JP2001170179A - 高頻度人工呼吸器 - Google Patents

高頻度人工呼吸器

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JP2001170179A JP36369699A JP36369699A JP2001170179A JP 2001170179 A JP2001170179 A JP 2001170179A JP 36369699 A JP36369699 A JP 36369699A JP 36369699 A JP36369699 A JP 36369699A JP 2001170179 A JP2001170179 A JP 2001170179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高頻度人工呼吸時の圧力振幅低減を課題とす
る。 【解決手段】 患者Xへ吸気を供給する吸気導入部62
と、その吸気を患者Xへ案内する患者側経路60と、こ
の吸気に振動空気圧を付勢する振動空気圧付勢部50
と、患者Xから出された呼気を大気中に排出する排出経
路70と、振動空気圧付勢部50の動作制御を行うコン
トローラ40とを備え、コントローラ40は、振動周波
数fの入力を受け付ける受付部41と、振動空気圧付勢
部50に対してその入力された振動周波数fに設定調節
する制御を行う動作制御部49とを備え、この動作制御
部49が、振動空気圧付勢部50の一回換気量をV
換気周波数をfとした場合に、V ・fが一定値とな
る状態を維持しつつ振動空気圧の振動周波数fを設定調
節させる換気状態維持機能42を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工呼吸器に係
り、特に、高頻度人工呼吸器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高頻度人工呼吸器200は、図1
1に示すように、酸素供給源201から三方分岐管20
2を介して患者X側と排気側とに分岐する流体回路系を
流れる高濃度酸素を含んだ吸気(通常の流量10〜30[l/m
in],最大60[l/min])に対して高頻度の振動空気圧を振
動空気圧付勢部203によって付勢して患者Xの肺内に
酸素供給を行う。このとき、患者Xの肺へかかる平均圧
力は、呼気の排出口に設けられた呼気弁204のゴム弁
の開放面積でコントロールする。
【0003】この高頻度人工呼吸器200の酸素供給原
理を説明する。まず、患者に供給される吸気に高頻度振
動空気圧が付勢されると、当該吸気の圧力振幅により、
患者の肺中の二酸化炭素を含んだ吸気(以下、呼気とす
る)に対して小容量の換気(対流的なガス交換)が起る
と共に、吸気の振動による拡散運動の効果で、気管内チ
ューブ207を介して肺内に吸気が侵入すると共に肺内
の呼気が肺の外(患者口元)まで導き出される。後続の
吸気は、上述の換気を行うと共に肺から導き出された呼
気を排気口側に送り出す作用をも有している。これによ
り、患者の肺内を常に一定の酸素濃度に維持することを
可能としている。
【0004】上記高頻度人工呼吸器200では、医者が
患者の様態に合わせて任意に設定できる基本的なパラメ
ータは、主に、酸素供給源から患者Xまでの回路系の
内部圧力(5〜15[cmH2O](490〜1470[Pa]))、患者
の肺に対する振動空気圧の一振動周期当たりの換気量
(以下、「患者の肺に対する一回換気量」とする。具体
的には患者の体重に合わせて数〜数百[ml])、振動空
気圧の換気周波数(3〜15[Hz]程度)の三つである。他
に付随的なパラメータとして患者に送る吸気供給量、吸
気の酸素濃度がある。患者の様態に合わせて、上記基本
的なパラメータを以下のようにコントロールして呼吸管
理をする。
【0005】(1)酸素化をしたい場合は、患者回路の平
均気道内圧を上げる。ここで酸素化とは患者Xの動脈血
中酸素分圧(PaO2)を上げることをいう。
【0006】(2)二酸化炭素の掃けを良くしたい場合
は、患者の肺に対する一回換気量を増やす。二酸化炭素
の掃けを良くするとは、動脈血中二酸化炭素分圧(PaCO
2)を下げることをいう。
【0007】(3)各患者Xは高頻度人工呼吸の換気効率
が高くなる固有の周波数が固体別に決まっており、ま
た、この固有の周波数は患者の様態に応じて変化もす
る。換気周波数は、患者Xの様態を観察しつつかかる固
有の周波数に近づくように調節が行われる。
【0008】換気周波数は、初期の段階では患者Xの体
重に合わせて決められ、患者Xの体と共振してガス(酸
素)の拡散効果を上げ、ガス交換(酸素と二酸化炭素と
の交換)が効率良く行われる周波数に調節される。一般
に、換気周波数に関しては、新生児には、15[Hz]前後,
小児から成人は、3〜10[Hz]が多く用いられている。
【0009】この換気周波数は、人工呼吸時には、急な
患者Xの様態変化が生じなければ固定されていることが
多く、あまり頻繁に変化させるものではない。よって、
通常であれば、患者Xの様態に合わせて希望する人工呼
吸を行なうためには、とのいずれかのパラメータの
みにより呼吸状態が調節される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、患者の様態
が変化すると、PaO2が下がり過ぎたり、PaCO2が上がり
過ぎたりする場合がある。この場合は、既に患者Xの固
有周波数に変化が生じているため、もはやとのみで
は調節が追いつかず、換気周波数を変えなければならな
い。
【0011】しかし、換気周波数を変えると気管内チュ
ーブを流れる振動流の状態が著しく変わるため、患者の
ガス交換の効果が変化し、患者の様態にさらなる変化を
生ぜしめる恐れがあった。特に小児から成人に用いられ
る換気周波数3〜10[Hz]の間では、1[Hz]変化させると、
ガスの運搬メカニズムが著しく変化し易く、医者は換気
周波数を変える時に細心の注意を払う必要があった。
【0012】上記の如く、従来の高頻度人工呼吸器で
は、「一回換気量」と「換気周波数」とが動脈血中二酸
化炭素分圧に影響するパラメータとなっている。このよ
うな、1つの治療指標の因子に対して2因子の設定パラメ
ータが影響する場合、高頻度人工呼吸器の操作は慎重さ
が要求されるため、医者にとって「換気周波数の設定変
更」は非常に煩雑な作業となっていた。
【0013】そこで、医者からは、患者の動脈血中二酸
化炭素分圧の急変を生じないで、換気周波数を調節する
ことが可能である高頻度人工呼吸器が望まれていた。
【0014】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、上述した各パラメータが互いに影響しなうこ
となく調節可能な高頻度人工呼吸器を提供することを、
その目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
患者への酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部と、こ
の吸気導入部から吸気を患者へ案内する患者側経路と、
この患者側経路を流れる吸気に患者の呼吸周期よりも短
い周期の振動空気圧を付勢する振動空気圧付勢部と、患
者から出された二酸化炭素を含んだ呼気を大気中に排出
する排出経路と、振動空気圧付勢部の動作制御を行うコ
ントローラとを備えている。
【0016】そして、振動空気圧付勢部は、振動空気圧
の一振動周期あたりの換気量及び振動周波数がコントロ
ーラの動作信号により調節自在である。また、上述した
コントローラは、振動周波数の入力を受け付ける受付部
と、振動空気圧付勢部に対してその出力振動空気圧を入
力された振動周波数に設定調節する動作制御を行う動作
制御部とを備えている。
【0017】そして、この動作制御部が、入力により振
動周波数を変更する設定調節を行う際に,患者の肺に対
する一振動周期あたりの換気量をV,振動周波数をf
とした場合、V ・fが一定値となる状態を維持しつ
つ、振動空気圧の一振動周期あたりの換気量及び振動周
波数を設定調節させる換気状態維持機能を備える、とい
う構成を採っている。
【0018】上記構成では、呼気導入部から吸気が発せ
られ、当該吸気は患者側経路内を通過して患者まで送ら
れる。さらに、かかる患者側経路を流動する吸気には振
動空気圧付勢部により振動空気圧が付勢される。そし
て、吸気は分岐管にて患者側と排気経路側との双方に流
動する。患者側に流動した吸気は、振動空気圧の陽圧に
より気管内挿入管を通じて患者の肺内に到達し、肺内に
酸素を供給する。また、その一方で肺から生じた二酸化
炭素を含んだ呼気は、振動空気圧の陰圧の作用により気
管内挿入管を通じて分岐管側に流動し、後続の吸気と共
に排気経路に押し流され、大気中に排出される。
【0019】そして、患者の換気効率が低いことが測定
により判明し振動周波数の設定が不適と判断された場
合、或いは患者の様態が変化したときのように必要が生
じた場合には、例えば受付部に接続された外部入力手段
により当該受付部に対して新たな振動周波数の入力が行
われる。
【0020】これにより、動作制御部では振動空気圧付
勢部から出力される振動空気圧の振動周波数を変更する
動作制御を開始する。即ち、振動空気圧付勢部に対し
て、入力前の振動周波数から入力された振動周波数に変
更する動作制御が行われるが、その変更の際には、振動
周波数の変更に伴って一振動周期当たりの換気量も変更
される。即ち、患者の肺に対する一回換気量Vと変更
後の振動周波数fとがV ・f=一定値となる条件を
満たすように振動周波数fと一振動周期当たりの換気量
とが変更される動作制御が行われる。
【0021】なお、上述した「一振動周期当たりの換気
量」は振動空気圧付勢部から直接出力された振動空気圧
の一振動周期当たりの振幅量を示し、「患者の肺に対す
る一回換気量」は患者の肺に到達した振動空気圧により
その一振動周期当たりで実際に換気される換気量を示
す。
【0022】「一振動周期当たりの換気量」と「患者の
肺に対する一回換気量」とは一致するとは限らないが、
「一振動周期当たりの換気量」と「患者の肺に対する一
回換気量」とは一定の相関関係を持って変化する。この
ため、目標となる「患者の肺に対する一回換気量」が予
め分かれば、対応する「一振動周期当たりの換気量」の
特定は可能であり、当該目標となる「一振動周期当たり
の換気量」となるように振動空気圧付勢部の動作制御が
行われる。
【0023】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の構成を備えると共に、受付部は患者の肺に
対する一回換気量の入力をも受け付け、動作制御部は、
振動空気圧付勢部に対して入力された換気量に設定調節
する動作制御を行うという構成を採っている。
【0024】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の動作が行われると共に、人工呼吸の開始前
の初期設定を行う場合や、人工呼吸の最中において患者
の血中二酸化炭素分圧に変化が生じているときに、例え
ば受付部に接続された外部入力手段により当該受付部に
対して患者の肺に対する一回換気量の入力が行われる。
【0025】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明と同様の構成を備えると共に、患者側経路の
平均気道内圧を調節する内圧調節部を備えると共に、受
付部は気道内圧の入力を受け付け、動作制御部は入力さ
れた気道内圧に従って内圧調節部の動作制御を行うとい
う構成を採っている。
【0026】ここで、平均気道内圧とは、振動空気圧付
勢部により振動周期で増減する患者側経路内の圧力を平
均化した値をいう。
【0027】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明と同様の動作が行われると共に、人工呼吸の
開始前の初期設定を行う場合や、人工呼吸の最中におい
て患者の血中酸素分圧に変化が生じているときに、例え
ば受付部に接続された外部入力手段により当該受付部に
対して気道内圧の入力が行われる。
【0028】請求項4記載の発明では、請求項1,2又
は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、受付部は
患者の肺の解剖学的死腔量及び定数の入力を受け付け、
コントローラは、入力された解剖学的死腔量をV,定
数をKとした場合に、式V=K・V ・f/V
定義される肺胞換気量Vを算出する算出部を備え、コ
ントローラに、算出された肺胞換気量Vを表示する表
示部を併設するという構成を採っている。
【0029】ここで、上述の肺胞換気量Vとは、振動
空気圧の一周期又は呼吸の一周期における患者の肺の酸
素と二酸化炭素の換気状態を定量的な目安として表す数
値である。また、解剖学的死腔量Vとは、気管と肺の
総容量の内で全肺胞の容積を除いた容積を示し、係数K
は、個々の呼吸回路によって左右される修正用の数値で
あり、約0.13〜0.19の範囲の数値である。
【0030】請求項4記載の発明では、請求項1,2又
は3記載の発明と同様の動作が行われると共に、例えば
受付部に接続された外部入力手段により当該受付部に対
して解剖学的死腔量V,定数Kの入力が行われると、
算出部では式V=K・V ・f/Vから肺胞換気
量Vを算出し、その算出結果を表示部にて表示する。
【0031】また、同時に、一振動周期あたりの換気量
又は振動周波数fの変更があった場合にも、式V
=K・V ・f/Vから肺胞換気量Vが算出さ
れ、その算出結果が表示部にて表示される。
【0032】本発明は、上述した各構成によって前述し
た目的を達成しようとするものである。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施の形態の全体構成)本発明
の第1の実施形態を図1乃至図10に基づいて説明す
る。図1は、本実施形態たる高頻度人工呼吸器12の構
成を示すブロック図である。
【0034】このこの高頻度人工呼吸器12は、患者X
への酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部62と、こ
の吸気導入部62から吸気を患者Xへ案内する患者側経
路60と、この患者側経路60を流れる吸気に患者Xの
呼吸周期よりも短い周期の振動空気圧を付勢する振動空
気圧付勢部50と、患者Xから出された二酸化炭素を含
んだ呼気を大気中に排出する排出経路70と、人工呼吸
器12の各部の動作制御を行うコントローラ40とを備
えている。
【0035】以下各部を詳説する。
【0036】(吸気導入部)上記吸気導入部62は、酸
素及び空気の供給源621a,621bと接続され、こ
れらを混合する第一の調節手段としてのブレンダ621
と、ブレンダ621から送り出される空気を加湿する加
湿器622とから構成されている。
【0037】酸素及び空気の供給源621a,621b
は、それらをそれぞれ封入したボンベや病院施設に備え
付けられたこれらの供給バルブから構成される。これら
の供給源621a,621bは、常に一定圧力でブレン
ダ側に酸素及び空気を供給している。
【0038】ブレンダ621は、各供給源621a,6
21bとの接続部に図示しない流量調節自在の弁を有
し、これらを調節して吸気の酸素濃度を自在に設定する
ことができる。また、ブレンダ621は、吸気を加湿器
622側に流す図示しない複数の出力バルブを備えてい
る。の出力バルブは、それぞれ流量が異なるものであ
り、任意の流量の出力バルブを選択することにより所定
流量の吸気の供給が行われる。なお、上記吸気の酸素濃
度設定や流量設定は、コントローラ40からの動作信号
を受けて自在に行われるようになっている。
【0039】加湿器622には、加湿された吸気を患者
Xへ供給する吸気管623が接続されている。吸気管6
23は、その途中で分岐して一端側が後述するダイヤフ
ラム機構56の被加圧室563に連通されるとともに、
その他端側が後述する三方分岐管170に接続されてい
る。
【0040】(振動空気圧付勢部)振動空気圧付勢部5
0は、陽圧及び陰圧の両方の空気圧を同時に発生するブ
ロワ52と、ブロワ52で発生した陽圧又は陰圧を交互
に選択して所定の振動空気圧に変換するロータリバルブ
機構54と、ロータリバルブ機構54からの振動空気圧
に付勢されて作動し,吸気導入部62から患者Xに供給
される吸気に振動空気圧を付勢するダイヤフラム機構5
6とを含む構成を採っている。
【0041】上述のブロワ52は、その内部に空気を取
り込みまたその空気を送り出すことにより陽圧と陰圧と
を同時に発生させる。ブロワ52の空気取り込み口は、
後述するロータリーバルブ機構54の陰圧ポート542
に接続され、空気の送り出し口は陽圧ポート541に接
続されている。
【0042】このブロワ52は、ファンとこれを回転駆
動させるモータとを有している。このモータはインバー
タを備え、その回転数をコントローラ40にて制御する
ことにより空気の送り出し量を設定している。この空気
の送り出し量と後述する一振動周期当たりの換気量とは
比例関係により、空気の送り出し量を増減させることで
一振動周期当たりの換気量の設定が行われる。
【0043】ロータリバルブ機構54は、ブロワ52か
ら陽圧が入力される陽圧ポート541と、ブロワ52か
ら陰圧が付勢される陰圧ポート542と、振動空気圧を
出力する出力ポート543と、自らの回転により出力ポ
ート543を陽圧ポート541と陰圧ポート542とに
交互に接続するロータリバルブ544と、ロータリバル
ブ544を回転させる駆動部545とから構成されてい
る。
【0044】駆動部545は、図示しないモータ及び減
速機からなり、ロータリバルブ544をコントローラ4
0にて指定された回転数で回転させる。ロータリバルブ
544は、一回転するごとに、ポート541とポート5
43とのみを一回連通させ、続いてポート542とポー
ト543とのみを一回連通させる。従って、供給される
吸気に対して駆動部545の回転数に比例した振動周波
数の振動空気圧Apnを付勢する。コントローラ40は、
かかる駆動部545の回転数の制御を行うことにより振
動空気圧Apnの振動周波数の制御を行っている。
【0045】なお、ポート543には、振動空気圧Apn
をダイヤフラム機構56へ伝達する振動空気圧管546
が接続されている。
【0046】ダイヤフラム機構56は、加圧室562及
び被加圧室563と、加圧室562と被加圧室563と
の間を仕切るとともに伸縮自在の膜状部材で形成された
ダイヤフラム561とを備えている。加圧室562は振
動空気圧管546に接続されている。加圧室562はロ
ータリーバルブ54の出力ポート543に接続されてお
り、被加圧室563は吸気管623に接続されている。
かかる構造によりロータリーバルブ54で形成された振
動空気圧はダイヤフラム561を介して吸気管623内
を流動する吸気に付勢される。
【0047】(患者側経路)さらに、高頻度人工呼吸器
12は、吸気管623の下流側に三方分岐管170を備
え、当該三方分岐管170がさらに下流側を患者X側と
排出経路側とに分岐させている。この三方分岐管170
は、患者側管路171(患者側端部),酸素供給源側管
路172及び呼気排出側管路173の三つの管路を備え
ており、これらの管路は全て内部で連通している。そし
て、酸素供給源側管路172が吸気管623と接続さ
れ、患者側管路171が患者Xの肺内に至る気管内挿入
管81と接続されている。これらの三方分岐管170と
吸気管623と気管内挿入管81とが患者側経路60を
構成している。また、患者側管路171には平均気道内
圧を検出する患者側圧力センサ93が設けられており、
検出圧力はコントローラ40に出力される。
【0048】気管内挿入管81は、患者Xの口から気管
内に挿入され、だいたい気管が左右の気管支に分岐する
分岐点(第一分枝)まで挿入される。従って、気管内挿
入管81は、患者Xの口から第一分枝まで充分に届く長
さに設定されており、また当然のことながら気管内に挿
入可能な外径に設定されている。
【0049】例えば、成人男子の場合、口部から第一分
枝まで22〜26[cm]程度であり、これに三方分岐管170
の患者側管路171から口元までの長さが+3〜5[cm]あ
るので、気管内挿入管81は合計して25〜31[cm]程の長
さであれば良く、本実施形態では30[cm]に設定される。
また、気管内挿入管81は、内側の直径が3[mm],5[mm],
6[mm],8[mm]の四種が用意されており、患者の気管の内
径に応じたものが選択されて使用される。一般に通常の
成人を対象とした場合、気管内挿入管81の内径は8[m
m]程度のものが使用される。
【0050】さらに、この気管内挿入管81は交換式で
あり、三方分岐管170の患者側管路171に対して着
脱自在となっている。従って、人工呼吸に使用された後
には取り外して廃棄又は除菌洗浄されて再利用される。
【0051】(排出経路)さらに、三方分岐管170の
呼気排出側管路173は、排出管604の一端部と接続
され、この排出管604の他端部には内圧調節部として
の流量調節バルブ607が接続されている。これら排出
管604と流量調節バルブ607とは、患者Xの肺から
出された二酸化炭素を含んだ吸気(呼気)の通り道とな
り、これらが呼気を大気中に排出する排出経路70を構
成する。
【0052】図2は、排出経路70の周囲を一部切り欠
いて示した拡大図である。この図に示すように、流量調
節バルブ607は、筺体607aと排気ポート607b
と流量制御用の移動弁(制御用シリコンシート)607
cと、この移動弁607cを一定方向に沿って前後進移
動させる往復付勢機構としてのソレノイド607dとを
備えている。
【0053】このソレノイド607dはコントローラ4
0からの制御信号に応じた移動量で移動弁607cを移
動させ、これにより、流量調節バルブ607の呼気排出
量の調節が自在に行われる。患者側経路60は排気経路
70と連通しているので、かかる呼気排出量の調節によ
り、排気経路70のみならず患者側経路60の気道内圧
をも調節することを可能としている。
【0054】(コントローラ)次に、コントローラ40
について図1及び図3を参照して説明する。図3は高頻
度人工呼吸器12の制御系を示すブロック図である。こ
のコントローラ40は、CPU,ROM,A/D変換器
を含む演算装置で構成され、後述する高頻度人工呼吸器
12の動作制御を実行するプログラムが入力されてい
る。
【0055】このコントローラ40は、医者(高頻度人
工呼吸器12のオペレータ)が高頻度人工呼吸器12の
各部の操作条件を入力するための操作盤43と後述する
肺胞換気量V及び一回換気量Vを表示する表示部4
4とが併設されている。
【0056】さらに、このコントローラ40は、操作盤
43から各種の操作条件の入力を受け付ける受付部41
と、操作盤43で入力された操作条件に従いブレンダ6
21,振動空気圧付勢部50及び流量調節バルブ607
の動作制御を行う動作制御部49とを備えている。
【0057】さらに、このコントローラ40は、操作盤
43から操作条件の設定入力を受け付ける受付部41
と、この受付部41に入力された各入力値に基づいて振
動空気圧付勢部50と吸気導入部62と流量調節バルブ
607とに対する動作制御を行う動作制御部49と、後
述する5次元マップを記憶したマップメモリ46と、肺
胞換気量Vを算出する算出部45とを備えている。
【0058】上述の操作盤43は、高頻度人工呼吸器1
2のオペレータたる医者が、患者Xの肺に対する一回換
気量V,振動空気圧の振動周波数f(以下、「換気周
波数とする」),吸気の供給量,患者側経路内の平均気
道内圧,選択した気管内挿入管81の径,患者Xの肺の
解剖学的死腔量V,肺胞換気量を求めるための定数K
及び吸気の酸素濃度を入力する例えばキーボードからな
る入力手段である。
【0059】操作盤43から入力されたこれらの操作条
件は全て、受付部41にて記憶される。この受付部41
は一時的に記憶を行うメモリであり、上記各々の操作条
件が新たに入力されると、それまで記憶されていた操作
条件を上書きして更新する。
【0060】また、表示部44は例えば液晶パネルから
なる表示部であり、動作制御部49の制御により受付部
41に入力された上記操作条件は全てこの表示部44に
て表示される。
【0061】次に、マップメモリ46について説明す
る。このマップメモリ46は、患者Xの肺に対する所望
の一回換気量,換気周波数,吸気の供給量,患者側経路
60内の平均気道内圧及び選択した気管内挿入管81の
径を五つの変数としてこれらを指定することにより、患
者Xの肺に対する所望の一回換気量を実現する振動空気
圧付勢部50の出力(正確にはブロワ52の駆動モータ
の出力)を特定する5次元マップを記憶している。
【0062】この5次元マップは、振動空気圧付勢部5
0の出力と振動空気圧の振動周波数と吸気の供給量と平
均気道内圧と選択された気管内挿入管の径とをそれぞれ
変化させて気管内挿入管81の先端部で一回換気量の計
測を行う試験の試験データに基づいて構築されている。
【0063】換言すると、この5次元マップは、吸気の
供給量と患者側経路60の平均気道内圧と換気周波数と
をそれぞれ複数の段階に分けて変化させた状態で、径の
異なる四種類の気管内挿入管81ごとにブロワ52の駆
動モータの出力と各気管内挿入管81の挿入側先端部で
観測される振動空気圧による一周期当たりの換気量との
相関関係について測定した無数の試験データにより構築
されている。
【0064】従って、吸気の供給量と患者側経路60の
平均気道内圧と換気周波数と気管内挿入管の径をそれぞ
れ指定すると、ブロワ52の駆動モータの出力と気管内
挿入管81の挿入側先端部で観測される振動空気圧によ
る一周期当たりの換気量との相関関係についての試験デ
ータを一つ特定することができる。
【0065】本実施形態では、気管内挿入管81の挿入
側先端部に圧力センサを備えるモデル肺を装備して観測
された振動空気圧による一周期当たりの換気量を「患者
の肺に対する一回換気量」と見なし、これを試験データ
としている。これは、高頻度人工呼吸では、患者の肺に
対する一回換気量は、当該肺の容積やコンプライアンス
等の特性の影響は少なく、吸気供給量,平均気道内圧,
換気周波数,振動空気圧の振幅量及び気管内挿入管の内
径による影響を受けてのみ変動することが試験により確
認されているためである。
【0066】そして、特定部45にて、上記特定された
一つの試験データからなる特性曲線から所望の一回換気
量に対応するブロワ52の出力を特定し、かかる特定さ
れた出力でブロワ52の駆動モータを駆動することによ
り、患者Xの肺に対してオペレータが所望する一回換気
量で高頻度人工呼吸を行うことを可能としている。
【0067】かかる5次元マップの構成について、図4
乃至図7に基づいて説明する。これらの図面は5次元マ
ップの概念を説明する説明図である。まず、5次元マッ
プは、吸気供給量を指定することにより次段階のマップ
iを特定する第一段階のマップM(図4)を有してい
る。第一段階のマップMでは五段階で吸気供給量の指定
が可能であり、例えば吸気供給量が30[l/min]であれば
第二段階のマップはM5に特定される。
【0068】第二段階のマップMiは、患者側経路60
の平均気道内圧を指定することにより次段階のマップM
ijを特定することができる(図5:一例としてM5のマ
ップを表している)。第二段階のマップMiでは十一段
階で平均気道内圧の指定が可能であり、例えば、第二段
階のマップM5において平均気道内圧が10[cmH2O](980[P
a])であれば第三段階のマップはM56に特定される。
【0069】第三段階のマップMijは、患者側経路60
の換気周波数を指定することにより次段階のマップM
ijkを特定することができる(図6:一例としてM56
マップを表している)。第三段階のマップMijでは五段
階で換気周波数の指定が可能であり、例えば、第三段階
のマップM56において換気周波数が15[Hz]であれば最終
段階のマップはM565に特定される。
【0070】最終段階のマップMijkは、各々指定され
た吸気の供給量,平均気道内圧及び換気周波数の条件下
で径の異なる四種類の気管内挿入管について測定試験に
より求められたブロワ52の出力と患者Xの肺に対する
一回換気量との相関関係についての試験データである。
図7は、最終段階のマップM565を線図により概念的に
表したものである。これによれば、患者側経路60の被
装着部171aに装着した気管内挿入管81の径が8[m
m]であって患者Xの肺に対する一回換気量を78[ml]とし
て高頻度人工呼吸を行いたい場合には、ブロワ52の駆
動モータの出力は80[%]に設定すれば良いことが分か
る。
【0071】5次元マップは、以上のように構成されて
おり、これにより、吸気の供給量,平均気道内圧,換気
周波数,気管内挿入管の径及び所望の一回換気量を指定
することにより、当該所望の一回換気量で高頻度人工呼
吸を行うブロワ52の駆動モータの出力を特定すること
ができる。なお、上述の説明では、各パラメータの指定
を一定幅の段階的に行っているが、予めより多くの試験
データを取得することにより、指定可能な段階幅をより
狭めても良い。これにより、より細密に患者Xの肺に対
する一回換気量の設定を行うことが可能である。
【0072】次に動作制御部49について説明する。こ
の動作制御部49は、受付部41に記憶された吸気の酸
素濃度を参照し、吸気導入部62のブレンダ621の各
供給源621a,621b側のバルブを所定の割合の開
度で開く動作制御を行う。また同時に、受付部41の吸
気供給量を参照し、吸気導入部62のブレンダ621の
出力バルブを所定の開度で開く動作制御を行う。
【0073】また、動作制御部49は、受付部41に記
憶された平均気道内圧を参照し、患者側圧力センサ93
の検出圧力が記憶された値となるように流量調節バルブ
607の開度を調節する動作制御を行う。
【0074】さらに、動作制御部49は、受付部41に
対して新たに振動周波数fの入力が行われると、振動空
気圧付勢部50に対して操作盤43から入力された換気
周波数fに変更する動作制御を行う。そして、動作制御
部49は、患者の肺に対する一回換気量Vの二乗の値
と振動周波数fとの積が常に一定の値となるように、換
気量Vの値を換気周波数fの値と共に変化させながら
目標の換気周波数fに設定する換気状態維持機能42を
備えている(V ・fが常に一定値)。
【0075】即ち、換気周波数の変更前の換気周波数を
,患者の肺に対する一回換気量をVT0とし、受付
部41に新たに入力された変更後の換気周波数をf
変更後の一回換気量をVT1とすると、f・VT0
・VT1が成立する。
【0076】従って、動作制御部49では、換気周波数
の設定のためにロータリーバルブ54の駆動部54
5の回転数を制御し、患者の肺に対する一回換気量V
T1の設定のためにブロワ52の出力を制御する。な
お、ブロワ52の出力は前述したマップメモリ46の5
次元マップを参照して特定される。
【0077】また、動作制御部49は、受付部41に対
して患者Xの肺に対する一回換気量Vのみを単独で入
力されると、振動空気圧付勢部50に対してその出力振
動空気圧Apnを一回換気量Vに設定調節する動作制御
を行う。このときも動作制御部49では、前述した5次
元マップを参照しつつブロワ52の出力を特定し、一回
換気量Vの設定を行う。同時に動作制御部49では設
定された一回換気量V の表示を行う。かかる一回換気
量Vの表示は、新たに一回換気量Vが入力された場
合や換気周波数fの変更により変わってしまった場合に
更新される。
【0078】次に算出部45について説明する。この算
出部45は、受付部41に対して解剖学的死腔量V
定数Kの入力が行われると、式V=K・V ・f/
に従って肺胞換気量Vを算出する。また、受付部
41から解剖学的死腔量V,定数Kの入力が行われな
かったときには、式V’=V ・fに従って簡略化
して求められた肺胞換気量V’を算出する。このと
き、一回換気量V又は振動周波数fの値が変化するご
とに肺胞換気量V又はV’も新たに更新して算出さ
れる。そして算出された肺胞換気量V又はV’は常
に表示部44にて表示される。
【0079】(原理説明)以下、上述したコントローラ
40の動作制御の原理説明を行う。現在、呼吸に基づい
た換気による肺内外のガスの運搬状態を定量的に表す目
安として、肺胞換気量Vが用いられている。この肺胞
換気量Vは、患者によって個人差のある数値である。
通常、肺胞換気量Vは、肺内のCO2に着目して次のよ
うに定義される。
【0080】 V=VCO2/FACO2 …(1) [VCO2:CO2の呼出量, FACO2:肺胞のCO2濃度]
【0081】上式(1)は、肺の最小単位レベルである肺
胞において、換気によって肺胞から排出されたCO2の量
と排出後の肺胞に留まっている血中CO2濃度(血中二酸
化炭素分圧)との比を意味するものである。つまり、肺
胞換気量Vが同じならぱ、患者の動脈血中二酸化炭素
濃度(PaCO2)が変わらず、患者の様態も同じである。
【0082】ここで、高頻度ではない通常の人工呼吸器
や自発呼吸による換気の場合、吸い込んだ一回換気量V
のうち、実際に血液とガス交換するのは、解剖学的死
腔量Vを越え、肺胞まで実際に到達したガス量である
と考えられている。よって、肺胞換気量Vは次のよう
に求められる。
【0083】 V=(V−V)×f …(2) [V:一回換気量,V:解剖学的死腔量,f:換気
周波数]
【0084】よって、高頻度ではない人工呼吸では、治
療初期の換気の状態を(2)式によって、肺胞換気量V
を求め、その値を変えない様に、高頻度人工呼吸器の
操作パラメータである、「換気周波数f」と「一回換気
量V」を変えていけば、患者のガス交換の状態もしく
は、患者の動脈血中炭酸ガス濃度の状態を常に同等に保
つことができる。
【0085】高頻度人工呼吸(HFO)の換気に関して
は、通常換気とガスの運搬メカニズムは異なるため、上
式(2)をそのまま適用することができないが、HFOでは学
会の研究により、次式(3)の関係があることが明確にな
ってきた。
【0086】V∝V ・f …(3)
【0087】これは、肺胞換気量Vは、「一回換気量
の2乗」×「換気周波数f」に比例することを意味す
る。さらに詳細な式として次のようにまとめられてい
る。
【0088】V=K・V ・f/V …(4) [K:定数(0.13〜0.19),V:解剖学的死腔量,
f:換気周波数]
【0089】上式(4)に従って、最初の状態の肺胞換
気量Vを変化させない様に、人工呼吸器の操作パラメ
ータである「一回換気量V」、「換気周波数f」を変
化させれば、ガス運搬の定量的値は変わらないため、こ
れは肺胞レベルのガス交換も同じであること意味するの
で、実質患者の動脈血中炭酸ガス濃度の状態を常に同じ
状態に保つことができる。
【0090】また、定数K及び解剖学的死腔量Vの入
力が、医者にとって困難である場合を考慮して、上式
(4)を単純化しても良い。肺胞換気量は式(3)の関係
から考えると、次式(5)のように単純化できる。
【0091】V’=V ・f …(5)
【0092】上記コントローラ40の動作制御の説明を
かねて高頻度人工呼吸器12全体の動作について図1乃
至図3及び図8,9に基づいて説明する。図8は高頻度
人工呼吸器12の動作を示すフローチャートであり、図
9は図8の動作に続く動作のフローチャートである。
【0093】まず、医者は、患者Xの年齢,体重,様態
に応じて振動空気圧Apnの換気周波数f,一回換気量V
,患者側経路60の平均気道内圧,使用する気管内挿
入管の内径,吸気の供給流量及び吸気の酸素濃度の基本
パラメータを操作盤43から入力する。
【0094】また、事前の検査により患者Xの肺の解剖
学的死腔量V及び肺胞換気量Vを求めるための定数
Kが分かっている場合には、これらの値も操作盤43か
ら入力を行う。
【0095】高頻度人工呼吸器12のコントローラ40
では、上記入力された各基本パラメータ及び入力された
場合には患者Xの肺の解剖学的死腔量V及び肺胞換気
量V を求めるための定数Kが受付部41に記憶され
る。
【0096】そして、コントローラ40では、上記各基
本パラメータが入力されたことが確認されると(ステッ
プS1)、さらに、解剖学的死腔量V及び定数Kの入
力が確認される(ステップS2)。
【0097】解剖学的死腔量V及び定数Kの入力が成
されなかった場合には、算出部45では前述した式(5)
により肺胞換気量V’が算出され、これが表示部44
にて表示される(ステップS3)。また、解剖学的死腔
量V及び定数Kの入力が成された場合には、算出部4
5では前述した式(4)により肺胞換気量Vが算出さ
れ、これが表示部44にて表示される(ステップS
4)。
【0098】そして、動作制御部49は受付部41を参
照して入力された各基本パラメータに従って各部の動作
制御を行う(ステップS5)。即ち、吸気導入部62に
対して、入力された吸気の酸素濃度となるように供給源
621a,621bの弁開度を調節し、入力された吸気
の供給流量となる出力バルブが選択されて開かれる動作
制御が行われる。
【0099】また、動作制御部49は、ロータリーバル
ブ54に対して入力された換気周波数fとなるように、
駆動部545のモータの回転数を制御する。さらに、動
作制御部49は、ブロワ52に対して入力された一回換
気量Vとなるようにブロワ52の駆動モータの回転数
を制御する。また、動作制御部49は、流量調節バルブ
607に対して、患者側圧力センサ93での検出圧力が
入力された平均気道内圧となるように流量調節バルブ6
07の開度を調節する。
【0100】さらに、動作制御部49は上述の動作制御
を行うと共に入力された一回換気量Vを表示部44に
て表示する。
【0101】上述の動作制御により高頻度人工呼吸器1
2は立ち上げられ、これにより、呼気導入部62から吸
気が発せられ、当該吸気は患者側経路60内を通過して
患者Xまで送られる。さらに、かかる患者側経路60を
流動する吸気には振動空気圧付勢部50により振動空気
圧Apnが付勢される。そして、吸気は分岐管170にて
患者X側と排気経路70側との双方に流動する。患者X
側に流動した吸気は、振動空気圧Apnの陽圧により気管
内挿入管81を通じて患者Xの肺内に到達し、肺内に酸
素を供給する。また、その一方で肺から生じた二酸化炭
素を含んだ呼気は、振動空気圧Apnの陰圧の作用により
気管内挿入管81を通じて分岐管170側に流動し、後
続の吸気と共に排気経路70に押し流され、大気中に排
出される。
【0102】上述の如く高頻度人工呼吸器12による高
頻度人工呼吸を開始した後には、医者は患者Xの様態に
より、HFOのパラメータである一回換気量V,換気周
波数f,平均気道内圧,吸気供給量,吸気の酸素濃度の
値を変更するべく新たな値を入力する。
【0103】これら新たな入力の内、平均気道内圧,吸
気供給量,吸気の酸素濃度のいずれかの入力があったと
きには(ステップS6)、動作制御部49は前述と同様
の動作制御を行い、新たな動作条件に設定する(ステッ
プS7)。
【0104】また、新たな一回換気量Vの入力があっ
たときには(ステップS8)、動作制御部49は前述と
同様の動作制御をブロワ52に対して行い、新たな一回
換気量Vに設定する(ステップS9)。このように、
換気周波数fを変えることなく一回換気量Vのみを変
更した場合には、肺胞換気量V’(又はV)も変化
するので、算出部45では、式(5)により(解剖学的死
腔量V及び定数Kの入力が成されているときには式
(4)により)新たに肺胞換気量V’(又はV)を算
出して(ステップS10)、表示部45にて表示する
(ステップS11)。
【0105】また、新たな換気周波数fの入力があった
ときには(ステップS12)、動作制御部49は、換気
状態維持機能42により、換気周波数fの移行に伴い一
回換気量Vも変化させる。即ち、V ・fが一定値
となるようにブロワ出力とロータリーバルブ回転数とを
同時に変化させる動作制御が行われる(ステップS1
3)。
【0106】上記、動作制御部を具体的に数値の一例に
基づいて説明する。変更前の状態が、一回換気量100[m
l]、換気周波数15[Hz]で式(5)により算出する場合
は、次式(6)の如く肺胞換気量V’が算出部45にて
算出される。
【0107】 V’=V ・f=1002×15=150000 …(6)
【0108】上記状態から換気周波数fを9[Hz]に変更
したい場合、肺胞換気量V’を維持する一回換気量V
は次式(7)から算出される。
【0109】 V=(V’/f)1/2=(150000/9)1/2=129.1≒130 …(7)
【0110】従って、換気周波数fを15[Hz]から9[Hz]
に移行する際に、これと同時に一回換気量Vは100[m
l]から130[ml]に移行する動作制御が行われる。ここ
で、一例として、換気周波数fを変化させたときに、肺
胞換気量V’=150000を維持する一回換気量Vの変
化を図10に示す。
【0111】上述の動作制御が動作制御部49にて行わ
れると共に、当該動作制御により変更された一回換気量
が算出部45により算出され(ステップS14)、
表示部44にてこの新たな一回換気量Vが表示される
(ステップS15)。
【0112】このようにして、高頻度人工呼吸器12で
は、変化する患者Xの様態に対応して各種パラメータが
随時入力され、これに対応する動作制御を行いつつ、継
続的に高頻度人工呼吸が行われる。
【0113】以上のように本実施形態は、動作制御部4
9が換気状態維持機能42を備えているので、換気周波
数fの変更の際に、同時に一回換気量Vが、V
fが一定値となる状態を維持しつつ変更される。従っ
て、換気周波数fの設定変更の際に、肺胞換気量V
一定値に維持することができ、これに伴い血中二酸化炭
素濃度の急激な変化の発生を回避することが可能とな
る。
【0114】このため、血中二酸化炭素分圧を決定する
二つのパラメータ間の相互の影響を低減し、換気周波数
fの設定変更の際に、患者の換気状態変化の発生の可能
性が回避され、かかる換気周波数fの設定変更時の煩雑
性を解消することが可能となった。
【0115】また、コントローラ40に、算出部45に
て算出された肺胞換気量Vを表示する表示部44を併
設する構成とした場合、患者Xの換気状態を認識する目
安となる肺胞換気量Vを観察しながら高頻度人工呼吸
を行うことが可能となり、高頻度人工呼吸器12の操作
を行う医者は、より的確な換気条件に設定することが可
能となる。
【0116】ここで、上述した高頻度人工呼吸器12で
は、換気周波数を変更する際には式(3)の条件に従い、
常に一回換気量も同時に変化させる動作制御を行ってい
るが、特にこれに限定するものではない。例えば、換気
周波数の変更を、当該換気周波数のみ単独で変更する制
御と、一回換気量と連動させる制御との選択を操作盤4
3から入力可能とし、動作制御部49ではこの選択に従
って二つの動作制御の内の選択された方を実行する機能
を備える構成としても良い。
【0117】また、換気周波数の変更に伴い新たに設定
される一回換気量の算出は、算出部45にて行い、その
算出結果を動作制御部49に出力する構成としても良
い。
【0118】さらにその場合、変更前の換気周波数と変
更後の換気周波数の差と、変更前の一回換気量と変更後
の一回換気量との差とを、それぞれ表示部44にて表示
させる動作制御を行っても良い。
【0119】
【発明の効果】本願発明は、動作制御部が換気状態維持
機能を備えているので、振動周波数fの変更の際に、同
時に一振動周期当たりの換気量Vが、V ・fが一
定値となる状態を維持しつつ変更される。従って、振動
周波数fの設定変更の際に、肺胞換気量Vを一定値に
維持することができ、これに伴い血中二酸化炭素濃度の
急激な変化の発生を回避することが可能となる。
【0120】このため、血中二酸化炭素分圧を決定する
二つのパラメータ間の相互の影響を低減し、振動周波数
の設定変更の際に、患者の換気状態変化の発生の可能性
が回避され、かかる振動周波数の設定変更時の煩雑性を
解消することが可能となった。
【0121】また、コントローラに、算出部にて算出さ
れた肺胞換気量Vを表示する表示部を併設する構成と
した場合、患者の換気状態を認識する目安となる肺胞換
気量を観察しながら高頻度人工呼吸を行うことが可能と
なり、高頻度人工呼吸器の操作を行うオペレータは、よ
り的確な換気条件に設定することが可能となる。
【0122】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これによると、従来にない優れた高頻度人工呼吸器
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態たる高頻度人工呼吸器の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1で開示した流量調節バルブの詳細を示す断
面図である。
【図3】図1で開示した高頻度人工呼吸器の制御構成を
示すブロック図である。
【図4】5次元マップの第一段階のマップの概念を説明
する説明図である。
【図5】5次元マップの第二段階のマップの概念を説明
する説明図である。
【図6】5次元マップの第三段階のマップの概念を説明
する説明図である。
【図7】5次元マップの最終段階のマップの概念を説明
する説明図である。
【図8】図4は高頻度人工呼吸器の動作を示すフローチ
ャートである。
【図9】図5は図4の動作に続く動作のフローチャート
である。
【図10】換気周波数fを変化させたときに、肺胞換気
量V’=150000を維持する一回換気量Vの変化を示
す線図である。
【図11】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
12 高頻度人工呼吸器 40 コントローラ 41 受付部 42 換気状態維持機能 44 表示部 45 算出部 49 動作制御部 50 振動空気圧付勢部 60 患者側経路 62 吸気導入部 70 排出経路 607 流量調節バルブ(内圧調節部) f 換気周波数(換気周波数) K 定数 V 肺胞換気量 V 解剖学的死腔量 V 一回換気量(一振動周期当たりの換気量) X 患者

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者への酸素を含んだ吸気を供給する吸
    気導入部と、この吸気導入部から前記吸気を前記患者へ
    案内する患者側経路と、この患者側経路を流れる吸気に
    前記患者の呼吸周期よりも短い周期の振動空気圧を付勢
    する振動空気圧付勢部と、前記患者から出された二酸化
    炭素を含んだ呼気を大気中に排出する排出経路と、前記
    振動空気圧付勢部の動作制御を行うコントローラとを備
    える高頻度人工呼吸器において、 前記振動空気圧付勢部は、前記振動空気圧の一振動周期
    あたりの換気量及び振動周波数が調節自在であり、 前記コントローラは、前記振動周波数の入力を受け付け
    る受付部と、前記振動空気圧付勢部に対してその出力振
    動空気圧を前記入力された振動周波数に設定調節する動
    作制御を行う動作制御部とを備え、 この動作制御部が、前記入力により振動周波数を変更す
    る設定調節を行う際に,患者の肺に対する一振動周期あ
    たりの換気量をV,振動周波数をfとした場合、V
    ・fが一定値となる状態を維持しつつ、前記振動空気
    圧の一振動周期あたりの換気量及び振動周波数を設定調
    節させる換気状態維持機能を備えることを特徴とする高
    頻度人工呼吸器。
  2. 【請求項2】 前記受付部は前記患者の肺に対する一回
    換気量の入力をも受け付け、 前記動作制御部は、前記振動空気圧付勢部に対して前記
    入力された換気量に設定調節する動作制御を行うことを
    特徴とする請求項1記載の高頻度人工呼吸器。
  3. 【請求項3】 前記患者側経路の平均気道内圧を調節す
    る内圧調節部を備えると共に、 前記受付部は平均気道内圧の入力を受け付け、 前記動作制御部は入力された気道内圧に従って前記内圧
    調節部の動作制御を行うことを特徴とする請求項1又は
    2記載の高頻度人工呼吸器。
  4. 【請求項4】 前記受付部は患者の肺の解剖学的死腔量
    及び定数の入力を受け付け、 前記コントローラは、前記入力された解剖学的死腔量を
    ,定数をKとした場合に、式V=K・V ・f
    /Vで定義される肺胞換気量Vを算出する算出部を
    備え、 前記コントローラに、前記算出された肺胞換気量V
    表示する表示部を併設したことを特徴とする請求項1,
    2又は3記載の高頻度人工呼吸器。
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JP2013517827A (ja) * 2010-01-22 2013-05-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 自動的に制御される換気システム

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