JP2001183471A - 地下水流動測定方法とその装置 - Google Patents
地下水流動測定方法とその装置Info
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Abstract
かも短時間に行え、また、必要に応じて繰り返し測定を
行える地下水流測定方法とその装置の提供。 【解決手段】 本発明地下水流測定方法は、地下水W中
のトレーサーTを、複数の撮影手段5,6により同時に
かつ所要の時間間隔で複数回撮影し、それら各回毎の撮
影画像に基づいて、トレーサーTの各回毎の3次元座標
を算出し、それら各3次元座標から地下水Wの流速と流
向を求めることを内容としている。また、本発明地下水
流測定装置は、地下水W中のトレーサーTを同時に撮影
する複数の撮影手段5,6と、それらの撮影手段5,6
により所要の時間間隔で複数回の撮影を行う撮影制御手
段29と、それら各回毎の撮影画像に基づいて、上記ト
レーサーTの3次元座標を求める座標算出手段29と、
それら算出した3次元座標から地下水Wの流速と流向を
算出する流速流向算出手段29とを有している。
Description
孔内における複雑な地下水の流速と流向を測定する地下
水流動測定装置に関する。
般的な方法として、中性子検出法と電位差法がある。中
性子検出法は、地下水の流れに伴って希釈されるホウ素
を、指向性中性子水分計で測定することにより、その地
下水の流速,流向を求めるものである。
に蒸留水を飽和させた密閉容器を地盤中で解放して蒸留
水を放出させ、その蒸留水の希釈状態を密閉容器の周辺
に配置した複数の電極で計測し、この計測で得られた出
力曲線から地下水の流速,流向を求めるものである。
流動の深さ方向での移動距離を測定することが困難であ
ることから、実際には3次元的な地下水流動の流れを単
純化して水平流として仮定し、その流速,流向を算出し
ている。
出法や電位差法は、測定のための機材が比較的多く、し
かも測定までの準備が複雑で時間を要するとともに、実
際には3次元的な地下水流動の流れを単純化して水平流
として仮定していたので、正確な地下水の流速,流向を
算出することができない。
速,流向を3次元的に正確に測定できるとともに、その
測定を必要に応じて繰り返し行える地下水流動測定方法
とその装置を提供しようとするものである。
法は、地下水W中のトレーサーTを、複数の撮影手段
5,6により同時にかつ所要の時間間隔で複数回撮影
し、それら各回毎の撮影画像に基づいて、そのトレーサ
ーTの各回毎の3次元座標を算出し、それら算出した各
3次元座標から地下水Wの流速と流向を求めることを内
容としている。
のトレーサーTを同時に撮影する複数の撮影手段5,6
と、それらの撮影手段5,6により所要の時間間隔で複
数回の撮影を行う撮影制御手段29と、それら各回毎の
撮影画像に基づいて、上記トレーサーTの3次元座標を
求める座標算出手段29と、それら算出した3次元座標
から地下水Wの流速と流向を算出する流速流向算出手段
29とを有している。
を参照して説明する。図1は地下水流動測定装置を示し
ており、これは、岩盤等の地盤Gに掘削したボーリング
孔G1に挿入する測定部体Aに、地上に配設した昇降駆
動部B、制御部C、コンピュータ1及びエアーコンプレ
ッサー2を加えてなるものである。
は、図1,2に示すように、上下端面を閉じた円筒形の
密閉した完全防水で高耐圧型のケース体であり、これの
全体を例えば透明なアクリル樹脂等で形成している。ケ
ース体3の下端壁3a上面には、図2,3に示すよう
に、地下水W中の後述するトレーサーTの移動を定量的
に算出できる間隔の目盛り4aを刻設した光透過性のス
ケール4が、撮影手段である後述する2台のCCDカメ
ラ5,6の撮影野内に固着されている。
5,6と、図5に示すように、それらのCCDカメラ
5,6を制御するビデオシグナル変調回路7、電源ユニ
ット8及び測定部体Aの向きを検出する方位計9を内蔵
した内蔵ボックス10、上記撮影野を照明するための光
源11及びトレーサー放出装置12が収納されている。
と、これの下端部に配設したレンズ部14とからなり、
地下水W中のトレーサーTを同時に撮影できるようにし
て、具体的には、ケース体3の中心軸Oを挟む両側に互
いに所要の間隔にしてケース体3内に固定されている。
すように、ケース体3の下端壁3a上面に固定されてお
り、それは、その下端壁3aを貫通して一端を開口した
中空針15の他端を先端壁16aに連設し、かつ、比重
が1.0に近い牛乳の凝集タンパク質等からなるトレー
サーTを収納したシリンダ本体16と、このシリンダ本
体16に入出自在に嵌挿されて、その内部のトレーサー
Tを押し出すためのピストン17と、このピストン17
をシリンダ本体16に対して入出させる、モーター等を
組み込んだピストン駆動部18とからなる。
ンパク質の他、蛍光塗料を混入したエスレン粒子、トイ
レットペーパー等の粉砕紙,インク等を使用することが
できる。また、トレーサーとして地下水中の浮遊物等を
使用することができる。なお、ピストン駆動部18は、
後述するトレーサー投入スイッチ28の操作により駆動
制御され、任意のタイミングでトレーサーTを地下水W
中に放出できるようになっている。
径にし、かつ、その下面をケース体3の下端壁3a下面
と面一にした円板状のゴム等の弾性材からなる整流板で
あり、地下水の流動を乱すことがないようにしている。
に嵌装配設した、空気等の流体の入出により膨縮するゴ
ム等の弾性材からなる中空円環状のケース固定用パッカ
ーであり、これには圧送ホース20,20を通じて前記
エアーコンプレッサー2が連結されている。エアーコン
プレッサー2は、ケース固定用パッカー19の圧力低下
の検知により、その圧力を一定に保持するように空気を
圧送する機能を有しているものである。
ると、ケース固定用パッカー19が膨張してボーリング
孔G1の内壁に弾圧し、これにより、ケース体3を任意
の深度位置に固定しておくことができる。また、測定部
体Aをボーリング孔G1内で昇降させるときには、ケー
ス固定用パッカー19内の流体を排出して窄ませること
により、ケース体3のボーリング孔G1内での昇降を自
在にしている。
する。昇降駆動部Bは、図5に示すように、たとえば全
長数百メートルのケーブル21を巻回するドラム22
と、このドラム22を正逆回転駆動するモーターMと、
このモーターMを駆動制御する駆動制御回路23とから
なり、ドラム22に付設したプーリー24の正逆方向の
回転数によって、ケーブル21の一定距離毎の繰り出し
と巻き取りを行い、測定部体Aを任意の深度に昇降移動
させられるようにしている。
を通じて出力されたビデオ信号を復調するビデオシグナ
ル復調回路25、電源ユニット26、前記CCDカメラ
5,5や光源11をオン/オフさせるための電源ユニッ
ト用スイッチ27、トレーサー放出スイッチ28及びC
PU29からなる。
所要の時間間隔をおいて複数回の撮影を行う撮影制御手
段。
撮影した各回毎のデジタル化されている2つの撮影画像
に基づいて、トレーサーTの重心の各回毎の3次元座標
を、例えば精密写真測量技術により算出する座標算出手
段。具体的には、例えば所要階調の濃度によって重み付
けしたトレーサーTの重心のピクセル値を写真座標とし
て取り込むようにしている。
内を昇降している間に水平面内で回動して、座標を算出
する際に基準となる水平面上の座標軸が移動してしまう
ことがあるが、本実施形態においては、ケース体3内に
配設した方位計9により、水平面上の座標軸を常に一定
の方位に一致させた状態で座標を算出している。
カメラ5,6の光学的な倍率等によって異なるため、こ
れを絶対値に換算する基準として、ケース体3のスケー
ル4の目盛り4aを使用する。すなわち、トレーサーT
とともにスケール4の目盛り4aを撮影することによ
り、その目盛り4aに基づいてトレーサーTの絶対的な
移動距離を算出するようにしている。さらに、水中にお
いては、屈折率の関係から、トレーサーTの見掛け上の
深さ方向の移動距離が3/4倍になっているので、算出
された移動距離を4/3倍することにより、実際の距離
となるように補正している。
から地下水Wの流速と流向を求める流速流向算出手段。
図6に示すように、ある時刻tのトレーサーTの重心の
3次元座標がx0,y0,z0、その時刻tから所定時
間後の時刻t1における、そのトレーサーTの重心の3
次元座標がx1,y1,z1とすると、それらの3次元
座標から移動距離を算出するとともに、時刻tと時刻t
1の時間差とからトレーサーTの移動速度、換言すると
地下水Wの流速を算出する。また、流向については、座
標軸を一定の方位に一致させているので、上記の3次元
座標と公知の三角関数とから求めることができる。
には、ビデオキャプチャーカード30を介して、トレー
サーTの移動前後の画像が転送され、それらがディスプ
レイ1a上に表示されるとともに、上記コンピュータ1
内に保存されるようにしている。
業について説明する。まず、ボーリング孔G1内に測定
部体Aを吊り下ろし、所定の深度になったときに、ケー
ス固定用パッカー19に流体を圧送して膨張させ、所要
の深度位置に測定部体Aを固定し、また、電源ユニット
用スイッチ27をオン操作して光源11,CCDカメラ
5,6を点灯,起動させる。
がない場合には、トレーサー放出装置12を作動させ
て、シリンダ本体16内のトレーサーTをゆっくりと地
下水W中に放出させる。その後、地下水の乱れが無くな
ったのを確認した後、所定の時間をおいて複数回にわた
りトレーサーTの画像を撮影する。このとき、光源11
等から発せられる熱により、地下水Wに対流を発生させ
るおそれがある場合には、撮影をする時以外は、電源ユ
ニット用スイッチ27をオフ操作するとよい。
を排出した状態で、測定部体Aを順次所定の深度に昇降
移動させて、上記と同様にしてトレーサーTの画像を撮
影する。
れ、その制御部Cにおいて各深度毎の地下水Wの流速と
流向を算出する。
は、各深度毎のトレーサーTの画像が拡大縮小自在にし
て表示されるとともに、その流速,流向が表示される。
のではなく、次のような変形実施が可能である。図7に
測定部体の他例を示す。その測定部体32は、前述した
ケース体3と同様の構造からなるケース体3′の下側
に、所要長さにした3本の支柱33…を介し、測定空間
αを区画する区画体34を配設した構成のものである。
や強化プラスチック等からなるものであり、ケース体
3′の中心軸Oを中心として120度間隔で配列され
て、それらの上端部をケース体3′の下端壁3aに螺着
している。なお、支柱は上記3本に限るものではなく4
本以上設けてもよい。また、それら支柱の長さは、測定
しようとする地下水の流動状態を勘案して長短調整すれ
ばよい。
ス体3′と同外径の円筒形のものであり、これの全体を
例えば透明なアクリル樹脂等で形成され、支柱33…の
下端部に上端壁34aを螺着している。
ボーリング孔G1の内径と同じ直径にし、かつ、その上
面を上端壁34a上面と面一にした円板状のゴム等の弾
性材からなる整流板35が固定されている。
端壁3a下面と区画体34の上端壁34a上面との間
に、トレーサーTを測定するための測定空間αが区画形
成される。これにより、測定空間α内の地下水は、測定
空間α外の例えば上下方向の地下水の流れ等の外乱に影
響を受けることがなく、さらに、正確な地下水の流向,
流速を測定することができる。
いた構成のものについて説明したが、それらを3台以上
設けた構成にしてもよい。この場合には、トレーサーの
挙動をより正確に測定できる。
圧入する流体として空気等の気体を例として説明した
が、流体としては空気等の気体の他、水等の液体であっ
てもよい。
Tについての3次元座標を算出した例について説明した
が、複数のトレーサーの3次元座標を算出するようして
もよい。この場合には、より精度の高い流速,流向を算
出することができる。
水中のトレーサーの3次元座標を算出して、それら算出
した3次元座標に基づき、地下水の流速と流向を求める
ことができるので、その流速と流向を正確に算出でき
る。また、地下水の流速と流向を算出するために、地下
水中のトレーサーを撮影すればよいので、流速と流向を
繰り返し測定することができる。
通の効果の他、各請求項記載の発明によれば次の各効果
を得ることができる。請求項2記載の発明によれば、撮
影した地下水中のトレーサーの画像に基づいて、地下水
の流速と流向を算出しているので、簡易な構成にするこ
とができる。
に、座標軸の設定の基準となる方位計を配設しているの
で、ボーリング孔内で測定部体が回転しても、正確な3
次元座標を得ることができる。また、測定部体の回転を
阻止するための装備を設ける必要がないので、ケース体
を簡易な構成にし、しかも、小型,軽量化を図ることが
できる。
に、地下水中にトレーサーを放出するトレーサー放出装
置を配設しているので、地下水中にトレーサーとなる浮
遊物等がない場合にも、地下水の流速と流向を算出する
ことができる。
周壁外面に、流体の入出により膨縮する弾性材からなる
ケース固定用パッカーを配設しているので、ボーリング
孔の所望の深度位置に測定部体を容易に固定しておくこ
とができる。また、弾性材から形成しているので、その
構成を簡易にすることができるとともに、軽量化を図る
ことができる。
の地下水が、例えば上下方向の地下水等の外乱によって
乱されることがないので、地下水の流向,流速をより正
確に測定することができる。
動部、制御部、コンピューター及びエアーコンプレッサ
ーを加えてなる本発明地下水流動測定装置の一実施形態
の構成図である。
たスケールの平面図である。
の正面図である。
変化を示すもので、(A)は平面図、(B)はその正面
図である。
面図、(B)はその斜視図である。
手段を有するCPU 34 区画体 G 地盤 G1 ボーリング孔 T トレーサー W 地下水 α 測定空間
Claims (7)
- 【請求項1】 地下水中のトレーサーを、複数の撮影手
段により同時にかつ所要の時間間隔で複数回撮影し、そ
れら各回毎の撮影画像に基づいて、上記トレーサーの各
回毎の3次元座標を算出し、それら算出した各3次元座
標から地下水の流速と流向を求めることを特徴とする地
下水流動測定方法。 - 【請求項2】 地下水中のトレーサーを同時に撮影する
複数の撮影手段と、それらの撮影手段により所要の時間
間隔で複数回の撮影を行う撮影制御手段と、それら各回
毎の撮影画像に基づいて、上記トレーサーの各回毎の3
次元座標を求める座標算出手段と、それら算出した3次
元座標から地下水の流速と流向を算出する流速流向算出
手段とを有していることを特徴とする地下水流動測定装
置。 - 【請求項3】 岩盤等の地盤に掘削したボーリング孔内
に挿入するケース体内に、上記撮影手段を配設している
請求項2記載の地下水流動測定装置。 - 【請求項4】 ケース体内に、座標軸の設定の基準とな
る方位計を配設している請求項3記載の地下水流動測定
装置。 - 【請求項5】 ケース体内に、地下水中にトレーサーを
放出するトレーサー放出装置を配設している請求項3又
は4記載の地下水流動測定装置。 - 【請求項6】 ケース体の周壁外面に、流体の入出によ
り膨縮する弾性材からなるケース固定用パッカーが配設
されている請求項3,4又は5記載の地下水流動測定装
置。 - 【請求項7】 ケース体の下側に、トレーサーを測定す
るための測定空間を区画形成する区画体を配設している
請求項3,4,5又は6記載の地下水流動測定装置。
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1999
- 1999-12-22 JP JP36551099A patent/JP3374351B2/ja not_active Expired - Fee Related
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