JP2001174607A - 曲面形成方法および光学素子 - Google Patents

曲面形成方法および光学素子

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JP2001174607A
JP2001174607A JP35744399A JP35744399A JP2001174607A JP 2001174607 A JP2001174607 A JP 2001174607A JP 35744399 A JP35744399 A JP 35744399A JP 35744399 A JP35744399 A JP 35744399A JP 2001174607 A JP2001174607 A JP 2001174607A
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curved surface
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etching
forming
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Kazuhiro Umeki
和博 梅木
Takakatsu Yoshida
孝勝 吉田
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来にない全く新たな方法で選択比を変化させ
て曲面形成を行う新規な方法と、この方法により光学的
曲面を形成された光学素子を提供する。 【解決手段】基板10上に形成されたレジスト層12に
所望の第1表面形状を形成し、第1表面形状を出発形状
として、基板10とレジスト層12とに対して反応性イ
オンエッチングを行いつつ、エッチングの選択比を制御
して、第1表面形状を、所望の第2表面形状に変形して
基板10に転写する曲面形成方法において、反応性イオ
ンエッチングを行う反応性イオンエッチング装置におけ
る、上部電極RFパワー、基板バイアスRFパワー、コ
イル電流、基板温度のうちの任意の1を変化させること
により、エッチングの選択比を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は曲面形成方法およ
び光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスや金属の表面に曲面を形成する方
法として、ガラスや金属による基板の表面にレジスト層
を形成し、このレジスト層に所望の曲面形状を表面形状
として形成し、ついで、レジスト層と基板とに対して異
方性エッチング(侵刻が一方向に進行するエッチング)
を行って、レジスト層表面の曲面形状を基板に表面形状
として転写する方法が知られている。この方法は曲面形
成方法として大変優れている。それは、異方性エッチン
グを行う際の出発形状となるレジスト層の表面形状とし
て、所望の曲面形状を、電子ビーム描画や、グラデーシ
ョンマスクを介した露光で極めて精度良く形成でき、ま
た、この曲面形状を異方性エッチングにより基板の表面
形状として精度良く転写できるため、所望の曲面形状を
精度良く形成できるためである。さらに、異方性エッチ
ングを行う際に、選択比(基板の侵刻速度/レジスト層
の侵刻速度)を1以外の値に設定することにより、出発
形状の持つ凹凸形状の高低差を拡大したり縮小して基板
に転写することもできるし、選択比を時間的に変化さ
せ、選択比の時間的変化を制御することにより、出発形
状を所望形状に変形して転写することもできる。このよ
うな方法を利用すると、例えば非球面等を形成すること
ができる。また、型成形や研磨による方法と異なり、極
めて小さい曲面の形成も可能であるため、マイクロレン
ズをはじめとするマイクロ光学素子の屈折面形状や反射
面形状の形成方法として適している。選択比を変化させ
る方策としては「シリカ製基板とフォトレジストの組み
合わせにつき、異方性エッチングを行う反応性イオンエ
ッチング装置内への導入ガスの成分や比率を変化させ
る」ことが知られている(特許第2798600号特許
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来にな
い全く新たな方法で選択比を変化させて曲面形成を行う
新規な曲面形成方法と、この方法により光学的曲面を形
成された光学素子の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の曲面形成方法
は「基板上に形成されたレジスト層に所望の第1表面形
状を形成し、第1表面形状を出発形状として、基板とレ
ジスト層とに対して反応性イオンエッチングを行いつ
つ、エッチングの選択比を制御して、第1表面形状を、
所望の第2表面形状に変形して基板に転写する曲面形成
方法」であって、以下の点を特徴とする(請求項1)。
即ち、反応性イオンエッチング(侵刻が1方向に進行す
る異方性エッチングである)を行う反応性イオンエッチ
ング装置における、上部電極RFパワー、基板バイアス
RFパワー、コイル電流、基板温度のうちの任意の1を
変化させることにより、エッチングの選択比を変化させ
るのである。即ち、上部電極RFパワー、基板バイアス
RFパワー、コイル電流、基板温度のうち「上部電極R
Fパワー」を変化させ、他を一定に保ってエッチングの
選択比を変化させても良いし(請求項2)、「基板バイ
アスRFパワー」のみを変化させてエッチングの選択比
を変化させることもできる(請求項3)。また、「コイ
ル電流」のみを変化させてエッチングの選択比を変化さ
せてもよいし(請求項4)、「基板温度」のみを変化さ
せてエッチングの選択比を変化させても良い(請求項
5)。上記上部電極RFパワー、基板バイアスRFパワ
ー、コイル電流、基板温度は、導入ガスの成分や比率を
変化させるのに比して、容易に変化させることができ、
変化の制御も易しい。特に、上部電極RFパワー、基板
バイアスRFパワー、コイル電流は、極めて容易且つ瞬
時に変化させることが可能であるので、選択比の精妙な
変化を実現できる。上記請求項1〜5の任意の1に記載
の曲面形成方法において、基板が合成石英基板でレジス
ト層がフォトレジスト層である場合、導入ガスとしては
CHF3,CF4,O2,Ar,Cl2,BCl3,SF6
を挙げることができるが、特に、CHF3,CF4,O2
の混合ガスは好適である(請求項6)。導入ガスとして
CHF3,CF4,O2の混合ガスを用いる場合、その比
率(成分比)を、例えばCHF3:CF4:O2=1:1
0:2とすることができる。上記請求項1〜6の任意の
1に記載の曲面形成方法において、選択比は、これを、
経時に「連続的および/または段階的」に変化させるこ
とができる(請求項7)。選択比の変化は、「選択比を
所望の選択比に調整する」ために行っても良く、例え
ば、選択比を1より大きい(小さい)一定値に設定すれ
ば、第1表面形状における凹凸の高低差を拡大(縮小)
して第2表面形状とすることができる。この発明の「光
学素子」は、上記請求項1〜7の任意の1に記載の曲面
形成方法により、光学的曲面を形成されたことを特徴と
する(請求項8)。この場合、光学的曲面は反射面とし
て形成することもできるが、光学的曲面を屈折面とし、
光学素子をレンズとして構成することができる(請求項
9)。このように形成されるレンズは、レンズ径の小さ
いものを容易に構成できるので、マイクロレンズとして
構成することができ(請求項10)、これらを1次元的
もしくは2次元的に配列したマイクロレンズアレイとし
て構成することもできる。付言すると、「基板」は、基
本的には、上記合成石英基板のほか、特許279860
0号公報に記載されたガラス等の一般のシリカ(SiO
2)材、あるいは金属であることができる。金属の基板
を用いる場合、その表面に形成された曲面は光学的曲面
としての反射面として使用することもできるし、成形型
の「型面」として使用することもできる。即ち、この発
明の曲面形成方法は「金型製造」に利用することもでき
る。「レジスト層」を構成するレジスト材料としては、
上述したフォトレジストのほかに、電子ビームレジスト
を用いることができる。レジスト層を電子ビームレジス
トで形成する場合には、電子ビーム描画により「所望の
第1表面形状」を形成すれば良い。
【0005】フォトレジストによりレジスト層を形成す
る場合、所望の第1表面形状を形成する方法は、従来か
ら種々の方法が知られている。例えば、第1表面形状が
「球面状の凸曲面」である場合、前記特許279860
0号公報に記載された例のように、基板表面に形成した
フォトレジストによるレジスト層に、フォトリソグラフ
ィ技術のパターニングにより「レジスト層厚を高さとす
る円柱状」のレジスト層を形成し、これを加熱し、レジ
スト層を流動化させて「レジスト層に作用する表面張力
の作用」により表面を曲面化する方法がある。あるい
は、レジスト層に対し適宜の露光パターン(円形や楕円
形、多角形等)をデフォーカスにより「ぼやけ」させて
露光し、露光部の光強度分布によって第1表面形状を形
成することもできるし、レーザ光束の持つガウス分布状
の光強度分布とレジスト層の感光の閾値を利用して「釣
鐘の上部の形状」として第1表面形状を形成することも
できる。即ち、フォトレジストによるレジスト層に「所
望の第1表面形状」を形成する方法としては、公知の適
宜のものを利用することができる。また、特表平8−5
04515号公報や特開平9−146259号公報に開
示されたグラデーションマスクを介しての露光をデフォ
ーカス状態で行ったり、特開平6−21114号公報や
特開平7−220872号公報、特開平7−24188
3号公報に記載されたグラデーションマスクを介しての
露光によっても、これらグラデーションマスクの光透過
分布を適宜に設定することにより、フォトレジストによ
るレジスト層に所望の第1表面形状を形成できる。な
お、第1表面形状を基板に転写して第2表面形状を形成
する過程において、選択比を経時に「連続的および/ま
たは段階的に変化」させる場合、上部電極RFパワー、
基板バイアスRFパワー、コイル電流、基板温度のなか
で「変化させる対象を切り換える」ようにしてもよい。
例えば、当初は上部電極RFパワーのみを変化させ、次
の段階では基板バイアスRFパワーのみを変化させる、
というようにして選択比の経時の変化を行うことができ
る。この明細書における「曲面」は、広い意味での曲面
を意味するものであり必ずしも「曲面の全体が滑らか」
である必要はなく、段差のような「1階の空間微分が不
連続となる部分」を有していてもよい。
【0006】選択比を変化させることのできるパラメー
タとしては、上記4つのパラメータの他に「反応室内に
おける真空度」が考えられる。一般に、反応室内の真空
度が高くなると、反応後の離脱速度が大きくなるため、
基板のエッチング速度が増大し、選択比が増大する傾向
が見られる。反応室内にはイオン化された粒子とともに
電気的に中性なラジカル粒子が存在する。反応室内にお
ける真空度の変化は、導入ガス分子やイオンの「平均自
由工程」を変化させる。レジスト層のエッチングにはラ
ジカル粒子が寄与し、真空度が低くなってラジカル粒子
の平均自由工程が小さくなると、レジスト層に衝突する
ラジカル粒子の衝突の方向が大きくばらつくため、レジ
スト層に形成される出発形状(第1表面形状)の精度を
低下させる原因となる。上記パラメータのうち、上部電
極RFパワーは、これを増大させることで、反応室内の
プラズマのエネルギを高め、反応室内におけるイオン数
を増大させることができる。また、基板バイアスRFパ
ワーを増大すると、基板に大きな負のバイアス電圧が印
加され、反応室内のイオンを基板に引き寄せるので、基
板に衝突するイオンの数や衝突エネルギが増大する。コ
イル電流が増大すると、反応室内のプラズマを閉じ込め
る空間が小さくなるためプラズマ密度が上昇し、プラズ
マ温度も上昇する。このため、導入ガスのイオン化が促
進されることになる。基板温度の変化が基板のエッチン
グに及ぼす影響は基板の種類により異なる。例えば、石
英基板では基板温度が低いほどエッチング速度が大きい
が、Si基板では基板温度が高いほうがエッチング速度
は大きい。レジスト層のエッチングには、上述したよう
にラジカル粒子が影響するが、基板温度は、ラジカル粒
子の作用には影響しない。このため、レジスト層のエッ
チングには基板温度の与える影響は小さい。従って、基
板温度の変化がエッチングに与える影響は、基板とレジ
スト層とで異なる。このため、基板温度の変化により、
選択比の調整が可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に即して、この発明の曲面形
成方法の実施の形態を幾つか説明する。図1(a)は、
ガラス板等による基板10の表面に形成されたレジスト
層12に「所望の第1表面形状」を形成した状態を示
す。この図の例では、第1表面形状は「球面形状」であ
る。このような第1表面形状の形成は、前述の「フォト
レジストによるレジスト層にフォトリソグラフィ技術の
パターニングにより、レジスト層厚を高さとする円柱状
のレジスト層を形成し、過熱によりレジスト層を流動化
させてレジスト層に作用する表面張力の作用により表面
を曲面化する方法」や「レジスト層に対し円形の露光パ
ターンをデフォーカスさせて露光する方法」、「レーザ
光束の持つガウス分布状の光強度分布とレジスト層の感
光の閾値を利用する方法」、「グラデーションマスクを
用いて露光する方法」等で実行することができる。この
ような第1表面形状を反応性イオンエッチングにより基
板10に転写すると、エッチングの進行と共に、第1表
面形状の「山形」の「裾野部分」から転写が始まり、次
いで「中腹部分」が転写され、最後に「頂上部分」が転
写されることになる。その際、選択比を一貫して「1」
に保てば、第1表面形状と同一形状が基板10に第2表
面形状として転写されることになる。また、選択比を
「1より大きい(小さい)一定値」に保ってエッチング
を行えば、転写により形成される第2表面形状は、第1
表面形状における山形の高低差を拡大(縮小)したもの
になる。先ず、説明の簡単のために、図1(a)に示す
第1表面形状の山形を、図の如く3つの領域I,II,
IIIに分けて考える。領域Iは「裾野部分」、領域I
Iは「中腹部分」、領域IIIは「頂上部分」である。
第1表面形状を転写する反応性イオンエッチングにおけ
る選択比を、上記領域I,II,IIIの転写に応じて
段階的に切り換える場合を考えてみる。
【0008】第1の場合として、領域Iの転写において
は選択比を「1より大き」く設定し、領域IIの転写に
際しては選択比を「略1」に設定し、領域IIIの転写
を行うときには選択比を再び「1より大き」く設定した
場合を考えてみる。この場合、領域Iは「1より大きい
選択比」で転写されるので、転写された形状は「領域I
の持つ傾きよりも強い勾配」を持つ。領域IIの転写で
は選択比が略1であるので、転写された形状は領域II
と略同形状である。また領域IIIは「1より大きい選
択比」で転写されるから、頂上近傍の山形形状は高低差
を拡大されて転写されることになる。その結果、転写に
より基板10に形成された第2表面形状は、図1(b)
に示す如き形状となる。第2の場合として、領域Iの転
写においては選択比を「1より小さ」く設定し、領域I
Iの転写に際しては選択比を「1より大き」く設定し、
領域IIIの転写を行うときには選択比を再び「1より
小さ」く設定した場合を考えてみると、この場合には、
転写された第2表面形状で領域I,IIIの勾配は第1
表面形状の勾配よりも小さく、第1表面形状の領域II
の高低差は拡大されて第2表面形状となるので、得られ
る第2表面形状は、例えば図1(c)に示す如きものと
なる。このことから分かるように、エッチングによる転
写を行いつつ、選択比を上記の如く変化させることによ
り、「球面形状」である第1表面形状を「非球面」であ
る第2表面形状に変形して基板10に転写することがで
きる。また、図1(a)に示す第1表面形状を出発形状
として反応性イオンエッチングを行いつつ、選択比を連
続的に且つ単調に増大させ、選択比の変化をうまく調整
すると、例えば、図1(d)に示すような「円錐形状」
の第2表面形状を得ることができる。逆に、選択比を当
初「1より大き」く設定し、領域II,IIIの転写で
は選択比を「次第に小さ」くすると、図1(e)に示す
ような「台地形状」の第2表面形状を得ることができ
る。
【0009】図2は、反応性イオンエッチング装置を説
明図的に示している。図2において、符号20は「反応
室」、符号22は「上部電極」、符号23は上部電極2
2に「上部電極RFパワー」を印加するための「RFパ
ワー電源」、符号24は「下部電極」、符号25は下部
電極24に「基板バイアスRFパワー」を印加するため
の「RFパワー電源」、26は「絶縁部材」、符号27
は「コイル」、符号28Aは導入ガスを反応室内に導入
するための「導入管」、符号28Bは反応室内を排気す
るために反応室内を真空ポンプに連結する「排気管」、
符号29は下部電極24と絶縁部材26を介して基板を
冷却し、基板温度を制御する「冷却装置」を示してい
る。図2に示す如く、「所望の第1表面形状」を形成さ
れたレジスト層12を有する基板10を、反応室20内
の下部電極24上に絶縁部材26を介して設置し、真空
ポンプを動作させて、排気管28Bを通じて反応室20
内を排気し、導入管28Aを通じて導入ガスを反応室2
0内に導入する。この状態で、RFパワー電源23によ
り、上部電極22に上部電極RFパワーを印加して反応
室内のプラズマ種の発生を制御し、適当なプラズマを生
成させ、コイル27に電流を通じ、発生する磁界により
上記プラズマを基板10の上部の空間部分に閉じ込め
る。さらに、RFパワー電源25により下部電極24に
基板バイアスRFパワーを印加し、エッチング対象物
(第1表面形状を形成されたレジスト層12を有する基
板10)を打撃するイオン量を増大させてエッチング効
率を高める。同様に、エッチング効率を高めるために冷
却装置29により下部電極24を冷却し、エッチング対
象物の温度を制御する。この反応性イオンエッチング装
置では、RFパワー電源23,25によるRFパワー、
コイル27に通じるコイル電流、冷却装置29により冷
却される基板温度を独立して制御することが可能であ
る。これらの制御により「上部電極RFパワー、基板バ
イアスRFパワー、コイル電流、基板温度のうちの任意
の1」を変化させることにより、エッチングの選択比を
変化させる。
【0010】図2の如き反応性エッチング装置を用い、
合成石英の基板上の一部に、フォトレジスト(OFPR
−5000 800CP:商品名 (株)東京応化製)
をスピンコートし、ベーキングを行って、厚さ:5μの
レジスト層としたものを試料とし、上記の選択比の変化
の特性を調べた。 実験例1 反応室20内に、導入ガスとしてCHF3,CF4,O2
を、導入ガスの比率が、CHF3:CF4:O2=1:1
0:2となるように導入した。そして、コイル電流、基
板バイアスRFパワー、基板温度を、それぞれ以下のよ
うに設定した。 コイル電流:40A(50V) 基板バイアスRFパワー:−500W 基板温度:−10度C 選択比を変化させるために「上部電極RFパワー」を変
化させたところ図3に示す如き結果を得た。即ち、上部
電極RFパワーの調整により、選択比を0(0W)〜
2.1(1200W)の範囲で変化させることができ
る。 実験例2 反応室20内に、導入ガスとしてCHF3,CF4,O2
を、導入ガスの比率が、CHF3:CF4:O2=1:1
0:2となるように導入した。そして、上部電極RFパ
ワー、コイル電流、基板温度を、それぞれ以下のように
設定した。 上部電極RFパワー:1000V コイル電流:40A(50V) 基板温度:−10度C 選択比を変化させるため「基板バイアスRFパワー」を
変化させたところ、図4に示す如き結果を得た。即ち、
基板バイアスRFパワーの調整により、選択比を0.5
(0W)〜2.2(−1000W)の範囲で変化させる
ことができる。 実験例3 反応室20内に、導入ガスとしてCHF3,CF4,O2
を、導入ガスの比率が、CHF3:CF4:O2=1:1
0:2となるように導入した。そして、上部電極RFパ
ワー、基板バイアスRFパワー、基板温度をそれぞれ以
下のように設定した。 上部電極RFパワー:1000V 基板バイアスRFパワー:−500W 基板温度:−10度C 選択比を変化させるために、コイル電流(印加電圧は5
0V)を変化させたところ、図5に示す如き結果を得
た。即ち、コイル電流の調整により、選択比を0(0
A)〜2.5(40A)の範囲で変化させることができ
る。 実験例4 反応室20内に、導入ガスとしてCHF3,CF4,O2
を、導入ガスの比率が、CHF3:CF4:O2=1:1
0:2となるように導入した。そして、上部電極RFパ
ワー、基板バイアスRFパワー、コイル電流を、それぞ
れ以下のように設定した。 上部電極RFパワー:1000V 基板バイアスRFパワー:−500W コイル電流:40A(50V) 選択比を変化させるために、基板温度を変化させたとこ
ろ、図6に示す如き結果を得た。即ち、基板温度の調整
により、選択比を0.5(0度C)〜2.5(−10度
C)の範囲で変化させることができる。なお、上記実験
例1〜4において、反応室20内における真空度は、
1.5×10-3Torrに設定し、自動的にこの値を保
持した。
【0011】
【実施例】「エッチング対象物」として、合成石英の平
行平板を基板とし、その上にフォトレジスト(OFPR
−5000 800CP:商品名 (株)東京応化製)
をスピンコートし、ベーキングを行って厚さ:5μのレ
ジスト層とし、第1表面形状として「マイクロレンズ用
に微小径の凸球面部をアレイ配列したもの(図2参
照)」を形成した。上記凸球面部は図1(a)に示す如
きものである。 実施例1 上記エッチング対象物を反応性イオンエッチング装置に
セットし、エッチング条件を実験例1の如くに設定し
た。この状態で、上部電極RFパワーを、先ず「100
0W(選択比:1.9)」に設定して15分間エッチン
グを行い、次に「500W(選択比:1.0)」に設定
して15分間エッチングを行い、最後に再び「1000
W(選択比:1.9)」に設定して15分間エッチング
を行ってエッチングを完了した。その結果、図1(b)
に示す如き「非球面形状」を持つマイクロレンズアレイ
を得ることができた。 実施例2 上記エッチング対象物を反応性イオンエッチング装置に
セットし、エッチング条件を実験例2の如くに設定し
た。この状態で、基板バイアスRFパワーを、先ず「0
W(選択比:0.5)」に設定して15分間エッチング
を行い、次に「−800W(選択比:2.0)」に設定
して15分間エッチングを行い、最後に再び「0W(選
択比:0.5)」に設定して15分間エッチングを行っ
てエッチングを完了した。その結果、図1(c)に示す
如き「非球面形状」を持つマイクロレンズアレイを得る
ことができた。なお、実施例1,2において、上部電極
Rfパワー、基板バイアスRFパワーの切り換えは「1
分間の時間をかけ」て行い、切り替えの際、選択比が連
続的且つ滑らかに変化するようにした。
【0012】実施例3 上記エッチング対象物を反応性イオンエッチング装置に
セットし、エッチング条件を実験例3の如くに設定し
た。この状態で、コイル電流を「20A(選択比:1.
1)」に設定し、エッチングを行いつつ次第にコイル電
流を増大させ、コイル電流の変化を調整することによ
り、図1(d)に示す如き、円錐レンズのアレイを得る
ことができた。 実施例4 上記エッチング対象物を反応性イオンエッチング装置に
セットし、エッチング条件を実験例4の如くに設定し
た。この状態で、基板温度を「−10度C(選択比:
2.5)」に設定し、エッチングを行いつつ次第に基板
温度を高め、基板温度の変化を調整することにより、図
1(e)に示す如き、台形形状のマイクロレンズのアレ
イを得ることができた。上には形成される第2表面形状
として「軸対称なマイクロレンズ」の場合を説明した
が、第1表面形状やエッチングの際の選択比の変化の条
件に応じて、他の形状の第2表面形状、例えば「シリン
ダ面やプリズム面、回転楕円面等」の作成が可能であ
る。
【0013】図1、図2に即して説明した実施の形態
は、基板10上に形成されたレジスト層12に所望の第
1表面形状を形成し、第1表面形状を出発形状として、
基板10とレジスト層12とに対して反応性イオンエッ
チングを行いつつ、エッチングの選択比を制御して、第
1表面形状を、所望の第2表面形状に変形して基板10
に転写する曲面形成方法において、反応性イオンエッチ
ングを行う反応性イオンエッチング装置における、上部
電極RFパワー、基板バイアスRFパワー、コイル電
流、基板温度のうちの任意の1を変化させることによ
り、エッチングの選択比を変化させることを特徴とする
曲面形成方法(請求項1)である。実施例1は、反応性
イオンエッチング装置の上部電極RFパワーを変化させ
てエッチングの選択比を変化させるものであり(請求項
2)、実施例2は、反応性イオンエッチング装置の基板
バイアスRFパワーを変化させてエッチングの選択比を
変化させるものであり(請求項3)、実施例3は、反応
性イオンエッチング装置のコイル電流を変化させてエッ
チングの選択比を変化させるものであり(請求項4)、
実施例4は、反応性イオンエッチング装置の基板温度を
変化させてエッチングの選択比を変化させるものである
(請求項5)。また、図2に即して説明した実施の形態
および実施例1〜4では、基板10が合成石英基板、レ
ジスト層12がフォトレジスト層で、導入ガスがCHF
3,CF4,O2であリ(請求項6)、実施例1〜4は何
れも、導入ガスの比率が、CHF3:CF4:O2=1:
10:2である。
【0014】実施例1〜4はまた、選択比を経時に、連
続的および/または段階的に変化させるものであり(請
求項7)。これら実施例1〜4によれば、光学的曲面を
形成された光学素子が得られ(請求項8)、これら光学
素子は「光学的曲面が屈折面であるレンズ」であり(請
求項9)、レンズは「マイクロレンズ」である(請求項
10)。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な曲面形成方法および光学素子を実現することが
できる。この曲面形成方法によれば、上に説明したよう
に、支持基板に所望の曲面を形成できる。このように形
成された曲面は光学素子の屈折面や反射面形状として利
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の曲面形成方法における、選択比を変
化させることの意義を説明するための図である。
【図2】曲面形成方法の実施に用いる反応性イオンエッ
チング装置を説明するための図である。
【図3】上部電極RFパワーの変化による選択比の変化
の様子を示す図である。
【図4】基板バイアスRFパワーの変化による選択比の
変化の様子を示す図である。
【図5】コイル電流の変化による選択比の変化の様子を
示す図である。
【図6】基板温度の変化による選択比の変化の様子を示
す図である。
【符号の説明】
10 基板 12 レジスト層 20 反応室 22 上部電極 24 下部電極 23 RFパワー電源 25 RFパワー電源 27 コイル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成されたレジスト層に所望の第
    1表面形状を形成し、上記第1表面形状を出発形状とし
    て、上記基板とレジスト層とに対して反応性イオンエッ
    チングを行いつつ、エッチングの選択比を制御して、上
    記第1表面形状を、所望の第2表面形状に変形して上記
    基板に転写する曲面形成方法において、 反応性イオンエッチングを行う反応性イオンエッチング
    装置における、上部電極RFパワー、基板バイアスRF
    パワー、コイル電流、基板温度のうちの任意の1を変化
    させることにより、エッチングの選択比を変化させるこ
    とを特徴とする曲面形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の曲面形成方法において、 反応性イオンエッチング装置の上部電極RFパワーを変
    化させて、エッチングの選択比を変化させることを特徴
    とする曲面形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の曲面形成方法において、 反応性イオンエッチング装置の基板バイアスRFパワー
    を変化させて、エッチングの選択比を変化させることを
    特徴とする曲面形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の曲面形成方法において、 反応性イオンエッチング装置のコイル電流を変化させ
    て、エッチングの選択比を変化させることを特徴とする
    曲面形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の曲面形成方法において、 反応性イオンエッチング装置の基板温度を変化させて、
    エッチングの選択比を変化させることを特徴とする曲面
    形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の任意の1に記載の曲面形成
    方法において、 基板が合成石英基板、レジスト層がフォトレジスト層で
    あって、 導入ガスが、CHF3,CF4,O2であることを特徴と
    する曲面形成方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の任意の1に記載の曲面形成
    方法において、 選択比を経時に、連続的および/または段階的に変化さ
    せることを特徴とする曲面形成方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の任意の1に記載の曲面形成
    方法により、光学的曲面を形成されたことを特徴とする
    光学素子。
  9. 【請求項9】請求項8記載の光学素子において、 光学的曲面が屈折面であるレンズとして形成された光学
    素子。
  10. 【請求項10】請求項9記載の光学素子において、 レンズがマイクロレンズであることを特徴とする光学素
    子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009223250A (ja) * 2008-03-19 2009-10-01 Nikon Corp 光学素子アレイの製造方法、光学素子アレイ、及び光学系
WO2014007267A1 (ja) * 2012-07-04 2014-01-09 富士フイルム株式会社 マイクロレンズの製造方法
JP2015158663A (ja) * 2014-01-27 2015-09-03 キヤノン株式会社 マイクロレンズの形成方法および固体撮像素子の製造方法

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