JP2001237197A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JP2001237197A
JP2001237197A JP2000044451A JP2000044451A JP2001237197A JP 2001237197 A JP2001237197 A JP 2001237197A JP 2000044451 A JP2000044451 A JP 2000044451A JP 2000044451 A JP2000044451 A JP 2000044451A JP 2001237197 A JP2001237197 A JP 2001237197A
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ion implantation
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secondary electron
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Shinichi Sugimura
伸一 杉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の正帯電による障害が生じないような構
成を備え、しかも異種イオン種間のクロスコンタミネー
ションが生じないように、イオン注入できるイオン注入
装置を提供する。 【解決手段】 本イオン注入装置は、被イオン注入基板
Wを保持する基板保持部22を内部に備えたイオン注入
室を有し、イオン注入室にイオンビームを導いて、基板
保持部に保持された基板にイオンを注入する装置であ
る。基板保持部の外径以下で、基板の外径以上の内径を
有する円錐台状の筒体として形成された2次電子放出体
24が、基板保持部に直交し、基板保持板に近接して設
けられている。2次電子放出体から放出された2次電子
を基板方向に指向させるように磁界を発生させる永久磁
石26が、2次電子放出体の外周面に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置に
関し、更に詳細には、イオン注入する際、基板及び基板
保持部が正に帯電しないようにしたイオン注入装置、特
に石英基板に低注入量でイオン注入する中電流イオン注
入装置として最適なイオン注入装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程では、イオン注入
装置を使って、半導体基板に所定の不純物イオンをイオ
ン注入して、p型又はn型の不純物拡散領域を半導体基
板内に形成することが多い。イオン注入装置は、半導体
装置の拡散領域を形成し、また半導体装置の電気的特性
を制御するために、ボロン、リン、砒素などの不純物を
イオン化し、加速して、半導体基板内に注入する装置で
あって、注入量によって、1×1014ions/cm2
以下の不純物注入量で不純物イオンを注入する中電流イ
オン注入装置と、1×1014ions/cm2以上の不
純物注入量で不純物イオンを注入する高電流イオン注入
装置とに大別される。
【0003】ここで、図6を参照して、従来の中電流イ
オン注入装置の構成を説明する。図6は従来の中電流イ
オン注入装置の構成の概略を示す模式図である。中電流
イオン注入装置10は、所望の不純物を含むソースをイ
オン化し、イオン化した不純物を引き出すイオン生成室
12と、イオン生成室12から引き出されたイオン種か
ら、磁場による質量分離によって所望の不純物イオン種
を選別する質量分析部14と、不純物イオンを半導体基
板中の所望の深さに注入するために、選別した不純物イ
オンを加速させて、エネルギーを高める加速管16と、
半導体基板中に不純物イオンを均一一様に注入するよう
にイオンビームを走査して、注入室に保持された半導体
基板にイオンビームを照射するイオンビーム走査部18
と、イオンビームを導いて、半導体基板にイオンを注入
させるイオン注入室20とを備えている。
【0004】ところで、高電流イオン注入装置の場合、
正にイオン化した不純物を半導体基板中に注入すると、
半導体基板は接地電位にあるものの、半導体基板に注入
する単位時間当たりの不純物量が多いので、半導体基板
の電位がイオン注入によって徐々に高くなり、半導体基
板が正に帯電する。そのまま放置すると、イオンビーム
の進入が阻害されて注入エネルギーが減少し、所望の基
板領域にイオン注入を行うことが難しくなる。そこで、
高電流イオン注入装置では、負の電荷を持つ電子を生成
して半導体基板に供給する電子供給装置を備え、正に帯
電した半導体基板に電子を強制的に供給し、正に帯電し
た半導体基板を中和している。
【0005】ここで、図7を参照して、イオン注入の際
の正の帯電と、その中和のメカニズムの概要を説明す
る。図7はイオン注入室に設けられた基板保持部を示す
模式図である。半導体基板Wは、図7に示すように、イ
オン注入室内で、半導体基板Wの外径より多少大きな外
径の基板保持部22の保持面に真空吸着等の手段によっ
て保持されている。基板保持部22は接地されているの
で、半導体基板Wも、同じく接地電位にある。正の不純
物イオンビームが半導体基板Wに照射されると、半導体
基板Wは接地電位にあるので、電子が接地側から供給さ
れ、正の電荷を中和するものの、実際には、電子の供給
が注入される不純物量より少なかったりして、図7に示
すように、半導体基板Wは正に帯電する。特に、半導体
基板W上に成膜されているレジスト膜等の電気伝導率の
低いものが正に帯電する。
【0006】一方、微視的には、図7に示すように、イ
オンビームが衝突した半導体基板Wの表面及び基板保持
部22の表面付近から、2次電子が放出され、放出され
た2次電子が半導体基板やレジスト膜に戻れば、それら
は、中和されるものの、戻ってくる2次電子が少なかっ
たりして、半導体基板は、徐々に正に帯電する。尚、イ
オンビームは、半導体基板や基板保持部に対して垂直に
入射されるので、イオンビームが斜めから入射される場
合に比べて、2次電子の発生効率は低い。そこで、大電
流イオン注入装置では、図7に示すように、強制的に電
子を半導体基板に供給する電子供給装置が、イオン注入
室に付設されている。
【0007】一方、中電流イオン注入装置では、単位時
間当たりの注入不純物量が少ないので、仮に半導体基板
が瞬時的に正に帯電しても、イオンビームが半導体基板
や基板保持部に衝突する際に放出される2次電子によっ
て、半導体基板の正帯電が殆ど中和される。従って、一
般的には、中電流イオン注入装置には、電子を基板に強
制的に供給する電子供給装置が設けられていない。ま
た、イオン注入装置に電子供給装置を設けると、ノイズ
やダストが発生し易く、更にはメタルコンタミネーショ
ンが発生し易い等の問題があって、この理由からも、電
子供給装置を設けないのが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、強制的に電子
を基板に供給する電子供給装置を備えない、従来の中電
流イオン注入装置には、次のような問題があった。第1
の問題は、半導体基板がシリコン基板の場合、イオン注
入量が多くなければ、基板の正帯電による障害は殆どな
いものの、絶縁性の石英基板上にトランジスタを形成す
る、TFTデバイスの製造工程では、イオン注入量が多
くなくても、石英基板が正に帯電することに起因して、
次に挙げるような種々の障害が発生することである。即
ち、TFTデバイスの製造工程では、トランジスタのV
th特性(閾値電流特性)を制御するために、石英基板
に正の不純物イオンをイオン注入している。その際、比
較的少ない不純物注入量でイオン注入しているにもかか
わらず、石英基板が正に帯電するために、石英基板上の
ポリシリコン配線、レジストパターン等が絶縁破壊によ
り損傷し、所望の形状、寸法の配線を形成することがで
きなかったり、短絡、断線等の配線不良を招いたりし
て、製品歩留りが低下する。
【0009】また、第2の問題は、イオン注入して所望
の電気的特性になるようにトランジスタの電気的特性を
制御する際、不純物イオン注入量が少ない場合や、基板
の浅い領域に不純物イオンを注入しなければならい場合
には、イオン注入量がばらつくという問題である。その
結果、トランジスタの電気的特性がばらつき易く、製品
歩留が低下する。
【0010】そこで、本発明の目的は、TFTデバイス
の製造工程等で石英基板に正の不純物イオンをイオン注
入する際にも、強制的な電子を基板に供給する電子供給
装置を有しなくても、基板の正帯電による障害が生じな
いようにした構成を備え、しかもトランジスタが所望の
電気的特性を備えるようにイオン注入できる、イオン注
入装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、電子供給装
置を備えていないイオン注入装置を使って、TFTデバ
イスの製造工程等で石英基板に正の不純物イオンをイオ
ン注入する際に、基板が正帯電する原因は、正に帯電し
た石英基板を中和する2次電子が不足していることにあ
ると考えた。また、イオン注入中に、石英基板上に成膜
したフォトレジスト膜から発生したアウトガスによっ
て、基板保持部が汚れ、2次電子の発生効率が悪くなる
ために、石英基板の正帯電が中和され難くなり、上述の
ような静電破壊を招くことも判った。
【0012】更には、不純物イオン注入量が少ない場合
や、基板の浅い領域に不純物イオンを注入しなければな
らい場合に、イオン注入量がばらつくのは、以前にイオ
ン注入装置の基板保持部に付着し、或いは蒸着した別の
注入不純物が、今回の不純物をイオン注入する際に、イ
オンビームによりスパッタリングされて、基板中に叩き
込まれてしまい、その結果、電気的特性にバラツキが生
じることが判った。
【0013】そこで、本発明者は、2次電子を放出し易
い材料で形成された、筒状の2次電子放出体を基板保持
部に設け、2次電子放出体にイオンビームを衝突させ
て、2次電子放出体から2次電子を放出させ、基板に供
給すると共に、2次電子放出体で基板を囲むことによ
り、フォトレジスト膜から発生したアウトガスによって
基板保持部が汚れたり、また、基板保持部がイオンビー
ムによってスパッタリングされて、別の注入不純物が飛
び出し、基板に進入することがないようにすることを着
想し、実験を重ねて、本発明を発明するに到った。
【0014】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づいて、本発明に係るイオン注入装置は、被イオン注
入基板を基板保持面に保持する基板保持部を内部に備え
たイオン注入室を有し、イオン注入室にイオンビームを
導いて、基板保持部に保持された基板にイオンを注入す
るイオン注入装置において、長手方向が基板保持部の基
板保持面に直交し、かつ基板保持部に近接して設けら
れ、基板の外径以上で基板保持部の外径以下の範囲の内
径を有する筒状体として形成された2次電子放出体と、
2次電子放出体の外周面に設けられ、2次電子放出体か
ら放出された2次電子を基板方向に指向させるように磁
界を発生させる磁石とを備えていることを特徴としてい
る。
【0015】本発明では、磁石は、2次電子放出体から
放出された2次電子を基板方向に指向させるような磁界
を発生できる限り、永久磁石でも、電磁石でも良い。2
次電子放出体と基板保持部との間隔は、石英基板の厚さ
より大きい。また、2次電子放出体は、2次電子を放出
できる限り、その構成材料には制約はないが、好適には
2次電子を放出し易い、アルミニウム(Al)、シリコ
ン(Si)、及び炭化珪素(SiC)のいずれかで、2
次電子放出体の少なくとも内壁面を形成する。つまり、
2次電子放出体の全体をアルミニウム(Al)、シリコ
ン(Si)、及び炭化珪素(SiC)のいずれかで形成
しても良く、また、アルミニウム(Al)、シリコン
(Si)、及び炭化珪素(SiC)のいずれかで、2次
電子放出体の内壁面をコーティングしても良い。更に
は、基板保持部がアルミニウムで形成されているときに
は、2次電子放出体の少なくとも内壁面をシリコン又は
炭化珪素で形成することにより、2次電子放出体の2次
電子発生効率が、アルミニウムで形成された基板保持部
より向上し、基板の正帯電の中和効率が向上する。
【0016】好適には、2次電子放出体の内壁面の表面
積を大きくして、イオンビームが衝突し易く、従って2
次電子が放出され易くする。例えば、2次電子放出体の
内壁面に溝と山とを交互形成して、また、2次電子放出
体の内壁面を多数の凹凸からなる粗面に加工して、2次
電子放出体の内壁面の表面積が大きくなるようにする。
【0017】更には、本発明の好適な実施態様では、2
次電子放出体は、筒内径が基板保持部に向かって縮小
し、基板保持部との近接端での筒内径が基板の外径以上
で基板保持部の外径以下の円錐台状の筒体として形成さ
れている。円錐台の円錐面の傾斜に関しては、イオンビ
ームができるだけ小さい入射角度(イオンビームの進入
方向と2次電子放出体の内壁面との成す角度)で2次電
子放出体の内壁面に衝突した方が、2次電子の発生効率
が良くなるので、好適には、長手方向中心線を含む面で
見て、円錐台状の筒体の筒壁と長手方向中心線との成す
角度が、0°以上10°以下である。これにより、イオ
ンビームが2次電子放出体の内壁面に衝突し易く、しか
も2次電子の放出量が増大する。
【0018】好適には、2次電子放出体が、長手方向中
心線の周りに回動できるようになっている。これによ
り、不純物イオン種に応じて、例えばボロン、リン、及
び砒素のイオン注入に応じて、2次電子放出体を長手方
向中心線の周りに回動させて、基板に対して最も適当な
位置に位置決めすることにより、レジスト膜から発生す
るアウトガスによる基板保持部の汚れを抑制して、2次
電子の発生効率の悪化を防止し、また、相互に異なった
イオン種同士のコンタミネーションを防止することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例 本実施形態例は、本発明に係るイオン注入装置の実施形
態の一例であって、図1は本実施形態例のイオン注入装
置の要部の構成を示す部分破断斜視図、図2は要部の側
面断面図、並びに図3(a)及び(b)は、それぞれ、
2次電子放出体の内壁面の構成を示す斜視図である。本
実施形態例のイオン注入装置は、被イオン注入石英基板
Wを保持する基板保持部22(図7参照)を内部に備え
たイオン注入室20(図6参照)を有し、イオン注入室
20にイオンビームを導いて、基板保持部22に保持さ
れた石英基板Wにイオンを注入する中電流イオン注入装
置であって、図1に示すように、イオンビームの衝突に
よって2次電子を放出する2次電子放出体24を基板保
持部22に近接して備えていることを除いて、図6に示
す従来のイオン注入装置10と同じ構成である。
【0020】2次電子放出体24は、図2に示すよう
に、筒内径が基板保持部22に向かって縮小し、基板保
持部22との近接端24aで、基板保持部22の外径d
より小さく、かつ石英基板Wの外径Dw と同じか、又は
大きい筒内径Dと、基板保持部22に直交する長手方向
中心線とを有し、小さな間隙G(但し、石英基板Wの厚
さより大きい)を介して基板保持部22から離隔して設
けられた円錐台状の筒体として形成されている。2次電
子放出体24の円錐面の傾斜は、図2に示すように、2
次電子放出体24の長手方向中心線を含む面で見て、円
錐台状の2次電子放出体24の筒壁と長手方向中心線と
の成す角度θが、0°以上10°以下である。2次電子
放出体24の外周面には、2次電子放出体24から放出
された2次電子を基板方向に指向させるように磁界を発
生させる複数個の永久磁石26が、等間隔で離隔して設
けてある。
【0021】2次電子放出体24は、イオンビームの衝
突により2次電子を放出し易い、アルミニウム(A
l)、シリコン(Si)、及び炭化珪素(SiC)のい
ずれかで形成されている。これに代えて、2次電子放出
体24の内壁面をアルミニウム(Al)、シリコン(S
i)、及び炭化珪素(SiC)のいずれかでコーティン
グしても良い。また、2次電子放出体24の内壁面の表
面積を大きくして、イオンビームが衝突し易く、従って
2次電子を放出し易くするために、図3(a)に示すよ
うに、2次電子放出体24の長手方向に延在する溝28
と山30とが、2次電子放出体24の内壁面に交互に設
けられている。また、溝28及び山30に代えて、図3
(b)に示すように、2次電子放出体24の内壁面を無
数の凹凸からなる粗面にして、内壁面の表面積を大きく
しても良い。
【0022】本実施形態例では、以上の構成によって、
図4に示すように、2次電子放出体24に衝突したイオ
ンビームが2次電子放出体24から2次電子を放出さ
せ、放出された2次電子は、永久磁石26による磁界に
よって基板Wの方向に指向し、基板Wに衝突する。一時
的に正に帯電した基板保持部22は、衝突した2次電子
によって瞬時に中和され、接地電位に近くなる。また、
基板保持部22は、2次電子放出体24で囲まれている
ので、基板W上に成膜されたフォトレジスト膜(図示せ
ず)からイオン注入中に発生したアウトガスによって汚
染されることが抑制され、更には、基板保持部22に不
純物が付着したり、蒸着したりすることが抑制されるの
で、イオン注入する際に、基板保持部22に堆積した別
の所望でない不純物がイオンビームによりスパッタリン
グされて飛び出し、基板W中に進入するようなことも生
じない。
【0023】実施形態例の改変例1 実施形態例の改変例1は、図示しないが、2次電子放出
体24を長手方向中心線の周りに回動して、基板保持部
22に対して所望の位置に位置決めできるようになって
いる。本改変例では、注入イオン種に応じて、最も好ま
しい位置に2次電子放出体24を回動させることによ
り、基板W上に成膜されているフォトレジスト膜から発
生したアウトガスにより、基板保持部22が汚れるのを
防止することができる。よって、基板保持部22の2次
電子の発生効率の悪化が抑制され、また、異なったイオ
ン種間のクロスコンタミネーションを防止することがで
きる。
【0024】実施形態例の改変例2 実施形態例の改変例2は、イオンビーム走査方式がハイ
ブリッド方式であるイオン注入装置に適用するものであ
って、図5は本改変例のイオン注入装置に設けた2次電
子放出体30の平面図である。ハイブリッド方式とは、
基板保持部22の一方向、例えばX方向のみ、イオンビ
ームで走査し、一方向に直交する方向、即ちY方向は、
基板保持部22を移動させることによって、イオンビー
ムを照射する方式である。本改変例の2次電子放出体3
0は、図5に示すように、X方向に長軸を、Y方向に短
軸を有する楕円筒であって、筒内径が基板保持部22に
向かって縮小し、基板保持部22との近接端24aで、
長軸の長さは、基板保持部22の外径dより小さく、か
つ石英基板Wの外径Dw と同じか、又は大きく、短軸の
長さは、イオンビームのスポット径とほぼ同じである。
2次電子放出体30は、基板保持部22に直交する長手
方向中心線を有し、短い間隙を介して基板保持部22か
ら離隔して設けられた楕円錐台状の筒体として形成され
ている。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、基板保持部に近接して
2次電子放出体を設け、更に2次電子放出体から放出さ
れた2次電子を基板方向に指向させるように磁界を発生
させる磁石を2次電子放出体の外周面に設けることによ
り、以下の効果を奏するイオン注入装置を実現してい
る。 1)TFTデバイス等の製造工程で、石英基板上にトラ
ンジスタを形成するために、低注入量で不純物のイオン
注入を行う際、基板の帯電現象によるレジストパターン
や、ポリシリコン配線の絶縁破壊を抑制して、配線不良
の発生を防止し、製品歩留りを向上させることができ
る。 2)基板上に成膜されているフォトレジスト膜からイオ
ン注入中に発生するアウトガスの発生量が減少するの
で、基板保持部の汚れによる2次電子発生効率の低下が
防止される。また、基板保持部の清掃等に要するメンテ
ナンス工数を削減することができる。更には、基板保持
部に付着或いは蒸着した別の不純物元素が基板内に進入
するクロスコンタミネーションが抑制されるので、TF
Tデバイスの電気的特性のばらつきが防止され、製品歩
留りを向上させることができる。 3)2次電子放出体を回動して、注入するイオン種別に
2次電子放出体を使い分けることにより、2)の効果を
一層高めることができる。 4)基板の帯電を緩和するために、別途、電子発生装置
を設ける必要が無く、コスト及び設備内スペースの削減
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例のイオン注入装置の要部の構成を示
す部分破断斜視図である。
【図2】要部の側面断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、それぞれ、2次電子
放出体の内壁面の構成を示す斜視図である。
【図4】2次電子放出体の作用を説明する2次電子放出
体の模式的断面図である。
【図5】実施形態例の改変例2の2次電子放出体の構成
を示す平面図である。
【図6】イオン注入装置の構成を説明する模式図であ
る。
【図7】基板保持部の2次電子の挙動を説明する断面図
である。
【符号の説明】
10……従来の中電流イオン注入装置、12……イオン
生成室、14……質量分析部、16……加速管、18…
…イオンビーム走査部、20……イオン注入室、22…
…基板保持部、24……2次電子放出体、26……永久
磁石、30……2次電子放出体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被イオン注入基板を基板保持面に保持す
    る基板保持部を内部に備えたイオン注入室を有し、イオ
    ン注入室にイオンビームを導いて、基板保持部に保持さ
    れた基板にイオンを注入するイオン注入装置において、 長手方向が基板保持部の基板保持面に直交し、かつ基板
    保持部に近接して設けられ、基板の外径以上で基板保持
    部の外径以下の範囲の内径を有する筒状体として形成さ
    れた2次電子放出体と、 2次電子放出体の外周面に設けられ、2次電子放出体か
    ら放出された2次電子を基板方向に指向させるように磁
    界を発生させる磁石とを備えていることを特徴とするイ
    オン注入装置。
  2. 【請求項2】 2次電子放出体の少なくとも内壁面が、
    アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、及び炭化珪
    素(SiC)のいずれかで形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】 2次電子放出体の内壁面に溝と山が交互
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオ
    ン注入装置。
  4. 【請求項4】 2次電子放出体の内壁面が、多数の凹凸
    からなる粗面に加工されていることを特徴とする請求項
    1に記載のイオン注入装置。
  5. 【請求項5】 2次電子放出体は、筒内径が基板保持部
    に向かって縮小し、基板保持部との近接端での筒内径が
    基板の外径以上で基板保持部の外径以下の範囲の円錐台
    状の筒体として形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のイオン注入装置。
  6. 【請求項6】 長手方向中心線を含む面で見て、円錐台
    状の筒体の筒壁と長手方向中心線との成す角度が、0°
    以上10°以下であることを特徴とする請求項5に記載
    のイオン注入装置。
  7. 【請求項7】 2次電子放出体が、長手方向中心線の周
    りに回動できるようになっていることを特徴とする請求
    項1から6のうちのいずれか1項に記載のイオン注入装
    置。
  8. 【請求項8】 イオンビーム走査方式がハイブリッド方
    式であるイオン注入装置では、2次電子放出体が、基板
    の外径以上で基板保持部の外径以下の長軸と、基板の外
    径以下の短軸からなる楕円筒として形成されていること
    を特徴とする請求項1から4に記載のイオン注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010541249A (ja) * 2007-09-28 2010-12-24 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド プラズマ処理装置内の電荷中和

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JP2010541249A (ja) * 2007-09-28 2010-12-24 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド プラズマ処理装置内の電荷中和

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