JP2001170028A - 皮膚のキメ粗さの測定方法およびキメ粗さ評価用キット - Google Patents

皮膚のキメ粗さの測定方法およびキメ粗さ評価用キット

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Yuki Kotake
由紀 小竹
Junko Motoyama
順子 本山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚表面のキメ粗さレベルの客観的判定や、
化粧品等によるキメ粗さの改善程度を、安価、簡便かつ
定量的に数値で表現でき、専門知識を有しない一般ユー
ザーにも手軽に測定が可能で、その意味を理解しやすい
キメ粗さの測定法を提供すること。 【解決手段】 皮膚表面上で皮溝が3本以上会合する点
を1交点とし、単位面積あたりの交点数を計測するか、
または交点1個あたりの平均面積を計測することによ
り、皮膚のキメ粗さを測定および評価する方法並びにそ
のために用いるキット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚のキメの粗さ
(あるいは、キメの細かさ)を測定する方法に関し、よ
り詳細には、個人によって異なるキメの粗さや、皮膚外
用剤が持つキメ粗さの改善効果を客観的に数値化し、専
門家だけでなく、一般ユーザーにも理解しやすい指標と
して提供するキメの粗さの測定方法およびキメ粗さの評
価用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の「キメ」とは、皮溝と皮丘から形
成される紋様であり、キメ粗さは、皮膚の美しさに関与
する重要な因子としてよく知られている。従って、この
キメ粗さを測定・評価し、その程度を的確に把握するこ
とは美容上、極めて重要なことである。
【0003】従来、行われているキメ粗さの測定方法と
しては、シリコンラバー等を用いて皮膚表面形状を写し
取るレプリカ、あるいは直接皮膚表面を撮影し、コンピ
ューター画像解析により数値化する方法が一般的であ
る。そのような方法として、レプリカ撮影台、キセノ
ン光源、テレビカメラ、イメージアナライザーなどの装
置を用い、キメ粗さパラメータ−として、レプリカに平
行光を照明することによって生じた影を撮影し、入力し
た画像についてスムージング補正後、一定レベルで二値
化して、皮溝による影領域を抽出し、皮溝間隔を測定す
る方法〔林照次ら;J.Soc.Cosmet.Che
m.Jpn.27(3)355−373、1993〕、
UVストロボ光源、CCDカメラ、デジタイザーなど
の装置を用い、キメ粗さパラメーターとして、CCDカ
メラでとらえた画像をデジタイザーに入力し、画像全体
の輝度分布を求め二値化画像を作成し、全体の総黒画素
数により皮溝の密度を測定する方法〔高橋元次;現代皮
膚科学大系、年刊版90−B、P13、(中山書店)1
990〕が知られている。
【0004】しかしながら、上記方法は、高価なレプリ
カや皮膚の画像入力装置、高度な画像解析ソフトを必要
とし、結果を示す数学的パラメータ−は専門家でないと
解釈できない難解なものであり、一般ユーザーがキメの
状態を把握することは不可能なものであった。
【0005】また近年、一般ユーザーにわかりやすいキ
メの評価法として、皮膚レプリカの凹凸を表面粗さ計で
取りこみデジタル化し、フーリエ変換によりパワースペ
クトルを得、キメ粗さパラメーターとして、このパワー
スペクトルの振幅を音として出力する方法も開発されつ
つある(特開平4−305113号公報;特開平5−1
46412号公報)。しかし、この方法では高価な装置
と高度な画像解析ソフトを必要とし、その結果得られる
パワースペクトルの振幅で、相対的なキメの良否は判断
できるものの、一般ユーザーがその意味を理解し、定量
的なキメレベルを把握することは不可能である。
【0006】また、顔の一部を覆い隠すことができる程
度の大きさのチエッカー基板で、その一部に測定対象肌
を見通すことができる切欠き部を形成し、キメ粗さパラ
メーターとして、前記切欠き部のすぐ近くのチエッカー
基板表面にキメのタイプの代表見本写真を数種表示し、
これと比較することによりキメの状態を把握する方法も
提案されている(特開平9−262135号公報)。し
かし、この方法では、わずか3〜4段階のキメの見本写
真と比較するため、精度のよいキメの評価は不可能であ
り、化粧品等の効果を一般ユーザーが判断することはで
きないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の方法は、高価な装置や高度な画像解析ソフトを必要と
し、得られたキメの状態を示す数学的パラメーターは、
専門知識を有しない一般ユーザーには理解できないもの
であった。また、簡便で一般ユーザーにわかりやすいも
のは、精度が劣り定量性が不十分なものであった。
【0008】従って、本発明は、皮膚表面のキメ粗さレ
ベルの客観的判定や、化粧品等によるキメ粗さの改善程
度を、安価、簡便かつ定量的に数値で表現でき、専門知
識を有しない一般ユーザーにも手軽に測定が可能で、そ
の意味を理解しやすいキメ粗さの測定・評価法を提供す
ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明らは、鋭意研究の
結果、皮膚上の皮溝の交点数がキメ粗さと一定の関係を
有するとの知見を得、これを指標として用いることによ
り、キメ粗さの客観的かつ定量的な評価が可能であるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)
に存する。 (1)皮膚表面上で皮溝が3本以上会合する点を1交点
とし、単位面積あたりの交点数を計測するか、または交
点1個あたりの平均面積を計測することにより、皮膚の
キメ粗さを測定する方法。 (2)上記(1)記載の方法により測定される皮膚のキ
メ粗さを、年齢との関係において統計的手段により解析
することを特徴とする肌年齢の評価方法。 (3)上記(1)記載の方法により測定される皮膚のキ
メ粗さを、化粧品または薬効成分の適用の前後、適用の
有無もしくは適用量の多少との関係で比較解析すること
を特徴とする化粧品または薬効成分の効果の判定方法。 (4)下記の(a)〜(c)からなる皮膚のキメ評価用
キット。 (a)皮膚表面のキメを写し取るレプリカ材料 (b)レプリカ上の交点数を計測するための計測用枠 (c)キメ粗さ判定表
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法において、キメ粗さを
測定する際に計測の対象となる「皮膚表面上で皮溝が3
本以上会合する点」を図面により説明する。図1は、皮
膚表面、または、そこから写し取られたレプリカの状態
を拡大した模式図である。皮膚上の皮溝1は、皮丘2を
囲むようにしながら、皮膚上を縦横斜めに走っている。
黒丸3は、皮溝が3本以上会合する点の一つを明示した
ものである。このように本発明では、皮溝が3本以上会
合する点を「交点」として、その数を計測するものであ
る。
【0012】交点数の計測を行う部位は、皮膚表面であ
れば特に制限はなく、例えば、顔面、腕等の任意の部位
に適用できる。
【0013】キメ粗さの測定は、皮膚上の単位面積あた
りの交点数を計測するか、または交点1個あたりの平均
面積を計測することにより行われる。ここで、交点数計
測のための単位面積は、後記するように年齢が高くなる
に従い交点数が減少する(つまり、キメ細かさが失われ
る)傾向が見られることから、被験者の年齢によって適
宜設定することが好ましい。例えば、比較的キメの細か
い30代までを対象とする場合には、0.25cm2
単位面積を設定し、比較的キメの粗い40代以上を対象
とする場合は、1cm2の単位面積を設定することがで
きる。もっとも、キメの粗さ・細かさは、年齢以外に、
性別、健康状態、スキンケアの頻度等の条件によって大
きな幅があり、個人差も大きいことから、上記面積値は
あくまでも一応の目安であり、通常は数種類の単位面積
で測定できるように準備しておくことが好ましい。計測
に際しては、数箇所の交点数の測定結果から平均値を求
めることが好ましい。一方、交点1個あたりの平均面積
を計測する場合には、適宜設定した面積の枠内において
計測される1以上の交点数から、交点1個当たりの面積
を算出して、その平均を求めればよい。
【0014】交点数を計測する際には、計測用枠を用い
ることが好ましい。この計測用枠は、その材質や形状等
に特に制約はなく、一定面積の枠中において、交点を観
察し、計測できるものであればよい。例えば、紙、合成
樹脂、ガラス等の材質でできた薄い板状、フィルム状等
の部材に、例えば、正方形、円形等の所定面積の枠が設
けられたものが好適に用いられる。この枠は、一定面積
を規定できる手段であれば特に制約がなく、例えば、上
記部材の一部または全部に、溝やインク等により描かれ
たものや、上記部材中の所定面積が切除されたもの、さ
らには当該切除部位に透明な部材(例;ガラス、合成樹
脂フィルムなど)を張り付けたもの等を挙げることがで
きる。
【0015】また、交点数の計測は、直接皮膚表面にお
いて行うことができるが、例えばレプリカ材料を皮膚に
適用することによって写し取られたレプリカ上で行うこ
とも可能である。レプリカ材料としては、例えば、シリ
コンラバーに硬化剤を滴下する2液混合タイプのもの
や、セルロイド板(SUMP法:Suzuki's universalm
icroprinting法)などが挙げられるが、皮膚表面のキメ
が観察できるものなら特に制約なく利用できる。レプリ
カを実施する際には、付属品を使用する場合があり、例
えば上記の2液混合タイプでは、液を攪拌するためのシ
ート(シリコンが浸透しにくいトレーシングペーパーの
ような材質)、攪拌さじ(パテのような、発泡せずによ
く攪拌できるもの)等を使用することがあるが、これら
も本発明のレプリカ材料に含まれる。
【0016】上記方法により、皮膚のキメ粗さを測定す
ることが可能であるが、得られた測定結果を統計データ
と比較することにより、キメ粗さの評価を容易に行うこ
とができる。すなわち、例えば、上記方法により測定さ
れる皮膚のキメ粗さを年齢との関係において統計的手段
により解析することにより、肌年齢の評価を行うことが
できる。この場合の評価は、測定された交点数を、キメ
粗さレベルをわかりやすく示した判定表と比較すること
により行われる。このキメ粗さ判定表は、年齢や性別の
異なる多数のサンプルから、年齢と単位面積当たりの交
点数(または1交点当たりの面積)との関係を示す検量
線を作成し、その結果をわかりやすく数値化して年齢別
の表形式にしたものである。ここでは、一例として0歳
から65歳までの男女218名の交点数を測定した。そ
の結果得られた検量線に基づき作成した判定表を、以下
の表1、表2、表3として示す。また、表1、表2、表
3に対応する検量線を、それぞれ図2、図3、図4に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】表1に示す判定表は、交点数計測の単位面
積を0.25cm2に設定したものであり、表2に示す
判定表は同単位面積を1cm2に設定したものである。
また、表3に示す判定表は、交点当たりの面積を示すも
のである。キメ粗さレベルは性別により異なるため、判
定表1〜3では、男女を別けて示した。使用者は測定に
用いた枠の大きさに対応する判定表を使い、測定結果と
対比することにより、キメ粗さレベルの評価ができる。
この判定表を利用することにより、使用者は自分のキメ
粗さがどのレベルにあるのかを定量的かつ簡便に把握で
きるので有利である。また、化粧品や薬効成分の使用等
によりキメの粗さが改善したかどうかについて、使用前
後等の交点数を計測し比較することで、定量的に変化を
把握することも可能である。すなわち、上記記載の方法
により測定される皮膚のキメ粗さを、化粧品や薬効成分
等の適用の前後、適用の有無または適用量の多少との関
係で比較解析することにより、化粧品や薬効成分等の効
果の判定を行うことができる。
【0021】本発明によるキメ粗さの測定および評価に
使用する器具や判定表は、これらをひとまとめに備えた
キットとすることもできる。本発明による皮膚のキメ評
価キットは、少なくとも下記の(a)〜(c)を含む。 (a)皮膚表面のキメを写し取るレプリカ材料 (b)レプリカ上の交点数を計測するための計測用枠 (c)キメ粗さ判定表
【0022】キットを構成する(a)〜(c)の器具等
は前記のものが用いられ、その使用方法や評価手段は、
本発明方法に従い行われる。
【0023】本発明キットの使用方法等の具体例を挙げ
ると以下のとおりである。レプリカ材料(a)およびキ
メ判定表(c)としては、前記したものを用いた。レプ
リカの交点数をカウントするための計測用枠(b)は、
正方形とし、評価対象者のキメ粗さレベルによって使い
分けられるよう、1cm四方(キメの粗い40代以降を
対象)、0.5mm四方(キメの細かい30代までを対
象)など数種類を準備した。ここで、本発明キットは、
例えば、カウントを容易にするための拡大鏡、マークし
ながらカウントするためにレプリカに貼り付けるセロフ
ァン(透明のものなら何でもよい)、前記セロファン等
をとめるクリップなどを含むものであってもよい。さら
にはマーキングとともにカウントが表示される、カウン
ターペンを含むといっそう便利である。
【0024】使用者はまず、レプリカ剤をシート上でパ
テにて混合し、鏡を見ながら顔の評価したい部分に塗り
つける。3分後にレプリカをはがし、その上にカウント
範囲を限定する透明な枠をのせ、さらにセロファンをの
せて、ずれないようにクリップで押さえる。拡大鏡を使
いながらカウンターペンでマーキングしていき、枠内の
交点数をカウントしていく。前記したように、カウント
は皮膚表面上の皮溝が3本以上会合する点を1交点と
し、枠内の交点数を計測することにより行われる(図1
参照)。キメ粗さの評価は、キメ粗さ判定表(c)から
交点数に対応する年齢を読み取ることにより行われる。
【0025】
【実施例】次に、実施例、試験例により、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるもので
はない。
【0026】実施例1 ヒトのキメ粗さレベル評価:35歳女性被験者2名
(A、B)について、被験者とは異なる評価者がキメ粗
さレベルを測定した。レプリカ剤として、SILFLO(英国
FLEXICO DEVELOPMENTSLTD.社製)を用いた。被験部位
に油分が存在するとレプリカがうまく固まらないため、
被験者には表4に示す洗顔料(クリーム状洗浄剤組成
物)を用いてよく洗顔させた。
【0027】
【表4】
【0028】また、緊張を伴うとキメの状態が変化する
ため、測定に際しては、可倒式のゆったりしたイスに横
たわらせ、目を閉じさせた。前記レプリカ剤のSILFLOを
調整して目尻に塗布し、3分後にレプリカをはがした。
得られたレプリカは判定の精度を上げるために拡大して
写真撮影した。これをアルバムに入れて、写真上で1c
m四方となる大きさの正方形の枠をのせコロニーカウン
ターを用いて皮溝が3本以上会合する点を1交点とし、
単位面積あたりの交点数を計測した。その結果、被験者
Aは351個/cm2、被験者Bは198個/cm2
り、これをキメ粗さ判定表を用いて評価したところ、実
年齢がともに35歳であるにもかかわらず、被験者Aは
20代後半の、被験者Bは40代前半のキメ粗さレベル
と判定された。
【0029】実施例2 キットを用いたキメ粗さレベル評価:実施例1と同様に
して、40歳の一般ユーザーCが、自分自身のキメ粗さ
レベルを本発明キットを用いて自ら判定した。洗顔して
3分後にレプリカをはがし、その上にカウント範囲を限
定するための0.5cm四方の正方形の枠をのせ、さら
にセロファンをのせて、ずれないようにクリップで押さ
えた。拡大鏡を使いながらカウンターペンでマーキング
していき、枠内の交点数をカウントした。皮膚表面上の
皮溝が3本以上会合する点を1交点とし、枠内の交点数
を計測したところ、測定された交点数は、51個/0.
25cm2であった。この結果を判定表と比較すると、
同年代の平均的なキメ粗さレベルにあると判定された。
【0030】実施例3 マウス皮膚光老化試験:1群5匹のヘアレスマウス(h
os:HR−1、10週齢、雌)の背部皮膚に紫外線U
VBを、1日あたり1回50mJ/cm2の連続照射と
なるように、週3回(すなわち、週3日)ずつ、10週
間にわたり照射した。試験開始前、4週照射後、7週照
射後、および10週照射後に、それぞれ実施例1と同様
にして背部皮膚のレプリカを採取した。対照として、同
週齢非照射群(1群5匹)についても同様に背部皮膚の
レプリカを採取した。各レプリカを拡大して写真撮影
し、これをアルバムに入れて、写真上で1cm四方とな
る大きさの正方形の計測用枠をのせ、コロニーカウンタ
ーを用いて皮溝が3本以上会合する点を1交点とし、単
位面積あたりの交点数を計測した。その結果を表5に示
す。
【0031】
【表5】
【0032】表5から明らかなように、紫外線によって
マウスのキメが粗くなることが定量的に測定できた。こ
の紫外線照射マウスのモデル系は、顔などヒト露光部の
キメの変化のモデルとして有用なものであり、また、動
物モデルにおけるキメ評価の定量的な指標としても有用
である。
【0033】実施例4 化粧品を使用時のヒトのキメ粗さ変化の測定:29歳か
ら47歳までの女性被験者10名に対し、表6に示す組
成のクリームPおよびQをハーフフェイスで左右の目尻
部に1回0.2g、1日2回、1ヵ月間使用させ、使用
前後のキメ粗さレベルを実施例1と同様に測定した。測
定の結果得られた使用前後の被験者のキメ粗さ変化につ
いて、被験者10名の平均値を表7に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】この結果より、クリームPに含まれ、Qに
含まれない3成分(酸化型コエンザイムA、クレアチニ
ン、ダービリアエキス)がキメ粗さを改善するのに有効
であると判断できた。
【0037】実施例5 化粧品使用前後のヒトのキメ粗さ変化の評価:一般ユー
ザーである42歳女性が表6に示す組成のクリームPを
左右の目尻部に1回0.2g、1日2回、1ヵ月間使用
し、使用前後のキメ粗さレベルを実施例2と同様に測定
した。使用前には41個/0.25cm2だったキメ粗
さは、使用後には53個/0.25cm2と増加した。
この結果を、前記表1の判定表により判定すると、使用
前は「45才」、使用後は「40才」であった。このよ
うに一般ユーザーが、化粧品のキメ改善効果を、「5歳
若返る程度」というように定量的に、かつ簡便に把握で
きた。
【0038】実施例6 マウス皮膚光老化試験におけるキメ粗さ改善効果:実施
例3と同様にして、非照射群、照射群D、EおよびF
(1群5匹)の光老化マウスを作成した。照射終了後、
照射群Dは未処置、照射群Eには下記の表8の液Rを、
照射群Fには液Sを、1日2回背部に1匹あたり100
μlずつ塗布した。1ヶ月後に各群の背部皮膚のレプリ
カを実施例3と同様に採取し、交点数を測定した。その
結果を表9に示す。
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】表9の結果より、紫外線照射マウスのモデ
ル系においても、液Sに含まれ、液Rに含まれない3成
分(酸化型コエンザイムA、クレアチニン、ダービリア
エキス)がキメ粗さを改善するのに有効であると判断で
きた。
【0042】実施例7 マウス皮膚光老化試験におけるキメ粗さ改善効果:実施
例6と同様な試験において、採取したレプリカのキメ粗
さを画像解析にて定量化した。レプリカを実体顕微鏡に
CCDカメラを接続してデジタル画像とし、ルーゼック
スF(株式会社ニレコ)にて、対象面積1.0×1.0
cm2において、測定された交点1個あたりの平均面積
を算出した。その結果を表10に示す。
【0043】
【表10】
【0044】表10の結果より、紫外線照射マウスのモ
デル系において画像解析を用いても、液Sに含まれ、液
Rに含まれない3成分(酸化型コエンザイムA、クレア
チニン、ダービリアエキス)がキメ粗さを改善するのに
有効であると判断できた。
【0045】
【発明の効果】本発明方法により、個人差がある皮膚の
キメ粗さを実態に即した簡便な指標により測定・評価す
ることが可能となった。また、本発明のキットを用いる
ことにより、専門知識を有さない一般ユーザーが簡便に
キメ粗さを評価でき、自分のキメ粗さレベルや化粧品の
使用前後の効果を定量的にかつわかりやすく把握するこ
とが可能となる。さらには、キメ粗さを改善する有効成
分の選定や評価に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 皮膚表面またはレプリカの状態を拡大した模
式図。
【図2】 皮膚0.25cm2当たりの皮溝の交点数と
年齢との関係を示すグラフ図。
【図3】 皮膚1cm2当たりの皮溝の交点数と年齢と
の関係を示すグラフ図。
【図4】 1交点当たりの面積と年齢との関係を示すグ
ラフ図。
【符号の説明】
1 皮溝 2 皮丘 3 交点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚表面上で皮溝が3本以上会合する点
    を1交点とし、単位面積あたりの交点数を計測するか、
    または交点1個あたりの平均面積を計測することによ
    り、皮膚のキメ粗さを測定する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により測定される皮
    膚のキメ粗さを、年齢との関係において統計的手段によ
    り解析することを特徴とする肌年齢の評価方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法により測定される皮
    膚のキメ粗さを、化粧品または薬効成分の適用の前後、
    適用の有無もしくは適用量の多少との関係で比較解析す
    ることを特徴とする化粧品または薬効成分の効果の判定
    方法。
  4. 【請求項4】 下記の(a)〜(c)からなる皮膚のキ
    メ評価用キット。 (a)皮膚表面のキメを写し取るレプリカ材料 (b)レプリカ上の交点数を計測するための計測用枠 (c)キメ粗さ判定表
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