JP2001188093A - 液体金属冷却型原子炉および液体金属冷却型原子力プラント - Google Patents
液体金属冷却型原子炉および液体金属冷却型原子力プラントInfo
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Abstract
し、これにより外部への冷却材の逸散の可能性を極力回
避できるようにして、冷却設備を含めた全体構成の簡単
化および小型化を図る。 【解決手段】核燃料からなる炉心2と、炉心バレル3
と、環状をなす反射体4と、内側に1次冷却材の冷却材
流路を形成する内側隔壁6と、冷却材流炉の外周を取り
囲む外側隔壁7と、炉心の外周を取り囲む中性子遮蔽体
8と、この中性子遮蔽体の上方の冷却材流路中に配設さ
れた環状の電磁ポンプ13と、1次冷却材との熱交換に
より原子炉容器内で蒸気を発生させる環状の蒸気発生器
14と、全ての構造物を内包する原子炉容器9と、ガー
ドベッセル10とを備える。炉心から上昇した1次冷却
材は蒸気発生器にその上部から導入されて内部を流下
し、熱交換後にその下端部から排出された後、さらに蒸
気発生器の内周部と電磁ポンプの外周部との隙間を上昇
して電磁ポンプの上端部から吸込まれて炉心に流下する
構成とする。
Description
子炉および同原子炉を用いた液体金属冷却型原子力プラ
ントに係り、特に液体金属の外部への逸散を少なくして
小型化の推進が図れる液体金属型原子炉および液体金属
型原子力プラントに関する。
なわち小型高速炉は一般に、核燃料からなる炉心と、こ
の炉心の外周を取り囲む炉心バレルと、この炉心バレル
の外周を取り囲む全体として環状の反射体と、この反射
体の外周を取り囲み、原子炉の半径方向に配設された支
持部材によって炉心バレルを支持するとともに1次冷却
材の冷却材流路の内壁を構成する隔壁と、この隔壁の外
周を取り囲み、冷却材流路中に配設された中性子遮蔽体
と、この中性子遮蔽体の外周を取り囲み、冷却材流路の
外壁を構成する原子炉容器と、この原子炉容器の外周を
取り囲むガードベッセルとを有する構成とされている。
は、原子炉容器の内部に反射体と中性子遮蔽体を収容
し、これらが発生する熱が原子炉の出力として利用され
るように冷却材流路を構成し、かつ電磁ポンプと中間熱
交換器とを燃料交換作業の障害とならないように環状に
形成し、電磁ポンプを中間熱交換器の下流に配置構成
し、原子炉容器外部に発散される熱量と中性子照射量と
を小さくして、液体金属冷却型原子炉の効率を改善する
とともに、液体金属冷却型原子炉とこれを収容する遮蔽
構造物とその冷却設備とを簡単にしていた。
造を例示する全体断面図である。この図18に示した従
来の液体金属冷却型原子炉51は、核燃料の集合体から
なる炉心52を有し、この炉心52は全体としてほぼ円
柱状に形成されている。炉心52はこれを保護する炉心
バレル53によって外周を取り囲まれている。炉心バレ
ル53の外側には全体として炉心バレル53を取り囲む
円環状の反射体54が配設されている。反射体54の外
側には、この反射体54の外周を取り囲み、1次冷却材
の冷却材流路55の内壁を構成する隔壁56が設けられ
ている。隔壁56の外側には間隔をあけて冷却材流路5
5の外壁を構成する原子炉容器57が配設されている。
冷却材流路55中には中性子遮蔽体58が炉心52を取
り囲むように配設されている。原子炉容器57のさらに
外側には原子炉容器57を保護するガードベッセル59
が設けられている。
数の駆動軸61によって吊り下げられ、反射体駆動装置
62によって上下に移動可能に支持されている。隔壁5
6は炉心52を載置するベースプレート63から上方に
延設され、原子炉容器57との間に円環状の冷却材流路
55を形成し、この冷却材流路55の下方には上述した
ように中性子遮蔽体58が配置されている。中性子遮蔽
体58の上方の冷却材流路55中には円環状の電磁ポン
プ64が配設され、この電磁ポンプ64のさらに上方に
は中間熱交換器65が配設されている。中間熱交換器6
5のさらに上方には崩壊熱除去コイル66が配設されて
いる。中間熱交換器65と電磁ポンプ64とは一体に形
成され、原子炉の上部の構造体と一体連続的に構成され
ている。中間熱交換器65のチューブ側とシェル側と
は、それぞれ1次冷却材と2次冷却材が流通するように
構成されている。中間熱交換器65と電磁ポンプ64の
下端部と隔壁56の上端部との間には、熱による液体金
属冷却型原子炉51の伸縮を吸収し、冷却材流路55を
画するシールベロー67が設けられている。
炉心52にプルトニウム等を含む核燃料を使用し、運転
に際しては炉心52のプルトニウム等を分裂させて熱出
力を行うとともに、余剰の高速中性子を劣化ウランに吸
収させ、燃やす量に匹敵するプルトニウムを生成する。
反射体54は炉心52から照射される中性子を反射し、
炉心52の核燃料の燃焼・増殖を促進する。核燃料の燃
焼に伴って、反射体54は核燃料の臨界を維持しながら
徐々に移動させられ、このことにより、徐々に炉心52
の新しい燃料部分が燃焼され、長期間燃焼を維持するこ
とができる。
冷却材の液体ナトリウムが満たされ、この1次冷却材に
よって炉心52を冷却しつつ核分裂による熱を外部に取
り出す。1次冷却材は図中の実線の矢印に示すように、
電磁ポンプ64によって下方に駆動され、中性子遮蔽体
58の内部を流下して原子炉容器57の底部に流入す
る。1次冷却材は炉心52内を流過しながら上昇し、原
子炉容器57の上部で中間熱交換器65の管側に流入す
る。1次冷却材は中間熱交換器65で2次冷却材と熱交
換を行った後に流出し、再び電磁ポンプ64によって下
方に駆動される。2次冷却材は外部から入口ノズル68
を経て中間熱交換器65の胴側に流入し、中間熱交換器
65で1次冷却材によって加熱された後に、出口ノズル
69から外部に流出してその熱を動力等に変換する。
属冷却型原子炉においては、原子炉容器内部に中間熱交
換器を配し、この中間熱交換器で1次冷却材と熱交換さ
れた2次冷却材を、原子炉容器の外部に配置した蒸気発
生器に循環させて蒸気を発生させるようになっている。
すなわち、蒸気を発生させるための蒸気発生器と、2次
冷却材を循環するための電磁ポンプや配管設備を必要と
する構成になっている。
液体金属を使用している。このため、原子炉容器とその
周りの液体金属の利用設備とが複雑な形態をならざるを
得ず、畢竟活性な液体金属の漏洩や火災等への対策に供
すべき補助設備が要求されるという問題があった。
却材としてナトリウムという放射化しやすい液体金属を
使用して蒸気を発生させるため、蒸気発生器の伝熱管に
おける水漏洩時にはナトリウムと水との反応事故が避け
難く、反応生成物の環境への直接的放出を防ぐため、2
次冷却系設備を必要としていた。そのうえ、反応生成物
の収納設備が必要となり、原子炉装置全体が大型化し、
コストの増大化をもたらすという問題もあった。
るものの大型の導電コイル等の耐熱特性から、中間熱交
換器の後流側(図18の下方)に直列的に、同一径とし
て配設されている。一方、中間熱交換器の上下に配設さ
れる管板は熱応力を受けやすい構造を有しており、直径
の増大が熱応力の拡大につながるため、大径化を防止す
ることに配慮されている。このように、従来の液体金属
冷却型原子炉においては、中間熱交換器と電磁ポンプと
が上下に直列に配設され、高さ方向に長大化していた。
収容空間を原子炉容器の内部に限定し、これにより外部
への冷却材の逸散の可能性を極力回避できるようにし
て、冷却設備を含めた全体構成の簡単化および小型化が
図れる液体金属冷却型原子炉および同原子炉を用いた液
体金属冷却型原子力プラントを提供することにある。
に、請求項1の発明では、核燃料からなる炉心と、この
炉心の外周を取り囲む炉心バレルと、この炉心バレルの
外周を取り囲む全体として環状をなす反射体と、この反
射体の外周を取り囲み、その内側に1次冷却材の冷却材
流路を形成する内側隔壁と、前記冷却材流炉の外周を取
り囲む外側隔壁と、前記冷却材流路中に配設され、前記
炉心の外周を取り囲む中性子遮蔽体と、この中性子遮蔽
体の上方の前記冷却材流路中に配設された環状の電磁ポ
ンプと、この電磁ポンプの外周を取り囲んで大径に形成
されるとともに前記電磁ポンプの上方側に配設され、前
記1次冷却材との熱交換により前記原子炉容器内で蒸気
を発生させる環状の蒸気発生器と、前記外側隔壁の外周
を取り囲み前記全ての構造物を内包する原子炉容器と、
この原子炉容器の外周を取り囲むガードベッセルとを備
え、前記炉心から上昇した1次冷却材は前記蒸気発生器
にその上部から導入されて内部を流下し、熱交換後にそ
の下端部から排出された後、さらに前記蒸気発生器の内
周部と前記電磁ポンプの外周部との隙間を上昇して前記
電磁ポンプの上端部から吸込まれて前記炉心に流下する
構成としたことを特徴とする液体金属冷却型原子炉を提
供する。
外周に近接し、1次冷却材の内部に浸漬されている。ま
た、中性子遮蔽体は、原子炉容器の内側、かつ冷却材流
路中に配置されている。また、電磁ポンプは中性子遮蔽
体の上方に配置され、さらに蒸気発生器がその上方外側
部に配置され、炉心で発生する熱が原子炉容器の出口か
ら蒸気の形態で直接的出力として取出される。このこと
により、原子炉の熱効率を高くすることができるととも
に、原子炉容器が唯一の冷却材境界であるため、外周を
取り囲むガードベッセルの機能を合わせ、液体金属の漏
洩や逸散を回避することが容易である。また、液体金属
を収容する原子炉容器とそれに付随する冷却設備を小型
・簡素化することができる。
磁ポンプは原子炉内の上部構造体と一体的に構成され、
内側隔壁の炉心側端部と、前記電磁ポンプの下端部との
間には、前記冷却材流路を画するシール構造が配設され
ていることを特徴とする請求項1記載の液体金属冷却型
原子炉を提供する。
器との間に環状隙間を形成するとともに、前記外側隔壁
の上端を前記原子炉容器の上部空間に開放し、かつ前記
環状隙間は、前記原子炉容器の下部にて炉心を載置する
ベースプレートの支持構造部分に形成したバイパス流路
を介して前記炉心の下部に連通させたことを特徴とする
請求項1記載の液体金属冷却型原子炉を提供する。
炉容器の内側に配置された蒸気発生器内胴と、この蒸気
発生器内胴の外周側に同心的に配置された蒸気発生器外
胴と、これらの胴の間に配置され熱交換部分と伝熱管の
下降部分とを隔する蒸気発生器中間胴とを備え、前記蒸
気発生器中間胴の上端は、通常運転時における前記原子
炉容器の液面より上方に突出し、前記蒸気発生器外胴は
通常運転時における前記原子炉容器の液面より高い位置
に蒸気発生器外胴開口部を有することを特徴とする請求
項3記載の液体金属冷却型原子炉を提供する。
器との間に環状隙間を形成するとともに、前記外側隔壁
の上端を前記原子炉容器の上部空間に開放し、かつ前記
環状隙間は、前記原子炉容器の下部にて炉心を載置する
ベースプレートの支持構造部分によって前記炉心の下方
と遮蔽する一方、前記蒸気発生器の出口底部近傍で前記
外側隔壁に設けた複数の外側隔壁開口部を介して冷却材
流路に連通させたことを特徴とする請求項1記載の液体
金属冷却型原子炉を提供する。
器との間に環状隙間を形成するとともに、前記外側隔壁
の上端を蒸気発生器の出口部近傍において開放したこと
を特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の液
体金属冷却型原子炉を提供する。
は一重または二重管構造をなし、その伝熱管が熱交換部
分においてヘリカル形状を呈することを特徴とする請求
項1から6までのいずれかに記載の液体金属冷却型原子
炉を提供する。
造をなす伝熱管の内外管の空隙にヘリウム等の不活性ガ
スを封入するとともに、前記内外管の漏洩を検出するヘ
リウム圧力計、湿分濃度監視計等の連続的漏洩監視装置
を配設したことを特徴とする請求項7記載の液体金属冷
却型原子炉を提供する。
原子炉容器の液面より高い位置に前記原子炉容器のカバ
ーガス空間への開口部を有することを特徴とする請求項
1記載の液体金属冷却型原子炉を提供する。
冷却材出口部における蒸気発生器内胴の下端は、蒸気発
生器外胴および蒸気発生器中間胴の下端より低い位置に
形成したことを特徴とする請求項3から9までのいずれ
かに記載の液体金属冷却型原子炉を提供する。
の圧力上昇による流量変化を電磁ポンプの電流変化で検
知する手段と、その検知信号により前記電磁ポンプを停
止させる運転制御手段とを備えたことを特徴とする請求
項1記載の液体金属冷却型原子炉を提供する。
は鉛ビスマス等の重金属による液体金属よりなるものと
したことを特徴とする請求項1から11までのいずれか
に記載の液体金属冷却型原子炉を提供する。
までのいずれかに記載の液体金属冷却型原子炉を使用し
た原子力プラントであって、蒸気発生器の伝熱管を複数
の伝熱管群に分離するとともに、その各伝熱管群を給水
分岐管及び蒸気分岐管とそれぞれ対応接続させ、かつ前
記給水分岐管および前記蒸気分岐管は、独立に原子炉格
納施設を貫通してその原子炉格納施設の外で給水配管及
び主蒸気配管と合流接続させ、前記蒸気分岐管を分岐す
る主蒸気バイパス管には気水分離器を配設し、前記気水
分離器には蒸気補助設備配管を介して空冷復水器を配設
し、前記気水分離器の底部は補助給水ポンプを有する補
助給水配管を介して前記給水分岐管に接続してなること
を特徴とする液体金属冷却型原子力プラントを提供す
る。
て、図1〜図17を参照して説明する。
容器の内部に反射体と中性子遮蔽体とを収容し、これら
が発生する熱が原子炉の出力として利用されるように冷
却材流路を構成し、かつ電磁ポンプと蒸気発生器とを環
状に形成するとともに、電磁ポンプを蒸気発生器の下流
に内包して配置できる構成とし、外部に発散される熱量
を小さくして熱効率を改善し、液体金属を収容する原子
炉容器にその冷却設備を収納し、原子炉容器全体を小型
にするとともに漏洩の可能性を極力排除するものであ
る。
示している。この液体金属冷却型原子炉1は核燃料の集
合体からなる炉心2を有し、炉心2は全体としてほぼ円
柱状に形成されている。炉心2はこれを保護する炉心バ
レル3によって外周を取り囲まれている。炉心バレル3
の外側には全体として炉心バレル3を取り囲む円環状の
反射体4が配設されている。反射体4の外側には反射体
4の外周を取り囲み、1次冷却材である液体金属の冷却
材流路5の内壁を構成する内側隔壁6が設けられてい
る。内側隔壁6の外側には間隔をあけて冷却材流路5の
外壁を構成する外側隔壁7が配設されている。冷却材流
路5中には中性子遮蔽体8が炉心2を取り囲むように配
設されている。外側隔壁7を内包してその外側には原子
炉容器9が配され、さらに外側には原子炉容器9を保護
するガードベッセル10が設けられている。
しない複数の駆動軸によって吊り下げられ、図示しない
反射体駆動装置によって上下に移動可能に支持されてい
る。内側隔壁6は炉心2を載置するベースプレート12
から上方に延設され、外側隔壁7との間に円環状の冷却
材流路5を形成し、この冷却材流路5の下方には中性子
遮蔽体8が配置されている。中性子遮蔽体8の上方の冷
却材流路5中には円環状の電磁ポンプ13が配設され、
電磁ポンプ13のさらに上方側部には円環状の蒸気発生
器14が配設されている。
1次冷却材である液体金属と2次冷却材である水が流過
し、伝熱管16の壁を介して熱交換するようになってい
る。蒸気発生器14と電磁ポンプ13とは、蒸気発生器
14の内周部と電磁ポンプ13の外周部との隙間にて冷
却材流路5の一部を形成し、蒸気発生器14の下端部か
ら排出される1次冷却材が当該流路を介して電磁ポンプ
13上端部から吸込まれるようになっている。
ある。この図2に示すように、炉心2は横断面において
全体として円形に形成され、その外側には炉心バレル3
が設けられている。炉心バレル3の外側には複数の割筒
状の要素からなる反射体4がそれらの反射体分割端面2
0を接合した状態で、全体として円環状に配置されてお
り、この反射体4の外側には内側隔壁6が設けられてい
る。なお、反射体分割端面20は反射体4の縦方向全長
に及んでいる。反射体4は例えば6つに分割され、互い
に干渉せずに上下移動可能なように図示しない駆動軸に
よって吊り下げられている。図2においては、多数の円
柱21を互いに隙間をあけ全体として円環状に並べた中
性子遮蔽体8が、内側隔壁6の周囲に配列した構成が示
されている。本実施形態では、図示しない6本の駆動軸
が原子炉容器9の中心から等しい距離に配設されてい
る。
1に示すように、内側隔壁6を介して電磁ポンプ13が
配されている。この電磁ポンプ13のさらに外側には、
電磁ポンプ外胴22および1次冷却材流路5を介して蒸
気発生器14が配設されている。蒸気発生器の内胴23
と蒸気発生器の外胴24との間には、伝熱管16が配設
されている。
明する。この液体金属冷却型原子炉1においては、炉心
2にプルトニウム等を含む核燃料を使用し、炉心2のプ
ルトニウム等を分裂させて熱を出すとともに、余剰の高
速中性子を劣化ウランに吸収させ、燃やす量と相応する
プルトニウムを生成する。反射体4は炉心2から照射さ
れる中性子を反射し、炉心2の核燃料の燃焼・増殖を促
進する。核燃料の燃焼に伴って、反射体4は核燃料の臨
界を維持しながら徐々に移動する。これにより、炉心2
の新しい燃料部分が徐々に燃焼し、長期間の原子炉運転
を持続する。
の液体金属が満たされ、この1次冷却材によって炉心2
を冷却しつつ、核分裂による熱を外部に取り出す。図1
の実線矢印aは1次冷却材の流れ方向を示しており、こ
れら実線の矢印に示すように、1次冷却材は電磁ポンプ
13によって下方に駆動され、中性子遮蔽体8の内部を
流下して原子炉容器9の底部に至る。これにより、1次
冷却材は中性子遮蔽体8の内部を流過し、中性子遮蔽体
8を効率よく冷却することができる。次に1次冷却材は
炉心2内を流過しながら上昇し、炉心2で加熱された
後、原子炉容器9上部で蒸気発生器14の胴側に流入す
る。
次冷却材である水と熱交換を行った後に蒸気発生器14
の下端部から排出される。この1次冷却材は、蒸気発生
器14下部の冷却材流路5を経た後、蒸気発生器14の
内周部と電磁ポンプ13の外周部との隙間として形成さ
れる冷却材流路5の延長上を上昇し、電磁ポンプ13の
上部に形成される1次冷却材の流路を介して電磁ポンプ
13の上端部から吸込まれ、再び電磁ポンプ13によっ
て下方に駆動される。
ル18を経て蒸気発生器14のチューブ側に流入し、蒸
気発生器14で1次冷却材によって加熱された後に、出
口ノズル19から外部に蒸気として流出してその熱動力
を電力等に変換する。
は蒸気発生器を介してタービンバイパス系経由で復水
器、並びに原子炉の自然放熱等により除熱される。
属冷却型原子炉によれば、原子炉容器9の内部に全ての
液体金属による冷却機器を内包する構成であることか
ら、外部に発散される熱量を小さくして、熱効率を改善
することができるとともに、原子炉容器9全体を小型に
することが可能となり、これにより液体金属漏洩の可能
性を極力排除することができる。
原子炉の詳細について説明する。図1に示すように、蒸
気発生器14と電磁ポンプ13とは、原子炉の上部構造
体15と一体連続的に構成されている。原子炉の上部構
造体15は、蒸気発生器14と電磁ポンプ13とを一体
に吊り下げるものであり、蒸気発生器14の外胴24は
その外側シュラウドを形成している。内側隔壁6の炉心
上端部と電磁ポンプ13下端部との間には、熱による液
体金属冷却型原子炉1の伸縮を吸収し、冷却材流路5を
画するピストンリング等からなるシール構造17が設け
られている。
生器14と電磁ポンプ13とを一体に吊り下げる構造に
なっている。運転に伴う原子炉の上部構造体15の熱膨
張による伸縮は、電磁ポンプ13下端に配設されたピス
トンリング等からなるシール構造17で吸収され、冷却
材流路5を画することができる。原子炉容器9の底部に
は、ベースプレート12を介して炉心2を支持する構造
部分が設けられ、熱による原子炉容器9おおよび炉心2
の伸縮もピストンリング等からなるシール構造17によ
って吸収される。この結果、原子炉容器9に戴荷される
荷重が分散される。また、炉心2の上方部分は空洞の空
間であり、このことにより、電磁ポンプ13と蒸気発生
器14とを取り外すことなく炉心2の交換作業ができ
る。
炉容器9全体を小型化できるうえ、電磁ポンプ13と蒸
気発生器14とを取り外す必要なく、燃料交換作業を行
うことができる。また原子炉の上部構造体が蒸気発生器
14および電磁ポンプ13と一体で取り外し可能であ
り、原子炉容器9の輸送性や据付性が優れたものとする
ことができる。
に説明する。図3、図4および図5は、それぞれ図1に
おけるB、CおよびD部分の拡大図であり、本実施形態
における1次冷却材の運転に際しての液面の様子を示し
ている。なお、図3、図4および図5における実線矢印
aは本実施形態における1次冷却材の運転に際しての流
れ方向を示している。
下部にあって炉心2を載置するベースプレート12を支
持する構造部分に、複数のバイパス流路26が設けられ
ている。これらのバイパス流路26は、外側隔壁7と原
子炉容器9との環状の隙間に通じ、外側隔壁7の上端は
原子炉容器9の上部空間に開放されている。
に、電磁ポンプ13によって下方に駆動され、中性子遮
蔽体8の内部を流過して原子炉容器9の底部に至る。次
に大半の1次冷却材は炉心2内を流過しながら上昇し、
炉心2で加熱された後、原子炉容器9の上部で蒸気発生
器14のシェル側に流入する。
うに、炉心2載置用ベースプレート12を支持する構造
部分に設けられた複数のバイパス流路26を介し、原子
炉容器9と外側隔壁7との間に設けられた円環状の隙間
に流入する。円環状の隙間を上昇した1次冷却材は、図
3に示す外側隔壁7の上端部で溢流および反転し、外側
隔壁7と蒸気発生器外胴24との間に設けられた円環状
の隙間に流入する。この1次冷却材は炉心2に流入する
前の低温状態にあり、原子炉容器9全体を冷却しながら
上昇するため、その流量を確保することにより、壁面温
度を低く維持することができる。
際して原子炉容器9の全体を低温に維持することができ
るため、原子炉容器9の構造健全性を確保することがで
き、長期間の運転を可能にするとともに、液体金属漏洩
の可能性を極力排除することができる。
時の作用を説明する。図6、図7および図8は、それぞ
れ図3、図4および図5に対応している。なお、図3、
図4および図5における実線矢印aは本実施形態におけ
る崩壊熱除去時の1次冷却材の流れ方向を示し、また破
線矢印bは空気の流れ方向を示している。
蒸気発生器外胴24との間に、熱交換部分と伝熱管の下
降部分とを仕切る蒸気発生器中間胴25が配置されてい
る。蒸気発生器中間胴25の上端は、通常運転時におけ
る原子炉容器9の液面より高い位置に突出し、蒸気発生
器外胴24は通常運転時における原子炉容器9の液面よ
り高い位置に開口部(蒸気発生器外胴開口部)27を有
している。また、ガードベッセル10の外周を囲んで、
空気ダクト28が配設されている。
心2で加熱された1次冷却材は原子炉容器9の上部を介
して蒸気発生器14のシェル側に流入する。この場合、
蒸気発生器14のシェル側における液面は、蒸気発生器
内胴23における開口窓23a部分の圧力損失が無視で
きるとすると、原子炉容器9内の液面と同じである。蒸
気発生器中間胴25の上端は通常運転時における原子炉
容器9の液面より高い位置に突出しており、蒸気発生器
中間胴25と蒸気発生器外胴24との間に形成される伝
熱管16の下降部分への1次冷却材の流入を避け、熱効
率の低下を回避する。
崩壊熱除去運転時には、1次冷却材である液体金属の温
度上昇による体積膨張により、1次冷却材は蒸気発生器
中間胴25の上端を溢流し、蒸気発生器外胴24に配さ
れている開口部27を介して原子炉容器9と外側隔壁7
との間に設けられた円環状の隙間に流入する。この1次
冷却材は、原子炉容器9と外側隔壁7との間に設けられ
た円環状の隙間を流下しながら、ガードベッセル10と
その外周の空気ダクト28との円環状の隙間を上昇する
空気との間で、原子炉容器9の壁面及びガードベッセル
10の壁面を介して熱交換された後、図8に示すよう
に、炉心載置用ベースプレート12を支持する構造部分
に設けられた複数のバイパス流路26を介して原子炉容
器9の底部に流入する。原子炉容器9の底部に流入した
低温の1次冷却材は、炉心2部分での発熱に基づく自然
循環力によって吸引されて炉心2に流入する。
の運転に際して熱効率を高く維持するだけでなく、原子
炉停止後にも炉心の発熱や原子炉容器9の壁面からの放
熱による自然循環力を効率よく利用して崩壊熱除去運転
を実施することができる。よって、原子炉自体において
崩壊熱除去作用が確実に行われるので、原子炉容器9の
構造健全性を確保することができ、長期間の運転を可能
にするとともに、液体金属漏洩の可能性を排除すること
ができる。
図9、図10および図11は、前述した図3、図4およ
び図5に対応するもので、原子炉運転時における液面の
様子および1次冷却材の流れを示している。図12、図
13および図14も同様の対応図であり、崩壊熱除去時
の作用を示している。なお、図9〜図14における実線
矢印aは本1次冷却材の流れ方向を示し、また破線矢印
bは空気の流れ方向を示している。
本的構成において第1実施形態と同様であるから、図1
および図2を参照し、重複する説明を省略する。
4に示すように、原子炉容器9下部の炉心載置用ベース
プレート12を支持する構造部分に、第1実施形態にお
けるバイパス流路が設けられていない。一方、図10お
よび図13に示すように、蒸気発生器14の出口底部近
傍の外側隔壁7に、複数の外側隔壁開口部29が設けら
れている。
おいては図9〜図11に矢印aで示すように、1次冷却
材は電磁ポンプ13によって下方に駆動され、中性子遮
蔽体8の内部を流過して原子炉容器9の底部に至る。次
に1次冷却材は炉心2内を流過しながら上昇し、炉心2
で加熱された後、原子炉容器9上部で蒸気発生器14の
シェル側に流入する。蒸気発生器内胴23における開口
窓23a部分の圧力損失が無視できるとすると、蒸気発
生器9内の液面は原子炉容器9内の液面と同じである。
一方、蒸気発生器中間胴25と蒸気発生器外胴24との
隙間、および蒸気発生器外胴24と外側隔壁7との隙
間、並びに外側隔壁7と原子炉容器9の隙間における各
液面は、通常運転時における蒸気発生器14のシェル側
圧力損失分だけ原子炉容器9内の液面から低下し、それ
ぞれ同じ液位となっている。
4との隙間、及び蒸気発生器外胴24と外側隔壁7との
隙間、並びに外側隔壁7と原子炉容器9の隙間の1次冷
却材は、通常運転状態において内部からの入熱と原子炉
容器9、ガードベッセル10を介しての空気側への放熱
との熱収支により平衡温度状態になっている。この結
果、原子炉容器9の壁面を運転状態の変更に伴う急峻な
熱過渡から保護することができる。
12〜図14に矢印aで示すように、液体金属の温度上
昇による体積膨張により1次冷却材は、蒸気発生器中間
胴25の上端を溢流し、蒸気発生器外胴24に配されて
いる開口部27を介して原子炉容器9と外側隔壁7との
間に設けられた円環状の隙間に流入する。炉心2の崩壊
熱で高温になった1次冷却材は、原子炉容器9と外側隔
壁7との間に設けられた円環状の隙間を流下しながら、
矢印bで示すように、ガードベッセル10とその外周を
囲む空気ダクト28との円環状の隙間を上昇する空気と
の間で、原子炉容器9の壁面及びガードベッセル10の
壁面を介して熱交換した後、蒸気発生器14の出口底部
近傍の外側隔壁7に設けられた複数の外側隔壁開口部2
9を介して蒸気発生器14の底部の冷却材流路5に流入
する。即ち、蒸気発生器14の外周部に位置する原子炉
容器9の壁面において主に崩壊熱の除去に寄与する。
後、蒸気発生器14の内周部と電磁ポンプ13の外周部
との隙間として形成される冷却材流路5の延長上を上昇
した1次冷却材は、電磁ポンプ13の上部に形成される
1次冷却材の流路を介して電磁ポンプ13上端部から吸
込まれ、電磁ポンプ13を流過して下方に導かれる。中
性子遮蔽体8の内部を流過して原子炉容器9の底部に流
入した低温の1次冷却材は、炉心2部分での発熱に基づ
く自然循環力によって吸引され炉心2に流入する。
炉容器9の壁面を運転状態の変更に伴う急峻な熱過渡か
ら保護することができ、構造健全性を確保し、長期間の
運転を可能にするとともに、液体金属漏洩の可能性を極
力排除することができる。
の変更が可能である。例えば図9〜図11に示す外側隔
壁7について、蒸気発生器14の出口底部近傍より上部
の外側隔壁7を削除した構成としてもよく、また外側隔
壁の開口部29もない構成とすることが可能である。
電磁ポンプ13によって下方に駆動され、中性子遮蔽体
8の内部を流過して原子炉容器9の底部に至る。次に1
次冷却材は炉心2内を流過しながら上昇し、炉心2で加
熱された後、原子炉容器9上部で蒸気発生器14のシェ
ル側に流入する。蒸気発生器中間胴25と蒸気発生器外
胴24との隙間、及び蒸気発生器外胴24と原子炉容器
9の隙間の1次冷却材は、通常運転状態において内部か
らの入熱と原子炉容器9、ガードベッセル10を介して
の空気側への放熱との熱収支により平衡温度状態になっ
ている。蒸気発生器中間胴25と蒸気発生器外胴24と
の隙間に存在する1次冷却材の温度は、伝熱管16の下
降管部分の温度、即ち給水温度の影響を受ける程度であ
る。このため、原子炉容器9の壁面の温度は比較的低温
に維持することができ、運転状態の変更に伴う急峻な熱
過渡からも保護することができる。
体金属の温度上昇による体積膨張により1次冷却材は、
上記蒸気発生器中間胴25の上端を溢流し、蒸気発生器
外胴24に配されている開口部27を介して原子炉容器
9と蒸気発生器外胴24との間に設けられた円環状の隙
間に流入する。炉心2の崩壊熱で高温になった1次冷却
材は原子炉容器9と蒸気発生器外胴24との間に設けら
れた円環状の隙間を流下しながら、ガードベッセル10
と外周を囲んでなる空気ダクト28との円環状の隙間を
上昇する空気との間で原子炉容器9の壁面及びガードベ
ッセル10の壁面を介して熱交換した後、蒸気発生器1
4の底部の冷却材流路5に流入する。即ち、蒸気発生器
14の外周部に位置する原子炉容器9の壁面において主
に崩壊熱の除去に寄与する。
後、蒸気発生器14の内周部と電磁ポンプ13の外周部
との隙間として形成される冷却材流路5の延長上を上昇
した1次冷却材は、電磁ポンプ13の上部に形成される
1次冷却材の流路を介して電磁ポンプ13上端部から吸
込まれ、電磁ポンプ13を流過して下方に導かれる。中
性子遮蔽体8の内部を流過して原子炉容器9の底部に流
入した低温の1次冷却材は、炉心2部分での発熱に基づ
く自然循環力によって吸引され炉心2に流入する。この
ように、本実施形態の変形例においても、原子炉容器9
の壁面を運転状態の変更に伴う急峻な熱過渡から合理的
に保護することができ、構造健全性を確保し、長期間の
運転を可能にするとともに、液体金属漏洩の可能性を極
力排除することができる。
いる。これらの図15および図16は、前述した図3お
よび図4に対応するもので、原子炉運転時における液面
の様子および1次冷却材の流れを示している。図中、矢
印aは1次冷却材の流れ方向を示している。本実施形態
の液体金属冷却型原子炉も、基本的構成において第1実
施形態と同様であるから、図1および図2を参照し、重
複する説明を省略する。
では、第1の実施形態のものに対し、蒸気発生器14が
原子炉容器9の液面より上部において、原子炉容器9の
カバーガス空間に通じる蒸気発生器内胴のカバーガス空
間開口部44を設けた点が異なる。また、本実施形態で
は、蒸気発生器14の伝熱管16が二重管構造をなして
いる。そして、図示しない連続的漏洩監視装置によっ
て、内外いずれの管における漏洩をも検出されるように
なっている。万一、二重管の同時破損による大規模な水
漏洩が液体金属中で発生することを想定した場合、水蒸
気または液体金属と水の接触による反応生成物の気泡等
が発生個所から周辺へと移行する。この場合、熱交換部
分では発生個所から上方へ移行した気体は、蒸気発生器
14のカバーガス空間へ、また下方へ移行した気体は蒸
気発生器中間胴25と蒸気発生器外胴24との隙間、及
び蒸気発生器外胴24と原子炉容器9の隙間の液面を介
して上方のカバーガス空間へ移行する。
間開口部44の働きにより、原子炉容器9内と蒸気発生
器14のカバーガス空間とが連通するため、液体金属中
で発生した大規模な水漏洩による水蒸気または反応生成
物の気泡は、全て原子炉容器9のカバーガス空間に導か
れることになる。
蒸気発生器14の伝熱管16で大規模な水漏洩が発生し
たとしても、炉心部に気泡が混入することなく、原子炉
の健全性が維持される。
が可能である。例えば図16に示すように、蒸気発生器
14の、1次冷却材出口部において、蒸気発生器内胴2
3の下端が蒸気発生器外胴24及び蒸気発生器中間胴2
5の下端より低い位置に形成してもよい。
水漏洩を想定した場合、それにより発生する水蒸気また
は反応生成物のうち、下方へ移行した気体は、蒸気発生
器14の1次冷却材出口部における蒸気発生器内胴23
の下端が蒸気発生器外胴24及び蒸気発生器中間胴25
の下端より低い位置に形成されていることから、蒸気発
生器中間胴25と蒸気発生器外胴24との隙間、および
蒸気発生器外胴24と原子炉容器9との隙間の液面を介
して、上方のカバーガス空間へ選択的に移行することに
なる。
間開口部44の働きにより、原子炉容器9と蒸気発生器
14のカバーガス空間が連通するため、液体金属中で発
生した大規模な水漏洩による水蒸気または反応生成物の
気泡は全て原子炉容器9のカバーガス空間に導かれる。
万一蒸気発生器14の伝熱管16で大規模な水漏洩が発
生したとしても、炉心部に気泡が混入することはなく、
原子炉の健全性が維持される。
することも可能である。即ち、電磁ポンプ13にあって
蒸気発生器14のシェル側の圧力上昇によって発生する
特異な流量変化を、電磁ポンプ13の電流変化で検知す
る図示しない検知手段と、この検知手段によって検知さ
れた信号により電磁ポンプ13を停止させる運転制御手
段とを備えた構成とする。また、蒸気発生器内胴23の
下端が蒸気発生器外胴24および蒸気発生器中間胴25
の下端よりも低い位置に形成されたものとする。
われる。つまり、仮に大規模な水漏洩によって水蒸気ま
たは反応生成物の気体が蒸気発生器14の中に発生した
場合、圧力上昇が蒸気発生器14内部では1次冷却材の
流量変化がもたらされる。これにより蒸気発生器14の
出口部、冷却材流路5を介して電磁ポンプ13での1次
冷却材流量変化が検知され、電磁ポンプ13は停止後運
転に移行する。ここに蒸気発生器14の下方へ移行した
気体は、蒸気発生器内胴23の下端が蒸気発生器外胴2
4および蒸気発生器中間胴25の下端よりも低い位置に
形成されていることにより、蒸気発生器中間胴25と蒸
気発生器外胴24との隙間、および蒸気発生器外胴24
と原子炉容器9との隙間の液面を介して上方のカバーガ
ス空間へ選択的に移行することになる。
間開口部44の働きにより、原子炉容器9内と蒸気発生
器14のカバーガス空間とが連通するため、液体金属中
で発生した大規模な水漏洩による水蒸気または反応生成
物の気泡は、全て原子炉容器9のカバーガス空間に導か
れる。これにより、万一蒸気発生器14の伝熱管16で
大規模な水漏洩が発生しても、炉心部に気泡が混入する
ことはなく、原子炉の健全性が維持される。
ことが可能である。例えば蒸気発生器14の伝熱管16
が二重管構造をなし、内外管の空隙部分にはヘリウム等
の不活性ガスが封入されており、内外いずれの管におけ
る漏洩をも検出するヘリウム圧力計、湿分濃度監視計等
の連続的漏洩監視装置が設置されたものとする。
々が二重管構造をなし、ヘリウム等の不活性ガスによ
り、内外いずれの管における漏洩をも検出する連続的漏
洩監視装置が機能し、管内の水とシェル側の液体金属と
の接触の機会をほとんど皆無にすることができる。した
がって、このような構成によると、液体金属と水との接
触をほとんど回避することができ、長期間の安定運転が
可能となる。
の実施形態を示している。なお、液体金属冷却型原子炉
1の構成については、基本的に前記実施形態と同様であ
るから、異なる点についてのみ説明する。
例えば第1実施形態に対し、図3に示した蒸気発生器1
4の伝熱管16が二重管構造をなし、各々の伝熱管16
が熱交換部分においてヘリカル形状を呈している。ま
た、内外管の空隙部分にはヘリウム等の不活性ガスが封
入されており、内外いずれの管における漏洩をも検出す
るヘリウム圧力計、湿分濃度監視計等の連続的漏洩監視
装置が設置されている。さらに、図17に示すように、
蒸気発生器14の伝熱管16が複数の伝熱管群に分離さ
れ、各伝熱管群は給水及び蒸気の分岐管とそれぞれ対応
接続されている。給水分岐管30および蒸気分岐管31
は、それぞれ独立に原子炉格納施設32を貫通し、原子
炉格納施設32の外で給水配管33および主蒸気配管3
4と接続されている。
においては、蒸気分岐管31を分岐する主蒸気バイパス
管37を経由して、気水分離器35が配設されており、
気水分離器35には蒸気補助設備配管38を介して空冷
復水器36が配設されている。さらに、気水分離器35
の給水側への戻りには、補助給水配管39と補助給水ポ
ンプ40が配設されている。
通常運転状態に際し、給水配管33から分岐し、分離さ
れた給水分岐管30に流入した水は、原子炉格納施設3
2内で蒸気発生器14の伝熱管16内部に流入し、熱交
換部で加熱され蒸気を生成する。伝熱管内の蒸気は、同
一の伝熱管群の蒸気とともに蒸気分岐管31に流入し、
原子炉格納施設32を貫通した後、他群の蒸気分岐管3
1からの蒸気とともに主蒸気配管34に合流し、タービ
ン41に至る。
転状態に際しては、原子炉の崩壊熱によって加熱された
蒸気は蒸気分岐管31に流入し、原子炉格納施設32を
貫通した後、他群の蒸気分岐管31からの蒸気とともに
主蒸気配管34に合流し、その後、弁操作によってター
ビンバイパス配管43を介して復水器42に至る。さら
に、蒸気量が減少するに及んで主蒸気配管34、タービ
ンバイパス配管43ともに隔離され、気水分離器35と
蒸気補助設備配管38を介して空冷復水器36による除
熱が行なわれる。この場合、空冷復水器36によって復
帰した水は、気水分離器35を流過し、補助給水ポンプ
40によって駆動され、補助給水配管39を介して給水
分岐管30に流入し、蒸気発生器14の給水側戻る。こ
のように本実施形態における原子炉停止後の崩壊熱除去
運転は極めて信頼性の高いものになっている。
ラントでは、蒸気発生器14の伝熱管16は二重管構造
をなし、連続的漏洩監視装置によって内外いずれの管に
おける漏洩をも検出するうえ、蒸気発生器14の伝熱管
16を複数の伝熱管群に分離し、それぞれ独立に対応接
続してなる補助冷却用の空冷復水器を配されているた
め、液体金属と水との接触をほとんど回避することがで
き、長期間の安定運転を可能である。しかも、仮に1つ
の伝熱管群等に異常があっても、他の健全な伝熱管群と
補助冷却用の空冷復水器によって原子炉停止後の崩壊熱
除去運転が可能である。
冷復水器によって原子炉停止後の崩壊熱除去運転が不可
能に陥っても、前述の原子炉容器の壁面を介しての放散
熱と1次冷却材の自然循環力を使用する運転によっても
崩壊熱を除去することができるので、構造健全性を確保
し、長期間の運転を可能にするとともに、液体金属漏洩
の可能性を極力排除することができる。
14の伝熱管16が二重管構造をなし、各々の伝熱管1
6が熱交換部分においてヘリカル形状を呈しているの
で、最内層の伝熱管列の寸法が任意に設定でき、蒸気発
生器14の内側に電磁ポンプ13を収容する構造が容易
になる。また、各伝熱管16が二重管構造をなし、管内
の水とシェル側の液体金属との接触の機会を削減するこ
とができる。
冷却型原子炉および同原子炉を用いた原子力プラントに
よれば、原子炉形状を、特に縦方向に小型化し、かつ液
体金属と水との接触を防護することが可能となり、長期
間の安定運転が可能となる。
導入することもできる。即ち、蒸気発生器14の伝熱管
16は一重管構造をなすものとし、各伝熱管16が熱交
換部分においてヘリカル形状を呈するものとする。ま
た、1次冷却材は鉛または鉛ビスマス等の重金属による
液体金属よりなるものとする。さらに、蒸気発生器14
の伝熱管16を複数の伝熱管群に分離し、各伝熱管群は
給水及び蒸気の分岐管とそれぞれ対応接続する。そし
て、給水分岐管30および蒸気分岐管31は、それぞれ
独立に原子炉格納施設32を貫通し、原子炉格納施設3
2の外で給水配管33及び主蒸気配管34と接続する。
の伝熱管16は一重管構造をなすが、伝熱管破損による
大規模な水漏洩が液体金属中で発生し、鉛又は鉛ビスマ
ス等の重金属と水の接触しても、反応生成物の生成はな
く、水蒸気の気泡が発生個所から周辺へと移行する。こ
の場合、重金属の比重が水に比べて10倍程度あること
から、ほとんどの気体が発生個所から上方へ移行し、蒸
気発生器14のカバーガス空間へ移行する。仮に、下方
へ移行したとしても、気体は蒸気発生器中間胴25と蒸
気発生器外胴24との隙間、及び蒸気発生器外胴24と
原子炉容器9の隙間の液面を介して上方のカバーガス空
間へ移行する。ここに、蒸気発生器内胴のカバーガス空
間開口部44の働きにより、原子炉容器9と蒸気発生器
14のカバーガス空間が連通するため、液体金属中で発
生した大規模な水漏洩による水蒸気または反応生成物の
気泡は全て原子炉容器9のカバーガス空間に導かれる。
したがって、万一蒸気発生器の伝熱管で大規模な水漏洩
が発生しても炉心部に気泡が混入することなく、原子炉
の健全性が維持される。
体金属冷却型原子炉および液体金属冷却型原子力プラン
トによれば、原子炉容器の内部に全ての液体金属による
冷却機器を内包する構成とし、外部に発散される熱量を
小さくして、熱効率を高くするとともに、原子炉容器全
体を小型にすることにより、液体金属漏洩の可能性をほ
ぼ回避することができる。
し、かつ急峻な熱過渡から保護することができるため、
構造健全性を確保して長期間の運転を可能にすることが
できる。さらに、原子炉停止後においても、炉心の発熱
や原子炉容器からの放熱による自然循環力を効率よく利
用して、崩壊熱除去運転を実施することができる。
小型化し、かつ液体金属と水との接触を液体金属と水と
の接触をほとんど回避することができ、長期間の安定運
転を可能とすることができる。そして万一、蒸気発生器
の伝熱管で大規模な水漏洩が発生することを想定して
も、炉心部に気泡が混入することなく、原子炉の健全性
が維持できる等、優れた効果が奏される。
子炉を示す縦断面図。
図。
図。
図。
応する図。
対応する図。
対応する図。
対応する図。
対応する図。
対応する図。
対応する図。
対応する図。
図。
Claims (13)
- 【請求項1】 核燃料からなる炉心と、この炉心の外周
を取り囲む炉心バレルと、この炉心バレルの外周を取り
囲む全体として環状をなす反射体と、この反射体の外周
を取り囲み、その内側に1次冷却材の冷却材流路を形成
する内側隔壁と、前記冷却材流炉の外周を取り囲む外側
隔壁と、前記冷却材流路中に配設され、前記炉心の外周
を取り囲む中性子遮蔽体と、この中性子遮蔽体の上方の
前記冷却材流路中に配設された環状の電磁ポンプと、こ
の電磁ポンプの外周を取り囲んで大径に形成されるとと
もに前記電磁ポンプの上方側に配設され、前記1次冷却
材との熱交換により前記原子炉容器内で蒸気を発生させ
る環状の蒸気発生器と、前記外側隔壁の外周を取り囲み
前記全ての構造物を内包する原子炉容器と、この原子炉
容器の外周を取り囲むガードベッセルとを備え、前記炉
心から上昇した1次冷却材は前記蒸気発生器にその上部
から導入されて内部を流下し、熱交換後にその下端部か
ら排出された後、さらに前記蒸気発生器の内周部と前記
電磁ポンプの外周部との隙間を上昇して前記電磁ポンプ
の上端部から吸込まれて前記炉心に流下する構成とした
ことを特徴とする液体金属冷却型原子炉。 - 【請求項2】 蒸気発生器および電磁ポンプは原子炉内
の上部構造体と一体的に構成され、内側隔壁の炉心側端
部と、前記電磁ポンプの下端部との間には、前記冷却材
流路を画するシール構造が配設されていることを特徴と
する請求項1記載の液体金属冷却型原子炉。 - 【請求項3】 外側隔壁と原子炉容器との間に環状隙間
を形成するとともに、前記外側隔壁の上端を前記原子炉
容器の上部空間に開放し、かつ前記環状隙間は、前記原
子炉容器の下部にて炉心を載置するベースプレートの支
持構造部分に形成したバイパス流路を介して前記炉心の
下部に連通させたことを特徴とする請求項1記載の液体
金属冷却型原子炉。 - 【請求項4】 蒸気発生器は、原子炉容器の内側に配置
された蒸気発生器内胴と、この蒸気発生器内胴の外周側
に同心的に配置された蒸気発生器外胴と、これらの胴の
間に配置され熱交換部分と伝熱管の下降部分とを隔する
蒸気発生器中間胴とを備え、前記蒸気発生器中間胴の上
端は、通常運転時における前記原子炉容器の液面より上
方に突出し、前記蒸気発生器外胴は通常運転時における
前記原子炉容器の液面より高い位置に蒸気発生器外胴開
口部を有することを特徴とする請求項3記載の液体金属
冷却型原子炉。 - 【請求項5】 外側隔壁と原子炉容器との間に環状隙間
を形成するとともに、前記外側隔壁の上端を前記原子炉
容器の上部空間に開放し、かつ前記環状隙間は、前記原
子炉容器の下部にて炉心を載置するベースプレートの支
持構造部分によって前記炉心の下方と遮蔽する一方、前
記蒸気発生器の出口底部近傍で前記外側隔壁に設けた複
数の外側隔壁開口部を介して冷却材流路に連通させたこ
とを特徴とする請求項1記載の液体金属冷却型原子炉。 - 【請求項6】 外側隔壁と原子炉容器との間に環状隙間
を形成するとともに、前記外側隔壁の上端を蒸気発生器
の出口部近傍において開放したことを特徴とする請求項
1から5までのいずれかに記載の液体金属冷却型原子
炉。 - 【請求項7】 蒸気発生器の伝熱管は一重または二重管
構造をなし、その伝熱管が熱交換部分においてヘリカル
形状を呈することを特徴とする請求項1から6までのい
ずれかに記載の液体金属冷却型原子炉。 - 【請求項8】 蒸気発生器の二重構造をなす伝熱管の内
外管の空隙にヘリウム等の不活性ガスを封入するととも
に、前記内外管の漏洩を検出するヘリウム圧力計、湿分
濃度監視計等の連続的漏洩監視装置を配設したことを特
徴とする請求項7記載の液体金属冷却型原子炉。 - 【請求項9】 蒸気発生器内胴は、原子炉容器の液面よ
り高い位置に前記原子炉容器のカバーガス空間への開口
部を有することを特徴とする請求項1記載の液体金属冷
却型原子炉。 - 【請求項10】 蒸気発生器の1次冷却材出口部におけ
る蒸気発生器内胴の下端は、蒸気発生器外胴および蒸気
発生器中間胴の下端より低い位置に形成したことを特徴
とする請求項3から9までのいずれかに記載の液体金属
冷却型原子炉。 - 【請求項11】 蒸気発生器の胴側の圧力上昇による流
量変化を電磁ポンプの電流変化で検知する手段と、その
検知信号により前記電磁ポンプを停止させる運転制御手
段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の液体金属
冷却型原子炉。 - 【請求項12】 1次冷却材は鉛又は鉛ビスマス等の重
金属による液体金属よりなるものとしたことを特徴とす
る請求項1から11までのいずれかに記載の液体金属冷
却型原子炉。 - 【請求項13】 請求項1から12までのいずれかに記
載の液体金属冷却型原子炉を使用した原子力プラントで
あって、蒸気発生器の伝熱管を複数の伝熱管群に分離す
るとともに、その各伝熱管群を給水分岐管及び蒸気分岐
管とそれぞれ対応接続させ、かつ前記給水分岐管および
前記蒸気分岐管は、独立に原子炉格納施設を貫通してそ
の原子炉格納施設の外で給水配管及び主蒸気配管と合流
接続させ、前記蒸気分岐管を分岐する主蒸気バイパス管
には気水分離器を配設し、前記気水分離器には蒸気補助
設備配管を介して空冷復水器を配設し、前記気水分離器
の底部は補助給水ポンプを有する補助給水配管を介して
前記給水分岐管に接続してなることを特徴とする液体金
属冷却型原子力プラント。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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