JP2001189952A - 移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法 - Google Patents

移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法

Info

Publication number
JP2001189952A
JP2001189952A JP37564099A JP37564099A JP2001189952A JP 2001189952 A JP2001189952 A JP 2001189952A JP 37564099 A JP37564099 A JP 37564099A JP 37564099 A JP37564099 A JP 37564099A JP 2001189952 A JP2001189952 A JP 2001189952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wireless
zone
mobile device
time slot
wireless zone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP37564099A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kuze
俊之 久世
Akihiro Shibuya
昭宏 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP37564099A priority Critical patent/JP2001189952A/ja
Publication of JP2001189952A publication Critical patent/JP2001189952A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一周波数を用いた高速なハンドオーバを行
いつつ、タイムスロット割当調整の伝播を防いでタイム
スロット効率を改善し、また、ハンドオーバ時の通信の
途切れを低減する移動無線通信システムを得ること。 【解決手段】 それぞれ同一の周波数によりセル10
a,10bを形成する複数のアンテナ9a,9bと、セ
ルを移行しつつ移動する無線移動機7と、を備えた移動
無線通信システムにおいて、無線移動機7は、セルの移
行時、移行元および移行先のセルの電波を受信して最大
比合成を行い、セル10a,10bでは、自セル内に位
置する無線移動機のための在圏フレームと、自セルへの
移行のための後方フレームと、を用いて送信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線ゾーン(セ
ル,セクタ等)を形成する複数の無線ゾーン形成装置
(無線基地局,アンテナ等)と、これら複数の無線ゾー
ン形成装置により形成された無線ゾーンを移行(ハンド
オーバ)しつつ移動する無線移動機と、を備えた移動無
線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置およ
び無線ゾーン移行方法に関し、特に、同一周波数を用い
て高速な移行(ハンドオーバ)を可能とする移動無線通
信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無
線ゾーン移行方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ITS(Intelligent Transport System
Technology)のように小セルで最大180km/hま
での高速移動を対象とした移動無線通信システムでは、
ハンドオーバにともなう更新手続きや周波数同期時間を
省略した高速ハンドオーバを実現する必要がある。この
ような高速ハンドオーバを実現する従来の移動無線通信
システムとして、特開平8−340569号公報に開示
された移動無線通信システムが知られている。図16
は、この移動無線通信システムにおけるハンドオーバの
動作を示す説明図である。この移動無線通信システムに
おいて、各無線基地局90a,90b,90cは、同一
周波数を用い、無線ゾーン(セル)91a,91b,9
1cを形成し、無線伝送路92a,92b,92cによ
り移動通信端末93との通信を行う。
【0003】ここで、無線伝送路92a,92b,92
cの通信スロット(タイムスロット)は全て同期させ
る。各無線基地局90a,90b,90cは、移動通信
端末(無線移動機)93の移動速度から割り出される一
定時間の経過に従い、自立的に自配下の移動通信端末9
3が隣接無線基地局配下時に使用していた無線伝送路の
周波数およびタイムスロットを移動通信端末93用に割
り当てる。移動通信端末93の移動経路に沿って連鎖的
にこの割当処理を行うことにより、高速移動通信中であ
る移動通信端末93は、次々と移動先の無線ゾーン内の
無線伝送経路上において、同一周波数の同一タイムスロ
ットを使用してハンドオーバを行う。
【0004】これにより、高速移動通信中の移動通信端
末93におけるハンドオーバ処理の発生を抑制してい
る。ここで、互いに隣接する2つの無線基地局から同一
周波数により同一タイムスロットのタイミングで同一デ
ータを送信すると、無線ゾーンの境界での伝播特性が無
線干渉により劣化(干渉劣化)するので、同一タイムス
ロットのタイミングで同一データを送信しないように、
移動通信端末93の位置の推測を基に、移動通信端末9
3への送信を行う無線基地局を高速に切り換えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術によれば、無線基地局(無線ゾーン形成装置)
が、他の無線ゾーンから移行してきた無線移動機に割り
当てるタイムスロット位置と自配下の無線移動機への送
信のためのタイムスロット位置とを分けていないため、
移行してきた無線移動機用に割り当てようとするタイム
スロットが自配下の無線移動機用に割り当てられている
場合があり、この自配下の無線移動機用のタイムスロッ
ト割当を調整する必要が生じ、このタイムスロット割当
の調整は、さらに前方の無線ゾーンのタイムスロット割
当を考慮してなされ、この調整が次々と伝播し、タイム
スロット効率を悪化させるという問題点があった。
【0006】また、無線移動機の位置の推測を基に、無
線移動機への送信を行う無線ゾーン形成装置を重なりの
ないように切り換えるため、無線移動機の移動速度が高
速になると、無線移動機の位置推定が間に合わない場合
や無線ゾーン形成装置の切換えが間に合わない場合が発
生し、通信が途切れてしまう可能性があるという問題点
があった。
【0007】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
って、同一周波数を用いた高速なハンドオーバを行いつ
つ、タイムスロット割当調整の伝播を防いでタイムスロ
ット効率を改善し、また、ハンドオーバ時の通信の途切
れを低減する移動無線通信システム、無線移動機、無線
ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法を得ることを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明にかかる移動無線通信シ
ステムにあっては、それぞれ同一の周波数により無線ゾ
ーンを形成する複数の無線ゾーン形成装置と、前記複数
の無線ゾーン形成装置により形成された無線ゾーンを移
行しつつ移動する無線移動機と、を備えた移動無線通信
システムにおいて、前記無線移動機は、前記無線ゾーン
の移行時、移行元および移行先の無線ゾーンの電波を受
信して最大比合成を行い、前記無線ゾーン形成装置は、
自装置の無線ゾーン内に位置する無線移動機のための在
圏フレームと、隣接する他の無線ゾーン内に位置する無
線移動機が自装置の無線ゾーンに移行するための後方フ
レームと、を用いて送信を行い、1の無線ゾーンにおけ
る後方フレーム内の無線移動機用のタイムスロットと隣
接する他の無線ゾーンにおける在圏フレーム内の無線移
動機用のタイムスロットとを最大比合成が可能な範囲内
に配置することを特徴とする。
【0009】この発明によれば、無線移動機が、無線ゾ
ーンの移行時、移行元および移行先の無線ゾーンの電波
を受信して最大比合成を行い、無線ゾーン形成装置が、
自装置の無線ゾーン内に位置する無線移動機のための在
圏フレームと、隣接する他の無線ゾーン内に位置する無
線移動機が自装置の無線ゾーンに移行するための後方フ
レームと、を用いて送信を行い、1の無線ゾーンにおけ
る後方フレーム内の無線移動機用のタイムスロットと隣
接する他の無線ゾーンにおける在圏フレーム内の無線移
動機用のタイムスロットとを最大比合成が可能な範囲内
に配置する。これにより、無線ゾーンの移行時にタイム
スロット割当の調整を行う必要がなくなり、また、互い
に隣接する無線ゾーンにおいて同一周波数により同一タ
イムスロットのタイミングで同一のダウンリンクデータ
を出力することができる。
【0010】つぎの発明にかかる移動無線通信システム
にあっては、前記無線ゾーン形成装置が、自装置の無線
ゾーンに向かって移動している無線移動機が位置してい
る隣接する無線ゾーンの後方フレームのタイミングにお
いて、前記周波数による送信を停止することを特徴とす
る。
【0011】この発明によれば、無線ゾーン形成装置
が、自装置の無線ゾーンに向かって移動している無線移
動機が位置している隣接する無線ゾーン(後方無線ゾー
ン)の後方フレームのタイミングにおいて、同一周波数
による送信を停止する。これにより、互いに隣接する無
線ゾーンにおいて、同一タイムスロットのタイミングで
異なるダウンリンクデータが発生することによる干渉劣
化を低減することができる。
【0012】つぎの発明にかかる移動無線通信システム
にあっては、前記無線ゾーン形成装置が、自装置の無線
ゾーンに位置している無線移動機が向かっている隣接す
る無線ゾーンの在圏フレームのタイミングにおいて、前
記周波数による送信を停止することを特徴とする。
【0013】この発明によれば、無線ゾーン形成装置
が、自装置の無線ゾーンに位置している無線移動機が向
かっている隣接する無線ゾーン(前方無線ゾーン)の在
圏フレームのタイミングにおいて、同一周波数による送
信を停止する。これにより、互いに隣接する無線ゾーン
において、同一タイムスロットのタイミングで異なるダ
ウンリンクデータが発生することによる干渉劣化を低減
することができる。
【0014】つぎの発明にかかる移動無線通信システム
にあっては、前記無線ゾーン形成装置が、前記無線移動
機用のタイムスロットで、無線移動機を識別するための
移動機識別子を含めたデータを送信し、前記無線移動機
が、前記無線ゾーン形成装置からの移動機識別子に基づ
いて自機への送信であるか否かを判定し、自機への送信
であった場合、受信したタイムスロット位置から送信の
ためのタイムスロット位置を決定し、前記移動機識別子
を含めたデータを前記無線ゾーン形成装置に送信するこ
とを特徴とする。
【0015】この発明によれば、無線ゾーン形成装置
が、無線移動機用のタイムスロットで、無線移動機を識
別するための移動機識別子を含めたデータを送信し、無
線移動機が、無線ゾーン形成装置からの移動機識別子に
基づいて自機への送信であるか否かを判定し、自機への
送信であった場合、受信したタイムスロット位置から送
信のためのタイムスロット位置を決定し、移動機識別子
を含めたデータを無線ゾーン形成装置に送信する。これ
により、無線移動機用のタイムスロットを変更する場合
における無線移動機と無線ゾーン形成装置との間のメッ
セージ交換を省略することができる。
【0016】つぎの発明にかかる移動無線通信システム
にあっては、さらに、1の無線移動機からのデータの受
信ができなくなった場合、受信できなくなってからの経
過時間に基づいて前記1の無線移動機が位置するブロー
ドキャストエリアを推定する推定手段を具備し、前記推
定手段により推定された1または複数のブロードキャス
トエリア内の各無線ゾーン形成装置は、ブロードキャス
ト用のフレームを用い、最大比合成が可能な範囲内に前
記1の無線移動機用のタイムスロットを配置し、送信を
行うことを特徴とする。
【0017】この発明によれば、推定手段が、ある無線
移動機からのデータの受信ができなくなった場合、受信
できなくなってからの経過時間に基づいてこの無線移動
機が位置するブロードキャストエリアを推定し、推定手
段により推定された1または複数のブロードキャストエ
リア内の各無線ゾーン形成装置が、ブロードキャスト用
のフレームを用い、最大比合成が可能な範囲内にこの無
線移動機用のタイムスロットを配置し、送信を行う。こ
れにより、シャドウイング等によりある無線移動機から
のデータの受信ができなくなった場合でも、この無線移
動機からのデータの受信が可能となったときに、いずれ
かの無線ゾーンにおいてこの無線機を確認することがで
きる。
【0018】つぎの発明にかかる移動無線通信システム
にあっては、複数のブロードキャストエリアのいずれか
に前記1の無線移動機が位置すると前記推定手段が推定
した場合、複数のブロードキャストエリアの境界部に位
置する無線ゾーンの在圏フレームおよび後方フレームに
おいて、最大比合成が可能な範囲内に前記1の無線移動
機用のタイムスロットを配置して送信を行うことを特徴
とする。
【0019】この発明によれば、複数のブロードキャス
トエリアのいずれかに通信の途絶えた無線移動機が位置
すると推定手段が推定した場合、複数のブロードキャス
トエリアの境界部に位置する無線ゾーンの在圏フレーム
および後方フレームにおいて、最大比合成が可能な範囲
内にこの無線移動機用のタイムスロットを配置して送信
を行う。これにより、これらのブロードキャストエリア
でブロードキャストフレーム(ブロードキャスト用のフ
レーム)のタイムスロット割当が異なり、ブロードキャ
ストエリアの境界において干渉劣化が発生する場合で
も、この無線移動機からのデータの受信が可能となった
ときに、この無線機を確認することができる。
【0020】つぎの発明にかかる無線移動機にあって
は、同一の周波数による複数の無線ゾーンを移行しつつ
移動する無線移動機において、前記無線ゾーンの移行
時、移行元および移行先の無線ゾーンの電波を受信して
最大比合成を行うことを特徴とする。
【0021】この発明によれば、無線ゾーンの移行時、
移行元および移行先の無線ゾーンの電波を受信して最大
比合成を行うことにより、互いに隣接する無線ゾーン形
成装置から同一の周波数による同一のタイムスロットの
タイミングで同一のデータが送信された場合でも、適切
な受信を行うことができる。
【0022】つぎの発明にかかる無線移動機にあって
は、前記無線ゾーン形成装置からの受信のタイムスロッ
ト位置から前記無線ゾーン形成装置への送信のタイムス
ロット位置を決定することを特徴とする。
【0023】この発明によれば、無線ゾーン形成装置か
らの受信のタイムスロット位置から無線ゾーン形成装置
への送信のタイムスロット位置を決定することにより、
無線移動機用のタイムスロットを変更する場合における
無線移動機と無線ゾーン形成装置との間のメッセージ交
換を省略することができる。
【0024】つぎの発明にかかる無線ゾーン形成装置に
あっては、隣接する他の無線ゾーン形成装置と同一の周
波数により無線ゾーンを形成する無線ゾーン形成装置に
おいて、自装置の無線ゾーン内に位置する無線移動機の
ための在圏フレームと、前記他の無線ゾーン内に位置す
る無線移動機が自装置の無線ゾーンに移行するための後
方フレームと、を用いて送信を行い、前記後方フレーム
内の無線移動機用のタイムスロットと前記他の無線ゾー
ンにおける在圏フレーム内の無線移動機用のタイムスロ
ットとを最大比合成が可能な範囲内に配置することを特
徴とする。
【0025】この発明によれば、自装置の無線ゾーン内
に位置する無線移動機のための在圏フレームと、他の無
線ゾーン内に位置する無線移動機が自装置の無線ゾーン
に移行するための後方フレームと、を用いて送信を行
い、後方フレーム内の無線移動機用のタイムスロットと
他の無線ゾーンにおける在圏フレーム内の無線移動機用
のタイムスロットとを最大比合成が可能な範囲内に配置
する。これにより、無線ゾーンの移行時にタイムスロッ
ト割当の調整を行う必要がなくなり、また、互いに隣接
する無線ゾーンにおいて同一周波数により同一タイムス
ロットのタイミングで同一のダウンリンクデータを出力
することができる。
【0026】つぎの発明にかかる無線ゾーン形成装置に
あっては、自装置の無線ゾーンに向かって移動している
無線移動機が位置している隣接する無線ゾーンの後方フ
レームのタイミングにおいて、前記周波数による送信を
停止することを特徴とする。
【0027】この発明によれば、自装置の無線ゾーンに
向かって移動している無線移動機が位置している隣接す
る無線ゾーン(後方無線ゾーン)の後方フレームのタイ
ミングにおいて、同一周波数による送信を停止する。こ
れにより、互いに隣接する無線ゾーンにおいて、同一タ
イムスロットのタイミングで異なるダウンリンクデータ
が発生することによる干渉劣化を低減することができ
る。
【0028】つぎの発明にかかる無線ゾーン形成装置に
あっては、自装置の無線ゾーンに位置している無線移動
機が向かっている隣接する無線ゾーンの在圏フレームの
タイミングにおいて、前記周波数による送信を停止する
ことを特徴とする。
【0029】この発明によれば、自装置の無線ゾーンに
位置している無線移動機が向かっている隣接する無線ゾ
ーン(前方無線ゾーン)の在圏フレームのタイミングに
おいて、同一周波数による送信を停止する。これによ
り、互いに隣接する無線ゾーンにおいて、同一タイムス
ロットのタイミングで異なるダウンリンクデータが発生
することによる干渉劣化を低減することができる。
【0030】つぎの発明にかかる無線ゾーン形成装置に
あっては、前記無線移動機用のタイムスロットで、無線
移動機を識別するための移動機識別子を含めたデータを
送信することを特徴とする。
【0031】この発明によれば、無線移動機用のタイム
スロットで、無線移動機を識別するための移動機識別子
を含めたデータを送信することにより、無線移動機用の
タイムスロットを変更する場合における無線移動機と無
線ゾーン形成装置との間のメッセージ交換を省略するこ
とができる。
【0032】つぎの発明にかかる無線ゾーン形成装置に
あっては、それぞれ同一の周波数により無線ゾーンを形
成する複数の無線ゾーン形成装置と、前記複数の無線ゾ
ーンを移行しつつ移動する無線移動機と、を備えた移動
無線通信システムにおける無線ゾーン移行方法におい
て、前記無線ゾーン形成装置にて、この無線ゾーン形成
装置の無線ゾーン内に位置する無線移動機のための在圏
フレーム、および隣接する他の無線ゾーン内に位置する
無線移動機がこの無線ゾーン形成装置の無線ゾーンに移
行するための後方フレームを用い、前記後方フレーム内
の無線移動機用のタイムスロットと前記他の無線ゾーン
における在圏ゾーンの無線移動機用のタイムスロットと
を最大比合成が可能な範囲に配置し、送信を行う送信工
程と、前記無線移動機にて、前記無線ゾーンの移行時、
移行元および移行先の無線ゾーンの電波を受信して最大
比合成を行う最大比合成工程と、前記無線ゾーン形成装
置にて、隣接する他の無線ゾーンに位置していた無線移
動機からのデータを受信し、この無線移動機がこの無線
ゾーン形成装置の無線ゾーンに移行してきたと判断した
とき、この無線移動機用のタイムスロット位置を前記後
方フレームから前記在圏フレームに変更する変更工程
と、を含むことを特徴とする。
【0033】この発明によれば、送信工程で、無線ゾー
ン形成装置にて、この無線ゾーン形成装置の無線ゾーン
内に位置する無線移動機のための在圏フレーム、および
隣接する他の無線ゾーン内に位置する無線移動機がこの
無線ゾーン形成装置の無線ゾーンに移行するための後方
フレームを用い、後方フレーム内の無線移動機用のタイ
ムスロットと他の無線ゾーンにおける在圏ゾーンの無線
移動機用のタイムスロットとを最大比合成が可能な範囲
になるように配置し、送信を行い、最大比合成工程で、
無線移動機にて、無線ゾーンの移行時、移行元および移
行先の無線ゾーンの電波を受信して最大比合成を行い、
変更工程で、無線ゾーン形成装置にて、他の無線ゾーン
から移動してきた無線移動機からのデータを受信したと
き、この無線移動機用のタイムスロット位置を後方フレ
ームから在圏フレームに変更する。これにより、無線ゾ
ーンの移行時にタイムスロット割当の調整を行う必要が
なくなり、また、互いに隣接する無線ゾーンにおいて同
一周波数により同一タイムスロットのタイミングで同一
のダウンリンクデータを出力することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる移動無線通
信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無
線ゾーン移行方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細
に説明する。なお、この実施の形態により、本発明が限
定されるものではない。
【0035】本発明の一実施の形態にかかる移動無線通
信システムとして、一定方向に無線移動機(車)が移動
する高速道路におけるITS(Intelligent Transport
System Technology)等に応用される移動無線通信シス
テムを例に挙げて説明する。図1は、この実施の形態に
かかる移動無線通信システムの構成を示す説明図であ
る。この無線移動通信システムは、無線リソースの管理
を行うRNC(ResourceNetwork Controller)30と、
無線レイヤ1を管理する複数の無線基地局(BTS)8
〜と、各BTSに接続され、それぞれ同一周波数のセル
(無線ゾーン)10a,10b〜を形成するアンテナ9
a,9b〜と、セル10a,10b〜をハンドオーバ
(移行)しつつ移動する複数の無線移動機7〜と、を備
えている。
【0036】RNC30は、各無線移動機宛のデータ
(ユーザデータ)を各BTSに送信する。各BTSは、
RNC30から受信したユーザデータを、各アンテナを
介して各無線移動機へ送信する。このとき、互いに隣接
するセルにおいても同一周波数により同一タイムスロッ
トのタイミング(後述する最大比合成が可能な範囲内で
遅延を持たせた場合を含む。以下、同一スロットタイミ
ングと呼ぶ。)で同一データを送信する。たとえば、無
線移動機7が、互いに隣接するセル10a,10bの境
界付近に位置している場合は、セル10aのアンテナ9
aおよびセル10bのアンテナ9bから同一周波数の同
一スロットタイミングでユーザデータを受信することに
なる。
【0037】図2は、無線移動機7の構成を示すブロッ
ク図である。無線移動機7は、アンテナ6と、アンテナ
6を介して無線信号の送受信を行う無線信号送受信部5
と、送信信号を変調して無線信号送受信部5に出力し、
また無線信号送受信部5からの受信信号を復調する変復
調部4と、変復調部4で復調された信号の最大比合成を
行う等化器(EQL)3と、EQL3で最大比合成され
た信号を入力して処理し、また送信信号を生成して変復
調部4に出力する無線通信制御部2と、ユーザとのイン
タフェースのためのマン・マシンインタフェース(MM
I)1と、を備えている。
【0038】ここで、最大比合成とは、いくつかのフェ
ージング波を足し込んで、包絡線レベルに応じて重み付
けを行う方法である。等化器3が受信信号の最大比合成
を行うことにより、相互に隣接するセルにおいて同一ス
ロットタイミングで同一のダウンリンク(BTSから無
線移動機への送信)のデータ(ダウンリンクデータ)が
送信された場合でも、無線通信制御部2は、適切にダウ
ンリンクデータの受信を行い、処理することができる。
なお、他の無線移動機も同一の構成である。
【0039】図3は、BTSから無線移動機への送信に
用いられるダウンリンクフレームの配置を示す説明図で
ある。相互に隣り合うセル、たとえば、セル10a,1
0bにおいて、それぞれのセルで使用されるダウンリン
クフレームに対し、無線移動機の等化器にて最大比合成
ができる範囲内でτだけ時間位相をもたせている。これ
により、たとえば、無線移動機7が、アンテナ9a,9
bのそれぞれから等距離の地点に位置した場合でも、等
化器3により最大比合成を行うことにより、無線干渉に
よる伝播特性の劣化(干渉劣化)を補填しながらシーム
レスなハンドオーバを実現することができる。
【0040】図4は、本発明の要部であるダウンリンク
フレームの構成を示す説明図である。この移動無線通信
システムにおけるセル10a,10b,10cのダウン
リンクフレームは、ブロードキャストのデータを送信す
るためのブロードキャスト用のサブフレーム(ブロード
キャストサブフレーム)11a,11b,11cと、後
方セル(自セルに隣接するセルであって、自セルに向か
って移動している無線移動機が位置しているセル)から
自セルへのハンドオーバの際に使用する後方サブフレー
ム12a,12b,12cと、自セルに在圏する(自セ
ル内に位置する)無線移動機への送信のための在圏サブ
フレーム13a,13b,13cと、送信電力停止部で
あるDTX(Discontinuous Transmission)14a,1
4b,14cと、から構成されている。
【0041】各セルの後方サブフレームは、後方セルの
在圏サブフレームと同一の位置(最大比合成が可能な範
囲内で遅延を持たせた場合を含む。)に配置され、か
つ、これら後方サブフレームおよび在圏サブフレームそ
れぞれの無線移動機用のタイムスロットも同一の位置
(最大比合成が可能な範囲内で遅延を持たせた場合を含
む。)になるように割り当てられる。これにより、ある
無線移動機が在圏する在圏セルに加え、その前方セル
(在圏セルに隣接するセルであって、在圏セルに在圏す
る無線移動機が向かっているセル)においても、この無
線移動機に対するダウンリンクデータが同時に(最大比
合成が可能な範囲内で遅延を持たせた場合を含む。)送
信されることになり、等化器を用いた最大比合成が可能
となる。
【0042】たとえば、セル10aの在圏サブフレーム
13aとその前方セル10bの後方サブフレーム12b
とは同一の位置に配置され、在圏サブフレーム13a,
後方サブフレーム12bそれぞれの無線移動機用のタイ
ムスロットも同じになるように割り当てられる(最大比
合成が可能な範囲内で遅延を持たせた場合を含む。)。
すなわち、セル10aに在圏する無線移動機A0,A1
のタイムスロットを、在圏サブフレーム13aと後方サ
ブフレーム12bにおいて一致するように割り当てる。
同様に、セル10bに在圏する無線移動機B0,B1,B
2,B3、,B4用のタイムスロットは、セル10bの在圏
サブフレーム13bとその前方セル10cの後方サブフ
レーム12cとで同じになるように割り当てられる。
【0043】このようなフレーム構成およびタイムスロ
ット割当をとることにより、あるセルの在圏サブフレー
ムとその前方セルの後方サブフレームのタイムスロット
割当が同じになり、ハンドオーバ無線移動機(ハンドオ
ーバを行う無線移動機)に同一周波数の同一タイムスロ
ット(最大比合成が可能な範囲内で遅延を持たせた場合
を含む。)を割り当てるため、順々に前方セルへタイム
スロット調整が伝播されるという問題が発生しない。
【0044】また、同一周波数を用いた移動システムに
おいて、相互に隣接するセルで同一スロットタイミング
に異なる内容のダウンリンクデータを送信すると、互い
に干渉を起こして伝播特性を劣化させる。これを防止す
るために、自セルにおいて、後方セルの後方サブフレー
ム位置および前方セルの在圏サブフレーム位置にはDT
Xが設けられている。たとえば、セル10bの在圏サブ
フレーム13bと同一サブフレーム位置にて、セル10
aでは、無線移動機への無線出力を停止するDTX14
aを配置することにより、セル10aからセル10bへ
の干渉を防止しており、また、セル10bの後方サブフ
レーム12bと同一サブフレーム位置にて、セル10c
では、無線移動機への無線出力を停止するDTX14c
を配置することにより、セル10cからセル10bへの
干渉を防止している。
【0045】このように、任意セル(任意のセル)の後
方セルにおいて、任意セルの在圏サブフレーム位置にD
TXを配置し、任意セルの前方セルにおいて、任意セル
の後方サブフレーム位置にDTXを配置するフレーム構
成をとることにより、任意セルの後方セルまたは任意セ
ルの前方セルからの任意セルへの干渉を防止することが
できる。
【0046】図5は、この実施の形態にかかるダウンリ
ンクフレームのタイムスロット構成、およびアップリン
ク(無線移動機から無線基地局への送信)フレームのタ
イムスロット割当を示す説明図である。この実施の形態
のダウンリンクフレームは、複数のタイムスロット(ス
ロット0〜スロットN)で構成され、各タイムスロット
は、たとえば、プリアンブル(P:Preamble)17と、
テイルシンボルビギン(TB:Tail Symbols-Begin)1
8と、ペイロード(PL:Pay Load)19,21,2
3,25と、トレーニングシーケンス(TS:Training
Sequence)20,24と、テイルシンボルミドル(T
M:Tail Symbol-Middle)22と、移動機識別子(UE
−ID)26と、コントロールインフォメーション(C
I:Control Information)27と、テイルシンボルエ
ンド(TE:Tail Symbol-End)28と、ガードタイム
(G:Guard time)29と、からなる物理チャネル信号
フォーマットをとる。
【0047】UE−ID26は、ユーザ識別(無線移動
機の識別)を行うために用いられる。このように、UE
−ID26が物理チャネル信号フォーマットに含まれる
ので、無線移動機は、UE−ID26に基づいて、ダウ
ンリンクフレームの各タイムスロットが自機に割り当て
られたものかどうかを判断することができる。これによ
り、無線基地局がある無線移動機のためのダウンリンク
タイムスロット位置を変更したとしても、この無線移動
機が全タイムスロットを受信している場合、この無線移
動機にて自機用のタイムスロット位置の特定が可能とな
る。
【0048】また、この例では、ダウンリンクフレーム
とアップリンクフレームとの間に2スロット分の時間位
相を設けている。無線移動機は、ダウンリンクフレーム
から自機用のタイムスロット位置を決定し、2スロット
遅延したアップリンクタイムスロット位置にてアップリ
ンクのデータ(アップリンクデータ)を送信する。この
とき、アップリンクの物理チャネル信号フォーマットに
UE−IDを挿入することにより、無線基地局において
も、どの無線移動機からのアップリンクデータを受信し
たかを特定することができる。
【0049】すなわち、UE−IDをタイムスロットの
物理チャネル信号フォーマットに含め、かつ、ダウンリ
ンクタイムスロット位置からアップリンクタイムスロッ
ト位置を決定する送受信方法をとることにより、無線基
地局から無線移動機へのタイムスロット変更通知等の特
別なメッセージ交換を省略して、無線移動機用のタイム
スロット位置を無線基地局にて変更することができる。
なお、この方法は、同一周波数のセル間におけるハンド
オーバの場合に限らず、異なる周波数のセル間における
ハンドオーバの場合にも適用することができる。
【0050】以上の構成において、本実施の形態の動作
について、図面を参照して説明する。図6は、この実施
の形態にかかるハンドオーバの動作を示す説明図であ
る。この例では、無線基地局8がセル10a,10b,
10c(アンテナ9a,9b,9c)を管理し、無線移
動機(UE)7がセル10aからセル10bへハンドオ
ーバする場合を示している。このハンドオーバの動作に
おいて、無線基地局8は、まず、RNC30からダウン
リンク(DL:Down Link)ユーザデータ(ダウンリン
ク用のユーザデータ)を受信する(S1)。
【0051】つぎに、アンテナ9aの在圏サブフレーム
13aとアンテナ9bの後方サブフレーム12bの同一
タイムスロット位置にDLユーザデータを割り当て、ア
ンテナ9aおよびアンテナ9bにより無線移動機7へD
Lユーザデータを送信する(S2,S3,S4,S
5)。無線移動機7は、等化器3を用いて最大比合成を
行いながら(S6)、DLタイムスロットにて決定され
るアップリンク(UL:Uplink)タイムスロット位置に
てULユーザデータ(アップリンク用のユーザデータ)
を無線基地局8へ送信する(S7,S8,S9,S1
0)。無線基地局8は、アンテナ9aにより受信したU
Lユーザデータの受信レベルとアンテナ9bにより受信
したULユーザデータの受信レベルとを比較し、無線移
動機7の在圏位置を特定する(S11)。また、受信し
たULユーザデータをRNC30に転送する(S1
2)。
【0052】その後、同様の動作が繰り返され(S13
〜S24)、無線基地局8での受信レベル比較(S2
3)において、アンテナ9bの受信レベルがアンテナ9
aの受信レベルよりも大きくなったとき、無線基地局8
は、無線移動機7がセル10bにハンドオーバしたと判
断し、セル10a(アンテナ9a)へのDLユーザデー
タの送信を停止する(S25)。また、セル10bにお
いて、無線移動機7用のタイムスロットを後方サブフレ
ーム12bから在圏サブフレーム13bに変更し、セル
10cにおいて、無線移動機7用のタイムスロットを割
り当てる(S26)。
【0053】その後、DLユーザデータは、アンテナ9
bおよびアンテナ9cを用いて無線移動機7に通知され
る(S27,S28,S29,S30,S31)。DL
ユーザデータを受信した無線移動機7は、最大比合成を
行い(S32)、無線基地局8へULユーザデータを送
信し(S33,S34,S35,S36)、ULユーザ
データを受信した無線基地局8は、アンテナ9bとアン
テナ9cとの受信レベル比較を行い(S37)、ULユ
ーザデータをRNC30に送信する(S38)。このよ
うに、無線基地局8が、無線移動機7の移動速度から無
線移動機7の位置を推測するのではなく、無線移動機7
からの受信レベルに基づいて無線移動機7の位置を特定
することができるため、通信の途切れを低減しつつハン
ドオーバを行うことができる。
【0054】図7は、図6に示したステップS26のタ
イムスロット位置変更の動作を示す説明図である。無線
基地局8が、セル10bの後方サブフレーム12bで決
定されるアップリンクタイムスロット位置にてアップリ
ンクデータを受信し、無線移動機7の在圏を認識した場
合、無線移動機7用のタイムスロット位置をセル10b
の後方サブフレーム12b中のタイムスロット位置15
bから在圏サブフレーム13b中のタイムスロット位置
16bに変更する。このタイムスロット位置は、前方セ
ル10cの後方サブフレーム12c内の無線移動機7用
のタイムスロット位置と同じになるように割り当てる。
【0055】このように、タイムスロット位置を後方サ
ブフレームから前方サブフレームに移行することによ
り、在圏セルの在圏サブフレームと前方セルの後方サブ
フレームとの間で、在圏無線移動機用のタイムスロット
を調整すればよくなり、全セルで同一周波数の同一タイ
ムスロットを用いるシステムでの前方(無線移動機の進
行方向)の複数のセルにおけるタイムスロット調整が発
生するという問題が解決される。
【0056】つぎに、シャドウイング等により無線移動
機からのデータが受信できなくなった場合の動作につい
て説明する。図8は、この実施の形態にかかるシャドウ
イングの一例を示す説明図である。この例では、無線移
動機7が、セル10aからセル10bを通過してセル1
0cに移動するまでの間シャドウイングされた場合を示
している。ITSのように周期的にアップリンクデータ
およびダウンリンクデータが発生する移動無線通信シス
テムにおいては、無線基地局は無線移動機からのアップ
リングデータを一定期間受けない場合、無線移動機がシ
ャドウイングされたと判断する。
【0057】無線基地局は、無線移動機の最大速度V
maxとセル長(セルの直径)Lから、無線移動機のセル
移行最短時間tmin(=L/Vmax)を計算し(セルの重
なり部分を取り除くように計算する)、シャドウイング
時間Ts(シャドウイング区間(シャドウイングされた
区間)38)が下記条件式の範囲内の場合、シャドウイ
ング無線移動機(シャドウイングされた無線移動機)
は、シャドウイングが開始されたセルの属するブロード
キャストエリア(同一ブロードキャストエリア)内に存
在していると判断し、同一ブロードキャストエリア内の
各セルのブロードキャストサブフレームにおいて同一タ
イムスロット位置をこのシャドウイング無線移動機のた
めに割り当てる。すなわち、 Ts < Ncell×tmin である。ここでNは、シャドウイング開始セルからブロ
ードキャストエリアのエッジセル(ブロードキャストエ
リアの端に位置するセル)までのセル数を示す(図8の
例では、N=4(セル10a,10b,10c,10
d))。
【0058】これにより、シャドウイングから無線移動
機が抜けたときに、自機宛のダウンリンクタイムスロッ
トを受信することができるため、送受信を再開すること
が可能となる。なお、この無線移動機の位置の推定は、
無線基地局側で行ってもよいし、RNC側で行ってもよ
い。
【0059】図9は、この実施の形態にかかるシャドウ
イングがあった場合におけるハンドオーバの動作を示す
説明図である。なお、図6と同一の部分については、同
一の符号を付している。また、受信レベルの比較動作
(S11)は行われるが、説明の簡単のために図示して
いない。このハンドオーバ動作において、無線基地局8
は、RNC30からのDLユーザデータを受信すると
(S1)、無線移動機7が在圏する在圏セル10aのア
ンテナ9aおよび前方セル10bのアンテナ9bを用い
てDLユーザデータの送信を行うとともに(S2〜S
5)、無線移動機7からの受信があるまでの時間を計測
する受信タイマを起動する(S41)。
【0060】無線移動機7からのULユーザデータの受
信があった場合は受信タイマを停止させる(S42)。
なお、受信タイマ起動中に新たなDLユーザデータを送
信する場合は、無線基地局8は新たな受信タイマの起動
は行わない。続いて同様の動作を繰り返す(S43〜S
48)。ここで、所定時間の間、無線移動機7からのU
Lユーザデータが無線基地局30に受信されない場合、
受信タイマはタイムアウトする(S49)。受信タイマ
がタイムアウトすると、無線基地局8は、シャドウイン
グが発生したかどうかを判定するためのシャドウイング
タイマを起動する(S50)。
【0061】シャドウイングタイマのタイマ時間(タイ
ムアウトまでの時間)は、無線移動機7のDLタイムス
ロットが割り当てられているセル範囲、すなわちシャド
ウイング開始セル(シャドウイングが発生したセル)ま
たはその前方セル(進行方向セル)に無線移動機7が在
圏しうる範囲の値に設定される。これは、シャドウイン
グ開始セルの在圏サブフレームとその前方セルの後方サ
ブフレームには、無線移動機7用のタイムスロットが既
に割り当てられているが、さらに前方のセルでは、無線
移動機7用のタイムスロットが割り当てられていないか
らである。
【0062】したがって、シャドウイングタイマ時間
(シャドウイングタイマのタイマ時間)は、無線移動機
7の移動速度をVとすると、下記条件式の範囲内で設定
される。すなわち、 L/Vmax < シャドウイングタイマ時間 < L/V である。無線基地局8は、シャドウイングタイマ時間の
間、無線移動機7への送信を繰り返し試みる(S51〜
S55)。
【0063】シャドウイングタイマがタイムアウトする
と(S56)、無線基地局8は、図10に示すように、
同一ブロードキャストエリア内の全セル10a,10
b,10c,10dにおいて、ブロードキャストサブフ
レーム内の同一タイムスロットにシャドウイング無線移
動機7用のタイムスロットを割り当てる(S57)。図
10の例では、同一ブロードキャストエリア内のセル1
0a,10b,10c,10dのブロードキャストサブ
フレーム11a,11b,11c,11dにおいて同一
タイムスロット位置36a,36b,36c,36dに
シャドウイング無線移動機7用のタイムスロットを割り
当てている。
【0064】図9にもどり、無線基地局8は、シャドウ
イング無線移動機7が同一ブロードキャストエリア内に
存在しているかどうかを推定するための移動機位置推定
タイマを起動する(S58)。ITSのようなシステム
では、大型自動車の陰に小形自動車が入ってしまい、長
時間シャドウイングが継続する場合がある。移動機位置
推定タイマのタイマ時間Tbroadは、下記条件式を満足
する範囲で設定される。すなわち、 Tbroad ≦ L×(N−1)/Vmax である。
【0065】そして、無線基地局8は、同一ブロードキ
ャストエリア内の各アンテナからDLユーザデータを送
信し、無線移動機7との通信を試みる(S60,S6
1)。無線移動機7がシャドウイングから抜け、セル1
0cにてULユーザデータを送信したとすると(S6
2)、無線基地局8は、ULユーザデータを受信して
(S63)移動機位置推定タイマを停止し(S64)、
在圏確認処理(S65)を行う。在圏確認処理では、各
セルのブロードキャストサブフレームから無線移動機7
用のタイムスロットを開放し、セル10cの在圏サブフ
レーム13cおよびセル10dの後方サブフレーム12
dに無線移動機7用のタイムスロットを割り当てる。
【0066】図11は、在圏確認処理を実行したあとの
タイムスロット割当の一例を示す説明図である。セル1
0cにてシャドウイングを抜けた無線移動機7用のタイ
ムスロットは、セル10cの在圏サブフレーム13cお
よびセル10dの後方サブフレーム12dにおいて、同
一タイムスロット位置となるように割り当てられる。こ
の例では、無線移動機7用のタイムスロットがタイムス
ロット位置37c,37dに割り当てられている。
【0067】このように、ブロードキャストエリアを規
定し、ブロードキャストサブフレームを各セルの同一サ
ブフレーム位置に配置したフレーム構成とし、シャドウ
イング無線移動機が同一ブロードキャストエリア内に在
圏する事が推定される場合、同一ブロードキャストエリ
ア内の全セルにおいて、ブロードキャストサブフレーム
の同一タイムスロット位置にこの無線移動機用のタイム
スロットを割り当てるため、この無線移動機がシャドウ
イングから抜けたとき、同一周波数での通信を再開する
ことができる。
【0068】図12は、シャドウイング区間が、異なる
複数のブロードキャストエリアをまたいで発生している
場合の例を示している。無線基地局8は、たとえば、無
線移動機7のシャドウイングを確認すると、同一ブロー
ドキャストエリア34内の全セルにおいて、無線移動機
7宛のダウンリンクデータをブロードキャストする。つ
ぎに、無線移動機7のシャドウイング時間(シャドウイ
ングされている時間)に基づいて無線移動機7の位置を
推定する。
【0069】隣接するブロードキャストエリア35へ移
動したと推測される場合、無線基地局8は、その旨を前
段のRNC30へ通知し、RNC30は、隣接ブロード
キャストエリア(隣接するブロードキャストエリア)3
5の無線基地局31に対し、シャドウイング無線移動機
7へのダウンリンクユーザデータをブロードキャストエ
リア35内でブロードキャストするように指示し、ダウ
ンリンクユーザデータの無線基地局31へのフォワード
を開始する。
【0070】複数のブロードキャストエリアにまたがり
ブロードキャストを行う場合、ブロードキャストサブフ
レームでのタイムスロット割当が、各ブロードキャスト
エリアごとに異なるため、各ブロードキャストエリアの
境界セル(エッジセル)において干渉劣化が発生すると
いう問題がある。ブロードキャストエリア34,35の
境界に位置するエッジセル10d,32aでは、エッジ
セル10dの在圏サブフレーム、およびエッジセル32
aの後方サブフレームにシャドウイング無線移動機7用
のタイムスロットを割り当てることにより、この問題を
解決している。
【0071】図13は、移動機位置推定タイマがタイム
アウトした場合におけるハンドオーバ動作を示す説明図
である。なお、図9と同一の部分については同一の符号
を付してその説明を省略する。このハンドオーバ動作に
おいて、所定時間の間、シャドウイング無線移動機7か
らのデータ受信がなく、移動機位置推定タイマがタイム
アウトすると(S70)、無線基地局8は、隣接ブロー
ドキャストエリアに無線移動機7が移動した可能性があ
ると判断し、その旨を通知するブロードキャストエリア
移行通知をRNC30へ送信する(S71)。
【0072】RNC30は、ブロードキャストエリア移
行通知を受信すると、隣接するブロードキャストエリア
35の無線基地局31に対してブロードキャスト用のタ
イムスロットの割り当てを指示するメッセージ(ブロー
ドキャストタイムスロット割当指示)を送信する(S7
2)。無線基地局31は、このメッセージを受信する
と、ブロードキャストエリア35にシャドウイング無線
移動機7用のタイムスロットを割り当て(S73)、無
線基地局8とともに無線移動機7宛のダウンリンクユー
ザデータのブロードキャストを行う(S74,S75,
S76,S77,S78,S79)。
【0073】図14は、シャドウイング無線移動機7の
タイムスロット割当を示している。無線基地局31は、
RNC30からブロードキャストタイムスロット割当指
示を通知されると、ブロードキャストエリア35内の全
セルにおいて、ブロードキャストサブフレームの同一タ
イムスロット位置にシャドウイング無線移動機7のタイ
ムスロットを割り当てる。ブロードキャストエリア35
内のセル32a,32b(アンテナ33a、33b)で
は、ブロードキャストサブフレーム42a,42b内の
同一タイムスロット位置40a,40bにシャドウイン
グ無線移動機7用のタイムスロットが割り当てられてい
る。
【0074】ブロードキャストエリア34とブロードキ
ャストエリア35とは、互いに独立してブロードキャス
トサブフレーム内のタイムスロット割当を行う。これ
は、移動無線通信システム全体で同一タイムスロット割
当の調整を行わないようにするためである。その結果、
ブロードキャストエリア34,35の境界部に位置する
るエッジセル10d,32aでは、ブロードキャストサ
ブフレームのタイムスロット割当が異なる(図14の例
では、セル10dのブロードキャストサブフレーム11
d内の無線移動機7用のタイムスロット位置36dと同
じタイミングに、セル32aのブロードキャストサブフ
レーム42aの無線移動機E0用のタイムスロットが割
り当てられている。)
【0075】このため、エッジセル10d,32aのセ
ル境界では、同じタイムスロット位置に異なるダウンリ
ンクデータが割り当てられることになるため、無線干渉
が発生し伝播特性が劣化するという問題がある。そこ
で、セル10dの在圏サブフレーム13dにシャドウイ
ング無線移動機7用のタイムスロット41dを割り当
て、また、セル32aの後方サブフレーム43aにシャ
ドウイング無線移動機7用のタイムスロット41aを割
り当てる。そして、これらのタイムスロットをともに同
一タイムスロット位置とする。これにより、シャドウイ
ング無線移動機7がブロードキャストエリア境界部に位
置する場合においても、等化器3による最大比合成によ
りブロードキャストダウンリンクデータが受信できるよ
うになる。
【0076】図13に戻り、無線基地局31は、ブロー
ドキャストエリア35内のセル、たとえば、セル32a
において、RNC30からブロードキャストタイムスロ
ット割当指示で通知されたシャドウイング無線移動機7
から、アップリンクユーザデータを受信した場合(S8
0,S81)、RNC30へ無線移動機7の在圏を確認
したことを通知する(S82)。その後、ブロードキャ
ストエリア35内のブロードキャストサブフレーム、お
よび、エッジセル32aの後方サブフレーム43aから
無線移動機7用のタイムスロットを開放する。そして、
在圏の確認されたセル32aの在圏サブフレーム43a
および前方セルであるセル32bの後方サブフレーム4
3bの同一タイムスロット位置に在圏確認無線移動機
(在圏を確認した無線移動機)7のタイムスロットを割
り当てる(S83)。
【0077】一方、無線基地局31からの在圏確認の通
知を受けたRNC30は、ブロードキャストエリア移行
通知の通知元である無線基地局8に無線移動機7の在圏
が確認されたことを通知する(S84)。無線基地局8
は、この通知を受信すると、ブロードキャストエリア3
4内のブロードキャストサブフレームおよびエッジセル
10dの在圏サブフレーム13dから無線移動機7用の
タイムスロットを開放する(S85)。
【0078】図15は、シャドウイング無線移動機7か
らのアップリンクユーザデータをセル32aにて確認し
た場合の例を示している。シャドウイング無線移動機7
からのアップリンクユーザデータをセル32aにて確認
した場合、移動無線通信システムは、ブロードキャスト
サブフレームから無線移動機7用のタイムスロットを開
放する。また、ブロードキャストエリア境界のエッジセ
ル10d,32aにおける在圏サブフレーム13d,後
方サブフレーム43aから無線移動機7用のタイムスロ
ットを開放する。そして、無線移動機7の在圏が確認さ
れたセル32aの在圏サブフレーム44aとその前方セ
ルであるセル32bの後方サブフレーム43bの同一タ
イムスロット位置46a,46bに在圏確認無線移動機
7のタイムスロットを割り当てる。
【0079】シャドウイング無線移動機に対し、このよ
うなタイムスロット割当を行うことにより、ブロードキ
ャストエリアごとのタイムスロット割当調整を可能と
し、かつ、ブロードキャストエリア境界のエッジセルに
おいても、干渉の少ないブロードキャストデータの無線
移動機による受信を可能とする。すなわち、複数ブロー
ドキャストエリアにまたがりブロードキャストを行う場
合、ブロードキャストエリアの境界に位置するエッジセ
ルでは、移行元のブロードキャストエリア側のエッジセ
ルの在圏サブフレーム、および移行先のブロードキャス
トエリア側のエッジセルの後方サブフレームにシャドウ
イング無線移動機用のタイムスロットを割り当てるた
め、干渉劣化を考慮したタイムスロット割当を行うこと
ができる。
【0080】このように、無線移動機と無線基地局との
間の無通信時間より、シャドウイング無線移動機の隣接
ブロードキャストエリアへの移行が推測される場合、隣
接ブロードキャストエリアのブロードキャストサブフレ
ームに対してシャドウイング無線移動機用のタイムスロ
ットを割り当て、ダウンリンクデータの送信を行うた
め、隣接ブロードキャストエリアでこの無線移動機がシ
ャドウイングから抜けた場合も継続通信が可能となる。
【0081】前述したように、この実施の形態では、在
圏サブフレームおよび後方サブフレームを有するフレー
ム構成をとり、任意セルに在圏する在圏無線移動機用の
タイムスロットを在圏サブフレームに割り当て、任意セ
ルの後方セルに在圏する無線移動機用のタイムスロット
を後方サブフレームに割り当て、かつ、任意セルの在圏
サブフレームと任意セルの前方セルの後方サムフレーム
とを同じサブフレーム位置(最大比合成可能な範囲内の
時間位相がある場合を含む)に配置することにより、ハ
ンドオーバのためのタイムスロット割当調整を任意セル
の在圏サブフレームと前方セルの後方サブフレームとの
間でのみ行うようにする。任意セルの在圏サブフレーム
と任意セルの前方セルの後方サブフレームとは、必ず同
じタイムスロット割当(最大比合成可能な範囲内の時間
位相がある場合を含む)となるため、タイムスロット割
当調整が前方セルへ伝播することがなくなる。
【0082】また、在圏セルとその進行方向セル(前方
セル)で、同一タイムスロット位置(最大比合成可能な
範囲内の時間位相がある場合を含む)に在圏無線移動機
用のタイムスロットを割り当てることが可能なフレーム
構成をとり、かつ、等化器を用いた最大比合成を無線移
動機にて行うことにより、在圏セルと進行方向セルと
で、同一ダウンリンクデータを同時(最大比合成可能な
範囲内の時間位相がある場合を含む)に送信することが
可能となるため、無線基地局間(アンテナ間)の高速な
切替えを抑制したシステムを実現することができる。
【0083】なお、前述した実施の形態ではブロードキ
ャストエリアと無線基地局とが1対1に対応していた
が、複数の無線基地局により1つのブロードキャストエ
リアを構成してもよい。また、前述した実施の形態では
1つの無線基地局が複数のアンテナを有していたが、1
つのアンテナのみを有する場合でも同様の効果を得るこ
とができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明によれ
ば、無線移動機が、無線ゾーンの移行時、移行元および
移行先の無線ゾーンの電波を受信して最大比合成を行
い、無線ゾーン形成装置が、自装置の無線ゾーン内に位
置する無線移動機のための在圏フレームと、隣接する他
の無線ゾーン内に位置する無線移動機が自装置の無線ゾ
ーンに移行するための後方フレームと、を用いて送信を
行い、1の無線ゾーンにおける後方フレーム内の無線移
動機用のタイムスロットと隣接する他の無線ゾーンにお
ける在圏フレーム内の無線移動機用のタイムスロットと
を最大比合成が可能な範囲内に配置する。これにより、
無線ゾーンの移行時にタイムスロット割当の調整を行う
必要がなくなり、また、互いに隣接する無線ゾーンにお
いて同一周波数により同一タイムスロットのタイミング
で同一のダウンリンクデータを出力することができるた
め、同一周波数を用いた高速なハンドオーバを行いつ
つ、タイムスロット割当調整の伝播を防いでタイムスロ
ット効率を改善し、また、ハンドオーバ時の通信の途切
れを低減することができる、という効果を奏する。
【0085】つぎの発明によれば、無線ゾーン形成装置
が、自装置の無線ゾーンに向かって移動している無線移
動機が位置している隣接する無線ゾーン(後方無線ゾー
ン)の後方フレームのタイミングにおいて、同一周波数
による送信を停止する。これにより、互いに隣接する無
線ゾーンにおいて、同一タイムスロットのタイミングで
異なるダウンリンクデータが発生することによる干渉劣
化を低減することができるため、通信の品質を向上する
ことができる、という効果を奏する。
【0086】つぎの発明によれば、無線ゾーン形成装置
が、自装置の無線ゾーンに位置している無線移動機が向
かっている隣接する無線ゾーン(前方無線ゾーン)の在
圏フレームのタイミングにおいて、同一周波数による送
信を停止する。これにより、互いに隣接する無線ゾーン
において、同一タイムスロットのタイミングで異なるダ
ウンリンクデータが発生することによる干渉劣化を低減
することができるため、通信の品質を向上することがで
きる、という効果を奏する。
【0087】つぎの発明によれば、無線ゾーン形成装置
が、無線移動機用のタイムスロットで、無線移動機を識
別するための移動機識別子を含めたデータを送信し、無
線移動機が、無線ゾーン形成装置からの移動機識別子に
基づいて自機への送信であるか否かを判定し、自機への
送信であった場合、受信したタイムスロット位置から送
信のためのタイムスロット位置を決定し、移動機識別子
を含めたデータを無線ゾーン形成装置に送信するため、
無線移動機用のタイムスロットを変更する場合における
無線移動機と無線ゾーン形成装置との間のメッセージ交
換を省略することができる、という効果を奏する。
【0088】つぎの発明によれば、推定手段が、ある無
線移動機からのデータの受信ができなくなった場合、受
信できなくなってからの経過時間に基づいてこの無線移
動機が位置するブロードキャストエリアを推定し、推定
手段により推定された1または複数のブロードキャスト
エリア内の各無線ゾーン形成装置が、ブロードキャスト
用のフレームを用い、最大比合成が可能な範囲内にこの
無線移動機用のタイムスロットを配置し、送信を行う。
これにより、シャドウイング等によりある無線移動機か
らのデータの受信ができなくなった場合でも、この無線
移動機からのデータの受信が可能となったときに、いず
れかの無線ゾーンにおいてこの無線機を確認することが
できるため、無線移動機との通信を再開することができ
る、という効果を奏する。
【0089】つぎの発明によれば、複数のブロードキャ
ストエリアのいずれかに通信の途絶えた無線移動機が位
置すると推定手段が推定した場合、複数のブロードキャ
ストエリアの境界部に位置する無線ゾーンの在圏フレー
ムおよび後方フレームにおいて、最大比合成が可能な範
囲内にこの無線移動機用のタイムスロットを配置して送
信を行う。これにより、これらのブロードキャストエリ
アでブロードキャストフレーム(ブロードキャスト用の
フレーム)のタイムスロット割当が異なり、ブロードキ
ャストエリアの境界において干渉劣化が発生する場合で
も、この無線移動機からのデータの受信が可能となった
ときに、この無線機を確認することができる、という効
果を奏する。
【0090】つぎの発明によれば、無線ゾーンの移行
時、移行元および移行先の無線ゾーンの電波を受信して
最大比合成を行うことにより、互いに隣接する無線ゾー
ン形成装置から同一の周波数による同一のタイムスロッ
トのタイミングで同一のデータが送信された場合でも、
適切な受信を行うことができるため、無線ゾーン移行時
の通信の途切れを低減することができる、という効果を
奏する。
【0091】つぎの発明によれば、無線ゾーン形成装置
からの受信のタイムスロット位置から無線ゾーン形成装
置への送信のタイムスロット位置を決定するため、無線
移動機用のタイムスロットを変更する場合における無線
移動機と無線ゾーン形成装置との間のメッセージ交換を
省略することができる、という効果を奏する。
【0092】つぎの発明によれば、自装置の無線ゾーン
内に位置する無線移動機のための在圏フレームと、他の
無線ゾーン内に位置する無線移動機が自装置の無線ゾー
ンに移行するための後方フレームと、を用いて送信を行
い、後方フレーム内の無線移動機用のタイムスロットと
他の無線ゾーンにおける在圏フレーム内の無線移動機用
のタイムスロットとを最大比合成が可能な範囲内に配置
する。これにより、無線ゾーンの移行時にタイムスロッ
ト割当の調整を行う必要がなくなり、また、互いに隣接
する無線ゾーンにおいて同一周波数により同一タイムス
ロットのタイミングで同一のダウンリンクデータを出力
することができるため、同一周波数を用いた高速なハン
ドオーバを行いつつ、タイムスロット割当調整の伝播を
防いでタイムスロット効率を改善し、また、ハンドオー
バ時の通信の途切れを低減することができる、という効
果を奏する。
【0093】つぎの発明によれば、自装置の無線ゾーン
に向かって移動している無線移動機が位置している隣接
する無線ゾーン(後方無線ゾーン)の後方フレームのタ
イミングにおいて、同一周波数による送信を停止する。
これにより、互いに隣接する無線ゾーンにおいて、同一
タイムスロットのタイミングで異なるダウンリンクデー
タが発生することによる干渉劣化を低減することができ
るため、通信の品質を向上することができる、という効
果を奏する。
【0094】つぎの発明によれば、自装置の無線ゾーン
に位置している無線移動機が向かっている隣接する無線
ゾーン(前方無線ゾーン)の在圏フレームのタイミング
において、同一周波数による送信を停止する。これによ
り、互いに隣接する無線ゾーンにおいて、同一タイムス
ロットのタイミングで異なるダウンリンクデータが発生
することによる干渉劣化を低減することができるため、
通信の品質を向上することができる、という効果を奏す
る。
【0095】つぎの発明によれば、無線移動機用のタイ
ムスロットで、無線移動機を識別するための移動機識別
子を含めたデータを送信するため、無線移動機用のタイ
ムスロットを変更する場合における無線移動機と無線ゾ
ーン形成装置との間のメッセージ交換を省略することが
できる、という効果を奏する。
【0096】つぎの発明によれば、送信工程で、無線ゾ
ーン形成装置にて、この無線ゾーン形成装置の無線ゾー
ン内に位置する無線移動機のための在圏フレーム、およ
び隣接する他の無線ゾーン内に位置する無線移動機がこ
の無線ゾーン形成装置の無線ゾーンに移行するための後
方フレームを用い、後方フレーム内の無線移動機用のタ
イムスロットと他の無線ゾーンにおける在圏ゾーンの無
線移動機用のタイムスロットとを最大比合成が可能な範
囲になるように配置して送信を行い、最大比合成工程
で、無線移動機にて、無線ゾーンの移行時、移行元およ
び移行先の無線ゾーンの電波を受信して最大比合成を行
い、変更工程で、無線ゾーン形成装置にて、他の無線ゾ
ーンから移動してきた無線移動機からのデータを受信し
たとき、この無線移動機用のタイムスロット位置を後方
フレームから在圏フレームに変更する。これにより、無
線ゾーンの移行時にタイムスロット割当の調整を行う必
要がなくなり、また、互いに隣接する無線ゾーンにおい
て同一周波数により同一タイムスロットのタイミングで
同一のダウンリンクデータを出力することができるた
め、同一周波数を用いた高速なハンドオーバを行いつ
つ、タイムスロット割当の伝播を防いでタイムスロット
効率を改善し、また、ハンドオーバ時の通信の途切れを
低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態にかかる移動無線通
信システムの構成を示す説明図である。
【図2】 図1に示したこの実施の形態にかかる無線移
動機の構成を示すブロック図である。
【図3】 この実施の形態にかかるダウンリンクフレー
ムの配置を示す説明図である。
【図4】 この実施の形態にかかるダウンリンクフレー
ムの構成を示す説明図である。
【図5】 この実施の形態にかかるタイムスロットの構
成を示す説明図である。
【図6】 この実施の形態にかかるハンドオーバの動作
を示す説明図である。
【図7】 この実施の形態にかかるタイムスロット位置
変更の動作を示す説明図である。
【図8】 この実施の形態にかかるシャドウイングの一
例を示す説明図である。
【図9】 この実施の形態にかかるシャドウイングがあ
った場合におけるハンドオーバの動作を示す説明図であ
る。
【図10】 この実施の形態にかかるシャドウイング中
におけるダウンリンクフレームの構成を示す説明図であ
る。
【図11】 この実施の形態にかかるシャドウイング後
におけるダウンリンクフレームの構成を示す説明図であ
る。
【図12】 この実施の形態にかかるシャドウイングの
他の例を示す説明図である。
【図13】 この実施の形態にかかるシャドウイングが
あった場合におけるハンドオーバの動作を示す説明図で
ある。
【図14】 この実施の形態にかかるシャドウイング中
におけるダウンリンクフレームの構成を示す説明図であ
る。
【図15】 この実施の形態にかかるシャドウイング後
におけるダウンリンクフレームの構成を示す説明図であ
る。
【図16】 従来の移動移動無線通信システムにおける
ハンドオーバの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 マン・マシンインタフェース(MMI)、2 無線
通信制御部、3 等化器、4 変復調部、5 無線信号
送受信部、6,9a,9b,9c,33a,33b ア
ンテナ、7 無線移動機、8,31 無線基地局(BT
S)、10a,10b,10c,10d,32a,32
b セル、11a,11b,11c,42a,42b
ブロードキャストサブフレーム、12a,12b,12
c 後方サブフレーム、13a,13b,13c 在圏
サブフレーム、14a,14b,14c DTX、15
b,16b,36a,36b,36c,36d,37
c,37d,40a,40b,41a,41d,46
a,46b タイムスロット位置、26 移動機識別子
(UE−ID)、30 リソースネットワークコントロ
ーラ(RNC)、34,35 ブロードキャストエリ
ア。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ同一の周波数により無線ゾーン
    を形成する複数の無線ゾーン形成装置と、前記複数の無
    線ゾーン形成装置により形成された無線ゾーンを移行し
    つつ移動する無線移動機と、を備えた移動無線通信シス
    テムにおいて、 前記無線移動機は、前記無線ゾーンの移行時、移行元お
    よび移行先の無線ゾーンの電波を受信して最大比合成を
    行い、 前記無線ゾーン形成装置は、自装置の無線ゾーン内に位
    置する無線移動機のための在圏フレームと、隣接する他
    の無線ゾーン内に位置する無線移動機が自装置の無線ゾ
    ーンに移行するための後方フレームと、を用いて送信を
    行い、 1の無線ゾーンにおける後方フレーム内の無線移動機用
    のタイムスロットと隣接する他の無線ゾーンにおける在
    圏フレーム内の無線移動機用のタイムスロットとを最大
    比合成が可能な範囲内に配置することを特徴とする移動
    無線通信システム。
  2. 【請求項2】 前記無線ゾーン形成装置は、自装置の無
    線ゾーンに向かって移動している無線移動機が位置して
    いる隣接する無線ゾーンの後方フレームのタイミングに
    おいて、前記周波数による送信を停止することを特徴と
    する請求項1に記載の移動無線通信システム。
  3. 【請求項3】 前記無線ゾーン形成装置は、自装置の無
    線ゾーンに位置している無線移動機が向かっている隣接
    する無線ゾーンの在圏フレームのタイミングにおいて、
    前記周波数による送信を停止することを特徴とする請求
    項1または2に記載の移動無線通信システム。
  4. 【請求項4】 前記無線ゾーン形成装置は、前記無線移
    動機用のタイムスロットで、無線移動機を識別するため
    の移動機識別子を含めたデータを送信し、 前記無線移動機は、前記無線ゾーン形成装置からの移動
    機識別子に基づいて自機への送信であるか否かを判定
    し、自機への送信であった場合、受信したタイムスロッ
    ト位置から送信のためのタイムスロット位置を決定し、
    前記移動機識別子を含めたデータを前記無線ゾーン形成
    装置に送信することを特徴とする請求項1,2または3
    に記載の移動無線通信システム。
  5. 【請求項5】 さらに、1の無線移動機からのデータの
    受信ができなくなった場合、受信できなくなってからの
    経過時間に基づいて前記1の無線移動機が位置するブロ
    ードキャストエリアを推定する推定手段を具備し、 前記推定手段により推定された1または複数のブロード
    キャストエリア内の各無線ゾーン形成装置は、ブロード
    キャスト用のフレームを用い、最大比合成が可能な範囲
    内に前記1の無線移動機用のタイムスロットを配置し、
    送信を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    つに記載の移動無線通信システム。
  6. 【請求項6】 複数のブロードキャストエリアのいずれ
    かに前記1の無線移動機が位置すると前記推定手段が推
    定した場合、複数のブロードキャストエリアの境界部に
    位置する無線ゾーンの在圏フレームおよび後方フレーム
    において、最大比合成が可能な範囲内に前記1の無線移
    動機用のタイムスロットを配置して送信を行うことを特
    徴とする請求項5に記載の移動無線通信システム。
  7. 【請求項7】 同一の周波数による複数の無線ゾーンを
    移行しつつ移動する無線移動機において、 前記無線ゾーンの移行時、移行元および移行先の無線ゾ
    ーンの電波を受信して最大比合成を行うことを特徴とす
    る無線移動機。
  8. 【請求項8】 前記無線ゾーン形成装置からの受信のタ
    イムスロット位置から前記無線ゾーン形成装置への送信
    のタイムスロット位置を決定することを特徴とする請求
    項7に記載の無線移動機。
  9. 【請求項9】 隣接する他の無線ゾーン形成装置と同一
    の周波数により無線ゾーンを形成する無線ゾーン形成装
    置において、 自装置の無線ゾーン内に位置する無線移動機のための在
    圏フレームと、前記他の無線ゾーン内に位置する無線移
    動機が自装置の無線ゾーンに移行するための後方フレー
    ムと、を用いて送信を行い、前記後方フレーム内の無線
    移動機用のタイムスロットと前記他の無線ゾーンにおけ
    る在圏フレーム内の無線移動機用のタイムスロットとを
    最大比合成が可能な範囲内に配置することを特徴とする
    無線ゾーン形成装置。
  10. 【請求項10】 自装置の無線ゾーンに向かって移動し
    ている無線移動機が位置している隣接する無線ゾーンの
    後方フレームのタイミングにおいて、前記周波数による
    送信を停止することを特徴とする請求項9に記載の無線
    ゾーン形成装置。
  11. 【請求項11】 自装置の無線ゾーンに位置している無
    線移動機が向かっている隣接する無線ゾーンの在圏フレ
    ームのタイミングにおいて、前記周波数による送信を停
    止することを特徴とする請求項9または10に記載の無
    線ゾーン形成装置。
  12. 【請求項12】 前記無線移動機用のタイムスロット
    で、無線移動機を識別するための移動機識別子を含めた
    データを送信することを特徴とする請求項9,10また
    は11に記載の無線ゾーン形成装置。
  13. 【請求項13】 それぞれ同一の周波数により無線ゾー
    ンを形成する複数の無線ゾーン形成装置と、前記複数の
    無線ゾーンを移行しつつ移動する無線移動機と、を備え
    た移動無線通信システムにおける無線ゾーン移行方法に
    おいて、 前記無線ゾーン形成装置にて、この無線ゾーン形成装置
    の無線ゾーン内に位置する無線移動機のための在圏フレ
    ーム、および隣接する他の無線ゾーン内に位置する無線
    移動機がこの無線ゾーン形成装置の無線ゾーンに移行す
    るための後方フレームを用い、前記後方フレーム内の無
    線移動機用のタイムスロットと前記他の無線ゾーンにお
    ける在圏ゾーンの無線移動機用のタイムスロットとを最
    大比合成が可能な範囲に配置し、送信を行う送信工程
    と、 前記無線移動機にて、前記無線ゾーンの移行時、移行元
    および移行先の無線ゾーンの電波を受信して最大比合成
    を行う最大比合成工程と、 前記無線ゾーン形成装置にて、隣接する他の無線ゾーン
    に位置していた無線移動機からのデータを受信し、この
    無線移動機がこの無線ゾーン形成装置の無線ゾーンに移
    行してきたと判断したとき、この無線移動機用のタイム
    スロット位置を前記後方フレームから前記在圏フレーム
    に変更する変更工程と、 を含むことを特徴とする無線ゾーン移行方法。
JP37564099A 1999-12-28 1999-12-28 移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法 Abandoned JP2001189952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37564099A JP2001189952A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37564099A JP2001189952A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001189952A true JP2001189952A (ja) 2001-07-10

Family

ID=18505833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37564099A Abandoned JP2001189952A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001189952A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006501768A (ja) * 2002-09-30 2006-01-12 アレイコム・インコーポレーテッド 無線通信システムのフレーム構造
JP2008507906A (ja) * 2004-07-20 2008-03-13 クゥアルコム・インコーポレイテッド ソフトハンドオフを伴う可変レートブロードキャスト
WO2024057523A1 (ja) * 2022-09-16 2024-03-21 株式会社Nttドコモ 端末、無線通信方法及び基地局

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006501768A (ja) * 2002-09-30 2006-01-12 アレイコム・インコーポレーテッド 無線通信システムのフレーム構造
JP4741841B2 (ja) * 2002-09-30 2011-08-10 インテル・コーポレーション 無線通信システムのフレーム構造
JP2008507906A (ja) * 2004-07-20 2008-03-13 クゥアルコム・インコーポレイテッド ソフトハンドオフを伴う可変レートブロードキャスト
US8111663B2 (en) 2004-07-20 2012-02-07 Qualcomm Incorporated Methods and systems for variable rate broadcast with soft handoff
US8638758B2 (en) 2004-07-20 2014-01-28 Qualcomm Incorporated Methods and systems for variable rate broadcast with soft handoff
WO2024057523A1 (ja) * 2022-09-16 2024-03-21 株式会社Nttドコモ 端末、無線通信方法及び基地局

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5335942B2 (ja) 周波数分割二重および時間分割二重通信システム間のソフトハンドオフを実行するためのシステムおよび方法
AU662241B2 (en) Method of transmitting timing advance data in GSM network
JP4558503B2 (ja) 移動通信システムにおけるハンドオーバー方法
US7729702B2 (en) Method and apparatus for combining macrodiversity spread code signals
EP1346594B1 (en) Method and apparatus for call recovery in a wireless communication system
US10568010B2 (en) Techniques to support ultra-reliable handover in wireless networks
WO2006044672A2 (en) System and method to facilitate inter-frequency handoff of mobile terminals in a wireless communication network
JPH09504144A (ja) セルラー移動無線通信ネットワークの2つのセルの間のセル間転送方法、またはハンドオーバー
FI108198B (fi) Menetelmä aikaennakkotiedon siirtämiseksi solukkoradiopuhelinverkossa etenevälle liikkuvalle asemalle, vastaavat liikkuva asema, tukiasema ja siirtojärjestelmä
AU2002217922A1 (en) Method and apparatus for call recovery in a wireless communication system
WO2008131589A1 (en) Method and system for handover from a source cell to a target cell in a cellular communication system
US6600758B1 (en) Methods and apparatus for measuring control carrier signal strength in wireless communications systems employing discontinuous control carrier transmissions
EP1382181B1 (en) Method and apparatus for power level adjustment in a wireless communication system
CN112740754A (zh) 连续有条件切换的上下文准备
CN114095073A (zh) 一种5g卫星融合场景中的无缝切换方法
WO2006110774A2 (en) Method and system for performing uplink synchronization
JP2001189952A (ja) 移動無線通信システム、無線移動機、無線ゾーン形成装置および無線ゾーン移行方法
US20100184441A1 (en) Transmission of useful and control information during soft handover
Jubara SHD-IoV: Secure Handover Decision in IoV

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071127

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20080125