【0048】本実施の形態のセラミックス放電ランプ1
では、給電導体7と電極6とを溶融接合して電極構成体
3を形成するにあたり、相対的に融点の低い給電導体7
のみを溶融して接合するので、接合時に給電導体7に対
する電極6の偏心が起こらず、給電導体7と電極6とが
安定した直線形状をなす電極構成体3が得られる。ま
た、給電導体7と電極6とには電極構成体3を形成する
ための高い加工精度が不要であり、安価な構造の電極構
成体3が得られる。
【0049】給電導体7と電極6の溶融接合部分では、
給電導体7が電極6の周囲を取り囲んでおり、さらに、
給電導体7における電極6を取り囲んだ部分にはテーパ
形状部8が形成されているので、給電導体7と電極6と
の接合強度が高い電極構成体3が得られる。
【0050】給電導体7と電極6とを接合するために給
電導体7を溶融したときの熱で、電極6における給電導
体7との接合部近傍は、結晶が大きい再結晶状態とな
り、脆くなっている。しかし、この脆くなった部分が給
電導体7の溶融部分で覆われているので、給電導体7と
電極6との接合部分は十分な強度が維持される。
【0051】また、給電導体7における電極6を取り囲
んだ部分にテーパ形状部8が形成されることにより、電
極構成体挿入孔5の内周面と給電導体7の外周面との間
を封着するフリットガラス9は、給電導体7と電極6と
の接合部側への流れ込みが良くなり、電極6との接合部
近傍の給電導体7をフリットガラス9により確実に被覆
することができる。
【0052】さらに、給電導体7の外径寸法Dとテーパ
形状部8の長さ寸法Lとの比率L/Dが約1.25に設
定されているので、給電導体7と電極6との接合部側へ
のフリットガラス9の流れ込み制御が容易になり、フリ
ットガラス9が電極6側へ流れ込み過ぎることが防止さ
れる。これにより、フリットガラス9が電極6側へ多量
に流れ込み過ぎることにより発生する、電極6とフリッ
トガラス9との熱膨張係数の差が原因となるフリットガ
ラス9のクラック発生が防止される。また、フリットガ
ラス9の電極6側への流れ込み位置のバラツキが防止さ
れ、流れ込み位置のバラツキが原因となる各セラミック
ス放電ランプ1における最冷部温度のバラツキ発生が防
止される。
【0053】さらに、給電導体7の外径寸法Dと電極6
の外径寸法dとの比率d/Dが約0.31に設定されて
いるので、これによっても、給電導体7と電極6との接
合部側へのフリットガラス9の流れ込み制御が容易にな
り、フリットガラス9が電極6側へ流れ込み過ぎること
が防止される。これにより、フリットガラス9が電極6
側へ多量に流れ込み過ぎることにより発生する、電極6
とフリットガラス9との熱膨張係数の差が原因となるフ
リットガラス9のクラック発生が防止される。また、フ
リットガラス9の電極6側への流れ込み位置のバラツキ
が防止され、流れ込み位置のバラツキが原因となる各セ
ラミックス放電ランプ1における最冷部温度のバラツキ
発生が防止される。
【0054】さらに、電極6の長さ寸法LEとフリット
ガラス9の封着寸法LFとの比率LF/LEが約0.7
3に設定されているので、セラミックス放電ランプ1に
おける最冷部温度が十分に低くなり、その最冷部温度の
部分に配置されている給電導体7とハロゲン化合物から
遊離したハロゲン元素との反応が抑制される。
【0055】
【発明の効果】請求項1記載の発明のセラミックス放電
ランプによれば、電極構成体を形成するための給電導体
と電極との接合を、相対的に融点の低い給電導体のみを
溶融して行っているので、接合時に給電導体に対する電
極の偏心が起こらず、給電導体と電極とが安定した直線
形状をなす電極構成体を得ることができ、しかも、給電
導体と電極とには高い加工精度が不要であるので、安価
な構造の電極構成体を得ることができる。
【0056】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載のセラミックス放電ランプにおいて、給電導体と電極
との接合部分において、給電導体が電極の周囲を取り囲
んでいるので、給電導体と電極との接合強度が高い電極
構成体を得ることができる。
【0057】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載のセラミックス放電ランプにおいて、給電導体が電極
の周囲を取り囲んだ部分にはテーパ形状部が形成されて
いるので、給電導体と電極との接合強度をさらに高くす
ることができ、さらに、給電導体と電極との接合部側へ
のフリットガラスの流れ込みが良くなり、電極との接合
部近傍の給電導体をフリットガラスにより確実に被覆す
ることができる。
【0058】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載のセラミックス放電ランプにおいて、テーパ形状部の
長さ寸法は0.2mm以上であるので、給電導体と電極
との接合強度のアップを確実に図ることができる。
【0059】請求項5記載の発明によれば、請求項3記
載のセラミックス放電バルブにおいて、給電導体の外径
寸法をDとし、テーパ形状部の長さ寸法をLとすると
き、その比率L/Dが、0.3≦L/D≦4.7であるの
で、給電導体と電極との接合部側へのフリットガラスの
流れ込み制御が容易になり、フリットガラスが電極側へ
流れ込み過ぎることを防止でき、フリットガラスが電極
側へ多量に流れ込み過ぎることにより発生する、電極と
フリットガラスとの熱膨張係数の差が原因となるフリッ
トガラスのクラック発生を防止できる。また、フリット
ガラスの電極側への流れ込み位置のバラツキが防止さ
れ、流れ込み位置のバラツキが原因となる各セラミック
ス放電ランプにおける最冷部温度のバラツキ発生を防止
できる。
【0060】請求項6記載の発明によれば、請求項1な
いし5のいずれか一記載のセラミックス放電ランプにお
いて、給電導体の外径寸法をDとし、電極の外径寸法を
dとするとき、その比率d/Dが、0.2≦d/D≦0.
95であるので、給電導体と電極との接合部側へのフリ
ットガラスの流れ込み制御が容易になり、フリットガラ
スが電極側へ流れ込み過ぎることを防止でき、フリット
ガラスが電極側へ多量に流れ込み過ぎることにより発生
する、電極とフリットガラスとの熱膨張係数の差が原因
となるフリットガラスのクラック発生を防止できる。ま
た、フリットガラスの電極側への流れ込み位置のバラツ
キが防止され、流れ込み位置のバラツキが原因となる各
セラミックス放電ランプにおける最冷部温度のバラツキ
発生を防止できる。
【0061】請求項7記載の発明によれば、請求項2な
いし5のいずれか一記載のセラミックス放電ランプにお
いて、給電導体の溶融部分に周囲を取り囲まれている電
極の端部は、電極における他の部分より結晶が大きい再
結晶状態となっており、脆くなっているが、この脆くな
った部分が給電導体の溶融部分で覆われているので、給
電導体と電極との接合部分は十分な強度を維持すること
ができる。
【0062】請求項8記載の発明によれば、請求項1な
いし7のいずれか一記載のセラミックス放電ランプにお
いて、電極の長さ寸法をLEとし、フリットガラスの封
着寸法をLFとするとき、その比率LF/LEが、0.
15≦LF/LE≦0.85であるので、セラミックス
放電ランプにおける最冷部温度が十分に低くなり、給電
導体とハロゲン化合物から遊離したハロゲン元素との反
応を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のセラミックス放電ラン
プを示す縦断正面図である。
【図2】その一部を拡大して示す縦断正面図である。
【図3】その一部をさらに拡大して示す縦断正面図であ
る。
【符号の説明】
2:透光性セラミックスバルブ 3:電極構成体 4:放電空間 5:電極構成体挿入孔 6:電極 7:給電導体 8:テーパ形状部 9:フリットガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川鶴 滋久 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 Fターム(参考) 5C043 AA11 CC03 CD01 DD11 DD17 EA07 EB16 EC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に放電空間が形成され、両端に一
    対の電極構成体挿入孔が形成されたセラミックス製の透
    光性セラミックスバルブと;耐ハロゲン性を有する高融
    点金属材料で形成された棒状の電極と、前記電極より融
    点が低く前記セラミックスの熱膨張係数と近似した値の
    熱膨張係数を有する金属材料で形成された棒状の給電導
    体とからなり、前記給電導体の一端を溶融することによ
    り前記給電導体と前記電極とが直線状に接合され、前記
    電極が前記放電空間内で対向するように前記電極構成体
    挿入孔に挿入された一対の電極構成体と;前記放電空間
    内に封入されたハロゲン化合物を含む放電媒体と;前記
    電極構成体挿入孔の内周面とこの電極構成体挿入孔内に
    挿入された前記電極構成体中の前記給電導体の外周面と
    の間を気密状態に封着したフリットガラスと;を具備し
    ていることを特徴とするセラミックス放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記給電導体と前記電極との接合部分に
    おいて、前記給電導体が前記電極の周囲を取り囲んでい
    ることを特徴とする請求項1記載のセラミックス放電ラ
    ンプ。
  3. 【請求項3】 前記給電導体が前記電極の周囲を取り囲
    んだ部分にはテーパ形状部が形成されていることを特徴
    とする請求項2記載のセラミックス放電ランプ。
  4. 【請求項4】 テーパ形状部の長さ寸法は0.2mm以
    上であることを特徴とする請求項3記載のセラミックス
    放電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記給電導体の外径寸法をDとし、前記
    テーパ形状部の長さ寸法をLとするとき、その比率L/
    Dが、0.3≦L/D≦4.7であることを特徴とする請
    求項3記載のセラミックス放電ランプ。
  6. 【請求項6】 前記給電導体の外径寸法をDとし、前記
    電極の外径寸法をdとするとき、その比率d/Dが、
    0.2≦d/D≦0.95であることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれか一記載のセラミックス放電ラン
    プ。
  7. 【請求項7】 前記給電導体の溶融部分に周囲を取り囲
    まれている前記電極の端部は、前記電極における他の部
    分より結晶が大きい再結晶状態となっていることを特徴
    とする請求項2ないし5のいずれか一記載のセラミック
    ス放電ランプ。
  8. 【請求項8】 前記電極の長さ寸法をLEとし、前記フ
    リットガラスの封着寸法をLFとするとき、その比率L
    F/LEが、0.15≦LF/LE≦0.85であること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載のセラ
    ミックス放電ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008155863A1 (ja) * 2007-06-18 2008-12-24 Shanghai Jingci Cdm Lighting Co., Ltd. Hidランプ

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WO2008155863A1 (ja) * 2007-06-18 2008-12-24 Shanghai Jingci Cdm Lighting Co., Ltd. Hidランプ

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