JP2001189464A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2001189464A
JP2001189464A JP2000369314A JP2000369314A JP2001189464A JP 2001189464 A JP2001189464 A JP 2001189464A JP 2000369314 A JP2000369314 A JP 2000369314A JP 2000369314 A JP2000369314 A JP 2000369314A JP 2001189464 A JP2001189464 A JP 2001189464A
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film
region
silicon
gate electrode
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JP2000369314A
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Yasuhiko Takemura
保彦 竹村
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性の良い半導体装置を提供する。 【解決手段】 絶縁表面上に形成された第一の濃度の不
純物領域、第二の濃度の不純物領域及びチャネル形成領
域を有する半導体膜と、前記半導体膜上に形成されたゲ
イト絶縁膜と、前記ゲイト絶縁膜上に形成されたゲイト
電極とを有する半導体装置において、前記第一の濃度は
前記第二の濃度よりも低く、前記チャネル形成領域は前
記第一の濃度の不純物領域の間に形成され、前記第一の
濃度の不純物領域は前記第二の濃度の不純物領域の間に
形成され、前記チャネル形成領域及び前記第一の濃度の
不純物領域は前記ゲイト絶縁膜を介して前記ゲイト電極
の下に形成されていることを特徴とする半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス等の絶縁材
料、あるいは珪素ウェハー上に酸化珪素等の絶縁被膜を
形成した材料等の絶縁表面上に形成される絶縁ゲイト型
トランジスタ(TFT)およびその作製方法に関する。
本発明は、特にガラス転移点(歪み温度、歪み点とも言
う)が750℃以下のガラス基板上に形成されるTFT
に有効である。本発明による半導体装置は、液晶ディス
プレー等のアクティブマトリクスやイメージセンサー等
の駆動回路、あるいは3次元集積回路に使用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、アクティブマトリクス型の液
晶表示装置やイメージセンサー等の駆動の目的で、TF
T(薄膜トランジスタ)を形成することが広く知られて
いる。特に、最近は、高速動作の必要から、非晶質珪素
を活性層に用いた非晶質珪素TFTにかわって、より電
界移動度の高い結晶珪素TFTが開発されている。しか
しながら、より高度な特性が必要とされるようになる
と、半導体集積回路技術で利用されるようなソース/ド
レインをシリサイドによって構成することによって、当
該部分のシート抵抗を低下させる構造(サリサイド構
造、例えば、H.Kaneko他、IEEE Tran
s.Electron Devices,ED−33,
1702(1986))が必要とされた。
【0003】しかしながら、公知の半導体集積回路技術
とは異なって、TFTには解決すべき問題が多くあっ
た。特に、素子が絶縁表面上に形成され、反応性イオン
異方性エッチングが十分できないため、微細なパターン
ができないという大きな制約があった。図6には、現在
まで用いられているサリサイドを作製する代表的なプロ
セスの断面図を示す。まず、基板(ガラスでも珪素ウェ
ハーでもよい)601上に下地膜602を形成し、活性
層を結晶珪素603によって形成する。そして、この活
性層上に酸化珪素等の材料によって絶縁被膜604を形
成する。(図6(A))
【0004】次に、ゲイト電極605が多結晶珪素(燐
等の不純物がンドーピングされている)やタンタル、チ
タン、アルミニウム等で形成される。さらに、このゲイ
ト電極をマスクとして、イオンドーピング等の手段によ
って不純物元素(リンやホウ素)を導入し、自己整合的
に不純物領域606が活性層603に形成される。不純
物が導入されなかったゲイト電極の下の活性層領域はチ
ャネル形成領域となる。(図6(B))
【0005】次に、プラズマCVD、APCVD等の手
段によって酸化珪素等の絶縁膜607を形成(図6
(C))し、これを異方性エッチングすることによっ
て、ゲイト電極の側面に隣接して側壁608を形成す
る。(図6(D)) そして、全面にチタン、クロム、タングステン、モリブ
テン等のシリサイドを形成するための金属被膜を成膜し
(図6(E))、これを不純物領域606と反応させ
て、シリサイド領域610を形成する。側壁の下部(幅
x)の不純物領域606はシリサイドが形成されないの
で、通常のソース/ドレイン611となる。(図6
(F)) 最後に、層間絶縁物612を形成し、さらに、層間絶縁
物を通して、ソース/ドレイン領域にコンタクトホール
を形成し、アルミニウム等の金属材料によって、ソース
/ドレインに接続する配線・電極613を形成する。
(図6(G))
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の方法は従来の半
導体集積回路におけるサリサイド作製プロセスをそのま
ま踏襲したものであって、ガラス基板上のTFT作製プ
ロセスにはそのまま適用することの困難な工程や、ある
いは生産性の面で好ましくない工程がある。第1にはド
ーピング後に活性層表面をエッチングしなければならな
いことである。TFTの活性層は薄い方が良好な特性が
得られることが知られている。したがって、図6の工程
(D)において側壁608を形成する場合には活性層の
オーバーエッチングには留意する必要がある。
【0007】しかしながら、活性層の厚さが1500Å
以下、好ましくは、800Å以下であるのに対し、側壁
を形成するための絶縁膜607の厚さはゲイト電極60
5と同程度の厚さが必要であるため、3000〜800
0Åであり、若干のオーバーエッチングは避けられな
い。加えて、活性層に不純物がドーピングされたもの
(ドープド珪素)は、真性の珪素に比較するとはるかに
エッチングされやすいのである。そのため、通常の条件
では側壁の形成の際に活性層も大きくエッチングされ
る、あるいは、再現性よくエッチングできない、という
問題があった。
【0008】第2は、側壁の形成の困難さである。絶縁
膜607の厚さは0.5〜2μmもある。通常、基板上
に設けられる下地膜602の厚さは1000〜3000
Åであるので、このエッチング工程において誤って、下
地膜をエッチングしてしまって、基板が露出することが
よくあり、歩留りが低下した。特に、TFTの作製に用
いられるガラス基板は珪素半導体にとって有害な元素が
多く含まれているので、このようなオーバーエッチング
は避けることが必要とされた。また、側壁の幅を均一に
仕上げることも難しいことであった。これは反応性イオ
ンエッチング(RIE)等のプラズマドライエッチング
の際に、半導体集積回路で用いられる珪素基板とは異な
って、基板表面が絶縁性であるためにプラズマの微妙な
制御が困難であったからである。本発明は、上記のよう
な問題を解決し、よりプロセスを簡略化して、サリサイ
ド構造を形成する方法を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、従来に用い
られたような側壁を用いずにシリサイドを形成すること
を特徴とする。すなわち、本発明では、シリサイドを形
成するための金属被膜を成膜したのち、ソース/ドレイ
ンのドーピングをおこなうことを基本とする。本発明の
第1は (A)絶縁表面上に半導体活性層と、前記活性層上に第
1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に陽極酸化可能な材
料によってゲイト電極材料の被膜ををそれぞれ形成する
工程 (B)前記ゲイト電極材料上に選択的にマスク膜を設
け、該マスク膜を用いて、前記ゲイト電極材料をエッチ
ングし、ゲイト電極を形成する工程 (C)前記ゲイト電極に電解溶液中で電流を印加するこ
とによって、主として該ゲイト電極の側面に多孔質の第
1の陽極酸化物を形成する工程と (D)前記マスク膜を除去する工程 (E)前記ゲイト電極に電解溶液中で電流を印加するこ
とによって、該ゲイト電極の側面および上面にバリヤ型
の第2の陽極酸化物を形成する工程 (F)前記第1の陽極酸化物をマスクとして、前記第1
の絶縁膜をエッチング除去することによって活性層の表
面を露出せしめ、同時にゲイト絶縁膜を形成する工程 (G)前記第1の陽極酸化物を選択的に除去する工程 (H)前記ゲイト電極およびゲイト絶縁膜を覆って、シ
リサイドを形成するための金属被膜を形成する工程 (I)前記ゲイト電極およびゲイト絶縁膜をマスクと
し、前記金属被膜を通して、前記活性層に選択的にN型
もしくはP型の不純物元素を導入する工程と (J)前記金属被膜を活性層と選択的に反応させること
によって、活性層中に選択的にシリサイド領域を形成す
る工程 (K)前記工程(J)で反応しなかった金属被膜を除去
する工程を有する。
【0010】このうち、工程(A)〜(H)までは順序
の入替えは不可能であるが、工程(I)〜(K)は、入
替え可能で、組み合わせることによって以下の2種類の
構成が可能である。すなわち、 第1の構成 工程I→工程J→工程K 第2の構成 工程J→工程I→工程K である。ここで、第1の構成では、工程Jにおいて、工
程IでドーピングされたN型もしくはP型の不純物を活
性化することも可能であるが、第2の構成では、工程I
と工程Kの間、もしくは工程Kの後に別に活性化の工程
を設けることが望ましい。上記の工程(J)において、
もしくは、その工程の後においては、レーザーもしくは
同等な強光を照射することによって、N型もしくはP型
の不純物の活性化をおこなってもよい。また、上記工程
(J)は、300〜500℃の熱アニールによっておこ
なってもよい。
【0011】本発明の第2は、 (a)絶縁表面上に半導体活性層を形成する工程 (b)前記活性層上に選択的にドーピングマスクを設け
る工程 (c)前記活性層およびドーピングマスクを覆って、シ
リサイドを形成するための金属被膜を形成する工程 (d)前記金属被膜を通して、前記活性層に選択的にN
型もしくはP型の不純物元素を導入する工程 (e)前記金属被膜を活性層と選択的に反応させること
によって、活性層中に選択的にシリサイド領域を形成す
る工程 (f)前記工程(e)で反応しなかった金属被膜を除去
する工程 を有する。
【0012】このうち、工程(a)〜(c)までは順序
の入替えは不可能であるが、工程(d)〜(f)は、入
替え可能で、組み合わせることによって以下の2種類の
構成が可能である。すなわち、 第3の構成 工程d→工程e→工程f 第4の構成 工程e→工程d→工程f である。より、一般的には、本発明において、工程
(c)は工程(d)および(f)の前にあり、かつ、工
程(d)は工程(e)の前にあることが条件とされる。
ここで、上記第3の構成では、工程eにおいて、工程d
でドーピングされたN型もしくはP型の不純物を活性化
することも可能であるが、第4の構成では、工程dと工
程fの間、もしくは工程fの後に別に活性化の工程を設
けることが望ましい。
【0013】上記工程(e)において、もしくは、その
工程の後においては、レーザーもしくは同等な強光を照
射することによって、N型もしくはP型の不純物の活性
化をおこなってもよい。また、上記工程(e)は、30
0〜500℃の熱アニールによっておこなってもよい。
【0014】また、本発明の第2はボトムゲイト型TF
Tでもトップゲイト型TFTでもよいが、特にトップゲ
イト型TFTでは、上記のドーピングマスクとして、ゲ
イト電極およびゲイト絶縁膜とするとよい。一方、ボト
ムゲイト型TFTでは、ドーピングマスクはソース/ド
レインのドーピングのためのマスクを用いると良い。本
発明の第2の工程(d)は、N型もしくはP型の不純物
元素を含むイオンを基板に対して30°以上の傾きを有
せしめて照射することによって、ドーピングマスクの下
部の一部にまでドーピングさせるとよい。
【0015】
【作用】本発明の第1において、バリヤ型陽極酸化物
は、一般には、概略中性の電解液において印加電圧を漸
増させることにより得られる陽極酸化物のことで、緻密
で耐圧が高い。一方、多孔質陽極酸化物は陽極酸化物の
形成とその局所的なエッチングを並行しておこなうこと
によって得られる陽極酸化物で、一般には、水素イオン
濃度pHが2未満の酸性の電解液において、一定低電圧
を印加することによって得られる。
【0016】特に、いわゆるバリヤ型の陽極酸化物はエ
ッチングが難しいのに対し、多孔質型の陽極酸化物は燐
酸等のエッチャントによって選択的にエッチングされ
る。このため、TFTを構成する他の材料、例えば、珪
素、酸化珪素には何らダメージ(損傷)を与えることな
く、処理することができるのが特徴である。また、バリ
ヤ型、多孔質型とも陽極酸化物はドライエッチングでは
極めてエッチングされにくい。特に、酸化珪素とのエッ
チングにおいては選択比が十分に大きいことも特徴であ
る。
【0017】このように本発明の第1および第2におい
ては、異方性エッチングによって得られる側壁を用いな
いでサリサイド構造を得ることができる。本発明で特徴
的なことは、金属被膜を形成したのち、その金属被膜を
通して、不純物イオンを注入し、ソース/ドレインを形
成することである。すなわち、酸化珪素等とのエッチン
グの選択比の高い真性珪素の状態で酸化珪素を主成分と
するゲイト絶縁膜のエッチングをおこなうため、活性層
のオーバーエッチングがない。また、シリサイド領域に
N型/P型の不純物が注入され、より低濃度でもシリサ
イド領域と金属電極とのオーミックコンタクトを得るこ
とができる。
【0018】
【実施例】〔実施例1〕 図1に本実施例を示す。ま
ず、基板(コーニング7059、300mm×400m
mもしくは100mm×100mm)101上に下地酸
化膜102として厚さ1000〜3000Åの酸化珪素
膜を形成した。この酸化膜の形成方法としては、酸素雰
囲気中でのスパッタ法を使用した。しかし、より量産性
を高めるには、TEOSをプラズマCVD法で分解・堆
積した膜を用いてもよい。
【0019】その後、プラズマCVD法やLPCVD法
によって非晶質珪素膜を300〜5000Å、好ましく
は500〜1000Å堆積し、これを、550〜600
℃の還元雰囲気に24時間放置して、結晶化せしめた。
この工程は、レーザー照射によっておこなってもよい。
そして、このようにして結晶化させた珪素膜をパターニ
ングして島状領域103を形成した。さらに、この上に
スパッタ法によって厚さ700〜1500Åの酸化珪素
膜104を形成した。
【0020】その後、厚さ1000Å〜3μmのアルミ
ニウム(1〜5wt%のZr(ジルコニウム)、もしく
は0.1〜0.3wt%のSc(スカンジウム)を含
む)膜を電子ビーム蒸着法もしくはスパッタ法によって
形成した。そして、フォトレジスト(例えば、東京応化
製、OFPR800/30cp)をスピンコート法によ
って形成した。このマスク膜の材料としては他に、感光
性ポリイミドや通常のポリイミドでエッチングの可能な
ものを使用してもよい。
【0021】フォトレジストの形成前に、陽極酸化法に
よって厚さ100〜1000Åの酸化アルミニウム膜を
表面に形成しておくと、フォトレジストとの密着性が良
く、また、フォトレジストからの電流のリークを抑制す
ることにより、後の陽極酸化工程において、多孔質陽極
酸化物を側面のみに形成するうえで有効であった。その
後、フォトレジストとアルミニウム膜をパターニングし
て、マスク106を形成し、これを用いて、アルミニウ
ム膜をエッチングし、ゲイト電極105を形成した。マ
スク106はそのまま残して、次の工程に移行した。
(図1(A))
【0022】さらにこれに電解液中で電流を通じて陽極
酸化し、厚さ3000〜6000Å、例えば、厚さ50
00Åの陽極酸化物107を形成した。陽極酸化は、3
〜20%のクエン酸もしくはショウ酸、燐酸、クロム
酸、硫酸等の酸性水溶液を用いておこない、10〜30
Vの一定電流をゲイト電極に印加すればよい。溶液の水
素イオン濃度pHは2未満であることが望ましい。最適
なpHは電解溶液の種類に依存するが、シュウ酸の場合
には0.9〜1.0である。この場合には、10〜30
V程度の低電圧で0.5μm以上の厚い陽極酸化物を形
成することができる。本実施例ではpH=0.9〜1.
0のシュウ酸溶液(30℃)中で電圧を10Vとし、2
0〜40分、陽極酸化した。陽極酸化物の厚さは陽極酸
化時間によって制御した。(図1(B))
【0023】次に、マスク106を除去し、再び電解溶
液中において、電圧が1〜10V/分で上昇するように
ゲイト電極に電流を印加した。今回は、3〜10%の酒
石液、硼酸、硝酸の少なくとも1つが含まれたpH=
6.9〜7.1のエチレングルコールアンモニア溶液を
用いた。溶液の温度は10℃前後の室温より低い方が良
好な酸化膜が得られた。このため、ゲイト電極の上面お
よび側面にバリヤ型の陽極酸化物108が形成された。
陽極酸化物108の厚さは印加電圧に比例し、印加電圧
が150Vで2000Åの陽極酸化物が形成された。印
加電圧をより高くすれば、(図1(C))
【0024】注目すべきは、バリヤ型の陽極酸化が後の
工程であるにもかかわらず、多孔質の陽極酸化物の外側
にバリヤ型の陽極酸化物ができるのではなく、バリヤ型
の陽極酸化物108は多孔質陽極酸化物107とゲイト
電極105の間に形成されることである。燐酸系のエッ
チャントに対しては、多孔質陽極酸化物のエッチングレ
ートはバリヤ型陽極酸化物のエッチングレートの10倍
以上である。このため、後に燐酸系のエッチャントよっ
て、多孔質陽極酸化物をエッチングする際に、バリヤ型
の陽極酸化物108によって内側のゲイト電極を守るこ
とができる。
【0025】その後、ドライエッチング法によって酸化
珪素膜104をエッチングした。このエッチングにおい
ては、等方性エッチングのプラズマモードでも、あるい
は異方性エッチングの反応性イオンエッチングモードで
もよい。ただし、珪素と酸化珪素の選択比を十分に大き
くすることによって、活性層を深くエッチングしないよ
うにすることが重要である。本発明では、活性層が真性
珪素であるため酸化珪素とのエッチングの選択比は十分
に大きい。例えば、エッチングガスとしてCF 4 を使用
すれば陽極酸化物はエッチングされず、酸化珪素膜10
4のみがエッチングされる。また、多孔質陽極酸化物1
07の下の酸化珪素膜(ゲイト絶縁膜)110はエッチ
ングされずに残った。(図1(D))
【0026】本実施例では、ゲイト電極がアルミニウム
であるが、その他の材料(例えば、タンタル、、チタン
を主成分とる場合)であっても、絶縁膜104が酸化珪
素を主成分とする場合においては、フッ素系(例えばN
3 、SF6 )のエッチングガスを用いて、ドライエッ
チングをおこなえば、酸化珪素である絶縁膜104は素
早くエッチングされるが、酸化タンタル、酸化チタンの
エッチングレートは十分に小さいので絶縁膜104を選
択的にエッチングできる。
【0027】また、ウェットエッチングを用いることも
可能であり、1/100フッ酸等のフッ酸系のエッチャ
ントを用いればよい。この場合にも酸化珪素である絶縁
膜104は素早くエッチングされるが、酸化アルミニウ
ム、酸化タンタル、酸化チタン等のエッチングレートは
十分に小さいので絶縁膜104を選択的にエッチングで
きる。その後、燐酸、酢酸、硝酸の混酸を用いて多孔質
陽極酸化物107をエッチングした。このエッチングで
は陽極酸化物107のみがエッチングされ、エッチング
レートは約600Å/分であった。その下のゲイト絶縁
膜110はそのまま残存した。
【0028】さらに、全面に適当な金属、例えば、チタ
ン、クロム、ニッケル、モリブテン、タングステン、白
金、パラジウム等の被膜、例えば、厚さ200〜200
0Åのチタン膜111をスパッタ法によって全面に形成
した。(図1(E))そして、イオンドーピング法によ
って、TFTの活性層103に、ゲイト電極部(すなわ
ちゲイト電極とその周囲の陽極酸化膜)およびゲイト絶
縁膜110をマスクとして自己整合的に不純物を注入し
た。
【0029】本実施例では、ドーピングガスとしてはフ
ォスフィン(PH3 )を用いた。ドーズ量は5×1014
〜5×1015原子/cm2 、加速電圧は60〜120k
Vとした。このため、ドーピング不純物は主として幅y
の領域113に注入され、該領域はN型の不純物領域と
なった。一方、領域112は多くの不純物が通過して、
かえって不純物濃度は低くなった。P型の不純物領域を
形成するにはジボラン(B2 6 )をドーピングガスと
して用いればよい。(図1(F))
【0030】本実施例では、ドーピングは1回のみとし
たが、領域112にもドーピングされるように、電圧を
加減して、2回のドーピングをおこなってもよい。ま
た、領域113の不純物濃度が領域112の不純物濃度
よりも1〜3桁低くなるようにドーピングをおこなって
もよい。この後、450℃の熱アニールを1〜5時間お
こなった。この結果、ドーピング不純物が活性化される
とともに、チタン膜111と領域112の珪素が反応し
てシリサイド領域114が形成された。ドーピングされ
た珪素は反応性が高いため、450℃というような低温
でも十分にシリサイド化をおこなうことができた。一
方、チタン膜と接していない領域113はソース/ドレ
インとなった。
【0031】この工程は、Nd:YAGレーザー(Qス
イッチパルス発振が望ましい)のごとき赤外光レーザー
やその第2高調波のごとき可視光レーザー、KrF、X
eCl、ArF等のエキシマーを使用する各種紫外光レ
ーザーを照射する、いわゆる光アニール法も使用できる
が、金属膜の上面からレーザー照射をおこなう場合には
金属膜に反射されないような波長のレーザーを選択する
必要がある。もっとも、金属膜が極めて薄い場合にはほ
とんど問題がない。また、レーザー光は、基板側から照
射してもよい。この場合には下に存在するシリコン半導
体膜を透過するレーザー光を選択する必要がある。
【0032】また、非コヒーレントな可視光線もしくは
近赤外光の照射によるランプアニールによるものでもよ
い。ランプアニールをおこなう場合には、被照射面表面
が600〜1000℃程度になるように、600℃の場
合は数分間、1000℃の場合は数10秒間のランプ照
射を行うようにする。近赤外線(例えば1.2 μmの赤外
線)によるアニールは、近赤外線が珪素半導体に選択的
に吸収され、ガラス基板をそれ程加熱せず、しかも一回
の照射時間を短くすることで、ガラス基板に対する加熱
を抑えることができ、極めて有用である。
【0033】上記のようにして、シリサイド領域114
を形成した後、過酸化水素とアンモニアと水とを5:
2:2で混合したエッチング液で未反応のチタン膜のエ
ッチングした。露出した活性層と接触した部分以外のチ
タン膜(例えば、ゲイト絶縁膜110や陽極酸化膜10
8上に存在したチタン膜)はそのまま金属状態で残って
いたが、このエッチングで除去できた。一方、シリサイ
ド領域112の珪化チタンはエッチングされないので、
残存させることができた。
【0034】最後に、全面に層間絶縁物115として、
CVD法によって酸化珪素膜を厚さ3000Å形成し
た。そして、TFTのソース/ドレインにコンタクトホ
ールを形成し、アルミニウム配線・電極116、117
を形成した。以上によって、Nチャネル型TFTが完成
された。アルミニウム配線がコンタクトする部分は珪化
チタンであり、アルミニウムとの界面の安定性が珪素の
場合よりも良好であるので、信頼性の高いコンタクトが
得られた。
【0035】また、このアルミニウム電極116、11
7と珪化物領域114の間にバリヤメタルとして、例え
ば窒化チタンを形成するとより一層、信頼性を向上させ
ることができる。本実施例では、シリサイド領域のシー
ト抵抗は10〜50Ω/□となった。この結果、周波数
特性が良く、かつ、高いドレイン電圧でもホットキャリ
ヤ劣化の少ないTFTを作製することができた。(図1
(G))本実施例で開示した方法によって、同様にPチ
ャネル型TFTやCMOS回路も作製できる。
【0036】〔実施例2〕 図3を用いて本実施例を説
明する。まず、ガラス基板301上に下地の酸化珪素膜
302を堆積し、さらに、結晶性珪素によって、厚さ5
00Åの非晶質珪素膜を成膜した。この後、これを55
0〜600℃の還元雰囲気に8〜24時間放置して、結
晶化せしめた。この際には、ニッケル等の結晶化を助長
する触媒元素を微量添加しても構わない。このようにし
て結晶化せしめたシリコン膜にKrFエキシマーレーザ
ー(波長248nm)を照射して、さらに結晶性を改善
した。レーザーのエネルギー密度はシリコン膜の結晶化
度に依存するが、200〜350mJ/cm2 で好まし
い結果が得られた。また、最適なエネルギー密度はレー
ザー照射時の基板温度にも依存した。このようにして得
られた結晶性珪素膜をエッチングして、活性層303を
形成した。
【0037】さらに、活性層303を覆って、厚さ15
00Åの酸化珪素のゲイト絶縁膜304を成膜した。そ
して、0.1〜0.3wt%のScを有する厚さ500
0Åのアルミニウム膜をスパッタ法によって成膜し、こ
れをエッチングしてゲイト電極305を形成した。その
後、これを陽極酸化して、その上面および側面に陽極酸
化物306を形成した。陽極酸化は、アンモニアによっ
てpH≒7に調整した1〜3%の酒石酸エチレングリコ
ール溶液に基板を浸し、白金を陰極、アルミニウムのゲ
イト電極305を陽極としておこなった。陽極酸化は、
最初一定電流で特定の電圧まで電圧を上げ、その状態で
1時間保持して終了させた。陽極酸化物306の厚さは
2000Åとした。(図3(A)))
【0038】次に、酸化珪素膜304をゲイト電極と陽
極酸化物をマスクとしてエッチングした。エッチングに
はドライエッチング法を用い、その際のエッチングガス
としてはCHF3 を用いた。陽極酸化物である酸化アル
ミニウムはドライエッチング法ではほとんどエッチング
されず、酸化珪素膜のみが選択的にエッチングされるの
で好ましい。もちろん、ウェットエッチング法を用いて
もよい。このようにして、Nチャネル型TFTの活性層
を露出させた。そして、厚さ200〜2000Åの白金
(プラチナ)膜308をスパッタ法によって形成した。
(図3(B))
【0039】次に、斜めより不純物イオンを照射して、
不純物領域107を形成した。その結果、不純物領域は
陽極酸化物306の下にも回り込むこととなる。上記の
各工程において不純物領域を形成するには、加速した不
純物イオンを基板に対して斜めから照射することによっ
ておこなうことを特徴とする。その際には、基板をイオ
ン源の方向に対して傾けつつ、回転させることによって
おこなう方法(回転斜めイオン注入法)を用いた。
【0040】回転斜めイオン注入法は、図2に示す装置
を用いた。図2に示す装置は、チャンバー201とその
内部に配置されたサンプルホルダー(基板ホルダー)2
02、アノード電極203、アノード電極203に高電
圧を供給するための電源204、グリッド電極205を
有している。サンプルホルダー202は斜方向からのイ
オン注入が可能となるように、角度θが自在に変化でき
る。また、サンプルホルダーには回転機構が備わってお
り、イオン注入の際に回転できるようになっている。
(図2)
【0041】また、アノード電極203には高電圧が印
加できるような構造となっている。最大電圧としては、
例えば、120kVもしくはそれ以上の電圧が印加され
る。アノードに印加された電圧によって、グリッド電極
205の近傍においてRF放電等によってイオン化され
た不純物イオン206は、サンプルホルダー202上に
配置された基板207(サンプル)の方向に加速され
る。その結果、基板には加速された不純物イオンが打ち
込まれることになる。(図2)
【0042】本実施例では、ドーズ量は1×1013〜5
×1014原子/cm2 、加速電圧は60〜120kV、
例えば、ドーズ量を4×1013原子/cm2 、加速電圧
を110kVとした。この結果、N型不純物領域309
が形成され、この領域はゲイト電極305にオーバーラ
ップするように形成された。(図3(C))
【0043】そして、400〜550℃、例えば、45
0℃で1時間アニールをおこなった。この結果、白金膜
とシリコン膜が密着していた部分においてはシリサイド
が形成され、同時に、ドーピングされた不純物の活性化
もおこなわれた。また、白金膜と酸化珪素、酸化アルミ
ニウムは反応しなかったので、酸化珪素、陽極酸化物上
の白金膜は未反応のまま残存した。これは簡単に除去で
きた。このようにして、ソース/ドレインに相当する部
分にシリサイド領域311を形成した。また、N型不純
物領域309のうち、シリサイドにならなかった幅xの
部分がゲイト電極部にソース/ドレイン領域310とし
て残った。(図3(D))
【0044】次に、層間絶縁膜312として,プラズマ
CVD法によって酸化珪素膜を厚さ3000Åに成膜し
た。そして、層間絶縁膜312をエッチングして、TF
Tのソース/ドレインにコンタクトホール形成した。そ
して、アルミニウム膜をスパッタリング法によって成膜
し、パターニング・エッチングをおこなってソース/ド
レイン電極313、314を形成した。(図3(E))
【0045】上記のシリサイド化の工程において、シリ
サイド反応の進め方によって、図3(D)および(E)
のように、活性層の底までシリサイドが形成される場合
や、図3(F)のように活性層の表面のみにシリサイド
が形成される場合がある。当然のことながら、前者の方
が、ソース/ドレインに該当する部分のシート抵抗は小
さいのであるが、後者の場合でも十分に抵抗は低い。し
たがって、いずれの場合においても、ソース/ドレイン
のシート抵抗は、不純物領域310の幅xによってほぼ
決定される。
【0046】上記のことと関連するが、シリサイドの厚
さは、ソース/ドレインに該当する領域に必要とされる
シート抵抗によって選択される。シート抵抗として10
〜100Ω/□を達成せんとすれば、シリサイドの比抵
抗は、0.1〜1mΩ・cmであるので、シリサイドの
厚さは100Å〜1μmが適当である。また、シリサイ
ドを形成する際、熱アニール以外にレーザー等の強光を
金属膜に照射し、下に存在するシリコン半導体膜と反応
させてシリサイドとしてもよい。また、レーザー光は、
基板側から照射してもよい。レーザーを使用するのであ
れば、パルス状のレーザーが好ましい。連続発振レーザ
ーでは照射時間が長いので、熱によって被照射物が熱に
よって膨張することによって剥離するような危険がある
上、基板への熱的なダメージもある。
【0047】〔実施例3〕 図4を用いて本実施例を説
明する。ガラス基板401上に、下地膜402、活性層
403、ゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜40
4、陽極酸化可能なゲイト電極405を形成し、ゲイト
電極の上面および側面の陽極酸化をおこない、陽極酸化
物406を得た。さらに、酸化珪素膜404をエッチン
グして、ゲイト絶縁膜407を得た。そして、スパッタ
法によって、厚さ1000Åのパラジウム膜408を全
面的に成膜した。(図4(B))
【0048】そして、ゲイト電極および陽極酸化物をマ
スクとして、図2の装置を用い、斜めから不純物イオン
を照射して不純物領域409を活性層に設けた。このと
きの不樹物濃度は通常の場合に比較して低くした。例え
ば、ドーズ量は1×1012〜5×1014原子/cm2
した。(図4(C)) 次に、今度はほぼ垂直方向から同じ導電型のイオンを照
射し、さらに、不純物濃度を、先に形成された不純物領
域409のものより高くした。この際のドーズ量は1×
1014〜5×1015原子/cm2 が適当であった。この
結果、陽極酸化物の下には幅xの低濃度の不純物領域が
残り、その他の領域は高濃度不純物領域410となっ
た。(図4(D))
【0049】その後、パラジウム膜と不純物領域を反応
させ、シリサイド領域412を形成した。しかし、陽極
酸化物の下の領域の不純物領域409まではシリサイド
反応が及ばず、不純物領域のまま残った。また、陽極酸
化物上に形成された金属被膜はほとんど反応しない状態
で残存するので、パラジウム膜408のうち、未反応の
ものは容易にエッチングできた。(図4(E)) その後、層間絶縁物413を堆積し、シリサイド領域に
コンタクトホールを形成して、金属配線・電極414、
415を形成してTFTが完成した。(図4(F))
【0050】本実施例では、ソース/ドレイン領域とし
て、低濃度の不純物をドーピングした。通常のTFTに
おいて、このように低濃度の不純物をドーピングする
と、ドレイン近傍での電界が緩和され、ホットキャリヤ
注入による劣化が低下し、また、ソース/ドレイン間の
リーク電流も低下するのであるが、例えば、図3の不純
物領域310を低濃度にしたものでは、不純物濃度が低
濃度であるがため、NI接合(Pチャネル型TFTの場
合はPI接合)が浅く、また、シリサイド領域間の距離
が短いために、ドレイン電圧が高い場合には、ソース/
ドレイン間のリーク電流が増加しやすい。それを防ぐた
めには、図4のように高濃度のドーピングをおこなうと
効果的である。
【0051】〔実施例4〕 図5に本実施例を示す。ま
ず、基板(コーニング7059、100mm×100m
m)501上にゲイト配線・電極502、503を形成
した。ゲイト配線・電極は、厚さ3000Åのタンタル
を用いた。ゲイト電極の表面は陽極酸化によって処理す
ることにより、絶縁性を高めてもよい。その後、プラズ
マCVD法によって厚さ3000〜6000Å、例え
ば、4000Åの窒化珪素膜504を堆積した。これは
ゲイト絶縁膜としても機能する。そして、厚さ300〜
1000Å、例えば、500Åの非晶質珪素膜をプラズ
マCVD法によって形成した。そして、これをエッチン
グして、活性層505を形成した。(図5(A))
【0052】さらに、プラズマCVD法によって厚さ3
000〜6000Å、例えば、2000Åの酸化珪素膜
を堆積した。そして、全面にフォトレジストを塗布し、
基板裏面から露光することにより、ゲイト電極・配線5
02、503をマスクとしてパターニングをおこなっ
た。そして、このパターンを用いて、酸化珪素膜をエッ
チングし、ドーピングマスク506、507を形成し
た。(図5(B))その後、厚さ500Åのチタン膜5
08をスパッタ法によって形成した。(図5(C))
【0053】次に、図2の装置を用いた回転斜めイオン
ドーピング法によって、活性層505に、N型の不純物
を注入し、N型不純物領域(ソース/ドレイン領域)5
09を形成した。ドーピングガスとしては、フォスフィ
ン(PH3 )を用いた。ドーズ量は5×1014〜5×1
15原子/cm2 、加速電圧は60〜90kVとした。
(図5(D))
【0054】そして、300〜450℃、例えば、35
0℃で10〜60分、熱アニールすることによって、チ
タンとシリコンを反応させ、シリサイド領域510を形
成した。この後、残ったチタン膜をエッチングした。
(図5(E)) さらに、全面にスパッタ法で厚さ5000Åのアルミニ
ウム膜を形成し、これをエッチングして、配線511、
512を形成した。配線511、512は先に形成され
たシリサイド領域を接触する。以上によって、TFTが
完成された。(図5(F))
【0055】〔実施例5〕 図7に本実施例を示す。実
施例1と同様に、ガラス基板701上に下地酸化膜70
2と、結晶性珪素膜の島状領域703、厚さ1500Å
の酸化珪素のゲイト絶縁膜704、アルミニウム(1〜
5wt%のZr(ジルコニウム)を含む)のゲイト電極
705、バリヤ型の陽極酸化物706、多孔質の陽極酸
化物707を形成した。(図7(A)、図1(D)に相
当) その後、燐酸、酢酸、硝酸の混酸を用いて多孔質陽極酸
化物707をエッチングした。さらに、全面に厚さ20
0〜2000Åのクロムの被膜をスパッタ法によって形
成した。スパッタ成膜時にクロムは活性層の珪素と反応
し、活性層の表面の20〜100Åはシリサイド(図示
せず)となった。(図7(B))
【0056】この後、450℃の熱アニールを1〜5時
間おこなった。この結果、クロム膜708と活性層70
3の珪素が反応してシリサイド領域709が形成され
た。一方、活性層のうちクロム膜と接していない領域で
はシリサイドは形成されなかった。(図7(C)) この工程は、Nd:YAGレーザー(Qスイッチパルス
発振が望ましい)のごとき赤外光レーザーやその第2高
調波のごとき可視光レーザー、KrF、XeCl、Ar
F等のエキシマーを使用する各種紫外光レーザーを照射
する、いわゆる光アニール法も使用できるが、金属膜の
上面からレーザー照射をおこなう場合には金属膜に反射
されないような波長のレーザーを選択する必要がある。
もっとも、金属膜が極めて薄い場合にはほとんど問題が
ない。また、レーザー光は、基板側から照射してもよ
い。この場合には下に存在するシリコン半導体膜を透過
するレーザー光を選択する必要がある。
【0057】また、非コヒーレントな可視光線もしくは
近赤外光の照射によるランプアニールによるものでもよ
い。ランプアニールをおこなう場合には、被照射面表面
が600〜1000℃程度になるように、600℃の場
合は数分間、1000℃の場合は数10秒間のランプ照
射を行うようにする。近赤外線(例えば1.2 μmの赤外
線)によるアニールは、近赤外線が珪素半導体に選択的
に吸収され、ガラス基板をそれ程加熱せず、しかも一回
の照射時間を短くすることで、ガラス基板に対する加熱
を抑えることができ、極めて有用である。
【0058】そして、イオンドーピング法によって、T
FTの活性層703に、ゲイト電極部(すなわちゲイト
電極とその周囲の陽極酸化膜)およびゲイト絶縁膜70
4をマスクとして自己整合的に不純物を注入した。本実
施例では、ドーピングガスとしてはフォスフィン(PH
3 )を用いた。ドーズ量は5×1014〜5×1015原子
/cm2 、加速電圧は60〜120kVとした。このた
め、ドーピング不純物は主としてゲイト絶縁膜704の
下の活性層領域710に注入され、該領域はN型の不純
物領域となった。(図7(D))
【0059】本実施例では、ドーピングは1回のみとし
たが、領域709にもドーピングされるように、電圧を
加減して、2回のドーピングをおこなってもよい。ま
た、領域710の不純物濃度が領域709の不純物濃度
よりも1〜3桁低くなるようにドーピングをおこなって
もよい。そして、ドーピングされた不純物の活性化をお
こなった。本実施例では300〜500℃、例えば、4
50℃の熱アニールを0.1〜2時間、例えば、1時間
おこなった。この工程は、上記のようなレーザーやRT
A法を用いておこなってもよい。このように、クロム膜
を設けたまま活性化をおこなったために、さらに、シリ
サイドの形成を促進することができた。
【0060】その後、未反応のクロム膜のエッチング
し、全面に層間絶縁物711として、CVD法によって
酸化珪素膜を厚さ3000Å形成した。そして、TFT
のソース/ドレインにコンタクトホールを形成し、アル
ミニウム配線・電極712、713を形成した。以上に
よって、Nチャネル型TFTが完成された。本実施例で
は、ドーピングされた不純物の活性化をクロム膜を除去
する前におこなったが、クロム膜を除去した後におこな
ってもよい。この場合には、特に、レーザーやRTA法
を用いる際には、クロム膜による光の反射を考慮しなく
ても良いので、効果的に活性化をおこなうことができ
る。
【0061】
【発明の効果】本発明は、酸化珪素との選択比の低いド
ーピングされた珪素表面の酸化珪素をエッチングする工
程がないので、歩留り良くTFTを作製することができ
る。本多雨名によって得られるTFTの特性はもちろ
ん、従来のサリサイド構造のTFTとなんら遜色のない
ものである。また、本発明では、陽極酸化、回転斜めイ
オン注入等の手段により、ソース/ドレイン(図1の領
域113や図3の領域310)の幅が極めて精度良く形
成されるので、均一性の優れたTFT回路が得られる。
【0062】実施例ではガラス基板上のTFTを中心に
説明したが、本発明のTFTは、半導体集積回路が形成
された基板上に3次元集積回路を形成する場合でも、ガ
ラスまたは有機樹脂等の上に形成される場合でも同様に
形成されることはいうまでもないが、いずれの場合にも
絶縁表面上に形成されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1によるTFTの作製方法を示す。
【図2】 実施例2〜4に用いたドーピング装置の概念
図を示す。
【図3】 実施例2によるTFTの作製方法を示す。
【図4】 実施例3によるTFTの作製方法を示す。
【図5】 実施例4によるTFTの作製方法を示す。
【図6】 従来法によるTFTの作製方法を示す。
【図7】 実施例4によるTFTの作製方法を示す。
【符号の説明】
101 絶縁基板 102 下地酸化膜(酸化珪素) 103 活性層 104 絶縁膜(酸化珪素) 105 ゲイト電極(アルミニウム) 106 マスク膜(フォトレジスト) 107 陽極酸化物(多孔質) 108 陽極酸化物(バリヤ型) 109 ゲイト絶縁膜の端部 110 ゲイト絶縁膜 111 金属被膜(チタン) 112、113 N型不純物領域 114 シリサイド領域 115 層間絶縁物 116、117 金属配線・電極(アルミニウム)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月5日(2001.2.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/265 604 H01L 21/283 C 21/28 301 29/78 616A 21/283 616K

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁表面上に形成された第一の濃度の不
    純物領域、第二の濃度の不純物領域及びチャネル形成領
    域を有する半導体膜と、 前記半導体膜上に形成されたゲイト絶縁膜と、前記ゲイ
    ト絶縁膜上に形成されたゲイト電極とを有する半導体装
    置において、前記第一の濃度は前記第二の濃度よりも低
    く、前記チャネル形成領域は前記第一の濃度の不純物領
    域の間に形成され、前記第一の濃度の不純物領域は前記
    第二の濃度の不純物領域の間に形成され、前記チャネル
    形成領域及び前記第一の濃度の不純物領域は前記ゲイト
    絶縁膜を介して前記ゲイト電極の下に形成されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
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