JP2001232454A - 内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造方法と、内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造機 - Google Patents

内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造方法と、内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造機

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JP2001232454A
JP2001232454A JP2000042386A JP2000042386A JP2001232454A JP 2001232454 A JP2001232454 A JP 2001232454A JP 2000042386 A JP2000042386 A JP 2000042386A JP 2000042386 A JP2000042386 A JP 2000042386A JP 2001232454 A JP2001232454 A JP 2001232454A
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die
casting
head wall
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Kensho Ito
憲昭 伊藤
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ARUTETSUKUSU KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F2200/00Manufacturing
    • F02F2200/04Forging of engine parts

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  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】重力式金型鋳造法による従来のピストンの製造
では、高い圧力をかけて金属組織を緻密にすることは事
実上不可能であり、粉末合金を使用した鍛造は高くつ
く。 【解決手段】ダイカスト鋳造機の金型11に、ダイキャ
ビティ71に鋳込まれた溶湯金属75を加圧するための
二次加圧子27と、これを駆動する油圧シリンダー25
を組み込み、溶湯金属75が鋳込まれた後これが凝固す
る前に二次加圧子27を、ピストン1のヘッド壁3のト
ップ面3aに対する垂直な方向からダイキャビティ71
に向けて前進させることで、溶湯溜り凹部19内の溶湯
がダイキャビティ71内の溶湯75に押し込まれて組織
を緻密にする。ダイキャビティ71はほぼ密閉されてい
るから、二次加圧が可能になる。金属組織の緻密化は、
ヘッド壁3において最も高くなり、シリンダー内での爆
発エネルギーがピストン1に直接加えられる部位及び方
向と一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直線運動型の内燃
機関用ピストンのダイカスト鋳造方法と、その方法を実
施するためのダイカスト鋳造機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ガソリンエンジン等に使用され
ている直線運動型の内燃機関、即ち、シリンダ内のピス
トンが上死点と下死点との間で往復移動する方式の内燃
機関において、燃料消費効率を高めるための重要な対策
の一つとして、ピストンの軽量化があり、これを実現す
ることで連接棒やクランクシャフト等の周辺機構につい
ての軽量化も可能になってくる。ピストンの軽量化を実
現するには、強度と硬度を低下させること無く肉を薄く
するか、材料金属そのものの分子密度を高めること等が
必須の要件となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この点、従来の内燃機
関用ピストンの製造は、実用的には、所謂重力式金型鋳
造法でのみ行われていたため、重力以上の圧力をかけて
金属組織を緻密にして強度を高めることは事実上不可能
であった。尚、一部では鍛造法が用いられており、近
時、鍛造の材料金属自体に分子密度の高いもの(粉末合
金等)を使用することで薄肉化を促進することが行われ
ているが、鍛造は成形サイクルの能率が非常に悪く、粉
末合金等は材料コストも高くつくという別の問題を抱え
ている。
【0004】本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為
されたものであり、ダイカスト鋳造における溶湯鋳込み
方式の密閉性を利用して、鋳込まれた溶融金属を所定の
方向から二次加圧することによって、或いは、酸素雰囲
気法による鋳込みと上記二次加圧と鋳造後の溶体化処理
の組合せによる相乗効果によって、組織密度を飛躍的に
高めることができて、耐圧強度や硬度を低下させること
無く薄肉化を実現することができ、特に、シリンダー内
での爆発エネルギーに対する耐圧特性に優れた新規な内
燃機関用ピストンのダイカスト鋳造方法と、その方法を
実施するためのダイカスト鋳造機を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載した内燃機関用ピストンのダイカス
ト鋳造方法は、ほぼ円板形をしたヘッド壁とこのヘッド
壁から延びたスカート部を有する内燃機関用ピストンの
ダイカスト鋳造方法であって、目的の内燃機関用ピスト
ンのダイキャビティに鋳込まれた溶融金属を、これが凝
固する前に、当該ピストンのヘッド壁のトップ面に対す
る垂直な方向から二次加圧し、この二次加圧が行われて
いる状態で溶融金属の凝固を完了させることを特徴とす
るものである。
【0006】また、本発明に係る内燃機関用ピストンの
ダイカスト鋳造機は、ほぼ円板形をしたヘッド壁とこの
ヘッド壁から延びたスカート部を有する内燃機関用ピス
トンのダイカスト鋳造機であって、型閉じすることで目
的のピストンのダイキャビティが画成される金型と、ダ
イキャビティに鋳込まれた溶融金属を当該ピストンのヘ
ッド壁のトップ面に対する垂直な方向から加圧するため
の二次加圧部材と、この二次加圧部材を駆動するための
駆動手段とを備え、ダイキャビティに溶融金属が供給さ
れた後これが凝固する前に前記二次加圧部材をダイキャ
ビティに向けて前進させることで溶融金属が加圧される
ことを特徴とするものである。
【0007】従って、この鋳造方法又は鋳造機によれ
ば、ダイキャビティに供給された溶融金属は、鋳込み装
置による鋳込み圧力だけで無く、この鋳込み装置によっ
て略完全に密閉された状態での二次加圧部材による圧力
も受けるので、その金属組織の構造が非常に緻密になっ
て、鋳造されるピストンは高い耐圧強度と硬度を持つこ
とになり、その分、薄肉化と軽量化を実現できる。
【0008】特に、本発明においては、二次加圧がピス
トンのヘッド壁トップ面に対する垂直な方向から加えら
れる結果、ダイキャビティに鋳込まれている溶融金属に
は、上記トップ面からスカート部の端に向かって年輪様
に拡がる加圧流線が生成され、この加圧流線の密度は当
然ヘッド壁において最も高くなるので、この部位におい
て金属組織が最も緻密になる。このような加圧流線の拡
がりは、シリンダー内での爆発エネルギーがピストンに
作用する方向と一致する。従って、鋳造されるピストン
は単に耐圧強度が高められるというだけでは無く、爆発
エネルギーを直接受けるヘッド壁において金属組織が最
も緻密にされた、理想的な耐圧特性を持つことになる。
【0009】そして、本発明における二次加圧が、ダイ
カスト鋳造における型締めからイジェクトまでの各工程
に何らかの変更を求めることは全く無いし、二次加圧に
要する時間もほんの僅かな時間で足りるので、鋳造サイ
クルが時間的に長くなる虞れも殆ど無い。
【0010】二次加圧の面積と圧力については、目的の
ピストンのサイズに応じて選択すれば良いが、本発明者
の実験によると、二次加圧部材の駆動手段や鋳込み装置
の能力との関係から、二次加圧の面積はヘッド壁トップ
面の投影面積の15〜40パーセント程度が良く、圧力
は約3〜6トン程度とするのが良い。
【0011】請求項2に記載した内燃機関用ピストンの
ダイカスト鋳造方法は、ほぼ円板形をしたヘッド壁とこ
のヘッド壁から延びたスカート部を有する内燃機関用ピ
ストンのダイカスト鋳造方法であって、目的の内燃機関
用ピストンのダイキャビティへの溶融金属の鋳込みを酸
素雰囲気法で行い、このダイキャビティに鋳込まれた溶
融金属を、これが凝固する前に、当該ピストンのヘッド
壁のトップ面に対する垂直な方向から二次加圧し、この
二次加圧が行われている状態で溶融金属の凝固を完了さ
せ、次いで、当該鋳造品を溶体化処理することを特徴と
するものである。
【0012】即ち、この鋳造方法では、酸素雰囲気法に
よる鋳込みによって鋳巣の無い状態で鋳込まれた溶融金
属が二次加圧されて緻密に圧縮され、この圧縮された金
属は更に溶体化処理されて組織をより均質にされる。特
に、二次加圧は鋳巣の無い溶融金属に対して為されるの
で、酸素雰囲気で無く鋳込まれた場合と比較して、加圧
流線の生成密度も高くなり、従って、爆発のエネルギー
を受ける方向に対しては非常に高い耐圧特性を持つこと
になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係
る内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造機と、このダイ
カスト鋳造機による鋳造方法を図面に従って説明する。
【0014】〔A.ピストンの形状〕(図5) 図5に、鋳造目的のピストン1の形状を示す。このピス
トン1の構造は、基本的に既知の一般的なピストンの構
造と同じであって、ほぼ円板形をしたヘッド壁3と、こ
のヘッド壁3から垂直方向へ延びた筒形のスカート部5
と、このスカート部5の互いに対向する平坦壁に形成さ
れた厚肉部7とから成り、この厚肉部7に、ピストンピ
ンを通すための孔7aが形成されている。スカート部5
の外周面には、ピストンリングを装着するための溝5a
(図1乃至図3では図示を省略してある。)が形成され
ている。従って、シリンダー9内で起こる爆発エネルギ
ーは、ピストン1のヘッド壁3におけるトップ面3aに
主としてその軸方向(垂直な方向)から加えられる。
【0015】〔B.ダイカスト鋳造機の金型〕(図1) ダイカスト鋳造機については、図面では金型機構11の
みを示してある。13は固定側ダイプレートを示し、3
1は可動側ダイプレートを示す。固定側ダイプレート1
3は、略正方形の厚い板状を為し、可動側ダイプレート
31と対向するパーティング面(分割面)15の中央部
にキャビティハーフ17が形成されている。このキャビ
ティハーフ17は、前記ピストン1における上端部の外
形、即ち、ヘッド壁3のトップ面3aと、スカート部5
の外周面の上端部を画する部分であって、その中央部に
円形をした溶湯溜り凹部19が形成されている。この溶
湯溜り凹部19は、ピストン1の外形の形成に直接働く
キャビティでは無く、金型に供給された溶融金属の組織
密度を高めるのに使用される補給溶湯を溜める空間であ
る。
【0016】固定側ダイプレート13の背面の中央部に
は、シリンダー組込み凹部21が形成され、このシリン
ダー組込み凹部21と上記溶湯溜り凹部19との間にロ
ッド通し孔23が形成されている。このロッド通し孔2
3は、溶湯溜り凹部19の内径より多少小さい内径を有
すると共に、溶湯溜り凹部19と同軸上に位置してい
る。
【0017】シリンダー組込み凹部21には、ストロー
クの小さい複動型(2方向型)の油圧シリンダー25が
嵌め込み状に装着されており、そのピストンロッド25
aの先端部に短い円柱形をした二次加圧子27が螺着法
等によって取り付けられている。この二次加圧子27
は、直径がピストン1のヘッド壁3の外直径の20パー
セント程度で、ロッド通し孔23に辷りクリアランスだ
けを残してぴったり通されている。29、29´は油圧
シリンダー25に通じた油圧系統の配管を示す。この油
圧シリンダー25の駆動方向は油圧系統に介挿された図
示しない方向切換え弁によって制御され、ロッド引込み
状態では、二次加圧子27の先端面(押圧面)は、図1
に示すように、溶湯溜り凹部19の奥面を塞ぐように位
置する。溶湯溜り凹部19の内径は二次加圧部材27の
直径より多少大きい。
【0018】可動側ダイプレート31はこれの後方にあ
るダイプレート取付板33にスペーサブロック35を介
して取り付けられている。この可動側ダイプレート31
も、固定側ダイプレート13とほぼ同じ大きさの厚い板
状をしており、固定側ダイプレート13と対向するパー
ティング面37の中央部にはキャビティハーフ39が形
成されている。このキャビティハーフ39は、ピストン
1の内面とスカート部5の外周面の上端部以外の領域を
画すると共に、孔7aを形成するものである。尚、図面
では可動側ダイプレート31を単一構造で示してある
が、実際には、中子や左右一対のスライドブロック等を
備えていて、キャビティハーフ39はそれら中子やスラ
イドブロックと協働して構成されている。41は冷却水
路を示す。
【0019】51はイジェクトガイドピンを示し、これ
にイジェクトプレート53が摺動自在に支持されてい
る。可動側ダイプレート31にはキャビティハーフ39
に達するイジェクトピン挿入孔43が形成されていて、
ここにイジェクトプレート53のイジェクトピン55が
摺動自在に挿入されている。固定側、可動側両ダイプレ
ート13、31の各パーティング面15、37には、2
つ割り構造の湯口(ゲート)61及び湯道(ランナー)
63が形成されており、湯口61はキャビティハーフ1
7と39どうしの接合箇所に開口し、固定側ダイプレー
ト13には湯道63に続く給湯口65が形成されてい
る。この給湯口65にはコールドチャンバー式の図示し
ない鋳込み装置と酸素ガス供給装置等が接続される。ダ
イカスト鋳造機の金型機構11は以上のように構成され
ている。
【0020】〔C.ピストンの鋳造方法〕次に、この金
型機構11を備えたダイカスト鋳造機によるピストン1
の鋳造方法を工程順に説明する。 (1)型締め(図1) 図示しない型締め装置によって、可動側ダイプレート3
1を固定側ダイプレート13に圧接させて型締めする。
このとき、油圧シリンダー25の油圧系統はロッド引込
み状態になっており、固定側、可動側両ダイプレート1
3、31どうしの位置合わせは、固定側ダイプレート1
3に突設されているガイドピン67が可動側ダイプレー
ト31のガイドピン挿入孔69に挿入されることで行わ
れる。この型締めにより、2つのキャビティハーフ17
と39とが接合してピストン1のダイキャビティ71が
画成されると共に、湯口61、湯道63が形成される。
【0021】(2)酸素ガスの供給、給湯(図2) 型締め完了後、先ず、図示しない酸素ガス供給装置から
ダイキャビティ71に酸素ガスが供給される。次いで、
コールドチャンバー式の図示しない鋳込み装置によっ
て、溶融金属75が給湯口65、湯道63、湯口61を
経てダイキャビティ71に鋳込まれる。この鋳込みの圧
力は、できるだけ高い値、例えば、700〜1000K
g/平方センチメートル程度にすると良い。このよう
に、溶融金属75の鋳込みは酸素雰囲気下で行われるの
で、鋳込まれた溶融金属の一部が酸素と反応してこれを
取り込むため、ダイキャビティ71はガスの無い真空状
態になる。従って、鋳巣の発生は殆どゼロで、所謂無孔
性鋳造が為される。
【0022】(3)二次加圧(図3) 溶融金属の鋳込みが完了したら、直ちに(ダイキャビテ
ィ71に供給された溶融金属75の凝固が進行する前
に)、油圧シリンダー25をロッド突出方向へ駆動して
ピストンロッド25aを突出させる。これにより、二次
加圧子27が図3に示すようにダイキャビティ71に向
かって前進し(溶湯溜り凹部19内に突出し)、溶湯溜
り凹部19にあった溶融金属75が、ここに突出した二
次加圧子27の体積の分、ダイキャビティ71内の溶融
金属75に押し込まれるので、ダイキャビティ71内の
溶融金属75が加圧される。従って、ダイキャビティ7
1内に鋳込まれた溶融金属75は、鋳込み装置による鋳
込み圧力だけで無く、二次加圧子27による二次的加圧
も受けて圧縮されるので、その組織をより緻密にされ
る。ダイキャビティ71内は狭小な湯口61以外完全に
密閉されており、湯口61には鋳込み装置による鋳込み
圧力が外側からかかっているため、二次加圧のエネルギ
ーがダイキャビティ71から外に逃げることは殆ど無
い。ピストンロッド25aが突出した状態は、型開きが
行われるまで維持される。
【0023】この二次加圧のエネルギーは、ダイキャビ
ティ71内の溶融金属75に対して、波紋が広がるよう
に伝播する。この場合、二次加圧は、ピストン1のヘッ
ド壁3を形成する溶融金属75に直接、且つ、このヘッ
ド壁3のトップ面3aに対して垂直な方向から加えられ
るので、この部位と圧力伝播の方向は、シリンダー9内
で起こる爆発エネルギーが直接加えられる部位と方向に
一致する。この結果、ダイキャビティ71内の溶融金属
には、図3に破線で示す年輪様の加圧流線77が生成さ
れる。この加圧流線77が密であるほど溶融金属75の
圧縮度が高い。これを見て分かるように、二次加圧は、
ヘッド壁3を形成する部分の溶融金属75に対して最も
強く作用する。従って、鋳造されるピストン1は、爆発
エネルギーを直接受けるヘッド壁3において金属組織が
最も緻密にされ、しかも、上記エネルギーが加えられる
方向とほぼ同じ方向での加圧によるものであるから、単
に硬度が高まるだけでは無く、爆発エネルギーに対する
理想的な極めて高い耐圧特性を持つことになる。
【0024】この二次加圧の圧力として適当な値は、ピ
ストン1の肉厚だけで無く、溶融金属75の種類や鋳込
み圧力、金型機構11の耐圧強度等によって左右される
ため、一概に特定することはできないが、ピストン1の
最大肉厚が2.5ミリメートルで、アルミニューム・シ
リコン合金を溶融金属とし、鋳込み圧力が700Kg程
度である場合は、4.5トン程度とするのが良い。
【0025】(4)冷却凝固(図4) ダイキャビティ71に鋳込まれた溶融金属は、所定の時
間経過することで冷却凝固して、鋳造品1Aが形成され
る。 (5)型開き、イジェクト 溶融金属75がイジェクトができる状態まで冷却された
時点で、型開きを行ない、イジェクトプレート53を前
進させて鋳造品1Aをイジェクトすると共に、油圧シリ
ンダー25をロッド引込み方向へ駆動して二次加圧子2
7を後退させる。 (6)溶体化処理 イジェクトした鋳造品1Aは、非溶融限界内の温度で再
加熱して溶体化処理(「T6処理」と言うこともある)
する。これにより、金属組織がより均質になる。以上の
工程で形成された鋳造品1Aにはヘッド壁3の中央部か
ら突起状の部分73が突出しているので、これを切削等
して除去する。
【0026】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設
計の変更などがあっても本発明に含まれる。例えば、実
施の形態においては、溶湯溜り凹部内の溶融金属の一部
が鋳造品に残るようにしたが、溶湯溜り凹部内の溶融金
属が残らずダイキャビティに押し込まれるようにすれ
ば、後加工の手間を省くことができる。
【0027】二次加圧部材を駆動するための駆動手段
は、必ずしもダイプレートに組み込む必要は無いし、こ
の駆動手段が油圧シリンダーに限られることも無い。尤
も、油圧シリンダー等のアクチュエーターを用いる場合
は、その作動ロッド自体を二次加圧部材として利用する
ことも考えられる。本発明を適用できるピストンの形状
が実施の形態に示したものに限られないことは勿論であ
り、二次加圧の圧力が小さい場合は鋳込み装置がホット
チャンバー式のものでも良いと思われる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る内燃機関
用ピストンのダイカスト鋳造方法と、請求項4に係る内
燃機関用ピストンのダイカスト鋳造機にあっては、ダイ
キャビティに供給された溶融金属は、鋳込み装置による
鋳込み圧力だけで無く、この鋳込み装置によって略完全
に密閉された状態での二次加圧部材による圧力も受ける
ので、その金属組織の構造が非常に緻密になって、鋳造
されるピストンは高い耐圧強度と硬度を持つことにな
り、その分、薄肉化と軽量化を実現できる。特に、本発
明においては、二次加圧がピストンのヘッド壁トップ面
に対する垂直な方向から加えられる結果、ダイキャビテ
ィに鋳込まれている溶融金属には、上記トップ面からス
カート部の端に向かって年輪様に拡がる加圧流線が生成
され、この加圧流線の密度は当然ヘッド壁において最も
高くなるので、この部位において金属組織が最も緻密に
なる。このような加圧流線の拡がりは、シリンダー内で
の爆発エネルギーがピストンに作用する方向と一致す
る。従って、鋳造されるピストンは単に耐圧強度が高め
られるというだけでは無く、爆発エネルギーを直接受け
るヘッド壁において金属組織が最も緻密にされた、理想
的な耐圧特性を持つことになる。そして、本発明におけ
る二次加圧が、ダイカスト鋳造における型締めからイジ
ェクトまでの各工程に何らかの変更を求めることは全く
無いし、二次加圧に要する時間もほんの僅かな時間で足
りるので、鋳造サイクルが時間的に長くなる虞れも殆ど
無い。
【0029】請求項2に係る内燃機関用ピストンのダイ
カスト鋳造方法によれば、酸素雰囲気法による鋳込みに
よって鋳巣の無い状態で鋳込まれた溶融金属が二次加圧
されて緻密に圧縮され、この圧縮された金属は更に溶体
化処理されて組織がより均質にされる。特に、二次加圧
は鋳巣の無い溶融金属に対して為されるので、酸素雰囲
気で無く鋳込まれた場合と比較して、加圧流線の生成密
度も高くなり、従って、爆発のエネルギーを受ける方向
に対しては非常に高い耐圧特性を持つことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイカスト鋳造機の
金型機構を型締め状態で示す垂直断面図である。
【図2】図1に示す金型機構の要部を、鋳込み完了状態
で示す断面図である。
【図3】図1に示す金型機構の要部を、二次加圧完了状
態で示す拡大断面図である。
【図4】図1に示す金型機構によって成形された鋳造品
の斜視図である。
【図5】図4に示す鋳造品を仕上げ加工した後のピスト
ンの斜視図である。
【符号の説明】
1…内燃機関用ピストン 3…ヘッド壁 3a…トップ面 5…スカート部 11…金型 19…溶湯溜り凹部 23…通し孔 25…駆動手段 27…二次加圧部材 71…ダイキャビティ 75…溶融金属

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ほぼ円板形をしたヘッド壁とこのヘッド壁
    から延びたスカート部を有する内燃機関用ピストンのダ
    イカスト鋳造方法であって、目的の内燃機関用ピストン
    のダイキャビティに鋳込まれた溶融金属を、これが凝固
    する前に、当該ピストンのヘッド壁のトップ面に対する
    垂直な方向から二次加圧し、この二次加圧が行われてい
    る状態で溶融金属の凝固を完了させることを特徴とする
    内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造方法。
  2. 【請求項2】ほぼ円板形をしたヘッド壁とこのヘッド壁
    から延びたスカート部を有する内燃機関用ピストンのダ
    イカスト鋳造方法であって、目的の内燃機関用ピストン
    のダイキャビティへの溶融金属の鋳込みを酸素雰囲気法
    で行い、このダイキャビティに鋳込まれた溶融金属を、
    これが凝固する前に、当該ピストンのヘッド壁のトップ
    面に対する垂直な方向から二次加圧し、この二次加圧が
    行われている状態で溶融金属の凝固を完了させ、次い
    で、当該鋳造品を溶体化処理することを特徴とする内燃
    機関用ピストンのダイカスト鋳造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載した内燃機関用ピス
    トンのダイカスト鋳造方法において、二次加圧の加圧力
    を、3〜6トンの範囲内にしたことを特徴とする内燃機
    関用ピストンのダイカスト鋳造方法。
  4. 【請求項4】ほぼ円板形をしたヘッド壁とこのヘッド壁
    から延びたスカート部を有する内燃機関用ピストンのダ
    イカスト鋳造機であって、型閉じすることで目的のピス
    トンのダイキャビティが画成される金型と、ダイキャビ
    ティに鋳込まれた溶融金属を当該ピストンのヘッド壁の
    トップ面に対する垂直な方向から加圧するための二次加
    圧部材と、この二次加圧部材を駆動するための駆動手段
    とを備え、ダイキャビティに溶融金属が供給された後こ
    れが凝固する前に前記二次加圧部材をダイキャビティに
    向けて前進させることで溶融金属が加圧されることを特
    徴とする内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造機。
JP2000042386A 2000-02-21 2000-02-21 内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造方法と、内燃機関用ピストンのダイカスト鋳造機 Pending JP2001232454A (ja)

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