JP2001234959A - 液空圧複合型ブレーキ - Google Patents

液空圧複合型ブレーキ

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JP2001234959A
JP2001234959A JP2000044444A JP2000044444A JP2001234959A JP 2001234959 A JP2001234959 A JP 2001234959A JP 2000044444 A JP2000044444 A JP 2000044444A JP 2000044444 A JP2000044444 A JP 2000044444A JP 2001234959 A JP2001234959 A JP 2001234959A
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brake
piston
hydraulic
pneumatic
cylinder body
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Koji Hara
孝司 原
Tetsuyuki Naito
哲之 内藤
Hideki Oka
秀樹 岡
Akihiro Miyoshi
章洋 三好
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Tokyo Buhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Buhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液空圧複合型ブレーキにおいて、エアチャン
バーからシリンダボディ側にエア漏れが生じても安全な
ブレーキを得る。 【解決手段】 シリンダボディ51とエアチャンバー8
0との間はブラケット98で接続されている。シリンダ
ボディ51内にはピストンA,B,C、52,53,63が
摺動自在に配設されており、油室70に油圧を供給して
ピストンAを右動ピストンB,Cを左動させてブレーキ
作動する。また空気室84内の空圧を解放してロッド9
2を伸長させウェッジ40をピストンB,C間に挿入さ
せてこれらを左右に拡張させブレーキ作動する。ロッド
92にはリリーフ穴93aが配設されロッドの中空部を
通してエアチャンバーの外方に解放されている。このた
めシールリング100が破損してブラケット98内に空
気が漏れ出しても、上記リリーフ経路を通して外部へ解
放されるためシリンダボディ内の内圧が上昇しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧の作用により
ピストンを伸縮作動させて被ブレーキ部材の制動を行う
液圧ブレーキと、空気圧の作用により同一のピストンを
伸縮作動させて被ブレーキ部材の制動を行う空圧ブレー
キとを有する、いわゆる液空圧複合型ブレーキに関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記のような液空圧複合型ブレーキは、
バスや大型トラック等の車両用ブレーキとして既に広く
用いられている。このような液空圧複合型ブレーキで
は、例えば、通常走行時には運転者のブレーキ操作(ペ
ダル踏力)に応じた作動油圧をホイールシリンダのピス
トンに作用させてこれを伸長作動させ、ブレーキライニ
ング(ディスクブレーキにおいてはパッドとも称され
る)を被ブレーキ部材(ドラムブレーキにおけるブレー
キドラム、ディスクブレーキにおけるロータ)に押圧さ
せて被ブレーキ部材を制動させ、この被ブレーキ部材が
接続された車輪の回転を制動する。
【0003】車両を停止させてパーキングブレーキ操作
を行ったときには、エアチャンバーに圧縮空気を供給
し、あるいは供給していた圧縮空気をパージ(解放)させ
ることによりエアチャンバーのロッドを伸長作動させ、
このロッドに接続された伝達部材(ドラムブレーキにお
けるウェッジ、ディスクブレーキにおけるオペレーティ
ングシャフト)を介してホイールシリンダのピストンを
機械的に伸長作動させることによりブレーキライニング
を被ブレーキ部材に押圧させ、被ブレーキ部材に接続さ
れた車輪の回転をロックする。すなわち油圧ブレーキは
走行ブレーキとして機能し、空圧ブレーキはパーキング
ブレーキとして機能する油空圧複合型ブレーキである。
【0004】このような、油空圧複合型ブレーキの一例
として図6にドラムブレーキ用のホイールシリンダーユ
ニットを示しており、以下この図に基づいて簡単に説明
する。このユニットはシリンダボディ51内にピストン
A,B,C(52,53,62)が摺動自在に配設され
ており、ピストンA52とピストンB53との間に形成
された油室70に運転者のブレーキ操作に応じた作動油
圧が供給される。ピストンB53とピストンC62と
は、パーキングブレーキが作動していない状態(図示状
態)では、ウェッジ40を挟む前後で当接しており、こ
れにより作動油圧が供給されたときにはピストンA52
が右動し、ピストンB53とピストンC62とが協動し
て左動する。このため、ピストンA52及びピストンC
62に係止された左右のライニング部材がそれぞれ拡張
するように揺動して対向するブレーキドラムに押圧さ
れ、ブレーキドラム(ブレーキドラムが取り付けられた
車輪)の回転が制動される。なお、空圧で作動するウェ
ッジは球面部Xを中心として揺動可能に構成されてお
り、上記ピストンB,Cの伸縮作動を妨げない。
【0005】シリンダボディ51上部にチャンバーブラ
ケット98を介して取り付けられるエアチャンバーには
空気室84が形成されており、この空気室に空気圧を供
給・パージすることによりロッド92,94及びこのロ
ッドと係合するウェッジ40をシリンダボディ内に挿抜
する。このユニットにおいては空気室84内の圧縮空気
をパージすることにより、チャンバー内のスプリング
(不図示)の付勢力でロッド92,94を突出させ、係合
するウェッジ40をシリンダボディ51内に挿入する。
ウェッジ先端部にはローラ44,44が軸支されてお
り、ピストンB53とピストンC62にはこのローラと
当接する傾斜面が形成されている。このため、ウェッジ
40が挿入されるとピストンB53とピストンC62と
がそれぞれ逆方向にローラ44に押圧され、ピストンB
53とピストンA52とが協動して右動し、ピストンC
62が左動する。そして、ピストンA52及びピストン
C62に係止された左右のライニング部材がそれぞれ拡
張するように揺動して対向するブレーキドラムに押圧さ
れ、ブレーキドラムの回転がロックされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】車両におけるブレーキ
は、砂塵や泥水等が極めて多い車輪近傍に配設されるた
め、外部に露出させざるを得ないユニット外面や他部品
との係合要素部分等を除いて一般的に密閉構造が取られ
る。例えば、上記のホイールシリンダユニットにおいて
は、シリンダボディやエアチャンバーの外面、ライニン
グ部材と係合するピストンのクリップ部分などは露出さ
せるが、シリンダボディやエアチャンバーの内部部材は
ゴムブーツやパッキン等を用いて外囲気からシールして
いる。また、エアチャンバー側のロッド92,94とシ
リンダボディ側のウェッジ40との接続部外周も、エア
チャンバーとホイールシリンダ間を管状のチャンバーブ
ラケット98で接続することにより砂塵や泥水等が侵入
しないように構成している。
【0007】このため、上記のような液空圧複合型ブレ
ーキで、エアチャンバーの空気室とロッドとの間の気密
を保持するシール部材100,101が損耗し、そのシ
ール機能が損なわれたときには、洩れだしたエアーがチ
ャンバーブラケット98を通ってシリンダボディ51内
部にも侵入し、ユニット内部に形成される密閉空間の圧
力を上昇させるという現象が発生する。そして上記現象
が発生したときには、空気圧力によってゴムブーツ69
が膨張され、これを脱落ないし破損させるおそれがある
という問題があった。また、洩れだしたエアーによる空
気圧の作用方向と、油室内の油圧を保持するシールリン
グ56の耐圧方向(油圧の作用する方向)とが逆方向と
なることから、シリンダボディの内圧が高くなると油室
内のブレーキフルードにエアーが混入する可能性も生じ
るという課題があった。
【0008】本発明は上記のような課題に鑑みて成され
たものであり、簡単な構成でシリンダボディ内の圧力上
昇を防止し、長期信頼性及び安全性を高めた液空圧複合
型ブレーキを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明はシリンダボディと、このシリンダボディに摺動自
在に配設されたピストンと、ピストンに係止されたライ
ニング部材(例えば実施形態におけるブレーキシュー2
0)と、ライニング部材と対向して配設された被ブレー
キ部材(例えば実施形態におけるブレーキドラム25)
とを有し、ピストンに液圧を作用させてシリンダボディ
に対してピストンを伸縮作動させ、ライニング部材を被
ブレーキ部材に押圧させて制動させる液圧ブレーキと、
空気圧の作用により伸縮自在なロッド部材を有するエア
チャンバー(例えば実施形態におけるスプリングチャン
バーアッセンブリ80A,80B)と、ロッド部材の伸
縮作動をピストンの伸縮作動方向に伝達する伝達手段
(例えば実施形態におけるウェッジ40等)と、ロッド
部材の外周を覆いエアチャンバーとシリンダボディとを
接続する中空断面形状のチャンバーブラケットとを有
し、エアチャンバーに空気圧を作用させて伝達手段を介
してシリンダボディに対してピストンを伸縮作動させ、
ライニング部材を被ブレーキ部材に押圧させて制動させ
る空圧ブレーキとを備え、液圧ブレーキと空圧ブレーキ
とを併用する液空圧複合型ブレーキにおいて、チャンバ
ーブラケットの中空断面内側に作用する圧力を外部に解
放するリリーフ手段を設けて液空圧複合型ブレーキを構
成する。
【0010】上記構成の液空圧複合型ブレーキは、油圧
の作用により伸縮動自在なピストンが配設されたシリン
ダボディと、空圧の作用により伸縮作動するロッド部材
が配設されたエアチャンバーとはロッド部材の外周を覆
う中空断面形状のチャンバーブラケットによって接続さ
れており、この点において前述した従来の油空圧複合型
ブレーキと同様の構成を有する。従って伸縮作動するロ
ッド部材の摺動部からエアチャンバーの空気が洩れた時
には、チャンバーブラケットを通じて複合型ブレーキ内
に洩れた空気が流入し得る。しかし、上記構成の液空圧
複合型ブレーキには、チャンバーブラケットにリリーフ
手段が設けられており、チャンバーブラケットの中空断
面内側に作用する圧力を外部に解放する。このため、本
構成によればたとえロッド部材の摺動部からエアチャン
バーの空気が洩れたとしてもシリンダボディの内圧が所
定圧以上に高まることが無く、構成部材の脱落や破損、
液圧ブレーキの液室への空気の混入等を防止することが
できる。従って信頼性及び安全性が高い液空圧複合型ブ
レーキを提供することができる。
【0011】なお、上記リリーフ手段は、チャンバーブ
ラケットに設けられたリリーフバルブとすることができ
る。このような構成によれば、簡単な構成でシリンダボ
ディ側の内圧が一定値以上に上昇することを防止し、長
期信頼性が高い液空圧複合型ブレーキを提供することが
できる。また、リリーフバルブはチャンバーブラケット
内側の圧力が一定値以上になったときに始めて開口し、
通常時には内部空間の密閉性を維持する効果を有するた
め、外部から粉塵や水分が侵入してピストンの作動を阻
害したり、発錆により構成部材を固着させるなどのおそ
れがない。
【0012】また、上記ロッド部材は中空断面形状を有
するとともに、ロッド部材の中空断面内側はエアチャン
バーの空気室外に解放され、リリーフ手段はロッド部材
に配設されてロッド部材の内外を連通させるリリーフ穴
であるように液空圧複合型ブレーキを構成しても良い。
このような構成によれば、既存のロッド部材が中空断面
を有する場合にリリーフ穴を穿孔するという極めて簡単
な構成で、シリンダボディ内の圧力が一定値以上に上昇
することを防止し、長期信頼性が高い液空圧複合型ブレ
ーキを提供することができる。
【0013】上記のようなリリーフ手段には空気中の塵
埃を除去するフィルタを有して液空圧複合型ブレーキを
構成することもできる。シリンダボディとチャンバーブ
ラケットとで構成される空間は前述したように原則的に
密閉空間であり、上記のようなリリーフ機能が作用する
ときのエアーの流れは空間の内部から外部に向けての流
れとなる。しかしながら、リリーフの開口部が単純な開
口で通気抵抗が小さいような場合には、ブレーキ作動時
のロッド部材やピストンの移動に伴うふいご現象の影響
で周囲環境から粉塵や水分を吸い込むおそれも生じ得
る。このような場合には、上記構成を用いることにより
フィルタで粉塵や水分を除去することができ、これによ
りシリンダボディ内の圧力が一定値以上に上昇すること
を防止して長期信頼性が高い液空圧複合型ブレーキを提
供することができる。
【0014】なお、上記フィルタに代え、リリーフ手段
の開口部に配管等を接続し、この配管出口を粉塵や水分
の影響が少ない車内等に開口させて構成することも可能
であり、このような手段によっても上記同様の効果を得
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液空圧複合型
ブレーキの好ましい実施形態について図面を参照して説
明する。まず、図6は本発明に係る液空圧複合型ブレー
キを車両のドラムブレーキに適用した実施例を示してい
る。ドラムブレーキ3は、アクスルハウジング(図示せ
ず)に固定されてブレーキシューユニット6を保持する
アンカーブラケット7と、ブレーキシューユニット6の
外周を覆って、アンカーブラケット7に対して回転自在
に配設されたブレーキドラムユニット8などから構成さ
れており、ホイールシリンダユニット(エキスパンダま
たはアクチュエータとも称される)50を用いてブレー
キシューユニット6のブレーキライニング23をブレー
キドラムユニット8のブレーキドラム25に押し付けて
制動させる。
【0016】ブレーキシューユニット6は、左右(車両
における前後)一対の支持アーム21,21と支持アー
ムに取り付けられたブレーキシュー20,20とからな
る。支持アーム21は、その基端部に設けられたピン挿
入穴21aにアンカーピン29を挿入することによりア
ンカーブラケット7に枢結されており、このピンを中心
として図における左右に揺動自在に取り付けられてい
る。ブレーキシュー20は請求の範囲におけるライニン
グ部材に相当する部材であり、鋼板製の支持プレート2
2と、この支持プレート22上にリベット等により固定
されたブレーキライニング(以下「ライニング」とい
う。)23とからなる。ブレーキシュー20,20の先
端部には、これらを相互に接続する引っ張りスプリング
27が配設されており、車両走行時(ブレーキ解除時)
は、これらブレーキシュー20,20が引っ張りスプリ
ング27の付勢力を受けて、それぞれ内方に揺動した位
置(すなわちブレーキドラム25と離れた位置)に保持
される。
【0017】ブレーキシュー20,20の先端部同士の
間には、アクスルハウジングに固定されたホイールシリ
ンダユニット50が配設されている。ホイールシリンダ
ユニット50は後に詳述ように、ブレーキ作動時に左右
のピストンA及びピストンCのアジャスタホイール5
7,67aを左右外方に拡張作動させる。そして、左右
のブレーキシュー間に掛け渡された引っ張りスプリング
27の付勢力に抗してブレーキシュー20,20の先端
部を押圧し、それぞれのアンカーピン29,29を揺動
中心として互いに離れる方向に、即ち、外周側に拡張す
るように揺動させる。
【0018】ブレーキシュー20,20の外側には、ラ
イニング23,23の外周を覆うようにブレーキドラム
25(請求の範囲におけるブレーキ部材に相当する。)
が配設されており、上記ホイールシリンダの拡張作動に
より、ライニング23,23が対向するブレーキドラム
25の内面に押し付けられ、両者の間の摩擦力により、
ブレーキドラム25の回転が制動される。これにより、
ブレーキドラム25が取り付けられたホイール(図示せ
ず)のブレーキ作動がなされる。
【0019】ホイールシリンダユニット50は、機能的
には、油圧の作用によりピストンA及びピストンCを左
右に拡張させて上述したブレーキ作用を発生させる油圧
ブレーキとしての機能と、空圧の作用によりピストンA
及びピストンCを左右に拡張させて上述のブレーキ作用
を発生させる空圧ブレーキとしての機能との二つの機能
を併せもつ油空圧複合型のブレーキアクチュエータであ
る。また構造的には、図5におけるI−I断面図を図1に
示すように、大きくホイールシリンダアッセンブリ50
とスプリングチャンバーアッセンブリ80(80Aまた
は80B)とからなり、ホイールシリンダアッセンブリ
50内に形成された油室に油圧を作用させることにより
油圧ブレーキとしての機能を発揮し、スプリングチャン
バーアッセンブリ80に形成された空気室に空圧を作用
させることにより空圧ブレーキとしての機能を発揮す
る。なお、本実施例では油圧ブレーキを走行時の制動用
ブレーキとして用い、空圧ブレーキをパーキングブレー
キとして用いる場合を例に採り説明する。
【0020】ホイールシリンダアッセンブリ50は、図
2にその主要断面図を示すように、シリンダボディ5
1、シリンダボディ内に形成されたシリンダ部にそれぞ
れ摺動自在に配設されたピストンA52,ピストンB5
3,ピストンC62、ピストンA52のシリンダボディ
内方(図における左方向)への自由移動を規制するとと
もにパーキングブレーキ(空圧ブレーキ)作動時にシャ
フト72に押圧力を作用させるトップハット54、ピス
トンA52に形成された雌ネジ部52dと螺合してピス
トンA52と一体的に接続されパーキングブレーキ作動
時にトップハット54からの押圧力をピストンAに伝達
するシャフト72、シリンダボディ51に挿抜自在に配
設され、パーキングブレーキ作動時にピストンB53と
ピストンC62とに機械的に押圧力を作用させる楔状の
ウェッジ40などから構成されている。
【0021】トップハット54の外周面54aはテーパ
状に形成されて、ブレーキの非作動時(図示する状態)
においてシリンダ内周に形成されたテーパ面51bと当
接し、このトップハット54によって仕切られたシリン
ダの左右に二つの油室70,71を形成する。これら二
つの油室はトップハット54に形成された貫通穴54b
によって連通されており、シリンダボディ51に形成さ
れた図示しない油路を通して油室70に供給されるブレ
ーキフルードの油圧が左右のピストンA52とピストン
B53とに作用するように構成されている。
【0022】ピストンA52及びピストンB53の外周
には円筒状の溝が形成されるとともに、この溝内にシー
ルリング55,56が配設されており、油室70,71
に作用する油圧がリークすることなくピストンA52,
ピストンB53に有効に作用してこれらを伸縮作動させ
るようにシールしている。ピストンA52の外方端部に
はアジャスタホイール57が係合されており、このアジ
ャスタホイール57の端面とアジャスタホイール57を
挟持するクリップ58とでブレーキシュー20と係合し
ている。シリンダ部出口におけるピストンA52とシリ
ンダボディ51との間にはゴムブーツ59が取り付けら
れており、シリンダ内の摺動部に異物や粉塵などが侵入
しないようにシールしている。
【0023】ウェッジ40を挟んで反対側のシリンダ内
にはピストンC(スリーブとも称する)62がシリンダ
軸方向に摺動自在にシリンダ軸廻りに回転自在に配設さ
れている。ピストンC62のボディ内方側にはスナップ
リング64によりタペット63が接続され、ボディ外方
側にはピストンC62に形成された雌ネジ部と螺合して
ボディ外方に突出するスクリュウ67が取り付けられて
いる。スクリュウ67の端部にはアジャスタホイール6
7aが形成されるとともに、このホイールを挟持するク
リップ68とアジャスタホイール端面とでブレーキシュ
ー20と係合している。シリンダ部出口におけるピスト
ンC62とシリンダボディ51との間にはゴムブーツ6
9が取り付けられており、シリンダ内の摺動部やネジ部
に異物や粉塵などが侵入しないようにシールしている。
【0024】タペット63とピストンC62との間には
一方向にのみ回転を許容するワンウェイクラッチ機能を
有するラップスプリング77が配設されており、ピスト
ンC62の外周に形成されたヘリカルスプライン62
a、このスプラインに噛合するドライブリング75、ド
ライブリング75を付勢してリングの自由回転を制限す
るコイルスプリング76、及びピストンC62と螺合す
るスクリュウ67などとともにアジャスト機構を構成す
る。この機構は上記各要素が協動することにより、ライ
ニング23が摩耗したときに摩耗量に応じた回転角だけ
ピストンC62を一方向に回転させ、これと螺合するス
クリュー67を回転角に相当するネジピッチ分だけ繰り
出させて(突出させて)ライニング23とブレーキドラ
ム25との間隔が一定となるように自動調整する機構で
ある。
【0025】これと同様のアジャスト機構はピストンA
側にも設けられており、ピストンA52と螺合して突出
するシャフト72、シャフト72の先端部外周に形成さ
れたヘリカルスプライン72a、このスプラインに噛合
するドライブリング73、ドライブリング73を付勢し
てリングの自由回転を規制するコイルスプリング74な
どにより構成されている。この機構は上記各要素が協動
することにより、ライニング23が摩耗したときに摩耗
量に応じた回転角だけシャフト72を回転させ、回転角
に相当するネジピッチ分だけピストンA52からシャフ
ト72を繰り出させてトップハット54とピストンA5
2との間隔を拡大させ、ライニング23とブレーキドラ
ム25との間隔が一定となるように自動調整する。
【0026】これらのアジャスト機構により、シリンダ
ボディ51内部では、ブレーキの非作動時(図示する状
態)においてピストンB53とピストンC62(タペッ
ト63)とがウェッジ40の中心軸から一定間隔を維持
して配設されていながら、左右のアジャスタホイール5
7,67aはライニング23の摩耗状態に応じてそれぞ
れシリンダボディ51から左右に繰り出され、ライニン
グ23とブレーキドラム25との間隔が常に一定になる
ように自動調整される。
【0027】シリンダボディ51内で対峙するピストン
B53とタペット63との間には、スプリングチャンバ
ーアッセンブリ80の作動により挿抜されるウェッジ4
0が配設される。ウェッジ40は図中上下に延びる軸状
のシャフト部41とこのシャフト部41の下端部に形成
された楔状のウェッジ部42、図におけるウェッジ部4
2の前後(紙面垂直方向)に配設されてシャフト部41
の軸方向に相対移動自在に構成された保持板43、ウェ
ッジ面42a,42aと並行に前後に延びる回転軸を有
しウェッジ部42の挿抜に応じて図における左右方向に
移動自在に保持板に軸支された左右一対のローラ44,
44などを有して構成されている。ウェッジ40はシリ
ンダボディ51に対して図における左右方向に一定範囲
で移動可能に取り付けられるとともに、スプリング45
により上方に付勢されてウェッジ部42が引き上げられ
るように取り付けられている。
【0028】図示するように、ウェッジ40における左
右のローラ44,44は、ピストンB53とタペット6
3の間に挟み込まれるように配設されるとともに、ピス
トンB53及びタペット63におけるローラと当接する
部分は機械加工されてウェッジ面42a,42aと略平
行に傾斜面53b及び63bがそれぞれ形成されてい
る。このように部分加工された傾斜面53b,63bの
前後にはピストンB及びタペットの外壁部53c,63
cが削り残されて当接面が形成されており、ウェッジ4
0が挿入されていない状態でピストンB53とタペット
63とがローラ44,44を挟んで前後において当接す
るように構成されている。
【0029】このため、ウェッジ40が挿入されていな
いときにはピストンB53とピストンC62とがウェッ
ジ42及び左右のローラ44を挟み込むようにしてシリ
ンダボディ51内で当接して配設され、ウェッジ40が
シリンダボディ51内に挿入されたときには、二つの傾
斜面53b,63bの間に挿入されるウェッジ部42の
左右方向拡張作用によりピストンB53とタペット63
とがローラ44,44を介して左右に押圧され、これに
よりピストンB53とピストンC63とがそれぞれシリ
ンダボディ51から左右方向に伸長作動される。
【0030】シリンダボディ51の上方には、ウェッジ
40を挿抜作動させるスプリングチャンバーアッセンブ
リ80が取り付けられる。図3は本発明に係る液空圧複
合型ブレーキにおけるチャンバーアッセンブリの第1の
好ましい実施例を示している。このスプリングチャンバ
ーアッセンブリ80Aはいわゆるダイヤフラム型のエア
チャンバーであり、ハウジング81、シリンダ82、ダ
イヤフラム83、リテーナ85、パワースプリング8
7、ロッド91、ハウジング81とシリンダボディ51
とに接続されてこれらの間を繋ぐ円筒状のチャンバーブ
ラケット98などから構成されている。
【0031】ダイヤフラム83は、テトロン等の合成繊
維層で強化されカップ状に一体成型されたゴム製若しく
は合成樹脂製の膜であり、その中心部においてロッド9
1の端末部と気密に接続されるとともに、外周部におい
てハウジング81とシリンダ82とに気密に挟持されて
空気室84を形成する。ロッド91の他端側はハウジン
グ81に固定保持されたシールリング100によって軸
シールされて突出し、その先端部に合成樹脂製のガイド
リング95が取り付けられてチャンバーブラケット98
の中空円筒部をロッド軸方向に摺動自在に支持されてい
る。
【0032】ダイヤフラム83によって仕切られた空気
室と反対側には、リテーナ85を介してパワースプリン
グ87が配設されている。リテーナ85はダイヤフラム
83を背面から支持してダイヤフラム83が受ける空気
圧を受圧するとともに、パワースプリング87の付勢力
を受けて空気室84を押しつぶす方向、すなわちロッド
を押し出す方向にダイヤフラム83を押圧する。
【0033】ハウジング81には圧縮空気を供給しある
いは排出するポート81aが設けられており、このポー
トから空気室84に圧縮空気を供給することにより、パ
ワースプリング87の付勢力に抗してダイヤフラム83
及びリテーナ85を図中上方に移動させ、これによりガ
イドリング95が取り付けられたロッド91を引き込ま
せる。また空気室84に供給されている圧縮空気をパー
ジ(解放)させて空気圧を低下させることにより、パワー
スプリング87を伸長させてリテーナ85及びダイヤフ
ラム83を図中下方に移動させ、これによりロッド91
を突出させる。
【0034】ロッド91の先端部に取り付けられるガイ
ドリング95は、ポリアセタール樹脂やナイロン樹脂、
超高分子ポリエチレン等の合成樹脂材料を用いて円筒状
に形成されており、その外周面でチャンバーブラケット
98に摺動自在に支持されている。このガイドリング9
5は、伸縮するロッド91のガイドとしての役割を果た
すとともに、ウェッジ40側からのスラスト方向の力が
シールリング100やダイヤフラム83に作用しないよ
うに保護する役割を担っている。なお、ロッド91の伸
縮によってガイドリング95の上下に負圧や圧縮圧が生
じないように円筒の上下を連通する貫通孔95aが複数
形成されている。
【0035】チャンバーブラケット98の円筒部側面に
は、この円筒部の内部圧力が所定圧以上(例えば5kPa〜
50kPa)となったときに、上昇した圧力を円筒外部に解
放するリリーフバルブ120が取り付けられている。こ
のバルブ120のリリーフ圧力及び流量特性はホイール
シリンダアッセンブリ50におけるゴムブーツ69やシ
ールリング56の特性を基準に定められ、特に、シール
リング56に順方向油圧が作用していない状態で逆方向
シール圧を越えることがないように定められる。
【0036】そして、このように構成されたスプリング
チャンバーアッセンブリ80Aのチャンバーブラケット
98をシリンダボディ51に取り付け、ロッド91の先
端部に形成された球面状の受容部と、ウェッジ40にお
けるシャフト部41先端の球面状の接続部とを係合させ
ることにより、ホイールシリンダアッセンブリ50とス
プリングチャンバーアッセンブリ80Aとが接続され
る。
【0037】次に、以上のようにして構成される油空圧
複合型ブレーキの作用について説明する。まず、通常走
行時において運転者のブレーキ操作に応じて作動するブ
レーキは油圧ブレーキが用いられる。油圧ブレーキ作動
時には既に図2を用いて説明したように、運転者のブレ
ーキペダル踏み込み力に応じた油圧がシリンダボディ内
の油室70に供給される。トップハット54には貫通穴
54bが形成されており、油室70に供給された油圧は
この貫通穴を通して油室71にも供給される。ピストン
A52は油圧上昇を受けて、図1及び図2における右方
に摺動伸長し、ピストンA52に取り付けられたアジャ
スタホイール58を介して係合するブレーキシュー20
を押圧する。そしてブレーキシュー20,20間に掛け
渡された引っ張りスプリング27の付勢力に抗してブレ
ーキシュー20をアンカーピン29廻りに揺動させ、ラ
イニング23をブレーキドラム25に押圧させて制動さ
せる。なお、アジャスタ機構を構成するシャフト72は
ピストンA52に螺合するネジの効果によりピストンA
とともに右方に移動し、その先端テーパ面はトップハッ
ト54と離れる。
【0038】一方、ピストンB53は油室71に供給さ
れる油圧を受けて図中左方に摺動移動しようとする。こ
こで、前述したようにピストンB53とタペット63と
はウェッジローラ44,44を挟む前後面でそれぞれの
外壁部53c、63cが当接しているため、ピストンB
53に作用する油圧による押圧力は外壁部53c,63
cを通じてピストンC62に伝達される。
【0039】このとき、二つの傾斜面に挟持されるウェ
ッジ40は、ピストンBの傾斜面から押圧力を受ける
が、ウェッジ40はシリンダボディ51に対して一定量
左右方向に移動可能に取り付けられているため、ロッド
91の受容部と相互に球面係合するシャフト先端部X
(図1参照)を揺動中心として揺動してピストンB53
の移動を妨げない。このため、ピストンB53は油圧力
を受けてピストンC62を押圧し、ピストンC62及び
これに螺合するスクリュウ67を図中左方に摺動移動さ
せてシリンダボディ51に対して伸長させ、アジャスタ
ホイール68に係合するブレーキシュー20を押圧す
る。そしてブレーキシュー20,20間に掛け渡された
引っ張りスプリング27の付勢力に抗してブレーキシュ
ー20をアンカーピン29廻りに揺動させ、ライニング
23をブレーキドラム25に押圧させて制動させる。
【0040】ブレーキ操作が解除されたときには、油室
70,71に作用する油圧がドレンされる。このため、
左右のピストンA52及びピストンC62はスプリング
27の付勢力により押圧され、ピストンA52はシャフ
ト72先端部がトップハット54に当接するまで左動
し、ピストンC62及びピストンB53はピストンBが
トップハット54に当接するまでともに右動する。ウェ
ッジ40は挟持されたピストンB及びピストンCの右動
とともに揺動し、戻り作動の停止によりブレーキ作動前
の中立位置で停止する。
【0041】空圧ブレーキは、車両を停止させた後のパ
ーキングブレーキとして使用する。上述した車両運行時
にはスプリングチャンバーアッセンブリ80Aにおける
空気室84に圧縮空気が供給されており、ロッド91が
チャンバー内に引き込まれた状態(図1〜図3に示す状
態)となっている。車両を停止させ、パーキングブレー
キ操作が行われると、それまで空気室84に供給されて
いた圧縮空気の供給路を遮断してエアコンプレッサやエ
アタンクの空圧配管(いずれも不図示)から切り離すと
ともに、空気室84内のエアをパージして残圧を排出す
る。
【0042】すると、それまで圧縮空気の空気圧により
圧縮されていたパワースプリング87は、対抗する空気
圧が減少することにより伸長し、リテーナ85を介して
空気室84を押しつぶして室内の空気を排出させるとと
もに、ロッド91をチャンバーブラケット98内に突出
させる。そしてロッド91と係合するウェッジ40のシ
ャフト41を押圧し、ピストンB53とタペット63間
にウェッジ部42を挿入させる。
【0043】シリンダボディ内に挿入されたウェッジ部
42は、その楔作用(拡張作用)により左右のローラ4
4,44を介して当接するピストンB及びタペットの傾
斜面53b,63bとをそれぞれ押圧し、ピストンB5
3を右方に、ピストンC62を左方に摺動移動させる。
右方に摺動するピストンB53はトップハット54を押
圧してこれを右動させ、さらにトップハット54と当接
するシャフト72を介してピストンA52を右動させ
る。このようにして左右に摺動移動するピストンA52
及びピストンC62は各々に接続されたアジャスタホイ
ール57,67aをシリンダボディ51から伸長作動さ
せ、前記同様にアジャスタホイールに係合する左右のブ
レーキシュー20,20をアンカーピン29,29廻り
に拡張方向に揺動させ、ライニング23,23をブレー
キドラム25に押圧させてこの回転をロックする。
【0044】パーキングブレーキの解除操作が行われた
ときには、エアコンプレッサやエアタンクの空圧配管か
らの圧縮空気の供給路を開としてポート81aから空気
室84に圧縮空気を供給する。供給された空気圧はパワ
ースプリング87の付勢力に抗してダイヤフラム83を
拡張させ、リテーナ85を上動させてロッド91をチャ
ンバー内に引き込ませる。ウェッジ40はシャフト部4
1を上方に付勢するスプリング45の付勢力によりロッ
ド91の上動とともに上昇し、図1〜図3に示す元の位
置に復帰する。各ピストンはブレーキシュー20,20
間を繋ぐスプリング27の付勢力によりシリンダボディ
内に押し戻され図1及び図2に示す位置に復帰する。
【0045】ところで、以上のように構成された油空圧
複合型ブレーキにおいて、ロッド91を摺動自在に軸シ
ールするシールリング100が何らかの異常により損耗
し、あるいは破損してシール性が保てなくなった場合に
は、空気室84に圧縮空気が供給されているとき、すな
わちパーキングブレーキが解除されて車両が運行状態に
あるときに、チャンバーブラケット98内に圧縮空気が
洩れ出すことになる。エアチャンバーのハウジング81
とシリンダボディ51との間を繋ぐチャンバーブラケッ
ト98は、外部から粉塵や異物の混入を防止するために
密閉した中空円筒形状を有しており、洩れ出したエアー
はガイドリング95に設けられた貫通穴95aを通り、
シリンダボディ51の内部へも到達してこれら内部空間
の圧力を上昇させることになる。
【0046】しかしながら、本発明に係る上記油空圧複
合型ブレーキにはチャンバーブラケット98にリリーフ
バルブ120が配設されており、このバルブのリリーフ
圧及び流量はシールリング56に順方向の油圧が作用し
ていない状態での逆方向シール圧を超えることがないよ
うに、あるいはさらにゴムブーツ69を破損させたり脱
落させることがないように設定されている。従って、上
記のように車両運行中にエアチャンバーのシールリング
100が損耗し、あるいは破損した場合であっても、洩
れだしたエアをリリーフバルブ120から放出させるこ
とにより、シリンダボディ51内の圧力を所定以上に上
昇させることがない。また、内圧を解放する機構として
リリーフバルブを用いているため、異常発生以前におい
てはシリンダボディ内部への粉塵等の侵入を防止して密
閉性を確保し、必要時のみ解放する構成とすることがで
きる。これにより、安全性と長期信頼性を高めた油空圧
複合型ブレーキを提供することができる。
【0047】次に、本発明に係る液空圧複合型ブレーキ
におけるチャンバーアッセンブリの第2の好ましい実施
例を図4に示している。このスプリングチャンバーアッ
センブリ80Bはいわゆるシリンダ型のエアチャンバー
であり、ハウジング81、シリンダ82、シリンダ内に
軸方向に摺動自在に配設されたピストン86、ピストン
86にカシメや溶接等により気密に一体接合された中空
パイプ状のロッド92、ロッド先端部にネジ締結された
コネクタ93及びプッシュロッド94、パワースプリン
グ87、ハウジング81とシリンダボディ51との間を
繋ぐ円筒状のチャンバーブラケット98などから構成さ
れている。
【0048】シリンダ82内を摺動するピストン86の
外周部にはOリング88が組み付けられ、ピストン84
と一体接合されて伸縮作動するロッド92を摺動自在に
軸支するハウジング81にはシールリング100,Oリ
ング101が組み付けられ、これによりピストン86の
ロッド側に空気室84が形成されている。また、ピスト
ン86を挟んで空気室の反対側には、ピストン86とシ
リンダ後壁との間にパワースプリング87が配設され、
ピストン86を空気室84側に付勢している。ハウジン
グ81には空気室84に圧縮空気を供給しあるいは排出
するためのポート81aが設けられ、図示しない空圧配
管が接続されている。
【0049】空気室84を貫通するロッド92は、中空
パイプの外周を鏡面加工して摺動自在なピストンロッド
を形成するとともに、この突出端部側に形成された雌ね
じによりコネクタ93と螺合接続されている。コネクタ
93は配管継ぎ手における異径ブッシュ状に形成されて
おり、一端の外周側にロッド92と接続する雄ねじが、
他端の内周側にプッシュロッド94と接続する雌ねじが
形成されるとともに、コネクタの外周側と内部の貫通穴
とを連通するリリーフ穴93aが穿設されいる。また、
ピストン86と一体接合された側のロッド端部は、パワ
ースプリングが配設されたスプリング室と連通してお
り、さらにスプリング室は後端部に配設された接続ポー
ト105においてシリンダ外部と連通している。なお、
接続ポート105には図示しない配管によりエアフィル
タが接続され、あるいは粉塵や水分等が少ない運転室な
どに接続されて解放されている。
【0050】上記構成により、スプリングチャンバーア
ッセンブリ80Bでは、コネクタ93のリリーフ穴93
a,ロッド92のパイプ内,スプリング室、接続ポート
105を介して、チャンバーブラケット98の内部空間
とアッセンブリ外部とを接続するリリーフラインが形成
される。そしてこのリリーフラインは、ロッド92を気
密に摺動シールするシールリング100及びOリング1
01が損傷を受けてエアーが洩れた場合に、ピストンB
53のシールリング56に順方向の油圧が作用していな
い状態であっても逆方向シール圧を超えることがないよ
うに、あるいはさらにゴムブーツ69を破損させたり脱
落させることがないように構成されている。なお、図中
に130で示すボルトは保守メインテナンス時にピスト
ン86を強制的に引き上げてパーキングブレーキを解除
させるための保守用のブレーキ解除ボルトである。
【0051】このように構成されるエアチャンバーにお
いて、ポート81aから空気室84に圧縮空気を供給す
ることにより、パワースプリング87の付勢力に抗して
ピストン86を図中上方に移動させ、ピストン86と一
体的に接続されたロッド92,コネクタ93,プッシュ
ロッド94等を引き込ませる。また、空気室84に供給
されている圧縮空気をパージさせて空気圧を低下させる
ことにより、パワースプリング87を伸長させてピスト
ン86を図中下方に移動させ、これによりロッド92及
びこれに接続されたプッシュロッド94等を突出させ
る。なお、プッシュロッド94の先端部に取り付けられ
るガイドリング95の構成及び機能は、前述の実施例と
同様である。
【0052】そして、スプリングチャンバーアッセンブ
リ80Bのチャンバーブラケット98をシリンダボディ
51に取り付け、ロッド91の先端部に形成された球面
状の受容部と、ウェッジ40におけるシャフト部41先
端の球面状の接続部とを係合させることにより、ホイー
ルシリンダアッセンブリ50とスプリングチャンバーア
ッセンブリ80Bとが接続される。そして、以上のよう
にして構成される油空圧複合型ブレーキにおける油圧ブ
レーキ(車両運行時の制動ブレーキ)及び空圧ブレーキ
(パーキングブレーキ)は前述した実施例と同様に成さ
れる。
【0053】ここで、上記構成の油空圧複合型ブレーキ
において、ロッド92を摺動自在に軸シールするシール
リング100及びOリング101が何らかの異常により
損耗し、あるいは破損してシール性が保てなくなった場
合には、空気室84に圧縮空気が供給されているとき
(パーキングブレーキが解除されて車両が運行状態にあ
るとき)にチャンバーブラケット98内に圧縮空気が洩
れ出すことになる。エアチャンバーのハウジング81と
シリンダボディ51との間を繋ぐチャンバーブラケット
98は、外部から粉塵や異物の混入を防止するために密
閉した中空円筒形状を有しており、洩れ出したエアーは
ガイドリング95に設けられた貫通穴95aを通り、シ
リンダボディ51の内部へも到達してこれら内部空間の
圧力を上昇させることになる。
【0054】しかしながら、本発明の油空圧複合型ブレ
ーキにおけるスプリングチャンバーアッセンブリ80B
には、前述したようにチャンバーブラケット98の空間
内部とアッセンブリ外部とを接続するリリーフラインが
形成されており、このリリーフラインはシールリング1
00等がシール性を保てなくなってエアーが洩れた場合
に、シールリング56に順方向の油圧が作用していない
状態であっても逆方向シール圧を超えることがないよう
に、あるいはさらにゴムブーツ69を破損させたり脱落
させることがないように構成されている。
【0055】このため、車両運行中にエアチャンバーの
シールリング100及びOリング101が損耗して、ロ
ッド92の軸シール部からエアが洩れ出した場合には、
流出したエアはコネクタに穿設されたリリーフ穴93a
からリリーフラインを通して接続ポート105からスプ
リングチャンバーアッセンブリ80Bの外部に放出され
るため、シリンダボディ51内の圧力を所定以上に上昇
させることがない。また、接続ポート105にはエアフ
ィルタが接続され、あるいは粉塵や水分等の少ない運転
室に接続されているため、リリーフライン内やシリンダ
ボディ内部への粉塵等の侵入を防止することができる。
従って、安全性と長期信頼性を高めた油空圧複合型ブレ
ーキを提供することができる。
【0056】なお、以上では油圧ブレーキを車両運行時
の制動用ブレーキとし、空圧ブレーキをパーキングブレ
ーキとして用いる油空圧複合型ブレーキを実施例として
例示したが、説明から明らかなように、これらの機能が
逆であっても全く同様に構成することができる。また、
液圧の代表例として作動油(鉱物油や合成油等)を取り
上げたが、水や他の作動流体をベースとするものであっ
ても良い。さらに、以上ではドラムブレーキを例に採り
説明したが、液空圧を併用するディスクブレーキであっ
て、液圧部と空圧部とを連通するブラケットで接続する
ものについても同様に構成することができ、また同様の
効果を奏することができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではシリン
ダボディに摺動自在に配設されたピストンを有し、ピス
トンに液圧を作用させてピストンを伸縮作動させ、ライ
ニング部材を被ブレーキ部材に押圧させて制動させる液
圧ブレーキと、エアチャンバーに空気圧を作用させてロ
ッド部材を伸縮動させ、伝達部材を介してピストンを伸
縮作動させてブレーキ作動する空圧ブレーキと、ロッド
部材の外周を覆いエアチャンバーとシリンダボディとを
接続する中空断面形状のチャンバーブラケットとを有
し、液圧ブレーキと空圧ブレーキとを併用する液空圧複
合型ブレーキにおいて、チャンバーブラケットの中空断
面内側に作用する圧力を外部に解放するリリーフ手段を
設けて液空圧複合型ブレーキを構成する。このような構
成によれば、ロッド部材の摺動部からエアチャンバーの
空気が洩れ出した場合に、この空気をリリーフ手段から
外部に解放するため、シリンダボディの内圧が所定圧以
上に高まることがなく、構成部材の脱落や破損、液圧ブ
レーキの液室への空気の混入等を防止することができ
る。従って、信頼性及び安全性を高めた液空圧複合型ブ
レーキを提供することができる。
【0058】なお、上記リリーフ手段は、チャンバーブ
ラケットに設けられたリリーフバルブとすることができ
る。このような構成によれば、簡単な構成でシリンダボ
ディ側の内圧が一定値以上に上昇することを防止するこ
とができる。また、リリーフバルブはチャンバーブラケ
ット内側の圧力が一定値以上になったときに始めて開口
し、通常時には内部空間の密閉性を維持する効果を有す
るため、外部から粉塵や水分が侵入してピストンの作動
を阻害したり、発錆により構成部材を固着させるなどの
おそれがない。従って、安全性及び長期信頼性が高い液
空圧複合型ブレーキを簡単な構成で提供することができ
る。
【0059】また、上記ロッド部材は中空断面形状を有
するとともに、ロッド部材の中空断面内側はエアチャン
バーの空気室外に解放され、リリーフ手段はロッド部材
に配設されてロッド部材の内外を連通させるリリーフ穴
であるように液空圧複合型ブレーキを構成しても良い。
このような構成によれば、既存の部材にリリーフ穴を穿
孔するという極めて簡単な構成で、シリンダボディ内の
圧力が一定値以上に上昇することを防止し、長期信頼性
が高い液空圧複合型ブレーキを提供することができる。
【0060】さらに、上記リリーフ手段に空気中の塵埃
を除去するフィルタを有して液空圧複合型ブレーキを構
成することにより、ブレーキ内部に異物や粉塵等が侵入
してピストンの作動を阻害したり、水滴が侵入して発錆
させて構成部材を固着させるなどのおそれがない。従っ
て安全性と長期信頼性を高めた液空圧複合型ブレーキを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液空圧複合型ブレーキを備えたド
ラムブレーキにおけるホイールシリンダユニットを示す
断面図である。
【図2】上記ホイールシリンダユニットにおけるホイー
ルシリンダ部(ホイールシリンダアッセンブリ)の断面
図である。
【図3】本発明に係る液空圧複合型ブレーキにおけるエ
アチャンバー部(スプリングチャンバーアッセンブリ)
の好ましい実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る液空圧複合型ブレーキにおけるエ
アチャンバー部の他の好ましい実施例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明に係る液空圧複合型ブレーキを備えたド
ラムブレーキの構成を説明するための説明図である。
【図6】従来の液空圧複合型ブレーキにおけるホイール
シリンダユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
3 ドラムブレーキ(液空圧複合型ブレーキ) 20 ブレーキシュー(ライニング部材) 25 ブレーキドラム(被ブレーキ部材) 40 ウェッジ(伝達手段) 50 ホイールシリンダユニット 51 シリンダボディ 52 ピストンA 53 ピストンB 53b ピストンBの傾斜面(伝達手段) 62 ピストンC 63b タペットの傾斜面(伝達手段) 80 スプリングチャンバーユニット(エアチャンバ
ー) 91 ロッド(ロッド部材) 92 ロッド(中空断面形状を有するロッド部材) 93 コネクタ(93a ロッド部材の内外を連通させ
るリリーフ穴) 98 チャンバーブラケット 120 リリーフバルブ(リリーフ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 秀樹 東京都町田市南成瀬4−21−1 東京部品 工業株式会社内 (72)発明者 三好 章洋 東京都町田市南成瀬4−21−1 東京部品 工業株式会社内 Fターム(参考) 3D048 BB06 CC52 FF02 GG31 3J058 AA03 AA07 AA13 AA17 AA24 AA28 AA37 BA25 CA17 DC03 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボディと、前記シリンダボディ
    に摺動自在に配設されたピストンと、前記ピストンに係
    止されたライニング部材と、前記ライニング部材と対向
    して配設された被ブレーキ部材とを有し、前記ピストン
    に液圧を作用させて前記シリンダボディに対して前記ピ
    ストンを伸縮作動させ、前記ライニング部材を前記被ブ
    レーキ部材に押圧させて制動させる液圧ブレーキと、 空気圧の作用により伸縮自在なロッド部材を有するエア
    チャンバーと、前記ロッド部材の伸縮作動を前記ピスト
    ンの伸縮作動方向に伝達する伝達手段と、前記ロッド部
    材の外周を覆い前記エアチャンバーと前記シリンダボデ
    ィとを接続する中空断面形状のチャンバーブラケットと
    を有し、前記エアチャンバーに空気圧を作用させて前記
    伝達手段を介して前記シリンダボディに対して前記ピス
    トンを伸縮作動させ、前記ライニング部材を前記被ブレ
    ーキ部材に押圧させて制動させる空圧ブレーキとを備
    え、 前記液圧ブレーキと前記空圧ブレーキとを併用する液空
    圧複合型ブレーキにおいて、 前記チャンバーブラケットの中空断面内側に作用する圧
    力を外部に解放するリリーフ手段を設けたことを特徴と
    する液空圧複合型ブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記リリーフ手段は、前記チャンバーブ
    ラケットに設けられたリリーフバルブであることを特徴
    とする請求項1に記載の液空圧複合型ブレーキ。
  3. 【請求項3】 前記ロッド部材は中空断面形状を有する
    とともに、前記ロッド部材の中空断面内側は前記エアチ
    ャンバーの空気室外に解放され、 前記リリーフ手段は、前記ロッド部材に配設されて前記
    ロッド部材の内外を連通させるリリーフ穴であることを
    特徴とする請求項1に記載の液空圧複合型ブレーキ。
  4. 【請求項4】 前記リリーフ手段には空気中の塵埃を除
    去するフィルタを有することを特徴とする請求項1から
    請求項3のいずれか一項に記載の液空圧複合型ブレー
    キ。
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