JP2001182351A - 工場用建築物 - Google Patents

工場用建築物

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JP2001182351A
JP2001182351A JP36487899A JP36487899A JP2001182351A JP 2001182351 A JP2001182351 A JP 2001182351A JP 36487899 A JP36487899 A JP 36487899A JP 36487899 A JP36487899 A JP 36487899A JP 2001182351 A JP2001182351 A JP 2001182351A
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JP
Japan
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gas
chamber
room
air
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JP36487899A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kobayashi
孟 小林
Shinichi Yoneyama
信一 米山
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理装置が処理用ガス中において対象物を処
理でき、かつ、該装置が稼働しない間には、該装置を処
理室から容易に搬出できる建築物を提供すること。 【解決手段】 処理装置M1が設置され得るか又は設置
されている処理室2を有する建築物1である。処理装置
M1は、処理用ガス中において対象物を処理(加工な
ど)する装置である。処理室2には、人が呼吸するため
の空気と、処理用ガスとを可逆的に入れ換え得るガス交
換装置M2を設け、処理室内の空気を処理用ガスに入れ
換えることによって、該室内の処理用ガス中において処
理装置が対象物を処理し得る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生成、加工、殺菌
など種々の処理を行う産業において利用可能な建築物の
技術分野に属し、より詳しくは、処理装置によって対象
物の処理を行うための部屋を有する工場用建築物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】粉体を取り扱う種々の加工装置を建築物
の屋内で稼働させる場合には、粉塵爆発が起きることが
知られている。粉塵爆発は、石炭微粉末による爆発の他
にも、薬剤粉、穀物粉、砂糖などから、プラスチック
粉、金属粉に至るまで、多種多様の物質粉の浮遊に起因
して起きる。
【0003】粉塵爆発が起きないようにするには、常に
室内の換気を十分に行なう方法があるが、このような方
法では、作業者は、低い濃度ではあるが粉塵が浮遊する
室内で作業しなければならない。そのため、健康上の問
題が生じるか、又は防塵マスクなどを着用した場合には
快適な作業環境ではなくなる。また、換気が十分に行な
われていても、大量の粉塵が舞い上がった場合には、粉
塵の濃度が定常状態へと降下するまでの期間は危険であ
る。
【0004】上記問題を根本的に解決する方法として、
原料の供給系、処理装置内、流出系などから室内に粉塵
が舞い上がること自体が無くなるよう、個々の系を個別
に密閉カバーで覆い管路で接続する方法や、全ての系を
1つの密閉カバーで覆って密封するという方法が挙げら
れる。そして、密閉カバー内で粉塵爆発が起きないよう
不活性ガスを流し、該不活性ガス中において材料の加
工、処理を行なうことが、安全面からはより好ましい態
様となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法は、密閉カバーの装着のために装置系全体が大きな体
積を占有することになり、処理室の作業空間を圧迫し、
非稼働時の装置のメンテナンス作業や材料の仕込み作業
が困難となる。また、密閉カバーを気密に組み立て、ま
た分解するのには大変な手間がかかる。従って、大容量
の処理室を建築しない限り、その装置系は処理室に据え
つけられたまま、その部屋と一体不可分の関係になりが
ちである。そのような状態では、処理装置が長期間稼働
しない間も、その処理室を他の目的に利用することがで
きなくなり、敷地の利用効率が悪くなる。
【0006】本発明者等が検討したところ、上記のよう
な粉体を扱う装置に限らず、処理用ガス中において対象
物を処理する他の装置においても、同様の問題を含んで
いることがわかった。例えば、製品に殺菌性や殺虫性を
有するガスを作用させて殺菌・殺虫を行なう装置などの
場合も、これらのガスが室内に漏洩しないように装置系
全体を密閉カバーで覆う必要があり、装置は大がかりと
なり、装置とその部屋とは一体不可分の関係となるので
ある。
【0007】本発明の課題は、上記問題を解決し、処理
装置が処理用ガス中において対象物を処理でき、かつ、
該装置が稼働しない間には、該装置を処理室から容易に
搬出できる建築物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するものである。 (1)処理装置が設置され得るか又は設置されている処
理室を有する建築物であって、処理装置は、処理用ガス
中において対象物を処理する装置であり、処理室には、
人が呼吸するための空気と、処理用ガスとを可逆的に入
れ換え、どちらかの気体を該室内に充満させ得るガス交
換装置が設けられ、処理室内の空気を処理用ガスに入れ
換えることによって、該室内の処理用ガス中において処
理装置が対象物を処理し得る構成とされていることを特
徴とする工場用建築物。
【0009】(2)処理装置が、対象物を処理するため
の処理槽を有し、該処理槽は、該槽の内外を処理用ガス
が出入りし得るように構成されており、この構成によっ
て、対象物は処理槽内にありながら処理用ガス中におい
て処理され得るものである上記(1)記載の工場用建築
物。
【0010】(3)処理用ガスが、粉体による粉塵爆発
を抑制し得る不活性ガスである上記(1)または(2)
記載の工場用建築物。
【0011】(4)処理室と室外との出入口には、該出
入口を気密に閉鎖し得る扉が設けられ、処理室内には、
人が呼吸するための空気が充満しているかどうかを判別
し得るセンサーが設けられ、該センサーが、人が呼吸す
るための空気が充満していないと判別した場合には、前
記扉がロックされ、少なくとも室外側からはロック解除
ができないように構成されている上記(1)記載の工場
用建築物。
【0012】(5)当該工場用建築物が、処理室に加え
てさらに、処理用ガスの漏洩を緩衝するための緩衝室を
有し、該緩衝室を通過することによってのみ処理室と外
部との間で出入りが可能な構成とされ、処理室と緩衝室
との出入口の扉、および緩衝室と外部との出入口の扉
は、それぞれの出入口を気密に閉鎖し得るものである上
記(1)記載の工場用建築物。
【0013】(6)上記外部が、当該工場用建築物内に
設けられた作業用の作業室である上記(5)記載の工場
用建築物。
【0014】(7)処理室内の気体の圧力が、緩衝室内
の気体の圧力よりも低く、かつ、緩衝室内の気体の圧力
が上記作業室の気圧よりも低くなるように制御可能な構
成を有する上記(6)記載の工場用建築物。
【0015】(8)処理室と緩衝室との出入口の扉と、
緩衝室と外部との出入口の扉とが、一方が開いている状
態では他方が開かない開閉関係となるように、各扉のロ
ック機構が構成されている上記(5)記載の工場用建築
物。
【0016】(9)処理室内には、人が呼吸するための
空気が充満しているかどうかを判別し得るセンサーが設
けられ、該センサーが、前記空気が充満していないと判
別した場合には、出入口の扉を外部側からは開くことが
できないように各扉のロック機構が構成されている上記
(5)記載の工場用建築物。
【0017】(10)処理室内に人がいるかどうかを判
別し得るように、室内監視装置又は入出管理装置が設け
られ、処理室内に人がいると判別された場合には、処理
室内の空気を処理用ガスに入れ換えることができないよ
うにガス交換装置が構成されている上記(1)記載の工
場用建築物。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明による
工場建築物1は、処理装置M1が設置され得る処理室2
を有する建築物である。後述のように、本発明によって
処理装置M1は、処理室2と外部との間で容易に自在に
搬入・搬出ができる構成となっている。よって、処理室
2内に処理装置M1が設置されていない状態であって
も、設置されている状態であっても、この工場建築物の
特徴はなんら変わることはなく、いずれも同等に本発明
に含まれるものである。以下、処理装置M1が処理室2
に設置されている状態を示しながら本発明を説明する。
【0019】処理装置M1は、処理用ガス中において対
象物の処理を行なう装置である。例えば、処理装置M1
が対象物を粉体化する粉砕機である場合、不活性ガスを
処理用ガスとして用いることで、粉塵爆発は防止され
る。
【0020】処理室2には、人が呼吸するための空気
と、不活性ガスとを可逆的に入れ換え得るガス交換装置
M2が設けられており、作業者を室外へと退避させた
後、ガス交換装置M2によって、処理室内の空気を処理
用ガスに入れ換えて充満させることによって、該室内に
充満した処理用ガス中において、粉砕機M1が対象物を
処理し得る構成とされている。
【0021】即ち、本発明では、処理室の室内空間自体
を、処理装置を取り巻く密閉空間として用いており、こ
の空間に処理用ガスを充満させる構成としている。この
ような建物の構成によって、従来のような処理装置を包
囲する余分な密閉用設備の付帯が無くなる。従って、処
理装置が処理室のスペースを占有することが無くなり、
装置の外形と室内の容量との適当なバランスのままで、
非稼働時のメンテナンス作業や、材料の仕込み作業のス
ペースが十分に生まれる。また、密閉用設備の組み立
て、分解が無くなることで、処理装置を処理室から容易
に搬出できるようになるので、1つの処理室を、処理装
置と作業者とが時分割的に占有できるようになり、処理
室の利用効率が向上する。
【0022】本発明における処理の対象物は、原料その
ものから、最終製品段階のものなど、いずれの段階にあ
るものでもよく、種類も限定されない。特に、対象物が
医薬品である場合は、その製造に対してGMP(Good M
anufacturing Practice; 優良製造規範)が定められて
いるので、これに適合するためにも本発明の有用性が顕
著となる。
【0023】本発明でいう処理とは、熱処理のように文
字通りの処理だけではなく、生成、加工など全ての製造
行為を含むものであり、また、対象物の性質、外観、形
状などを変化させることだけでなく、殺虫処理、殺菌処
理のように、対象物自体は変化せず、対象物が置かれた
状況や商品価値を変化させることをも含むものである。
処理内容に限定はないが、本発明の有用性が顕著となる
のは、医薬品の原料を生成、製造、加工する工程におい
て粉体を取り扱う場合である。例えば、粉砕加工では、
加工すべき医薬品原料は数多くあるが、最小着火エネル
ギーが10mJ以下であってかつ高帯電性(1012〜1
14Ωm程度)を有し、防爆管理を特に必要とするもの
を加工対象とする場合には、本発明の有用性が特に顕著
となる。そのような医薬品原料としては、イプリフラボ
ン、オキサプロジン、ペザフィブラート、プロブコール
などが挙げられる。
【0024】本発明でいう処理用ガスは、処理すべき対
象物の周囲を単に取り巻くだけの雰囲気ガスであって
も、対象物の周囲を取り巻きながら該対象物に作用し性
質を変化させるガスであってもよい。
【0025】本発明でいう、人が呼吸するための空気
は、人が普通に活動し得る組成、温度、気圧の範囲にあ
る空気である。標準的な組成では、窒素78%程度、酸
素21%程度の他、アルゴン、二酸化炭素、希ガスなど
が含まれ、これに水蒸気が加わるが、都市部では窒素酸
化物や塩化物、炭化水素などの含有量が高くなり、ま
た、熱帯地、寒冷地、森林地帯、季節、高度など、によ
って、組成、温度、気圧は変化するので、各地の過去〜
現在の記録等を参照してよい。以下、単に「空気」とだ
け言うときは、人が呼吸するための空気を意味する。
【0026】処理装置に限定はなく、処理用ガス中で処
理を行なうものであればよい。本発明の工場建築物の有
用性が特に顕著となる処理装置の例としては、先ず、粉
体を形成する装置、粉体が副産物的に発生する装置、最
初から粉体を原料として加工する装置など、粉体を取り
扱う種々の装置が重要なものとして挙げられる。具体的
には、粉砕機の他、精製機、混合機、成形機、ふるい
機、乾燥機などである。これら装置が処理すべき対象物
としては、例えば、上記医薬品の他、穀物・砂糖などの
食物、プラスチック、鉱物、金属などが挙げられる。
【0027】処理装置の制御は、処理室外から遠隔的に
行なう構成とするのが好ましい。その場合、制御を行な
う部屋は、処理室の隣室、階上の部屋、別棟の部屋であ
ってよい。処理室内の監視は、テレビカメラなどによる
ものでもよく、また壁部にガラス張りの窓を設けて室外
から直視できる態様としてもよい。図1の例では、隣室
の作業室から、作業者がガラス窓越しに直接監視しなが
ら、制御装置M3を操作し、処理装置や処理室内の他の
制御ができる構成となっている。
【0028】処理装置が、粉体を取り扱う装置である場
合、処理用ガスとしては、粉塵爆発の防止や、製品の変
質防止などのための雰囲気ガスとして、窒素ガス、炭酸
ガス、希ガスなど、種々の不活性ガスが挙げられる。ま
た、材料の種類によっては、粉塵爆発を防止しながらも
積極的に製品を変質させるためのガスであってもよい。
【0029】その他の処理装置の例としては、殺虫処
理、防虫処理、抗微生物処理、焙煎、などを行なう装置
などが挙げられる。
【0030】殺虫処理は、対象物の表面や内部に存在す
る害虫(ダニなど昆虫以外のものも含む)を、処理用ガ
スによって減少、死滅させる処理である。防虫処理は、
対象物に処理用ガスを作用させ、製品などに害虫が近づ
かないようにする処理である。抗微生物処理は、対象物
の表面や内部に存在する微生物(細菌、放線菌、酵母、
カビ、ウイルスなど)を、処理用ガスによって減少、死
滅させる処理、または処理後の増殖を抑制する処理であ
って、例えば、殺菌処理、抗菌処理(抗菌加工)、防カ
ビ処理(防カビ加工)などが挙げられる。
【0031】上記殺虫処理、防虫処理、抗微生物処理に
用いられる処理用ガスは、上記の各々の処理の目的に適
合する殺虫性、防虫性、または抗微生物性を有するガ
ス、または高温のガスであればよい。例えば、殺虫、殺
菌を行なうには、塩素、ホルマリン、くん煙剤、くん蒸
剤、クロピクリン、青酸ガス、高温ガス(例えば、高温
の空気や窒素ガス等)などが挙げられる。くん蒸剤は、
蒸気圧の低い揮発性の薬剤であって、ガス状態で農薬活
性を発揮するものである。
【0032】乾燥や焙煎を行なう装置の場合、処理用ガ
スとしては、対象物の変質を防止するための上記の不活
性ガス、高温の乾き空気などが挙げられる。その他の材
料、部品などを処理する装置では、必要に応じて、酸化
防止用の不活性ガスなど、雰囲気ガスとして必要な種々
のガスを用いてよい。
【0033】処理装置が粉体を扱う装置などの場合、通
常、処理装置には対象物を処理するための処理槽が設け
られる。また、金属加工装置などでも、製品が床に散乱
しないよう、加工が行なわれる中心部分を覆う場合があ
る。処理装置が、このような処理槽を有する構造であっ
ても、処理室に供給した処理用ガスが処理槽内に十分に
行き渡るように、処理槽内外を処理用ガスが流通させ得
る構成とする。例えば、槽の上部に開口を設ける、フィ
ルターを通して処理用ガスを処理槽内外に流通するよう
強制的に循環させるなどである。この構成によって、処
理すべき対象物は、処理槽内にありながら処理室内に供
給された処理用ガス中において加工されることになる。
処理装置は目的の処理とともに前処理、後処理を処理室
内で実施できるように長期に処理室内に配置されるもの
でも良いし、または前処理および/または後処理を処理
室外で実施できるるように目的の処理前後に処理室内に
搬入されるものであっても良い。
【0034】室内で作業者等が呼吸していた空気に対し
て、それとは異なる条件の空気をガス交換装置で交換し
処理用に用いるならば、そのような空気は処理用ガスと
して見なす。例えば、処理室温20℃で作業者が作業を
行ない、作業者が処理室から退避した後、40℃の乾き
空気に交換し、処理装置内で材料を乾燥させたならば、
交換して入れた空気は、「人が呼吸すべき空気」に該当
する空気であるが、処理用ガスである。
【0035】対象物が粉塵爆発するようなものでないな
らば、処理用ガスとして活性を有するガスを用いてもよ
い。また、粉塵爆発を防止しながら同時に乾燥、殺菌を
行なうなど、多重の作用を示すように処理用ガスを用い
てよい。
【0036】処理用ガスの濃度は、目的が達成し得る濃
度であればよい。粉塵爆発の防止が目的の場合、医薬品
などの通常の材料加工では、酸素濃度が5%程度以下と
なるように不活性ガスを供給することが好ましい。
【0037】処理室は、建築物内の部屋として建造され
る空間である。処理室は、処理装置および必要に応じて
付帯する装置(例えば、粉砕機における集塵機など)を
配置でき、かつ処理装置などを配置した状態でその周囲
に作業できる広さを有する部屋であることがより好まし
い。例えば、床面積は、粉砕機の占有面積が1.3m四
方の場合、該粉砕機の占有面積に加えて作業者が仕込み
装置や集塵機などを粉砕機に取り付ける作業をするため
のスペースとして、粉砕機の周囲に、該粉砕機と壁との
間に1〜2m程度の距離があるような広さの部屋が処理
室として好ましい。また、天井の高さは、処理装置や付
帯装置が収まると共に、人が立って作業できる高さが好
ましい。
【0038】図2に示すように、ホッパーなどの原料供
給装置が配置された材料供給用の仕込み室8を、処理室
の階上などに設け、ここから導管9を通じて処理装置M
1に材料を供給する構成としてもよい。このような態様
では、仕込み室において原料供給装置に材料を供給した
後、導管9を閉鎖し、処理室の気密を保って処理を行な
うこともできる。処理装置を稼働させながら原料供給装
置に連続的に材料を投入し、処理装置へ材料供給し続け
ることもできる。このときは、処理室2から処理用ガス
が仕込み室8に流れ込まないように、原料供給装置の導
管部分の内圧が仕込み室内よりも減圧されるような送り
装置、例えば、図2に示すようなロータリーバルブなど
を用いるのが好ましい。仕込み室8には、処理室2と同
様のガス交換装置や、必要な安全装置を付与してもよ
い。
【0039】処理室は、出入口や窓などの開口を全て閉
鎖したときには、室内を気密に保ち得る部屋となるよう
に建築することが好ましい。処理室に設けられる出入口
は、処理装置の搬入、搬出が可能な大きさが好ましく、
人が出入りする出入口と分けて設けてもよい。出入口の
扉は、室内の気密を保つことができるよう密閉性の高い
構造が好ましい。
【0040】処理室に設けられるガス交換装置は、室内
の空気を処理用ガスに入れ換え、またもとの空気に入れ
換えることができる装置であればよく、処理用ガスを供
給する装置、空気を供給する装置、排気装置などを組み
合わせて連動させた複合的なものでもよい。ガス交換装
置は、ポンプを用いた大型の装置であっても、公知の換
気扇であってもよく、停止時に室内を密閉し得るものが
好ましい。該装置の動力部分本体や、ガス供給に必要な
ガスボンベは、処理室内外のいずれに配置してもよい。
【0041】処理室内に処理用ガスを供給する場合に
は、ガスボンベやガス貯蔵室から供給する構成が主とな
るが、人が呼吸するための空気や、処理用ガスとしての
空気を供給する場合には、屋外の空気を利用してよい。
一方、処理室内から処理用ガスを排出する場合、屋外へ
排出してもよいが、ガスボンベ、ガス貯蔵室、ガス処理
装置で回収する構成としてもよい。処理室内から空気を
排出する場合も、入れ代わりに供給される処理用ガスが
混入するので、同様である。回収した処理用ガスを、そ
のまま、又はもとの組成に戻して再利用する構成として
もよい。
【0042】処理室には、必要に応じて種々の付帯装置
を設けてよい。例えば、粉砕加工で発生する熱を吸収す
るための室温調整装置や、処理用ガス中に舞い上がった
粉塵を除去する集塵装置(図1におけるM4)などが挙
げられる。
【0043】当該工場用建築物は、ただ1つの部屋を処
理室として有する態様(即ち、処理室外が屋外である態
様)であってよいが、複数の処理室を有する態様の他、
処理室以外の部屋を必要数だけ必要な階に有する態様で
あってよい。
【0044】当該工場用建築物は、処理室と共に作業室
を同じ建物内に有する態様が好ましい。作業室とは、処
理室での処理装置の制御、処理状況の監視、材料や製品
の出し入れなど、製品の処理、保管など、処理室での処
理に関連する種々の作業を行なう部屋であってよい。作
業室の例としては、図1に示すように、作業室6を処理
室2の隣室として設け、両室の境の壁にガラス張りの覗
き窓7を設けて、作業室6から処理室2内を直接監視し
ながら、処理装置M1の制御を行なう構成が挙げられ
る。
【0045】処理室には、処理中に処理用ガスが充満
し、また粉塵も浮遊する場合もあるので、作業者の安全
などを考慮し幾重にも安全対策を施すことが好ましい。
作業者が処理用ガスや粉塵を吸入するような事故は、
(A)処理室内での事故、(B)処理室外での事故(漏
洩事故)に分けられる。処理用ガスによる前記(A)の
事故としては、(A1)処理室内に処理用ガスが存在す
るのに人が入室した場合、(A2)処理室内に人が存在
するのに処理用ガスが供給された場合などが挙げられ
る。
【0046】上記(A1)の事故を無くするためには、
警報装置や入室防止装置などを設けることが挙げられ
る。例えば、処理室内のガス成分を検出するセンサーや
分析する装置などを作動させておき、処理用ガスの濃度
が予め設定した値以上の場合には、光、音などで警報を
発する構成や、作業者が入室できないよう扉を自動でロ
ックする構成などである。処理用ガスが窒素ガスなどの
場合は、酸素の濃度の分析で代替してもよい。処理用ガ
スが塩素ガスなどの有害なガスの場合は、処理用ガス自
体を分析対象とすることが好ましい。
【0047】上記(A2)の事故を無くするための構成
としては、処理室内に人が存在するか否かを判定し得る
判定装置を設け、人が室内にいる場合には、処理用ガス
が室内に供給されないようにガス交換装置の回路を制御
する構成が挙げられる。前記のような判定装置として
は、撮像カメラとコンピュータとを組み合わせた画像処
理によって人を識別する装置、音を解析し識別する装
置、人の入出を管理することで処理室内の人の存在を判
定する入出管理装置などが挙げられる。
【0048】人がいる処理室内に処理用ガスが供給され
た場合に備えて、上記警報装置を退出を警告するために
用いてもよく、処理室内からの退出を優先するように、
室内側から扉を開ける際には扉のロックを無条件に解除
し得る構成としてもよい。その他、処理室には非常口や
非常用のガス交換装置、呼吸用のボンベなどを設けても
よい。
【0049】また、処理中に処理室内へ空気が供給され
たならば、粉塵爆発や製品の変質が生じる可能性がある
ので、ガス成分を検出するセンサー、ガス交換装置、処
理装置を連動させ、処理中には空気が供給されないよう
な制御構成が好ましい。
【0050】上記(B)の漏洩事故には、扉を開放した
ままで処理用ガスを供給する場合や、扉を開放したまま
で処理装置が始動し粉塵が作業室に流出する場合などが
あるので、これらの事故が発生しないよう、扉の閉鎖状
態を検知するセンサーを設け、閉鎖時にガス交換装置、
処理装置が作動する制御構成としてもよい。また、ガス
検知センサーや酸素濃度計を、処理室、作業室、後述の
緩衝室、仕込み室など、必要な部屋に設置し、漏洩を監
視し得るシステムとすることが好ましい。
【0051】また、上記(B)の漏洩事故には、例え
ば、出入口から処理用ガスが室外(隣室や屋外)へ微量
に漏洩する場合や、壁のクラックなどから微量に漏洩す
る場合がある。また、処理室内の空気中に微量に残留し
た処理用ガスや対象物の粉塵が、作業者の出入りと共に
室外に流出する場合もある。
【0052】他方、医薬品の処理においては、GMPな
どの規定によって、屋内(医薬品の処理・管理など製造
に関係する部屋)の気圧を、屋外等の大気圧よりも常に
高く維持し、外気の流入を抑制することが求められる。
本発明者等は、このようなGMPなどの規定に応じなが
ら、かつ、上記した処理室外(特に作業室などの他の部
屋)への漏洩を問題とし、これを防止することをさらな
る課題として、以下に示すような、漏洩防止構造を提案
している。
【0053】(I)建築物内の部屋間に圧力傾斜を構成
する漏洩防止構造である。他の部屋が作業室であるとし
て説明すると、処理室での処理装置の稼働中、作業室内
を微量だけ高圧に維持するための圧力調整装置(加圧装
置や、ダンパー等)を用いて、作業室内の気圧が処理室
内の気体の圧力よりも微量だけ高くなるようにコントロ
ールし、処理室と作業室との間にたとえ空気の流れ道が
あっても、その気体の流れを作業室から処理室へ向かわ
せる構造である。上記したように、GMPに対応するた
めには、処理室内の圧力よりも、さらに大気圧の方が低
くなくてはならない。従って、GMP対応では、(大気
圧)<(処理室内の気体の圧力)<(作業室の気圧)と
すべきである。
【0054】作業室、処理室、大気圧側の3者の上記圧
力関係を維持する構成は限定されないが、例えば、作
業室と大気圧側との圧力差、処理室と大気圧側との圧力
差を、各々ダンパー等を用いて別個に管理する並列的な
構成、作業室、処理室、大気圧側を順にダンパー等で
接続し作業室を加圧する直列的な構成が挙げられる。な
かでも、前記は、各部屋の圧力を独立的に応答性よく
コントロールでき、作業室と処理室との隔離性をよく確
保できる好ましい構成である。
【0055】上記ダンパーは、気体通路に設けて該気体
の流量を調節することによってその前後の圧力差を維持
する装置である。例えば、上記の並列的な構成では、
処理室と大気圧側(処理用ガスを無害化する装置を経て
もよい)との間にダンパーを設け、ガス交換装置などに
よって処理室内に微量のガス圧を印加することによっ
て、処理室の圧力が高くなるとダンパーが開き、処理室
内の処理用ガスは常に大気圧側へと向かう。他方、作業
室も同様に大気圧側に対して微量だけ高圧に維持されて
いるが、上記のように(処理室内の気体の圧力)<(作
業室の気圧)が考慮されているので、処理室から作業室
への漏洩は抑制されるのである。
【0056】例えば、大気圧側と処理室との圧力差ΔP
1は、1mmAq〜2mmAq程度が好ましく、また、
大気圧側と作業室との圧力差ΔP2は、3mmAq〜5
mmAq程度が好ましい。ただし、処理室と作業室との
圧力差が、2mmAq〜3mmAq程度で、(処理室内
の気体の圧力)<(作業室の気圧)となるように、前記
ΔP1、ΔP2を選択すればよい。前記圧力の単位〔m
mAq〕は、水柱ミリメートルであって、標準の重力加
速度のもとでは、1mmAqは、9.80665パスカ
ル(Pa)に相当する。
【0057】(II)処理室の出入口(出入り行為も含
む)に関連する漏洩を防止する構造である。例えば、図
1に示すように、作業室6と処理室2との間に緩衝室4
を介在させ、緩衝室4を通過することによってのみ処理
室2と作業室6との間で出入りが可能な構造とする。処
理室2と緩衝室4との出入口の扉3、および緩衝室と外
部との出入口の扉5は、各々気密に閉鎖し得るものとす
る。そして、処理用ガスや残留した粉塵が緩衝室へ漏洩
した場合でも、そこでそれらの濃度を低下させて、直接
的に作業室へ漏洩しないよう緩衝用に用いる漏洩防止構
造である。緩衝室の介在によって、扉閉鎖時の微量な漏
洩だけでなく、処理終了後に各室の圧力差の解消が万一
うまく行かなかったときでも、作業者の出入りや扉の開
閉に伴う大きな空気塊が処理室から作業室へ直接移動す
ることが緩衝される。
【0058】上記(II)の漏洩防止構造では、緩衝室内
の空気の状態を管理するだけでなく、例えば、図1にお
ける扉3と扉5とが、一方が開いている状態では他方が
開かない関係(インターロック)となるように構成する
ことによって、処理室2と作業室6とが直接連通する瞬
間が無くなり、緩衝室の緩衝性が高まる。
【0059】緩衝室には、処理室と同様に、該室内の気
体を分析する装置などを設け、警報を発する構成として
もよい。
【0060】また、上記(I)と(II)とを加え、(処
理室内の気体の圧力)<(緩衝室の気圧)<(作業室の
気圧)となるように圧力調整装置を構成し、空気の流れ
が常に作業室から緩衝室へ、緩衝室から処理室(両室間
に空気の流れ通路があるとき)へ向かう構成とすること
によって、漏洩を十分に防止できる。上記(I)と同
様、GMP対応では(大気圧)<(処理室内の気体の圧
力)とすべきである。
【0061】例えば、上記(I)で示したようにダンパ
ーを用いて並列的な圧力傾斜を構成するならば、処理室
と大気圧側との圧力差を、ガス交換装置によるガス圧の
印加とダンパーとによって確保し、他方、作業室〜緩衝
室〜大気圧側を順にダンパー等で直列的に接続し作業室
を加圧する。ここで、緩衝室の圧力は、作業室と大気圧
側との中間の値となるが、この値が、処理室の圧力より
も高くなるように、作業室への加圧力を設定すればよ
い。例えば、上記(I)で示した例と同様、大気圧側と
処理室との圧力差ΔP1は、1mmAq〜2mmAq程
度が好ましく、また、大気圧側と作業室との圧力差ΔP
2は、3mmAq〜5mmAq程度が好ましいが、処理
室と緩衝室との圧力差が、1mmAq〜2mmAq程度
で(処理室内の気体の圧力)<(緩衝室の気圧)となる
ように選択すればよい。
【0062】その他、好ましい安全上の構成を以下に挙
げる。ガス交換装置の処理用ガス供給を行なう始動スイ
ッチを鍵付きスイッチとし、作業者が処理室に入室する
際には、その鍵を持って入る規則とし、またはその鍵で
しか入室できないように緩衝室、処理室への扉の鍵と共
用にし、該作業者が処理室内にいる際には、何人も処理
用ガスの供給動作を行なうことができない構成とする。
【0063】製品等を取り出すために、作業者が処理室
に入室する際の換気を、処理室、緩衝室に対して同時に
行なう構成とする。処理室では、処理用ガスを排気する
と同時に、外気を中性能フィルター経由にて取り込む。
緩衝室の換気は、作業室の空気を差圧ダンパーを介して
取り込み、緩衝室壁に取り付けたファンによって屋外に
排気する。また、各排気用ファンの出口に差圧ダンパー
を設け、部屋の気密性を向上させてもよい。
【0064】医薬品を加工する場合、加工に関係する部
屋のクリーン度(GMPに規定)を100000以下と
することによって、GMP適合化を図る構成が好まし
い。例えば、図1、図2の場合、作業室に対する換気
(微量な加圧を含む)は、中性能フィルターおよびヘパ
フィルターを有するエアコンを介して空気を循環させる
と共に、循環中に外気を一部取り込み、循環中の空気の
逃げを補うよう構成する例が挙げられる。流量は、部屋
の容積に等しい空気が20〔回/時間〕以上循環する程
度が好ましい。
【0065】上記の作業室に関する空気の循環におい
て、作業室への空気供給路の一部を分岐し、階上の仕込
み室に供給し、仕込み室から屋外等へ放出する構成とし
て、仕込み室の空気の鮮度を保つのが好ましい。仕込み
室には、処理室と同様、緩衝室を設けてもよい。
【0066】処理室は、別途フィルターユニット(中性
能、HEPA)により、独立してクリーン度を維持する
構成とするのが好ましい。
【0067】次に、作業性や生産効率を向上させるため
の好ましい構成を挙げる。処理装置が粉砕機などの場
合、稼働時には発熱するので、室内に集塵機を配置する
と共に、これを経由して冷房機にて冷風を送り、室温を
制御する。また、仕込み室にも、集塵機を設けてもよ
い。処理装置内の処理装置、仕込み室内の材料供給装置
などには、必要に応じて階段を設け、作業性を向上させ
る。階段は、処理用ガスや材料による腐食に耐えるよ
う、ステンレス製のものなどが好ましい。
【0068】次に、処理室に窒素などの不活性ガスを効
率よく供給するシステム例を挙げる。ここでは、目標と
する酸素濃度は5%である。また、処理室と屋外との間
にダンパーを設け、両者間の圧力差を独立的に管理する
場合の例である。例えば、処理室の床の外周縁部に元パ
イプ(大量供給のための幹線となる管路、口径25Aな
ど)を敷設し、処理室内に急速に処理用ガスを供給し得
る構成とする。酸素濃度が5%に達すると、室内の壁に
配置された小口径(15Aなど)の通気孔からのガス供
給に切り替わり、処理室内の気体の圧力が隣室(緩衝室
など)よりも2mmAq程度低い状態となるように、か
つ酸素濃度が5%以下に維持されるように、ガス供給を
行なう構成である。これによって、急速で大量なガス供
給と、定常後の微量なガス調整とが可能になる。処理用
ガスや酸素の濃度は、室内のガス成分を検出するセンサ
ーや分析する装置などで検出し、目的値との誤差が小さ
くなるようにガス供給を行なう自動制御をすればよい。
【0069】仕込み室からは、ロータリーバルブ、ロー
タリーフィーダーを用いて原料を処理装置へ供給する構
成とし、作業性の向上を図ると共に、シール性を高める
ことが好ましい。
【0070】
【実施例】本発明による工場建築物を、図1、図2に示
すレイアウトにて試験的に建築し、医薬品の粉砕加工を
行ない、作業者を処理室内に出入りさせて、作用効果を
確かめた。
【0071】〔建築物の仕様〕 処理室の広さ;床2.26m×2.6m、天井高さ2.
45m。処理装置は粉砕機であって、対象物として医薬
原薬、医薬中間体を粒度20μm〜40μm程度の粉体
へと加工する装置である。処理用ガスは、窒素ガスであ
って、粉砕加工時の室内の窒素濃度は目標値として9
4.3体積%である。
【0072】ガス交換装置として、処理室には、2系統
の窒素ラインを引き込み、1系統は床に25Aのパイプ
を敷設し、そのパイプ胴体に設けられた細孔より窒素ガ
スが吹き出す構成とし、酸素濃度約21%から5%まで
早急に下げることができるようにした。パイプ等のシー
ルは、スリーブねじ込み方式とした。
【0073】処理室内の気体を、窒素ガスから空気へと
戻すときは、処理室に取り付けられたガス交換装置の外
気取り込みファンを運転すると、処理室のダンパーが開
になって排気を始め、屋外へ処理用ガスが排気される構
成とした。また、緩衝室に万一窒素ガス(処理用ガス)
が漏れていたときのことを考慮して、緩衝室内の空気を
排気し、新しい空気を流入する構成とした。該構成は、
緩衝室と屋外との間に設けられた換気扇が動き換気扇部
分が陰圧になると、緩衝室と換気扇と間に取り付けられ
た7mmAqの差圧ダンパーを通して緩衝室の空気が排
気されると同時に、緩衝室と作業室との間に設けられた
7mmAqの差圧ダンパーを通して作業室の空気が流入
し、緩衝室の空気が交換される構成である。
【0074】緩衝室の広さ;床1.2m×2.26m、
天井高さ2.45m。各室内の気体の圧力差の関係;
(屋外の大気圧)<(処理室内の気体の圧力)<(緩衝
室の気圧)<(作業室の気圧)。屋外と処理室との圧力
差は2mmAq、屋外と作業室との圧力差は5mmAq
であり、作業室〜緩衝室〜屋外に至る各ダンパーを調整
することによって、屋外と緩衝室との圧力差を3mmA
qに維持し、結果、処理室と緩衝室との圧力差を1mm
Aqとした。図1の扉3と扉5との開閉関係は、インタ
ーロックとした。
【0075】〔評価〕以上の構成にて、対象物の粉砕加
工を行ない、本発明の工場用建築物を評価した。先ず、
処理室、緩衝室、作業室、仕込み室への警告は明確であ
り、作業者が処理室内で作業している状態から、安全か
つ迅速に、粉砕機の加工状態へと移れることがわかっ
た。また、作業者が退避した後の、処理室内のガス交換
はスムーズであって、約1600秒で目標値の酸素濃度
5%に達し、その濃度のまま、作業室よりも3mmAq
低い圧力に維持された定常状態に入った。
【0076】処理室内での加工状況をモニターしたとこ
ろ、処理用ガス濃度は安定し、粉塵爆発の危険はなく、
粉砕加工が安全に実施できる雰囲気空間であった。ま
た、加工中における緩衝室、作業室、仕込み室の酸素濃
度に変動はなく、漏洩の無い、安全な生産・加工工場と
しての建築物であることがわかった。
【0077】加工終了後の処理室内のガス交換はスムー
ズであって、約1000秒で外気と同じ空気となった。
緩衝室の存在、扉3と扉5とのインターロック、および
圧力傾斜の構成は、処理室から作業室へと向かうガスを
よく阻止しており、試験的に処理室内で発煙し、出入り
を繰り返しても、作業室への影響はほとんど無かった。
【0078】
【発明の効果】本発明によって、処理装置の稼働時にお
いては、処理室は処理装置にとって処理用ガスで包囲す
るための空間となり、処理装置が稼働しないときは、処
理室は作業者が利用できる部屋となる。しかも、処理装
置には密閉カバーが存在しないから、処理装置を処理室
から容易に搬出でき、処理室全体を作業者が利用するこ
とも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工場建築物の構成例を概略的に示
す平面図である。ハッチングは建物の壁を示している。
扉3、5の開き方を、一点鎖線で示している。
【図2】本発明による工場建築物の構成例を概略的に示
す断面図であって、一階に処理室、その直上の2階に仕
込み室8を配置する場合を示している。処理室には、粉
砕機が配置され、仕込み室8のホッパーから原料を供給
される構成である。
【符号の説明】 1 工場用建築物 2 処理室 3、5 扉 4 緩衝室 6 作業室 M1 処理装置 M2 ガス交換装置 M3 制御盤

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理装置が設置され得るか又は設置され
    ている処理室を有する建築物であって、 処理装置は、処理用ガス中において対象物を処理する装
    置であり、 処理室には、人が呼吸するための空気と、処理用ガスと
    を可逆的に入れ換え、どちらかの気体を該室内に充満さ
    せ得るガス交換装置が設けられ、 処理室内の空気を処理用ガスに入れ換えることによっ
    て、該室内の処理用ガス中において処理装置が対象物を
    処理し得る構成とされていることを特徴とする工場用建
    築物。
  2. 【請求項2】 処理装置が、対象物を処理するための処
    理槽を有し、該処理槽は、該槽の内外を処理用ガスが出
    入りし得るように構成されており、この構成によって、
    対象物は処理槽内にありながら処理用ガス中において処
    理され得るものである請求項1記載の工場用建築物。
  3. 【請求項3】 処理用ガスが、粉体による粉塵爆発を抑
    制し得る不活性ガスである請求項1又は2記載の工場用
    建築物。
  4. 【請求項4】 処理室と室外との出入口には、該出入口
    を気密に閉鎖し得る扉が設けられ、処理室内には、人が
    呼吸するための空気が充満しているかどうかを判別し得
    るセンサーが設けられ、該センサーが、人が呼吸するた
    めの空気が充満していないと判別した場合には、前記扉
    がロックされ、少なくとも室外側からはロック解除がで
    きないように構成されている請求項1記載の工場用建築
    物。
  5. 【請求項5】 当該工場用建築物が、処理室に加えてさ
    らに、処理用ガスの漏洩を緩衝するための緩衝室を有
    し、該緩衝室を通過することによってのみ処理室と外部
    との間で出入りが可能な構成とされ、処理室と緩衝室と
    の出入口の扉、および緩衝室と外部との出入口の扉は、
    それぞれの出入口を気密に閉鎖し得るものである請求項
    1記載の工場用建築物。
  6. 【請求項6】 上記外部が、当該工場用建築物内に設け
    られた作業用の作業室である請求項5記載の工場用建築
    物。
  7. 【請求項7】 処理室内の気体の圧力が、緩衝室内の気
    体の圧力よりも低く、かつ、緩衝室内の気体の圧力が上
    記作業室の気圧よりも低くなるように制御可能な構成を
    有する請求項6記載の工場用建築物。
  8. 【請求項8】 処理室と緩衝室との出入口の扉と、緩衝
    室と外部との出入口の扉とが、一方が開いている状態で
    は他方が開かない開閉関係となるように、各扉のロック
    機構が構成されている請求項5記載の工場用建築物。
  9. 【請求項9】 処理室内には、人が呼吸するための空気
    が充満しているかどうかを判別し得るセンサーが設けら
    れ、該センサーが、前記空気が充満していないと判別し
    た場合には、出入口の扉を外部側からは開くことができ
    ないように各扉のロック機構が構成されている請求項5
    記載の工場用建築物。
  10. 【請求項10】 処理室内に人がいるかどうかを判別し
    得るように、室内監視装置又は入出管理装置が設けら
    れ、処理室内に人がいると判別された場合には、処理室
    内の空気を処理用ガスに入れ換えることができないよう
    にガス交換装置が構成されている請求項1記載の工場用
    建築物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003063642A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Asahi Kasei Corp 固形物製造装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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