JP2001218596A - 多剤耐性蛋白の活性測定方法 - Google Patents

多剤耐性蛋白の活性測定方法

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JP2001218596A
JP2001218596A JP2000029832A JP2000029832A JP2001218596A JP 2001218596 A JP2001218596 A JP 2001218596A JP 2000029832 A JP2000029832 A JP 2000029832A JP 2000029832 A JP2000029832 A JP 2000029832A JP 2001218596 A JP2001218596 A JP 2001218596A
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mrp
atp
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protein
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Yoshio Umezawa
喜夫 梅澤
Takemasa Ozawa
岳昌 小澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水性基質の脂質二重層中への分配や、基質
の膜を通しての受動的分散による障害を排除し、リアル
タイムで正確に、基質の多剤耐性蛋白への親和性を評価
する。 【解決手段】 多剤耐性蛋白と基質との反応にともなう
ATP消費を分析することにより多剤耐性蛋白の基質特
異性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、多剤耐性
蛋白の活性測定方法に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、種々の医薬品等の生理活性物質
や内分泌かく乱物質等の毒性物質のスクリーニング法と
して有用な、多剤耐性蛋白の活性評価方法に関するもの
である。
【従来の技術とその課題】多薬剤抵抗性関連タンパク
質、すなわちこの出願の発明が対象とする多剤耐性蛋白
(MRP)は、多薬剤抵抗性(MDR)を与える物質と
して、現在までに知られている2種類の膜内在性タンパ
ク質のうちの1つであり、また、もう1つの物質とは、
P−グリコプロテイン(P−gp)である。これら2つの
タンパク質は、構造および機能においてほとんど類似性
を共有しないような化合物を、ATP依存性作用により
細胞外に能動的に輸送、排除するMDRに寄与してお
り、このことは、癌の化学療法等の深刻なさまたげとな
っている。多剤耐性蛋白:MRPは、1992年、Cole
等により発見されたが、それ以来、この輸送体のトポロ
ジー、機能特性および臨床的重要性を理解する上で、多
大な進歩がなされてきた。ヒトMRP(hMRP)は1
90kDaのタンパク質であり、P−gpとのアミノ酸配
列相同性はおよそ15%である。hMRPは大部分の組
織および大部分のタイプの細胞に発現されており、腫瘍
細胞中には過剰発現されていることもある。hMRPは
おそらく、P−gpと同様、6+6膜スパニングヘリック
スのトポロジーを有していると思われるが、hMRPは
さらに、P−gpには対応するものの無い、追加的N末端
アミノ酸配列を有する。これらのアミノ酸配列は、5個
または6個のトランスメンブラン(transmembrane、T
M)セグメントを形成する、といわれている。MRP
は、システイニルロイコトリエンLTC4 、LTD4
LTE4 およびその他ある種のグルタチオン(GSH)
抱合体(conjugate) を輸送できることが示されており、
グルタチオン抱合体(GS−X)ポンプである可能性を
示している。このポンプは、動物、植物および微生物の
細胞中に広く存在していると考えられており、GSH共
有結合性複合体が形成されることが、MRPが重金属抵
抗性を付与する理由である可能性がある。GSH還元体
それ自体はMRPの基質ではないが、複合体を形成した
り、他の物質とともに共基質のはたらきをしたりする可
能性がある。たとえば、GSHの存在下で、ピンクリス
チンのATP依存性輸送が起こることが示されている。
MRPはまた、グルタチオン酸化体(GSSG)を輸送
することもでき、多特異性有機陰イオン輸送体(MOA
T)活性に関与している可能性があり、広範な化合物を
基質とする輸送体であると考えられる。化学療法は、癌
の治療に有効であることが立証されているが、化学療法
剤は一種の細胞毒性物質でもあり、色々な細胞毒性物質
を細胞外に送り出すMRPが重大な障害となっている。
したがって、MRPの基質特異性を評価することが非常
に重要であり、この評価は、これらの悪性疾患に対する
有効な治療法の開発に貢献するものと考えられる。P−
gpに類似したMRPの基質特異性および基質選択性のこ
の種の分析は、普通、生きた細胞の複雑な環境の影響を
避けるために、膜小胞を用いて行う。そのような実験で
は、MRPをもった小胞を調製し、基質およびATPと
混合する。続いて、一定時間輸送作用を進行させた後小
胞を分離し、閉鎖状態の(encloscd)小胞(大部分の場合
は放射性)を定量する。この方法による分析にはいくつ
かの欠点がある。第一に、濃度勾配に沿って基質の受動
的浸透が起こることが避けられないこと、第二に、疎水
性基質が脂質二重層中に浸透すること、そして最後に、
輸送過程におけるバルク(bulk)溶液中の基質濃度が減少
すると、速度論的研究に不正確さが生じること、などで
ある。そこで、この出願の発明は、以上のとおりの従来
の問題点を解消した、新しい多剤耐性蛋白の活性測定方
法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、多剤耐性蛋白
と基質との反応にともなうATP消費を分析することに
より多剤耐性蛋白の基質特異性を評価することを特徴と
する多剤耐性蛋白の活性測定方法を提供する。また、こ
の出願の発明は、第2には、ATP消費は分光分析によ
り測定する上記の測定方法を提供し、第3には、多剤耐
性蛋白に対する基質の親和性を評価する測定方法を、第
4には、多剤耐性蛋白をリポソーム包理し、次いで、基
質とともに界面活性剤を添加混合して反応させる上記の
測定方法を提供する。
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記のとおり
の特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態に
ついて説明する。この出願の発明においては、多剤耐性
蛋白(以下MRPと呼ぶ)によるATP消費速度の分析
による、MRP基質特異性速度論的解析方法を特徴とし
ており、そしてこの方法が、MRPにより認識可能な細
胞毒性物質のスクリーニングを行うための簡便かつ正確
な方法として提案される。ATPは、特に好適には、細
胞毒性物質としての抗腫瘍剤等の医薬、あるいは内分泌
かく乱物質のような毒性物質の対MRP親和性を評価す
るためのプローブ分子として扱われることになる。この
ようなATPの消費を、たとえば消費速度や量として分
析することになる。この発明の方法の理論的な基礎は次
のとおりである。この発明の方法においては、下記の反
応式に従ったADP生成の測定に対し、たとえば、共役
酵素法(coupled enzyme method) を適用することができ
る。
【化1】 図1に例示したように、ATPの存在下で、MRPは、
ATP分子をADPおよび無機リン酸塩(Pi)に変換
しながら、基質を輸送すると答えられる。ADPをAT
Pに戻す次の反応は、NADHの酸化と共役的に起こ
る。したがって、ATP濃度は、NADHが枯渇するま
では、一定値に保たれる。そこで、たとえば、340n
mにおけるNADHの吸光度のモニターにより、ADP
生成もしくはATP消費に対応するNADH濃度減少の
吸収時間曲線が与えられる。したがって、MRPによる
輸送作用は、この発明の方法により測定することができ
る。分光測光法測定によりATP消費速度値が与えら
れ、この種のデータは、次のミカエリスの式(1)によ
り分析することができる。
【数1】 ここで、νは、酵素反応速度であり、Vmax は最大反応
速度、〔S〕0 は基質の初期濃度、ミカエリス定数Km
は、ν=1/2Vmax のときの基質濃度を示す。ある与
えられた系において、Vmax はKm と同様定数となる。
ミカエリスの式(1)は、別な形態の次式に変形するこ
とができる。
【数2】 1/νを1/〔S〕に対してプロットすることにより線
形曲線を描くことができ、この曲線をLineweaverプロッ
トという。この曲線の傾きおよび交差から、MRPに対
する基質の親和性を表すKm が得られる。もちろん、A
TPの消費は分光法によらなくてもよい。ただ、分光法
は、リアルタイムでのATP消費の分析を可能とするも
のであって、この発明の方法において有効である。ま
た、この発明の方法においては、従来方法の問題点を解
決するために、多剤耐性蛋白をリポソーム包理し、次い
で、基質とともに界面活性剤を添加混合して反応させる
ことが有効である。界面活性剤は各種のものでよいが、
このものはリポソーム開包作用を行うことになる。以下
に、この発明の実施例を説明するが、この発明の方法
は、この例によって限定されるものではない。いずれに
しても、この出願の発明によって、種々の医薬品や内分
泌かく乱物質などの毒性物質のスクリーニング法として
有用な、多剤耐性蛋白の活性評価方法が提供される。
【実施例】以下の態様として、この発明の方法の実施例
を説明する。 <1>材料:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(還元体)(NADH)、ATP、ホスホエノールピル
ビン酸、ピルビン酸キナーゼ(PK)、乳酸デヒドロゲ
ナーゼ(LDH)およびウワバインは、ワコー(大阪、
日本)から購入した。システイニルロイコトリエンLT
4 、LTD4 、LTE4 、グルタチオン(GSH)、
グルタチオン酸化体(GSSG)、ダウノルビシン(D
au)およびビンクリスチン(Vin)は、シグマ(St
Louis, MO, USA) から入手した。他のすべての試薬は分
析試薬級であり、実験全体を通して Milli−Q水を使用
した。 <2>細胞培養:LLC−MRP1細胞を、37℃、5
%CO2 雰囲気中、M199培地において、10%(v
/v)ウシ胎児血清(FCS)中に保持した。ここで、
M199培地にはEarle の改質塩およびL−グルタミン
(Gibco, Paisley、スコットランド)を供給し、ペニシ
リン50U/mlおよびストレプトマイシン50μg/
mlを補足した。細胞は、3日もしくは4日ごとにトリ
プシン処理することによって継代培養した。 <3>形質膜の分離:LLC−MRP1細胞からの形質
膜の単離は、Priebe等により記述されている方法に従っ
て行ったが、いつくかの変更を行った。冷凍細胞を解凍
し、氷冷したリン酸緩衝塩水(PBS)中で、1,50
0×gで12分間遠心分離することにより洗浄した。得
られたペレットを低張緩衝液(0.5mMリン酸ナトリ
ウム、pH7.0、0.1 mM EGTA、0.1mMフ
ッ化フェニルメチルスルホニル)に再懸濁し、溶液中の
細胞濃度を、約1×107 個/mlのレベルに調製し
た。懸濁物を氷上で60分間おだやかに攪拌し、均一化
した。細胞溶解物を、100,000×gで35分間、
回転させた(spin down) 。得られたペレットを低張緩衝
液に再懸濁し、均一化処理後、懸濁液を12,000×
gで10分間遠心分離にかけた。得られたペレットを再
度12,000×gで10分間遠心分離した。次に、2
回の操作により生成したpostnuclear 上澄み液を採取
し、100,000×gで35分間遠心分離した。得ら
れたペレットを低張緩衝液に懸濁し、均一化した。得ら
れた懸濁液(homogenate)を、10mM Tris/pH
7.4含有の50%、30%および20%のスクロース
からなる密度勾配状に層状化し、100,000×gで
35分間遠心分離にした。30%スクロース層と50%
スクロース層間の混濁層を採取し、125mM NaC
l、12.5mM KClおよび10mM Tris/
pH7.4含有溶液中で稀釈した。続いて同溶液を10
0,000×gで35分間遠心分離にかけた。得られた
ペレットを、125mM NaCl、12.5mM K
Clおよび10mMTris/pH7.4含有溶液に懸
濁し、タンパク質濃度を3−5mg/mlとした。懸濁
液を−80℃に保存し、使用期間を1ヶ月以内とした。
タンパク質濃度はBio−Rad(hercules, CA)タンパ
ク質分析キットを使用し、同キットの製造業者実験計画
案に従って測定した。 <4>ATP消費の測定:測定は、Scharschmidt等の方
法に従って行った。すなわち、まず、冷凍形質膜懸濁液
を37℃で解凍し、使用するまで氷上に保持した。長さ
1cmの石英製キュベット中に入れられた最終1ml測
定液には、懸濁液20μl、10mM Tris/pH
7.4、1mM EGTA、120mM NaCl、1
2.5mM KCl、4mM ATP、5mM MgC
2 ,2.5mM ホスホノエノールピルビン酸、0.
5mM NADH、それぞれ10単位のLDHおよびP
K、1mMウワバイン、そして0.2% Triton X-100
を含有させた。Dau およびVin 測定用の溶液には、さら
に10mMのGSHを含有させた。形質膜懸濁液および
PK/LDH(10μl)混合溶液の添加に先立ち、測
定液を37℃で90秒間前培養(pre-incubate)し、測定
を開始した。対照セルには、ATP無添加以外の点で
は、測定液と同じ成分を含有させた。 NADHの酸
化を、UV−1600 UV−可視分光光度計(島津、
京都、日本)を用い、340nmで連続的にモニターし
た。ATPase 作用は、2分間進行させた。ATP消費
速度(v)は、トレーシングの直線部分(10秒から9
0秒の間)から次式によって計算した。
【数3】 340nmにおけるNADHの減衰係数εmMは6.22
OD・ml/μmolであった。 <5>結果 時間依存性吸光度変化:図2に示したように、基質シ
ステイニルロイコトリエンC4 (LTC4 )の存在下
で、吸光度が減少することが確証されたが、このことは
MRPのATP消費作用を示している。これとは対照的
に、基質が存在しないと、ノイズレベルの吸光度変化し
か観察されなかった。MRPは、現在まで依然として精
製できていない。調製した形質膜には、さらにNa+
+ −ATPase およびCa2+−ATPase が含まれて
いた。Na+ /K+ −ATPase の作用は、ウワバイン
により阻害され、操作中の関与は避けられており、ま
た、溶液中にEGTAが添加されていることから、Ca
2+−ATPase によるATP関与の作用が生じた可能性
は排除される。その結果、MRPが実験におけるATP
消費の原因物質であることは確かである。 界面活性剤による開小胞の形成:MRP輸送作用分析
の従来の方法では、基質の受動的拡散および疎水性基質
の膜中の残留は避けることができない。さらに、放射性
基質が必要となる。そこで、この発明の方法において
は、Triton X-100を溶液に添加し、これらの障害を克服
した。分離操作で調製した形質膜の大部分は、閉じてリ
ポソームを形成しているにちがいない。しかし、形質膜
がリポソームとして存在しているのか膜パッチ形態で存
在しているのかは問題とならない。温和な界面活性剤Tr
iton X-100を溶液に混合すると、同界面活性剤によりリ
ポソームが開き、したがって、図3に示したように、A
TPや基質のような小さな分子は自由に動くことができ
るようになる。その結果均一な環境が得られ、このこと
は速度論的研究にとっては重要なことである。基質濃度
〔S〕は、溶液中で常に一定に保たれ、したがって前記
のミカエリスの式()中のA〔S〕0 の変化による誤
差は、完全に回避することができる。従来の方法では、
リポソーム中のMRPのうち、インサイドアウト(insid
e-out)配向のものだけしか輸送作用に関与しないが、こ
の発明の方法における条件下では、すべてのMRPがA
TP消費に寄与する。ATP消費をMRP輸送作用の指
標として用いるため、基質の脂質二重層中への分配は、
結果に何ら影響を及ぼさない。なぜなら、この分配はエ
ネルギーに依存しないからである。同じ理由により、基
質の膜を通しての受動的分散も実験に影響を与えず、さ
らに言うと、実際、上記のような均一な溶液中では、分
散は生じない。 Km 値の測定:LTC4 に対するLineweaverプロット
を図4に示した。このプロットから得られたLTC4
MRPに対するKm 値は、0.29μMであった。その
他3種類の周知のMRP基質、LTD4 ,LTE4 およ
びGSSGに対するKm 値も測定した。それらの結果を
次の表に示した。
【表1】 LTD4 あるいはLTE4 のKm 値については、文献値
を入手できなかった。他の2つの基質、LTC4 および
GSSGに対するKm の文献値は、それぞれ0.1μ
M、93μMである。これらの値は、本研究で得られた
結果(0.29μMおよび87.2μM)に適合的であ
る。ここで得られた結果は、さらに、一般に知られてい
る4つの基質のMRPに対する親和性の序列、すなわち
LTC4 >LTD 4 >LTE4 ≫GSSGという序列
と一致している。したがって、この発明の方法により測
定されたデータは、信頼できることが確認された。 抗腫瘍剤に対する応用:以上の結果に基づき、2つの
抗腫瘍剤、ダウノルビシン(Dau)およびビンクリスチ
ン(Vin)に対するKm 値を測定した。Dauは細胞のD
NAに損傷を与え、Vinは細胞分裂を阻害する。いずれ
の薬剤も癌の化学療法において幅広く使用されており、
GSHの存在下でMRPにより輸送されることが知られ
ている。Dauに対するLineweaverプロットを図5に示し
た。DauおよびVinのLineweaverプロットから導いたK
m 値を次の表2に示す。
【表2】 この表2からわかるように、DauおよびVinは、MRP
に対して高い親和性を有する。かくしてDauおよびVin
の速度論的データが簡便に得られた。本法をMRP基質
スクリーニングに応用することにより、MRPの基質選
択性に関して有用な情報が得られ、それは癌医学に貢献
するものである。
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明により、ATPを基質(Km )の対MRP親和性を
評価するためのプローブ分子として用い、それにより、
従来の方法において疎水性基質の脂質二重層中への分配
や、基質の膜を通しての受動的分散によりもたらされる
障害を排除する。また、この出願の発明の方法によれば
リアルタイムの正確な分析が可能となり、このことは速
度論的評価においては重要なことであって、この出願の
発明の方法において非常に大切なポイントである。さら
に、放射性基質がこの発明の方法において不要となる。
従来の分離操作も回避可能となる。したがって、速度論
的データを簡便に得ることができる。MRPは、多薬剤
抵抗性の原因となる重要なタンパク質である。この出願
の発明の方法はMRP基質スクリーニングに応用可能で
あり、抗腫瘍剤の開発に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】MRPによるATP依存性基質輸送の模式図(c
artoon) である。 (a):細胞外/細胞内/形質膜 (b):細胞外/細胞内/基質/脂質二重層
【図2】MRP基質の存在下および非存在下における時
間依存性吸光度変化を示した図である。キュベット中の
1ml測定液は、MRP膜懸濁液20μl、それぞれ1
0単位のLDHおよびPK、10mM Tris/pH
7.4、1mM EGTA、120mM NaCl、1
2.5mM KCl、4mM ATP、5mMMgCl
2 、2.5mM ホスホエノールピルビン酸、0.5m
M NADHおよび0.2% Triton X-100を含有して
いる。温度は37°に保ち、吸光度は340nmでモニ
ターした。
【図3】Triton X-100を、MRPを有する小胞含有溶液
に添加することにより調製した均一溶液の模式図であ
る。
【図4】LTC4に対するLineweaverプロットを示した
図である。キュベット中の1ml測定液は、MRP膜懸
濁液20μl、それぞれ10単位のLDHおよびPK、
10mM Tris/pH7.4、1mM EGTA、
120mM NaCl、12.5mM KCl、4mM
ATP、5mM MgCl2 、2.5mMホスホエノ
ールピルビン酸、0.5mM NADHおよび0.2%
Triton X-100を含有している。温度は37℃に保ち、吸
光度は340nmでモニターした。示したデータは3つ
以上の測定値から得られた±S.D.を意味している。
【図5】ダウノルビシンのLineweaverプロットを示した
図である。キュペット中の1ml測定液は、MRP膜懸
濁液20μl、それぞれ10単位のLDHおよびPK、
10mM Tris/pH7.4、1mM EGTA、
120mM NaCl、12.5mM KCl、4mM
ATP、5mM MgCl2 、2.5mMホスホエノ
ールピルビン酸、0.5mM NADH、10mM グ
ルタチオンおよび0.2%Triton X-100を含有してい
る。温度は37℃に保ち、吸光度は340nmでモニタ
ーした。示したデータは3つ以上の測定値から得られた
±S.D.を意味している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多剤耐性蛋白と基質との反応にともなう
    ATP消費を分析することにより多剤耐性蛋白の基質特
    異性を評価することを特徴とする多剤耐性蛋白の活性測
    定方法。
  2. 【請求項2】 ATP消費は分光分析により測定する請
    求項1の測定方法。
  3. 【請求項3】 多剤耐性蛋白に対する基質の親和性を評
    価する請求項1または2の測定方法。
  4. 【請求項4】 多剤耐性蛋白をリポソーム包理し、次い
    で、基質とともに界面活性剤を添加混合して反応させる
    請求項1ないし3のいずれかの測定方法。
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