JP2001194339A - 金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置 - Google Patents

金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置

Info

Publication number
JP2001194339A
JP2001194339A JP2000002097A JP2000002097A JP2001194339A JP 2001194339 A JP2001194339 A JP 2001194339A JP 2000002097 A JP2000002097 A JP 2000002097A JP 2000002097 A JP2000002097 A JP 2000002097A JP 2001194339 A JP2001194339 A JP 2001194339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
inspection object
phase
amplitude
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000002097A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Yamamoto
繁夫 山本
Tsukasa Takeshita
司 竹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OKITA TEKKOSHO KK
YOROZU SEIKO KK
Original Assignee
OKITA TEKKOSHO KK
YOROZU SEIKO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OKITA TEKKOSHO KK, YOROZU SEIKO KK filed Critical OKITA TEKKOSHO KK
Priority to JP2000002097A priority Critical patent/JP2001194339A/ja
Publication of JP2001194339A publication Critical patent/JP2001194339A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】変形や組織変異が被検査物の内・外周や前・後
部に有っても、迅速かつ確実に全数を検査して良否を判
別できる、金属部品等の形状・組織変異判別方法及び装
置を提供する。 【解決手段】検出手段2として、励磁巻線6と検査巻線
7からなる検出部5,5を一対用意し、それを間隔をあ
けて対向状に配置しておき、その間の磁界の通路に金属
製の被検査物8を通過させて、変形や組織変異の有・無
で変化する誘起電圧を、位相と振幅の変化として座標化
し、予め設定してある良品枠と対比することで、該被検
査物8の良否を判別するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属部品等の形状
・組織変異判別方法および装置に関するものであって、
製造工程の途中で生じた変形や脱炭その他の組織変異
を、目視によらずかつ非接触・非破壊で、自動的に検査
して良否を判別する方法および装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】金属部品等の変形、脱炭その他の組織変
異があると、製品の寿命に影響を及ぼすだけでなく、製
品としての適否に係わってくる。従来は、上記形状・組
織変異等を検査するため、例えば目視検査や、X線を応
用した分析、硝酸蝕刻等による破壊検査が行われていた
が、時間とコストがかかるだけでなく、全数を検査する
ことが不可能であった。
【0003】そこで、金属部品等の電気伝導や透磁率の
変化を利用して良否の判別をする手段が利用されてい
る。この原理は、コイルに交流電流を流して交流磁界を
発生させ、そこに金属を近づけると金属に渦電流が誘導
されるが、金属部品に変形や組織変異等があると、磁界
が変化して電気伝導や透磁率等が変化し、コイルのイン
ピーダンスが変化するので、このインピーダンスの変化
を見ることにより、金属部品等の形状や組織変異を検知
するものである。
【0004】上記のものとして従来は、被検査物を巻線
の中央を通過させるようにした貫通式巻線方式や、巻線
を小形化した探触子方式のものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記貫通式
巻線方式のものは、形状や組織変異が被検査物の外周に
ある場合には、巻線の近くを通過するので有効である
が、被検査物の内周や、巻線通過方向の前・後部に有る
場合は無理または有効ではなかった。そのため、被検査
物のどの位置に変形や組織変異があるかにより、良否の
判別に差が生じた。
【0006】また探触子方式のものは、被検査物に触子
が接触した点や、触子または被検査物を回転させた場合
の円周線上にある変形や組織変異しか、判別することが
できなかった。
【0007】本発明は、上記従来の金属部品等の形状・
組織の変異判別方法および装置がもつ問題点の解消を課
題としたものである。即ち本発明の目的とするところ
は、被検査物を破壊することなく全数を検査できると共
に、変形や組織変異が被検査物の内・外周や、検出部を
通過方向の前部や後部に有っても、迅速かつ確実に検査
し良否を判別できる、金属部品等の形状・組織変異判別
方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属部品等
の形状・組織変異判別方法および装置は、励磁巻線6
(一次コイル)と検査巻線7(二次コイル)からなる検
出部5,5を対向状に設け、その間に金属製の被検査物
8を通過させた際に、被検査物8表面またはその近傍に
発生する渦電流が変形や組織変の有無で変化し、これに
より検査巻線7の誘起電圧も変化するので、その位相と
振幅の変化を座標化して、予め設定してある良品と対比
することで、被検査物8の良否を判別するようにしたも
のである。
【0009】即ち、本発明に係る金属部品等の形状・組
織変異判別方法は、励磁巻線6による交番磁界9中に検
出巻線7を設けた一対の検出部5,5を、間隔sをおい
て対向状に配置しておき、両検出部5,5間の磁界9の
通路を横切る如くに被検査物8を通過させ、該被検査物
8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少なくとも一
部分で同時に磁界9中に有る際の電磁気的影響に比例し
た電気信号を取り出し、上記電気信号を位相と振幅から
なる座標に変換し、上記検出した位相と振幅の最大値ま
たはその近傍値を、座標上で予め設定してある良品枠1
0内に有るか否かを判定することにより、被検査物8の
良否を判別するようにしたものである。
【0010】また、本発明に係る金属部品等の形状・組
織変異判別装置は、交番電流発生源1に接続した検出手
段2と、検出された電気信号を位相と振幅の変化に座標
化する位相・振幅弁別手段3と、その位相・振幅が座標
上で予め設定した良品枠10内に有るか否かで良否を判
別する座標判定兼良否判別手段4とを備えてなり、上記
検出手段2が、励磁巻線6とその交番磁界9中の検出巻
線7とからなる一対の検出部5,5を、間隔sをおいて
対向状に配置したもので、かつ該両検出部5,5を、被
検査物8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少なく
とも一部分で同時に磁界9中に入る大きさに形成したも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は上記で明らかな如く、検
出部5,5間に金属製の被検査物8を通過させると、交
番磁界9で被検査物8表面に渦電流が誘起されて2次磁
界が派生し、検出巻線7,7には逆相でかつ渦電流遅れ
の位相をもつ誘起電圧が生じる。該誘起電圧は、被検査
物8に形状・組織の変異が有るか否かによって異なるの
で、振幅・位相の相違を座標化して、予め設定してある
良品枠10内に有るか否かで被検査物8の良否を判別す
るものである。
【0012】上記構成において、ここで検査する被検査
物8は、例えば軸受の内輪や外輪の如き短円筒状物に限
らず、円筒状物、円柱状物、円錐状物、角筒状物、角柱
状物等の金属部品または金属製品であり、その外周・内
周・両側面等の表面または表面近傍に、変形や組織変異
等が有るか否かを検査して、良否を判別しようとするも
のである。
【0013】上記検出手段2は、交番電流発生源1から
高周波の定電流で強力かつ均一な交番磁界9を発生させ
る励磁巻線6と、その磁界9内に設けた検出巻線7とか
らなる検出部5を一対(二組)揃え、それらを各検出巻
線5,5で対向するように間隔sをおいて対称状に配置
し、上記間隔sを被検査物8が通過可能としたものであ
る。
【0014】上記検出部5,5間の間隔sは、検査しよ
うとする被検査物8が通過可能な間隔に設定しておく。
即ち、被検査物8が例えば短円筒状物ならその厚みに対
応して間隔sを狭くし、中円筒状物ならその厚みに対応
して間隔sを広くすることになる。この間隔sは変更可
能としておくことが望ましいが、被検査物8の種類毎に
検出手段2を作成しておき、その部分を取り替えるよう
にしてもよい。
【0015】上記各検出巻線7,7は、上記のとおり各
励磁巻線6,6による交番磁界9内に配置されており、
励磁巻線6,6に対応した大きさ・位置で設けておくこ
とが望ましいが、少なくとも被検査物8の表面またはそ
の近傍で変形や組織変異が有った際に有害と思われる部
分に対応した位置には設けておく必要がある。
【0016】また上記両検出部5,5は、被検出物8の
外径や肉厚等に対応して各巻線6,7の幅を設定してあ
る。上記の巻線6,7の幅は被検査物8の被検査面の大
きさに対応したものであり、両検出部5,5間で被検査
物8の前部と後部のいずれもの少なくとも一部分が、同
時に交番磁界9中に入り得る大きさに形成しておく。こ
れは、被検査物8の全体が検出部5,5での磁界9の範
囲内に入る場合に限らず、被検査物8の方が大きい場合
でも通過方向の前部と後部の各一部分が同時に磁界9中
に入るものも含む。
【0017】上記検出部5,5の各巻線6,7のコイル
としての外形は、被検査物8の被検査面が円形状のもの
なら環状に、角形状のものなら角形状に形成しておくの
がよい。また各巻線6,7の巻数や交番磁界9の周波数
は、被検査物8の大きさ、材質の違いによる渦電流の浸
透深さ、予想される組織変異の深さ等を考慮して設定し
ておけばよい。
【0018】上記両励磁巻線6,6は、巻線が等方向に
巻かれているものとし、かつ励磁巻線6と検出巻線7と
からなる一対(2組)の検出部5,5は、上記の如く被
検査物8の形状等に合わせて配置してある。そのため、
ここでの両励磁巻線6,6で生じる交番磁界9は、被検
査物8を介して合成された一つ磁界の如くになってお
り、両検出部5,5間の最大の磁界の通路を被検査物8
が横切って通過するようにして、被検査物8に最大の磁
気影響を与えるようにしてある。
【0019】上記位相・振幅弁別手段3は、被検査物8
が上記検出部5,5間を通過時に、被検査物8毎に異な
って生じる誘起電圧(派生電圧)を検出巻線7から電気
信号として受け、それを位相と振幅とによる座標に変換
するものである。
【0020】座標判定兼良否判別手段4は、座標化され
たデータにより、被検査物8が良品か否かを判定するも
のであるが、上記位相・振幅弁別手段3で表された軌跡
は、被検査物8と検出部5,5とが一定位置関係になっ
た際の座標点を求めるようにしておくのがよい。例え
ば、誘起電圧の振幅・位相の差が、検出部5,5間に被
検査物8が存在しない空芯時と比べて最大になった時点
の座標で判別するようにすればよいが、必ずしも最大時
点に限らない。
【0021】上記構成の金属部品等の形状・組織変異判
別方法および装置によると、検出手段2として対向状に
設けた検出部5,5間に、金属製の被検査物8が存在し
ない言わば空芯の場合(例えば図4のA参照)には、検
出巻線7,7を交番磁界が横切っており、検出巻線7,
7には空芯時の誘起電圧が生じている(例えば同図のB
参照)。
【0022】検出部5,5間に、金属製の被検査物8が
存在する場合(例えば図5のA・図6のA参照)には、
交番磁界9で被検査物8表面またはその近傍に渦電流が
誘起されて二次磁界が派生し、上記交番磁界9を打ち消
す方向に作用するので、検出巻線7,7には逆相でかつ
渦電流遅れの位相をもつ誘起電圧(派生電圧)が生じて
いる(例えば図5のB・図6のBの実線参照、点線は上
記空芯の場合の誘起電圧を示す)。
【0023】また上記検出部5,5間に金属製の被検査
物8が存在する場合でも、被検査物8に変形や組織変異
が有るか否かによって二次磁界が異なるので、誘起電圧
も違いが生じている。即ち、変形や組織変異のない良品
の被検査物8を検出部8,8間に置いた際に検出される
誘起電圧はあまり大きな変化はないが(例えば上記図5
のB参照)、偏肉その他の変形がある不良品の被検査物
8を置いた際に検出される誘起電圧は、良品の場合と比
較して振幅・位相の両方共に大きくズレている(例えば
上記図6のB参照)。
【0024】上記の如く被検査物8毎に異なって生じる
誘起電圧を、電気信号として受けた位相・振幅弁別手段
3が、位相と振幅とによるX−Y平面座標に変換する
が、被検査物8が検出手段2を通過時の誘起電圧の変化
を、空芯時を0として、振幅差を放射方向に、位相差を
回転方向に、その軌跡を座標化して示すようにするのが
よい(例えば図7参照)。
【0025】上記座標化されたデータには、複数の良品
の被検査物8を検査した際の座標範囲を良品枠10とし
て予め含めておき、実際の被検査物8の座標が良品枠1
0の範囲内に有れば良品とし、範囲外になれば不良品と
して判別することになる(例えば図8参照)。
【0026】本発明に係る金属部品等の形状・組織変異
判別方法および装置は、上記の如く検出手段1として、
励磁巻線6とその磁界内に設けた検出巻線7とからなる
検出部5,5を一対(二組)用意し、それを検出巻線
7,7で対向するように間隔sをおいて対称状に配置
し、該間隔s内に被検査物8を通過させて検査するもの
である。
【0027】そのため、被検査物8は両検出部5,5間
の磁界の通路を横切って通過しており、言わば両励磁巻
線6,6間で生じている最大の磁界9の中を横切って検
査されるものであるから、その際に検出巻線7,7に生
じる誘起電圧の変化も、単一の検出部をもつ検出手段の
場合と比べて大幅に増大しており、言わば検出感度がア
ップしている。
【0028】これにより、それを座標化した際の良品と
不良品との相違も際立って表示されることになり、被検
査物8の変形や組織変異のある箇所が被検査物8の内・
外周部を問わず、また通過方向の前・後部を問わず検出
可能で、かつ確実に良否を判別できるようになってい
る。
【0029】なお図において、11は良品の場合に誘起
電圧が描く軌跡、12は不良品の場合に誘起電圧が描く
軌跡、13は良品の場合の座標、14は不良品の場合の
座標を示す。
【0030】
【実施例】図1ないし図8は、本発明の金属部品等の形
状・組織変異判別方法および装置の実施例を示すもの
で、図1で示す如く、交番電流発生源1に接続した検出
手段2と、検出された電気信号を位相と振幅の変化に座
標化する位相・振幅弁別手段3と、その位相・振幅が座
標上で予め設定した良品枠10内に有るか否かで、被検
査物8の良否を判別する座標判定兼良否判別手段4とを
備えている。
【0031】。ここでは、軸受の内輪の如き短円筒状物
を被検査物8とし、その外周面・内周面・両側面等の表
面または表面近傍に、変形や組織変異等が有るか否かを
検査する場合を示す。
【0032】上記検出手段2は、図2・図3で示す如
く、交番磁界9を発生させる励磁巻線6とその磁界内に
設けた検出巻線7とからなる検出部5,5が一対(二
組)あり、検出巻線7,7同士が対向するように間隔s
をおいて、ここでは上下対称状に配置してある。その間
隔sは、上記短円筒状の被検査物8が、両側面を検出巻
線7,7に対面させながら通過可能な幅に設定してある
が、この間隔sは非導電性・非磁性材で形成した間隔調
節機構(図示略)で調節可能としてある。
【0033】上記検出部5,5の各励磁巻線6,6に
は、交番電流発生源1から高周波の定電流が流されて、
強力で均一な交番磁界9が発生しており、対向した一方
の検出部5の励磁巻線6と他方の検出部5の励磁巻線6
との間に磁界の通路が形成されている。交番磁界9の周
波数や各巻線6,7の巻数は、ここでの上記被検査物8
の大きさ、材質の違いによる渦電流の浸透深さ、予想さ
れる組織変異の深さ等を考慮して設定している。
【0034】上記検出部5,5の各巻線6,7の幅は、
ここでは検出部5,5間を被検査物8が通過時に、その
被検査物8の全体が同時に検出部5,5内に存在できる
ような大きさに形成してある(上記図2参照)。また各
巻線6,7のコイルとしての外形は、ここでは被検査物
8が短円筒状物であることから、その断面形状が環状に
なるように形成してある。
【0035】上記両励磁巻線6,6は巻線を等方向に巻
いておき、かつ励磁巻線6と検出巻線7とからなる一対
(2組)の検出部5,5は、上記の如く被検査物8の形
状等に合わせて配置しておく。これで、両励磁巻線6,
6で生じる交番磁界9は、被検査物8を介して合成され
た一つ磁界の如くになり、両検出部5,5間での最大の
磁界の通路を被検査物8が横切って通過することになる
から、被検査物8に最大の磁気影響を与え、検出巻線
7,7に生じる誘起電圧の変化の差も大きくなってい
る。
【0036】上記位相・振幅弁別手段3は、被検査物8
が上記検出部5,5間を通過時に、被検査物8毎に異な
って生じる誘起電圧を検出巻線7,7から電気信号とし
て受け、それを位相と振幅による座標に変換する。ここ
では、図7で示す如く、上記空芯時に検出された誘起電
圧の振幅・位相と比較して、その差に当たる分をX−Y
平面座標に変換し、被検査物8が検出手段2を通過時の
誘起電圧の変化を、空芯時を0として、振幅差を放射方
向に、位相差を回転方向にその軌跡を座標化して示すよ
うにしてある。
【0037】上記座標判定兼良否判別手段4は、上記座
標化されたデータにより、被検査物8が良品か否かを判
定するものであり、上記位相・振幅弁別手段3で表され
た軌跡は、被検査物8と検出部5,5とが一定位置関係
になった際の座標点を求めるように、ここでは誘起電圧
の振幅・位相の差が空芯時と比べて最大になった時点の
座標で判別するようにしてある。
【0038】そして、図8で示す如く、予め複数の良品
の被検査物8を検査した際の座標範囲を良品枠10とし
て設定してあり、被検査物8の座標が良品枠10の範囲
内に有れば良品とし、範囲外となれば不良品として判別
する。この良品枠10は、良品の複数個の被検査物8を
上記検出手段2を通過させた際の電圧と位相の座標を表
示させた場合に、複数の座標は一定の範囲に集まるの
で、統計学的に良品の枠10を描いたものである。
【0039】上記対向状に設けた検出部5,5間に金属
製の被検査物8が存在しない場合には、図4のAで示す
如く、検出巻線7,7を交番磁界9が横切っているだけ
であり、検出巻線7,7には同図のBで示す如く空芯時
の誘起電圧が生じている。検出部5,5間に、図5Aで
示す如く金属製の被検査物8が存在しても、変形や組織
変異がない良品の場合には、検出巻線7,7に生じる誘
起電圧は同図のBで実線にて示す如く余り大きな変化は
ない(点線は上記空芯時の誘起電圧を示す)。
【0040】これに対して、検出部5,5間に偏肉その
他の変形がある不良品の被検査物8が存在する場合に
は、図6のAで示すような磁界9となり、また同図のB
で実線にて示す如き誘起電圧が生じる(点線は空芯時の
誘起電圧を示す)。ここでは被検査物8が左右非対称な
ので、良品の場合と異なる二次磁界が派生して、空芯時
の場合とは逆相でかつ大きく渦電流遅れをもつ位相で、
不良品としての誘起電圧が生じている。これは良品の場
合と比較しても、振幅・位相の両方共に大きくズレてお
り、それを座標化すると図7で示す如く、良品の場合と
比べて全く異なる軌跡を描いている。
【0041】したがって、順次に被検査物8を上記検出
手段2の両検出部5,5間を通過させて、その際に特定
位置を通過時、即ち誘起電圧の振幅・位相の差が空芯時
と比べて最大になった時点の座標を、図8で示す如く表
示させた場合に、上記良品枠10内に属するものは良品
であり、枠外に属するものは不良品として判定すること
になる。後は上記判定に従って自動振り分け装置によ
り、良品と不良品を別の収納箱へ振り分ければよい。
【0042】この金属部品等の形状・組織変異判別方法
および装置を用いた場合の有効性を示す実例を挙げれ
ば、作業者20名の熱間鍛造部門で、1カ月に10,0
00,000個の金属部品を製造しているが、従来の目
視判別法では、目視作業者4人が1時間に最高で3,6
00個程度の処理になるから、上記の総数を判別するに
は2,778時間を要することになる。作業者4名の月
間総作業時間は時間外労働を含んで800〜1000時
間/月であるから、上記全数を目視判別するのは困難な
面が有り、一部の重点判別または抜き取り判別にならざ
るを得なかった。これに対して、本発明に係る金属部品
等の形状・組織変異判別方法および装置を用いた場合に
は、1時間に30,000個の自動判別ができ、1台で
月に340時間の無人稼働により、上記の総数を全て判
別することができるようになった。
【0043】
【発明の効果】以上で明らかな如く、本発明に係る金属
部品等の形状・組織変異判別方法および装置によれば、
被検査物を破壊することなく全数を検査できると共に、
変形や組織変異が被検査物の内・外周や、検出部を通過
方向の前部や後部に有っても、迅速かつ確実に検査で
き、良否の判別ができる。
【0044】即ち、本発明の金属部品等の形状・組織変
異判別方法および装置は、検出手段として励磁巻線とそ
の磁界内に設けた検出巻線とからなる検出部を一対(二
組)用意し、検出巻線が対向するように間隔をおいて対
称状に配置し、その間隔内に被検査物を通過させて、形
状・組織変異の有無で良否を判別するものである。
【0045】そのため、被検査物はその両検出部間での
磁界の通路を横切って通過することになっており、励磁
巻線間の最大の磁界の中を横切っているから、検出巻線
に生じる誘起電圧の変化は、単一の検出部をもつ検出手
段や、被検出物が磁界の通路を横切らないものと比べて
格段に増大しており、言わば検出感度を大幅にアップで
きる。
【0046】したがって、その誘起電圧の変化を座標化
した際に、良品と不良品との相違を座標上で際立って表
示でき、被検査物の変形や組織変異のある位置が被検査
物の内・外周部を問わず、また通過方向の前・後部を問
わず、確実かつ迅速に検出・判別することができる。そ
の結果、従来の破壊検査や目視検査と異なり全数の良否
を判別できることは勿論のこと、歩留りを向上すると共
に、生産性の増大と検査作業者の負担を解消することが
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別
方法の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る金属部品等の形状・組織変異判別
方法の実施に用いた検出手段の要部を示し、被検査物が
通過中の縦断斜視図である。
【図3】図2で示した検出手段についての電気的等価図
である。
【図4】A図は検出手段内に被検査物が無い場合の磁界
を示す一部縦断斜視図であり、B図はその際の誘起電圧
を示す図である。
【図5】A図は検出手段内に良品の被検査物が有る場合
の磁界を示す一部縦断斜視図であり、B図はその際の誘
起電圧の変化を示す図である。
【図6】A図は検出手段内に偏肉した不良品の被検査物
が有る場合の磁界を示す一部縦断斜視図であり、B図は
その際の誘起電圧の変化を示す図である。
【図7】検査手段中を良品と不良品が各々通過する際の
各誘起電圧の変化を、位相差と振幅差の軌跡として座標
化した状態を示す概念図である。
【図8】検査手段中の特定位置を良品と不良品が各々通
過する際の軌跡を示す座標の拡大図である。
【符号の説明】
1−交番電流発生源 2−検出手段 3−位相・振幅弁別手段 4−座標判定兼良否判別手段 5−検出部 6−励磁巻線 7−検出巻線 8−被検出物 9−磁界 10−良品枠 11−良品の軌跡 12−不良品の軌跡 13−良品の座標 14−不良品の座標 s−間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA25 AA41 AA50 BA03 BB02 BB05 BC01 BC03 BC06 BD15 CA13 DA01 DB01 DB04 DD03 GA08 GA28 GA30 GA33 KA05 LA01 LA17 ZA01 2G053 AA16 AA21 AB21 BA02 BC02 BC14 CA03 CA17 CA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励磁巻線6による交番磁界9中に検出巻線
    7を設けた一対の検出部5,5を、間隔sをおいて対向
    状に配置しておき、 両検出部5,5間の磁界9の通路を横切る如くに被検査
    物8を通過させ、 該被検査物8の通過方向の前部と後部のいずれもが、少
    なくとも一部分で磁界9中に有る際の電磁気的影響に比
    例した電気信号を取り出し、 上記電気信号を位相と振幅からなる座標に変換し、 上記検出した位相と振幅の最大値またはその近傍値を、
    座標上で予め設定してある良品枠10内に有るか否かを
    判定することにより、被検査物8の良否を判別するよう
    にした、金属部品等の形状・組織変異判別方法。
  2. 【請求項2】被検査物8が、両励磁巻線6,6の巻線が
    等方向に巻かれた両検出部5,5間を通過する際の誘起
    電圧の変化に基づいて、良否を判別するようにした、請
    求項1に記載の金属部品等の形状・組織変異判別方法。
  3. 【請求項3】交番電流発生源1に接続した検出手段2
    と、検出された電気信号を位相と振幅の変化に座標化す
    る位相・振幅弁別手段3と、その位相・振幅が座標上で
    予め設定した良品枠10内に有るか否かで良否を判別す
    る座標判定兼良否判別手段4とを備えてなり、 上記検出手段2が、励磁巻線6とその交番磁界9中の検
    出巻線7とからなる一対の検出部5,5を、間隔sをお
    いて対向状に配置したもので、 かつ該両検出部5,5を、被検査物8の通過方向の前部
    と後部のいずれもが、少なくとも一部分で同時に磁界9
    中に入る大きさに形成したことを特徴とする、金属部品
    等の形状・組織変異判別装置。
  4. 【請求項4】両検出部5,5の両励磁巻線6,6の巻線
    が等方向に巻かれた検出手段1を有する、請求項3に記
    載の金属部品等の形状・組織変異判別装置。
  5. 【請求項5】両検出部5,5の間隔sを調節可能な間隔
    調節機構を備えた、請求項3または4に記載の金属部品
    等の形状・組織変異判別装置。
JP2000002097A 2000-01-11 2000-01-11 金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置 Pending JP2001194339A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000002097A JP2001194339A (ja) 2000-01-11 2000-01-11 金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000002097A JP2001194339A (ja) 2000-01-11 2000-01-11 金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001194339A true JP2001194339A (ja) 2001-07-19

Family

ID=18531243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000002097A Pending JP2001194339A (ja) 2000-01-11 2000-01-11 金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001194339A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112902824A (zh) * 2021-01-20 2021-06-04 国网河北省电力有限公司 一种快速判断主变设备内部绕组变形的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112902824A (zh) * 2021-01-20 2021-06-04 国网河北省电力有限公司 一种快速判断主变设备内部绕组变形的方法
CN112902824B (zh) * 2021-01-20 2023-03-24 国网河北省电力有限公司 一种快速判断主变设备内部绕组变形的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5399968A (en) Eddy current probe having body of high permeability supporting drive coil and plural sensors
EP0125064B1 (en) Method for detecting stress and defect in a metal piece
US5698977A (en) Eddy current method for fatigue testing
US5648721A (en) Rotating flux-focusing eddy current probe for flaw detection
US4785243A (en) Electronically scanned eddy current flaw inspection
CN108344798B (zh) 一种检测厚壁深裂纹缺陷的双频激励圆形涡流探头及方法
CN110702783A (zh) 一种检测水冷壁管热疲劳裂纹的阵列涡流方法
US5866820A (en) Coil volumetric and surface defect detection system
US5554933A (en) Polar coordinates sensor probe for testing material surrounding fastener holes
US7304474B2 (en) Eddy current inspection device with arrays of magnetoresistive sensors
CN113866259B (zh) 一种不锈钢管道焊缝缺陷的电磁检测方法及系统
JP4903349B2 (ja) 導電材料製物体中の異常の検出
CN112415088B (zh) 一种内穿式横向脉冲涡流检测探头及其使用方法
JPH05149923A (ja) 周波数位相変化による電磁誘導検査装置及びその検査方法
US5418459A (en) Method and apparatus for flaw detection using an AC saturating field generated by a first coil and an eddy current sensor second coil
US20070029997A1 (en) Test circuit with drive windings and sense elements
JP2001194339A (ja) 金属部品等の形状・組織変異判別方法および装置
CN116519786A (zh) 一种带保护层金属表面缺陷形态电磁识别方法
CN113433212B (zh) 抗干扰强的均匀场激励方向性涡流探头及检测方法
EP1877767A2 (en) Near fieldtm and combination near fieldtm - remote field electromagnetic testing (et) probes for inspecting ferromagnetic pipes and tubes such as those used in heat exchangers
JPH05142204A (ja) 電磁誘導型検査装置
JPS626163A (ja) 回転磁界型渦流探傷方法
JPH10170481A (ja) 渦流探傷装置
JPS63311165A (ja) 磁気探傷方法及び装置
US11125723B2 (en) Eddy current testing for measuring residual stress around cold-worked holes