JP2001242495A - 短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮方法 - Google Patents

短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮方法

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JP2001242495A JP2000051488A JP2000051488A JP2001242495A JP 2001242495 A JP2001242495 A JP 2001242495A JP 2000051488 A JP2000051488 A JP 2000051488A JP 2000051488 A JP2000051488 A JP 2000051488A JP 2001242495 A JP2001242495 A JP 2001242495A
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】短パルス・レーザー光を発生させる場合におい
て、また、物質中を透過したり、あるいは伝搬したりす
る間に伸延してしまった短パルス・レーザー光のパルス
幅を再圧縮する場合において、精密な調整機構を必要と
しない簡易な短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮方法
を提供する。 【解決手段】短パルス・レーザー光を集光して非線形媒
質に入射し、非線形媒質における短パルス・レーザー光
の自己収束の作用によって、短パルス・レーザー光のパ
ルス幅を元のパルス幅より短いパルス幅に圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短パルス・レーザ
ー光のパルス幅圧縮方法に関し、さらに詳細には、パル
ス幅がおよそフェムト秒(10−15秒)台からピコ秒
(10−12秒)台の短パルス・レーザー光のパルス幅
を圧縮する際に有効である簡易な短パルス・レーザー光
のパルス幅圧縮方法に関し、例えば、X線顕微鏡の光源
となる軟X線コヒーレント光を発生させるのに必要とな
る励起用レーザーを高強度化、短パルス化させたり、あ
るいは、アブレーション作用を利用した難加工物質の加
工において、各種波長のレーザー光を短パルス化させた
り、あるいは、超高速化学反応による新材料創成におい
て高強度短パルス・レーザー光を利用したりするなどの
際に用いて好適な短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、チタン・サファイア・レーザ
ーをはじめとする高強度短パルス・レーザー光を発生さ
せて利用する過程においては、そのパルス幅を圧縮する
技術が重要な地位を占めている。
【0003】即ち、およそフェムト秒台からピコ秒台の
パルス幅を持つ短パルス・レーザー光は、パルス幅に反
比例した広いスペクトル幅を有することが必要条件であ
り、短パルス・レーザー光の発生においては、スペクト
ルの広帯域化と幅広いスペクトルの各波長成分の位相を
制御するパルス圧縮技術とが必要とされている。
【0004】さらに、この短パルス・レーザー光は、物
質中を透過したり、あるいは伝搬したりすると、波長分
散によってパルス幅が伸延することが知られているが、
短パルス・レーザー光の種々の利用分野においては、こ
うして伸延されたパルス幅を再圧縮することが必要とさ
れている。
【0005】このため、上記したように、短パルス・レ
ーザー光の発生に必要とされるスペクトルの広帯域化の
手段として、また、幅広いスペクトルを持つがパルス幅
が十分に圧縮されていないパルスを圧縮することにより
短パルス・レーザー光を発生させる手法として、さら
に、物質中を透過したり、あるいは伝搬したりする間に
伸延してしまった短パルス・レーザー光のパルス幅を再
圧縮することにより元のパルス幅に戻すための手法とし
て、様々な技術が提案されており、例えば、各種のガス
を封入した中空のファイバーにレーザー光を入射して、
伝搬中に生じる自己位相変調効果によりレーザー光のス
ペクトル幅を拡張し、出射後のレーザー光を2個のプリ
ズムからなるプリズム対や2個の回折格子からなる回折
格子対などを用いて位相制御を行うことにより、パルス
幅を圧縮することが知られている。
【0006】ここで、中空のファイバーによるスペクト
ルの拡張においては、レーザー光が当該中空のファイバ
ーの最低次同波モードで伝搬するように、入射するレー
ザー光のビーム径を精密に調整しなければならなかっ
た。
【0007】また、レーザー光を内径100μm程度の
中空のファイバーに入射させるために、レーザー光と当
該中空のファイバーとの位置合わせを正確に行わなけれ
ばならなかった。
【0008】そして、これらの調整が不十分な場合に
は、レーザー光が中空のファイバーを伝搬する際の損失
が大きくなるという問題点があるとともに、当該中空の
ファイバーの入射端面が損傷しやすいという問題点があ
った。
【0009】さらに、2個のプリズムからなるプリズム
対や2個の回折格子からなる回折格子対を用いた分散補
償によるパルス幅圧縮においては、プリズム対の間隔お
よび挿入量、あるいは回折格子対の間隔および角度を精
密に調整しなければならないという問題点があった。
【0010】また、フェムト秒台からピコ秒台のパルス
幅を持つ短パルス・レーザー光を発生させる場合におい
て、また、その短パルス・レーザー光が物質中を透過し
たり、あるいは伝搬したりする間に波長分散によって伸
延してしまったパルス幅を再圧縮する場合において、上
記したような複雑な機構を有する手段を必要としたた
め、各種の応用分野において短パルス・レーザー光の汎
用性を著しく損なうという問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、短パルス・レー
ザー光を発生させる場合において、また、物質中を透過
したり、あるいは伝搬したりする間に伸延してしまった
短パルス・レーザー光のパルス幅を再圧縮する場合にお
いて、精密な調整機構を必要としない簡易な短パルス・
レーザー光のパルス幅圧縮方法を提供しようとするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、フェムト秒レーザー光やピコ秒レーザー
光などの短パルス・レーザー光を非線形媒質中において
集光するという簡易な手法で、当該短パルス・レーザー
光のパルス幅の圧縮を可能としたものである。
【0013】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
は、短パルス・レーザー光を集光して非線形媒質に入射
し、上記非線形媒質における上記短パルス・レーザー光
の自己収束の作用によって、上記短パルス・レーザー光
のパルス幅を元のパルス幅より短いパルス幅に圧縮する
ようにしたものである。
【0014】ここで、上記非線形媒質は、本発明のうち
請求項2に記載の発明のように、所定の圧力のガスとす
ることができる。
【0015】さらに、上記所定の圧力のガスは、本発明
のうち請求項3に記載の発明のように、大気中の空気と
することができる。
【0016】また、上記非線形媒質は、本発明のうち請
求項4に記載の発明のように、固体材料とすることがで
きる。
【0017】さらに、上記固体材料は、本発明のうち請
求項5に記載の発明のように、大気中に置かれた所定の
厚さの石英板とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明による短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮
方法の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0019】図1には、本発明による短パルス・レーザ
ー光のパルス幅圧縮方法を実施するためのパルス幅圧縮
装置の構成の一例の概略構成説明図が示されている。
【0020】このパルス幅圧縮装置10は、入射された
フェムト秒レーザー光やピコ秒レーザー光などの短パル
ス・レーザー光(入射短パルス・レーザー光)を反射す
る反射鏡12と、反射鏡12により反射された短パルス
・レーザー光を集光するレンズ14と、レンズ14によ
り集光された短パルス・レーザー光が入射される高気圧
セル16と、高気圧セル16から出射された短パルス・
レーザー光を平行光にするレンズ18と、レンズ18か
ら出射された平行な短パルス・レーザー光を2方向に分
割するビーム・スプリッター20と、ビーム・スプリッ
ター20によって分割された一方の短パルス・レーザー
光を入射して当該短パルス・レーザー光のパルス幅を測
定する自己相関計22とを有し、ビーム・スプリッター
20によって分割された他方の短パルス・レーザー光を
出射光(出射短パルス・レーザー光)として得るように
なされている。
【0021】ここで、高気圧セル16は、短パルス・レ
ーザー光が入射される入射窓部16aと、短パルス・レ
ーザー光が出射される出射窓部16bと、これら入射窓
部16aと出射窓部16bの間に位置して非線形媒質と
して各種のガスを任意の圧力で充填して封入可能なセル
本体部16cとを備えて構成されている。
【0022】ここで、セル本体部16cに充填されて封
入されるガスとしては、空気、希ガスあるいは分子性ガ
スなどの各種のガスを用いることができるが、単一の種
類のガスを充填して封入することが好ましいものであ
る。。
【0023】なお、具体的には、希ガスとしては、例え
ば、He、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることがで
き、分子性ガスとしては、例えば、H、D、N
、F、Cl、CO、NO、NO、CO、N
、CH、SFを用いることができる。
【0024】そして、レンズ14は、例えば、短パルス
・レーザー光を高気圧セル16のセル本体部16c内に
おいて集光することができるような焦点距離を備えたも
のであり、特に、高気圧セル16のセル本体部16cの
略中央付近において集光することができるような焦点距
離を備えたものとすることが好ましい。
【0025】なお、レンズ18は、高気圧セル16から
出射された短パルス・レーザー光のパルスのピーク近傍
からなる成分(後述する。)の拡がり角に適合し、この
成分を平行光にするような曲率を備えたものである。
【0026】以上の構成において、高気圧セル16のセ
ル本体部16cに、空気、メタン、クリプトンあるいは
アルゴンなどの各種のガスを非線形媒質として充填して
封入する。なお、セル本体部16cに充填して封入する
ガスの種類は、単一の種類に限られるものではなく、複
数種類のガスを混合した混合ガスでもよい。ただし、可
燃性ガスと支燃性ガスとの組み合わせは避けることが好
ましい。
【0027】そして、入射短パルス・レーザー光を反射
鏡12により反射させてレンズ14に入射し、レンズ1
4は入射された短パルス・レーザー光を高気圧セル16
のセル本体部16c内において集光するように出射す
る。
【0028】ここで、高気圧セル16のセル本体部16
c内における焦点近傍では、非線形媒質として封入され
たガス(ガス媒質)の過渡的な非線形屈折率の変化によ
り、セル本体部16c内に入射された短パルス・レーザ
ー光は自己収束を起こすことになる。このときの屈折率
n(r,z,t)は、以下に示す式1により求められ
る。
【0029】ここで、屈折率n(r,z,t)は、r、
zおよびtの関数であって、rは「短パルス・レーザー
光の進行方向に直交する方向」であり、zは「短パルス
・レーザー光の進行方向」であり、tは「時間」であ
る。
【0030】 n(r,z,t)=n+nI(r,z,t) ・・・式1 なお、上記した式1において、n:短パルス・レーザ
ー光の波長におけるガス媒質の屈折率である。
【0031】n:短パルス・レーザー光の波長におけ
るガス媒質の非線形屈折率である。
【0032】I(r,z,t):短パルス・レーザー光
の強度である。このI(r,z,t)は、短パルス・レ
ーザー光の進行方向に直交する方向r、短パルス・レー
ザー光の進行方向zおよび時間tの関数である。
【0033】また、上記したように、屈折率n(r,
z,t)も、I(r,z,t)に伴い、短パルス・レー
ザー光の進行方向に直交する方向r、短パルス・レーザ
ー光の進行方向zおよび時間tの関数として与えられ
る。
【0034】ところで、短パルス・レーザー光の強度分
布は、光軸上、即ち、「r=0」から周辺部に向かって
rの増大に伴い減少するため、屈折率n(r,z,t)
も同様の分布を持ち、見かけ上、短パルス・レーザー光
はレンズを通過するときのように収束されることにな
る。即ち、短パルス・レーザー光は自己収束を起こし、
レンズ14の焦点よりも手前で実際の焦点を持つことに
なる。
【0035】この短パルス・レーザー光は自己収束の作
用によって、当該短パルス・レーザーのパルス幅が、元
のパルス幅よりも短いパルス幅に圧縮されることにな
る。
【0036】なお、本明細書においては、上記した自己
収束の作用により元のパルス幅よりも短いパルス幅へ圧
縮する効果を、「自己パルス圧縮効果」と称することと
する。
【0037】そして、上記した自己収束の作用は、短パ
ルス・レーザー光の強度の時間変化に追従するだけの非
常に速い時間応答を示すものである。
【0038】また、短パルス・レーザー光の時間軸上の
ピーク近傍、即ち、パルスのピーク近傍で最も強く自己
収束が起こり、この成分はレンズ14の焦点よりも最も
手前で実際の焦点を持ち、一方、パルスの立ち上がり部
分およびパルスの立ち下がり部分では自己収束は比較的
弱く、この成分はレンズ14の焦点の最も近くに実際の
焦点を持つものと考えられる。
【0039】このため、短パルス・レーザー光のパルス
のピーク近傍と、パルスの立ち上がり部分およびパルス
の立ち下がり部分とでは、ビームの大きさとビームの拡
がり角とが異なり、短パルス・レーザー光が高気圧セル
16の出射窓部16bを透過して高気圧セル16から外
部へ出射されるときには、別々のビームとして現れるこ
とになるものと考えられる。
【0040】従って、上記したように別々のビームとし
て現れた成分のなかで、短パルス・レーザー光のパルス
のピーク近傍からなる成分のみを取り出すと、元のパル
ス幅よりも短いパルス幅に圧縮された短パルス・レーザ
ー光を得ることができるようになるものと考えられる。
【0041】このため、この実施の形態においては、上
記したように別々のビームとして現れた成分のなかで、
短パルス・レーザー光のパルスのピーク近傍からなる成
分のみが、レンズ18によって平行光として取り出され
て出射されるように構成されている。
【0042】即ち、レンズ18からは、元のパルス幅よ
りも最も短いパルス幅に圧縮された短パルス・レーザー
光が平行光として出射されることになる。
【0043】さらに、この実施の形態においては、レン
ズ18から出射された平行な短パルス・レーザー光をビ
ーム・スプリッター20により2方向に分割し、ビーム
・スプリッター20によって分割された一方の短パルス
・レーザー光を自己相関計22に入射して当該短パルス
・レーザー光のパルス幅を測定することができるように
なされているとともに、ビーム・スプリッター20によ
って分割された他方の短パルス・レーザー光を出射光
(出射短パルス・レーザー光)として利用することがで
きるようになされている。
【0044】ここで、図2には、図1に示すパルス幅圧
縮装置を用いて、高気圧セル16のセル本体部16cに
メタン(CH)を充填して封入した場合における実験
結果が示されている。
【0045】この実験において、入射短パルス・レーザ
ー光としては、波長が745nmのチタン・サファイア
・レーザーの出射光を用いている。
【0046】また、この入射短パルス・レーザー光は、
強度(レーザー・エネルギー)を1mJとし、パルス幅
を100fsとし、ビーム径を4mmとし、スペクトル
幅を10nmとしたものである。
【0047】さらに、レンズ14としては、焦点距離f
が30cmのものを用いるようにした。
【0048】上記したような実験条件において、高気圧
セル16のセル本体部16cに充填して封入されたメタ
ンの圧力を変化させながら、ビーム・スプリッター20
によって分割された一方の短パルス・レーザー光を自己
相関計22に入射して当該短パルス・レーザー光のパル
ス幅を測定したところ、図2のグラフに示す実験結果が
得られたものである。
【0049】この図2に示すグラフは、縦軸に自己相関
計22により測定したパルス幅(Pulsewidt
h)をとり、横軸にメタン圧力(CH Pressu
re)をとったものである。
【0050】ここで、自己相関計22により測定する短
パルス・レーザー光のスペクトル幅を測定したところ、
10nmから20nmに広がっていた。
【0051】そして、スペクトル幅が20nmのフーリ
エ変換限界幅(Fourier Transform
Limit)は30fsであるが、図2に示す実験結果
に示すように、本発明の手法を用いると自己パルス圧縮
効果が作用して、メタン圧力が略1atm〜1.5at
mの領域や略4atm〜6atmの領域においては、パ
ルス幅をフーリエ変換限界幅に近似した値まで圧縮する
ことができたものである。
【0052】また、図3には、本発明の手法による自己
パルス圧縮効果が作用する条件を示しており、具体的に
は、「レーザー・エネルギー」、「短パルス・レーザー
光の波長」、「短パルス・レーザー光のパルス幅」、
「短パルス・レーザー光の集光条件」および「非線形媒
質としてのガスの種類と圧力」に関する条件がされぞれ
示されているが、これらを適宜に組み合わせることによ
り本発明の手法による自己パルス圧縮効果を作用させる
ことができる。
【0053】次に、図4には、本発明による短パルス・
レーザー光のパルス幅圧縮方法を実施するためのパルス
幅圧縮装置の構成の他の例の概略構成説明図が示されて
いる。
【0054】なお、図4に示すパルス幅圧縮装置におい
て、図1に示すパルス幅圧縮装置と同一あるいは相当す
る構成については、図1において用いた符号と同一の符
号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作
用の説明は省略する。
【0055】この図4に示すパルス幅圧縮装置20は、
高気圧セル16を用いることなしに、大気中の空気を非
線形媒質として用いるようにして点において、図1に示
すパルス幅圧縮装置と異なるものである。
【0056】上記したパルス幅圧縮装置20を用いて、
本発明の手法による自己パルス圧縮効果を作用させて短
パルス・レーザー光のパルス幅を圧縮するためには、例
えば、図5に示すように、入射短パルス・レーザー光の
波長を720nm〜860nmとし、入射短パルス・レ
ーザー光の強度(レーザー・エネルギー)を2mJ〜1
0mJとし、入射短パルス・レーザー光のパルス幅を3
0fs〜300fsとし、集光条件はレンズ14として
焦点距離fが30cm〜150cmのものを用いるよう
にすればよい。
【0057】このようにすると、本発明の手法による自
己パルス圧縮効果が作用されて、入射短パルス・レーザ
ー光のパルス幅を、例えば、フーリエ変換限界幅近傍ま
で圧縮することができるようになる。
【0058】しかも、この図4に示すパルス幅圧縮装置
20を用いた場合には、大気中において短パルス・レー
ザー光のパルス幅を圧縮することができるようになるた
め、極めて簡易に短パルス・レーザー光のパルス幅の圧
縮を行うことができるものである。
【0059】次に、図6には、本発明による短パルス・
レーザー光のパルス幅圧縮方法を実施するためのパルス
幅圧縮装置の構成のさらに他の例の概略構成説明図が示
されている。
【0060】なお、図6に示すパルス幅圧縮装置におい
て、図1に示すパルス幅圧縮装置と同一あるいは相当す
る構成については、図1において用いた符号と同一の符
号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作
用の説明は省略する。
【0061】この図6に示すパルス幅圧縮装置30は、
非線形媒質としてガスを用いずに、非線形媒質として固
体材料たる石英板32を用いるようにして点において、
図1に示すパルス幅圧縮装置と異なるものである。な
お、石英板32は、大気中に配置するようにしてよいも
のであり、その厚さtは、例えば、1mm〜2mmとす
ることができ、また、密度は一定であることが好まし
い。
【0062】このパルス幅圧縮装置30においては、レ
ンズ14は、例えば、短パルス・レーザー光を石英板3
2内あるいは石英板32の直前において集光することが
できるような焦点距離を備えたものであり、特に、石英
板32の直前において集光することができるような焦点
距離を備えたものとすることが好ましい。
【0063】上記したパルス幅圧縮装置30を用いて
も、本発明の手法による自己パルス圧縮効果が作用され
て、入射短パルス・レーザー光のパルス幅を、例えば、
フーリエ変換限界幅近傍まで圧縮することができるよう
になる。
【0064】しかも、この図6に示すパルス幅圧縮装置
30を用いた場合には、大気中において短パルス・レー
ザー光のパルス幅を圧縮することができるようになるた
め、極めて簡易に短パルス・レーザー光のパルス幅の圧
縮を行うことができるものである。
【0065】なお、図6に示すパルス幅圧縮装置30に
おいては、石英板32を非線形媒質としての固体材料と
して用いたが、これに限られるものではないことは勿論
であり、例えば、図7に示すように、LiF、Mg
、CaF、BaF、NaCl、KCl、KB
r、SiO、Al、BK7、各種フリント・ガ
ラス、クラウン・ガラス、ZnS、ZnSeなどを用い
ることができる。
【0066】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、短パルス・レーザー光を発生させる場合に
おいて、また、物質中を透過したり、あるいは伝搬した
りする間に伸延してしまった短パルス・レーザー光のパ
ルス幅を再圧縮する場合において、精密な調整機構を必
要としない簡易な短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮
方法を提供することができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による短パルス・レーザー光のパルス幅
圧縮方法を実施するためのパルス幅圧縮装置の構成の一
例の概略構成説明図である。
【図2】図1に示すパルス幅圧縮装置を用いて、高気圧
セルのセル本体部にメタン(CH)を充填して封入し
た場合における実験結果を示すグラフである。
【図3】本発明の手法による自己パルス圧縮効果が作用
する条件を示す図表である。
【図4】本発明による短パルス・レーザー光のパルス幅
圧縮方法を実施するためのパルス幅圧縮装置の構成の他
の例の概略構成説明図である。
【図5】本発明の手法により大気中で自己パルス圧縮効
果が作用する条件を示す図表である。
【図6】本発明による短パルス・レーザー光のパルス幅
圧縮方法を実施するためのパルス幅圧縮装置の構成のさ
らに他の例の概略構成説明図である。
【図7】自己パルス圧縮効果を示す固体材料を示す図表
である。
【符号の説明】
10、20、30 パルス幅圧縮装置 12 反射鏡 14 レンズ 16 高気圧セル 16a 入射窓部 16b 出射窓部 16c セル本体部 18 レンズ 20 ビーム・スプリッター 22 自己相関計 32 石英板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イヴァン ジョージェフ コプリンコフ ブルガリア国 8−ケイエル オクリディ スキ通 1756 ソフィア工科大学 応用物 理研究所内 Fターム(参考) 2K002 AA04 AB33 CA02 CA15 HA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短パルス・レーザー光を集光して非線形
    媒質に入射し、前記非線形媒質における前記短パルス・
    レーザー光の自己収束の作用によって、前記短パルス・
    レーザー光のパルス幅を元のパルス幅より短いパルス幅
    に圧縮するものである短パルス・レーザー光のパルス幅
    圧縮方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の短パルス・レーザー光
    のパルス幅圧縮方法において、 前記非線形媒質は、所定の圧力のガスである短パルス・
    レーザー光のパルス幅圧縮方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の短パルス・レーザー光
    のパルス幅圧縮方法において、 前記所定の圧力のガスは、大気中の空気である短パルス
    ・レーザー光のパルス幅圧縮方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の短パルス・レーザー光
    のパルス幅圧縮方法において、 前記非線形媒質は、固体材料である短パルス・レーザー
    光のパルス幅圧縮方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の短パルス・レーザー光
    のパルス幅圧縮方法において、 前記固体材料は、大気中に置かれた所定の厚さの石英板
    である短パルス・レーザー光のパルス幅圧縮方法。
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