JP2001169784A - Dnaワクチン - Google Patents

Dnaワクチン

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JP2001169784A
JP2001169784A JP2000291792A JP2000291792A JP2001169784A JP 2001169784 A JP2001169784 A JP 2001169784A JP 2000291792 A JP2000291792 A JP 2000291792A JP 2000291792 A JP2000291792 A JP 2000291792A JP 2001169784 A JP2001169784 A JP 2001169784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なエイズワクチンを提供すること。 【解決手段】 ウイルスのコアタンパク質の少なくとも
一部をコードするDNAと、フレンドマウス白血病ウイ
ルス(FMLV)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコ
ードするDNAとを有する、組み換えウイルスDNA。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNAワクチンに
関し、例えば、エイズ(AIDS:Acquired Immune De
ficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群))用のD
NAワクチンに関する。より詳細には、本発明は、例え
ば、ヒト免疫不全ウイルス(本明細書中、HIVとも記
す)またはサル免疫不全ウイルス(本明細書中、SIV
とも記す)などのウイルスの感染の予防、並びに、例え
ば、HIVまたはSIV感染によるエイズ発症などのよ
うなウイルス感染によるウイルス疾患の発症の予防及び
/治療のために用いることができるDNAワクチンに関
する。
【0002】
【従来の技術】ヒトにおけるエイズの原因となるHIV
は、レトロウイルスの一種であり、1型及び2型などが
知られている。HIVは、血液を媒介として例えば感染
者との性交渉あるいは患者の血液輸血などによって感染
し、そして感染により血液中のT細胞が破壊され、免疫
機能が著しく低下し、カポシ肉腫、カリニ肺炎等に罹患
して死に至る疾患である。HIV感染者数は近年、加速
度的に増加しており、特にタイ、アメリカ合衆国などの
諸国においては、エイズが国民の死亡原因の上位に位置
しており、その予防および治療法を確立することは極め
て重要である。エイズに対する予防および治療法につい
ては現在までに多くの研究がなされている。中でも、エ
イズワクチン開発は、社会的にも必要度が高く、最重要
課題である。このエイズワクチンに関する研究は、主に
マカクサルにおけるサル免疫不全ウイルス(SIV)感
染などの霊長類モデルにおいておこなわれている(John
son,R.P., Curr.Opin.Immunol. 8, 554-560(1996);及
びAlmond, N.M.他、AIDS 12, 133-140(1998))。
【0003】一般に、ワクチンにより誘導される感染防
御免疫としては、主に中和抗体による液性免疫とTリン
パ球による細胞性免疫の2つが考えられており、エイズ
ワクチンにおいても両者の重要性は指摘されている(Dit
tmer, U. 他、Nature Med. 5,189-193 (1999))。このう
ち、液性免疫については、HIVの構造上の特異性およ
び多様性の問題等のため、充分有効な免疫誘導が容易で
はない(Shibata, R.他、Nature Med. 5,204-210 (199
9))。一方、近年特に、HIVあるいはSIV感染抑制
における細胞性免疫の重要性が指摘されている(Gerett
i, A.M. 他、J.Gen.Virol, 79, 415-421 (1998); Matan
o, T. 他、J. Virol, 72, 164-169 (1998);Scmits, J.
E. 他、Science 283, 857-860 (1999); Jin, X. 他、J.
Exp. Med.189, 991-998 (1999))。しかし、現時点で
は、これらの感染防御免疫を充分有効かつ安全に誘導す
るエイズワクチンは開発されていない。
【0004】エイズワクチンの1つとして注目されてい
るものに弱毒化生ウイルスワクチンがある。これは、病
原性を持つHIVに遺伝子操作を施すなどして病原性を
消失させたウイルスを免疫原として使用する方法であ
る。弱毒化したウイルスは接種された宿主に対して効果
が長期間持続する強い免疫原性を誘導する。弱毒化生ウ
イルスワクチンは霊長類を用いた動物実験レベルにおい
て比較的良好な有効性が確認されているが(Daniel,M.
D.,他、Science 258, 1938-1941(1992);Shibata,R.,
他、J.Virol. 70, 4361-4369(1996);及びShibata,R.,
他、J.Virol. 71, 814-8148(1997))、ウイルスの病原性
が回復したり、他のウイルスにより汚染されている可能
性が残る等といった安全性の問題が未解決であるため実
用化には至っていない(Baba,T.W.,他、Science 267, 1
820-1825(1995);及びBaba,T.W.,他、Nature Med. 5, 1
94-203(1999))。
【0005】比較的安全と考えられるエイズワクチンと
しては、サブユニットワクチン・ウイルスベクターワク
チン・DNAワクチンが主なものであり、それぞれ、ア
ジュパンドとの併用あるいは他の方法との併用等も試み
られてきている(Letvin, N.L. 他、Science 280, 1875-
1880(1998))。サブユニットワクチンは、HIVの蛋白
質あるいはそれに含まれるペプチドを合成・精製し免疫
原として用いるものであるが、有効な抗エイズ感染防御
免疫は誘導できていない。抗原存続時間が短いこと、細
胞性免疫誘導機能が弱いこと等の理由が考えられてい
る。ウイルスベクターワクチンはワクシニアウイルスベ
クター等の組み換えウイルスベクターを用いてHIV蛋
白質を抗原として発現させるものであるが、ウイルスベ
クター由来のウイルス抗原に対する免疫反応が強く、H
IV抗原に対する免疫誘導能は不充分である。従って、
他の方法との併用を中心に検討されている。DNAワク
チンは、HIV蛋白質をコードする遺伝子を含むDNA
を投与することにより、HIV抗原を発現させるもので
ある。細胞性免疫誘導能が比較的良好なこと等から近年
特に注目されているが、充分有効な抗エイズ感染防御免
疫は誘導できていない。(ウイルス複製を起こす弱毒化
生ウイルスワクチンと比較して、)抗原発現量が低いこ
とおよび抗原発現時間が短いこと等の理由が考えられて
いる。以上のように、現時点では、安全性と有効性の両
方を満たすエイズワクチンは開発されていない(Burto
n,D.R.他、Nature Med. 4, 495-498(1998);Lu, S.,
他、J.Virol. 70, 3978-3991(1996))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は新規なDNA
ワクチンを提供することを解決すべき課題とした。本発
明はまた、安全性が高いと同時に十分な感染防御免疫を
誘導できるDNAワクチンを提供することを解決すべき
課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、SHIV(ヒトおよ
びサル由来のキメラの免疫不全ウイルス)のenv遺伝
子の一部をFMLVのenv遺伝子に置き換えることに
よって作製した組み換えウイルスDNAとFMLVレセ
プターをコードするDNAとを一緒にサルに投与するこ
とにより、安全かつ有効にSIV感染防御細胞性免疫を
誘導できることを確認し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、ウイルスのコアタンパク質の少
なくとも一部をコードするDNAと、フレンドマウス白
血病ウイルス(FMLV)のEnv蛋白質の少なくとも
一部をコードするDNAとを有する、組み換えウイルス
DNAが提供される。
【0008】好ましくは、ウイルスのコアタンパク質の
少なくとも一部をコードするDNAは、レトロウイルス
のGag蛋白質の少なくとも一部をコードするDNA
と、レトロウイルスのPol蛋白質の少なくとも一部を
コードするDNAである。好ましくは、レトロウイルス
はヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはサル免疫不全
ウイルス(SIV)である。好ましくは、ウイルスのコ
アタンパク質の少なくとも一部をコードするDNAは、
コードされる蛋白質が免疫原性を有し、当該蛋白質によ
ってウイルス粒子が再構成されるようなDNAである。
好ましくは、フレンドマウス白血病ウイルス(FML
V)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコードするDN
Aは、当該DNAを含む組み換えウイルスDNA由来の
ウイルスがFMLVレセプターを発現しないヒトまたは
サルの細胞には感染不可能で、FMLVレセプターを発
現する細胞には感染可能であるようなDNAである。
【0009】好ましくは、本発明の組み換えウイルスD
NAは、ウイルスのコアタンパク質をコードするDNA
と、フレンドマウス白血病ウイルス(FMLV)のEn
v蛋白質の少なくとも一部をコードするDNAとを有す
る組み換えウイルスDNAであり、より好ましくは、レ
トロウイルスのGag蛋白質をコードするDNAと、レ
トロウイルスのPol蛋白質をコードするDNAと、フ
レンドマウス白血病ウイルス(FMLV)のEnv蛋白
質の少なくとも一部をコードするDNAとを有する組み
換えウイルスDNAであり、さらに好ましくは、ヒト免
疫不全ウイルス(HIV)またはサル免疫不全ウイルス
(SIV)のGag蛋白質をコードするDNAと、ヒト
免疫不全ウイルス(HIV)またはサル免疫不全ウイル
ス(SIV)のPol蛋白質をコードするDNAと、フ
レンドマウス白血病ウイルス(FMLV)のEnv蛋白
質の少なくとも一部をコードするDNAとを有する組み
換えウイルスDNAである。本発明の一態様によれば、
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のGag蛋白質の少な
くとも一部をコードするDNAと、ヒト免疫不全ウイル
ス(HIV)のPol蛋白質の少なくとも一部をコード
するDNAと、フレンドマウス白血病ウイルス(FML
V)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコードするDN
Aとを有する、組み換えウイルスDNAが提供される。
本発明の別の態様によれば、サル免疫不全ウイルス(S
IV)のGag蛋白質の少なくとも一部をコードするD
NAと、サル免疫不全ウイルス(SIV)のPol蛋白
質の少なくとも一部をコードするDNAと、フレンドマ
ウス白血病ウイルス(FMLV)のEnv蛋白質の少な
くとも一部をコードするDNAとを有する、組み換えウ
イルスDNAが提供される。
【0010】本発明の別の側面によれば、本発明の組み
換えウイルスDNAを含む、ワクチンが提供され、好ま
しくはエイズワクチンが提供される。本発明のワクチン
は好ましくは、FMLVレセプターをコードするDNA
を有する発現ベクターと一緒に用いられる。本発明の別
の側面によれば、本発明の組み換えウイルスDNAと、
FMLVレセプターをコードするDNAを有する発現ベ
クターとを含むワクチンが提供され、好ましくはエイズ
ワクチンが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施方法および実
施態様について詳細に説明する。本発明の組み換えウイ
ルスDNAは、ウイルスのコアタンパク質の少なくとも
一部をコードするDNA(好ましくは、ヒト免疫不全ウ
イルス(HIV)またはサル免疫不全ウイルス(SI
V)などのようなレトロウイルスのGag蛋白質の少な
くとも一部をコードするDNAと該ウイルスのPol蛋
白質の少なくとも一部をコードするDNA)と、フレン
ドマウス白血病ウイルス(FMLV)のEnv蛋白質の
少なくとも一部をコードするDNAとを有するキメラD
NAであることを特徴とする。本明細書で言うウイルス
の種類は特に限定されず、DNAウイルスでもRNAウ
イルスでもよく、また一本鎖ウイルスでも二本鎖ウイル
スでもよい。好ましいウイルスの具体例としては、レト
ロウイルスが挙げられる。本明細書で言うレトロウイル
スは通常の意味を有し、RNAウイルスの中で遺伝子R
NAをDNAに変換する生活環をもつウイルスである。
レトロウイルスの具体例としては、例えば、マウス白血
病ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、HTLV−Iおよび
HTLV−II、ある種の癌ウイルス、並びにエイズウイ
ルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または
サル免疫不全ウイルス(SIV)など)などが挙げられ
る。レトロウイルスは通常、タンパク質をコードする3
種の遺伝子であるgag、polおよびenvをもって
いる。本明細書で言う「ヒト免疫不全ウイルス(HI
V)」または「サル免疫不全ウイルス(SIV)」と
は、ヒトまたはサルに感染する免疫不全ウイルスの全て
を包含する最も広い意味を有し、あらゆるウイルスタイ
プまたはそれらの変異体の全てを包含する。
【0012】本発明の組み換えウイルスDNAは、ウイ
ルスのコアタンパク質の少なくとも一部をコードするD
NAを含み、特に好ましくはHIVまたはSIVなどの
レトロウイルス由来のGag蛋白質の少なくとも一部と
Pol蛋白質の少なくとも一部をコードするDNAを含
む。即ち、本発明のウイルスDNAによりコードされる
ウイルスのコアタンパク質は完全蛋白質でも部分蛋白質
でもよい。Gag蛋白質及び/又はPol蛋白質などの
コアタンパク質の部分蛋白質をコードするDNAを用い
る場合には、コードされる部分蛋白質が免疫原性を有す
るようなDNAが好ましく、またコードされる部分蛋白
質によってもウイルス粒子が再構成され得るようなDN
Aが好ましい。本発明の組み換えウイルスDNAは好ま
しくは、Gag蛋白質の完全蛋白質とPol蛋白質の完
全蛋白質をコードするDNAを有する。本発明の組み換
えウイルスDNAは更に、フレンドマウス白血病ウイル
ス(FMLV)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコー
ドするDNAを有する。Env蛋白質をコードするDN
Aについても、コアタンパク質と同様に、完全蛋白質を
コードするDNAでも部分蛋白質をコードするDNAで
もよいが、好ましくは完全Env蛋白質をコードするD
NAである。また、Env蛋白質をコードするDNA
は、HIVまたはSIV由来のEnv蛋白質をコードす
るDNAの一部のみをFMLVのEnv蛋白質の一部を
コードするDNAに置き換えたものでもよい。この場
合、FMLVのEnv蛋白質の一部をコードするDNA
を有する本発明の組み換えDNA由来のウイルスは、F
MLVレセプターを発現しないヒトまたはサルの細胞に
は感染せず、FMLVレセプターを発現する細胞のみに
感染できることが好ましい。
【0013】また、本発明の組み換えウイルスDNA
は、コアタンパク質の少なくとも一部をコードするDN
Aと、Env蛋白質の少なくとも一部をコードするDN
Aとを有するが、各々のDNAのコピー数は少なくとも
1以上であれば、そのコピー数は限定されず、2コピー
以上のDNA断片を1つの組み換えウイルスDNA中に
含んでいてもよい。また、上記3種類の蛋白質の少なく
とも一部をコードする各々のDNAの位置関係も特には
限定されない。本発明の組み換えウイルスDNAは、ヒ
ト免疫不全ウイルス(HIV)(Adachi,A.,他、J.Viro
l.59,284-291(1986);及びShibata,R.,他、J.Virol.69,4
453-4462(1986))またはサル免疫不全ウイルス(SI
V)(Kestler,H.,他、Science.248,1109-1112(1990))
またはHIVとSIVの一部ずつを含んで成るキメラウ
イルス(Shibata,R.,他、J.Infect.Dis. 176, 362-373
(1997)等に記載)遺伝子などのような任意の公知のウイ
ルス遺伝子を出発材料として使用して、その中に含まれ
るEnv蛋白質の少なくとも一部をコードする領域を、
常法のDNA組換え技術を用いてフレンドマウス白血病
ウイルス(FMLV)のEnv蛋白質の少なくとも一部
をコードするDNAに置き換えることによって作製する
ことができる。
【0014】本発明の組み換えウイルスDNAは好まし
くは、FMLVレセプターをコードするDNAを有する
発現ベクターと一緒にワクチンとして用いられる。FM
LVレセプターをコードするDNAを有する発現ベクタ
ーは好ましくは発現プラスミドベクターである。発現ベ
クターの作製において有用なベクターとしては、構成性
プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモ
ーターを含むベクターなどが挙げられるが、これらに限
定されるわけではない。
【0015】構成性プロモーターの具体例としては、例
えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来、ラウス肉
腫ウイルス(RSV)由来、シミアンウイルス−40
(SV40)由来、あるいは単純ヘルペスウイルス(H
SV)由来のプロモーターなどのウイルス由来の強力な
プロモーターが挙げられる。組織特異的プロモーターの
具体例としては、筋βアクチンプロモーターが挙げられ
る。誘導性プロモーターとしては、例えば、成長ホルモ
ン調節性プロモーター、lacオペロン配列の制御下にあ
るプロモーター、あるいは抗生物質誘導性プロモータ
ー、あるいは亜鉛誘導性メタロチオネインプロモーター
などが挙げられる。
【0016】FMLVレセプターの発現ベクターの構築
のために用いるベクターは、プロモーター(例えば、上
記の構成性または誘導性プロモーター)DNA配列を含
む発現制御配列を含むことが好ましい。ベクターはさら
に、エンハンサー要素、ポリアデニル化シグナル(例え
ば、SV40あるいはウシ成長ホルモン(BGH)由
来)、スプライシングシグナル・イントロン配列などの
RNAプロセシング配列、あるいはCpGモチーフ等の
免疫刺激DNA配列の1又は2以上のコピーを含んでい
てもよい。また、ベクターは、細菌の複製起点配列およ
び/または抗生物質耐性(例えば、カナマイシン)ある
いは非抗生物質耐性(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺
伝子)に用いられ得る選択マーカー用のDNA配列を含
んでいてもよい。
【0017】本発明はまた、上記した本発明の組み換え
DNAを含む、ワクチンを提供する。ウイルスとしてH
IVまたはSIVなどのエイズウイルスを選択した場合
には、本発明の組み換えDNAを含むワクチンはエイズ
ワクチンとして使用できる。本明細書において、「ワク
チン」という用語は免疫応答を生じ得る物質を意味す
る。本明細書において、「エイズワクチン」という用語
は、HIVまたはSIV感染予防ワクチン、HIVまた
はSIV感染によるエイズ発症の予防ワクチン、並びに
HIVまたはSIV感染症の治療ワクチンを含む広い意
味で用いられる。
【0018】本発明のワクチンはヒトまたはサルなどの
哺乳動物に投与され、投与を受けた動物には、対応する
ウイルス疾患に対する免疫が生じる。本発明の組み換え
DNAによってコードされるウイルスの蛋白質が生体内
で合成され、これが抗原となって細胞傷害性T細胞が活
性化されて細胞性免疫が喚起され(場合によってはB細
胞も抗体産生細胞へと分化し、体液性免疫も喚起され
る)、ウイルスに対する免疫が生じることになる。細胞
性免疫が喚起されることは、エイズなどのウイルス疾患
の発症や進行の抑制にも有用であることから、本発明の
ワクチンを用いる免疫は、エイズなどのウイルス疾患の
予防のみでなく治療にも役立つものである。
【0019】本発明のワクチンは、例えば、薬学的に許
容可能な担体(トランスフェクション試薬など)または
アジュバンドと一緒に配合して医薬組成物の形態で提供
することができる。
【0020】本発明で用いることができる薬学的に許容
可能な担体とは、生体の細胞中にDNAワクチンをトラ
ンスフェクションするのに適したものである。このよう
な薬学的に許容可能な担体の具体例としては、リポソー
ム、金粒子、カチオン性ポリマーなどの公知のトランス
フェクション試薬が挙げられる。当業者はこのようなト
ランスフェクション試薬を用いて、本発明で用いるDN
Aを適宜処方することができる。
【0021】医薬組成物を調製するために用いることが
できる免疫用アジュバントは当技術分野で周知である。
当業者は、医薬組成物を形成するための適切なアジュバ
ントを適宜選択することができる。本発明で用いること
ができるアジュバントの具体例としては、CpGアジュ
バント(Krieg A. 他、Nature 374, 546-549 (1995))な
どが挙げられる。本発明のワクチンは、カプセル剤、懸
濁液、エリキシル剤又は溶液のような任意の投与形態で
用いることができる。
【0022】また、本発明のワクチンは、他のワクチン
と併用することができる。この場合、同時に投与する場
合と前後して投与する場合がありうる。具体例として
は、サブユニットワクチン、ウイルスベクターワクチ
ン、他のDNAワクチン等との併用がある。
【0023】単回投与量のワクチンDNAを含む医薬組
成物を調製するために担体物質と組み合わせるべきワク
チンDNAの量は、一般的には、投与経路および投与方
法、用いる塩基配列および発現ベクターの種類、発現さ
れる抗原タンパク質あるいはペプチドの安定性および活
性(免疫原性)、被験者の性別、年齢、体重、全体的な
健康状態、予防または治療の対象となるウイルス疾患の
種類やタイプ等を含む多くの要因に依存する。投与すべ
きDNAの量はまた、薬学的に許容可能な担体(トラン
スフェクション試薬)およびアジュバンドの種類および
量にも依存する。
【0024】本発明のワクチンをヒトに投与する場合、
対象となるウイルス疾患の予防または治療に有効な量で
投与されるが、一般的には、1μg〜2000μgを筋
肉あるいは皮膚に直接投与する。遺伝子銃を使用して本
発明のワクチンを投与することもできる。皮下注入、皮
内導入、経皮圧入及び他の投与法、例えば、腹腔内、静
脈内又は吸入投与、経口投与も可能であり、投与経路は
特に限定されない。また、追加免疫接種を行うことも可
能である。
【0025】本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HI
V)またはサル免疫不全ウイルス(SIV)などのウイ
ルスのenv遺伝子をフレンドマウス白血病ウイルス
(FMLV)のenv遺伝子に置き換えることによって
作成したキメラ組み換えウイルスDNAを、FMLVの
レセプターをコードするDNAと一緒に投与することに
よって、複製により比較的長期の高い抗原発現量を達成
して有効性を獲得すると同時に、感染される細胞をFM
LVのレセプターをコードするDNAを保持する細胞に
限定することにより安全性を確保することにも成功した
ものである。本発明は従来にない全く新しいシステムに
よるワクチンを提供するものであり、これにより有効性
および安全性の両方の面で優れたワクチンを提供するこ
とが可能になった。以下の実施例により本発明をより具
体的に説明するが、本発明は実施例によって限定される
ことはない。
【0026】
【実施例】(1)材料と方法 (a)DNAの調製 SHIV MD14YE(Shibata,R.,他、J.Infect.Dis. 176,
362-373(1997))のEnv表面蛋白質(SU)をコード
する遺伝子断片を取り除き、FMLVenv遺伝子(Pa
tuleia,M.C.他、Cancer Res. 27:726-730(1967);及びM
atano,T.,他、J.Virol. 67, 2026-2033(1993))(フレ
ンドリッチの番号付によるヌクレオチド5769−78
05[GenBank accession no.X02794](Koch,W.,他、
J.Virol.45:1-9(1983),26))に置き換え、FMSIV
感染性クローンDNA(FMSIV DNA)を得た。
nef遺伝子の5’側を欠失させた。即ち、FMSIV
DNAは、SIV由来のLTR、gag、pol、vi
f及びvpxと、HIV−1由来のtat及びrev
と、FMLV由来のenvを有する。図2に、FMSI
V DNAの構造を示す。図2において、白い部分はS
IV由来の領域を示し;点線の部分はHIV−1由来の
領域を示し;黒い部分はFMLV由来の領域を示す。な
お、参考のために図1には、HIV−1由来のgagと
polと、FMLV由来のenvとを有するキメラ組み
換えウイルスDNAであるFMHIVの構造を示す模式
図を示す。
【0027】2種類のmCAT1 DNA(mCAT1
発現プラスミドDNA)を使用した。一つ目のpJET
(Albritton,L.M.,他、Cell 57, 659-666(1989))は、
J.M.Cunningham氏から供与されたものである。二つ目の
pCMVmCAT1は、pCMVβ(クローンテック
社)からβ−gal遺伝子を取り除き、mCAT1をコ
ードする遺伝子に置き換えることによって構築した。
【0028】(b)マカクサル 動物個体におけるFMSIVの複製の確認実験には、1
頭のカニクイサルを使用した。ワクチン接種実験には、
年齢が同じ5頭の雄の赤毛サルを使用した。サルは全て
SIV、SRV(サルD型レトロウイルス)、およびサ
ルTリンパ球性白血病ウイルス1型に対して陰性である
ことを試験した。血液採取、リンパ節(LN)生検、ワ
クチン接種、およびウイルス接種はケタミン麻酔下で行
った。
【0029】(c)DNA−PCR DNAはリンパ節(LN)リンパ球から調製し、ネステ
ィドDNA PCRは既報の通り(Shibata,R.,他、J.In
fect.Dis. 176, 362-373(1997))行った。1stPCR
で用いたプライマーはTGGCAGATTGAGCCCTGG(配列番号
1)およびCCTCTTCCTCTGACAGGCC(配列番号2)であ
る。2ndPCRで用いたプライマーは、AAGCTAGTGTGT
GTTCCCATC(配列番号3)およびAACTCGAGCTTCCAAACTCTT
CTGGG(配列番号4)である。
【0030】(d)TH1サイトカイン(IFN−γ)
のSIV Gag特異的誘導 PBMC(末梢血液単核細胞)は、既報の通り(Shibata,
R.,他、J.Infect.Dis.176, 362-373(1997))全血液試料
から調製し、10%胎児ウシ血清(FBS)(Hyclon
e)を添加したRPMI−1640(Life Technologie
s)中で培養した。SIVGagを発現する組み換えセ
ンダイウイルスベクター(SeV-SIVgag)に感染したPB
MCをSIV Gag特異的刺激用細胞として使用し、
対照センダイウイルスベクター(SeV-Control)に感染
したPBMCを非特異的刺激用細胞として使用した(Ha
san,M.他、J.Gen.Virol., 78, 2813-2820(1997))。S
IVGag特異的刺激培養を、96ウエルプレートのウ
エル当たり5×105のPBMCと1×105のGag特
異的刺激用細胞とを混合することにより開始し、非特異
的刺激培養を、5×105のPBMCと1×105の非特
異的刺激用細胞とを混合することにより開始した。混合
培養開始後3日目から、細胞を10ユニット/mlのヒ
トインターロイキン−2(IL−2)(Boehringer-Man
nheim)を含有する培地中で培養した。上清を3日目と
6日目に回収し、上清中のIFN−γ濃度をELISA
(Biosourse)で定量した。このアッセイにおける検出
の下限値は15pg/mlである。NDは未測定を示
す。
【0031】(e)CTLアッセイ Gag特異的刺激培養におけるPBMCをエフェクター
細胞として使用した。それぞれのサル個体から得たPB
MCにヘルペスウイルスパピオを感染させて確立したB
細胞株に、SIV Gagを発現する組み換えワクシニ
アウイルスベクター(Vv−SIVgag)を感染させ
た細胞を、SIV Gag特異的CTLの標的細胞とし
て使用し、対照ワクシニアウイルスベクター(Vv−C
ontrol)を感染させたB細胞を、非特異的標的細
胞として使用した(Voss,G.,他、J.Virol.Methods 39,
185-95(1992);及びMackett,M., Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA79, 7415-9 (1982))。51Cr−放出アッセイは既報
の通り(Voss,G.,他、Virology 208, 770-775(1995))
行った。アッセイでは10%を超える値について陽性と
判断した。
【0032】(f)RT−PCR 血漿RNAをHigh Pure Viral RNAキット(Boehringer-
Mannheim)を使用して抽出した。逆転写および1stP
CRはRNA PCRキット(Takara)を用いて行っ
た。以下のSIVenv−特異的プライマーを使用し
た;1stPCRで用いたプライマーは、ATGGGATGTCTT
GGGAATC(配列番号5)およびCCAAATCTGCAGAGTACCAAG
(配列番号6)であり、2ndPCRで用いたプライマ
ーは、CAGCTTGGAGGAATGCG(配列番号7)およびCTTGTTC
CAAGCCTGTGC(配列番号8)である。RNA試料の定量
は、既報の通り(Shibata,R.,他、J.Infect.Dis. 176,
362-373(1997);及びReed,L.J.,他、Am.J.Hyg.27, 493-
497(1938))、限界希釈法に基づいておこなった。この
アッセイにおける検出の下限値は1.0×102コピー
/mlであった。
【0033】(2)方法と結果 (a)FMSIV複製 FMSIV DNAは、キメラのサル/ヒト免疫不全ウ
イルス(SHIV)感染性クローンDNAからそのen
vをFMLVenvに置き換えることによって構築した
(図2を参照)。FMSIVの発現および感染を培養霊
長類細胞株で試験した。
【0034】図3には、FMSIVの発現の結果を示
す。細胞を10%のFBSを添加したDMEM(Life T
echnologies)中で培養し、6ウエルプレートの各ウエ
ル中のCOS−1細胞にリポフェクトアミン(Life Tec
hnologies)を用いて2μgの図2に示したDNAをト
ランスフェクションし、上清を2日後に回収した。上清
中のp27の濃度はELISA(Coulter)により定量
した。図3において、FMLVはFMLV感染性クロー
ンDNA(Matano,T.,他、J.Virol.67, 2026-2033(199
3))を示し、FMSIVはFMSIV感染性クローンD
NAを示し、SHIVはSHIV MD14YE感染性クロー
ンDNAを示す。
【0035】図4には、FMLVEnvの発現の結果を
示す。DNAトランスフェクションまたはFMSIV感
染の2日後に、細胞を[35S]メチオニン及び[35S]
システインを含有する[35S]Pro−mix(Amersh
am)で標識した。ポリクローナル抗−gp70(MLV
SU)抗体(National Cancer Institute, lot79S000
713)を用いて細胞ライセート(レーン1〜4)又はウ
イルスペレット(レーン5〜6)の免疫沈降を既報の通
り(Matano,T.,他、J.Virol.67, 2026-2033(1993);及
びMatano,T.,他、J.Gen.Virol.76, 3165-3169(1995))
行った。図4において、レーン1と6はFMLV En
v発現プラスミドDNAでトランスフェクションしたC
OS−1細胞の結果を示し、レーン2はSHIV MD14Y
EDNAでトランスフェクションしたCOS−1細胞の
結果を示し、レーン3と5はFMSIV DNAでトラ
ンスフェクションしたCOS−1細胞の結果を示し、レ
ーン4はmCAT1発現プラスミドDNAでトランスフ
ェクションし、FMSIVを感染させたCOS−1細胞
の結果を示す。
【0036】図3および図4の結果から分かるように、
FMSIV DNAでトランスフェクションしたCOS
−1細胞は、その上清中にSIV Gagキャプシド蛋
白質p27を発現し(図3を参照)、FMLV Env
は上清からのウイルスペレットに検出された(図4を参
照)。これらの結果は、FMLV Envを有するキメ
ラSIVであるFMSIVの産生を示している。
【0037】FMSIV上清を使用して偽トランスフェ
クションまたはmCAT1をトランスフェクションした
COS−1細胞に感染させ、FMSIV感染性を試験し
た。6ウエルプレートの各ウエルのCOS−1細胞に偽
−またはmCAT1−発現プラスミドDNAをトランス
フェクションし、1日後、1mlのFMSIVまたはS
HIV(FMSIVまたはSHIV MD14YEをトランス
フェクションしたCOS−1細胞からの濾過上清)と一
緒に培養した。4時間のインキュベーション後に、上清
を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2
回洗浄し、培養液を加えて培養した。3日後、上清を回
収し、そのp27濃度をELISAにより測定した。結
果を図5に示す。
【0038】図5に示される通り、p27産生は、mC
AT1でトランスフェクションした後FMSIVを加え
た細胞のみで観察された。免疫沈降分析によって、FM
LVEnvの発現をFMSIVを感染させたmCAT1
トランスフェクションCOS−1細胞で確認した(図4
を参照)。これらの結果は、FMSIVはCOS−1細
胞には感染できないが、mCAT1発現COS−1細胞
には感染できることを示している。
【0039】FMSIV DNAとmCAT1 DNA
の両方を投与した場合にインビボにおいてFMSIVの
複製を誘導できるかどうかを試験するために、100μ
gのFMSIV DNAと100μgのmCAT1 D
NAとを1頭のカニクイサルの外科的に露出した左側鼠
蹊リンパ節(LN)に注入した。100μgのFMSI
V DNAのみを対照として反対側(右側)の鼠蹊LNに
注入した。DNA注入の1週間後に得た各LNからDN
Aを調製し、ネスティドPCRに付した。SIV 2−
LTR環状DNA(Coffin,J.M.,他、Retroviruses, CS
HL press, N.Y.(1997))は、右側のLNでは検出されず
左側のLNで検出された(図6を参照)。図6におい
て、レーン1は、FMSIV DNAを注入した右側の
LNのリンパ球から調製したDNAの結果を示し、レー
ン2は、FMSIVとmCAT1のDNAを注入した左
側のLNのリンパ球から調製したDNAの結果を示す。
2−LTR環状DNAを示す予測されたPCR産物は、
445ベースペア(bp)の長さであった(図6におい
て矢印で示す)。レーン3は、DNA分子量マーカーを
示す(Life Technologies)。上記の結果は、インビボ
でのFMSIV複製を示している。
【0040】(b)細胞性免疫応答の誘導 以下の表1に示す通り5頭の年齢が同じ雄の赤毛サルを
用いることによって各々のワクチン投与系を評価した。
【0041】
【表1】
【0042】3頭の赤毛サル(2029711020
(#20)、2029711021(#21)および2
029711018(#18))にFMSIV DNA
およびmCAT1 DNAの両方をワクチン接種した。
マカクサル#20には、最初のDNA注入後0、1、
2、6及び12週目に、100μgのFMSIV DN
Aと100μgのmCAT1 DNAの筋肉内投与、お
よび5μgのFMSIVDNAと5μgのmCAT1
DNAの遺伝子銃による投与を行った。マカクサル#2
1および#18には、0、1、2、6及び12週目に、
200μgのFMSIV DNAと200μgのmCA
T1 DNAの筋肉内投与、および10μgのFMSI
V DNAと10μgのmCAT1 DNAの遺伝子銃
による投与を行った。マカクサル#18にはさらに2回
の追加の処置を施した。先ず、1μgのFMSIV D
NAと1μgのmCAT1 DNAを外科的に露出した
鼠蹊LNに遺伝子銃によって0週目に注入した。次に、
皮膚から調製した同原ファイブロブラスト様細胞にFM
SIV DNAとmCAT1 DNAを各々インビトロ
でトランスフェクションした。2日後に、両方の細胞を
混合し、1日間一緒に培養し、マカクサル#18に筋肉
内注入した。マカクサル2029711017(#1
7)には、0、1、2、6及び12週目に、200μg
のFMSIV DNAの筋肉内投与、および10μgの
FMSIV DNAの遺伝子銃による投与を行った。こ
のマカクサル#17における、FMSIV DNAのみ
の投与は、従来のような複製を生じないタイプのDNA
ワクチンに相当する対照ワクチンとして用いられた。
【0043】ワクチン接種により誘発されるSIVGa
g特異的細胞性免疫を調べる目的で、ワクチン接種開始
後7週目と14週目にマカクサルから採取した血液より
分離したPBMC(末梢血液単核細胞)を、SIVGa
g発現細胞との混合培養によって刺激した。混合培養開
始後3日目および6日目に回収した上清中におけるイン
ターフェロンガンマ(IFN−γ)の濃度をELISA
を用いて測定した(この結果を図7に示す)。IFN−
γは、TH1サイトカインの一つである(Leonard, W.
J., p.741-774, In paul, W.E.(ed.), Fundamental imm
unology, 4th ed., Lippincott-Raven Publishers, Phi
ladelphia (1999))。図7の黒グラフは、SIV Ga
g特異的刺激培養上清中のIFN−γ濃度であり、白グ
ラフは、対照実験となる非特異的刺激培養上清中のIF
N−γ濃度である。
【0044】対照実験としてFMSIV DNAのみを
ワクチン接種したマカクサル#17においては、SIV
Gag特異的刺激によるIFN−γ誘導は認められなか
った。一方、FMSIV DNAとmCAT1 DNA
の両方をワクチン接種した3頭のマカクサル(#20、
#21及び#18)では、3頭すべてにおいて、SIV
Gag特異的刺激によるIFN−γ誘導が検出された
(図7参照)。マカクサル#21は、7週目においてマカ
クサル#20よりも効率的なIFN−γ誘導を示した
が、これらはともに14週目には同様のレベルのIFN
−γ誘導を示した。SIVGag特異的TH1サイトカ
イン誘導はマカクサル#18において最も効率的であっ
た。
【0045】さらにSIVGag特異的CTL(細胞傷
害性Tリンパ球)活性を測定した。ここでは、SIVG
ag発現組み換えワクシニアウイルスベクター(Vv−
SIVgag)を感染させたB細胞を、SIVGag特
異的CTL反応における標的細胞として使用し(図8中
において、Oで示す)、対照ワクシニアウイルスベクタ
ー(Vv−Control)を感染させたB細胞を、非特
異的CTL反応における標的細胞として使用した(図8
中において、×で示す)。図8に示す通り、SIVGa
g特異的CTL活性はFMSIV DNAとmCAT1
DNAの両方をワクチン接種した3頭のマカクサル
(#20、#21、#18)全てにおいて検出されたが、
FMSIV DNAのみを投与したマカクサル#17で
は検出されなかった。これらの結果は、FMSIV D
NAのみによるワクチンと比較して、本発明によるFM
SIV DNAとmCAT1 DNAの両方を用いたワ
クチンは、SIV特異的細胞性免疫を、より効率よく誘
導することを示している。
【0046】(c)SIVmac239感染に対する抵
抗性 ワクチン接種した4頭の赤毛サル(#17、#20、#
21、#18)および未接種の対照マカクサル2029
711022(#22)に対して、24週目に、100
TCID50のSIVmac239ウイルス(Kestler,
H.,他、Science 248, 1109-1112(1990);およびLewis,
M.G.,他、AIDS Res.Hum.Retroviruses 10, 213-220(199
4))を静脈内接種した(表1を参照)。SIV接種後、
血漿中のSIV RNAコピー数(図9)、血漿中のp
27濃度(図10)、体重(図11)、末梢血液中のC
D4陽性CD29陽性細胞数(図12)を測定した。図
10のp27濃度の検出下限値は100pg/mlであ
る。図11において、体重の相対値(Relative body wei
ght)は、SIV接種時点の体重を100とし、このSI
V接種時点の体重に対する相対値で示した。また、CD
4陽性CD29陽性細胞数の測定(図12)において
は、モノクローナルマウス抗−ヒトCD4抗体(Becton
Dickinson, CD4-PE[Leu-3a])及びモノクローナルマウ
ス抗−ヒトCD29抗体(Coulter, 4B4-FITC)を用い
てフローサイトメトリーを行って測定した。
【0047】ワクチン未接種の対照マカクサル#22に
おいて、血漿中のSIVウイルス量は、SIV接種後2
週目にピーク(SIV RNAコピー数は1×107/m
l以上、p27濃度は1×104/ml以上)を示し、そ
の後も高値(SIV RNAコピー数は1×107/ml
以上、p27濃度は1×103/ml以上)を維持した
(図9、図10)。SIV接種後、著しい体重減少およ
び末梢血中CD4陽性CD29陽性細胞数の減少が認め
られ(図11、図12)、17週目に重症の下痢を伴っ
て死亡した。解剖所見として、リンパ節・脾臓の萎縮が
みられ、リンパ球は脱落(涸渇)していた。
【0048】FMSIV DNAのみをワクチン接種し
たマカクサル#17は、ワクチン未接種の対照マカクサ
ル#22と比較して、SIV接種後の血漿SIVウイル
ス量は低値を示し、SIV接種後2週目のSIV RN
Aコピー数はマカクサル#22の約1/10であった
(図9)。血漿p27も低値であったが、検出可能レベル
であった(図10)。血漿ウイルス量は、SIV感染急
性期の後、一度は低下したが(SIV RNAコピー数は
おおよそ約1×105/ml、p27は検出限界レベル
以下)、15週目から再び上昇し始めた(図9、図1
0)。体重はSIV感染急性期にわずかな減少を示し、
その後増加に転じたが、15週目に再度減少し始めた
(図11)。マカクサル#22と同様、末梢血中CD4
陽性CD29陽性細胞数は、SIV接種後減少した(図
12)。これらの結果は、FMSIV DNAのみによ
るワクチン接種では、SIV感染による疾患(免疫不全)
の発病を防止するのに不十分であることを示している。
【0049】FMSIV DNA及びmCAT1 DN
Aをワクチン接種した3頭のマカクサル(#20、#2
1及び#18)では、SIV接種後、感染は成立した
が、血漿SIVウイルス量は、FMSIV DNAのみ
のワクチン接種をしたマカクサル#17と比較して有意
に低値を示した。血漿中SIV RNAコピー数は、マ
カクサル#17の場合の1/10以下であり、マカクサ
ル#22の1/100以下であった(図9)。血漿中p
27は検出されなかった(図10)。体重変化について
は、SIV感染急性期に若干の増加遅延を示しただけで
あった(図11)。末梢血液中のCD4陽性CD29陽
性細胞数については、マカクサル#20及び#21で
は、SIV感染急性期に一時的な減少を示したが、12
週目には接種前のレベルに回復した(図12)。マカク
サル#18では、末梢血液中CD4陽性CD29陽性細
胞数の有意な減少は認められなかった。よって、FMS
IVDNAおよびmCAT1 DNAのワクチン接種に
より、SIV感染による疾患(免疫不全)の発病を遅延ま
たは防止できる可能性が示された。以上の結果は、本発
明によるFMSIV DNAおよびmCAT1 DNA
の両方を用いたワクチンが、従来の方法より効率よく感
染防御免疫を誘導できること、つまりその有効性を示し
ている。
【0050】図3、図4、図5、図6に示した結果か
ら、培養細胞レベルだけでなく、サル個体レベルにおい
ても、FMSIVの複製は、FMSIV DNA単独投
与では誘導できないが、FMSIV DNAとmCAT
1 DNAの両者を投与することにより可能となること
が明らかとなった。従って、このFMSIV複製は、m
CAT1発現細胞のみに限局されていると考えられる。
さらに、ワクチン接種後3週目、14週目、24週目の
血漿中FMSIV RNAを、FMLVenv特異的プ
ライマーを用いたPCRにて調べたが、検出レベル以下
であった。これらの結果は、このFMSIV複製の安全
性を示している。以上により、本発明によるFMSIV
DNAとmCAT1 DNAの両者を用いたワクチン
は、安全かつ効果的にエイズウイルスに対する防御免疫
を付与することができることが確認された。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、HIVまたはSIVの
感染の予防、HIVまたはSIV感染によるエイズの予
防あるいは治療などに効果的でかつ安全なDNAワクチ
ンを提供することができる。
【0052】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Tetsuro Matano et al <120> DNA vaccine <130> A01435A <160> 8 <210> 1 <211> 18 <212> DNA <213> other DNA <400> 1 tggcagattg agccctgg 18 <210> 2 <211> 19 <212> DNA <213> other DNA <400> 2 cctcttcctc tgacaggcc 19 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> other DNA <400> 3 aagctagtgt gtgttcccat c 21 <210> 4 <211> 26 <212> DNA <213> other DNA <400> 4 aactcgagct tccaaactct tctggg 26 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> other DNA <400> 5 atgggatgtc ttgggaatc 19 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> other DNA <400> 6 ccaaatctgc agagtaccaa g 21 <210> 7 <211> 17 <212> DNA <213> other DNA <400> 7 cagcttggag gaatgcg 17 <210> 8 <211> 18 <212> DNA <213> other DNA <400> 8 cttgttccaa gcctgtgc 18
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、HIV−1由来のgagとpolと、
FMLV由来のenvとを有するキメラ組み換えDNA
であるFMHIVの構造を示す模式図である。
【図2】図2は、実施例で用いたキメラ組み換えDNA
であるFMSIVの構造を示す模式図である。
【図3】図3は、FMSIVの発現を示すグラフであ
る。
【図4】図4は、FMLV Envの発現を示す写真で
ある。
【図5】図5は、FMSIVの感染を示すグラフであ
る。
【図6】図6は、サル個体でのFMSIV複製を示す写
真である。
【図7】図7は、IFN−γのSIVGag特異的誘導
を示すグラフである。
【図8】図8は、SIVGag特異的CTL活性を示す
グラフである。
【図9】図9は、SIVを接種したサルにおける血漿S
IV RNAコピー数(コピー/ml)の変化を示すグ
ラフである。
【図10】図10は、SIVを接種したサルにおける血
漿p27濃度(pg/ml)の変化を示すグラフであ
る。
【図11】図11は、SIVを接種したサルにおける体
重の変化を示すグラフである。
【図12】図12は、SIVを接種したサルにおける血
液中のCD4陽性CD29陽性細胞数(/μl)の変化
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/00 C12N 15/00 ZNAA

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウイルスのコアタンパク質の少なくとも
    一部をコードするDNAと、フレンドマウス白血病ウイ
    ルス(FMLV)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコ
    ードするDNAとを有する、組み換えウイルスDNA。
  2. 【請求項2】 ウイルスのコアタンパク質の少なくとも
    一部をコードするDNAが、レトロウイルスのGag蛋
    白質の少なくとも一部をコードするDNAと、レトロウ
    イルスのPol蛋白質の少なくとも一部をコードするD
    NAである、請求項1に記載の組み換えウイルスDN
    A。
  3. 【請求項3】 レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス
    (HIV)またはサル免疫不全ウイルス(SIV)であ
    る、請求項2に記載の組み換えウイルスDNA。
  4. 【請求項4】 ウイルスのコアタンパク質の少なくとも
    一部をコードするDNAが、コードされる蛋白質が免疫
    原性を有し、当該蛋白質によってウイルス粒子が再構成
    されるようなDNAである、請求項1から3のいずれか
    1項に記載の組み換えウイルスDNA。
  5. 【請求項5】 フレンドマウス白血病ウイルス(FML
    V)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコードするDN
    Aが、当該DNAを含む組み換えウイルスDNA由来の
    ウイルスがFMLVレセプターを発現しないヒトまたは
    サルの細胞には感染不可能で、FMLVレセプターを発
    現する細胞には感染可能であるようなDNAである、請
    求項1から4のいずれか1項に記載の組み換えウイルス
    DNA。
  6. 【請求項6】 ウイルスのコアタンパク質をコードする
    DNAと、フレンドマウス白血病ウイルス(FMLV)
    のEnv蛋白質の少なくとも一部をコードするDNAと
    を有する、組み換えウイルスDNA。
  7. 【請求項7】 レトロウイルスのGag蛋白質をコード
    するDNAと、レトロウイルスのPol蛋白質をコード
    するDNAと、フレンドマウス白血病ウイルス(FML
    V)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコードするDN
    Aとを有する、組み換えウイルスDNA。
  8. 【請求項8】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または
    サル免疫不全ウイルス(SIV)のGag蛋白質をコー
    ドするDNAと、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)また
    はサル免疫不全ウイルス(SIV)のPol蛋白質をコ
    ードするDNAと、フレンドマウス白血病ウイルス(F
    MLV)のEnv蛋白質の少なくとも一部をコードする
    DNAとを有する、組み換えウイルスDNA。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れか1項に記載の組
    み換えウイルスDNAを含む、ワクチン。
  10. 【請求項10】 エイズワクチンである、請求項9に記
    載のワクチン。
  11. 【請求項11】 FMLVレセプターをコードするDN
    Aを有する発現ベクターと一緒に用いられる、請求項9
    又は10に記載のワクチン。
  12. 【請求項12】 請求項1から8の何れか1項に記載の
    組み換えウイルスDNAと、FMLVレセプターをコー
    ドするDNAを有する発現ベクターとを含む、ワクチ
    ン。
  13. 【請求項13】 エイズワクチンである、請求項12に
    記載のエイズワクチン。
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