JP2001224565A - 哺乳動物の心臓の生理学的状態の統計学的マッピング - Google Patents

哺乳動物の心臓の生理学的状態の統計学的マッピング

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JP2001224565A
JP2001224565A JP18146599A JP18146599A JP2001224565A JP 2001224565 A JP2001224565 A JP 2001224565A JP 18146599 A JP18146599 A JP 18146599A JP 18146599 A JP18146599 A JP 18146599A JP 2001224565 A JP2001224565 A JP 2001224565A
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Cardiosol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 哺乳動物の心臓の生理学的状態の指標を提供
する。 【構成】 心臓周期のシークエンスにおける内部心臓器
官の周期的な活動を検出する工程と、選択された活動に
特徴的な予め決定される物理量を観察する工程と、心臓
周期の選択された数のシークエンスについて予め決定さ
れる物理量の予め決定される統計学的パラメータを評価
する工程と、及び評価された統計学的パラメータを参照
値と比較し、それにより選択された活動の状態の指標を
提供する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般には心電図検査に
関し、特には心電図の可変性評価に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】心電
図、すなわち“ECG”は、心臓の活動によって生じる
電位の図的な記録である。心臓の活動が周期的であるの
と同様に、心臓の活動によって生じる電位も周期的であ
り、それらの測定は公知の特徴的なECG波形を生じ
る。この波形の部分は、ECG波形に通常認められる6
つの転移点故に、一緒になって心臓の周期的活動を形成
する異なる現象に対応し、公知の基本P、Q、R、S、
T、U波がそのように言われることが知られる、これら
に点によって結び付けられる波形の部分は特定の心臓内
器官の活性を表すものとして理解される。例えば、QR
S複合体としても知られるQRS部分(すなわち、QR
S節の間で定義される波形の部分)は心室が収縮すると
き、すなわち“収縮期”に生じる。いわゆる“T波”は
収縮に続く電気系の再分極、すなわち“拡張期”により
生じる。これらの波のいずれにおいて観察される変化も
様々な心臓診断目的で用いることができ、例えば、S−
T上昇は心臓梗塞の古典的な徴候として解釈される。
【0003】実際、心電図の現在の解釈は、心臓が非常
に複雑な臓器であることが知られ、かつそれらの動作周
期が単に心電図に示されるもののような小数の現象に限
定されないため、非常に制限されることが知られてい
る。この非常に多数の心臓の現象の発生は公知であり、
例えば、Lipman、Massie及びKleige
rによる、国会図書館カタログ番号72−188577
のCLINICAL SCALAR ELECTROC
ARDIOGRAPHYと題する書籍において論じられ
ている。さらに、そこに収載されるデータの可変性を評
価することにより、特定の心臓器官の機能に関する有用
な情報を抜き出すことが知られる。当該技術分野におけ
る現状の指標は米国特許第5,188,116号及び第
5,419,338号によって提供される。
【0004】“Electrocardiograph
ic Method and Device”と題する
‘116刊行物は、心電図(ECG)から心臓疾患を検
出するための方法及び装置に向けられている。この方法
は、ECG信号を獲得する工程、呼吸によって生じる信
号の可変性を修正する工程及び心筋機能による残りの可
変性の水準を算出する工程を包含する。この装置は信号
入力システム、保存システム、マイクロプロセッサ及び
出力システムを具備する。このマイクロプロセッサは信
号データをこの方法に従って処理するためのプログラム
論理を有する。“Autonomic Nervous
System Testing by Bi−Var
iate Spectral Analysis of
Heart Period and QT Inte
rval Variability”と題する‘338
刊行物は、心電図データのデータ処理によって得られる
心臓周期(RR)及びQT間隔可変性の二変量解析によ
り哺乳動物の自律神経系を試験するための装置及び方法
を開示する。この方法及びこの装置により、それたの間
の不均衡についての心臓の副交感及び交感制御の両者の
評価が可能となり、この不均衡は突然心臓死の素因を示
すものであり得る。
【0005】上述の方法のいずれも、標準に対する被験
者の心臓の全体的な状態の決定、様々な心臓の機能のマ
ッピング、及び傾向の決定を、例え被験者の心臓の異常
が深刻なものであると思われたとしても、その被験者の
状態が改善されているのか、あるいは悪化しているのか
を確定することができるように可能にする全体的なアプ
ローチを提供することはない。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の目
的は、心臓の活動の測定及びECGの結果の徹底的な定
量的診断評価のための新規方法及び装置を提供すること
にある。この方法及び装置はECG読取りの高解像度サ
ンプリング、複数の特徴的な点の正確な確立、間隔の統
計学的評価、及び評価したデータのマッピングに基づく
ものである。したがって、本発明の好ましい態様による
と、心臓周期のシークエンスにおける心臓内器官の周期
的な活動を検出する工程、選択された活動に特徴的な予
め決定される物理量を観察する工程、心臓周期の選択さ
れた数のシークエンスについて予め決定される物理量の
予め決定される統計学的パラメータを評価する工程、及
び評価された統計学的パラメータを参照値と比較し、そ
れにより選択された活動の状態の指標を提供する工程に
よって哺乳動物における心臓の生理学的状態の指標を提
供する方法が提供される。
【0007】加えて、本発明の好ましい態様によると、
観察工程は各々の活動に要する時間を測定する工程を含
み、評価工程は心臓周期の選択された数のシークエンス
における選択された活動の時間の予め決定される統計学
的パラメータを評価する工程を含む。さらに、本発明の
好ましい態様によると、評価工程は検出工程を実施する
時点での選択された活動の状態を示す第1の統計学的パ
ラメータを評価することを含み、かつ比較工程は評価さ
れた第1パラメータを参照範囲と比較することを含み、
さらに評価された第1の統計学的パラメータと参照範囲
との間の関係を決定し、それにより検出工程を実施する
時点での哺乳動物の生理学的状態をも決定する工程を含
む。
【0008】加えて、本発明の好ましい態様によると、
評価工程は選択された活動の状態における傾向を示す第
2の統計学的パラメータを評価することをも含み、かつ
比較工程は評価された第2パラメータを参照範囲と比較
することをも含み、さらに評価された第2の統計学的パ
ラメータと参照範囲との間の関係を決定し、それにより
選択された活動の状態における傾向をも決定する工程を
含む。さらに、本発明の好ましい態様によると、比較工
程は参照範囲に対応する第1の視覚的指標を含む視覚的
参照システムを提供する工程をさらに含み、この第1の
視覚的指標は複数の参照軸を含み、これらの参照軸の各
々は異なる予め決定される心臓の活動に対応し、かつ関
係を決定する工程は各々の心臓の活動の予め決定される
統計量の値に対応する第2の視覚的指標を該参照軸上に
提供する下位工程、及び該第2の視覚的指標を該第1の
視覚的指標と視覚的に比較し、それによりそれらの間の
関係を決定する下位工程を含む。
【0009】加えて、本発明の好ましい態様によると、
前記参照システムは起点から放射状に広がる複数の軸を
有する多軸参照システムであって、各々の軸は予め決定
される心臓の活動に対応する予め決定される統計学的量
の可能な値の範囲を示す尺度を規定し、かつ前記参照シ
ステムの第1の視覚的指標は起点の周囲に同心円状に設
けられた閉じた形状の線標識であってそれにより2つ以
上の参照領域を規定し、さらに第1領域内の視覚的指標
はその哺乳動物の心臓の第1の健康状態を示し、かつ第
2領域内の視覚的指標は第1の健康状態とは異なるその
哺乳動物の心臓の第2の健康状態を示す多軸参照システ
ムであり、並びに、第2の視覚的指標を第1の視覚的指
標と比較する工程は第2の視覚的指標がその参照領域の
どこに入るのかを決定し、それにより哺乳動物の心臓の
健康状態を視覚的に決定することを含む。
【0010】さらに、本発明の好ましい態様によると、
参照システムを提供する工程は、各々が類似の生理学的
状態を有する統計学的に代表的な数の被験者について、
心臓周期のシークエンスにおける内部心臓器官の周期的
活動を検出する工程、各々が既知の心臓の活動に特徴的
な、複数の予め決定される物理量を観察する工程、被験
者の各々について、心臓周期の選択された数のシークエ
ンスに対する予め決定される物理量の各々の選択された
統計学的パラメータを評価する工程、選択された統計学
的パラメータの各々の最小値及び最大値を決定し、それ
により該生理学的状態を有する被験者について各々のパ
ラメータの値の範囲を規定する工程、及び該値の範囲を
多軸参照システムにプロットし、それにより各々の心臓
活動の各々の統計学的パラメータについて最小値及び最
大値を視覚的に示す工程を含む。加えて、本発明の好ま
しい態様によると、内部心臓器官の周期的な活動を検出
する工程は、哺乳動物の体表面でのそれらの心臓の活動
によって生じる電位を、予め決定される最小数の連続す
る心臓周期の間探知すること、探知された電位に対応す
るアナログ出力信号を提供すること、該アナログ出力信
号が探知された電位に含まれる全ての情報を実質的に留
めるデジタル信号に変換されるように該アナログ出力信
号を高周波数のサンプリングレートでサンプリングする
こと、該デジタル信号を入力データとして初期入力ファ
イルに保存すること、及び実質的に心臓の活動に関する
情報のみが表される、該入力データに対応する高解像度
出力波形を提供することを含む。
【0011】この高解像度波形を提供する工程は、波形
特有点を決定し、該特有点を出力波形に重ね合わせ、そ
れにより該波形を各々が単一の心臓周期に対応する複数
の波形周期に分割し、かつ波形周期の各々を複数の波形
部分に分割し、ここで該波形部分は2つの選択された特
有点の間に位置し、かつ複数の点によって規定され、波
形部分整列点を選択し、波形周期の全ての対応する部分
を選択された整列点に沿って互いに整列させ、及び全て
の整列化波形点の全ての点の縦座標を平均化し、それに
より有用でない情報の効果を減少させ、したがってその
哺乳動物の心臓の活動に特徴的な単一の波形を生成する
ことを含む。本発明のさらなる態様によると、哺乳動物
の心臓の生理学的状態の指標を提供するためのシステム
であって、心臓周期のシークエンスにおける内部心臓器
官の周期的活動を検出し、かつそれらに対応する出力信
号を提供するための装置、該出力信号を受信し、かつそ
れらに従って活動に特徴的な、予め決定される物理量を
決定するための、該検出のための装置と協働する装置、
心臓周期の選択された数のシークエンスについて予め決
定される物理量の予め決定される統計学的パラメータを
評価するための装置、及び評価された統計学的パラメー
タを参照値と比較し、それにより選択された活動の状態
の指標を提供するための装置を具備するシステムが提供
される。
【0012】本発明のさらなる態様によると、哺乳動物
の心臓の健康状態を示すための多軸視覚的参照システム
であって、起点から放射状に広がる複数の軸を具備し、
ここで各々の軸は予め決定される心臓の活動に対応する
予め決定される統計学的量の可能な値の範囲を示す尺度
を規定し、及び起点の周囲に同心円状に設けられ、それ
により2つ以上の第1及び第2参照領域を規定する閉じ
た形状の線標識を具備し、ここで第1領域内の視覚的指
標はその哺乳動物の心臓の第1の健康状態を示し、かつ
第2領域内の視覚的指標は第1の健康状態とは異なるそ
の哺乳動物の心臓の第2の健康状態を示す多軸視覚的参
照システムが提供される。
【0013】加えて、本発明の好ましい態様によると、
前記第1領域は予め決定される心臓の活動の統計学的に
決定される健康の範囲を規定する第1の値の範囲を示
し、かつ第2領域は第1の範囲を超える第2の値の範囲
を示し、それによりその予め決定される心臓の活動に関
する不健康の範囲を示す。さらに、本発明の好ましい態
様によると、この参照システムは第3の領域をも有し、
この第3領域は予め決定される心臓の活動の統計学的に
決定される疾患範囲を規定する第3の値の範囲を示し、
ここで前記第2領域は第1及び第3範囲の間の値の範囲
を示し、それにより予め決定される心臓の活動の統計学
的に決定される中間健康範囲を示す。加えて、本発明の
好ましい態様によると、2つ以上の参照領域内の視覚的
指標はその哺乳動物の心臓の活動がサンプリングされる
時点での哺乳動物の心臓の健康状態に対応する。さら
に、本発明の好ましい態様によると、2つ以上の参照領
域内の視覚的指標は、その哺乳動物の心臓の活動がサン
プリングされる時点に続く、哺乳動物の心臓の健康状態
における統計学的に決定される傾向に対応する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下の詳細な説明から認められる
ように、本発明の方法は以下のいずれを提供するのにも
用いることができる。 1.前臨床段階での心臓の機能低下の検出、 2.心電図波形における小さいが永続的な変化と同様に
小さい異常の検出、 3.心臓の活動の簡単なリアルタイム動的評価及び有害
な心臓の状態の検出のための連続する周期における利用
者が選択したECG波形間隔の三次元比較視覚化の提
供。
【0015】図1及び2を参照して、本発明は哺乳動物
における心臓の活動を決定する改善法を提供する。本発
明の方法は、電極10を用いて被験者の体表面でそれら
の心臓の活動によって生じる電位を予め決定された最小
数の連続する心臓周期の間探知することに基づく。電極
10によってもたらされる出力信号は12で示されるよ
うに増幅され、探知された電位に対応するアナログ出力
としてアナログ−デジタルコンバータ14に送られる。
コンバータ14は、このアナログ出力信号が探知された
電位に含まれる実質的に全ての情報を留めるデジタル信
号に変換されるように、アナログ信号を高周波数のサン
プリングレートでサンプリングするように用いられる。
好ましくは、このサンプリングは毎秒500回を上回る
割合で行われる。好ましい最小サンプリングレートは図
8の波形42に見られるような約毎秒750回であり、
これは毎秒300−400回のサンプリングレートで動
作する連続的ECGでは識別できない現象の指標をもた
らす。しかしながら、毎秒5,290回以上のサンプリ
ングレートが最も好ましい。ここに示されて記載される
結果は主にこの非常に高いサンプリングレートに基づく
ものであり、これは心電図技術で従来識別できない多く
の異なる現象を明らかにする。
【0016】従来技術では電極からの直接のアナログデ
ータを使用することをためらっているが、このデータが
心臓の活動に関する大量の有益な情報を含むことは認識
されるであろう。この「生」データを使用することの重
要性は、既述のように非常に高いサンプリングレートを
用い、それにより非常に高い解像度をもたらすことがで
きるという事実にある。この高解像度出力はECG波形
の選択された部分に焦点を当ててそれを拡大することを
可能にし、今まで人間の目では識別できなかった詳細が
得られる。上述のサンプリングから生じ、心臓の活動に
関する検出された情報の全てを留めるデジタルデータは
適切な非揮発性保存媒体に初期入力ファイルとして保存
される。この初期入力ファイルのコピーを作成し、それ
に対して適切な信号処理手段16により様々な処理技術
を施す。この信号処理手段16は、選択に応じて、代表
的な波形周期、それらの一部、又はそれらの下位波形を
本発明に従って適切なディスプレイ18にもたらすよう
に作動する。
【0017】ブロック20(図2)に示されるように、
検出されたデータの有意義な解析に必須のものは初期波
形の安定化である。100の連続する心臓周期の実際の
ECG波形である図2に明瞭に認められるように、実線
22として示されるこの波形の基線はそれ自体が相当ぶ
れ、すなわち変動し、そのぶれを除去するように波形を
安定化し、それにより有用な情報を表示する安定化した
波形をもたらすことが必要となる。従来技術では電気的
フィルタリングによる波形の安定化が考慮されている
が、これは上述のように多くの有用な情報の相当の損失
を生じるものであり、本発明は、高域適応ソフトウェア
フィルタリングのプロセスによって有用な情報の実質的
に全てを留める波形安定化の技術を用いる。このプロセ
スは図4〜図6と共に以下に詳細に記載されている。図
2に見られるように、波形を安定化し(ブロック2
0)、安定化された波形を含むマスターファイルを作成
した後、従来技術のECG技術では従来失われていた多
くの情報を利用可能とするため、それらに様々な追加技
術を適用する。これらの引き続いて行われる工程には波
形特有点の決定(ブロック24)、間隔の決定(ブロッ
ク26)、並びに波形解析及び診断(ブロック28)が
含まれる。
【0018】図4を参照して、本発明の波形安定化の技
術は、アナログ−デジタルコンバータ14(図1)から
受信した生デジタルデータを“調整された”波形を得る
ために2段階適応ソフトウェア高域フィルタリングにか
ける第1段階(ブロック30)、及びその調整された波
形を各々の心臓の活動の基線の決定に用いる第2段階
(ブロック32)、及び各々の周期について決定された
基線を安定化された波形を得るのに用いる第3段階(ブ
ロック34)を含む。フィルタリング及び基線決定の段
階を、それぞれ図5及び6と共に、詳細に説明する。図
5に見られるように、好ましくは2段階の適応ソフトウ
ェア高域フィルタリングを「引窓(sliding w
indow)」技術を用いて行う。この引窓の幅は被験
者の心拍数に従って適切に決定できることが本発明者に
より見出されている。第1段階に対しては、一般には3
6を参照して、引窓の幅「W1」を定義する適切な式は W1=2.5×R−R であり、ここでR−Rは被験者の1つの心臓周期に要す
る時間である。第2段階に対しては、一般には38を参
照して、引窓の幅「W2」を定義する適切な式は W2=W1/1.5 である。
【0019】第1段階36において、図7に示されるよ
うに、破線で示される窓40が定義され、その幅は式W
1=2.5×R−Rに従って定義される。次に、この窓
の範囲に入る波形の部分を複数の一次「再計算点」に分
割する。これらの点は、これらがその波形の再計算に用
いられ、かつその適所に一次調整済み波形をもたらすの
に用いられるという事実のためにそのように呼ばれる。
これらの再計算点は予め決定された均一な増分間隔iだ
け離して配置される。新たな縦座標m0’をこれらの再
計算点の中間点「M0」ついて算出する。この新たな縦
座標の値は窓の中の全ての点の縦座標の平均である。次
に、この新たな縦座標を元のECG波形上の対応する点
の縦座標から減じ、得られた差異をW1で示される新た
な「一次調整済み」波形における第1の点の縦座標とし
て保持する。次に、引窓をX軸に沿って選択された増分
だけ40’まで漸進的にずらし、上記プロセスを新たな
中間点M1、M2、...、Mn(ここで、「n」は最
終一次再計算点の数字である)の各々について繰り返
す。全ての点をこのようにして再計算すると、一次調整
済み波形が得られる。
【0020】フィルタリング技術の第2段階38は、こ
の第2段階においてはECG波形ではなく一次調整済み
波形に上述の引窓計算技術を施し、引窓の幅を好ましく
は上述の式W2=W1/1.5を用いることにより算出
することを除いて、第1段階36と同様である。第2段
階38から得られる波形は「最終」調整済み波形として
知られる。図6及び8を参照すると、この最終調整済み
波形42が基線44と共に見られる。図9は生データに
基づく初期波形41、及び基線44を伴う安定化された
形態の波形42を示す。この基線44も引窓技術を用い
ることにより決定され、この引窓技術は、好ましくは
2.5周期の幅を有する引窓を最終調整済み波形上に規
定し(ブロック46)、複数の縦座標範囲内で縦座標値
を有する波形に沿って各々の点の数を合計する(ブロッ
ク47)ことを含む。これらの縦座標値の「出現」を合
計したら、それらを図8の50に見られるようにY軸に
沿ってヒストグラムとしてプロットする。ヒストグラム
のモード52をこの窓における第1周期の基線44とし
て採用する(ブロック48)。次に、窓を周期1つ分ず
らし、同じプロセスを第2周期、第3周期及び第4周期
の半分に対して行って第2周期の基線を得る(ブロック
49)。このようにして、各々の単一周期、したがって
別々の基線を決定する。連続する周期の基線間に不連続
が存在することがあり、これが元のECG波形の周期間
の大きなずれ又は変移を示すことに注意されたい。従来
技術においては、このような変移は波形全体に沿って再
分配され、それにより波形の誤った解釈につながること
があった。しかしながら、各々の周期について別々の基
線を算出すること、及び本発明による基線の決定及び引
き続く波形の安定化が従来技術において得られるものよ
りも非常に正確な安定化波形に備えるものであることを
当該技術分野における熟練者は理解するであろう。波形
安定化の段階に続いて、特有点の決定を行うことが重要
である。上に論じられるように、ECG波形は通常6つ
の特有点を有するものと考えられ、各々の点は一連のP
QRSTUのうちの一文字で知られ、かつ2つの曲線部
分の間の移行点又は境界点を表し、この曲線部分の各々
は異なる心臓内器官の活動を表す。図10を簡単に参照
すると、54と参照符号がふられた、理想化されたEC
G波形が認められ、この波形上には通常のP、Q、R、
S、T、及びU点に加えて本発明において提供される追
加の8つの点が認められ、それらの提供は本発明によっ
て得られる非常に高い解像力の結果によって容易になる
だけではなく、全ての典型的なECG波形において固有
であることが本発明者によって見出されているさらなる
例示的な特有曲線部分を識別する上で必要でもあり、こ
こでこの部分の各々は1つ以上の異なる心臓内器官の機
能を示す。さらなる特有点はP1、P2、Q1、S1、
T1、T2、U1及びU2である。特有点の決定はマス
ターファイルのコピーを作成した後に幾つかの段階にお
いて行い、それは以下の2つの段階からなる。
【0021】(特有点算出の第1近似)まず、安定化し
た波形上で最大を同定することにより全ての間隔のRピ
ークを決定する。続いて、このR点を取りまく最小点Q
及びSを近似する。これらは、Rの直前を先行し、かつ
その直後に続く波形部分に沿って波形の第1微分係数を
決定することにより同定される。多くの場合、特に健常
被験者の場合、Q及びSが、波形の第1微分係数が記号
を変化させる点として決定される。Q及びSが明瞭な最
小として同定されない幾つかの場合においては、これら
の第1微分係数のそれぞれの値が予め決定された、実験
により得られた閾値を超える点が近似的なQ及びS点と
して決定される。このSの第1近似はS’として採用さ
れる。次の段階は点P1、P2、T1及びT2の決定で
ある。まず、指数関数式y(x)=Ae−λx2を用い
ることによりP波を近似する。ここで、yはP波に沿う
点の縦座標を表し、Aは上記指数関数式の最大であっ
て、P1とP2との中点に位置し、λは波形の縦座標間
の平均平方偏差及び上記指数関数式の合計のうちの最小
から決定される。P1とP2との間及びT1とT2との
間の距離は両者とも経験的に得られた関数κ(λ、A)
×λにより決定する。したがって、Aの位置が既知であ
る場合、点P1、P2、T1及びT2のそれぞれの位置
を決定することができる。P及びTの位置を決定するた
め、P波及びT波の三次多項式近似を行う。ここで、P
1及びP2はこの近似の根のうちの2つであり、それぞ
れの立方根(third root)をP及びTとして
採用する。
【0022】(第2近似)七次多項式をQ−T1波形部
分について作成する。S”として採用されるSの第2近
似をRの直後に続くこの多項式の根として決定する。次
の工程として、第1及び第2近似の両者の統計学的に代
表的な数の周期をとる。R−S’間隔の標準偏差σ’を
算出し、R−S”間隔の標準偏差σ”を算出し、かつこ
れらの2つの標準偏差を比較する。σ’<σ”である場
合、Sは明瞭な最小地点に出現する。この場合、S1は
Rに続く上記七次多項式の第2の根として決定する。
σ’>σ”である場合、Sは明瞭な最小地点には出現せ
ず、この場合、S及びS1はRの直後に続く第1の根に
一致する。Q1は、Qが上述のように明瞭な最小として
決定される場合にのみ存在する。Q1を決定するため、
垂線をQから基線に延ばす。Q1は、Qからの垂線が基
線と交差する点よりも、その交点と基線のQR部分との
交点との間隔に等しい間隔だけ前に位置する基線上の点
としてとらえられる。Qが明瞭な最小として決定されな
い別の場合には、Q及びQ1は一致するものと考えられ
る。P1、P及びP2の決定について上述されたものと
同じ方法を、図11と共に以下に記載される、平均化後
の点U1、U及びU2の決定に用いる。再度図2を簡単
に参照して、特有点が決定されると、それらの間隔も固
有にわかる。
【0023】次に、本発明の好ましい態様に従って行わ
れる波形処理の工程を示す図11を参照する。ここに記
載される波形解析の目的は、波形の微細な詳細を従来技
術の波形よりも非常に高い解像力で明らかにし、診断能
力を実質的に改善し、かつ心臓の活動の詳細な研究をも
容易にすることである。図9を簡単に参照すると安定化
された波形42が認められ、これは、上述のように、引
き続いて図10に示される14の特有点が決定されるよ
うに解析することが求められ、各々の波形部分は異なる
心臓内器官の機能を表すこれらの点の対によって結び付
けられる。
【0024】以下の様々な方法の工程の説明において、
波形はデジタルの形態でコンピュータファイルとして保
存され、波形の特定の部分の選択、拡大等を含む適切な
通常のコンピュータグラフィック技術により表示及び操
作が可能であることに注意するべきである。図11のブ
ロック70に示される波形の解析の第1工程として、利
用者−通常は熟練診断者−は、(上述のようにマスター
ファイルとして保持される)安定化された波形の全体を
コンピュータディスプレイで閲覧した後、その波形の選
択された部分を拡大、すなわちズームインすることがで
きる。波形の選択された部分にズームインすることによ
り、人間の目では従来視認できなかった微細な詳細が明
らかとなることが理解されるであろう。
【0025】続いて、上で決定された特有点を安定化さ
れた波形に重ね合わせた後(ブロック72)、特に関心
のあるものであり得る部分の領域を同定したら、利用者
はこの領域の中心に可能な限り最高の解像度で見ようと
願う点として整列点を選択する(ブロック74)。この
整列点は、実際には、図12(A)に見られるように、
整列化しようとするサンプルの各々に見出される点「p
a」である。例として、整列点がP1点である場合(図
10)、全ての波形サンプルを、図12(B)に見られ
るように、全てのP1点がそれらのそれぞれのサンプル
に同時に出現するように整列化する。ブロック78に示
されるように、全ての対応するサンプルを整列化(ブロ
ック76)した後、それらを平均化し、それにより図1
2(C)に見られる平均化された曲線を提供する。この
曲線は、整列点のすぐ近傍の波形部分によって表される
心臓の活動を大きく高められた明瞭性で示す。この波形
部分に沿う点は、整列点のすぐ近傍で最大であり、かつ
整列点から最も遠い点で最低である解像度で見られる。
【0026】説明のための例として、様々な特徴、例え
ば、他の多くのものに加えていわゆるヒス束、洞結節棘
波が電極10(図1及び2)によって誘導されるアナロ
グ信号が提供する情報の合計に含まれるが、実際には、
これらの特徴は従来技術のECGにおいては、それらに
よって提供される波形の解像度の質が低下しているた
め、識別不可能である。上述のように、本発明の目的
は、例えばECGにより検出される心臓の電気的活動を
検査時の被験者の心臓の状態及び傾向の両者のマッピン
グに用いることができ、それにより診断用及び予後用の
ツールを構成するツールを提供することである。本発明
の診断面の特有の利点は、検査時にいかなる内部心臓器
官でも特別の問題が示されない場合であっても、その診
断用画像を提供するものと同じ試験データを1つ以上の
内部心臓器官の機能の点から否定的な傾向を示すのに用
いることもできるというものである。反対に、検査時に
1つ以上の内部心臓器官に特定の問題が示される場合で
あっても、その診断用画像を提供するものと同じ試験デ
ータを1つ以上の内部心臓器官の機能の点から肯定的な
傾向、例えばその患者が心臓手術から回復しているかど
うか、を示すのに用いることもできる。
【0027】本発明は、図9、10、及び11と併せて
上で説明される通りに決定される、予め選択される特有
点の間の複数の予め選択される周期間及び周期内間隔を
用いる、好ましくはECGデータの、統計学的マッピン
グに基づく。図13(A)及び13(B)を参照する
と、1心臓周期の理想化された波形及び一対の連続的な
心臓周期についての一対の理想化された波形が示されて
いる。図13(A)の波形には10の特有点が示されて
おり、これらは、とりわけ、下記表1にまとめられるよ
うに45の周期内間隔を規定する。
【表1】 さらに、図13(B)の二連波形には15の特有点が示
されており、これらは、とりわけ、下記表2にまとめら
れるように40の周期間間隔を規定する。
【0028】
【表2】 上記間隔の各々について幾つかの統計学的パラメータを
算出することが可能であり、これらには M−平均間隔長 σ−間隔の標準偏差 σ/M×100%−変動係数 Mrr−平均周期長 σrr−周期長の標準偏差 M/Mrr−標準化平均間隔 σ/σrr−間隔の標準化標準偏差 が含まれる。M及びσはそれら自体で有用であるが、M
/Mrr及びσ/σrrで記される対応する「標準化」
M及びσが試験した全ての被験者について等しい指標を
表し、より有用であることは理解されるであろう。
【0029】図14を簡単に参照して、健常被験者につ
いて、各々の統計学的パラメータに対して各々異なる間
隔「正常」範囲が存在することが本発明者により発見さ
れている。この「正常」状態は図14のブロック100
に示される。さらなる範囲も存在し、それらは図14に
ブロック102(僅かな伸張)、104(中程度の伸
張)、及び106(高度の伸張)として示され、これら
は全て治療しなければブロック108に見られる同期の
喪失又はブロック110に示される疾患のいずれかにつ
ながる可能性のある心臓の問題を示す。疾患自体は、表
面的には、ブロック112に示される、心臓が機能的変
化を受け、かつ可逆的な状態である状態、又は、疾患が
より進行した段階で、ブロック114に示される、心臓
が基質的変化を受け、かつ不可逆的であると考えること
ができる状態のいずれかであるとして理解することがで
きる。図14と併せて上述される概念は、所定の間隔及
び特定の患者について評価されたパラメータの全てがそ
の間隔の正常範囲に入る場合、その間隔が関連する心臓
内器官(1つもしくは複数)の活動も正常であることを
示すものとして理解することができる。他方、万一これ
らのパラメータのうちのいずれかが正常範囲外に出た場
合、これはその間隔が関連する心臓内器官(1つもしく
は複数)の活動の特定の程度の異常を示すものである
が、それらの重篤性の程度を明らかにする。もちろん、
図14に示される状態の進行が健康な人の徐々に重くな
る状態を通した一方向の進行を意図するものではないこ
とは理解されるべきである。むしろ、図示される進行
は、ECGデータの診断又は予後の評価により示される
場合、本発明におけるように、総じて可逆的である幾つ
かの状態を示すものであることを理解するべきである。
【0030】全ての間隔及び全てのパラメータについて
の上記正常範囲を確立するため、本発明者は100名の
健常被験者に対して試験を行った。検査した被験者の8
0%は女性であり、2つの年齢範囲、すなわち、30−
40歳及び40−50歳の年齢に分類された。これらの
試験の大部分は1996年10月20日−24日に87
名の被験者に対して行った。これらの試験の間、心臓の
異常を患うことが知られる何人かの人を検査した。これ
らにはSN結節徐脈を患う65歳の女性が含まれ、彼女
の異常は、図20(A)〜22及び表4と併せて以下に
記載されるように、試験結果により明瞭に示された。理
解されるように、各々の間隔は特定の内部心臓器官及び
それらの群の心臓活動を反映し、これらの間隔の統計学
的挙動の理解はその間隔が関与する心臓器官(1つもし
くは複数)の状態に光を投げかける。さらに、被験者の
心臓の状態を一組の「動的フィンガープリント」として
画像として表すことができることが見出されており、こ
れはあらゆる内部心臓器官又は内部心臓器官の群におけ
るあらゆる異常の存在の明瞭かつ明示的な視覚的指標を
提供する。
【0031】図15を参照して、各々のフィンガープリ
ントは120に一般的に示される多軸参照システム上の
多重間隔プロットに基づく。この参照システムは起点か
ら放射状に広がる複数の軸からなり、ここで、各々の軸
は予め決定される間隔について得られる上記統計学的パ
ラメータのうちの予め決定されるものの可能な値の範囲
を示す尺度を規定する。図15の参照システム120
は、事実上、図14と併せて上述される状態の系列に直
接対応するものである。図16及び17と併せて以下に
示され、かつ記載されるプロットの説明からさらに理解
されるように、このフィンガープリントは各々の間隔に
ついて得られる特定のパラメータの値に従って軸上に示
される点を通る閉じた形態のプロットからなる。したが
って、各々のプロットは試験時の所定の被験者の選択さ
れた全ての間隔についての単一のパラメータの値を示
し、それによりその心臓の状態の一組の動的フィンガー
プリントのうちの1つを構成することが理解されるであ
ろう。
【0032】図15の参照システムは複数の軸を示し、
その各々に予め決定される間隔の統計学的パラメータの
値を示すことができる。図示される参照システムでは1
6の間隔のみが示されており、これと同じ16の間隔は
図16及び17のプロットに示されているが、これは例
としてだけのものであり、実際には、この参照システム
はあらゆる適切な数の間隔からなることができ、しかし
ながら好ましくは、図13(A)及び13(B)と併せ
て上述される45の周期内間隔及び40の周期間間隔を
上回らないものからなる。全ての間隔軸が一連の同心円
又は環状領域を通して延び、その各々が図14に示され
る臨床段階のうちの1つに対応し、かつ、個々の間隔と
合わせて、これが、どの内部心臓器官が特定の臨床的状
況の原因であり、又は原因であると予想され得るのかを
示す役割を果たすことがわかる。したがって、図14に
おける参照番号を図15の参照システムにおける対応領
域を示すために用いる。これにより、参照システム12
0においては、最も広い領域は正常領域100であり、
これには上部及び下部境界「max N」及び「min
N」が接し、これらの各々はプロットされたパラメー
タの統計学的に決定される上方及び下方値を表す。境界
値max N及びmin Nを越える移動は、本質的
に、便宜上参照番号104で示される中間範囲への移動
である。中間領域104の境界102及び106は、そ
れぞれ、正常、僅かな伸張及び中程度の伸張の間での移
行に一線を画し、かつ中程度の伸張、高度の伸張及び疾
患又は同期の喪失の間での移行に一線を画す。
【0033】疾患の第1の領域112は機能的変化を示
し、この第1の領域112と境を接する第2の領域11
4はより深刻な疾患を示し、ここでは心臓に基質的変化
が生じている。ひとまとめに考えられるこれらの2つの
領域は、同期の喪失を示す参照番号108、及び110
の両者により示される。同期の喪失は必ずしも疾患では
ないが、それでもやはり心臓の性能の深刻な低下を示
す。黒で示される領域は図で説明するためだけのもので
あり、領域112及び114を越えて出現する値が末期
状態を指すことを示す役割を果たす。また、あらゆる特
有のプロットから、その被験者が問題のある状態を有す
るかだけではなく、どの間隔軸に沿ってこの状態が観察
されるかに応じて、その問題が存在する内部心臓器官を
見出すことが可能であることにも注意するべきである。
図16及び17を参照すると、試験した被験者について
の異なるパラメータの2つのプロットが示されている。
この図面に示される図15の多軸参照システム120の
領域は正常領域100のみである。図16のプロットは
Mパラメータについてのものであり、完全に正常領域内
にあるものと思われる。しかしながら、図17のプロッ
トはσパラメータについてのものであり、これらは上方
境界「max N」に接近しているものと思われ、S−
T2、R−T、Q−T、Q−T2及びQ−S間隔につい
て評価したσの値については、上方境界「max N」
と一致し、又はそれと交差するように思われる。
【0034】Mについての明らかに正常なプロットとσ
についての異常なプロットとの間の相違がこれらの2組
の評価された統計学的パラメータの間の実際の矛盾によ
るものではなく、これらのパラメータが示すものの相違
によるものであることは理解されるであろう。Mパラメ
ータが試験時の患者の状態を示し、問題が存在しないこ
とを示すのに対し、σパラメータは、明らかに正常な被
験者が記載される内部心臓器官の性能に、この例におい
てはS−T2、R−T、Q−T、Q−T2及びQ−S間
隔で、問題のある状態の最初の徴候を示していることを
示す。図16及び17のプロットが基にするデータを以
下の表に示す。図16において、正常範囲はこの表の
(2)欄によるものであり、かつ図示されるフィンガー
プリントをもたらすプロットされた試験データは(3)
欄に示される通りであることは理解されるであろう。同
様に、図17において、正常範囲は(4)欄に示され、
かつ図示されるフィンガープリントをもたらすプロット
された試験データは(5)欄に示される通りである。
(6)及び(7)欄は、図16及び17にフィンガープ
リントが示される同じ被験者から得られた、M/Mrr
として示される「標準化M」のための正常範囲値及び試
験データを示し、これに対して(8)及び(9)欄は、
同様に同じ被験者から得られた、σ/σrrとして示さ
れる「標準化標準偏差」のための正常範囲値及び試験デ
ータを示す。
【0035】
【表3】 上述の「動的フィンガープリント」の特有の利点は、被
験者の状態を一瞥して評価することを可能にすることで
ある。さらに、本発明による上述の統計学的パラメータ
の評価及び表示は、それらの固有の値にもかかわらず、
公知の方法では明らかではなく、かつ単独で、又はEC
Gもしくは他の解析方法と共に、心臓の活動を評価する
ための貴重なツールを構成する。本発明の方法の統計学
的な可変性の測定及び表示の有用性のさらなる証拠とし
て、図20(A)〜22に加えて下記表4を参照する
と、1996年10月後期に行われたECG試験から引
き出された、SN結節徐脈を患う65歳の女性の実験デ
ータ及びフィンガープリントプロットが示されている。
【0036】図20(A)は従来技術の方法により実施
されたECGプロットであり、これに対して図20
(B)は、毎秒750回のサンプリングレートで本発明
の方法により実施された安定化波形を示す。図20
(A)に見られる波形サンプル及び図20(B)の安定
化波形のいずれも、図20(A)においてR−R及び
R−R として示されるR−R間隔間の明瞭な相違に反
映される不安定な心拍を別にして、被験者の直接的に明
白な心臓の問題を明らかにしていない。被験者の心臓の
状態の明白な正常性にも関わらず、本発明に従う図20
(B)に見られる安定化波形の統計学的解析は彼女の疾
患を明瞭に反映する結果をもたらした。
【0037】より詳細には、16の周期内間隔について
の量M、σ、M/Mrr及びσ/σ rrを算出した。そ
れらを下記表4に正常範囲の値と並べて収載する。続い
て、上記図16及び17においてフィンガープリントプ
ロットして示される表3のデータと同様に、この被験者
のM及びσデータを同様の方法で本発明の参照システム
120(図15)上にプロットした。図21及び22の
類似する形態のプロットから直ちに明らかとなるよう
に、この被験者の試験データには明瞭な異常が存在す
る。
【表4】
【0038】本発明者が実施したさらなる試験に基づい
て、異なる試験被験者から集めたデータについて特定の
相関係数を評価し、それにより上記フィンガープリント
アプローチが補完され、その妥当性をさらに示す役割が
果たされ得ることが見出されている。特には、図18を
参照すると、Qを起点とする2組の周期内間隔のMの2
つの重ね合わせたプロットが示されている。これらのプ
ロットは46歳の男性及び35歳の女性についてのもの
であり、両者とも検査時には健康であった。わかるよう
に、これらの2つのプロットは高度の相関を示し、それ
は図面における2つの斜線領域1及び2の重なりによっ
て示される。図18に図示される結果とは対照的に、図
19においては、異なる被験者の対の、Qを起点とする
周期内間隔のさらなる2組のMが同様の方法で示されて
いる。この場合、一方の被験者は健康であることが知ら
れていたが、他方はバイパス手術を受けていることが知
られていた。彼らの状態の著しい相違は部分的にのみ重
なって見える斜線領域1及び2によって明瞭に示され、
それらの間の統計学的な相関は僅かに53%と評価され
ている。
【0039】図18及び19に示されるデータは、図1
8の場合には35の周期内間隔、図19の場合には40
のそのような間隔を評価することにより得られたが、こ
の差異は重要ではなく、したがって上述のようにデータ
の比較が可能のままであることは当該技術分野における
熟練者には明らかであろう。本発明の範囲は、単に例と
して上に具体的に示され、かつ記載されているものによ
って限定されるものではないことは当該技術分野におけ
る熟練者には明らかであろう。むしろ、本発明の範囲は
請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従って電気的な心臓信号処理
を行うための装置を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明による電気的な心臓信号処理の
主要段階を示す流れ図である。
【図3】図3は、100の連続するECGサイクルを含
み、それらの基線の変動を示す、波形を圧縮した図であ
る。
【図4】図4は、本発明において用いられる波形安定化
の新規技術のブロック図である。
【図5】図5は、図4の技術において用いられる適応ソ
フトウェアフィルタリングの流れ図である。
【図6】図6は、図4の技術において基線の位置を決定
するのに用いられるヒストグラム形成の流れ図である。
【図7】図7は、図5の適応ソフトウェアフィルタリン
グにおける引窓技術の使用を示す図である。
【図8】図8は、図4〜図6の方法に従って調整したE
CG波形に重ね合わせた縦座標のヒストグラムである。
【図9】図9は、生データに基づく元のECG波形及び
図8の通りに決定した基線に従って調整した波形の両者
を示す表示である。
【図10】図10は、本発明の好ましい態様に従って1
4の特徴的な点を規定する、理想化されたECG周期で
ある。
【図11】図11は、本発明の波形処理の方法工程の流
れ図である。
【図12】図12(A)は、整列化に先立って平均化の
ために選択された、異なる周期から採取された波形部分
サンプルを示し、ここでこのサンプルの出発点は整列点
と見なされる。図12(B)は、同じく整列後の波形部
分サンプルを示す。図12(C)は、同じく平均化され
た波形部分を示す。
【図13】図13(A)は、10の特有点が示され、こ
れらの特有点はそれらの間に45の周期内間隔を規定す
る、理想化された波形を示す。図13(B)は、同じく
15の特有点が示され、これらの特有点はそれらの間に
40の周期内間隔を規定する、1対の理想化された波形
を示す。
【図14】図14は、被験者の心臓の生理学的状態の範
囲のブロック図である。
【図15】図15は、被験者の心臓の生理学的状態を示
す多間隔フィンガープリントプロット用の多軸参照シス
テムを示す。
【図16】図16は、平均周期長についての、ECG試
験データに基づくフィンガープリントプロットである。
【図17】図17は、標準偏差についての、ECG試験
データに基づくフィンガープロットである。
【図18】図18は、高度の相関を示す一対の健常被験
者に対する、一対の比較重ね合わせプロットである。
【図19】図19は、同じく一方が健康であり他方が心
臓に異常があることが知られる一対の被験者に対する、
一対の比較重ね合わせプロットである。
【図20】図20(A)及び20(B)は、本発明の方
法に従って試験した被験者の波形である。
【図21】図21は、平均周期長についての、図20
(A)及び20(B)のECG波形から得られた統計デ
ータのフィンガープロットである。
【図22】図22は、標準偏差についての、図20
(A)及び20(B)のECG波形から得られた統計デ
ータのフィンガープロットである。
【符号の説明】
44 基線 54 ECG波形 100 正常領域 120 参照システム

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心臓周期のシークエンスにおける心臓内
    器官の周期的な活動を検出する工程と、 選択された活動に特徴的な予め決定される物理量を観察
    する工程と、 心臓周期の選択された数のシークエンスについて予め決
    定される物理量の予め決定される統計学的パラメータを
    評価する工程と、及び評価された統計学的パラメータを
    参照値と比較し、それにより選択された活動の状態の指
    標を提供する工程と、によって哺乳動物の心臓の生理学
    的状態の指標を提供する方法。
  2. 【請求項2】 前記観察工程が各々の活動に要する時間
    を測定する工程を含み、かつ前記評価工程が心臓周期の
    選択された数のシークエンスにおける選択された活動の
    時間の予め決定される統計学的パラメータを評価する工
    程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記評価工程が前記検出工程を実施する
    時点での選択された活動の状態を示す第1の統計学的パ
    ラメータを評価することを含み、かつ前記比較工程が該
    評価された第1パラメータを参照範囲と比較することを
    含み、さらに該評価された第1の統計学的パラメータと
    参照範囲との間の関係を決定し、それにより前記検出工
    程を実施する時点での哺乳動物の生理学的状態をも決定
    する工程を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記評価工程が選択された活動の状態に
    おける傾向を示す第2の統計学的パラメータを評価する
    ことをも含み、かつ前記比較工程が該評価された第2パ
    ラメータを参照範囲と比較することをも含み、さらに該
    評価された第2の統計学的パラメータと参照範囲との間
    の関係を決定し、それにより選択された活動の状態にお
    ける傾向をも決定する工程を含む、請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記比較工程が前記参照範囲に対応する
    第1の視覚的指標を含む視覚的参照システムを提供する
    工程をさらに含み、該第1の視覚的指標は複数の参照軸
    を含み、これらの参照軸の各々は異なる予め決定される
    心臓の活動に対応し、かつ前記関係を決定する工程は、 各々の前記心臓の活動の予め決定される統計量の値に対
    応する第2の視覚的指標を該参照軸上に提供する下位工
    程と、及び該第2の視覚的指標を該第1の視覚的指標と
    視覚的に比較し、それによりそれらの間の関係を決定す
    る下位工程とを含む、請求項4又は5に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記参照システムが起点から放射状に広
    がる複数の軸を有する多軸参照システムであって、各々
    の軸は予め決定される心臓の活動に対応する予め決定さ
    れる統計学的量の可能な値の範囲を示す尺度を規定し、
    かつ前記参照システムの第1の視覚的指標は起点の周囲
    に同心円状に設けられた閉じた形状の線標識であってそ
    れにより少なくとも第1及び第2の参照領域を規定し、
    さらに該第1領域内の視覚的指標は哺乳動物の心臓の第
    1の健康状態を示し、かつ該第2領域内の視覚的指標は
    該第1の健康状態とは異なる哺乳動物の心臓の第2の健
    康状態を示す多軸参照システムであり、 並びに、前記第2の視覚的指標を第1の視覚的指標と比
    較する工程が、前記第2の視覚的指標が該参照領域のど
    こに入るのかを決定し、それにより哺乳動物の心臓の健
    康状態を視覚的に決定することを含む、請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記参照システムを提供する工程が、 各々が類似の生理学的状態を有する統計学的に代表的な
    数の被験者について、心臓周期のシークエンスにおける
    内部心臓器官の周期的活動を検出する工程と、 各々が既知の心臓の活動に特徴的な、複数の予め決定さ
    れる物理量を観察する工程と、 被験者の各々について、心臓周期の選択された数のシー
    クエンスに対する予め決定される物理量の各々の選択さ
    れた統計学的パラメータを評価する工程と、 該選択された統計学的パラメータの各々の最小値及び最
    大値を決定し、それにより該生理学的状態を有する被験
    者について各々の該パラメータの値の範囲を規定する工
    程と、及び該値の範囲を多軸参照システムにプロット
    し、それにより各々の該心臓活動の各々の該統計学的パ
    ラメータについて該最小値及び最大値を視覚的に示す工
    程とを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記内部心臓器官の周期的な活動を検出
    する工程が、 哺乳動物の体表面でのそれらの心臓の活動によって生じ
    る電位を、予め決定される最小数の連続する心臓周期の
    間探知し、 探知された電位に対応するアナログ出力信号を提供し、 該アナログ出力信号が探知された電位に含まれる全ての
    情報を実質的に留めるデジタル信号に変換されるように
    該アナログ出力信号を高周波数のサンプリングレートで
    サンプリングし、 該デジタル信号を入力データとして初期入力ファイルに
    保存し、及び実質的に心臓の活動に関する情報のみが表
    される、該入力データに対応する高解像度出力波形を提
    供することを含み、 該高解像度出力波形を提供する工程が、 波形特有点を決定し、 該特有点を該出力波形に重ね合わせ、それにより該波形
    を各々が単一の心臓周期に対応する複数の波形周期に分
    割し、かつ該波形周期の各々を複数の波形部分に分割
    し、ここで該波形部分は2つの選択された特有点の間に
    位置し、かつ複数の点によって規定され、 波形部分整列点を選択し、 該波形周期の全ての対応する部分を選択された整列点に
    沿って互いに整列させ、及び全ての該整列化波形点の全
    ての該点の縦座標を平均化し、それにより有用でない情
    報の効果を減少させ、したがって哺乳動物の心臓の活動
    に特徴的な単一の波形を生成することを含む、請求項1
    ないし7のいずれかの請求項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記サンプリング工程が毎秒500回を
    上回る割合で行われる、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記サンプリング工程が少なくとも毎
    秒750回の割合で行われる、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記サンプリング工程が少なくとも毎
    秒5,290回の割合で行われる、請求項10に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 前記高解像度出力波形を提供する工程
    が該波形を視覚的に表示する工程を含む、請求項8に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記視覚的に表示する工程が個々の内
    部心臓器官の活動に対応する視覚的な指標の提供を含
    む、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記波形特有点を決定する工程がQ、
    R及びS点を決定することを含み、かつ出力波形上の最
    大を同定し、それによりそれらの全ての間隔のRピーク
    を決定する下位工程と、 該Rピークの直前を先行する最小点Qを決定する下位工
    程と、及び該Rピークの直後に続く最小点S’を近似す
    る下位工程と、を含む、請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前期最小点Qを決定する工程が出力波
    形の第1微分係数を、Rの直前を先行するそれらの部分
    に沿って得る下位工程を含み、かつ前記S最小点を近似
    する工程が波形の第1微分係数を、Rの直後に続くそれ
    らの部分に沿って得る下位工程を含む、請求項14に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 前記近似工程の後に、 Q点に先行し、かつ点P1及びP2によって結び付けら
    れるP波部分を決定する工程と、及びS点に続き、かつ
    点T1及びT2によって結び付けられるT波部分を決定
    する工程と、をも含む、請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記P波部分を決定する工程が指数関
    数式y(x)=A −λx2を適用することにより
    P波を近似することを含み、 ここで、yはP波に沿う点の縦座標を表し、 Aは該指数関数式の最大であって、点P1とP2との
    中点に位置し、かつλは波形の縦座標間の平均平方偏差
    の合計及び該指数関数式の合計のうちの低い方から決定
    され、及び前記T波を決定する工程が指数関数式y
    (x)=A−λx2を適用することによりT波を
    近似することを含み、該指数関数式において、 yはT波に沿う点の縦座標を表し、 Aは該指数関数式の最大であって、点T1とT2との
    中点に位置し、かつλは波形の縦座標間の平均平方偏差
    の合計及び該指数関数式の合計のうちの低い方から決定
    される、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記P波を決定する工程が、 P1とP2との距離を関数κ(λ、A)×λを適用する
    ことにより決定する工程、及び点P1及びP2の位置を
    決定する工程、をも含み、かつ前記T波を決定する工程
    が、 T1とT2との距離を関数κ(λ、A)×λを適用する
    ことにより決定する工程、及び点T1及びT2の位置を
    決定する工程、をも含む、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記P波を決定する工程がP波の三次
    多項式近似を行う工程をも含み、ここでP1及びP2は
    該近似の根のうちの2つであり、かつそれらの第3の根
    がPであり、及び前記T波を決定する工程がT波の三次
    多項式近似を行う工程をも含み、ここでT1及びT2は
    該近似の根のうちの2つであり、かつそれらの第3の根
    がTである、請求項19に記載の方法。
  20. 【請求項20】 Q−T1波形部分について七次多項式
    を作成する工程と、点S”の第2近似を行う工程と、及
    び点S”をRの直後に続く該七次多項式の根として決定
    する工程とをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  21. 【請求項21】 哺乳動物の心臓の生理学的状態の指標
    を提供するためのシステムであって、 心臓周期のシークエンスにおける内部心臓器官の周期的
    活動を検出し、かつそれらに対応する出力信号を提供す
    るための手段と、 該出力信号を受信し、かつそれらに従って活動に特徴的
    な、予め決定される物理量を決定するための、該検出の
    ための手段と協働する手段と、 心臓周期の選択された数のシークエンスについて予め決
    定される物理量の予め決定される統計学的パラメータを
    評価するための手段と、及び評価された統計学的パラメ
    ータを参照値と比較し、それにより選択された活動の状
    態の指標を提供するための手段と、を具備するシステ
    ム。
  22. 【請求項22】 前記受信及び決定のための手段が、各
    々の活動が要する時間を決定するための手段を含み、か
    つ前記評価のための手段が、心臓周期の選択された数の
    シークエンスにおける選択された活性の時間の予め決定
    される統計学的パラメータを評価するための手段を含
    む、請求項22に記載のシステム。
  23. 【請求項23】 前記評価のための手段が、前記検出の
    ための手段が作動する間の選択された活動の状態を示す
    第1の統計学的パラメータを評価するための手段を含
    み、かつ前記比較のための手段が、 評価された第1のパラメータを哺乳動物の健康状態に対
    応する参照範囲と比較するための手段と、及び該参照範
    囲及び評価された第1のパラメータを視覚的に表示し、
    それにより哺乳動物の健康状態の指標を提供するための
    手段と、を含む、請求項23に記載のシステム。
  24. 【請求項24】 前記評価のための手段が選択された活
    性の状態における傾向を示す第2の統計学的パラメータ
    を評価するための手段をも含み、かつ前記比較のための
    手段が、 評価された第2のパラメータを哺乳動物の心臓の健康状
    態における傾向に対応する参照範囲と比較するための手
    段と、及び該参照範囲及び評価された第2のパラメータ
    を視覚的に表示し、それにより哺乳動物の心臓の健康状
    態における傾向の指標を提供するための手段と、を含
    む、請求項24に記載のシステム。
  25. 【請求項25】 前記比較のための手段が多軸視覚的参
    照システムを含み、該多軸視覚的参照システムが起点か
    ら放射状に広がる複数の軸であって、各々の軸は予め決
    定される心臓の活動に対応する前記予め決定される統計
    学的量の可能な値の範囲を示す尺度を規定する複数の軸
    と、 該起点の周囲に同心円状に設けられ、それにより少なく
    とも第1及び第2参照領域を規定する閉じた形状の線標
    識であって、該第1領域内の視覚的指標は哺乳動物の心
    臓の第1の健康状態を示し、かつ該第2領域内の視覚的
    指標は該第1の健康状態とは異なる哺乳動物の心臓の第
    2の健康状態を示す線標識と、を含む、請求項22に記
    載のシステム。
  26. 【請求項26】 前記周期的活動を検出するための手段
    が、 哺乳動物の体表面でのそれらの心臓の活動によって生じ
    る電位を予め決定される最小数の連続する心臓周期の間
    探知し、かつ探知された電位に対応するアナログ出力信
    号を提供するための電極手段と、 該アナログ出力信号を高周波数のサンプリングレートで
    サンプリングし、かつ該アナログ出力信号を探知された
    電位に含まれる実質的に全ての情報を留めるデジタル信
    号に変換するためのサンプリング手段と、 該デジタル信号を入力データとして初期入力ファイルに
    保存するための記憶手段と、及び実質的に心臓の活動に
    関する情報のみが表される、該入力データに対応する高
    解像度出力波形を提供するための処理手段を有し、該処
    理手段が、 波形特有点を決定するための手段と、 該特有点を該出力波形に重ね合わせ、それにより該波形
    を各々が単一の心臓周期に対応する複数の波形周期に分
    割し、かつ該波形周期の各々を複数の波形部分に分割す
    るための手段であって、該波形部分は2つの選択された
    特有点の間に位置し、かつ複数の点によって規定される
    手段と、 波形部分整列点を選択するための手段と、 該波形周期の全ての対応する部分を該選択された整列点
    に沿って互いに整列させるための手段と、及び全ての該
    整列化波形部分の全ての該点の縦座標を平均化し、それ
    により有用でない情報の効果を減少させ、したがって哺
    乳動物の心臓の活動に特徴的な単一の波形を生成するた
    めの手段と、を有する、請求項22に記載のシステム。
  27. 【請求項27】 前記サンプリング手段を、前記アナロ
    グ出力信号を毎秒500回を上回る割合でサンプリング
    するように作動させる、請求項27に記載のシステム。
  28. 【請求項28】 前記サンプリング手段を、前記アナロ
    グ出力信号を毎秒750回を上回る割合でサンプリング
    するように作動させる、請求項28に記載のシステム。
  29. 【請求項29】 前記サンプリング手段を、前記アナロ
    グ出力信号を少なくとも毎秒5,290回の割合でサン
    プリングするように作動させる、請求項29に記載のシ
    ステム。
  30. 【請求項30】 前記波形を視覚的に表示するための、
    前記処理手段と協働する表示手段をさらに含む、請求項
    27に記載のシステム。
  31. 【請求項31】 前記表示手段が個々の内部心臓器官の
    活動に対応する視覚的な指標を表示するための手段を含
    む、請求項31に記載のシステム。
  32. 【請求項32】 前記処理手段が前記出力波形を安定化
    するための手段をさらに含み、該手段が、 調整された波形を提供するための、被験者の心拍数に従
    って予め選択される閾値でのデジタル信号の適応高域フ
    ィルタリング手段と、 該調整された波形の縦座標ヒストグラムを決定するため
    の手段と、 該ヒストグラムのモード値を決定するための手段と、 該ヒストグラムの該モード値に対応する該調整された波
    形の基線を決定するための手段と、及び該基線と該調整
    された波形とを組み合わせて安定化された波形を提供す
    るための手段と、を含む、請求項27に記載のシステ
    ム。
  33. 【請求項33】 哺乳動物の心臓の健康状態を示すため
    の多軸視覚的参照システムであって、 起点から放射状に広がる複数の軸であり、各々の軸は予
    め決定される心臓の活動に対応する予め決定される統計
    学的量の可能な値の範囲を示す尺度を規定する複数の軸
    と、及び該起点の周囲に同心円状に設けられ、それによ
    り少なくとも第1及び第2参照領域を規定する閉じた形
    状の線標識であり、該第1領域内の視覚的指標は哺乳動
    物の心臓の第1の健康状態を示し、かつ該第2領域内の
    視覚的指標は該第1の健康状態とは異なる哺乳動物の心
    臓の第2の健康状態を示す線標識と、を含む多軸視覚的
    参照システム。
  34. 【請求項34】 前記第1領域が予め決定される心臓の
    活動の統計学的に決定される健康の範囲を規定する第1
    の値の範囲を示し、かつ前記第2領域が該第1の範囲を
    超える第2の値の範囲を示し、それにより予め決定され
    る心臓の活動に関する不健康の範囲を示す、請求項34
    に記載の参照システム。
  35. 【請求項35】 予め決定される心臓の活動の統計学的
    に決定される疾患範囲を規定する第3の値の範囲を示す
    第3領域をも含む請求項35に記載の参照システムであ
    って、前記第2領域は前記第1及び第3範囲の間の値の
    範囲を示し、それにより予め決定される心臓の活動の統
    計学的に決定される中間健康範囲を示す参照システム。
  36. 【請求項36】 前記少なくとも第1及び第2の参照領
    域内の前記視覚的指標が哺乳動物の心臓の活動がサンプ
    リングされる時点での哺乳動物の心臓の健康状態に対応
    する、請求項34に記載の参照システム。
  37. 【請求項37】 前記少なくとも第1及び第2の参照領
    域内の視覚的指標が、哺乳動物の心臓の活動がサンプリ
    ングされる時点に続く、哺乳動物の心臓の健康状態にお
    ける統計学的に決定される傾向に対応する、請求項34
    に記載の参照システム。
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