JP2001212454A - 大気汚染物質吸収用建築材料 - Google Patents

大気汚染物質吸収用建築材料

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JP2001212454A
JP2001212454A JP2000023447A JP2000023447A JP2001212454A JP 2001212454 A JP2001212454 A JP 2001212454A JP 2000023447 A JP2000023447 A JP 2000023447A JP 2000023447 A JP2000023447 A JP 2000023447A JP 2001212454 A JP2001212454 A JP 2001212454A
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Yasuo Tamura
靖夫 田村
Yoshiya Kikuchi
與志也 菊地
Yukinobu Nomura
幸悦 野村
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NOMURA HOUSE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルムアルデヒドガスのような大気汚染物質
が放散される雰囲気で使用することにより、この大気汚
染物質を効率良く吸収して大気を浄化する。表面に化粧
層を設けても大気の浄化機能が低下しない美麗な建築材
料を得る。 【解決手段】 樹皮をチップ状又はファイバ状に粉砕し
た粉砕物を50〜100重量%含む原料を板状体10a
に成形した大気汚染物質吸収用建築材料10である。板
状体10aが厚さ5〜100mmであり、板状体10a
の表面に直径2〜50mmの複数の孔11又は幅1〜3
0mmの複数の凹溝のいずれか一方又は双方を有する。
孔又は凹溝は化粧層10bとともに板状体に形成するこ
ともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹皮の粉砕物を主
成分とする板状の大気汚染物質吸収用建築材料に関す
る。更に詳しくは接着剤の接着性能が著しく低下しない
程度にホルムアルデヒド含有量を減じたユリア樹脂やメ
ラミン樹脂を用いた合板又はボード類を住宅室内の内装
材に使用したときにこれらの合板又はボード類と併用し
て室内大気を浄化する大気汚染物質吸収用建築材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】新築のマンションや住宅の室内には、塗
料、建築材料に含まれる揮発性の有機溶剤、接着剤に含
まれるホルムアルデヒド、防虫・防腐剤などの有機ガス
が放散し、居住者の健康を阻害することが問題になって
いる。特に建築材料として多量に使われている合板やパ
ーティクルボード、ウェーハボード、ファイバボード、
チップボードなどのボード類などの建築材料から放散す
るホルムアルデヒドガスは刺激性を有するために、居住
者の喉や目の粘膜への刺激が大きく、化学物質過敏症の
人には皮膚に発疹などを起こし大きな問題となってい
る。
【0003】合板やボード類の接着剤にはホルムアルデ
ヒドを原材料の一つとするユリア樹脂やメラミン樹脂な
どが用いられており、その接着剤に含まれる未反応のホ
ルムアルデヒドが放散してこのような問題を引き起こす
ことから、最近はホルムアルデヒドの含有量の少ないユ
リア樹脂やメラミン樹脂を接着剤として使用することが
一般的に行われてきた。しかし、ホルムアルデヒド含有
量を減じた接着剤は一般的に接着性能が低下し、特に接
着に際して含水率の影響を受けやすくなるなどの製造上
の問題がある。またホルムアルデヒド含有量を減らした
接着剤を用いても、その接着剤で接着した合板やボード
類からはホルムアルデヒドガスの放散を完全に抑えるこ
とができない。そのため、そのような建築材料を住宅の
室内に使用した場合、化学物質過敏症の人にとって、従
来に変わらずアレルギー症状を起こすことになる。
【0004】この点を改善するため、VOC(Volatile
Organic Compounds)、アンモニアガス、ホルムアルデ
ヒドなどの大気汚染物質を吸収する機能を樹皮が有する
ことに着目して、樹皮を原料とした消臭・脱臭剤(特開
平11−76387)が提案されている。この消臭・脱
臭剤はワットル樹皮又はカラマツ樹皮の抽出物を、ホル
ムアルデヒド処理又は酢酸鉛処理し、更に必要に応じて
アセチル化処理して得た物質を有効成分として構成され
る。この消臭・脱臭剤はメタノール、エタノール等のア
ルコール等に溶解させた液剤或いはエアゾール等の形
態、ゲル化剤に配合した固形の形態、また粉末状の有効
成分を適当な担体と混合した粉剤、更に常法により成形
した顆粒剤又は錠剤の形態にして、悪臭場所に散布或い
は悪臭場所内に静置する。またエアフィルタや濾過用フ
ィルタとして使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−76387号公報に示される消臭・脱臭剤は、複
雑な化学処理工程を経て作られるため、比較的高価であ
って局所的な使用に適し、新築のマンションや住宅の室
内全体にわたって大気汚染物質を吸収しようとする場合
には多数の消臭・脱臭剤を配置しなければならない煩わ
しさがある。
【0006】本発明の目的は、ホルムアルデヒドガスの
ような大気汚染物質が放散される雰囲気で使用すること
により、この大気汚染物質を効率良く吸収して大気を浄
化する大気汚染物質吸収用建築材料を提供することにあ
る。本発明の別の目的は、表面が美麗でしかも大気汚染
物質を効率良く吸収して大気を浄化する大気汚染物質吸
収用建築材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1又は図2に示すように、樹皮をチップ状又はファイ
バ状に粉砕した粉砕物を50〜100重量%含む原料を
板状体10aに成形した大気汚染物質吸収用建築材料で
あって、板状体10aが厚さ5〜100mmであり、板
状体10aの表面に直径2〜50mmの複数の孔11又
は幅1〜30mmの複数の凹溝12のいずれか一方又は
双方を有することを特徴とする。樹皮には靱皮繊維を含
むものが多く、長い針状のチップ又はファイバになり易
く、このような粉砕物を原料に用いて板状体10aを作
製すると、低比重でも曲げ強度などのの強度物性の低下
の少ない建築材料10が得られる。板状体10aの表面
に複数の孔11又は凹溝12を形成することにより、板
状体10aの大気汚染物質の放散した雰囲気に曝す面積
をより広くでき、板状体10aが本来具有するホルムア
ルデヒドの吸収能力がより大きくなり、大気汚染物質を
効率よく吸収して固定化することができる。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、図5又は図6に示すように、板状体10a
の表面が化粧層10bにより被覆され、この化粧層10
bとともに板状体10aの表面に複数の孔11又は複数
の凹溝12のいずれか一方又は双方を有する大気汚染物
質吸収用建築材料である。板状体10aの表面に化粧層
10bを設けても、複数の孔11又は複数の凹溝12が
存在するため、板状体10aの大気の浄化機能は低下し
ない。これにより表面が美麗でしかも大気汚染物質を効
率良く吸収して大気を浄化する建築材料が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。本発明の建築材料の原料となる樹皮として
は、スギ、ヒノキ、イチイ、ベイマツ、ベイツガ、ヒバ
などの針葉樹の樹皮、或いはヤナギ、ポプラ、コナラ、
ニレ、クリ、コウゾ、シナノキ、ミツマタ、ガンピ、ア
オギリなどの広葉樹の樹皮などがある。これらの樹皮の
中から単一種類の樹皮又は2種類以上を混合した樹皮が
原料として用いられる。特に上記針葉樹の樹皮は靱皮繊
維を多く含んでおり、ハンマーミルやリングフレーカー
を用いてチップ状又はファイバ状にしたときに、いずれ
も繊維が毛羽立って嵩高い形状になる。このような原料
を用いて板状体(ボード)を作製すると、空隙率の高い
ものになるため、ホルムアルデヒド等のガス吸収能力が
一段と向上するので、好ましい。なお、単にポリフェニ
ール化合物を多く含んで、靱皮繊維を殆ど含まないカラ
マツやアカマツの樹皮では、本発明の好ましい樹皮に比
べて、ホルムアルデヒドの吸収能力は約2分の1にな
る。
【0010】上記樹皮は手で、又はバーカー(barker)な
どを用いて樹木から剥取られる。剥取られた樹皮をハン
マーミルやリングフレーカーを用いて所定の粒度まで粉
砕してチップ状(例えば平均粒径1〜50mm)又はフ
ァイバ状(例えば平均長さ1〜50mm、平均太さ0.
1〜5mm)の粉砕物にする。本発明の建築材料の原料
を樹皮の粉砕物のみ(粉砕物100重量%)から構成し
てもよいが、樹木のうちの木質部をチップ状又はファイ
バ状に粉砕した粉砕物を樹皮の粉砕物に混合して用いて
もよい。このときの混合割合は原料100重量%に対し
て樹皮の混合物が50重量%以上であれば、本発明の効
果は劣らない。
【0011】このような粉砕物を所定の含水率(例えば
2〜15重量%)になるまで乾燥した後、木材用接着
剤、好ましくはイソシアネート化合物を含む接着剤を所
定の含浸率(例えば2〜30重量%)になるように噴霧
する。次いで接着剤を付与した粉砕物をコンベア又はコ
ールプレート上にマット状に形を整えて堆積した後、ス
ペーサ機能を備えたホットプレス機の上ヒートプレスと
下ヒータプレスの間に挿入して、所定の温度と圧力(例
えば100〜250℃、0.5〜5Pa)を加えて熱圧
成形することにより、厚さdが5〜100mmの板状体
を作製する(図3及び図4)。なお、樹皮中にヘミセル
ロースが比較的多く含まれる場合には、乾燥後、150
℃以上の温度で2〜5Paの圧力で熱圧成形すれば、ヘ
ミセルロースが変質して接着機能を発揮するので、接着
剤を用いなくてもよい。板状体の厚さが5mm未満では
板状体の強度が弱すぎ、かつホルムアルデヒドガスのよ
うな大気汚染物質を吸収する能力が不十分である。また
板状体の厚さが100mmを越えてもその吸収能力は変
らないため、上記厚さの範囲に板状体は作られる。
【0012】次に図1又は図2に示すように、板状体1
0aの主面となる表面に複数の孔11又は凹溝12を形
成する。図9に示すように、孔11と凹溝12の双方を
形成してもよい。この板状体からなる建築材料を壁材の
ように片面のみ室内空間に曝す場合には、凹溝はその片
面のみに設け、仕切り壁材のように両面を室内空間に曝
す場合には、凹溝は両面に設けることが好ましい。孔又
は凹溝は等間隔でもランダムな間隔でもよい。ランダム
な文様にすることにより、装飾効果をより一層発揮する
ことができる。凹溝は直線溝に限らず、曲線溝でもよ
い。図3に示すように、孔11の直径aは2〜50m
m、好ましくは5〜20mmの範囲であけられる。孔と
孔の間隔w1は孔の直径にもよるが、30〜300mm
が好ましい。孔径が2mm未満、孔の間隔w1が300
mmを越えると、大気汚染物質を吸収する能力が不十分
になり、孔径が50mmを越え、孔の間隔w1が30m
m未満になると、板状体の建築材料としての美観を損
ね、強度を保持できない。孔11は図1及び図3に示す
ように貫通孔でも、図9の符号11aで示すような有底
孔でもよい。有底孔の深さが浅すぎると本発明の効果に
劣るため、この深さは板状体の厚さを100%とすると
きに30%以上に形成される。
【0013】図4に示すように、凹溝12の幅bは1〜
30mm、好ましくは2〜10mmの範囲で形成され
る。凹溝は図示するように板状体の表面全体に形成する
ことが好ましい。図示しないが、凹溝を10mm以上の
間隔で複数形成してもよい。凹溝と凹溝の間隔w2は凹
溝の幅にもよるが、30〜200mmが好ましい。また
凹溝12の深さcは板状体10aの厚さの10〜50%
に決められる。深さcが厚さの10%未満、凹溝の間隔
2が200mmを越えると、大気汚染物質を吸収する
能力が不十分になる。深さcが厚さの50%を越え、凹
溝の間隔w2が30mm以下になると、板状体の強度が
建築材料として適さなくなる。図9に示すように、孔1
1と凹溝12の双方を板状体10aに形成してもよい。
このように孔又は凹溝を設けることにより、板状体の横
断面である木口の面積が増大し、板状体の室内雰囲気に
曝す面積をより広くでき、板状体の大気汚染物質を吸収
する能力を高めることができる。
【0014】本発明の板状体は、前述したホットプレス
機のスペーサの厚さと圧力を調整することにより、その
比重が0.2〜1.2の間に入るように成形される。ホ
ルムアルデヒドガスを効率よく吸着させるためには、上
述した孔又は凹溝の大きさに応じて、板状体の比重を好
ましくは0.2〜0.7の間に入るように成形する。具
体的には板状体中に孔又は凹溝の占める体積が小さいほ
ど板状体の比重は小さくし、孔又は凹溝の占める体積が
大きいほど板状体の比重は大きくする。比重を0.2未
満にすると、熱圧時の圧力は殆ど原料の堆積物に加わら
ないため、板状体は極めて強度が低くて脆くなり建築材
料に適さない。また板状体の比重が1.2を越えると、
板状体内部の空隙率が著しく減少して、孔又は凹溝を大
きくまた多くしても大気中に放散しているホルムアルデ
ヒドガスのような大気汚染物質を吸収する能力を高める
ことができない。低比重の板状体は空隙率が比較的高
く、多孔質の建築材料となる。
【0015】チップ状又はファイバ状の粉砕物を篩など
を用いて粒度に応じて細かい粒度のものと粗い粒度のも
のとに区分し、粗い粒度のものを板状体の芯層に、細か
い粒度のものを芯層の両側の表面層に配置して、3層構
造の板状体にすることもできる。この3層構造の板状体
からなる建築材料は単一層からなる板状体と比べて表面
平滑性の点で優れる。樹皮の粉砕物を主体とする板状体
は色調が暗いため、そのままマンションや住宅の内装材
として使用すると、室内雰囲気が暗くなることがある。
このような問題を解決するために板状体の表面に塗装を
施したり、単板やつき板を積層したり、或いは化粧紙、
布、プラスチックフィルム、メラミン樹脂等からなる化
粧板を貼り合わせることにより化粧層を形成し、板状体
を美粧化することが行われる。
【0016】従来、樹皮を原料として作られた板状体の
表面にこのような化粧層を設けると、板状体は大気中に
放散しているホルムアルデヒドガスのような大気汚染物
質を吸収する能力が減少し、室内大気の清浄化機能が大
きく低下する問題を生じていたが、本発明では図5及び
図7又は図6及び図8に示すように、化粧層10bとと
もに板状体10aの表面に複数の孔11又は複数の凹溝
12を形成することにより、孔又は凹溝の多孔質の木口
面が室内雰囲気に曝されるため、板状体10aの表面が
装飾される上、この問題を解決することができる。化粧
層10bを設ける場合には、化粧層10bを設けない場
合と比較して、孔又は凹溝のサイズは大きく、間隔は狭
くすることが好ましい。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに述べ
る。 <実施例1>スギの樹皮をハンマーミルを用いて平均粒
径2mmのチップ状に粉砕した。この粉砕物を乾燥した
後、全重量の10%の割合で粗製のジフェニルメタンジ
イソシアネート(日本ポリウレタン製、商品名:MR-20
0)を噴霧した。この粉砕物を一定の厚さに堆積して形
を整えた後、200℃の温度に保ったホットプレス機の
上ヒートプレスと下ヒータプレスの間に挿入して、約
0.3MPaf(3kgf/cm2)の圧力で4分間熱
圧成形して、厚さ12mmの板状体を作製した。この板
状体の比重は0.35であった。この板状体の表面(両
面)全体にアクリル樹脂塗料を均一に塗布し、塗装面の
上に厚さ0.1mmの化粧層を形成した。化粧層付きの
板状体から幅5cm、長さ15cmの試験片を6枚切り
出した。各試験片に直径10mmの貫通孔を30mm間
隔で4個あけた。 <比較例1>実施例1と同じ化粧層付きの板状体から幅
5cm、長さ15cmの試験片を6枚切り出し、各試験
片には貫通孔を全くあけなかった。
【0018】<比較評価1> (a) 内容積が約10リットルのデシケータを用い、こ
のデシケータの底部に蒸留水が300ml入った直径1
2cm、高さ6cmの結晶皿を置いた。またこのデシケ
ータの直径24cmの目皿の上に、その内部のホルムア
ルデヒド気中濃度が10ppmになるように希釈したホ
ルマリンが1ml入った秤量瓶のみを置いた後、蓋をし
て20℃の恒温室に48時間静置した。 (b) 上記(a)と同じ内容積の別のデシケータを用い、こ
のデシケータの底部に上記(a)と同様に蒸留水が入った
結晶皿を置いた。またこのデシケータの目皿の上に上記
(a)と同じ濃度のホルマリンが1ml入った秤量瓶と、
実施例1の6枚の試験片を置いて蓋をして20℃の恒温
室に48時間静置した。 (c) 上記(a)と同じ内容積の更に別のデシケータを用
い、このデシケータの底部に上記(a)と同様に蒸留水が
入った結晶皿を置いた。またこのデシケータの目皿の上
に上記(a)と同じ濃度のホルマリンが1ml入った秤量
瓶と、比較例1の6枚の試験片を置いて蓋をして20℃
の恒温室に48時間静置した。 上記(a)〜(c)の48時間後の結晶皿の蒸留水中に吸収さ
れたホルムアルデヒドの量をJIS A 5908に記載
されたアセチルアセトン法により測定した。その結果を
表1に示す。表1から明らかなように、貫通孔を設けた
実施例1の化粧層付き板状体は、貫通孔を設けなかった
比較例1の化粧層付き板状体と比較して約38%多くホ
ルムアルデヒドを吸収し固定していることが判った。
【0019】
【表1】
【0020】<実施例2>実施例1と同じ板状体の表面
(両面)全体に厚さ0.5mmのカバ単板を接着した。
各試験片の表面全体に幅3mmで深さ6mmの凹溝を3
0mm間隔で30本あけた。このカバ単板付きの板状体
から幅5cm、長さ15cmの試験片を6枚切り出し
た。 <比較例2>実施例2と同じカバ単板付きの板状体から
幅5cm、長さ15cmの試験片を6枚切り出し、各試
験片には凹溝を全くあけなかった。
【0021】<比較評価2> (d) 内容積が約10リットルのデシケータを用い、こ
のデシケータの底部に蒸留水が300ml入った直径1
2cm、高さ6cmの結晶皿を置いた。またこのデシケ
ータの直径24cmの目皿の上に、その内部のホルムア
ルデヒド気中濃度が10ppmになるように希釈したホ
ルマリンが1ml入った秤量瓶のみを置いた後、蓋をし
て20℃の恒温室に48時間静置した。 (e) 上記(d)と同じ内容積の別のデシケータを用い、こ
のデシケータの底部に上記(d)と同様に蒸留水が入った
結晶皿を置いた。またこのデシケータの目皿の上に上記
(d)と同じ濃度のホルマリンが1ml入った秤量瓶と、
実施例2の6枚の試験片を置いて蓋をして20℃の恒温
室に48時間静置した。 (f) 上記(d)と同じ内容積の更に別のデシケータを用
い、このデシケータの底部に上記(d)と同様に蒸留水が
入った結晶皿を置いた。またこのデシケータの目皿の上
に上記(d)と同じ濃度のホルマリンが1ml入った秤量
瓶と、比較例2の6枚の試験片を置いて蓋をして20℃
の恒温室に48時間静置した。 上記(d)〜(f)の48時間後の結晶皿の蒸留水中に吸収さ
れたホルムアルデヒドの量をJIS A 5908に記載
されたアセチルアセトン法により測定した。その結果を
表2に示す。表2から明らかなように、実施例2のカバ
単板付き板状体は、比較例2のカバ単板付き板状体と比
較して約73%多くホルムアルデヒドを吸収し固定して
いることが判った。
【0022】
【表2】
【0023】<実施例3〜6>樹皮の種類によるホルム
アルデヒドの吸収能力を調べた。試料として、ヒバの樹
皮チップ(実施例3)、スギの樹皮チップ(実施例
4)、カラマツの樹皮チップ(実施例5)及びアカマツ
の樹皮チップ(実施例6)をそれぞれ約2g用意した。
これらの樹皮チップは、樹皮をハンマーミルを用いてほ
ぼ同一の粒度まで粉砕して作製した。
【0024】<比較評価3>上記(a)と同じ内容積の更
に別のデシケータを用い、このデシケータの底部に上記
(a)と同様に蒸留水が入った結晶皿を置いた。またこの
デシケータの目皿の上に上記(a)と同じ濃度のホルマリ
ンが1ml入った秤量瓶と、実施例3〜6の樹皮チップ
の試料を置いて蓋をして20℃の恒温室に48時間静置
した。48時間後の結晶皿の蒸留水中に吸収されたホル
ムアルデヒドの量をJISA 5908に記載されたア
セチルアセトン法により測定し、樹皮チップ1g当りで
減少するホルムアルデヒドの量を求めた。その結果を表
3に示す。表3から明らかなように、靱皮繊維を多く含
んだ実施例3及び4は、靱皮繊維を殆ど含まない実施例
5及び6に比べて、ホルムアルデヒドの吸収能力に優れ
ていることが判った。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の建築材料に
よれば、ホルムアルデヒドガスのような大気汚染物質が
放散される雰囲気で使用することにより、この大気汚染
物質を効率良く吸収して大気を浄化することができる。
特に接着剤の接着性能が著しく低下しない程度にホルム
アルデヒド含有量を減じたユリア樹脂やメラミン樹脂を
用いた合板又はボード類を住宅室内の内装材に使用した
ときでも、これらの合板又はボード類と併用して室内大
気を浄化することができる。また表面に化粧層を設けて
も、化粧層とともに板状体の表面に複数の孔又は複数の
凹溝を設けることにより、表面が美麗でしかも大気汚染
物質を効率良く吸収して大気を浄化する建築材料が得ら
れる。更に本発明によれば、これまで樹木のうち樹皮は
廃棄物として処分されるか、或いは焼却されるに過ぎな
い樹皮を有効活用し、地球環境を改善する利点も有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大気汚染物質吸収用建築材料の外観斜
視図。
【図2】本発明の別の大気汚染物質吸収用建築材料の外
観斜視図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】図2のB−B線断面図。
【図5】本発明の化粧層を表面に有する大気汚染物質吸
収用建築材料の外観斜視図。
【図6】本発明の化粧層を表面に有する別の大気汚染物
質吸収用建築材料の外観斜視図。
【図7】図5のC−C線断面図。
【図8】図6のD−D線断面図。
【図9】本発明の化粧層を表面に有する更に別の大気汚
染物質吸収用建築材料の外観斜視図。
【符号の説明】
10 大気汚染物質吸収用建築材料 10a 板状体 10b 化粧層 11 孔 12 凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DH23 EA08 FA24 GA12 GA17 GA81 HC01 4C080 AA03 BB02 CC12 HH05 KK08 MM31 QQ03 4G066 AB05D AB10D AC02B BA01 BA02 BA20 BA25 CA52 DA03 FA21 FA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹皮をチップ状又はファイバ状に粉砕し
    た粉砕物を50〜100重量%含む原料を板状体(10a)
    に成形した大気汚染物質吸収用建築材料(10)であって、 前記板状体(10a)が厚さ5〜100mmであって、前記
    板状体(10a)の表面に直径2〜50mmの複数の孔(11)
    又は幅1〜30mmの複数の凹溝(12)のいずれか一方又
    は双方を有することを特徴とする大気汚染物質吸収用建
    築材料。
  2. 【請求項2】 板状体(10a)の表面が化粧層(10b))によ
    り被覆され、前記化粧層(10b)とともに前記板状体(10a)
    の表面に複数の孔(11)又は複数の凹溝(12)のいずれか一
    方又は双方を有する請求項1記載の大気汚染物質吸収用
    建築材料。
  3. 【請求項3】 孔(11)が貫通孔又は有底孔のいずれか一
    方又は双方である請求項1又は2記載の大気汚染物質吸
    収用建築材料。
  4. 【請求項4】 板状体(10a)の比重が0.2〜0.7で
    ある請求項1ないし3いずれか記載の大気汚染物質吸収
    用建築材料。
  5. 【請求項5】 樹皮の粉砕物がスギ、ヒノキ、イチイ、
    ベイマツ、ベイツガ及びヒバからなる群より選ばれた1
    種又は2種以上の靱皮繊維を含む針葉樹の樹皮の粉砕物
    である請求項1ないし4いずれか記載の大気汚染物質吸
    収用建築材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005514541A (ja) * 2002-01-11 2005-05-19 アバディーン ユニバーシティ 通気外装パネル

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