JP2001201821A - 強靱な反射型画像ディスプレー材料 - Google Patents

強靱な反射型画像ディスプレー材料

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JP2001201821A JP2000390387A JP2000390387A JP2001201821A JP 2001201821 A JP2001201821 A JP 2001201821A JP 2000390387 A JP2000390387 A JP 2000390387A JP 2000390387 A JP2000390387 A JP 2000390387A JP 2001201821 A JP2001201821 A JP 2001201821A
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トーマス アイルワード ピーター
Paul Boadreis Robert
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ドミニク キャンプ アルフォンズ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストが低く、優れた白色性および彩度を有
する強靱な耐引掻性ディスプレー材料に対する継続的な
要求が存在する。本発明の目的は、従来の反射型ディス
プレー材料の不都合を克服することである。もう1つの
目的は、コストがより低く、高品質の反射型ディスプレ
ー材料を提供することである。 【解決手段】 本発明は、少なくとも1層の感光層、並
びに紙シートによって隔てられた上部および下部の二軸
配向ポリマーシートを含むベース材料を含んでなる写真
要素であって、前記ベース材料が 254μm を超える厚
み、いずれの方向においても 325mNを超える剛性、0.30
〜6.35mmの空間周波数において0.45μm 未満の上部の表
面粗さ、および15%未満の透過率を有する写真要素に関
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真材料に関する。
好ましい形態において、本発明は、写真用反射型ディス
プレーのためのベース材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真ディスプレー材料が、広告、並びに
写真画像の装飾的ディスプレーに利用されることは当該
技術分野において知られている。これらのディスプレー
材料は広告に使用されるので、当該ディスプレー材料の
画質は、広告されている製品またはサービスの良質なメ
ッセージを表現する点で重要である。さらに、写真ディ
スプレー画像は、そのディスプレー材料およびその伝達
しようとする所望のメッセージに消費者の注意を引きつ
けようとするものであるので、インパクトの強いもので
あることが必要である。ディスプレー材料の典型的な用
途としては、公共の場、例えば空港、バス、スポーツの
スタジアムにおける製品およびサービスの広告、映画ポ
スター、並びに芸術写真が含まれる。良質の高インパク
ト写真ディスプレー材料の望ましい特性は、僅かな青濃
度最小値、耐久性、鮮鋭性、および平坦性である。ディ
スプレー材料は代替のディスプレー材料技術、主に紙の
上の平版画像と比較して高価なものとなりがちであるの
で、コストもまた重要である。伝統的なカラーペーパー
は、取扱い、写真処理、および大判画像のディスプレー
における耐久性が欠如しているのでディスプレー材料と
しては望ましくない。
【0003】カラーペーパーの形成において、そのベー
ス紙にポリマー、概してポリエチレンの層を適用するこ
とが知られている。この層は、紙に耐水性を提供するの
に役立つと共に、その上に感光性層を形成するための平
滑な表面を提供する。ポリエチレン層の適当なレイダウ
ンおよび冷却を確保するには著しい注意力と費用とを必
要とするので、好適な平滑面を形成することは困難であ
る。好適な平滑面の形成により、改良されたベースの反
射特性が従来の材料よりもさらに鏡面となるにつれて当
該ディスプレー材料はより明らかな(黒の)シマリを有
することになるので、画質も改良されるであろう。白色
はさらに白く、黒色はさらに黒くなるので、その間の範
囲がより広いものとなり、それゆえにコントラストが高
められる。さらに信頼性が高く、しかも改良された表面
をより安価に形成することができれば望ましいであろ
う。
【0004】従来技術の写真用反射型ディスプレー材料
は、蛍光増白剤および他の白色化材料、並びに色味剤の
ためのキャリアー層としても役立つ溶融押出ポリエチレ
ン層を含んでなる。蛍光増白剤、白色化材料および色味
剤をポリエチレンの単一層の隅々に分散させるのではな
く、層の表面のより近くに集中させることができれば望
ましく、それらは光学的にさらに有効なものになるであ
ろう。
【0005】従来技術の写真用反射型ディスプレー材料
は、ゼラチンを塗布した不透明化ポリエステルベースシ
ート上に感光性ハロゲン化銀乳剤が直接塗布されてい
る。この乳剤は像形成要素を不透明化する材料をまった
く含有していないので、白色顔料、例えばBaSO4
ポリエステルベースシートに添加することで、不透明性
および所望の反射特性の両方を像形成要素に提供してい
る。また、蛍光増白剤をポリエステルベースシートに添
加して、紫外線光源の存在下でシートに青味を生じさせ
る。白色顔料をポリエステルシートに添加すると、製造
効率の低下または画質の低下のいずれかを招くことがあ
る多くの製造上の問題を引き起こす。白色顔料をポリエ
ステルベースに添加すると、写真用ディスプレー材料の
製造効率を低下させるダイ筋および顔料の凝集などの製
造上の問題を引き起こす。蛍光増白剤、白色化材料、お
よび色味剤を、ポリエステルベースシートの隅々に分散
させるのではなく、その表面のより近くに集中させるこ
とができれば望ましく、それらの材料は光学的にさらに
有効なものになり、製造効率が向上するであろう。
【0006】ポリエステルベースを有する従来技術の反
射型写真材料は、TiO2 顔料が加えられたポリエステ
ルベースを使用し、その上に感光性ハロゲン化銀乳剤が
塗布されている。10%〜25%のTiO2 を含有している
不透明ポリエステルを写真用支持体として使用すること
が、国際公開公報第 WO 94/04961号明細書において提案
されている。ポリエステル中のTiO2 は、反射型ディ
スプレー材料に望ましくない乳光の外観を与える。Ti
2 顔料が加えられたポリエステルはまた、TiO2
厚み全体(概して 100〜 180μm )にわたって分散させ
なければならないために高価でもある。TiO2 はま
た、ポリエステル支持体に僅かな黄色味を与えるので、
写真用ディスプレー材料としては望ましくない。写真用
ディスプレー材料として使用するためには、TiO2
含有しているポリエステル支持体に青い色合いを付け
て、望ましい白色性の低下の原因となるポリエステルの
黄色味を相殺しなければならず、ディスプレー材料のコ
ストを上乗せすることになる。反射型ディスプレー支持
体がベースにTiO2 をまったく含有せず、しかもTi
2 を感光性乳剤の近くに集中させることができれば望
ましいであろう。
【0007】従来技術の写真用ディスプレー材料は支持
体のベースとしてポリエステルを使用する。概してポリ
エステル支持体は、必要とされる剛性を提供するには 1
50〜250μm の厚みとなる。ベース材料が薄いほどコス
トも低くなり、ロールの質量が減少し、その直径も小さ
くなるので、効率の良いロールの取り扱いが可能となる
であろう。必要とされる剛性を有するけれども、コスト
を削減し、かつロールの取扱効率を向上させるより薄い
ベース材料を使用するのが望ましいであろう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】コストが低く、優れた
白色性および彩度を有する強靱な耐引掻性ディスプレー
材料に対する継続的な要求が存在する。
【0009】本発明の目的は、従来の反射型ディスプレ
ー材料の不都合を克服することである。
【0010】もう1つの目的は、コストがより低く、高
品質の反射型ディスプレー材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的お
よびその他の目的は、少なくとも1層の感光層、並びに
紙シートによって隔てられた上部および下部の二軸配向
ポリマーシートを含むベース材料を含んでなる写真要素
であって、前記ベース材料が 254μm を超える厚み、い
ずれの方向においても 325mNを超える剛性、0.30〜6.35
mmの空間周波数において0.45μm 未満の上部の表面粗
さ、および15%未満の透過率を有する写真要素によって
達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、当該技術分野における
従来の慣例に勝る無数の利点を有する。本発明は、その
好ましい態様において、ディスプレー材料がオーバーラ
ミネートされるので、耐引掻性で、コストが低いディス
プレー材料を提供する。この材料は、優れた色再現、優
れた白色性、および鮮鋭度を提供する。この材料は、画
像形成のためのディジタル処理が容易である。この材料
は、エッジおよびテキストの大きなフリンジングを有す
ること無く、優れた最大濃度を提供する。この製品は優
れた色域を有し、より広い範囲の色を再現することがで
きる。そのうえ、本発明のベース要素をディジタル処理
に適合した優れた乳剤と組み合わせると、白色はより白
く、黒色はより黒くなるので、相乗効果が得られ、かつ
ベースが非常に反射性であるので、テキストのフリンジ
ングおよびラスタリングの無い極めて鮮鋭なエッジを有
する状態で、ピクトリアルシーンおよびテキストの両方
を兼備することができる。本発明において利用される積
層ベース材料は、上部積層物 (overlaminate) をより薄
くすることが可能であり、それにより、以前の製品と比
較して同等の剛性を維持しつつ、コスト削減並びに製品
の軽量化を達成する優れた剛性を有する。
【0013】本発明の反射型ディスプレー材料は、従来
の材料と比較して、より白い白色を有する。従来の材料
は、大量の白色顔料がポリエステルベースシート中にあ
るので、幾分黄色く、最小濃度がより高い。紙ベース中
に大量の白色TiO2 を添加する場合は概して、望まし
い中性の反射性白色ではなく幾分黄味がかったものにな
る。本発明のディスプレー材料は、二軸配向ポリオレフ
ィンシートの上部の表面上に有効な反射層が存在するた
めに、より高いアキュータンスを有するので、より鮮鋭
な画像を提供する。本発明のディスプレー材料では、従
来製品よりも、低い方の濃度はより低く、高い方の濃度
の量は視覚的に高くなるので、視覚上のコントラストが
向上する。このディスプレー材料は、改良されたベース
の反射特性が従来の材料よりも鏡面であるので、より高
い最高黒色を有する。白色はより白く、黒色はより黒く
なるので、その間の範囲がより広くなり、ゆえにコント
ラストが高められる。これらの利点およびその他の利点
は、下記の詳細な説明から明らかであろう。
【0014】本明細書において使用される「頂部」、
「上部」、「乳剤側」、および「表」という用語は、写
真部材の、像形成層がある側の面または面方向を意味す
る。「底部」、「下部」、および「裏」という用語は、
写真部材の、感光性像形成層または現像された画像とは
反対側の面または面方向を意味する。
【0015】本発明の好ましい態様では、 200g/m2を超
える斤量を有する紙シートが利用される。このような斤
量により、より高価な上部積層物の厚みを下げる(薄く
する)ことが可能であり、結果として大幅なコスト削減
となる。そのうえ、紙シートの斤量が重いほど、高品質
な触感が提供される。 170〜 230μm の厚みを有する紙
シートがもっとも望ましい。これらの材料をディスプレ
ーブースにおけるビジュアルサイン伝達として使用する
場合、その優れた質量、厚み、および剛性により、垂れ
下がりが最小化される。好ましい態様において、ディス
プレー材料を提供する材料は剛性がより高いので、 325
〜 650mNの剛性の写真要素が望ましい。上部積層物を有
する写真要素は自立型となる。
【0016】本発明の積層ベースの頂部面上のシートに
は、高性能二軸配向ポリオレフィンシートを利用するこ
とができる。ボイドはTiO2 を使用することなく不透
明性を提供するため、ミクロボイド化複合二軸配向シー
トが好ましい態様である。ミクロボイド化複合配向シー
トは、コア層と表面層とを共押出し、続いて二軸配向さ
せ、それにより、コア層中に含有されているボイド開始
材料の周りにボイドを形成させることによって製造する
のが便利である。このような複合シートは、例えば、米
国特許第 4,377,616号、同 4,758,462号、および同 4,6
32,869号の各明細書において開示されている。
【0017】好ましい頂部面複合シートのコアは、シー
トの全厚の15〜95%、好ましくは全厚の30〜85%である
べきである。従って、非ボイド化表皮層(複数であって
もよい)は、シートの5〜85%、好ましくは厚みの15〜
70%であるべきである。
【0018】頂部面複合シートの密度(比重)は、「中
実密度のパ−セント」で表すと、以下のように算出さ
れ、 45%〜 100%、好ましくは67〜 100%であるべきであ
る。中実密度のパーセントが67%未満になると、引張強
さの低下のために頂部面複合シートの加工性が低下し、
物理的損傷をより受け易くなる。
【0019】頂部面複合シートの全厚は、12〜 100μm
、好ましくは20〜70μm の範囲とすることができる。2
0μm 未満では、ミクロボイド化シートは、支持体固有
の非平坦性を最小化するのに十分厚くはなく、製造する
のがさらに困難になるであろう。70μm を超える厚みで
は、表面の平滑性または機械的性質のいずれについても
改良が殆ど見られないので、余分の材料に起因するコス
トのさらなる増大を正当化する理由は殆ど無い。
【0020】本明細書で使用される「ボイド」は、添加
された固体および液体が無いこと(「ボイド」は気体を
含有していることが多い)を意味する。完成パッケージ
ングシートコアに残留するボイド開始粒子は、所望の形
状および大きさのボイドを生ずるには、直径は 0.1〜10
μm であり、好ましくは形状が丸いものであるべきであ
る。ボイドの大きさはまた縦方向および横方向の配向度
にも依存する。理想的には、ボイドは、対向し、かつ縁
が接触している2つの凹型の円板によって規定される形
状をとるであろう。換言すれば、ボイドはレンズ状また
は両凸の形状を有する傾向がある。ボイドは、2つの主
次元がシートの縦方向および横方向に並ぶように配向さ
せられる。Z方向軸は副次元であり、おおよそボイド化
粒子の断面直径の大きさである。これらのボイドは一般
に独立気泡になる傾向があり、従って、そこを通って気
体または液体が通り抜けることができるような、ボイド
化コアの一方の側面から他方の側面へと開いている経路
は事実上存在しない。
【0021】ボイド開始材料は種々の材料から選ぶこと
ができ、コアマトリックスポリマーの質量に対して約5
〜50質量%の量で存在すべきである。好ましくは、ボイ
ド開始材料は高分子材料を含んでなる。高分子材料を使
用する場合、その高分子材料は、コアマトリックスの製
造に用いるポリマーと溶融混合することができ、かつ懸
濁液を冷却するにつれて分散球状粒子を形成することが
できるポリマーであってもよい。これらの例には、ポリ
プロピレン中に分散されたナイロン、ポリプロピレン中
のポリブチレンテレフタレート、またはポリエチレンテ
レフタレート中に分散されたポリプロピレンが含まれ
る。ポリマーを予め造形し、マトリックスポリマー中に
配合する場合、重要な特性は粒子の大きさおよび形状で
ある。球体が好ましく、中空または中実であってもよ
い。これらの球体は、一般式がAr−C(R)=CH2
(式中、Arは芳香族炭化水素ラジカル、またはベンゼ
ン系列の芳香族ハロ炭化水素ラジカルを表し、Rは水素
またはメチルラジカルである)であるアルケニル芳香族
化合物;アクリレートタイプのモノマー、例えば式CH
2 =C(R’)−C(O)(OR)(式中、Rは水素お
よび約1〜12個の炭素原子を含有しているアルキルラジ
カルからなる群より選ばれ、R’は水素およびメチルか
らなる群より選ばれる)のモノマー;塩化ビニルおよび
塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよび塩化ビニル、
臭化ビニル、式CH2 =CH(O)COR(式中、Rは
2〜18個の炭素原子を含有しているアルキルラジカルで
ある)を有するビニルエステルのコポリマー;アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、オレイン酸、ビニル安息香酸;テレフ
タル酸およびジアルキルテレフタル酸もしくはそのエス
テル形成性誘導体を、HO(CH2n OH(式中、n
は2〜10の範囲内にある整数である)系列のグリコール
と反応させることによって調製され、反応性オレフィン
系結合をポリマー分子内に有する合成ポリエステル樹脂
(上述のポリエステルには、反応性オレフィン系不飽和
を有する第二の酸もしくはそのエステルおよびそれらの
混合物が共重合されて、その中に20質量%以下含まれて
いる)からなる群より選ばれたものである架橋ポリマー
から製造することができ、架橋剤は、ジビニルベンゼ
ン、ジエチレングリコールジメタクリレート、フマル酸
ジアリル、フタル酸ジアリルおよびそれらの混合物から
なる群より選ばれる。
【0022】架橋ポリマーを製造するための典型的なモ
ノマーの例には、スチレン、アクリル酸ブチル、アクリ
ルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、二
メタクリル酸エチレングリコール、ビニルピリジン、酢
酸ビニル、アクリル酸メチル、ビニルベンジルクロライ
ド、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジビニルベンゼン、
アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルトル
エンなどが含まれる。好ましくは、架橋ポリマーはポリ
スチレンまたはポリメタクリル酸メチルである。もっと
も好ましくは、架橋ポリマーはポリスチレンであり、架
橋剤はジビニルベンゼンである。
【0023】当該技術分野において周知の方法では、ブ
ロードな粒径分布を特徴とする、大きさが不均一な粒子
が得られる。元々の粒径分布の範囲にわたるビーズを篩
分けすることによって、得られたビーズを分級すること
ができる。他の方法、例えば懸濁重合および限定凝集に
より、大きさが非常に均一な粒子が直接得られる。
【0024】ボイド開始材料に薬剤を塗布して、ボイド
生成を促進してもよい。好適な薬剤または滑剤には、コ
ロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、並びに金属酸化
物、例えば酸化スズおよび酸化アルミニウムが含まれ
る。好ましい薬剤はコロイド状のシリカおよびアルミナ
であり、もっとも好ましくはシリカである。薬剤の塗膜
を有する架橋ポリマーは当該技術分野において周知の手
順によって調製することができる。例えば、従来の懸濁
重合法であって、当該薬剤をその懸濁液に添加するもの
が好ましい。薬剤としては、コロイド状シリカが好まし
い。
【0025】ボイド開始粒子は、中実または中空のガラ
ス球、金属もしくはセラミックのビーズ、または無機粒
子、例えばクレー、タルク、硫酸バリウム、および炭酸
カルシウムなどの無機球体であってもよい。重要なこと
は、これらの材料がコアマトリックスポリマーと化学的
に反応して以下の問題の1つ以上を引き起すことがない
ことである。(a)マトリックスポリマーの結晶化動力
学が変化して、それを配向させるのが困難になること、
(b)コアマトリックスポリマーの分解、(c)ボイド
開始粒子の破壊、(d)ボイド開始粒子のマトリックス
ポリマーへの接着、または(e)望ましくない反応生成
物、例えば毒性の部分もしくは高度に着色した部分の発
生。ボイド開始材料は、写真的に活性であったり、二軸
配向ポリオレフィンフィルムが利用されている像形成要
素の性能を低下させたりするものであるべきではない。
【0026】ポリマーベース上の乳剤側の頂部二軸配向
シートとしては、好ましい複合シートの二軸配向シート
およびコアマトリックスポリマーとして好適な類の熱可
塑性ポリマーはポリオレフィンを含んでなる。好適なポ
リオレフィンには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リメチルペンテン、ポリスチレン、ポリブチレン、およ
びそれらの混合物が含まれる。プロピレンとエチレン、
例えばヘキセン、ブテン、およびオクテンとのコポリマ
ーなどのポリオレフィンコポリマーもまた有用である。
コストが低く、そして望ましい強度特性を有するので、
ポリプロピレンが好ましい。本発明において使用される
二軸配向シートは、高価な下塗りコーティングまたはエ
ネルギー処理の必要性を回避する一体型乳剤接着層を含
有している。本発明において使用される接着層は、二軸
配向シート上の低密度ポリエチレン表皮層である。本発
明のゼラチン系ハロゲン化銀乳剤層は、低密度ポリエチ
レンに対して良好に接着することが示されている。一体
型接着表皮層はまた、ゼラチン系ハロゲン化銀画像要素
の本来の黄色度を補正する青の色味剤のためのキャリア
ーとしても役立つ。これらの青の色味剤を薄い表皮層に
集中させることにより、単一の厚いポリエチレン層中に
分散された青の色味剤を含有している従来技術の写真印
画紙と比較して、高価な青の色味剤の量が低減される。
【0027】頂部および底部の複合シートの非ボイド化
表皮層は、コアマトリックスについて上記に列挙したも
のと同じ高分子材料から製造することができる。複合シ
ートは、コアマトリックスと同じ高分子材料の表皮層
(複数であってもよい)を用いて製造することができ、
またはコアマトリックスとは異なる高分子組成物の表皮
層(複数であってもよい)を用いて製造することができ
る。適合性を得るために、補助層を使用して、表皮層の
コアへの接着を強めることができる。
【0028】最頂部の表皮層または露出表面層の全厚
は、0.20〜 1.5μm 、好ましくは 0.5〜 1.0μm である
べきである。 0.5μm 未満では、共押出された表皮層に
固有の非平坦性により許容しがたい色変動が生ずること
になる。 1.0μm を超える表皮層厚みでは、写真光学特
性、例えば画像解像度が低下する。 1.0μm を超える厚
みではまた、凝塊、カラー顔料の分散不良、または汚染
などの汚染のために濾過すべき材料の容積が大きくな
る。
【0029】最頂部の表皮層に添加剤を添加して、像形
成要素の色を変化させてもよい。写真用途には、僅かに
青味がかった白色ベースが好ましい。当該技術分野にお
いて知られているいずれかの方法、例えば着色剤濃厚物
を押出前に機械配合すること、および所望の配合比で予
め配合された青色着色剤を溶融押出することによって、
僅かな青味を加えることができる。表皮層の共押出には
320℃を超える温度が必要であるので、 320℃を超える
押出温度に耐えることができる着色顔料が好ましい。本
発明において使用される青色着色剤は、像形成要素に悪
影響を及ぼさないならいずれの着色剤であってもよい。
好ましい青色着色剤には、フタロシアニン (Phthalocya
nine) 青色顔料、クロモフタール (Cromophtal) 青色顔
料、イルガジン(Irgazin) 青色顔料、イルガライト (Ir
galite) 有機青色顔料、および顔料ブルー60(Blue 6
0) が含まれる。
【0030】本発明の1つの詳細は、共押出し、その
後、幅方向および長さ方向に延伸することによって、乳
剤層の直下の表面に極薄コーティング( 0.2〜 1.5μm
)を製造することができることである。この層は、本
来、厚みが極めて正確であり、この層を使用して、通常
は乳剤とポリマーベースとの間のシートの厚み全体にわ
たって分布している色補正剤のすべてを提供することが
できることが見出された。この最頂部層は極めて効率的
であるので、補正を行うのに必要とされる全着色剤は、
着色剤を厚み全体に分散させる場合に必要とされる量の
半分未満である。着色剤は凝塊および分散不良に起因す
るスポット欠陥の原因となることが多い。本発明によれ
ば、より少量の着色剤が使用され、着色剤を含むポリマ
ーの全容積が、ベースポリマーと感光層との間の全ポリ
マーの概して2〜10%でしかないので、着色層を清浄に
するための高品質濾過をはるかに容易に実行可能である
ため、画像の商業的価値を低下させるスポット欠陥が改
良される。
【0031】本発明の写真要素の層へのTiO2 または
当該技術分野において既知の他の白色顔料の添加は、頂
部シートの光学性能に寄与する。本発明の好ましい態様
において、TiO2 は、ボイド化層と感光性ハロゲン化
銀乳剤との間の頂部二軸配向ポリマーシートの表皮層中
に配置される。TiO2 は、画像の鮮鋭度を高め、並び
に写真要素の全体としての不透明度および白色度に寄与
するので好ましい。二軸配向ポリマーシートをベース基
材に接着させるのに使用されるつなぎ層に、さらなる白
色顔料を添加してもよい。この場合、これらの顔料は不
透明度および鮮鋭度の改良に寄与する。
【0032】二軸配向シートを表面から見る場合に、像
形成要素が紫外線に露光されると可視スペクトル光を発
光するように、本発明の二軸配向シートに添加剤を添加
してもよい。可視スペクトル光の発光により、紫外線エ
ネルギーの存在下で支持体が所望のバックグラウンドカ
ラーを有することが可能となる。これは、紫外線エネル
ギーを含有している光の下で画像を見る場合に特に有用
であり、これを使用して、消費者用途および商業用途に
画質を最適化することができる。二軸配向ポリマーシー
ト中の白色顔料の選択は、写真画像を紫外線で照明する
場合に重要である。場合によっては、アナターゼ型のT
iO2 が、より少ない紫外線エネルギーの吸収で、青領
域におけるより強い照明を提供するので好ましい。主た
る白色顔料としてBaSO4 を使用すると、紫外線吸光
度が非常に低く、ゆえに、可視青色光の反射が強く、デ
ィスプレー材料を非常に白く見せるので好ましい。優れ
た鮮鋭度が望まれる場合には、ルチル型のTiO2 が好
ましい。
【0033】青スペクトルの可視光を発光することが当
該技術分野において知られている添加剤が好ましい。消
費者は、一般に、0から1b* 単位以内のb* で定義さ
れる白い白色と比較して、負のb* で定義される僅かに
青味を加えた白色の方を好む。b* はCIE表色系にお
ける黄色/青色の尺度である。正のb* は黄色を示し、
負のb* は青色を示す。青スペクトルにおいて発光する
添加剤の添加により、画像の白色度を低下させる着色剤
を添加すること無く支持体を色付けすることが可能とな
る。好ましい発光は、1〜5Δb* 単位である。Δb*
は、試料を紫外線光源によって照射した場合と紫外線エ
ネルギーをまったく含まない光源によって照射した場合
とで測定されるb* の差として定義される。Δb* は、
本発明の頂部二軸配向シートに蛍光増白剤を添加したこ
との正味の効果を測定するのに好ましい尺度である。大
抵の消費者は1b* 単位未満の発光に気づくことができ
ないので、二軸配向シートに蛍光増白剤を添加するのは
原価効率が高くない。5b * 単位を超える発光は、プリ
ントの色バランスを崩し、大抵の消費者にとって青過ぎ
るように見える白色を生ずる。
【0034】本発明の好ましい添加剤は蛍光増白剤であ
る。蛍光増白剤は、紫外線を吸収し、それを可視青色光
として発光する、無色の蛍光有機化合物である。例とし
ては、 4,4'-ジアミノスチルベン-2,2'-ジスルホン酸の
誘導体、クマリン誘導体、例えば4-メチル -7-ジエチル
アミノクマリン、1,4-ビス (o-シアノスチリル) ベンゾ
ール、および2-アミノ -4-メチルフェノールが含まれる
けれども、これらに限定されるものではない。
【0035】多層共押出二軸配向ポリオレフィンシート
中のいずれの層に蛍光増白剤を添加してもよい。好まし
い位置は、二軸配向シートの最頂部の表面層に隣接して
いるか、または最頂部の表面層の中である。この位置に
添加することにより、蛍光増白剤を効率的に集中させ、
結果として、伝統的な写真用支持体と比較して、使用さ
れる蛍光増白剤をより少なくすることが可能となる。蛍
光増白剤の所望の添加質量%が、蛍光増白剤が支持体の
表面にマイグレーションして像形成層中に結晶を形成す
る濃度に近づき始める場合は、露出層に隣接する層の中
に蛍光増白剤を添加するのが好ましい。蛍光増白剤のマ
イグレーションが感光性ハロゲン化銀像形成システムに
とっての懸念となる場合には、露出層がポリエチレンを
含んでなるのが好ましい。この場合、露出層に隣接して
いる層からのマイグレーションがかなり減少し、はるか
に多量の蛍光増白剤を使用して画質を最適化することが
可能となる。露出層に隣接する層に蛍光増白剤を配置す
ることにより、露出層(実質的に蛍光増白剤を含まな
い)が蛍光増白剤のマイグレーションをかなり防止する
ので、より安価な蛍光増白剤を使用することが可能とな
る。好ましくない蛍光増白剤のマイグレーションを低減
するもう1つの好ましい方法は、露出層に隣接している
層にポリプロピレンを使用することである。蛍光増白剤
はポリエチレンよりもポリプロピレンに溶解し易いの
で、蛍光増白剤がポリプロピレンからマイグレーション
しにくい。
【0036】本発明の二軸配向シートはミクロボイド化
コアを有するものが好ましい。ミクロボイド化コアは不
透明度および白色度を像形成支持体に付与して画質をさ
らに向上させる。ミクロボイド化コアと紫外線エネルギ
ーを吸収して可視スペクトル光を発光する材料との画質
面での利点を組み合わせると、画像支持体が紫外線エネ
ルギーに曝された際に色味を有することができ、何らか
のタイプの屋内光などの、大量の紫外線エネルギーを含
有していない照明を使用して画像を見る場合でもなお優
れた白色度が保持されるので、画質を特異的に最適化す
ることが可能となる。垂直方向のボイドの数が実質的に
すべての点で6を超えているのが好ましい。垂直方向の
ボイドの数とは、ボイド化層中に存在するポリマー/気
体の界面の数である。ボイド化層は、屈折率がポリマー
/気体の界面間で変化するので、不透明層として機能す
る。4個以下のボイドでは、フィルムの不透明性の改良
は殆ど認められず、従って、本発明の二軸配向シートを
ボイド化するための追加の出費が正当化されないので、
6個を超えるボイドが好ましい。
【0037】二軸配向頂部シートは、白色性または鮮鋭
性などの写真応答を向上させることが知られている顔料
を含有していてもよい。本発明では、画像の鮮鋭性を向
上させるために二酸化チタンを使用する。使用されるT
iO2 はアナターゼタイプまたはルチルタイプのいずれ
であってもよい。光学特性の場合は、特異な粒径および
幾何学的形状の故にルチルが好ましい。さらに、アナタ
ーゼおよびルチルの両方のTiO2 を配合して白色性お
よび鮮鋭性の両方を改良してもよい。写真システムにお
いて許容可能なTiO2 の例は、Dupont Chemical Co.
のR101ルチルTiO2 およびDuPont Chemical Co. のR1
04ルチルTiO2 である。二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、クレー、または炭酸カルシウムなどの、写真応答を
向上させる他の顔料を本発明において使用してもよい。
本発明の二軸配向シートへのTiO 2 の好ましい添加量
は18〜24質量%である。12%未満のTiO2 では、二軸
配向シートの必要とされる反射濃度を得ることが困難で
ある。28%を超えるTiO2では、ベースポリマーと比
較して大量のTiO2 を押出するという問題の故に、製
造効率が低下する。ヒンダードアミン光安定剤(HAL
S)とは、2,2,6,6-テトラメチルピペリジンに源を発す
るヒンダードアミン化合物の一般的な群に由来するもの
であり、ヒンダードアミン光安定剤という用語をヒンダ
ードピペリジン類似体に使用することは許容されてい
る。これらの化合物は、酸素の存在下でのポリプロピレ
ンの光酸化を妨げる安定なニトロキシルラジカルを形成
し、それにより、像形成要素の優秀な長期写真安定性を
提供する。
【0038】本発明のディスプレー材料は、熱、湿度、
および紫外線量の変化に付されるので、HALSを使用
して配向ポリマーを安定化させる。ヒンダードアミン
は、最終製品におけるマイグレーションを最小化するの
に十分なモル質量を有し、好ましい濃度でポリプロピレ
ンと混和性であり、かつ最終製品に色を付けない。好ま
しい態様におけるHALSの例には、ポリ[[6-[(1,1,3,
3-テトラメチルブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン -4-ピ
ペリジニル]-イミノ]-1,6-ヘキサンジイル[(2,2,6,6-テ
トラメチル -4-ピペリジニル) イミノ]](Chimassorb 9
44 LD/FL)、Chimassorb 119、およびビス (1,2,2,6,6-
ペンタメチル -4-ピペリジニル)[3,5-ビス(1,1-ジメチ
ルエチル -4-ヒドロキシフェニル) メチル] ブチルプロ
パンジオエート(Tinuvin 144 )が含まれるけれども、
これらの化合物に限定されるものではない。
【0039】さらに、上記フィルムは、ポリプロピレン
の熱安定化のために一般的に使用されているヒンダード
フェノール一次酸化防止剤のいずれかを単独で、または
二次酸化防止剤と組み合わせて含有していてもよい。ヒ
ンダードフェノール一次酸化防止剤の例には、ペンタエ
リトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ -t-ブチル -4-ヒドロ
キシフェニル) プロピオネート] (例えばIrganox 101
0)、オクタデシル 3-(3,5-ジ -t-ブチル -4-ヒドロキ
シフェニル) プロピオネート(例えばIrganox 1076)、
ベンゼンプロパン酸3,5-ビス (1,1-ジメチル)-4-ヒドロ
キシ-2[3-[3,5-ビス (1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキ
シフェニル]-1-オキソプロピル] ヒドラジド(例えばIr
ganox MD1024)、 2,2'-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ
-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) プロピオネート]
(例えばIrganox 1035)、1,3,5-トリメチル -2,4,6-ト
リ (3,5-ジ -t-ブチル -4-ヒドロキシベンジル) ベンゼ
ン(例えばIrganox 1330)が含まれるけれども、これら
の例に限定されるものではない。二次酸化防止剤には、
トリフェニルホスフィット(例えばIrgastab TPP)、ト
リ (n-プロピルフェニル−ホスフィット) (例えばIrga
stab SN-55)、2,4-ビス (1,1-ジメチルフェニル) ホス
フィット(例えば Irgafos 168)などの例を含む有機ア
ルキルホスフィットおよび有機アリールホスフィットが
含まれ、好ましい態様においては Irgafos 168が含まれ
る。ヒンダードアミンと他の一次および二次酸化防止剤
との組み合わせは、溶融加工および押出の際にポリプロ
ピレンなどのポリマーに熱安定性を提供し、写真などの
像形成製品のための単層システムにおいては明白ではな
いそれらの明暗保存特性(light and dark keeping prop
erties) をさらに高めることによって、多層二軸配向ポ
リマーシートにおける相乗的な恩恵を有する。これらの
意外な結果は、像形成製品において利用することができ
るポリマーの範囲を広げ、その結果、像形成製品の設計
に導入されるべき特徴を強化することができる。
【0040】本発明の二軸配向ポリオレフィンシートの
好ましい分光透過率は15%未満である。分光透過率は材
料を透過した光エネルギーの量である。写真要素につい
ては、分光透過率は入射出力に対する透過出力の比であ
り、以下のように百分率で表される。 TRGB =10-D× 100 上式中、DはX-Rite 310型(または同等品)写真透過濃
度計によって測定される赤、緑、および青のステータス
A透過濃度応答の平均値である。透過率が高い程、材料
の不透明性は低い。反射型ディスプレー材料の場合、画
質は画像から観察者の眼に反射される光の量に関連す
る。分光透過率が高い反射画像では、観察者の目に十分
な光が届くことができず、画質の知覚的な損失が起こ
る。分光透過率が20%を超える反射画像は、画質が従来
技術の反射型ディスプレー材料に見合うものとなること
ができないので、反射型ディスプレー材料としては不適
格である。
【0041】本発明の二軸配向シートには、85%を超え
る反射濃度が好ましい。反射濃度は画像から観察者の眼
に反射する光エネルギーの量である。反射濃度は、X-Ri
te 310型(または同等品)写真透過濃度計を使用して、
0°/45°の幾何学的配置におけるステータスAの赤/
緑/青の応答によって測定される。画質を認識するには
十分な量の反射光エネルギーが必要である。75%未満の
反射濃度では反射型ディスプレー材料としては不適格で
あり、従来技術の反射型ディスプレー材料に見合うもの
とならない。
【0042】本発明の支持体材料は従来技術のベース材
料に勝るので、本発明において利用される支持体材料
は、ハロゲン化銀製品ではなくディジタル像形成技術の
ためのベース材料としても優れている。本発明において
利用される支持体材料の頂部にディジタル印刷インクま
たは染料の受容層を塗布することによって、従来技術の
材料よりも、画質および画像耐久性を向上させることが
できる。好適なディジタル印刷インクまたは染料受容層
技術の例には、インクジェット印刷受容層、感熱染料転
写受容層、および電子写真受容層が含まれる。好ましい
態様において、反射型ディスプレー材料は、画像、積層
ベース材料、および前記画像の頂部表面上に積層された
耐引掻性ポリマーシートを含んでなる。この積層ベース
材料は、紙シートによって隔てられた上部および下部の
二軸配向ポリマーシートを含んでなり、前記ベース材料
は 254μm を超える厚み、いずれの方向においても 325
mNを超える剛性、0.30〜6.35mmの空間周波数において0.
45μm 未満の上部の表面粗さ、および15%未満の透過率
を有する。
【0043】大いに好ましい態様における前記反射型デ
ィスプレー材料は、画像層の上に重なっている耐引掻性
ポリマーシートを備えていてもよい。ポリエステル、ポ
リオレフィン、またはポリアミドなどの、いずれの好適
なポリマーシートを使用してもよい。もっとも好ましい
態様において、このシートはポリカーボネートを含んで
なり、さらに、テクスチャード加工表面を備えていても
よい。ポリカーボネートは、強靱なポリマーシートであ
り、優れた耐引掻性を提供するので非常に望ましい。耐
引掻性ポリマーシートは3gを超える耐引掻性を有す
る。このことは、従来の慣例よりも広範な耐引掻性をお
よび改良された耐久性を提供するので好ましい。耐久性
があり、剛性が高いオーバーレイポリカーボネートシー
トが大いに好ましい。このようなシートは強靱なポスタ
ー材料に好適である。それは、ロールに巻いて保管し、
チューブに入れて輸送することができる。ポリカーボネ
ートを上塗りされた製品は従来の機械において加工する
には剛性が高すぎるけれども、ポリカーボネートの上塗
りは現像後に付加されるので、このことは問題ではな
い。
【0044】これらの複合シートの共押出、急冷、配
向、および熱固定は、フラットシート法またはバブルも
しくはチューブラー法などの、配向シートを製造するの
に当該技術分野において知られているいずれの方法で行
ってもよい。フラットシート法には、スリットダイを通
して配合物を押出し、押出されたウェブを冷却キャステ
ィングドラム上で迅速に急冷して、シートのコアマトリ
ックスポリマー成分および表皮層成分(複数であっても
よい)をそれらのガラス凝固温度未満に急冷することが
含まれる。次に、急冷されたシートを、マトリックスポ
リマーのガラス転移温度より高いけれども、溶融温度よ
り低い温度で互いに垂直な方向に延伸することによって
二軸配向させる。このシートを一方向に延伸し、次に第
二方向に延伸しても、または同時に両方向に延伸しても
よい。延伸比(縦方向および横方向の合計について最終
長さを原長で割ったものとして定義される)は少なくと
も10:1であるのが好ましい。シートを延伸した後、両
延伸方向における収縮に抗してシートをある程度拘束し
ながら、ポリマーを結晶化またはアニールするのに十分
な温度まで加熱することによって、シートを熱固定す
る。
【0045】頂部複合シートは、コアおよび各々の側面
の表皮層の少なくとも3層を有するのが好ましいと記載
したけれども、二軸配向シートの性質を変えるのに役立
つ追加層を備えていてもよい。二軸配向シートは、支持
体および写真要素の接着性を向上させ、またはそれらの
外観を提供する表面層を備えるように形成されていても
よい。二軸配向押出は、ある特定の所望の特性を達成す
るのに望まれる場合には、10層に及ぶ多数の層を用いて
実施することができる。
【0046】これらの頂部および底部の複合シートを、
共押出および配向過程の後に、またはキャスティングと
全配向との間に、プリント性などのシートの特性を向上
させるのに使用することができるいくつかの数のコーテ
ィングで塗布または処理して、蒸気バリヤーを提供し、
それらをヒートシール可能にし、または支持体もしくは
感光層への接着性を向上させてもよい。これらの例とし
ては、プリント性についてはアクリル系コーティング、
ヒートシール特性についてはポリ塩化ビニリデンコーテ
ィングがある。さらなる例としては、プリント性または
接着性を向上させるための火炎処理、プラズマ処理、ま
たはコロナ放電処理が含まれる。
【0047】ミクロボイド化コア上に少なくとも1層の
非ボイド化表皮層を有することにより、シートの引張強
さが増大し、加工性がより高くなる。それにより、すべ
ての層をボイド化してシートを製造する場合よりも、よ
り広幅で、かつより高い延伸比でシートを製造すること
が可能となる。これらの層を共押出することにより、製
造過程がさらに単純化される。ボイド化層およびTiO
2 を含有してい層に加えて、頂部側の二軸配向シートの
上部表面層はポリエチレンをさらに含んでなる。ポリエ
チレンは、写真乳剤中のゼラチンに対する優れた接着性
を有するので好ましい。さらなる態様においては、頂部
二軸配向シートの最底部層がポリエチレンまたはエチレ
ンコポリマーを含んでなる。このような場合、二軸配向
シートを紙ベースに接着させるのに使用される接着剤層
は低密度ポリエチレンであってもよい。こうすることに
は、低密度ポリエチレンがメタロセン低密度ポリエチレ
ンよりも安価である点で、若干のコスト上の利点があ
る。
【0048】像形成層が二軸配向ポリオレフィンシート
に適用されている好ましいディスプレー材料の構造は以
下の通りである。
【0049】 ────────────────────────── 画像層に隣接するポリエチレンの頂部層を有する 二軸配向ミクロボイド化ポリマーシート ────────────────────────── 高メルトインデックスポリエチレン {メルトインデックス(MI)>12} ────────────────────────── 紙ベース(> 200μm ) ────────────────────────── 高メルトインデックスポリエチレン {メルトインデックス(MI)>12} ────────────────────────── 二軸配向艶消しフィルム ────────────────────────── 導電層 ──────────────────────────
【0050】感光性ハロゲン化銀層の積層支持体とする
ためにミクロボイド化複合シートおよび二軸配向シート
がラミネートされる支持体は、所望の反射特性、透過特
性、および剛性を有するものであればいずれの紙シート
材料であってもよい。本発明の写真要素は、 254μm の
最小紙厚みを有するいずれの好適な写真用紙支持体(例
えば合成紙およびセルロース繊維紙)上にも調製するこ
とができる。
【0051】ポリエステルシートは、優れた強度および
寸法安定性を提供するので、支持体として好都合であ
る。このようなポリエステルシートは周知であり、広範
に使用されており、概して、二価アルコールと二塩基性
の飽和脂肪酸またはそれらの誘導体とを縮合させること
によって調製される高分子量ポリエステルから調製され
る。
【0052】このようなポリエステルの調製において使
用するのに好適な二価アルコールは当該技術分野におい
て周知であり、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレン
グリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの、
ヒドロキシル基が末端炭素原子上にあり、2〜12個の炭
素原子を含有しているいずれかのグリコールが含まれ
る。
【0053】ポリエステルの調製に有用な好適な二塩基
酸には、2〜16個の炭素原子を含有しているもの、例え
ばアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル
酸などが含まれる。酸、例えば上記に列挙したもののア
ルキルエステルもまた用いることができる。他のアルコ
ールおよび酸、並びにそれらから調製されるポリエステ
ルおよびそれらのポリエステルの調製については、米国
特許第 2,720,503号および同 2,901,466号の各明細書に
記載されている。ポリエチレンテレフタレートが好まし
い。
【0054】一般に、ポリエステルフィルム支持体は、
ポリエステルをスリットダイを通して溶融押出し、急冷
して非晶質状態とし、縦方向および横方向の延伸によっ
て配向させ、そして寸法拘束下で熱固定させることによ
って調製される。このポリエステルフィルムを熱緩和処
理に付して、寸法安定性および表面平滑性を向上させる
こともできる。
【0055】当該ポリエステルフィルムは、概して、ア
ンダーコートまたはプライマー層をポリエステルフィル
ムの両側に含有しているであろう。コーティング組成物
の支持体への接着性を高めるのに使用される下塗り層は
当該技術分野において周知であり、このような材料であ
ればいずれを用いることもできる。この目的のために有
用な組成物には、塩化ビニリデンのインターポリマー、
例えば塩化ビニリデン/アクリル酸メチル/イタコン酸
のターポリマーまたは塩化ビニリデン/アクリロニトリ
ル/アクリル酸のターポリマーなどが含まれる。これら
のおよび他の好適な組成物は、例えば、米国特許第 2,6
27,088号、同 2,698,240号、同 2,943,937号、同 3,14
3,421号、同 3,201,249号、同 3,271,178号、同 3,443,
950号、および同 3,501,301号などの各明細書に記載さ
れている。この高分子下塗り層は、通常は、ゼラチンを
含んでなる第2の下塗り層(概してゼラチンサブと呼ば
れる)でオーバーコートされる。
【0056】ベースはまた、米国特許第 4,912,333号、
同 4,994,312号、および同 5,055,371号の各明細書にお
いて開示されているものなどのミクロボイド化ポリエチ
レンテレフタレートであってもよい。
【0057】紙ベースを使用する場合は、ポリオレフィ
ン樹脂を使用して、ミクロボイド化複合シートをベース
ポリマーに押出積層するのが好ましい。押出積層は、ベ
ースシートと本発明の二軸配向ポリオレフィンシートと
の間に溶融押出接着剤を適用することにより二軸配向シ
ートとベースシートとを一緒にし、続いて2本のローラ
ーの間などのニップにおいてそれらをプレスすることに
よって行う。それらをニップに入れる前に、二軸配向シ
ートまたはベースポリマーのいずれかに溶融押出接着剤
を適用してもよい。好ましい態様においては、二軸配向
シートおよびベースポリマーと同時に接着剤をニップ中
に適用する。二軸配向ポリオレフィンシートをポリエス
テルベースに接着するのに使用される接着剤は、写真要
素に悪影響を及ぼさないものであればいずれの好適な材
料であってもよい。好ましい材料はメタロセン触媒エチ
レンプラストマーであって、ポリマーと二軸配向シート
との間のニップ中に溶融押出されるものである。メタロ
セン触媒エチレンプラストマーは、溶融押出が容易で、
本発明の二軸配向ポリオレフィンシートに良好に接着
し、かつ本発明のゼラチンサブを塗布されたポリエステ
ル支持体に良好に接着するので好ましい。もう1つの好
ましい溶融接着剤は、エチルメチルアクリレートまたは
さらに高メルトインデックスのポリオレフィン(例えば
ポリエチレン)である。
【0058】この態様の好ましい写真要素は、 325mNを
超える剛性、および 254μm を超える厚み、0.30〜6.35
mmの空間周波数において0.45μm 未満の表面粗さ、およ
び15%未満の透過率を有する。 325mN未満の剛性では、
写真処理機を通して支持体を搬送するのがより困難にな
る。 254μm をおける厚みは、写真ディスプレー材料の
地の触感をかなり加えるので好ましい。本発明のもっと
も好ましい態様では、紙シートの厚みは 170〜 224μm
である。この材料は画像および多くの場合テキストと共
に表示されるので、少なくとも 125ナノ秒〜 0.5秒の範
囲の露光時間を有する写真要素とすることが重要であ
る。このような感光性写真乳剤はディジタル方式に対す
る大きな適合性を提供するので、画像のフレアを伴わず
に、テキストおよび画像の両方を露光させ、現像するこ
とができる。非常に高いDmax およびDmin が達成され
る。そのうえ、前記写真要素が優秀な平滑性不透明性を
有することが重要である。
【0059】この態様の好ましい写真要素は、オレンジ
ピールを最小化するために0.30〜6.35mmの空間周波数に
おいて0.45μm 未満の表面粗さを有し、透き通しを最小
化するのに十分なレベルの不透明度を保証するために15
%未満の透過率を有する。好ましい態様において紙ベー
スを使用する場合、良好な取り扱いおよび光学的性質を
保証するには 200g/m2を超える斤量を有するのが望まし
い。本発明の写真要素の所望の剛性範囲は 325〜 650mN
である。 325mN未満では、搬送がより困難となり、保護
フィルムを上に積層する際に、ベースがしわになる傾向
を有することがある。 500〜 650mNのより高い剛性を有
する要素は、吊り下げされる際により自立性となり、殆
どの場合、非常に高価な上部積層物の厚みを下げること
ができ、結果としてかなりのコスト削減となるので望ま
しい。ディスプレー用の写真要素は非常に厚い顔料を加
えられたポリエステルシート上に作られることが多いの
で、ラボ業者は、反射性が高く、非常に平滑なベースシ
ートに慣れている。二軸配向シートおよび紙ベースを用
いて低コストの要素を形成する場合、非常に平滑な紙を
使用する必要があることがある。好ましい態様におい
て、写真要素は0.20〜0.50μm の上部の表面粗さを有す
るべきである。0.20未満の粗さを得ることも可能である
けれども、0.20未満の平滑性を達成すると収穫逓減とな
る点もあり、粗さが0.50を超えると、用途もまた限られ
る。粗さのパラメーターは、表面の二次元トレーシング
が可能なスタイラスタイプのパーソメーター(perthomet
er) を用いて測定される。このスタイラスは、一定速度
で、表面に対して垂直にトラバースされる。示される結
果は、DIN 4762、ISO 4287/1および4288において述べら
れているように、多くのサンプリング長の平均値であ
る。
【0060】紙ベースと二軸配向シートとの間の接着を
十分なものとするためには、接着層を使用して、上部お
よび下部の二軸配向シートを紙ベースシートに接着させ
る。本発明の接着材料は、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアミド、もしくはポリカーボネート、またはそ
れらのコポリマー誘導体などの溶融押出可能なポリマ
ー、あるいは室温接着剤のいずれかであってもよい。特
定のタイプの選択は、主として、ベース基材および二軸
配向ポリマーシートに依存する。
【0061】次に、本発明の好ましい写真要素は、画像
が完全に形成され、現像された後に、写真要素の画像の
頂部表面上に耐引掻性ポリマーシートを積層することに
よって、優れた反射型ディスプレー材料とされる。好ま
しい態様において、耐引掻性ポリマーシートはポリカー
ボネートシートである。上部積層物として優れた耐引掻
性ポリマーシートが望まれる場合には、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、およびポリアミドなどの他の上部積
層物を使用してもよいけれども、ポリカーボネートが優
れている。そのうえ、ポリカーボネートの厚いシートは
剛性を高め、製品に優れた触感を加える。耐引掻性ポリ
マーシートを選ぶ場合、このシートは、 0.2μg を超え
る力の耐引掻性を有するべきである。引掻試験は、試験
される材料の表面に制御された加重をかける機器で行わ
れる。スタイラスを使用して、実際に掻き傷を付ける。
異なる材料の間で引掻傾向を比較する際には、材料のタ
イプおよびスタイラスの幾何学的形状が重要である。材
料の組成、物理的粗さ、および厚みは、制御すべき重要
な要因である。価値を高め、耐引掻性を改良するための
もう1つの手段は、耐引掻性シート上にテクスチャード
加工表面を提供することである。テクスチャード加工表
面は、シートにエンボスしてもよいし、または上部積層
物としてのポリマーを写真要素に適用する前もしくはオ
ーバーラミネートした後に上部積層物としてのポリマー
の表面に適用してもよい。掻き傷、指紋、または他のも
のを最小化するには、写真要素の上部の表面粗さを0.20
〜0.50μm とするのが好ましい。テクスチャード加工表
面はまた、2層以上のポリマーをシートとして、または
粗さを有する層を達成するのに共押出を使用する場合に
は第2の層として押出することによって達成することも
できる。本発明のさらなる態様において、上部積層物の
上に塗布層を使用して、所望の粗さを達成してもよい。
概して、メチルアクリレートビーズもしくはシリカなど
の不溶性の有機粒子または無機粒子と組み合わせられた
ラテックスポリマーがバインダーとして使用される。テ
クスチャード加工表面を有する前記耐引掻性ポリマーシ
ートは、平均で50〜 250Raの粗さを有する。
【0062】本発明のさらなる態様は、写真要素および
少なくとも1層の感光層を有する反射型ディスプレー材
料の形成方法を提供する。前記発明のベース材料は、上
部および下部の二軸配向ポリマーシートおよびベースシ
ート(好ましくは紙)を含んでなり、少なくとも 254μ
m の全厚、およびいずれの方向においても 325mNを超え
る剛性、および 0.3〜6.35mmの空間周波数において0.45
μm 未満の上部の表面粗さ、および15%未満の透過率を
有する。前記反射型ディスプレー材料は、現像および処
理された画像を耐引掻性ポリマーシートと接触させて形
成される。そのうえ、耐引掻性ポリマーシートは、接着
剤によって最終的な画像の最頂部層に接着される。前記
接着剤は、耐引掻性ポリマーシート上に予め塗布されて
もよいし、または積層時にポリマーシートもしくは画像
の最頂部層のいずれかに適用されてもよい。積層時、耐
引掻性ポリマーシート並びに現像および処理された像形
成ベース材料の両方を、室温で圧力をかけるか、または
熱を加えてこれらの材料の間の接着力をさらに高めるロ
ーラーニップ中で互いと接触させてもよい。
【0063】本明細書において使用されているように、
「写真要素」という語句は、画像の形成において感光性
ハロゲン化銀を利用する材料を意味する。写真要素は、
黒白要素、単色要素、または多色要素であることができ
る。多色要素は、スペクトルの三原色領域の各々に対し
て感度を有する画像色素形成ユニットを含有している。
各々のユニットは、スペクトルの所定の領域に対して感
度を有する単一の乳剤層または複数の乳剤層を含むこと
ができる。それらの要素の層(画像形成ユニットの層を
含む)は、当該技術分野において知られている種々の順
序に配列することができる。別の態様では、スペクトル
の三原色領域の各々に感度を有する乳剤を単一の区分層
として配置することができる。
【0064】本発明に有用な写真乳剤は、一般に、当該
技術分野における従来の方法によりハロゲン化銀結晶を
コロイド状マトリックス中に析出させることによって調
製される。コロイドは、概して、ゼラチン、アルギン
酸、またはそれらの誘導体などの親水性のフィルム形成
剤である。
【0065】析出工程で形成された結晶を洗浄し、次
に、分光増感色素および化学増感剤を添加し、そして加
熱工程(乳剤温度を概して40℃〜70℃に上げ、一定時間
維持する)に付すことによって化学増感および分光増感
させる。本発明に用いられる乳剤を調製するのに利用さ
れる析出並びに分光増感および化学増感の方法は当該技
術分野において知られている方法とすることができる。
【0066】本発明は、電子焼付け法または従来の光学
焼付け法のいずれかによって露光させた場合に優れた性
能を発揮することが可能なハロゲン化銀写真要素に関す
る。電子焼付け法には、記録要素の輻射線感受性ハロゲ
ン化銀乳剤層を、少なくとも10-5μJ/cm2 (10-4 erg/c
m2)の化学線に 100μ秒以下の時間にわたって画素毎に
暴露させることが含まれる(ハロゲン化銀乳剤層は上述
のハロゲン化銀粒子を含んでなる)。従来の光学焼付け
法には、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層
を、少なくとも10-5μJ/cm2 (10-4 erg/cm2)の化学
線に10-3〜 300秒にわたって像様暴露することが含まれ
る(ハロゲン化銀乳剤層は上述のハロゲン化銀粒子を含
んでなる)。
【0067】好ましい態様における本発明は、(a)銀
に対して50モル%を超える塩化物を含有し、(b)表面
積の50%超が{100}結晶面によって提供されてお
り、そして(c)全銀の95〜99%が中央部分に存在し、
かつ以下のクラス要求条件(i)および(ii)の各々を
満足するように選ばれた2種のドーパントを含有してい
るハロゲン化銀粒子を含んでなる輻射線感受性乳剤を利
用する。
【0068】(i)下式 [ML6n (上式中、nは0、−1、−2、−3または−4であ
り、Mはイリジウム以外の、フロンティア軌道が満たさ
れている多価金属イオンであり、そしてL6 は独立に選
ぶことができる橋かけ配位子を表すけれども、これらの
配位子のうち少なくとも4つがアニオン性配位子であ
り、これらの配位子のうち少なくとも1つがシアノ配位
子であるかまたはシアノ配位子よりも電気的に陰性であ
る配位子である)を満足する六配位金属錯体、および (ii)チアゾールまたは置換チアゾール配位子を含有し
ているイリジウム配位錯体。
【0069】本発明は、支持体と、上述のハロゲン化銀
粒子を含む少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層
とを含んでなる写真記録要素に関する。
【0070】極めて驚くべきことに、ドーパント(i)
および(ii)の組み合わせは、いずれかのドーパント単
独で達成することができるよりも大きな相反則不軌の低
減を提供することが発見された。さらに、意外なこと
に、ドーパント(i)および(ii)の組み合わせは、い
ずれかのドーパントクラスを単独で用いる場合に達成さ
れる低減の単純な加法的な和を超える相反則不軌の低減
を達成する。本発明以前には、ドーパント(i)および
(ii)の組み合わせが、特に高強度・短時間の露光に対
して、相反則不軌をより大幅に低減させることは、報告
も、提案もされたことはない。意外なことに、ドーパン
ト(i)および(ii)の組み合わせは、比較的少量のイ
リジウムを用いて高強度相反性を達成し、従来のゼラチ
ン−ペプタイザー(例えば、低メチオニンゼラチン−ペ
プタイザー以外)を使用しているときでさえ高強度およ
び低強度の両方の相反性を達成する。そのうえ、意外な
ことに、本発明の感光性乳剤を、上部および下部の二軸
配向シートを有し、この上部二軸配向シートが、少なく
とも1つの層にボイドを、かつ少なくとも1つの層に白
色顔料を含んでなり、そしてこの白色顔料を含んでなる
層が光安定剤および熱安定剤をさらに含んでなるベース
材料に適用すると、長寿命並びに優れた鮮鋭性およびデ
ィジタル露光装置との適合性を有する優れた像形成材料
となる。
【0071】好ましい実際の用途において、本発明の利
点は、画像処理装置からのディジタルデータと同時に各
々の画素を逐次的に露光させる際のアーティファクトが
実質的に無いディジタルカラープリント画像の処理量を
増大させることができる。
【0072】1つの態様において、本発明は電子焼付け
法における改良を表す。具体的には、1つの態様におけ
る本発明は、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤
層を、少なくとも10-5μJ/cm2 (10-4 erg/cm2)の化学
線に 100μ秒以下の時間にわたって画素毎に暴露させる
ことを含む電子焼付け法に関する。本発明は、輻射線感
受性ハロゲン化銀乳剤層を選択することによって相反則
不軌の改良を実現する。本発明の特定の態様は特に電子
焼付けに関するけれども、本発明の乳剤および要素の使
用は、このような特定の態様に限定されるものではな
く、本発明の乳剤および要素が従来の光学焼付けにも十
分に適していることもまた特に企図されている。
【0073】チアゾールまたは置換チアゾール配位子を
含むイリジウム錯体ドーパントと組み合わせてクラス
(i)の六配位錯体ドーパントを用いることにより、
(a)銀に対して50モル%を超える塩化物を含有し、そ
して(b)表面積の50%超が{100}結晶面によって
提供されているハロゲン化銀粒子で、かなり改良された
相反性能を得ることができることが見出された。米国特
許第 5,783,373号および同5,783,378号の各明細書に示
されているドーパントの組み合わせについて記載されて
いるコントラストの改良(これらの明細書において考察
されている低メチオニンゼラチン−ペプタイザーの使用
が必要とされ、メチオニン量が1gあたりに30μモルを
超えるゼラチン−ペプタイザーの濃度を、用いられる全
ペプタイザーの1%未満の濃度に限定するのが好ましい
と述べられている)とは異なり、従来のゼラチン−ペプ
タイザーを用いるハロゲン化銀粒子で、相反性の改良が
得られる。従って、本発明の特定の態様において、本発
明の乳剤のハロゲン化銀粒子のためのゼラチン−ペプタ
イザーとして、かなりの量(すなわち、全ペプタイザー
の1質量%超)の従来のゼラチン(例えば、1gあたり
に少なくとも30μモルのメチオニンを有するゼラチン)
を使用することが特に企図されている。本発明の好まし
い態様においては、コスト面および特定の性能上の理由
から使用されることがある酸化された低メチオニンゼラ
チンの量を限定するのが望ましいことが多いので、1g
あたりに少なくとも30μモルのメチオニンを含有してい
るゼラチンを少なくとも50質量%含んでなるゼラチン−
ペプタイザーが用いられる。
【0074】本発明の特に好ましい態様において、下式 [ML6n (上式中、nは0、−1、−2、−3または−4であ
り、Mはイリジウム以外の、フロンティア軌道が満たさ
れている多価金属イオン、好ましくはFe+2、Ru+2
Os+2、Co+3、Rh+3、Pd+4、またはPt+4、より
好ましくは鉄イオン、ルテニウムイオン、またはオスミ
ウムイオンであり、もっとも好ましくはルテニウムイオ
ンであり、L6 は独立に選ぶことができる6つの橋かけ
配位子を表すけれども、これらの配位子のうち少なくと
も4つがアニオン性配位子であり、これらの配位子のう
ち少なくとも1つ(好ましくは少なくとも3つ、最適に
は少なくとも4つ)がシアノ配位子であるかまたはシア
ノ配位子よりも電気的に陰性である配位子である。残り
の配位子はいずれも、アクオ配位子、ハロゲン化物配位
子(特に、フッ化物、塩化物、臭化物、およびヨウ化
物)、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレ
ノシアネート配位子、テルロシアネート配位子、および
アジド配位子を含む種々の他の橋かけ配位子の中から選
ぶことができる)を満足するクラス(i)の六配位金属
錯体ドーパントを用いることが企図されている。6つの
シアノ配位子を含むクラス(i)の六配位遷移金属錯体
が特に好ましい。
【0075】高塩化物粒子に含ませることが特に企図さ
れているクラス(i)の六配位錯体の説明が、Olm 他の
米国特許第 5,503,970号並びにDaubendiek他の米国特許
第 5,494,789号および同 5,503,971号、並びに Keevert
他の米国特許第 4,945,035号の各明細書、並びにMuraka
mi他の日本国特許出願特願平2-249588号公報(1990
年)、並びにリサーチディスクロージャー (Research D
isclosure)、アイテム 36736によって提供されている。
クラス(ii)のドーパント六配位錯体に有用な中性およ
びアニオン性の有機配位子は、Olm 他の米国特許第 5,3
60,712号およびKuromoto他の米国特許第 5,462,849号の
各明細書によって開示されている。
【0076】クラス(i)のドーパントは、少なくとも
50%(もっとも好ましくは75%、最適には80%)の銀が
析出した後であるけれども、粒子の中央部分の析出が完
了する前に、高塩化物粒子に導入されるのが好ましい。
好ましくは、クラス(i)のドーパントは、98%(もっ
とも好ましくは95%、最適には90%)の銀が析出する前
に導入される。完全に析出した粒子構造に関して述べる
と、クラス(i)のドーパントは、少なくとも50%(も
っとも好ましくは75%、最適には80%)の銀を囲み、よ
り中央に位置する銀と共に、全中央部分(銀の99%)を
占め、もっとも好ましくは高塩化物粒子を形成している
ハロゲン化銀の95%を占め、最適には90%を占める内部
シェル領域に存在するのが好ましい。クラス(i)のド
ーパントは上記に規定した内部シェル領域のいたるとこ
ろに分布しても、またはこの内部シェル領域内の1つ以
上の帯域として添加されてもよい。
【0077】クラス(i)のドーパントは従来から有用
ないずれの濃度でも用いることができる。好ましい濃度
範囲は、銀1モルあたり10-8〜10-3モル、もっとも好ま
しくは銀1モルあたり10-6〜5×10-4モルである。
【0078】以下はクラス(i)のドーパントの具体例
である。 (i−1) [Fe(CN)6-4 (i−2) [Ru(CN)6-4 (i−3) [Os(CN)6-4 (i−4) [Rh(CN)6-3 (i−5) [Co(CN)6-3 (i−6) [Fe(ピラジン)(CN)5-4 (i−7) [RuCl(CN)5-4 (i−8) [OsBr(CN)5-4 (i−9) [RhF(CN)5-3 (i−10) [In(NCS)6-3
【0079】 (i−11) [FeCo(CN)5-3 (i−12) [RuF2 (CN)4-4 (i−13) [OsCl2 (CN)4-4 (i−14) [RhI2 (CN)4-3 (i−15) [Ga(NCS)6-3 (i−16) [Ru(CN)5 (OCN)]-4 (i−17) [Ru(CN)5 (N3 )]-4 (i−18) [Os(CN)5 (SCN)]-4 (i−19) [Rh(CN)5 (SeCN)]-3 (i−20) [Os(CN)Cl5-4 (i−21) [Fe(CN)3 Cl3-3 (i−22) [Ru(CO)2 (CN)4-1
【0080】クラス(i)のドーパントが正味で負の電
荷を有する場合、それらは、析出時に反応容器に添加さ
れた際に対イオンと会合していると認められる。この対
イオンは、溶液中ではドーパントからイオン的に解離し
ており、粒子内に導入されないので殆ど重要ではない。
塩化銀の析出と完全に適合することが知られている一般
的な対イオン(例えばアンモニウムイオンおよびアルカ
リ金属イオン)が企図されている。以下に別途記載する
クラス(ii)のドーパントにも同じ説明があてはまるこ
とに注意されたい。
【0081】クラス(ii)のドーパントは、少なくとも
1種のチアゾールまたは置換チアゾール配位子を含有し
ているイリジウム配位錯体である。R. S. Eachus, R.
E. Gravesおよび M. T. OlmのJ. Chem. Phys., Vol. 6
9, pp. 4580-7 (1978)およびPhysica Status Solidi A,
Vol. 57, 429-37 (1980) 並びにR. S. Eachusおよび
M. T. OlmのAnnu. Rep. Prog. Chem. Sect. C. Phys. C
hem., Vol. 83, 3, pp. 3-48 (1986)において説明され
ているように、注意深い科学的研究により、VIII族六ハ
ロ配位錯体が深い電子トラップを作り出すことが明らか
となった。本発明の実施に用いられるクラス(ii)のド
ーパントは、このような深い電子トラップを作り出すと
信じられている。これらのチアゾール配位子は、ハロゲ
ン化銀粒子へのドーパントの導入を妨げないならばいず
れの写真用途に許容可能な置換基で置換されていてもよ
い。典型的な置換基には、低級アルキル(例えば、1〜
4個の炭素原子を含有しているアルキル基)、特にメチ
ルが含まれる。本発明に従って使用してもよい置換チア
ゾール配位子の具体例は5-メチルチアゾールである。ク
ラス(ii)のドーパントは、各々がシアノ配位子よりも
電気的に陽性である配位子を有するイリジウム配位錯体
であるのが好ましい。特に好ましい態様において、クラ
ス(ii)のドーパントを形成している配位錯体の残りの
チアゾールでも置換チアゾールでもない配位子はハロゲ
ン化物配位子である。
【0082】クラス(ii)のドーパントを、Olm 他の米
国特許第 5,360,712号、Olm 他の米国特許第 5,457,021
号およびKuromoto他の米国特許第 5,462,849号の各明細
書によって開示されている有機配位子を含有している配
位錯体の中から選ぶことが特に企図されている。
【0083】好ましい態様において、下式(II) [IrL1 6n' (II) (上式中、n' は0、−1、−2、−3または−4であ
り、そしてL1 6は独立に選ぶことができる6つの橋かけ
配位子を表すけれども、これらの配位子のうち少なくと
も4つがアニオン性配位子であって、これらの配位子の
各々がシアノ配位子よりも電気的に陽性であり、そし
て、これらの配位子のうち少なくとも1つがチアゾール
または置換チアゾール配位子を含む)を満足する六配位
金属錯体をクラス(ii)のドーパントとして用いること
が企図されている。特に好ましい態様においては、これ
らの配位子の少なくとも4つが塩化物配位子または臭化
物配位子などのハロゲン化物配位子である。
【0084】クラス(ii)のドーパントは、少なくとも
50%(もっとも好ましくは85%、最適には90%)の銀が
析出した後であるけれども、粒子の中央部分の析出が完
了する前に、高塩化物粒子に導入されるのが好ましい。
好ましくは、クラス(ii)のドーパントは、99%(もっ
とも好ましくは97%、最適には95%)の銀が析出する前
に導入される。完全に析出した粒子構造に関して述べる
と、クラス(ii)のドーパントは、少なくとも50%(も
っとも好ましくは85%、最適には90%)の銀を取り囲
み、より中央に位置する銀と共に、全中央部分(銀の99
%)を占め、もっとも好ましくは高塩化物粒子を形成し
ているハロゲン化銀の97%を占め、最適には95%を占め
る内部シェル領域に存在するのが好ましい。クラス(i
i)のドーパントは上記に規定した内部シェル領域のい
たるところに分布しても、またはこの内部シェル領域内
の1つ以上の帯域として添加されてもよい。
【0085】クラス(ii)のドーパントは従来から有用
ないずれの濃度でも用いることができる。好ましい濃度
範囲は、銀1モルあたり10-9〜10-4モルである。イリジ
ウムは、もっとも好ましくは銀1モルあたり10-8〜10-5
モルの濃度範囲で用いられる。
【0086】クラス(ii)のドーパントの具体例は以下
の通りである。 (ii−1) [IrCl5 (チアゾール)]-2 (ii−2) [IrCl4 (チアゾール)2-1 (ii−3) [IrBr5 (チアゾール)]-2 (ii−4) [IrBr4 (チアゾール)2-1 (ii−5) [IrCl5 (5-メチルチアゾール)]-2 (ii−6) [IrCl4 (5-メチルチアゾール)2-1 (ii−7) [IrBr5 (5-メチルチアゾール)]-2 (ii−8) [IrBr4 (5-メチルチアゾール)2-1
【0087】マゼンタ色素形成カプラーを使用する層に
おける本発明の1つの好ましい態様において、クラス
(ii)のドーパントをOsCl5 (NO)ドーパントと
組み合わせると好ましい結果が得られることが見出され
ている。
【0088】本発明の利点を示す乳剤は、上述のクラス
(i)および(ii)のドーパントの組み合わせを用いる
ことにより主に(>50%){100}結晶面を有する従
来の高塩化物ハロゲン化銀粒子の析出を変化させること
によって実現することができる。
【0089】析出したハロゲン化銀粒子は、銀に対して
50モル%を超える塩化物を含有している。好ましくは、
これらの粒子は、銀に対して少なくとも70モル%の塩化
物を含有し、最適には少なくとも90モル%の塩化物を含
有している。ヨウ化物は、ヨウ化物の溶解限度(ヨウ塩
化銀において、典型的な析出条件下で、銀に対して約11
モル%である)まで粒子中に存在することができる。ヨ
ウ化物を銀に対して5モル%未満、もっとも好ましくは
2モル%未満となるように限定するのがほとんどの写真
用途に好ましい。
【0090】臭化銀および塩化銀は、あらゆる比率で混
和しうる。ゆえに、塩化物およびヨウ化物を入れない全
ハロゲン化物の50モル%以下の任意の比率を臭化物とす
ることができる。カラー反射型プリント(すなわち、カ
ラーペーパー)用途では、臭化物は銀に対して10モル%
未満に限定され、ヨウ化物は銀に対して1モル%未満に
限定される。
【0091】広く使用されている態様では、高塩化物粒
子を析出させて立方体粒子、すなわち{100}主面お
よび長さの等しいエッジを有する粒子を形成させる。実
際には、熟成効果により、通常は、粒子のエッジおよび
角がある程度丸まる。しかしながら、極端な熟成条件下
を除き、全粒子表面積の実質的に50%を超える面積を
{100}結晶面が占める。
【0092】高塩化物十四面体粒子は立方体粒子の一般
的な異型である。これらの粒子は6つの{100}結晶
面と8つの{111}結晶面を含む。十四面体粒子は、
全表面積の50%を超える面積を{100}結晶面が占め
るという条件で本発明の企図する範囲内にある。
【0093】カラーペーパーにおいて用いられる高塩化
物粒子へのヨウ化物の導入を防止または最少化すること
が一般的に行われているけれども、{100}結晶面お
よび(場合によっては)1つ以上の{111}結晶面を
有するヨウ塩化銀粒子が、ひときわ優れたレベルの写真
スピードを提供することが最近認められた。これらの乳
剤において、ヨウ化物は銀に対して0.05〜 3.0モル%の
総合濃度で導入され、粒子は、ヨウ化物が実質的に無
い、50Åを超える表面シェルと、全銀の少なくとも50%
を占めるコアを取り囲む、ヨウ化物濃度が最大である内
部シェルとを有する。このような粒子構造は、Chen他の
欧州特許明細書第 0 718 679号によって説明されてい
る。
【0094】もう1つの改良された態様において、高塩
化物粒子は、{100}主面を有する平板状粒子の形態
を取ることができる。好ましい高塩化物{100}平板
状乳剤は、平板状粒子が全粒子投影面積の少なくとも70
%(もっとも好ましくは少なくとも90%)を占めるもの
である。好ましい高塩化物{100}平板状粒子乳剤は
少なくとも5(もっとも好ましくは少なくとも8)の平
均アスペクト比を有する。平板状粒子は概して 0.3μm
未満、好ましくは 0.2μm 未満、最適には0.07μm 未満
の厚みを有する。高塩化物{100}平板状粒子乳剤お
よびそれらの調製については、Maskaskyの米国特許第
5,264,337号および同 5,292,632号、House 他の米国特
許第 5,320,938号、Brust 他の米国特許第 5,314,798
号、並びにChang 他の米国特許第 5,413,904号の各明細
書によって開示されている。
【0095】主に{100}結晶面を有する高塩化物粒
子が上述のクラス(i)のドーパントとクラス(ii)
のドーパントとの組み合わせと共に一度析出してしまう
と、化学増感および分光増感(続いて、選んだ像形成用
途に乳剤を適合させるために従来の添加剤が添加され
る)はいずれの好都合な従来の形態をとることもでき
る。これらの従来の態様は、上記において引用したリサ
ーチディスクロージャー、アイテム 38957、特に、 III. 乳剤洗浄(Emulsion washing)、 IV. 化学増感(Chemical sensitization)、 V. 分光増感および減感(Spectral sensitization a
nd desensitization)、 VII. カブリ防止剤及び安定剤(Antifoggants and sta
bilizers)、 VIII. 吸収材料および散乱材料(Absorbing and scatte
ring materials)、 IX. コーティングおよび物理的性質調節用添加剤(Co
ating and physical property modifying addenda)、
並びに X. 色素画像形成剤および調節剤(Dye image former
s and modifyers) 、によって説明されている。
【0096】さらなるハロゲン化銀を幾らか(概して全
銀に対して1%未満)導入して、化学増感を促進させる
ことができる。ハロゲン化銀をホスト粒子の所定の部位
にエピタキシャル堆積させてその感度を高めることがで
きることも認められている。例えば、コーナーエピタキ
シーを有する高塩化物{100}平板状粒子がMaskasky
の米国特許第 5,275,930号明細書によって説明されてい
る。明確な区別を提供する目的で、本明細書において
は、「ハロゲン化銀粒子」という用語を用いて、粒子の
最終的な{100}結晶面が形成される時点までの粒子
形成に必要な銀を包含することとする。その後付着した
ハロゲン化銀であって、粒子表面積の少なくとも50%を
占めるように前もって形成された{100}結晶面に重
ならなかったものは、ハロゲン化銀粒子を形成している
全銀を特定する際には排除される。従って、所定の部位
のエピタキシーを形成する銀は、ハロゲン化銀粒子の一
部ではないけれども、付着して粒子の最終的な{10
0}結晶面を提供するハロゲン化銀は、それが前もって
析出したハロゲン化銀とは組成が著しく異なる場合でさ
えも、粒子を形成している全銀に含まれる。
【0097】ポリメチン色素類などの写真技術分野にお
いて既知のいずれの色素(シアニン、メロシアニン、錯
体シアニンおよび錯体メロシアニン、オキソノール、ヘ
ミオキソノール、スチリル、メロスチリル、並びにスト
レプトシアニンを含む)で乳剤を分光増感させてもよ
い。特に、米国特許第 5,392,634号、同 5,316,904号、
同 5,418,126号、並びに同 5,492,802号の各明細書にお
いて開示されている低汚染増感色素の中から選ぶのが好
都合であろう。蛍光増白剤(例えば、BlankophorREU
(商標)などのスチルベン化合物)が殆どまたはまった
く無い現像主薬溶液中で処理される写真要素に低汚染増
感色素を使用することが特に企図されている。さらに、
これらの低汚染色素を、当該技術分野において既知の他
の色素と組み合わせて使用することもできる(リサーチ
ディスクロージャー、1996年9月、アイテム 38957、セ
クションV)。
【0098】有用な増感色素には以下のものが含まれる
けれども、これらに限定されるものではない。
【0099】
【化1】
【0100】乳剤粒子の表面で混合色素凝集体を形成す
る2種以上の増感色素の混合物を用いて乳剤を分光増感
させることができる。混合色素凝集体の使用により、こ
れら2種以上の色素のピーク感度(λmax )の波長の極
値間のいずれの波長にも、乳剤の分光感度を調整するこ
とが可能となる。このやり方は、2種以上の増感色素が
スペクトルの類似の部分(すなわち、ブルー、またはグ
リーンもしくはレッドで、グリーンプラスレッドもしく
はブループラスレッドもしくはグリーンプラスブルーで
はない部分)で吸収する場合にとりわけ価値がある。分
光増感色素の機能は、ネガに記録されている情報(画像
色素として記録されている)を変調することであるの
で、ピーク分光感度をカラーネガにおける画像色素のλ
max のところまたはその近くに配置することにより、最
適な好ましい応答が得られる。さらに、同様に分光増感
された乳剤の組み合わせが1層以上の層に存在してもよ
い。
【0101】再現フィルムシステムの重要な品質特性は
色再現(元々のシーンの色相が如何に正確に再現される
かを表す)である。多くの現行のカラーペーパーは、約
480nmのところに最大感度を与える青増感色素を使用す
る。フィルム中のイエロー画像(例えば、およそ 450〜
470nmの感度極大を有する)の感度極大により近い感度
極大を提供する増感色素を使用すると、改良された色再
現を有するカラーペーパーを得ることができる。
【0102】企図されるもっとも単純な態様において、
本発明の1つの態様である電子焼付け法において使用す
ることが企図される記録要素は、例えば先に引用した
サーチディスクロージャー、アイテム 38957のXVI.支持
体(Supports)に記載されているものなどの従来の写真
支持体に塗布された上掲の乳剤の記載を満たす単一の乳
剤層からなることができる。1つの好ましい態様におい
て、支持体は白色反射型支持体、例えば反射型顔料のコ
ーティングを含有または担持している印画紙支持体また
はフィルム支持体である。支持体の後方に配置された照
明を使用してプリント画像を見ることができるようにす
るには、 Duratrans(商標)または Duraclear(商標)
支持体などの白色半透明支持体を用いるのが好ましい。
【0103】酸化された発色現像主薬との反応時にシア
ン色素を形成するカプラーなどの画像色素形成カプラー
を要素に含めてもよく、このようなカプラーは、例え
ば、米国特許第 2,367,531号、第 2,423,730号、第 2,4
74,293号、第 2,772,162号、第2,895,826号、第 3,002,
836号、第 3,034,892号、第 3,041,236号、および第 4,
883,746号の各明細書、並びに "Farbkuppler - Eine Li
terature Ubersicht"(Agfa Mitteilungen 発行), Ban
d III, pp. 156-175 (1961)などの代表的な特許明細書
および刊行物に記載されている。好ましくは、このよう
なカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応時にシ
アン色素を形成するフェノール類およびナフトール類で
ある。また、例えば、欧州特許出願第 491,197号、第 5
44,322号、第 556,700号、第 556,777号、第 565,096
号、第 570,006号、および第 574,948号の各明細書に記
載されているシアンカプラーも好ましい。
【0104】典型的なシアンカプラーは下記の式
【0105】
【化2】
【0106】(上式中、R1 、R5 、およびR8 は各々
が水素または置換基を表し、R2 は置換基を表し、R
3 、R4 、およびR7 は各々がハメットの置換基定数σ
paraが0.2以上である電子吸引性基を表し、R3 とR4
とのσpara値の合計は0.65以上であり、R6 はハメット
の置換基定数σparaが0.35以上である電子吸引性基を表
し、Xは水素またはカップリングオフ基を表し、Z1
少なくとも1種の解離性基を有する窒素含有6員複素環
を形成するのに必要な非金属原子を表し、Z2 は−C
(R7 )=および−N=を表し、そしてZ3 およびZ4
は各々が−C(R8)=および−N=を表す)によって
表される。
【0107】本発明の目的のための「NBカプラー」と
は、現像主薬4-アミノ -3-メチル -N-エチル-N-(2-メタ
ンスルホンアミドエチル) アニリン三二硫酸水和物とカ
ップリングして色素を形成することができ、その色素の
セバシン酸ジn-ブチル溶媒中の3w/v%溶液を「スピンコ
ーティング」した際のその吸収スペクトルの左側の帯域
幅(LBW)が、アセトニトリル中の同じ色素の3w/v%
溶液のLBWよりも少なくとも5nm狭い色素形成カプラ
ーである。色素についてのスペクトル曲線のLBWは、
最大値の半分の濃度のところで測定されるスペクトル曲
線の左側と極大吸収波長との間の距離である。
【0108】「スピンコーティング」試料は、先ずセバ
シン酸ジn-ブチル溶媒中の色素の溶液(3w/v%)を調製
することによって調製される。色素が不溶性である場合
は、幾らかの塩化メチレンの添加によって溶解させる。
この溶液を濾過し、 0.1〜 0.2mLを透明なポリエチレン
テレフタレート支持体(およそ4cm×4cm)に適用し、
Headway Research Inc., Garland, TXから入手可能な S
pin Coating 装置、Model No. EC101 を使用して 4,000
RPM で回転させる。次に、このように調製された色素試
料の透過スペクトルを記録する。
【0109】好ましい「NBカプラー」は、セバシン酸
ジn-ブチル中で、「スピンコーティング」した際の吸収
スペクトルのLBWが、アセトニトリル中の3%溶液(w
/v)中の同じ色素のLBWよりも、少なくとも15nm、好
ましくは少なくとも25nm狭い色素を形成する。
【0110】好ましい態様において、本発明において有
用なシアン色素形成「NBカプラー」は、式(IA)
【0111】
【化3】
【0112】(上式中、R' およびR''は、当該カプラ
ーが本明細書中に規定されている「NBカプラー」であ
るように選ばれる置換基であり、かつZは、水素原子、
または当該カプラーと酸化された発色現像主薬との反応
によって分裂することができる基である)を有する。
【0113】式(IA)のカプラーは、2,5-ジアミドフ
ェノール系シアンカプラー(R' およびR''が、未置換
であるかまたは置換されているアルキル基、アリール
基、アミノ基、アルコキシ基、および複素環式基から独
立に選ばれるのが好ましい)である。
【0114】さらに好ましい態様において、当該「NB
カプラー」は、式(I)
【0115】
【化4】
【0116】(上式中、R''およびR''' は未置換であ
るかまたは置換されているアルキル基、アリール基、ア
ミノ基、アルコキシ基、および複素環式基から独立に選
ばれ、Zは上記に定義した通りであり、R1 およびR2
は独立に水素または未置換であるかもしくは置換されて
いるアルキル基である)を有する。
【0117】概して、R''はアルキル基、アミノ基、ま
たはアリール基であり、フェニル基であるのが好適であ
る。R''' はアルキル基もしくはアリール基であるか、
または窒素、酸素、および硫黄から選ばれるヘテロ原子
を1つ以上含有し、環基が未置換であるかもしくは置換
されている5〜10員の複素環であるのが望ましい。
【0118】好ましい態様において、式(I)のカプラ
ーは、例えば、米国特許第 5,686,235号明細書に記載さ
れているものなどの、5-アミド部分が、特定のスルホン
(−SO2 -)基によってα位が置換されているカルボン
酸のアミドである2,5-ジアミドフェノールである。この
スルホン部分は、未置換であるかもしくは置換されてい
るアルキルスルホンまたは複素環式スルホンであるか、
あるいは好ましくは特にメタ位および/またはパラ位が
置換されているアリールスルホンである。
【0119】式(I)または(IA)のこれらの構造を
有するカプラーは、吸収極大(λma x )が浅色シフトし
ていて、一般に 620〜 645nmの範囲にあり、吸収曲線の
短波長側が非常に急に切れている色素色相を有する画像
色素を形成し、カラー写真印画紙において優秀な色再現
および高い彩度を生ずるのに理想的に適しているシアン
色素形成「NBカプラー」を構成する。
【0120】式(I)に関して、R1 およびR2 は、独
立に、水素、または好ましくは1〜24個の炭素原子、特
に1〜10個の炭素原子を有する、未置換であるかもしく
は置換されているアルキル基であり、好適にはメチル、
エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、もしくは
デシル基、または1種以上のフルオロ原子、クロロ原
子、もしくはブロモ原子で置換されているアルキル基、
例えばトリフルオロメチル基である。好適には、R1
よびR2 の少なくとも一方が水素原子であり、R 1 およ
びR2 の一方のみが水素である場合には、他方は、好ま
しくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の
炭素原子、望ましくは2個の炭素原子を有するアルキル
基である。
【0121】本明細書において、明細書を通して使用さ
れているように、特に断らない限り、「アルキル」とい
う用語は、不飽和または飽和で直鎖または分岐鎖のアル
キル基(アルケニルを含む)を指し、3〜8個の炭素原
子を有するアラルキル基および環式アルキル基(シクロ
アルケニルを含む)を含み、「アリール」という用語
は、具体的には縮合アリールを含む。
【0122】式(I)において、R''は、未置換である
かもしくは置換されているアミノ基、アルキル基、また
はアリール基であり、あるいは窒素、酸素、および硫黄
から選ばれる1種以上のヘテロ原子を含有している5〜
10員の複素環(この環は未置換であっても、または置換
されていてもよい)であるのが好適であるけれども、よ
り好適には未置換であるかまたは置換されているフェニ
ル基である。
【0123】このアリールまたは複素環式環に好適な置
換基の例には、シアノ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨ
ード、アルキル−もしくはアリール−カルボニル、アル
キル−もしくはアリール−オキシカルボニル、カルボン
アミド、アルキル−もしくはアリール−カルボンアミ
ド、アルキル−もしくはアリール−スルホニル、アルキ
ル−もしくはアリール−スルホニルオキシ、アルキル−
もしくはアリール−オキシスルホニル、アルキル−もし
くはアリール−スルホキシド、アルキル−もしくはアリ
ール−スルファモイル、アルキル−もしくはアリール−
スルホンアミド、アリール、アルキル、アルコキシ、ア
リールオキシ、ニトロ、アルキル−もしくはアリール−
ウレイド、およびアルキル−もしくはアリール−カルバ
モイル基(いずれもさらに置換されていてもよい)が含
まれる。好ましい基は、ハロゲン、シアノ、アルコキシ
カルボニル、アルキルスルファモイル、アルキル−スル
ホンアミド、アルキルスルホニル、カルバモイル、アル
キルカルバモイル、またはアルキルカルボンアミドであ
る。好適には、R''は4-クロロフェニル、3,4-ジクロロ
フェニル、3,4-ジフルオロフェニル、4-シアノフェニ
ル、3-クロロ -4-シアノフェニル、ペンタフルオロフェ
ニル、または3-もしくは4-スルホンアミドフェニル基で
ある。
【0124】式(I)において、R''' がアルキルであ
る場合、それは未置換であっても、またはハロゲンもし
くはアルコキシなどの置換基で置換されていてもよい。
R''' がアリールまたは複素環である場合、それは置換
されていてもよい。それは、スルホニル基に対してα位
が置換されていないのが望ましい。
【0125】式(I)において、R''' がフェニル基で
ある場合、それは、メタ位および/またはパラ位が、ハ
ロゲン、および未置換であるかもしくは置換されている
アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキ
シ、アシルアミノ、アルキル−もしくはアリール−スル
ホニルオキシ、アルキル−もしくはアリール−スルファ
モイル、アルキル−もしくはアリール−スルファモイル
アミノ、アルキル−もしくはアリール−スルホンアミ
ド、アルキル−もしくはアリール−ウレイド、アルキル
−もしくはアリール−オキシカルボニル、アルキル−も
しくはアリール−オキシ−カルボニルアミノ、およびア
ルキル−もしくはアリール−カルバモイル基からなる群
より独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されていて
もよい。
【0126】特に、各々の置換基は、アルキル基(例え
ばメチル、t-ブチル、ヘプチル、ドデシル、ペンタデシ
ル、オクタデシル、または1,1,2,2-テトラメチルプロピ
ル);アルコキシ基(例えばメトキシ、t-ブトキシ、オ
クチルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、
ヘキサデシルオキシ、またはオクタデシルオキシ);ア
リールオキシ基(例えばフェノキシ、4-t-ブチルフェノ
キシ、または4-ドデシル−フェノキシ);アルキル−も
しくはアリール−アシルオキシ基(例えばアセトキシま
たはドデカノイルオキシ);アルキル−もしくはアリー
ル−アシルアミノ基(例えばアセトアミド、ヘキサデカ
ンアミド、またはベンズアミド);アルキル−もしくは
アリール−スルホニルオキシ基(例えばメチル−スルホ
ニルオキシ、ドデシルスルホニルオキシ、または4-メチ
ルフェニル−スルホニルオキシ);アルキル−もしくは
アリール−スルファモイル基(例えばN-ブチルスルファ
モイルまたはN-4-t-ブチルフェニルスルファモイル);
アルキル−もしくはアリール−スルファモイルアミノ基
(例えばN-ブチル−スルファモイルアミノまたはN-4-t-
ブチルフェニルスルファモイル−アミノ);アルキル−
もしくはアリール−スルホンアミド基(例えばメタン−
スルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、または
4-クロロフェニル−スルホンアミド);アルキル−もし
くはアリール−ウレイド基(例えばメチルウレイドまた
はフェニルウレイド);アルコキシ−もしくはアリール
オキシ−カルボニル(例えばメトキシカルボニルまたは
フェノキシカルボニル);アルコキシ−もしくはアリー
ルオキシ−カルボニルアミノ基(例えばメトキシ−カル
ボニルアミノまたはフェノキシカルボニルアミノ);ア
ルキル−もしくはアリール−カルバモイル基(例えばN-
ブチルカルバモイルまたはN-メチル -N-ドデシルカルバ
モイル);またはペルフルオロアルキル基(例えばトリ
フロロメチルまたはヘプタフルオロプロピル)であって
もよい。
【0127】上記置換基は、好適には1〜30個の炭素原
子、より好ましくは8〜20個の脂肪族炭素原子を有す
る。望ましい置換基は、12〜18個の脂肪族炭素原子のア
ルキル基(例えばドデシル、ペンタデシル、またはオク
タデシル)、または8〜18個の脂肪族炭素原子を有する
アルコキシ基(例えばドデシルオキシおよびヘキサデシ
ルオキシ)、またはハロゲン(例えばメタクロロ基また
はパラクロロ基)、カルボキシ、またはスルホンアミド
である。このような基はいずれも、酸素などの割り込み
ヘテロ原子を含有して、例えばポリアルキレンオキシド
を形成していてもよい。
【0128】式(I)または(IA)において、Zは水
素原子、または当該カプラーと酸化された発色現像主薬
との反応によって分裂することができる基であり、写真
技術分野においては「カップリングオフ基」として知ら
れており、好ましくは水素、クロロ、フルオロ、置換ア
リールオキシ、またはメルカプトテトラゾール、より好
ましくは水素またはクロロであってもよい。
【0129】このような基の存在または欠如により、カ
プラーの化学当量、すなわちそれが2当量カプラーであ
るか、または4当量カプラーであるかが定まり、その特
定の素生により、カプラーの反応性を変更することがで
きる。このような基は、カプラーからの放出後に、例え
ば色素形成、色素色相調整、現像促進または現像抑制、
漂白促進または漂白抑制、電子移動促進、色補正などの
機能を果たすことによって、写真記録材料におけるカプ
ラーが塗布される層、または他の層に好都合な影響を及
ぼすことができる。
【0130】このようなカップリングオフ基の代表的な
部類には、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アリールオ
キシ、ヘテロシクリルオキシ、スルホニルオキシ、アシ
ルオキシ、アシル、ヘテロシクリルスルホンアミド、ヘ
テロシクリルチオ、ベンゾチアゾリル、ホスホニルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、およびアリールアゾ
が含まれる。これらのカップリングオフ基は、当該技術
分野において、例えば、米国特許第 2,455,169号、同
3,227,551号、同 3,432,521号、同 3,467,563号、同 3,
617,291号、同 3,880,661号、同 4,052,212号、および
同 4,134,766号の各明細書;並びに英国特許第 1,466,7
28号、同 1,531,927号、同 1,533,039号の各明細書、お
よび英国特許出願公開明細書第2,066,755A号、および同
2,017,704A号に記載されている。ハロゲン、アルコキシ
基、およびアリールオキシ基がもっとも好適である。
【0131】具体的なカップリングオフ基の例は以下の
通りである。−Cl、−F、−Br、−SCN、−OC
3 、−OC65 、−OCH2 C(=O)NHCH2
CH 2 OH、−OCH2 C(O)NHCH2 CH2 OC
3 、−OCH2 C(O)NHCH2 CH2 OC(=
O)OCH3 、−P(=O)(OC252 、−SC
2 CH2 COOH、
【0132】
【化5】
【0133】概して、カップリングオフ基は、塩素原
子、水素原子、またはp-メトキシフェノキシ基である。
【0134】カプラーが分散されている有機溶媒中でカ
プラーおよび結果として得られる色素を十分にバラスト
化するように置換基を選ぶことが不可欠である。このバ
ラスト化は、1つ以上の置換基に疎水性置換基を提供す
ることによって達成してもよい。一般に、バラスト基
は、写真要素においてカプラーが塗布されている層から
カプラーが実質的に拡散しないようにするのに十分な嵩
および水不溶性をカプラー分子に与えるような大きさお
よび構造の有機ラジカルである。従って、これらの規準
を満たすように置換基の組み合わせを選択するのが好適
である。有効なものとするには、バラスト基は、通常は
少なくとも8個の炭素原子、概して10〜30個の炭素原子
を含有している。また、これらの規準を組み合わさって
満たす複数の基を提供することによって、好適なバラス
ト化を達成してもよい。本発明の好ましい態様において
は、式(I)のR1 は小さいアルキル基または水素であ
る。ゆえに、これらの態様においては、バラスト基は他
の基の一部として主に配置されるであろう。そのうえ、
たとえカップリングオフ基Zがバラスト基を含有してい
る場合であっても、Zはカップリング時に分子から排除
されるので、他の置換基もまたバラスト化する必要があ
ることが多く;従って、バラスト基をZ以外の基の一部
として提供するのがもっとも好都合である。
【0135】以下の例により、本発明の好ましいカプラ
ーをさらに説明する。本発明がこれらの例に限定される
と解釈されるべきではない。
【0136】
【化6】
【0137】
【化7】
【0138】
【化8】
【0139】
【化9】
【0140】
【化10】
【0141】
【化11】
【0142】
【化12】
【0143】
【化13】
【0144】
【化14】
【0145】
【化15】
【0146】
【化16】
【0147】
【化17】
【0148】
【化18】
【0149】
【化19】
【0150】好ましいカプラーは、それらの好適な狭い
左側の帯域幅のゆえに、IC−3、IC−7、IC−3
5、およびIC−36である。
【0151】酸化された発色現像主薬との反応時にマゼ
ンタ色素を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書および刊行物に記載されている。米国特許第 2,31
1,082号、同 2,343,703号、同 2,369,489号、同 2,600,
788号、同 2,908,573号、同 3,062,653号、同 3,152,89
6号、同 3,519,429号、同 3,758,309号の各明細書、お
よび "Farbkuppler-eine Literature Ubersicht"(Agfa
Mitteilungen 発行),Band III, pp. 126-156 (196
1)。好ましくは、このようなカプラーは、酸化された発
色現像主薬との反応時にマゼンタ色素を形成するピラゾ
ロン、ピラゾロトリアゾール、またはピラゾロベンゾイ
ミダゾールである。とりわけ好ましいカプラーは、 1H-
ピラゾロ[5,1-c]-1,2,4-トリアゾールおよび 1H-ピラゾ
ロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾールである。 1H-ピラゾロ
[5,1-c]-1,2,4-トリアゾールカプラーの例は、英国特許
第 1,247,493号、同 1,252,418号、同 1,398,979号、米
国特許第4,443,536号、同 4,514,490号、同 4,540,654
号、同 4,590,153号、同 4,665,015号、同 4,822,730
号、同 4,945,034号、同 5,017,465号、および同 5,02
3,170号の各明細書に記載されている。 1H-ピラゾロ[1,
5-b]-1,2,4-トリアゾールの例は、欧州特許出願第 176,
804号、同 177,765号、米国特許第 4,659,652号、同 5,
066,575号、および同 5,250,400号の各明細書において
見出すことができる。
【0152】典型的なピラゾロアゾールカプラーおよび
ピラゾロンカプラーは、以下の式
【0153】
【化20】
【0154】(上式中、Ra およびRb は独立にHまた
は置換基を表し、Rc は置換基(好ましくはアリール
基)であり、Rd は置換基(好ましくはアニリノ、カル
ボンアミド、ウレイド、カルバモイル、アルコキシ、ア
リールオキシカルボニル、アルコキシカルボニル、また
はN-複素環式基)であり、Xは水素またはカップリング
オフ基であり、かつZa 、Zb 、およびZc は独立に置
換メチン基、=N−、=C−、または−NH−である。
但し、Za −Zb 結合またはZb −Zc 結合のいずれか
の一方は二重結合であり、他方は単結合であって、Zb
−Zc 結合が炭素−炭素の二重結合である場合には、そ
れが芳香環の一部を形成していてもよく、そしてZa
b 、およびZc の少なくとも1つが基Rb に結合され
ているメチン基を表す)によって表される。
【0155】このようなカプラーの具体例は以下の通り
である。
【0156】
【化21】
【0157】酸化された発色現像主薬との反応時にイエ
ロー色素を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書および刊行物に記載されている。米国特許第 2,29
8,443号、同 2,407,210号、同 2,875,057号、同 3,048,
194号、同 3,265,506号、同 3,447,928号、同 3,960,57
0号、同 4,022,620号、同 4,443,536号、同 4,910,126
号、および同 5,340,703号の各明細書、並びに "Farbku
ppler-eine LiteratureUbersicht"(Agfa Mitteilungen
発行), Band III, pp. 112-126 (1961)。このような
カプラーは概して開鎖ケトメチレン化合物である。ま
た、好ましいのは、例えば、欧州特許出願第 482,552
号、同 510,535号、同 524,540号、同 543,367号、およ
び米国特許第 5,238,803号の各明細書に記載されている
ものなどのイエローカプラーである。色再現の改良に
は、長波長側で急に切れているイエロー色素を与えるカ
プラーが特に好ましい(例えば、米国特許第 5,360,713
号明細書を参照されたい)。
【0158】典型的な好ましいイエローカプラーは、以
下の式
【0159】
【化22】
【0160】(上式中、R1 、R2 、Q1 、およびQ2
は各々置換基を表し、Xは水素またはカップリングオフ
基であり、Yはアリール基または複素環式基を表し、Q
3 は、>N−といっしょになって窒素含有複素環式基を
形成するのに必要とされる有機残基を表し、かつQ4
3〜5員の炭化水素環、またはN、O、S、およびPか
ら選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を含有している
3〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子を表
す。特に好ましいのは、Q1 およびQ2 が各々アルキル
基、アリール基、または複素環式基を表し、かつR2
アリール基または第三級アルキル基を表すものである)
によって表される。
【0161】好ましいイエローカプラーは、以下の一般
的な構造のものであることができる。
【0162】
【化23】
【0163】
【化24】
【0164】特に断らない限り、本明細書中の分子を置
換していてもよい置換基には、置換されていようといま
いと、写真用途に必要な性質を破壊しないならば、いず
れの基も含まれる。「基」という用語が、置換可能な水
素を含有している置換基を指すのに適用される場合、そ
れは、その置換基の未置換の形のみならず、本明細書に
おいて挙げられているいずれの基(複数であってもよ
い)でさらに置換されている形をも包含するものと解さ
れる。好適には、この基はハロゲンであってもよく、ま
たは炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン、または硫黄の原
子によって分子の残りに結合されているものであっても
よい。
【0165】当該置換基は、例えば、ハロゲン(例えば
塩素、臭素、またはフッ素);ニトロ;ヒドロキシル;
シアノ;カルボキシル;
【0166】またはアルキル(直鎖アルキルまたは分岐
鎖アルキルを含む)(例えばメチル、トリフルオロメチ
ル、エチル、t-ブチル、 3-(2,4-ジ -t-ペンチルフェノ
キシ) プロピル、およびテトラデシル);アルケニル
(例えばエチレン、2-ブテン);アルコキシ(例えばメ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2-メトキシ
エトキシ、s-ブトキシ、ヘキシルオキシ、2-エチルヘキ
シルオキシ、テトラデシルオキシ、 2-(2,4-ジ -t-ペン
チルフェノキシ) エトキシ、および2-ドデシルオキシエ
トキシ);アリール(例えばフェニル、4-t-ブチルフェ
ニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ナフチル);アリー
ルオキシ(例えばフェノキシ、2-メチルフェノキシ、α
−またはβ−ナフチルオキシ、および4-トリルオキ
シ);
【0167】カルボンアミド(例えばアセトアミド、ベ
ンズアミド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α-
(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) アセトアミド、α-
(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ) ブチルアミド、α-(3-
ペンタデシルフェノキシ)-ヘキサンアミド、α-(4-ヒド
ロキシ -3-t-ブチルフェノキシ)-テトラデカンアミド、
2-オキソ−ピロリジン -1-イル、2-オキソ -5-テトラデ
シルピロリン -1-イル、N-メチルテトラデカンアミド、
N-スクシンイミド、N-フタルイミド、2,5-ジオキソ -1-
オキサゾリジニル、3-ドデシル -2,5-ジオキソ -1-イミ
ダゾリル、およびN-アセチル -N-ドデシルアミノ、エト
キシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、
ベンジルオキシカルボニルアミノ、ヘキサデシルオキシ
カルボニルアミノ、2,4-ジ -t-ブチルフェノキシカルボ
ニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、 2,5-(ジ -t-
ペンチルフェニル) カルボニルアミノ、p-ドデシル−フ
ェニルカルボニルアミノ、p-トルイルカルボニルアミ
ノ、N-メチルウレイド、N,N-ジメチルウレイド、N-メチ
ル -N-ドデシルウレイド、N-ヘキサデシルウレイド、N,
N-ジオクタデシルウレイド、N,N-ジオクチル-N'-エチル
ウレイド、N-フェニルウレイド、N,N-ジフェニルウレイ
ド、N-フェニル -N-p-トルイルウレイド、 N-(m-ヘキサ
デシルフェニル) ウレイド、 N,N-(2,5-ジ -t-ペンチル
フェニル) -N'-エチルウレイド、およびt-ブチルカルボ
ンアミド);
【0168】スルホンアミド(例えばメチルスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド、p-トルイルスルホンア
ミド、p-ドデシルベンゼンスルホンアミド、N-メチルテ
トラデシルスルホンアミド、N,N-ジプロピル−スルファ
モイルアミノ、およびヘキサデシルスルホンアミド);
スルファモイル(例えばN-メチルスルファモイル、N-エ
チルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、
N-ヘキサデシルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファ
モイル、N-[3-(ドデシルオキシ) プロピル] スルファモ
イル、N-[4-(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) ブチル]
スルファモイル、N-メチル -N-テトラデシルスルファモ
イル、およびN-ドデシルスルファモイル);カルバモイ
ル(例えばN-メチルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバ
モイル、N-オクタデシルカルバモイル、N-[4-(2,4-ジ -
t-ペンチルフェノキシ) ブチル]カルバモイル、N-メチ
ル -N-テトラデシルカルバモイル、およびN,N-ジオクチ
ルカルバモイル);
【0169】アシル(例えばアセチル、 (2,4-ジ -t-ア
ミルフェノキシ) アセチル、フェノキシカルボニル、p-
ドデシルオキシフェノキシカルボニル、メトキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
ル、3-ペンタデシルオキシカルボニル、およびドデシル
オキシカルボニル);スルホニル(例えばメトキシスル
ホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシルオキ
シスルホニル、2-エチルヘキシルオキシスルホニル、フ
ェノキシスルホニル、2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシス
ルホニル、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、2-
エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキ
サデシルスルホニル、フェニルスルホニル、4-ノニルフ
ェニルスルホニル、およびp-トルイルスルホニル);ス
ルホニルオキシ(例えばドデシルスルホニルオキシ、お
よびヘキサデシルスルホニルオキシ);スルフィニル
(例えばメチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、
2-エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニ
ル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、4-ノニルフェニルスルフィニル、およびp-トルイル
スルフィニル);
【0170】チオ(例えばエチルチオ、オクチルチオ、
ベンジルチオ、テトラデシルチオ、2-(2,4-ジ -t-ペン
チルフェノキシ) エチルチオ、フェニルチオ、2-ブトキ
シ -5-t-オクチルフェニルチオ、およびp-トリルチ
オ);アシルオキシ(例えばアセチルオキシ、ベンゾイ
ルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p-ドデシルアミド
ベンゾイルオキシ、N-フェニルカルバモイルオキシ、N-
エチルカルバモイルオキシ、およびシクロヘキシルカル
ボニルオキシ);アミノ(例えばフェニルアニリノ、2-
クロロアニリノ、ジエチルアミノ、ドデシルアミノ);
イミノ(例えば 1-(N-フェニルイミド) エチル、N-スク
シンイミド、または3-ベンジルヒダントイニル);
【0171】ホスフェート(例えばジメチルホスフェー
トおよびエチルブチルホスフェート);ホスフィット
(例えばジエチルホスフィットおよびジヘキシルホスフ
ィット);複素環式基、複素環式オキシ基、または複素
環式チオ基(これらの各々は置換されていてもよく、酸
素、窒素、および硫黄からなる群より選ばれる少なくと
も1個のヘテロ原子と炭素原子とを含んでなる3〜7員
の複素環を含有している)(例えば2-フリル、2-チエニ
ル、2-ベンゾイミダゾリルオキシ、または2-ベンゾチア
ゾリル);第四級アンモニウム(例えばトリエチルアン
モニウム);およびシリルオキシ(例えばトリメチルシ
リロキシ)などの基(さらに置換されていてもよい)で
あってもよい。
【0172】望まれる場合には、これらの置換基は、そ
れら自体が、記載されている置換基でさらに1回以上置
換されていてもよい。使用される個々の置換基は、特定
の用途に望まれる写真特性を達成するように当業者が選
ぶことができ、例えば、疎水基、可溶化基、ブロッキン
グ基、放出基または放出可能基などを含むことができ
る。一般に、上記の基およびそれらの置換基は、48個以
下の炭素原子、概して1〜36個の炭素原子、および通常
は24個未満の炭素原子を有するものを含んでいるけれど
も、選択される個々の置換基によっては、より大きい数
も可能である。
【0173】バラスト基上の代表的な置換基には、アル
キル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキ
ルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニ
ル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、
アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カ
ルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニ
ル、スルホンアミド、およびスルファモイル基が含ま
れ、これらの置換基は、概して1〜42個の炭素原子を含
有している。このような置換基は、さらに置換されてい
てもよい。
【0174】これらの写真要素において使用することが
できる安定剤およびスキャベンジャーは以下の通りであ
るけれども、これらに限定されるものではない。
【0175】
【化25】
【0176】
【化26】
【0177】本発明において使用することができる溶媒
の例には以下のものが含まれる。 リン酸トリトリル S−1 フタル酸ジブチル S−2 フタル酸ジウンデシル S−3 N,N-ジエチルドデカンアミド S−4 N,N-ジブチルドデカンアミド S−5 リン酸トリス (2-エチルヘキシル) S−6 アセチルクエン酸トリブチル S−7 2,4-ジ -t-ペンチルフェノール S−8 酢酸 2-(2-ブトキシエトキシ) エチル S−9 1,4-シクロヘキシルジメチレンビス (2-エチルヘキサノエート) S−10
【0178】写真要素において使用される分散系は、例
えば米国特許第 4,992,358号、同 4,975,360号、および
同 4,587,346号の各明細書に記載されているものなどの
紫外線(UV)安定剤や、いわゆる液体UV安定剤を含
んでいてもよい。UV安定剤の例を以下に示す。
【0179】
【化27】
【0180】
【化28】
【0181】水性層は界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤はカチオン性、アニオン性、両イオン性、ま
たは非イオン性であることができる。有用な界面活性剤
には以下のものが含まれるけれども、これらに限定され
るものではない。
【0182】
【化29】
【0183】さらに、粒子が成長しやすい写真用分散系
を、Zengerle他によって米国特許第5,468,604号明細書
において開示されているものなどの疎水性の写真的に不
活性な化合物の使用により安定化させることも企図され
ている。
【0184】写真要素はまた、水中油形分散系、ラテッ
クス分散系、あるいは固体粒子分散系として、コロイド
状銀ゾル、またはイエロー、シアン、および/もしくは
マゼンタのフィルター色素を含んでなるフィルター色素
層を含有していてもよい。吸収材料の有用な例は、リサ
ーチディスクロージャー、1996年9月、アイテム 3895
7、セクションVIIIにおいて開示されている。
【0185】写真要素はまた、鮮鋭度を増大させること
ができ、スピードおよび最小濃度を制御するのに使用す
ることができる光吸収材料を含有していてもよい。有用
な吸収色素の例は、米国特許第 4,877,721号、同 5,00
1,043号、同 5,153,108号、および同 5,035,985号の各
明細書に記載されている。固体粒子分散系色素は、米国
特許第 4,803,150号、同 4,855,221号、同 4,857,446
号、同 4,900,652号、同 4,900,653号、同 4,940,654
号、同 4,948,717号、同 4,948,718号、同 4,950,586
号、同 4,988,611号、同 4,994,356号、同 5,098,820
号、同 5,213,956号、同 5,260,179号、および同 5,26
6,454号の各明細書に記載されている。有用な色素には
以下のものが含まれるけれども、これらに限定されるも
のではない。
【0186】
【化30】
【0187】好ましい態様において、本発明は、少なく
とも3種のハロゲン化銀乳剤層ユニットを含有するよう
に構成されている記録要素を用いる。本発明において使
用される記録要素に好適なフルカラー多層フォーマット
を構造Iによって表す。
【0188】 ───────────────────────── 赤増感 シアン色素画像形成ハロゲン化銀乳剤ユニット ───────────────────────── 中間層 ───────────────────────── 緑増感 マゼンタ色素画像形成ハロゲン化銀乳剤ユニット ───────────────────────── 中間層 ───────────────────────── 青増感 イエロー色素画像形成ハロゲン化銀乳剤ユニット ───────────────────────── 支持体 ───────────────────────── 構造I
【0189】上図中、赤増感シアン色素画像形成ハロゲ
ン化銀乳剤ユニットは支持体のもっとも近くに存在し、
その次に緑増感マゼンタ色素画像形成ユニットが存在
し、続いて最上部に青増感イエロー色素画像形成ユニッ
トが存在する。これらの画像形成ユニットは、色汚染を
防ぐために酸化発色現像主薬スキャベンジャーを含有し
ている親水性コロイド中間層によって互いから隔離され
ている。上述の粒子およびゼラチン−ペプタイザーに関
する要求条件を満たすハロゲン化銀乳剤は、これらの乳
剤層ユニットのうちのいずれか1つまたはこれらの乳剤
層ユニットの組み合わせの中に存在することができる。
本発明の要素に有用なさらなる多色多層フォーマットに
は、米国特許第 5,783,373号明細書に記載されている構
造が含まれる。本発明に係るこのような構造の各々は、
好ましくは、粒子の表面積の少なくとも50%が{10
0}結晶面によって占められており、かつ上述のクラス
(i)および(ii)のドーパントを含む高塩化物粒子
を含んでなる少なくとも3種のハロゲン化銀乳剤を含有
している。好ましくは、乳剤層ユニットの各々が、これ
らの条件を満たす乳剤を含有している。
【0190】より好ましい態様において、本発明は、Ri
egerの米国特許第 5,948,601号明細書に記載されている
ように構成されている記録要素を用いる。この態様にお
いて、本発明は、少なくとも3種のハロゲン化銀乳剤層
ユニットと、青感性乳剤層に隣接している中間層とを含
有するように構成されている記録要素を用いる。
【0191】本発明の方法における使用が企図される多
層(および特に多色)記録要素に導入することができる
従来の態様は、先に引用したリサーチディスクロージャ
、アイテム 38957の XI. 層および層構成(Layers and layer arrangement
s ) XII. カラーネガにのみ適用できる態様(Features app
licable only to color negative) XIII. カラーポジにのみ適用できる態様(Features app
licable only to color positive) B.カラーリバーサル(Color reversal) C.カラーネガから得られるカラーポジ(Color positi
ves derived from color negatives) XIV. 走査を容易にする態様(Scan facilitating feat
ures) によって説明されている。
【0192】本発明に係る輻射線感受性高塩化物乳剤層
を含んでなる記録要素は、従来通り光学焼付けをするこ
とができ、または、本発明のある特定の態様に従って、
電子焼付け法において概して用いられる好適な高エネル
ギー輻射線源を使用して画素毎に像様露光させることが
できる。エネルギーの好適な化学線としての形態は、電
磁スペクトルの紫外領域、可視領域、および赤外領域、
並びに電子ビーム輻射線を包含し、1種以上の発光ダイ
オードまたはレーザー(気相レーザーまたは固相レーザ
ーを含む)からの光線によって供給されるのが好都合で
ある。露光は単色性、整色性、または全整色性であるこ
とができる。例えば、記録要素が多層多色要素である場
合には、このような要素が感受性を有する適当な分光輻
射線、例えば赤外波長、赤波長、緑波長、または青波長
のレーザー光線または発光ダイオード光線によって露光
させることができる。前述の米国特許第 4,619,892号明
細書において開示されているように、赤外領域の少なく
とも2つの部分を含む電磁スペクトルの別個の部分にお
ける露光の関数として、シアン色素、マゼンタ色素、お
よびイエロー色素を生成する多色要素を用いることがで
きる。好適な露光には、2000nm以下、好ましくは1500nm
以下の露光が含まれる。好適な発光ダイオードおよび市
販のレーザー源は公知であり、商業的に入手可能であ
る。T. H. James の The Theory of the Photographic
Process, 4th Ed., Macmillan, 1977, Chapters 4, 6,
17, 18 and 23 によって説明されているように、従来の
感光度測定技術によって求められる記録要素の有用な応
答範囲内で、周囲温度、高温、もしくは低温、および/
または周囲圧力、高圧、もしくは低圧における像様露光
を用いることができる。
【0193】アニオン性[MXxyz ]六配位錯体
(Mは第8または9族金属(好ましくは鉄、ルテニウ
ム、またはイリジウム)であり、Xはハロゲン化物また
は擬ハロゲン化物(好ましくはCl、Br、またはC
N)であり、xは3〜5であり、YはH2 Oであり、y
は0または1であり、LはC−C、H−C、またはC−
N−H有機配位子であり、そしてzは1または2であ
る)が高強度相反則不軌(HIRF)、低強度相反則不
軌(LIRF)、および熱による感度の変動(thermal
sensitivity variance)を低減すること、並びに潜像保
持(LIK)を向上することに有効であることが認めら
れた。本明細書において用いられているように、HIR
Fは、露光時間を10-1〜10-6秒の範囲で変化させるけれ
ども、露光量は等しくした場合の写真特性の変動の目安
である。LIRFは、露光時間を10-1〜100秒の範囲で
変化させるけれども、露光量は等しくした場合の写真特
性の変動の目安である。これらの利点は、一般に、面心
立方格子粒子構造と適合しうるであろうけれども、高
(>50モル%、好ましくは90モル%以上)塩化物乳剤に
おいて、もっとも顕著な改良が認められた。好ましいC
−C、H−C、またはC−N−H有機配位子は、米国特
許第 5,462,849号明細書に記載されているタイプの芳香
族複素環である。もっとも有効なC−C、H−C、また
はC−N−H有機配位子は、置換されていないかまたは
アルキル、アルコキシ、もしくはハロゲン化物置換基を
含有しているアゾール類およびアジン類である(これら
のアルキル部分は1〜8個の炭素原子を含有してい
る)。特に好ましいアゾール類およびアジン類には、チ
アゾール類、チアゾリン類、およびピラジン類が含まれ
る。
【0194】露光源によって記録媒体に提供される高エ
ネルギー化学輻射線の量またはレベルは一般に少なくと
も10-5μJ/cm2 (10-4 erg/cm2)、概して約10-5μJ/cm
2 〜10-4μJ/cm2 (10-4 erg/cm2〜10-3 erg/cm2)の範
囲内であり、往々にして10-4μJ/cm2 〜10μJ/cm2 (10
-3 erg/cm2〜102erg/cm2)である。従来技術において知
られているように、画素毎の記録要素の露光は非常に短
い期間または時間しか持続しない。典型的な最大露光時
間は 100μ秒以下であり、たいてい10μ秒以下であり、
ほんの 0.5μ秒以下であることもしばしばである。各画
素の単一露光または多重露光が企図されている。画素密
度は、当業者に明らかであるように、種々の態様に依存
する。画素密度が高いほど、画像をより鮮鋭にすること
ができるけれども、装置の複雑さという犠牲を伴う。一
般に、本明細書に記載されているタイプの従来の電子焼
付け法において使用される画素密度は107 画素/cm2を超
えず、概して約104 〜106 画素/cm2の範囲内にある。露
光源、露光時間、露光レベル、および画素密度、並びに
他の記録要素特性を含むシステムの種々の特徴および構
成要素を検討したハロゲン化銀印画紙を使用する高品質
連続階調カラー電子焼付けの技術についての評価は、Fi
rth 他のA Continuous-Tone Laser Color Printer, Jou
rnal of Imaging Technology, Vol. 14, No. 3, June 1
988 に掲載されている。本明細書において既に示したよ
うに、発光ダイオード光線またはレーザー光線などの高
エネルギー光線を用いて記録要素を走査することを含む
従来の電子焼付け法の詳細のいくつかに関する記載が、
Hioki の米国特許第 5,126,235号、欧州特許出願公開明
細書第479 167 A1号および同502 508 A1号に示されてい
る。
【0195】一度像様露光させると、記録要素を、いず
れのか好都合な従来の手法で処理して、目に見える画像
を得ることができる。このような処理は、先に引用した
リサーチディスクロージャー、アイテム 38957の XVIII. 化学現像システム(Chemical development sys
tems) XIX. 現像(Development ) XX. 脱銀、洗浄、濯ぎ、および安定化(Desilverin
g, washing, rinsing and stabilizing ) によって説明されている。
【0196】さらに、本発明の材料に有用な現像剤は、
均質な一液型現像剤である。この均質な一液型発色現像
主薬濃厚物は、以下の重要な一連の工程を使用して調製
される。
【0197】最初の工程において、好適な発色現像主薬
の水溶液を調製する。この発色現像主薬は一般に硫酸塩
の形である。この溶液の他の構成成分として、発色現像
主薬のための酸化防止剤、アルカリ金属塩基によって
(硫酸イオンに対して少なくとも化学量論的割合で)提
供される好適な数のアルカリ金属イオン、および写真的
に不活性な水混和性または水溶性のヒドロキシ含有有機
溶媒が含ませることができる。この溶媒は、水の有機溶
媒に対する質量比が約15:85〜約50:50であるような濃
度で、最終的な濃厚物中に存在する。
【0198】この環境において、とりわけ高アルカリ度
では、アルカリ金属イオンと硫酸イオンとが硫酸塩を形
成し、この硫酸塩はヒドロキシ含有有機溶媒の存在下で
沈澱する。次に、沈澱した硫酸塩を、いずれかの好適な
液相/固相分離技法(濾過、円心分離、またはデカンテ
ーションを含む)を使用して容易に除去することができ
る。酸化防止剤が液体有機化合物である場合には、2つ
の相が形成される場合があり、水性相を廃棄することに
よって沈澱物を取り出すことができる。
【0199】本発明の発色現像濃厚物は、当該技術分野
において周知であり、酸化型では、処理された材料中の
色素形成カラーカプラーと反応する1種以上の発色現像
主薬を含む。このような発色現像主薬には、アミノフェ
ノール、p-フェニレンジアミン(とりわけN,N-ジアルキ
ル -p-フェニレンジアミン)、および当該技術分野にお
いて周知の他のもの、例えば欧州特許出願公開明細書第
0 434 097 A1号(1991年6月26日公開)および欧州特許
出願公開明細書第0 530 921 A1号(1993年3月10日公
開)に記載されているものが含まれるけれども、これら
に限定されるものではない。発色現像主薬が当該技術分
野において既知の1種以上の水可溶化基を有することが
有用な場合がある。このような材料のさらなる詳細は、
リサーチディスクロージャー、アイテム 38957、第 592
〜 639頁(1996年9月)に掲載されている。リサーチデ
ィスクロージャーは、 Kenneth Mason Publications, L
td.,Dudley House, 12 North Street, Emsworth, Hamps
hire PO10 7DQ, England の刊行物である(Emsworth De
sign Inc., 121 West 19th Street, New York, N.Y.100
11からも入手可能である)。
【0200】好ましい発色現像主薬には、N,N-ジエチル
-p-フェニレンジアミンスルフェート (KODAK Color De
veloping Agent CD-2)、4-アミノ -3-メチル-N-(2-メタ
ンスルホンアミドエチル) アニリンスルフェート、 4-
(N-エチル -N-β−ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチル
アニリンスルフェート (KODAK Color Developing Agent
CD-4)、p-ヒドロキシエチルエチルアミノアニリンスル
フェート、 4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニルアミノ
エチル)-2-メチルフェニレンジアミンセスキスルフェー
ト (KODAK Color Developing Agent CD-3)、 4-(N-エチ
ル -N-2-メタンスルホニルアミノエチル)-2-メチルフェ
ニレンジアミンセスキスルフェート、および当業者に容
易に明らかな他のものが含まれるけれども、これらに限
定されるものではない。
【0201】発色現像主薬を酸化から保護するために、
一般に、発色現像組成物に1種以上の酸化防止剤を含ま
せる。無機または有機のいずれかの酸化防止剤を使用す
ることができる。多くの種類の有用な酸化防止剤が知ら
れており、これらには、亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸カリウム、重硫酸ナトリウム、およびメタ
重亜硫酸カリウム)、ヒドロキシルアミン(およびその
誘導体)、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノ酸、アスコ
ルビン酸(およびその誘導体)、ヒドロキサム酸、アミ
ノケトン、単糖類および多糖類、モノアミンおよびポリ
アミン、第四級アンモニウム塩、ニトロキシラジカル、
アルコール、およびオキシムが含まれるけれども、これ
らに限定されるものではない。1,4-シクロヘキサジオン
もまた酸化防止剤として有用である。望まれる場合に
は、同じ種類または異なる種類の酸化防止剤の化合物の
混合物を使用することもできる。
【0202】とりわけ有用な酸化防止剤は、例えば、米
国特許第 4,892,804号、同 4,876,174号、同 5,354,646
号、および同 5,660,974号(これらは全て既に示し
た)、並びに米国特許第 5,646,327号(Burns 他)の各
明細書に記載されているようなヒドロキシルアミン誘導
体である。これらの酸化防止剤の多くは、一方または両
方のアルキル基上に1種以上の置換基を有するモノアル
キルヒドロキシルアミンおよびジアルキルヒドロキシル
アミンである。特に有用なアルキル置換基には、スル
ホ、カルボキシ、アミノ、スルホンアミド、カルボンア
ミド、ヒドロキシ、および他の可溶化置換基が含まれ
る。
【0203】より好ましくは、上記ヒドロキシルアミン
誘導体は、1つ以上のアルキル基上に1つ以上のヒドロ
キシ置換基を有するモノアルキルヒドロキシルアミンま
たはジアルキルヒドロキシルアミンであることができ
る。このタイプの代表的な化合物は、例えば米国特許第
5,709,982号(Marrese 他)明細書において、下記構造
【0204】
【化31】
【0205】(上式中、Rは水素、炭素原子が1〜10個
の置換されているかもしくは未置換であるアルキル基、
炭素原子が1〜10個の置換されているかもしくは未置換
であるヒドロキシアルキル基、炭素原子が5〜10個の置
換されているかもしくは未置換であるシクロアルキル
基、または6〜10個の炭素原子を芳香核に有する置換さ
れているかもしくは未置換であるアリール基であり、
【0206】X1 は−CR2 (OH)CHR1 −であ
り、X2 は−CHR1 CR2 (OH)−(式中、R1
よびR2 は独立に水素、ヒドロキシ、炭素原子が1個も
しくは2個の置換されているかもしくは未置換であるア
ルキル基、炭素原子が1個もしくは2個の置換されてい
るかもしくは未置換であるヒドロキシアルキル基である
か、あるいはR1 とR2 とがいっしょになって、置換さ
れているかもしくは未置換である5〜8員の飽和または
不飽和炭素環式環構造を完成するのに必要な炭素原子を
表す)であり、
【0207】Yは、少なくとも4個の炭素原子を有し、
かつ偶数の炭素原子を有する置換されているかもしくは
未置換であるアルキレン基であるか、またはYは、全炭
素原子数が偶数であり、分子鎖中に酸素原子を有する置
換されているかもしくは未置換である二価脂肪族基であ
るが、その脂肪族基は分子鎖中に少なくとも4個の原子
を有する)を有すると記載されている。
【0208】また、構造Iにおいて、m、nおよびpは
独立に0または1である。好ましくは、mおよびnの各
々は1であり、pは0である。
【0209】具体的な二置換ヒドロキシルアミン酸化防
止剤には、N,N-ビス (2,3-ジヒドロキシプロピル) ヒド
ロキシルアミン、N,N-ビス (2-メチル -2,3-ジヒドロキ
シプロピル) ヒドロキシルアミン、およびN,N-ビス (1-
ヒドロキシメチル -2-ヒドロキシ -3-フェニルプロピ
ル) ヒドキシルアミンが含まれるけれども、これらに限
定されるものではない。最初の化合物が好ましい。
【0210】以下の例により本発明の実施を説明する。
これらの例は、本発明のすべての可能な態様を網羅して
いると解されるべきものではない。特に断らない限り、
部および百分率は質量によるものである。
【0211】
【実施例】例1 この例では、本発明のハロゲン化銀カラー乳剤を、2種
の像形成支持体材料に塗布した。本発明の第1の支持体
材料は、二軸配向シートを写真グレードのセルロース紙
に積層することによって構成した。対照標準材料である
第2の支持体材料は、低密度ポリエチレンを写真グレー
ドのセルロース紙に溶融押出塗布することによって構成
した。この対照標準材料は、従来技術の写真用支持体材
料の典型的なものである。この例では、本発明によって
なされる改良を、ディジタル印刷において対照標準と比
較する。さらに、この例では、従来技術のベース材料に
勝る画像鮮鋭度、白色度、および耐久性の改良を示す。
【0212】対照標準において利用した支持体材料は、
低密度ポリエチレンを溶融押出して写真グレードのセル
ロース紙ベースに適用したものからなる。対照標準支持
体の頂部面上の低密度ポリエチレンは、青の色味剤、ア
ナターゼTiO2 、および蛍光増白剤を含有している。
対照標準支持体の構造は、従来技術のカラー写真用ベー
ス材料の典型的なものである。
【0213】以下は本発明の説明であり、以下の頂部お
よび底部の二軸配向シートを以下に記載する写真グレー
ドのセルロース紙に押出積層することによって調製し
た。
【0214】頂部シート(乳剤側):複合シートは、L
1、L2、L3、L4、およびL5と識別される5つの
層からなる。L1は、感光性ハロゲン化銀層が付与され
たパッケージの外側にある薄い着色層である。L2は、
蛍光増白剤およびTiO2 が添加された層である。使用
した蛍光増白剤は、Ciba-Geigy製のHostalux KS であ
る。押出塗布グレードのアナターゼTiO2 をL2およ
びL4の両方に添加した。以下の表Iに、この例におい
て使用した頂部二軸配向シートの層の特性を列挙する。
【0215】 表I ────────────────────────────────── 層 材料 厚み(μm ) ────────────────────────────────── L1 LDポリエチレン+濃厚着色剤 0.65 L2 ポリプロピレン+24%TiO2+OB 6.75 L3 ボイド化ポリプロピレン 30 L4 ポリプロピレン+18%TiO2 6.90 L5 ポリプロピレン 0.66 ──────────────────────────────────
【0216】本発明において使用される写真グレードの
セルロース紙:標準的な長網抄紙機および殆ど漂白され
た硬材クラフト繊維の配合物を使用して、本発明のため
の紙ベースを製造した。繊維の比は、主として漂白ポプ
ラ(38%)およびカエデ/ブナ(37%)並びにより少量
のカバ(18%)および軟材(7%)からなるものとし
た。繊維の長さは、Kajaani FS-200によって測定すると
重みつき平均で0.73mmの長さであったものを、高レベル
のコニカル精粋および低レベルのディスク精粋を使用し
て、0.55mmの長さとした。スラリーからの繊維長は、FS
-200 Fiber Length Analyzer (Kajaani Automation In
c.)を使用して測定した。全正味叩解出力 (total Speci
fic Net Refining Power)(SNRP)によって示され
る繊維に与えられるエネルギーは 127KW時/メートルト
ンであった。2つのコニカルリファイナーを直列にして
使用して、全コニカルリファイナーにSNRP値を提供
した。この値は、各々のコニカルリファイナーのSNR
Pを合計することによって得た。2つのディスクリファ
イナーを直列にして使用して、全ディスクSNRPを提
供した。中性サイジング化学添加剤(乾燥質量に基づい
て利用した)は、アルキルケテンダイマー(0.20%添
加)、カチオン性澱粉( 1.0%)、ポリアミノアミドエ
ピクロロヒドリン(0.50%)、ポリアクリルアミド樹脂
(0.18%)、ジアミノスチルベン蛍光増白剤(0.20
%)、および重炭酸ナトリウムを含むものとした。ヒド
ロキシエチル化澱粉および塩化ナトリウムを使用する表
面サイジングも用いたけれども、このことは本発明にと
って重要ではない。3番目の乾燥機セクションにおいて
は、比例乾燥を利用して、シートの表面からワイヤー側
に水分バイアスを提供した。次に、カレンダー加工の直
前に、コンディショニングを施した蒸気を用いてシート
の表面側(乳剤側)を再加湿した。カレンダー加工の直
前およびカレンダー加工の最中にシート温度を76℃〜93
℃に上げた。次に、この紙をカレンダー加工して、嵩密
度を1.17とした。カレンダー後の水分量は 7.0〜 9.0質
量%であった。紙ベースBは 254μm の厚みに製造し
た。
【0217】底部シート(裏側):本発明のベースの裏
側に積層した底部二軸配向シートは、片側が艶消し仕上
げであり、中実配向ポリプロピレン層と、ポリエチレン
並びにエチレン、プロピレン、およびブチレンを含んで
なるターポリマーの混合物の表皮層とからなる二軸配向
ポリプロピレンシート(25.6μm 厚)(d=0.90 g/cm3
とした。表皮層が底部にあり、ポリプロピレン層を紙に
積層した。
【0218】この例において使用される頂部シートを共
押出し、二軸配向させた。この頂部シートを、Exxon Ch
emical Corp.製のメタロセン触媒エチレンプラストマー
(SLP9088)を使用して上記セルロース紙ベースに溶融押
出積層した。このメタロセン触媒エチレンプラストマー
は、密度が 0.900 g/cm3であり、メルトインデックスが
14.0であった。
【0219】次に、グラビアコーターを使用して、本発
明の積層二軸配向シートにコーティングを適用し、高周
期粗さを裏面に付与した。このコーティングは、アクリ
レートラテックス中に分散されたスチレンスルホン酸の
ナトリウム塩を含有している水溶液からなるものとし
た。25 mg/m2の付着量を使用し、次に、最終的なウェブ
温度を約55℃として乾燥させたところ、得られた融合ラ
テックス材料が所望の高周期粗さパターンを生成してい
た。スチレンスルホン酸のナトリウム塩の他に、アルミ
ニウム改質コロイド状二酸化ケイ素粒子を0.50 mg/m2
濃度で上記水性ラテックス材料に添加した。これによ
り、高周期粗さがさらに高まった。
【0220】この二軸配向シート用のL3層はミクロボ
イド化されたものであり、表IIにさらに記載されてい
る。表IIには、L3層を通る単一の切片に沿って測定さ
れた屈折率および幾何学的厚みが示されており、それら
は連続層を意味せず、別の位置に沿った切片では、その
厚みとは異なるけれども、およそ同じ厚みを示すであろ
う。屈折率が 1.0の領域は空気で満たされたボイドであ
り、残りの層はポリプロピレンである。
【0221】
【0222】ハロゲン化銀乳剤を以下に記載するように
化学増感および分光増感させた。N-メチル−イソチアゾ
ロンおよびN-メチル -5-クロロ−イソチアゾロンを含ん
でなる殺生剤を増感後に添加した。
【0223】青感性乳剤(青EM−1):およそ当モル
の硝酸銀溶液および塩化ナトリウム溶液を、p-グルタリ
ルジアミノフェニルジスルフィド、ゼラチンペプタイザ
ー、およびチオエーテル熟成剤が入っている反応器中
に、よく撹拌しながら添加することによって、高塩化物
ハロゲン化銀乳剤を析出させた。製造過程の 3.9%〜70
%におけるハロゲン化銀粒子の形成中に、ペンタクロロ
ニトロシルオスミウム酸(II)セシウムドーパントを添
加し、続いて、製造過程の75〜80%においてヘキサシア
ノルテニウム酸(II)カリウムを添加し、そして、製造
過程の92〜95%において (5-メチルチアゾール)-ペンタ
クロロイリジウム酸カリウムを添加した。さらに、製造
過程の90%±3%においてヨウ化カリウムを添加して、
粒子中の銀の 0.2%± 0.1%にヨウ化銀の帯域を形成さ
せた。得られた乳剤は、辺の長さが0.64μm の立方形の
粒子を含有していた。この乳剤を、p-グルタリルジアミ
ノフェニルジスルフィド、続いての硫化第一金のコロイ
ド状懸濁液を添加し、60℃まで加熱することによって最
適に増感させた。温度が60℃に達した後、青増感色素 B
SD-4、ヘキサクロロイリジウム酸カリウム、リップマン
臭化物、および 1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカ
プトテトラゾールを添加した。
【0224】緑感性乳剤(緑EM−1):およそ当モル
の硝酸銀溶液および塩化ナトリウム溶液、p-グルタリル
ジアミノフェニルジスルフィドを含有している硝酸銀溶
液を、ゼラチンペプタイザーおよびチオエーテル熟成剤
が入っている反応器中に、よく撹拌しながら添加するこ
とによって、高塩化物ハロゲン化銀乳剤を析出させた。
ハロゲン化銀粒子形成の 1.5%〜75%においてペンタク
ロロニトロシルオスミウム酸(II)セシウムドーパント
を添加し、続いて、析出の90〜95%において (5-メチル
チアゾール)-ペンタクロロイリジウム酸カリウムを添加
した。得られた乳剤は、辺の長さが0.34μmの立方形の
粒子を含有していた。この乳剤を、緑増感色素 GSD-1の
液体結晶懸濁液および硫化第一金のコロイド状懸濁液を
添加し、続いて60℃まで加熱することによって最適に増
感させた。40℃まで冷却した後、カブリ防止剤 1-(3-ア
セトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール、臭化
カリウム、および塩化カリウムを添加した。
【0225】赤感性乳剤(赤EM−1):およそ当モル
の硝酸銀溶液および塩化ナトリウム溶液を、ゼラチンペ
プタイザーおよびチオエーテル熟成剤が入っている反応
器中に、よく撹拌しながら添加することによって、高塩
化物ハロゲン化銀乳剤を析出させた。ハロゲン化銀粒子
形成中、析出の 3%〜75%、80〜85%、および90〜95%
において、それぞれペンタクロロニトロシルオスミウム
酸セシウム、ヘキサシアノルテニウム酸(II)カリウ
ム、および (5-メチルチアゾール)-ペンタクロロイリジ
ウム酸カリウムを添加した。得られた乳剤は、辺の長さ
が0.38μm の立方形の粒子を含有していた。この乳剤
を、グルタリルジアミノフェニルスルフィド、チオ硫酸
ナトリウム、およびビス (1,4,5-トリメチル -1,2,4-ト
リアゾリウム -3-チオレート) 金(I)フルオロホウ酸
塩の添加によって最適に増感させた。65℃まで加熱した
後、この乳剤を28時間保持し、次に以下のものを添加し
た。 1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラ
ゾール、ヘキサクロロイリジウム酸カリウム、および臭
化カリウム。次に、この乳剤を40℃まで冷却し、赤増感
色素 RSD-1を添加した。
【0226】カプラー分散系を当該技術分野に周知の方
法によって乳化させ、以下の層を以下の支持体に塗布し
た。
【0227】以下の感光性ハロゲン化銀像形成層を利用
して、本発明のための写真プリント材料を調製した。カ
ーテンコーティングを利用して以下の像形成層を塗布し
た。
【0228】 ────────────────────────────────── 層 アイテム レイダウン(g/m2) ────────────────────────────────── 層1 青感性層 ゼラチン 1.3885 青感性銀(青EM−1) 0.2799 Y−5 0.4521 ST−6 0.0775 ST−7 0.0258 S−3 0.1981 ピペリジノヘキソースレダクトン 0.0023 ナトリウムフェニルメルカプト 0.0001 テトラゾール DYE−1 0.0323
【0229】 層2 分割イエロー中間層 ゼラチン 0.3229 Y−5 0.1938 ST−6 0.0332 ST−7 0.0111 S−3 0.0849
【0230】 層3 中間層 ゼラチン 0.7535 ST−4 0.0660 S−2 0.1884 アクリルアミド/t-ブチル 0.1281 アクリルアミドスルホン酸 コポリマー ビス−ビニルスルホニルメタン 0.0151
【0231】 層4 緑感性層 ゼラチン 1.3498 緑感性銀(緑EM−1) 0.1076 M−2 0.2142 S−2 0.0761 S−3 0.0326 ST−8 0.0560 ST−21 0.1636 DYE−2 0.0075 ナトリウムフェニルメルカプト 0.0003 テトラゾール
【0232】 層5 UV中間層 ゼラチン 0.7136 UV−1 0.0312 UV−2 0.1722 ST−4 0.0527 S−10 0.0344 S−2 0.0344
【0233】 層6 赤感性層 ゼラチン 1.3563 赤感性銀(赤EM−1) 0.1938 C−1 0.4004 S−2 0.3918 UV−2 0.2573 S−9 0.0328 ST−4 0.0033 DYE−3 0.0151 トリルチオスルホン酸カリウム 0.0027 トリルチオスルフィン酸カリウム 0.0003
【0234】 層7 UVオーバーコート ゼラチン 0.5350 UV−1 0.0229 UV−2 0.1301 ST−4 0.0384 S−10 0.0255 S−2 0.0255
【0235】 層8 SOC ゼラチン 0.6458 Ludox AM(商標) 0.1615 (コロイド状シリカ) ポリジメチルシロキサン 0.0202 ( DC200(商標)) ──────────────────────────────────
【0236】 ────────────────────────────────── 層 アイテム レイダウン(g/m2) ────────────────────────────────── 層1 青感性層 ゼラチン 1.3127 青感性銀(青EM−1) 0.2399 Y−4 0.4143 ST−23 0.4842 クエン酸トリブチル 0.2179 ST−24 0.1211 ST−16 0.0095 ナトリウムフェニルメルカプト 0.0001 テトラゾール ピペリジノヘキソースレダクトン 0.0024 5-クロロ -2-メチル 0.0002 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) SF−1 0.0366 塩化カリウム 0.0204 DYE−1 0.0148
【0237】 層2 中間層 ゼラチン 0.7532 ST−4 0.1076 S−3 0.1969 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) カテコールジスルホネート 0.0323 SF−1 0.0081
【0238】 層3 緑感性層 ゼラチン 1.1944 緑感性銀(緑EM−1) 0.1011 M−4 0.2077 オレイルアルコール 0.2174 S−3 0.1119 ST−21 0.0398 ST−22 0.2841 DYE−2 0.0073 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) SF−1 0.0236 塩化カリウム 0.0204 ナトリウムフェニルメルカプト 0.0007 テトラゾール
【0239】 層4 M/C中間層 ゼラチン 0.7532 ST−4 0.1076 S−3 0.1969 アクリルアミド/t-ブチル 0.0541 アクリルアミドスルホン酸 コポリマー ビス−ビニルスルホニルメタン 0.1390 3,5-ジニトロ安息香酸 0.0001 クエン酸 0.0007 カテコールジスルホネート 0.0323 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1)
【0240】 層5 赤感性層 ゼラチン 1.3558 赤感性銀(赤EM−1) 0.1883 IC−35 0.2324 IC−36 0.0258 UV−2 0.3551 セバシン酸ジブチル 0.4358 S−6 0.1453 DYE−3 0.0229 p-トルエンチオスルホン酸カリウム 0.0026 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) ナトリウムフェニルメルカプト 0.0005 テトラゾール SF−1 0.0524
【0241】 層6 UVオーバーコート ゼラチン 0.8231 UV−1 0.0355 UV−2 0.2034 ST−4 0.0655 SF−1 0.0125 S−6 0.0797 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1)
【0242】 層7 SOC ゼラチン 0.6456 Ludox AM(商標) 0.1614 (コロイド状シリカ) ポリジメチルシロキサン 0.0202 ( DC200(商標)) 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) SF−2 0.0032 Tergitol 15-S-5(商標) 0.0020 (界面活性剤) SF−1 0.0081 Aerosol OT(商標) 0.0029 (界面活性剤) ──────────────────────────────────
【0243】コーティングフォーマット1を利用して、
対照標準用の写真プリント材料を調製した。対照標準用
の銀層はドーパント(i)および(ii)を有しておら
ず、一般に、市販の乳剤に相当するものである。カーテ
ンコーティングを利用して以下の像形成層を塗布した。
【0244】 コーティングフォーマット1 レイダウン( mg/m2) 層1 青感性層 ゼラチン 1300 青感性銀 200 Y−1 440 ST−23 440 S−2 190
【0245】 層2 中間層 ゼラチン 650 ST−4 55 S−2 160
【0246】 層3 緑感性層 ゼラチン 1100 緑感性銀 70 M−1 270 S−2 75 S−3 32 ST−8 20 ST−21 165 ST−22 530
【0247】 層4 UV中間層 ゼラチン 635 UV−1 30 UV−2 160 ST−4 50 S−10 30 S−2 30
【0248】 層5 赤感性層 ゼラチン 1200 赤感性銀 170 C−1 365 S−2 360 UV−2 235 S−9 30 ST−4 3
【0249】 層6 UVオーバーコート ゼラチン 440 UV−1 20 UV−2 110 ST−4 30 S−10 20 S−2 20
【0250】 層7 SOC ゼラチン 490 ST−4 17 SiO2 200 界面活性剤 2
【0251】
【化32】
【0252】1000ns(ナノ秒)の電場変調分割露光(ラ
スター走査)によって本発明の材料および対照標準材料
についての D LogH 特性曲線を生成させた。カーボン階
調タブレットおよび分解フィルターを使用する密着焼付
法によって 0.5秒の露光を行った。1000nsのディジタル
露光をさせたものおよび 0.5秒の密着焼付露光をさせた
ものを、従来の RA-4 現像化学により処理し、ステータ
スA反射型濃度計で読み取った。特性曲線をプロット
し、これらのプロットから肩部の最大濃度およびインマ
ックス(inmax) 値を得た。図は D LogH 特性曲線を示し
ている。Dmin 値10は濃度軸上の曲線の切片であり、
12はDmax (最大濃度)であり、14はスピード点で
あり、16は肩部であり、そして18はインマックス値
である。D min 値10とDmin 値10よりも0.04単位高
い点との間の距離を22に示す。肩部、最大濃度、およ
びインマックスについての損失(%)の値を計算した。
使用した損失(%)の方程式は、損失(%)={( 0.5
秒露光での値−1000ns露光での値)/ 0.5秒露光での
値}× 100、である。 D LogH 特性曲線から得た損失
(%)の値を以下の表IAに列挙する。
【0253】 表IA ──────────────────────────── 損失(%)( 0.5秒対1000ns) ──────────────── 対照標準 本発明 ──────────────────────────── 赤の肩部 −37.3 − 7.0 緑の肩部 −19.6 − 5.4 青の肩部 −27.8 − 2.3 赤のDmax −29.9 − 3.4 緑のDmax −19.6 − 6.4 青のDmax −16.9 − 2.5 赤のインマックス −42.7 − 6.7 緑のインマックス −23.3 − 7.3 青のインマックス −33.1 − 2.6 ────────────────────────────
【0254】表IAのデータは、対照標準と比較して本発
明が有するディジタル印刷における利点を明らかに示し
ている。理想的なカラーペーパーは、理論的には、この
極端な露光量範囲でも損失(%)がゼロであるので、す
べての色記録において損失(%)が10%未満であったこ
とは例外的であると考えられる。肩部、Dmax 、および
インマックスに関して、本発明は対照標準のカラーペー
パーよりも明らかに優れており、これは、本発明の調合
物によって可能となる予想外の大きな相反則制御に帰す
るものである。本発明のカラーペーパーは、各々の色記
録に関する損失(%)を10%未満に抑えつつ、この極端
な露光量範囲にわたって露光させることができるため、
本発明のカラーペーパーは、ネガ型光学的露光装置およ
び直記式サブミクロンディジタルシステムの両方におい
て機能することができる点で、かなりの商業的価値を有
する。
【0255】上記材料の曲げ剛性は、Lorentzen and We
ttre剛性試験機 Model 16Dを使用することによって測定
した。この機器からの出力は、長さ20mm、幅38.1mmの試
料の、片持ちにされてクランプで締められていない側の
端を、無負荷の位置から15°の角度に曲げるのに必要と
される力(mN)である。この試験において、写真材料A
およびBの縦方向および横方向の両方の剛性を、典型的
な低コスト写真印画紙および高級写真印画紙の剛性と比
較した。光源 D6500を使用し、Spectrogard 分光光度
計、CIE表色系を使用して、L* または明度を測定し
た。上記試験に関する試験結果を下記の表III に列挙す
る。
【0256】
【化33】
【0257】
【化34】
【0258】
【化35】
【0259】(ポリカーボネートシートをオーバーラミ
ネートする前の)本発明の写真要素の構造は以下の通り
とした。
【0260】 ──────────────────────────── コーティング層1〜7 ──────────────────────────── TiO2、青の色味剤、および蛍光増白剤を有する 頂部二軸配向ミクロボイド化ポリオレフィンシート ──────────────────────────── 10%のアナターゼTiO2を有するエチレンプラストマー ──────────────────────────── 2%のルチルTiO2および0.10%の青色素を有する 厚みが 254μm のセルロース紙ベース ──────────────────────────── エチレンプラストマー ──────────────────────────── 底部二軸配向ポリオレフィンシート ──────────────────────────── スチレンスルホン酸のナトリウム塩 ────────────────────────────
【0261】各々の写真要素の乳剤側の表面粗さを、試
料調製時(紙ベースの形)、押出積層後、およびハロゲ
ン化銀乳剤塗布後の3つの段階において、Federal Prof
ilerによって測定した。Federal Profiler機器は、台板
の表面に接する電動式駆動ニップからなる。測定される
べき試料を台板上に置き、ニップを通して送る。マイク
ロメーター集成装置が台板の上に吊り下げられている。
スピンドルの端部が、試料の厚みを測定するための基準
面を提供する。この平面は直径0.95cmであるので、試料
の上部面の微細な粗さのディテールはすべて乗り越えら
れる。スピンドルの直下で、公称で台板表面と面一のと
ころに、ゲージヘッドの可動式半球形スタイラスがあ
る。スタイラスの半径は、検知することができる空間量
に関係する。ゲージ増幅器の出力は12ビットにディジタ
ル化される。サンプリング速度は 2.5cmあたりに 500回
の測定である。製品の厚みは、20mm2 の測定プローブヘ
ッドを使用して、Mitutoyoディジタルリニアゲージで測
定した。上記試験に関する結果を以下の表III に列挙す
る。
【0262】鮮鋭度(または画像の微細なディテールを
再現する能力)は、MTFまたは変調伝達関数と呼ばれ
る方法を利用する数学的計算によって測定した。この試
験においては、人間の目の分解能に近い写真濃度変動の
微細な反復正弦波パターンを写真プリントに露光させ
た。この画像を現像し、得られた濃度変動を予想濃度と
比較し、比にして、その周波数における伝達係数の大き
さを測定した。 100の数が完璧な再現を意味するが、こ
の数は、 0.2周期/mm の空間周波数において比較的容易
に得られた。より微細な 2.0周期/mm の間隔では、典型
的なカラー写真プリントは、70の等級または70%の再現
である。上記試験に関する結果を以下の表III に列挙す
る。
【0263】写真要素についての引裂抵抗は、写真要素
の端部に沿って引裂を開始するのに必要とされる力のモ
ーメントである。使用した引裂抵抗試験は,元々は、
G. G.Gray および K. G. Dash によって、1974年に発行
されたの Tappi Journal 57の 167〜 170ページにおい
て提案されたものである。写真要素についての引裂抵抗
は、写真要素の引張強さおよび伸びによって特定され
る。15mm×25mmの試料を直径 2.5cmの金属シリンダーの
周りに輪にする。この試料の2つの端部を Instron引張
試験機のクランプに締め付ける。この試料に、 2.5 cm/
分の速度で、引裂が認められるまで荷重をかけ、この時
の荷重(Nで表される)を記録する。上記試験に関する
結果を以下の表III に列挙する。
【0264】125ns(ナノ秒)の電場変調分割露光(ラ
スター走査)によって本発明の材料および対照標準材料
についての D LogH 特性曲線を生成させた。露光させた
ものを、従来の RA-4 現像化学により処理し、ステータ
スA反射型濃度計で読み取った。特性曲線をプロット
し、これらのプロットから最小濃度(Dmin )、低い方
の足部(low toe) 、および足部の値を得た。図は D Log
H 特性曲線を示している。Dmin 値2は濃度軸上の曲線
の切片であり、4は低い方の足部の値であり、6は足部
の値であり、そして8はスピード点である。 D LogH 特
性曲線から得たこれらの値を以下の表IVに列挙する。
【0265】 表III ────────────────────────── 性能測定 対照標準 本発明 ────────────────────────── MD剛性(mN) 173 370 CD剛性(mN) 94 325 L* 93 95.3 不透明度 93 96.4 MTF 71 81 引裂強さ(N) 129 707 ──────────────────────────
【0266】 表IV ──────────────────────────────────── 対照標準 本発明 ───────────── ───────────── シアン マゼンタ イエロー シアン マゼンタ イエロー ──────────────────────────────────── Dmin 0.106 0.094 0.106 0.095 0.079 0.092 低い方の足部 0.203 0.195 0.180 0.184 0.182 0.169 足部 0.419 0.400 0.368 0.408 0.396 0.360 ────────────────────────────────────
【0267】本発明と対照標準材料を比較している上記
表III のデータは、本発明は従来技術の写真印画紙より
も明らかに優れていることを示している。本発明のMD
/CD剛性はバランスしており(すなわち、MD剛性お
よびCD剛性がおおよそ等しい)、剛性がバランスして
いる写真画像を生ずるが、このことは、横方向と比較し
て縦方向の方がはるかに強い対照標準写真印画紙よりも
知覚的に好ましい。本発明の引裂抵抗( 707N)は対照
標準材料( 129N)よりもかなり改良されており、従来
技術の写真用カラーペーパーと比較して、画像耐久性が
改良される。本発明についてのL* および不透明度は対
照標準よりも高く、対照標準材料と比較してより明る
く、透き通しが少ない画像となる。画像の要素を互いに
区別するための画像鮮鋭度または知覚鮮明度は、対照標
準材料よりも相当改良された。対照標準のMTFが71で
あったのと比較して、本発明のMTFは81であった。M
TFが10単位増大するということは、ディジタル印刷に
おける人為現象(artifact)が減少するという点で有意義
である。本発明についての画像鮮鋭度の改良は、より高
い質量%のTiO2 およびミクロボイド化層の作用であ
る。
【0268】表IVのデータは、対照標準と比較して本発
明が有するディジタル印刷における利点を明らかに示し
ている。本発明について生成させた D LogH 特性曲線か
ら得られる低い方の足部の値は、より低い目盛領域にお
いて、対象標準と比較してかなりの改良を示している。
本発明についてのDmin 値は、シアン記録については10
%、マゼンタ記録については16%、そしてイエロー記録
については16%改良された。結果として、適格な足部の
位置を維持しつつ、シアンの低い方の足部については9
%、マゼンタの低い方の足部については7%、そしてイ
エローの低い方の足部については6%改良されたことが
見出された。ステータスA測定値はベース着色を含む
(例えば、典型的なプリント観察において起こるように
最小濃度補正がなされていない)ので、低い方の足部の
濃度測定値のかなりの部分にはDmi n が混入している。
濃度が高くなるにつれて、このベースのDmin の寄与は
減少する。低い方の足部の改良、対照標準と比較してよ
り低い本発明についての最小濃度、および本発明につい
てのより高いMTFの組み合わせにより、ディジタル印
刷品質のかなりの改良が得られ、従来技術の写真印画紙
に典型的な、特性曲線のこの領域において起こるディジ
タル印刷における人為現象の多くが最少化される。この
低い方の足部の改良および最小濃度の現象は、ディジタ
ル印刷された画像において、ディジタル印刷における人
為現象を低減させるのに役立った。本発明についての改
良されたDmin はまた、印刷画像の色域を大きくするの
にも役立つ。最終的に、ディジタル印刷における人為現
象の低減は、より高い画像鮮鋭度、より高い明度、低い
min 、および改良された画像引裂抵抗と組み合わさっ
て、従来技術の写真印画紙に勝る画像を生するので、か
なりの商業的価値を有する。
【0269】(ポリカーボネートシートをオーバーラミ
ネートした後の)本発明の写真要素の構造は以下の通り
とした。
【0270】 ──────────────────────────── 耐引掻性ポリカーボネートシート ──────────────────────────── 接着剤層 ──────────────────────────── コーティング層1〜7 ──────────────────────────── TiO2、青の色味剤、および蛍光増白剤を有する 頂部二軸配向ミクロボイド化ポリオレフィンシート ──────────────────────────── 10%のアナターゼTiO2を有するエチレンプラストマー ──────────────────────────── 2%のルチルTiO2および0.10%の青色素を有する 厚みが 254μm のセルロース紙ベース ──────────────────────────── エチレンプラストマー ──────────────────────────── 底部二軸配向ポリオレフィンシート ──────────────────────────── スチレンスルホン酸のナトリウム塩 ────────────────────────────
【0271】表V ──────────────────── 材料 目に見える掻き傷 ──────────────────── ポリエチレン 2.0g ポリプロピレン 13.7g ポリエステル 18.7g ポリカーボネート 22.5g 写真用対照標準 2.0g ────────────────────
【0272】表Vのデータは、写真用対照標準、ポリエ
チレン上部積層物材料は、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、およびポリカーボネートの上部積層物よりも耐引掻
性が低いことを明らかに示している。このデータは、特
にディスプレーとして使用される場合に、写真表面に掻
き傷保護を提供する必要性があることを明らかに示して
いる。写真材料は繰り返し取り扱われる場合があり、予
防措置をとる必要がある。ポリカーボネートは掻き傷の
形成に対して、ポリエチレンの10倍近くも耐性が高く、
並びに硬膜化ゼラチンである典型的な写真用対照標準よ
りも耐性が高いことが示されている。
【0273】上記掻き傷のデータは、半径が54μm の 1
20°の円錐形 Rockwell Diamond スタイラスを用いて、
10 mm/分の速度で1500gのランプ荷重力をかけることに
よって測定した。掻き傷の長さは10mmとした。次に、掻
き傷の存在について、試料を視覚的に検査した。
【0274】本発明を、その特定の好ましい態様に特に
関して詳細に説明してきたけれども、本発明の精神およ
び範囲内で変更および改良を行うことができることが理
解されるであろう。
【0275】本発明の他の好ましい態様を、請求項との
関連において、次に記載する。
【0276】[1]少なくとも1層の感光層、並びに紙
シートによって隔てられた上部および下部の二軸配向ポ
リマーシートを含むベース材料を含んでなる写真要素で
あって、前記ベース材料が 254μm を超える厚み、いず
れの方向においても 325mNを超える剛性、0.30〜6.35mm
の空間周波数において0.45μm 未満の上部の表面粗さ、
および15%未満の透過率を有する写真要素。
【0277】[2]前記紙シートが 200g/m2を超える斤
量を有する、[1]に記載の写真要素。
【0278】[3]前記写真要素が 325〜 650mNの剛性
を有する、[1]に記載の写真要素。
【0279】[4]前記写真要素が0.20〜0.50μm の上
部の表面粗さを有する、[1]に記載の写真要素。
【0280】[5]前記紙シートが 170〜 230μm (
6.7〜 9.0 mil)の厚みを有する、[1]に記載の写真
要素。
【0281】[6]前記写真要素が少なくとも 125ナノ
秒〜 0.5秒の範囲の露光時間を有する、[1]に記載の
写真要素。
【0282】[7]紙シートによって隔てられた上部お
よび下部の二軸配向ポリマーシートを含む前記ベース材
料が、前記上部および下部の二軸配向ポリマーシートと
紙シートとの間に接着剤層をさらに含んでなる、[1]
に記載の写真要素。
【0283】[8]前記二軸配向ポリマーシートが少な
くとも1層の、ボイドを含む層をさらに含んでなる、
[1]に記載の写真要素。
【0284】[9]前記二軸配向ポリマーシートが少な
くとも1層の、白色顔料を含む層をさらに含んでなる、
[1]に記載の写真要素。
【0285】[10]画像、積層ベース材料、および前
記画像の頂部表面上に積層された耐引掻性ポリマーシー
トを含んでなる反射型ディスプレー材料であって、前記
積層ベース材料が、紙シートによって隔てられた上部お
よび下部の二軸配向ポリマーシートを含んでなり、前記
積層ベース材料が 254μm を超える厚み、いずれの方向
においても 325mNを超える剛性、0.30〜6.35mmの空間周
波数において0.45μm未満の上部の表面粗さ、および15
%未満の透過率を有する反射型ディスプレー材料。
【0286】[11]前記耐引掻性ポリマーシートがポ
リカーボネートシートを含んでなる、[10]に記載の
反射型ディスプレー材料。
【0287】[12]前記耐引掻性ポリマーシートが3
gを超える耐引掻性を有する、[10]に記載の反射型
ディスプレー材料。
【0288】[13]前記耐引掻性ポリマーシートがテ
クスチャード加工表面を有する、[10]に記載の反射
型ディスプレー材料。
【0289】[14]前記耐引掻性ポリマーシートが50
〜 250μm の平均粗さを有するテクスチャード加工表面
を有する、[13]に記載の反射型ディスプレー材料。
【0290】[15]前記二軸配向ポリマーシートが二
軸配向ポリオレフィンを含んでなる、[10]に記載の
反射型ディスプレー材料。
【0291】[16]前記画像が写真画像を含んでな
る、[10]に記載の反射型ディスプレー材料。
【0292】[17]前記耐引掻性ポリマーシートが、
ポリエステル、ポリオレフィン、またはポリアミドを含
んでなる、[10]に記載の反射型ディスプレー材料。
【0293】[18]少なくとも1層の感光層、並びに
紙シートによって隔てられた上部および下部の二軸配向
ポリマーシートを含み、 254μm を超える厚み、いずれ
の方向においても 325mNを超える剛性、0.30〜6.35mmの
空間周波数において0.45μm未満の上部の表面粗さ、お
よび15%未満の透過率を有するベース材料を含んでなる
写真要素を用意すること、前記写真要素を像形成させる
こと、前記写真要素を現像して画像を生じさせること、
そして上記現像された写真要素を耐引掻性ポリマーシー
トと接触させることを含む、反射型ディスプレー材料を
形成させる方法。
【0294】
【発明の効果】本発明は、ポリマー材料と比較して、よ
り白い白色を提供し、より高い耐久性を有する改良され
た反射型ディスプレー材料を提供する。これらの反射型
ディスプレー材料は、さらに、より広いコントラスト範
囲およびより鮮鋭な画像を提供する。本発明の材料は、
ポリマー材料と比較して、コストがより低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】D LogH 特性曲線を示している。
【符号の説明】
10…Dmin 値 12…Dmax (最大濃度) 14…スピード点 16…肩部 18…インマックス値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ポール ボードレイス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,オークシャー ウェイ 59 (72)発明者 アルフォンズ ドミニク キャンプ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,ウィスパリング パインズ サークル 616

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の感光層、並びに紙シー
    トによって隔てられた上部および下部の二軸配向ポリマ
    ーシートを含むベース材料を含んでなる写真要素であっ
    て、前記ベース材料が 254μm を超える厚み、いずれの
    方向においても 325mNを超える剛性、0.30〜6.35mmの空
    間周波数において0.45μm 未満の上部の表面粗さ、およ
    び15%未満の透過率を有する写真要素。
  2. 【請求項2】 画像、積層ベース材料、および前記画像
    の頂部表面上に積層された耐引掻性ポリマーシートを含
    んでなる反射型ディスプレー材料であって、前記積層ベ
    ース材料が、紙シートによって隔てられた上部および下
    部の二軸配向ポリマーシートを含んでなり、前記積層ベ
    ース材料が 254μm を超える厚み、いずれの方向におい
    ても 325mNを超える剛性、0.30〜6.35mmの空間周波数に
    おいて0.45μm 未満の上部の表面粗さ、および15%未満
    の透過率を有する反射型ディスプレー材料。
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