JP2001194564A - 光ファイバ、光ファイバケーブル及び光ファイバコイル - Google Patents
光ファイバ、光ファイバケーブル及び光ファイバコイルInfo
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Abstract
た伝送特性を実現することのできる光ファイバを提供す
ること。 【解決手段】 本発明の光ファイバ1はコア2及びクラ
ッド3を有するガラス部と、ガラス部の周囲に形成され
た少なくとも一層の被覆層4とを有し、ガラス部を取り
除いた後の被覆層4の23℃でのヤング率が400MPa以下で
あることを特徴としている。被覆層4のヤング率の測定
には、実際の光ファイバを用いる。光ファイバからガラ
ス部を取り除き、残った被覆層を引張試験にかけること
でヤング率を得る。
Description
光ファイバと、これを用いた光ファイバケーブル及び光
ファイバコイルとに関する。
イバは、その内部にコア及びクラッドなどからなるガラ
ス部を有しており、このクラッドのさらに外側に一層又
は複数層からなる樹脂被覆層を有している。光ファイバ
は、側圧を受けることによって局所的な曲げを生じ、こ
の曲げによって伝送損失が悪化するのはよく知られてい
ることである。曲げによる伝送損失は「曲げ損失:ベン
ドロス」と呼ばれている。曲げ損失には、光ファイバ同
士が重なり合って互いに側圧を及ぼし合うことなどによ
る局所的な微小曲げ部分で発生する「マイクロベンドロ
ス」と、光ファイバの配線時に光ファイバ自体が弧を描
くことによって発生する「マクロベンドロス」とがあ
る。なお、光ファイバ自体が描く弧の曲率半径が大きけ
ればマクロベンドロスは発生しない(あるいは、無視で
きるほどに小さい)。
々な場所で発生するので、一カ所ではそれほど大きな損
失とはならなくても、光伝送経路全体では無視できない
ほど大きくなる。このため、曲げ損失に強い光ファイバ
が要望されている。従って、本発明の目的は、曲げ損
失、特にマイクロベンドによる曲げ損失の少ない、伝送
特性の安定した光ファイバを提供することにある。ま
た、光ファイバを内部に有する光ファイバケーブルにつ
いても同様に曲げ損失に強いものが要望されており、本
発明は、曲げ損失に強い光ファイバケーブルを提供する
ことも目的としている。
れてコイル束状とされることによって形成される光ファ
イバコイルは、曲げ損失が増加しやすい状態である。光
ファイバコイルは、光増幅器や波長分散補償器、光ファ
イバジャイロなどで用いられる光学部品である。このよ
うな光ファイバコイルにおいては、特に、巻回状態にあ
る光ファイバを小型化しようとして上述した樹脂被覆層
が薄くされる傾向があり、このような場合はマイクロベ
ンドロスがより発生しやすくなる。このため、光ファイ
バコイルには、曲げ損失による伝送損失悪化を生じやす
いという傾向がある。本発明は、伝送損失の少ない光フ
ァイバコイルを提供することも目的としている。
イバは、コア及びクラッドを有するガラス部と、ガラス
部の周囲に形成された少なくとも一層の被覆層とを有し
ており、ガラス部を取り除いた後の被覆層の23℃でのヤ
ング率が400MPa以下であることを特徴としている。な
お、ここに言う光ファイバとは、単心ものだけでなく、
多心の光ファイバ(例えばテープ状光ファイバ)も含
む。
覆層の最外層の滑り摩擦係数が0.20以下であること
を特徴としている。なお、この滑り摩擦係数は、内部に
ガラス部を有している光ファイバの被覆層に関する滑り
摩擦係数である。
請求項1又は2に記載の光ファイバを内部に有すること
を特徴としている。なお、ここに言う光ファイバケーブ
ルとは、内部に光ファイバを有し、さらにその外側に保
護用の被覆シースなどを有するものを言う。光ファイバ
ケーブル内には、光ファイバ以外に、光ファイバケーブ
ルに作用する張力を受けるための鋼線(抗張力線)や光
ファイバを収容する溝を有するスペーサなどが配置され
る場合もある。また、ここに言う光ファイバケーブルと
は、内部に複数本の光ファイバを有しているものも、一
本の光ファイバしか有していないものも含み、これらの
光ファイバは、単心のものでも多心のものでも良い。
請求項3に記載の光ファイバケーブルにおいて、光ファ
イバが分散補償光ファイバであることを特徴としてい
る。なお、ここに言う分散補償光ファイバ(Dispersion
Compensation optical-Fiber:以下、DCFとも言う)は、
シングルモード光ファイバなどの伝送路用光ファイバと
逆符号の波長分散特性を持つ光ファイバで、光伝送路の
波長分散を相殺させることができる光ファイバである。
通常は、モジュール化してDCFM(Dispersion Compensati
on optical-Fiber Module)として用いる。
求項1又は2に記載の光ファイバを環状に複数回巻回さ
せてコイル束状とすることによって形成されていること
を特徴としている。請求項6に記載の光ファイバコイル
は、請求項5に記載の光ファイバコイルにおいて、光フ
ァイバが分散補償光ファイバであることを特徴としてい
る。分散補償光ファイバについては上述した通りであ
る。
は、請求項5又は6に記載の光ファイバコイルにおい
て、コイル束状の光ファイバの周囲に充填材が充填され
ており、充填材が、JIS K 2220に規定される貯蔵ちょう
度が測定温度-40℃〜100℃の全範囲で5〜200の範囲内に
ある樹脂であり、コイル束状の光ファイバの周囲全体を
包み込んでコイル束状の状態を保持していることを特徴
としている。貯蔵ちょう度については、日本工業規格の
JIS K 2220-1993に規定されている〔JIS K 2220-1993の
2.(14)、5.3.1(4)、5.3.6等〕。ただし、JIS K 2220に
おいては測定温度を25℃としているが、ここでは、測定
温度-40℃〜100℃の全範囲において貯蔵ちょう度が上記
の範囲内にある樹脂を用いる。
ついて図面を参照しつつ説明する。
(a)に示す。本実施形態の光ファイバ1は、その内部に
石英系ガラスからなるガラス部(コア2、クラッド3)
を有している。そして、この石英系ガラス部分のさらに
外側には、樹脂被覆層4が形成されており、樹脂被覆層
4は内部の石英系ガラス部分を保護している。
るディプレスト部3aと、このディプレスト部3aの外
側の外層クラッド3bとからなっている。即ち、本実施
形態の光ファイバ1は、二重クラッド型DCFである。コ
ア2の直径は2.7μm、ディプレスト部3aの外径は6.6
μm、外層クラッド3bの外径(即ち、ガラス部の外
径)は120μmである。
位置する一次被覆層4aと、この一次被覆層4aのさら
に外側に位置する二次被覆層4bとからなっている。一
次被覆層4aの厚さは10μmであり、二次被覆層4bの
厚さは20μmである。即ち、二次被覆層4bの外径(光
ファイバ1の外径)は180μmとなる。
図1(b)に示す。図1(b)に示す分布図は、外層クラッド
3bに対するコア2及びディプレスト部3aの屈折率の
増減を示している。図1(b)に示されるように、外層ク
ラッド3bに対するコア2の比屈折率差(増分)Δ+は
1.9%である。一方、外層クラッド3bに対するディプ
レスト部3aの比屈折率差(減分)Δ−は-0.4%であ
る。なお、図2は、上述した光ファイバ1の斜視図であ
る。
施形態の光ファイバ1の被覆層4の23℃でのヤング率を
測定したところ、400MPa以下であった。ヤング率の測定
方法を以下に説明するが、請求項1に記載のヤング率の
測定方法も、以下の測定方法による。なお、以下の測定
方法であれば、測定のために被覆層のシート状試料を入
手することなく、光ファイバの現物があれば、その被覆
層のヤング率を測定することができる。
ァイバを8cmの長さに切断し、切断した光ファイバをア
セトン:エタノール=7:3の混合溶液(溶媒)を入れ
た試験管中に入れる。この試験管を、水を入れた超音波
洗浄機中に30秒〜3分入れる。この時間の長さは、光フ
ァイバのガラス部を被覆層の内部から抜き取ることがで
きる最低限の長さとする。光ファイバのガラス部を被覆
層の内部から抜き取ることができるのに、さらに長い時
間超音波洗浄機中に入れておくと、被覆層が破壊されて
しまうからである。
管の中から、光ファイバをさらに取り出して、被覆層の
内部からガラス部を抜き取る。このとき、被覆層に傷が
入らないように十分注意する。被覆層に傷が入ってしま
った場合は、もう一度最初からやり直す。ガラス部を抜
き取った被覆層を、気圧10kPa(76mmHg)以下、温度60℃
の状態に保った真空恒温槽内に30分間保管し、溶媒を揮
発させる。その後、被覆層をデシケータ中に保管し、一
晩おいてから下記の条件で引張試験を行う。引張試験の
条件は、標線(引張力が作用する試料上の長さ)25mm、
引張速度1mm/min.、試験雰囲気温度及び試料温度23℃、
試験雰囲気相対湿度50%RHで、2.5%割線式を用いて求め
る。
イバの現物からその被覆層のヤング率を測定することを
目的とするものである。被覆層が一層であれば、上述し
た測定方法の結果得られるヤング率と、シート状の試料
を用意して測定したヤング率とは、ほぼ等しくなる。ま
た、光ファイバにおいて被覆層が内層から外層にかけて
複数層構造となっている場合は、一番外層側の最も硬い
被覆層のヤング率にほぼ等しくなる。これは以下の理由
による。
ヤング率よりも小さくされる。これは、光ファイバのガ
ラス部に作用する外力を軽減させるためと、温度変化に
よる影響をガラス部に与えないようにするためである。
このため、内層側の被覆層のヤング率と外層側の被覆層
のヤング率とは100倍程度の違いがあり、上述した測定
方法によって測定されたヤング率には、外層側の硬い層
のヤング率が反映されることになる。即ち、上述した測
定方法によれば、被覆層が単層であれば、その被覆を構
成する材料のシート試験値、被覆層が複数層であれば、
その層の中で最も硬い外層側被覆層を構成する材料のシ
ート試験値にほぼ等しくなる。
形態の光ファイバ1の被覆層4の最外層(二次被覆層4
b)の滑り摩擦係数を測定したところ、0.20以下であっ
た。なお、請求項2に記載の滑り摩擦係数の測定方法
も、以下の測定方法による。なお、以下の測定方法であ
れば、測定のために被覆層のシート状試料を入手するこ
となく、光ファイバの現物があれば、その滑り摩擦係数
を測定することができる。
治具を示す図であって、図3(A)は上面図、図3
(B)は正面図、図3(C)は側面図である。21はベ
ース部材、22はベース側ファイバ、23はスライド部
材、24はスライド側ファイバ、25は重り、26は糸
である。ベース部材21は、上面が水平な平面であっ
て、アルミニウム等の金属、硬質プラスチック等の硬い
材質からなる。スライド部材23は、長さ77mm×幅
28mm×厚さ1mm、質量4.9gの板ガラスであ
る。また、ベース側ファイバ22及びスライド側ファイ
バ24としては、測定対象となる光ファイバを使う。ま
た、重り25は、質量50gの分銅である。
イバから、長さ20cmのものを60本、長さ28mm
のものを30本、準備する。そのうち、長さ20cmの
分散補償ファイバを30本ずつ2群にして、ベース側フ
ァイバ22とする。また、長さ28mmのものを15本
ずつ2群にしてスライド側ファイバ24とする。ベース
側ファイバ22は、ベース部材21の上面に各群内では
密着させて平行に配列して両面テープ又は接着剤を使っ
てベース部材21上に貼り付ける。なお、2つの群の間
隔は10mmとする。スライド側ファイバ24は、その
長手方向をスライド部材23の幅方向にして、各群内で
は隙間無く平行に配列して両面テープ又は接着剤を使っ
てスライド部材23の片面に貼り付ける。なお、スライ
ド側ファイバ24の2つの群は、スライド部材23の長
手方向の両端からそれぞれ5mm離れた位置に配置す
る。
ァイバ24側を下側にして、ベース部材21に貼り付け
たベース側ファイバ22の上に載置する。この時、スラ
イド側ファイバ24の長手方向がベース側ファイバ22
の長手方向と垂直になるようにし、かつスライド側ファ
イバ24の長手方向の中央が、ベース側ファイバの2つ
の群の中間になるようにする。そして、スライド部材2
3の上面中央には、重り25を載置し、スライド部材2
3の長手方向の片方の端の中央には、スライド部材23
を引張るための糸26を取付ける。
垂直方向に配置したベース側ファイバ22とスライド側
ファイバ24を介して、スライド部材23及び重り25
を載置して、そのスライド部材23に取付けた糸26を
図示しない引張り試験機にて、ベース側ファイバ22の
長手方向即ち矢印方向に引張る。この時の引張り速度は
60mm/分、周囲温度は23℃±2℃とする。そし
て、その時の最大引張り強度(N)をスライド部材23
とスライド側ファイバ24と重り25の質量の総和に相
当する重力即ち0.54Nで除した値を求める。
ファイバを新しく取り替えて、上記と同じ測定を再度行
う。このような測定を10回繰り返して、10回の最大
引張り強度(N)/質量総和(0.54N)の値の平均
値をもって、測定対象とした光ファイバの最外層被覆の
滑り摩擦係数とする。即ち、上述した試験装置を用いた
試験での最大静摩擦係数の平均値が滑り摩擦係数であ
る。
での波長分散は-120ps・nm-1・km-1であり、1.55μm波長
帯域での波長分散傾斜は-0.28ps・nm-2・km-1である。波
長分散傾斜とは、波長分散値の波長依存性を示すもの
で、横軸が波長(nm)・縦軸が波長分散値(ps・nm-1・km-1)
のグラフ上の波長分散値を示す曲線(あるいは直線)の
勾配である。またさらに、1.55μm波長帯域での伝送損
失は0.40dB/kmである。
述したヤング率が400MPa以下とされているため、光ファ
イバ1が曲げられたときに、樹脂被覆層4がコア2及び
クラッド3からなる石英ガラス部に与える力を軽減で
き、曲げ損失を低減させることができる。ヤング率が40
0MPaを超えると、上述した曲げ損失を低減させることが
できない。
層の滑り摩擦係数が0.20以下とされているため、隣接す
る光ファイバ1同士の接触箇所は互いに滑り易く、光フ
ァイバの表面に対する法線成分以外の側圧成分は軽減さ
れ、互いに及ぼし合う側圧が小さくなる。この結果、本
発明の光ファイバによれば、側圧によるマイクロベンド
ロスを低減し、伝送損失の増加を抑制することが出来
る。滑り摩擦係数が0.20を超えるようであると、光ファ
イバ1同士の接触箇所が滑らないため、その部位で側圧
がかかりやすくなり、マイクロベンドロスが発生して伝
送損失を低減することができなくなってしまう。
るため、上述した光ファイバ1を用いて光ファイバコイ
ルを形成させて伝送損失を測定した。光ファイバコイル
化することによって、マイクロベンドロスやマクロベン
ドロスなどの曲げ損失が生じやすくなるので、ここでは
光ファイバコイル化して測定を行っている。上述した光
ファイバ1を図4(a)に示されるようなアルミ製のファ
イバ巻回部8aを有するボビン8に5km分巻回させ、図
4(b)に示されるような光ファイバコイル9とした後に
ボビン8を取り去ってコイル束状態としたものを用いて
測定を行った。測定には、波長1600nmの信号光を用いて
常温(23℃)及び-20℃で伝送損失を測定した。
である。試験に用いた光ファイバは、その被覆層4のヤ
ング率、及び、最外層被覆(二次被覆層4b)の滑り摩
擦係数が〔表1〕に示されるように変えられている。
〔表1〕に示される実施例1〜3が本発明の光ファイバ
1であり、これと比較するために比較例1及び2につい
ても試験を行っている。試験結果も〔表1〕に示す。
に、被覆層4のヤング率が400MPa以下である方が、伝送
特性に優れていることが分かる(実施例3と比較例1、
実施例1,2と比較例2)。さらに、最外層の被覆層
(二次被覆層4b)の滑り摩擦係数が0.20以下である方
が、伝送特性に優れていることも分かる(実施例1と比
較例3、比較例1と比較例2)。当然であるが、被覆層
4のヤング率が400MPa以下とされ、さらに最外層の被覆
層(二次被覆層4b)の滑り摩擦係数が0.20以下とされ
ることが好ましく、この場合が最も伝送損失が優れたも
のとなっている(実施例1,2)。
形態について説明する。本実施形態の光ファイバケーブ
ル10を図5に示す。本実施形態の光ファイバケーブル
10は、上述した光ファイバ1を内部に有しているもの
である。また、本実施形態の光ファイバケーブル10
は、その内部に上述した単心の光ファイバ1を一本有し
ているもので、光ファイバコードとも言われるものであ
る。
述した光ファイバ1を有しており、その周囲に緩衝層1
1が形成されている。緩衝層11は、繊維などによって
構成されており、そのさらに外側に合成樹脂などによっ
て形成された被覆層12を有している。なお、ここで
は、光ファイバケーブルの例として一本の光ファイバを
内部に有するものを挙げたが、光ファイバケーブルに作
用する張力を受けるための鋼線(抗張力線)や光ファイ
バを収容する溝を有するスペーサなどを有している場合
もある。また、光ファイバケーブルは、内部に複数本の
光ファイバを有している場合もあり、内部に有している
光ファイバが多心の光ファイバ(テープ状光ファイバ・
光ファイバリボン)である場合もある。
鋼線などによって光ファイバに側圧や歪みを与えること
がある。光ファイバを内部に複数本有している場合は、
光ファイバ同士が互いに側圧を与え合うこともある。し
かし、上述したように光ファイバ1は側圧による伝送損
失の低下を受けにくく、優れた伝送特性を有しているの
で、本実施形態の光ファイバケーブル10も優れた伝送
特性を有することができる。
態について説明する。第一実施形態の光ファイバコイル
13を図6(a)に示す。この光ファイバコイル13は、
外径120mmのファイバ巻回部を有するボビンに5km分の上
述した光ファイバ1を環状に複数回巻回させた後にボビ
ンを取り去ってコイル束状にしたものである。さらに、
本実施形態の光ファイバコイル13においては、上述し
たコイル束状の光ファイバ1が、ケース14の内部でJI
S K 2220に規定される貯蔵ちょう度が測定温度-40℃〜1
00℃の全範囲で5〜200の範囲内にある樹脂15(以下、
充填材15とも言うこととする)によって、その周囲全
体が包み込まれた状態とされている。
光ファイバ1がコイル束状態とされて互いに側圧を与え
合うことによって曲げ損失を生じさせやすい状態あるに
も関わらず、光ファイバ1自体が側圧による影響を受け
にくいものであるため、優れた伝送特性を有するものと
なる。
(b)に示されるように、充填材15の内部に埋没されて
いる。光ファイバ1自体が側圧による伝送損失の低下を
生じさせにくいものであるのに加えて、本実施形態の光
ファイバコイル13はボビンから取り外された状態とさ
れることによっても伝送特性の低下が防止されている。
ボビンから取り外されているので、光ファイバ1が巻回
張力によってボビンに押し付けられたり、巻回張力によ
って光ファイバ1同士が互いに側圧を及ぼし合うことに
よって発生するマイクロベンドも解消されやすい。ま
た、充填材15によって、コイル束状態が保持されるの
で、光ファイバ1の巻崩れなどによる伝送特性の変化が
発生することもない。
6が外された状態が示されており、ここで用いた充填材
15が透明(あるいは半透明)であるため充填材15内
に埋没されている光ファイバ1が視認できる。また、図
6(b)は、図6(a)におけるX-X線断面図であり、ケース
14に蓋部16が取り付けられた状態が示されている。
さらに、コイル束状態の光ファイバ1の両端には、融着
接続部17を介してピッグテール光ファイバ18が接続
されており、このピッグテール光ファイバ18がケース
14の外部に導出されている。
られている充填材15は、上述したように、JIS K 2220
に規定される貯蔵ちょう度が、測定温度-40℃〜100℃の
全範囲で5〜200の範囲内にある樹脂である。-40℃〜100
℃の温度範囲は、光ファイバコイルの実用使用温度であ
る。貯蔵ちょう度が5未満であると、光ファイバのマイ
クロベンドによる長波長側損失が大きくなりすぎ、実用
に向かない。また、貯蔵ちょう度が200を超えるようで
あると、充填材15によって光ファイバコイルの形状を
保持できないので、使用しているうちにコイル束状態が
巻き崩れるなどして伝送特性を安定化させることができ
ない。
ものではない。例えば、請求項5に記載の光ファイバコ
イルに関しては、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、図4に示されるようなボビン8を用いたもので
あってもよい。また、上述した光ファイバ1は分散補償
ファイバ(DCF)であるが、これ以外の種類の光ファイバ
であっても良い。例えば、シングルモード光ファイバや
波長分散シフト光ファイバ、NZ型波長分散シフト光フ
ァイバ、エルビウム添加光ファイバ、偏波モード保持光
ファイバである場合もある。このような光ファイバを用
いても、優れた伝送特性を有する光ファイバコイルを得
ることができる。
ptical-Fiber:SMFとも言う)は、1.3μmの波長帯域で光
信号の伝送を行うことを主目的に設計された光ファイバ
である。この光ファイバを用いて1.55μmの波長帯域で
光信号の伝送を行うと波長分散という現象を起こす。こ
の波長分散は、上述したDCFMなどで補償される。これと
は反対に、SMFは、上述したDCFなどによって負の波長分
散となった光信号をそれ自身の正の波長分散で補償する
場合などにも用いられる。この場合、使用にあたっては
モジュール化される場合がある。
ifted optical-Fiber:DSFとも言う)は、1.55μmの波長
帯域で光信号の伝送を行うことを主目的に設計されて光
ファイバである。1.55μmの波長帯域に対する波長分散
値が零であるという特性を有しているが、波長多重伝送
技術(Wavelength Division Multiplexing:以下、WDMと
も言う)による伝送時に、上記波長帯域の長・短波長側
で波長分散現象が生じる。DSFは、ラマン散乱励起用光
ファイバとして用いられる場合がある。使用にあたって
はモジュール化される場合がある。
o Dispersion Shifted optical-Fiber:NZ-DSFとも言う)
は、上述したDSFの場合に起こる非線形効果を低減する
ため、波長分散が零となる中心波長を1.55μmから多少
ずらして設計した光ファイバである。WDMによる伝送時
に波長分散現象が生じるのは、上述したDSFと同様であ
る。使用にあたってはモジュール化される場合がある。
optical-Fiber:EDFとも言う)は、コアにエルビウムイオ
ンを添加した光ファイバである。波長0.98μm,1.48μm
の光を吸収した状態で1.55μmの波長帯域の信号光を入
射させると誘導放出を起こし、信号光のパワーを増幅さ
せることができる。通常は、モジュール化された形態
で、光アンプ(Erbium Doped optical-Fiber Amplifier:
以下、EDFAとも言う)などとして利用される。
Maintaining optical-Fiber:PMFとも言う)は、直線偏波
を保持したまま伝送する光ファイバであり、光ファイバ
ジャイロや偏波モード分散補償器などに利用される。通
常は、モジュール化してPMFM(Polarization Maintainin
g optical-Fiber Module)として用いる。
被覆層のヤング率が400MPa以下とされているため、光フ
ァイバに加わる側圧を被覆層で和らげ、ガラス部への伝
達を緩和する。これによって、側圧による伝送損失の悪
化を防止することができ、優れた伝送損失を実現するこ
とができる。
請求項1に記載の発明による効果に加えて、最外層の被
覆層の滑り摩擦係数が0.20以下とされているため、光フ
ァイバ同士がその接触表面で滑りやすく、互いに及ぼし
合う外力を小さくすることができる。これによって、光
ファイバ内部のガラス部に加わる力を低減でき、より一
層優れた伝送特性を実現することができる。
(a)は断面図、(b)は断面方向の屈折率分布を示した模式
図である。
(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
に用いるボビンの斜視図であり、(b)は本発明の光ファ
イバコイルの一実施形態の斜視図である。
図である。
おり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるX-X線断面図であ
る。
プレスト部、3b…外層クラッド部、4…樹脂被覆層、
4a…一次被覆層、4b…二次被覆層、9,13…光フ
ァイバコイル、10…光ファイバケーブル、15…充填
材。
Claims (7)
- 【請求項1】 コア及びクラッドを有するガラス部と、
前記ガラス部の周囲に形成された少なくとも一層の被覆
層とを有する光ファイバにおいて、 前記ガラス部を取り除いた後の前記被覆層の23℃でのヤ
ング率が400MPa以下であることを特徴とする光ファイ
バ。 - 【請求項2】 前記被覆層の最外層の滑り摩擦係数が
0.20以下であることを特徴とする請求項1に記載の
光ファイバ。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光ファイバを内
部に有することを特徴とする光ファイバケーブル。 - 【請求項4】 前記光ファイバが分散補償光ファイバで
あることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバケー
ブル。 - 【請求項5】 請求項1又は2に記載の光ファイバを環
状に複数回巻回させてコイル束状とすることによって形
成されていることを特徴とする光ファイバコイル。 - 【請求項6】 前記光ファイバが分散補償光ファイバで
あることを特徴とする請求項5に記載の光ファイバコイ
ル。 - 【請求項7】 コイル束状の前記光ファイバの周囲に充
填材が充填されており、前記充填材が、JIS K 2220に規
定される貯蔵ちょう度が測定温度-40℃〜100℃の全範囲
で5〜200の範囲内にある樹脂であり、コイル束状の前記
光ファイバの周囲全体を包み込んでコイル束状の状態を
保持していることを特徴とする請求項5又は6に記載の
光ファイバコイル。
Priority Applications (8)
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US09/831,308 US6597846B1 (en) | 1999-09-16 | 2000-08-05 | Optical fiber |
Applications Claiming Priority (3)
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JP11-315216 | 2000-06-27 | ||
JP2000193259A JP2001194564A (ja) | 1999-11-05 | 2000-06-27 | 光ファイバ、光ファイバケーブル及び光ファイバコイル |
Publications (1)
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ID=26568228
Family Applications (1)
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001194564A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007256978A (ja) * | 2007-06-04 | 2007-10-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光ファイバ素線の製造方法 |
-
2000
- 2000-06-27 JP JP2000193259A patent/JP2001194564A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007256978A (ja) * | 2007-06-04 | 2007-10-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光ファイバ素線の製造方法 |
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