JP2001167691A - 電子銃及びその製造方法、並びにその電子銃を備えた電子装置 - Google Patents

電子銃及びその製造方法、並びにその電子銃を備えた電子装置

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JP2001167691A
JP2001167691A JP35245299A JP35245299A JP2001167691A JP 2001167691 A JP2001167691 A JP 2001167691A JP 35245299 A JP35245299 A JP 35245299A JP 35245299 A JP35245299 A JP 35245299A JP 2001167691 A JP2001167691 A JP 2001167691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積の対極に電子を放射できる構造の電子
銃の構造、その製造方法、この電子銃を用いた電子装置
を提供する。 【解決手段】 ガラス等の絶縁性基体上に、下層導電体
を形成し、下層導電体上に、導電性のシリコン膜を形成
する。次に、シリコン膜上にパターニングされた窒化膜
を形成し、この窒化膜をマスクとして使用して、シリコ
ン膜を酸化し、シリコン酸化物を形成する。窒化膜を除
去した後、プラズマ雰囲気中で下層導電体と、露出した
シリコン領域に対向して設置された電極間にバイアス電
圧を印加し、シリコン酸化物で区画されたシリコン領域
に電流を流すことによって、シリコン領域上にダイヤモ
ンド結晶を析出させる。析出したダイヤモンド結晶をエ
ピタキシャル成長させ、ダイヤモンド膜を形成する。ダ
イヤモンド膜に対向する引き出し電極を形成し、下部導
電体と引き出し電極間に所定の電圧を印加することで、
電子銃を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンドを用
いた電子銃及びその製造方法、並びにその電子銃を用い
た電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは電子の移動度、熱伝導
率、融点などの物性値が優れており、電子デバイス材料
として期待されている。また、水素で終端されたダイヤ
モンド(111)面の電子親和力が負であることから、
電子源としても注目を集めている。
【0003】しかし、単結晶基板の作製が困難で、実用
化の障害となっている。例えば、ダイヤモンド基板上に
エピタキシャル成長層を形成するホモエピタキシャル法
では、基板が高価であるという問題点があった。また、
人工的にダイヤモンドを合成することも行われている
が、圧力5〜10GP、温度1300℃に耐える特殊な
設備が必要となり、コスト的に現実的ではない。
【0004】そこで、ダイヤモンドのヘテロエピタキシ
ャル成長が注目されている。代表的なダイヤモンド合成
方法としては、マイクロ波プラズマCVD法やホットフ
ィラメント成長法等があげられる。これまでに、白金
(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パ
ラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、シ
リコン(Si)等を基板として使用したエピタキシャル
成長が試みられ、ダイヤモンドの合成が報告されてい
る。
【0005】しかしこのような方法で形成されたダイヤ
モンド薄膜は、基板とダイヤモンド結晶の格子定数のズ
レや熱膨張係数の差が大きいことから、欠陥が多いとい
う問題点があった。また、表面が平坦にならず、凹凸の
ある膜しか形成することができなかった。更に、大面積
の基板上に成長を行う場合、膜厚が増すに従い、基板か
ら剥がれやすくなるという問題点があった。
【0006】また、電子放射特性を向上させるため、電
界研磨したタングステン針やシリコンを異方性エッチン
グして、コーン状に先端を先鋭に加工し、ダイヤモンド
結晶を析出させることが試みられてきた。しかし、タン
グステン針を備えた基板を作製することは困難であり、
シリコン基板では、その大きさに限界があるという問題
点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにダイヤモ
ンドは、電子放射特性が優れているものの、大面積の対
極に電子を放射できるような構造の電子銃は、従来提案
されていなかった。本発明はダイヤモンドを用いた、新
たな電子銃の構造、その製造方法、この電子銃を用いた
電子装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、下層導電体と、該下層導電
体に接続し、絶縁物によって区画された導電性のシリコ
ン領域と、該導電性のシリコン領域を介して前記下層導
電体に接続するダイヤモンド膜と、該ダイヤモンド膜と
対向する上層導電体と、前記ダイヤモンド膜から電子を
放射させるために前記下層導電体及び前記上層導電体間
に電圧を印加する手段とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の電
子銃において、前記絶縁物によって区画されたシリコン
領域は、底面を前記シリコン領域とし、側面を前記絶縁
物とする凹部形状とし、前記シリコン領域上に前記ダイ
ヤモンド膜を備えたことを特徴とするものである。
【0010】請求項3に係る発明は、絶縁性基体上に、
下層導電体を形成する工程と、該下層導電体上に、導電
性のシリコン膜を形成する工程と、該シリコン膜上にパ
ターニングされた窒化膜を形成する工程と、該窒化膜を
マスクとして使用して、露出する前記シリコン膜を酸化
し、シリコン酸化物を形成する工程と、前記窒化膜を除
去し、前記シリコン膜表面を露出させ、前記シリコン酸
化物で区画されたシリコン領域を形成する工程と、プラ
ズマ雰囲気中で前記下層導電体と、前記シリコン領域に
対向して設置された電極間にバイアス電圧を印加し、前
記シリコン酸化物で区画された前記シリコン領域に電流
を流すことによって、該シリコン領域上にダイヤモンド
結晶を析出させる工程と、該析出したダイヤモンド結晶
をエピタキシャル成長させ、ダイヤモンド膜を形成する
工程と、該ダイヤモンド膜に対向する上層導電体を形成
する工程と、前記ダイヤモンド膜電子を放射させるため
に前記下層導電体及び前記上層導電体間に電圧を印加す
る手段を形成する工程とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項3記載の電
子銃の製造方法において、前記シリコン酸化物で区画さ
れたシリコン領域は、底面を前記シリコン領域とし、側
面を前記絶縁物とする凹部形状とし、前記シリコン領域
上に前記ダイヤモンド膜を析出させることを特徴とする
ものである。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項3又は4い
ずれか記載の電子銃の製造方法において、前記シリコン
酸化物で区画されたシリコン領域上に、シリコンカーバ
イド層を析出させた後、前記ダイヤモンド結晶を析出さ
せることを特徴とするものである。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項1又は2い
ずれか記載の電子銃を備え、該電子銃を陰極とし、該電
子銃から放射された電子が入射する陽極を備えたことを
特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、電子銃の構造について、その製造工
程に従い、第1の実施の形態について説明する。ガラス
等からなる平坦な基板1を用意し、基板1上に酸化スズ
等の導電性の酸化物、金属、半導体等からなる下層導電
体2を全面に形成する。下層導電体として酸化スズを用
いる場合は、基板1上にスパッタ法により、500nm
形成する。この下層導電体2は、後工程のバイアスを印
加しながらダイヤモンド結晶を析出させる際、下層電極
となる。
【0015】下層導電体2上にプラズマCVD法によ
り、一例として多結晶シリコン層3を500nm、窒化
膜4を100nm堆積させる(図1)。ここで堆積させ
るシリコン層は、導電性を有するシリコンであれば良
く、アモルファスシリコン層であっても良い。
【0016】通常のホトリソグラフ法により、窒化膜4
を直径1μm、10μmピッチで残るようにパターニン
グする。次に、通常の半導体装置の製造工程で使用され
る湿式酸化炉により、露出する多結晶シリコン層3表面
を酸化し、シリコン酸化膜5を形成する。シリコン酸化
膜5は、窒化膜4のない領域で垂直方向に成長する一
方、窒化膜4の端部では、多結晶シリコン層3と窒化膜
4の界面から内部に成長し、いわゆるバーズビークが形
成される(図2)。
【0017】このようにバーズビークが形成されること
により、窒化膜で形成されたパターンを縮小したパター
ンに転写することができる。一例として、湿式酸化炉の
温度を1100℃、4時間行った場合、バーズビークが
0.4μm成長する。その結果、窒化膜4の直下には、
直径0.2μmの酸化されない多結晶シリコン層(以
下、単にシリコン領域6と称す)が残る。このようにバ
ーズビークを形成させることにより、高価な装置を必要
とせず、微細な形状を形成することができる。
【0018】このように形成されたシリコン酸化膜5の
表面は、シリコン領域6の表面より突出した形状となっ
ている。そのため電子装置の形状によっては、平坦化す
るのが好ましい場合もある。その場合は、次のように平
坦化を行う。まず、窒化膜4を除去し、シリコン酸化膜
5が形成されたシリコン領域6表面に、厚くホトレジス
ト7を形成する(図3)。その後、ホトレジスト7とシ
リコン酸化膜5のエッチング速度に差がないエッチング
条件でエッチバックする。その結果、突出するシリコン
酸化膜5がエッチング除去され、シリコン酸化膜5表面
とシリコン領域6表面が同一面上に形成できる(図
4)。以下、上記方法で平坦化したシリコン酸化膜5に
よって区画されたシリコン領域6上に、ダイヤモンド膜
を形成する場合について説明する。
【0019】次に本発明に使用するマイクロ波プラズマ
CVD装置について説明する。図5に示すように、反応
管8内に上部電極10と下部電極9が設置され、下部電
極9上にシリコン領域6を形成した基板1を載置する。
下部電極9は、先に形成した下層導電体2と接続され
る。上部電極10、下部電極9間に直流電源11が接続
され、両電極間に直流バイアス電圧が印加される。
【0020】反応管8内を、一旦ポンプにより10-3
orr台に真空引きし、その後、水素ガスを反応管8内
に導入し、マイクロ波電力を700W投入し、プラズマ
を発生させる。このとき、基板1を700℃に加熱す
る。この状態で30分間保持することにより、シリコン
領域6表面に成長した自然酸化膜を除去する。
【0021】次に、水素ガスを100sccm、メタン
ガスを1sccm、反応管8内に導入し、90分から1
20分間プラズマ処理する。この処理によって、シリコ
ン領域6表面が炭化され、炭化層12が形成される(図
6)。次に、メタンガスの流量を5sccmに増加さ
せ、上部電極10、下部電極9間に直流電圧を印可す
る。このとき極性は、基板を載置した下部電極9より上
部電極10の電位が正に大きくなるように印加する。
【0022】直流電圧が印加されることによって、プラ
ズマ中で電離し、正に帯電したハイドロカーボンイオン
が加速され、シリコン領域6表面に到達する。このとき
基板表面はそのほとんどが酸化膜で覆われているため、
イオン電流はほとんどシリコン領域6に流入する。この
ときバイアス条件が、電圧+100〜+300V、電流
10〜30mAとすると、5〜15分で、シリコン酸化
膜に覆われていないシリコン領域6表面の炭化層12上
に、ダイヤモンドの微結晶からなるダイヤモンド層が生
成する。水素ガスとメタンガスを(メタンガス流量/水
素ガス流量=0.1%以下)とし、約2時間エピタキシ
ャル成長させる。その結果、直径0.7μmのダイヤモ
ンド薄膜13を得ることができた(図7)。ダイヤモン
ド薄膜13に対向するように引き出し電極(図示せず)
を形成し、下層導電体と引き出し電極間に電子が放出さ
れるしきい値電圧を印加する構成とすることで、電子銃
を形成することができる。
【0023】このような構造の電子銃の下層導電層2を
負極とし、対向する正極を表示面(図示せず)とするこ
とで、ダイヤモンド層から電子を放射させることがで
き、発光体(照明、ライト)を形成することが可能であ
る。
【0024】以上の説明は、シリコン酸化膜を平坦化し
た場合について説明したが、平坦化せずにダイヤモンド
膜を析出させることが可能であることはいうまでもな
い。その場合、電子の指向性が制御でき、より効果が大
きい。
【0025】次に、第2の実施の形態について説明す
る。第1の実施の形態同様、ガラス等からなる平坦な基
板1を用意し、基板1上に酸化スズ等の導電性の酸化
物、金属、半導体等からなる下層導電体2を全面に形成
する。下層導電体2として酸化スズを用いる場合は、基
板1上にスパッタ法により、500nm形成する。この
下層導電体2は、後工程のバイアスを印加しながらダイ
ヤモンド結晶を析出させる際、下層電極となる。第1の
実施の形態と異なり、下層導電体は、後工程で形成する
シリコン領域に接続する位置に配置するように、パター
ニングされている。
【0026】下層導電体2上にプラズマCVD法によ
り、一例として多結晶シリコン層3を500nm、窒化
膜4を100nm堆積させる。ここで堆積させるシリコ
ン層は、導電性を有するシリコンであれば良く、アモル
ファスシリコン層であっても良い。
【0027】通常のホトリソグラフ法により、窒化膜4
を直径1μm、10μmピッチで残るようにパターニン
グを行う(図8)。図8に示すように、窒化膜4は、先
にパターニングした下層導電体2上に配置するように形
成される。
【0028】次に、通常の半導体装置の製造工程で使用
される湿式酸化炉により、露出する多結晶シリコン層3
表面を酸化し、シリコン酸化膜5を形成する。シリコン
酸化膜5は、窒化膜4のない領域で垂直方向に成長する
一方、窒化膜4の端部では、多結晶シリコン層3と窒化
膜4の界面から内部に成長し、いわゆるバーズビークが
形成される(図9)。湿式酸化炉の温度を1100℃、
4時間行った場合、バーズビークが0.4μm成長す
る。その結果、窒化膜4の直下には、直径0.2μmの
酸化されない多結晶シリコン層(以下、単にシリコン領
域6と称す)が残る。このようにバーズビークを形成さ
せることにより、高価な装置を必要とせず、微細な形状
を形成することができる。更に図9に示すように、シリ
コン酸化膜5は基板1まで達し、下層導電体2がそれぞ
れ、絶縁された構造となる。
【0029】窒化膜4を除去し、シリコン領域6を露出
させる。第1の実施の形態と異なり、シリコン酸化膜5
が、シリコン領域6の表面より突出した形状の基板を、
図5に示すマイクロ波プラズマCVD装置内に載置す
る。上記第1の実施の形態同様の処理を行い、シリコン
領域表面に炭化層12を形成し、その後、ダイヤモンド
薄膜13を形成する(図10)。
【0030】次に、シリコン酸化膜5上に金属膜からな
る引き出し電極14を形成する。引き出し電極は、例え
ば全面にホトレジストを塗布して、シリコン酸化膜5で
区画されたシリコン領域6上にホトレジストを残すよう
に平坦化した後、ホトレジスト上に引き出し電極を構成
する金属膜を形成し、金属膜をパターニングした後、平
坦化に使用したホトレジストを除去することで形成する
ことができる。この引き出し電極14は、下層導電体2
の延出方向に対して、直交する方向に延出するようにパ
ターニングされ、下部導電体と引き出し電極の交点が、
マトリック状に配置するように形成されている。また、
少なくともダイヤモンド薄膜13上は、ダイヤモンド薄
膜13から放出された電子が通過するための孔15が形
成されている。
【0031】このように形成した電子銃の下層導電体2
と陽極16間に所定の電位(Va)を印加し、下層導電
体2と引き出し電極14間に所定の電位(Vg)を印加
することで、三極管構造のディスプレイを形成すること
が可能である。その構成を図11に示す。図11に示す
ように、ダイヤモンド薄膜13から放射された電子は、
孔15を通過し、陽極16に達する。
【0032】複数の下層導電体2のうちの選択された1
つの下層導電体と、複数の引き出し電極14の内の選択
された1つの引き出し電極とが交わる点で、ダイヤモン
ド膜から電子を放出させることができる。
【0033】上記構造の電子装置では、下層導電体を任
意に選択して電位を印加することが可能となり、画像表
示が可能となる。
【0034】以上説明したように、本発明では、簡便な
製造方法で電子銃及びそれを用いた電子装置を形成する
ことが可能である。本発明では、シリコン酸化膜で区画
された任意の場所にダイヤモンド薄膜あるいは結晶粒を
析出させることが可能であり、大型ディスプレイの電子
源として有効である。
【0035】また、シリコン酸化膜によって区画された
非常に面積の小さい領域に発生した核から薄膜を形成す
ると、1つの核から非常に大きい単結晶膜を得ることが
できる。そのため、欠陥の少ない単結晶膜を得ることが
できるという利点がある。
【0036】なお、上記実施の形態では、炭化層を形成
する際、水素ガスとメタンガス中でプラズマ処理する場
合について説明したが、これに限定されることなく、種
々変更可能である。例えば、シリコン領域6表面に、電
界メッキ法等により、ニッケル、チタン、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、モリブデン、タングステンのいず
れかを形成する。以下、ニッケルの場合について説明す
る。電界メッキ法によって、多結晶シリコン領域6表面
に、50nmの厚さのニッケル膜を形成する。その後、
900℃、2分間の熱処理を施す。その結果、多結晶シ
リコン領域のシリコンとニッケルが反応し、表面にニッ
ケルシリサイド層17が形成する。未反応のニッケルを
除去する。
【0037】次に表面にニッケルシリサイド層17が形
成された基板を、図5に示す装置の反応管8内の下部電
極9上に載置する。その際、下部電極9と基板上の下層
導電体2は接続されている。反応管内をロータリーポン
プで、10-3torr台に真空引きする。その後、水素
ガスで1%に希釈されたメタンガス等の炭素を含む反応
ガス2sccmを、反応管内に導入し、マイクロ波電極
を600W投入し、プラズマを生成させる。このとき基
板を800℃に加熱する。
【0038】この状態で、30分間保持することによ
り、先に形成したニッケルシリサイド層表面のニッケル
が、メタン等の反応ガスが分解して生成した炭素と置換
反応を起こし、シリコンカーバイド層18が生成する。
析出したニッケルを除去した後、シリコンカーバイド層
上に、上記同様の方法で、ダイヤモンド薄膜13を形成
することも可能である(図12)。
【0039】また、ダイヤモンドを形成する際の反応ガ
スは、上記水素ガスとメタンガスに限定されることはな
く、必要に応じ、酸素を添加することも可能である。
【0040】本発明の電子銃を用いた電子装置として、
上記ディスプレイの他、液晶バックライト、照明等への
応用が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、選
択酸化により再現性良く、かつ安価にダイヤモンドの選
択成長が可能になる。また、本発明によりダイヤモンド
合成は、基板にガラスなどが使用できるので、大型ディ
スプレイ用冷陰極への応用が容易である。
【0042】さらに本発明のダイヤモンド薄膜の成長方
法は、1つの結晶核からダイヤモンド薄膜をシリコン酸
化膜上にオーバーグロースさせているため、成長中に下
地基板のストレスの影響を受けにくく、薄膜の面積が大
きくなっても剥離が起こることもない。
【0043】本発明の側面をシリコン酸化膜とした凹部
内にダイヤモンド膜を形成する場合、ダイヤモンド膜か
ら放出される電子の指向性を制御しやすいという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図5】本発明に使用するマイクロ波プラズマCVD装
置を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図7】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態を説明する図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施の形態を説明する図であ
る。
【図10】本発明の第2の実施の形態を説明する図であ
る。
【図11】本発明の電子装置を説明する図である。
【図12】本発明の別の実施の形態を説明する図であ
る。
【符号の説明】 1 基板 2 下層導電体 3 多結晶シリコン層 4 窒化膜 5 シリコン酸化膜 6 シリコン領域 7 ホトレジスト 8 反応管 9 下部電極 10 上部電極 11 直流電源 12 炭化層 13 ダイヤモンド薄膜 14 引き出し電極 15 孔 16 陽極 17 ニッケルシリサイド層 18 シリコンカーバイド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 親夫 埼玉県上福岡市福岡二丁目1番1号 新日 本無線株式会社川越製作所内 Fターム(参考) 4K030 AA10 AA17 BA28 BB12 CA06 FA01 HA01 KA20 LA11 LA18 5C031 DD17 DD19 5C036 EE01 EE14 EF01 EF06 EF09 EG12 EH08 EH11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層導電体と、該下層導電体に接続し、
    絶縁物によって区画された導電性のシリコン領域と、該
    導電性のシリコン領域を介して前記下層導電体に接続す
    るダイヤモンド膜と、該ダイヤモンド膜と対向する上層
    導電体と、前記ダイヤモンド膜から電子を放射させるた
    めに前記下層導電体及び前記上層導電体間に電圧を印加
    する手段とを備えたことを特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子銃において、前記絶
    縁物によって区画されたシリコン領域は、底面を前記シ
    リコン領域とし、側面を前記絶縁物とする凹部形状と
    し、前記シリコン領域上に前記ダイヤモンド膜を備えた
    ことを特徴とする電子銃。
  3. 【請求項3】 絶縁性基体上に、下層導電体を形成する
    工程と、 該下層導電体上に、導電性のシリコン膜を形成する工程
    と、 該シリコン膜上にパターニングされた窒化膜を形成する
    工程と、 該窒化膜をマスクとして使用して、露出する前記シリコ
    ン膜を酸化し、シリコン酸化物を形成する工程と、 前記窒化膜を除去し、前記シリコン膜表面を露出させ、
    前記シリコン酸化物で区画されたシリコン領域を形成す
    る工程と、 プラズマ雰囲気中で前記下層導電体と、前記シリコン領
    域に対向して設置された電極間にバイアス電圧を印加
    し、前記シリコン酸化物で区画された前記シリコン領域
    に電流を流すことによって、該シリコン領域上にダイヤ
    モンド結晶を析出させる工程と、 該析出したダイヤモンド結晶を成長させ、ダイヤモンド
    膜を形成する工程と、 該ダイヤモンド膜に対向する上層導電体を形成する工程
    と、 前記ダイヤモンド膜電子を放射させるために前記下層導
    電体及び前記上層導電体間に電圧を印加する手段を形成
    する工程とを備えたことを特徴とする電子銃の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の電子銃の製造方法におい
    て、前記シリコン酸化物で区画されたシリコン領域は、
    底面を前記シリコン領域とし、側面を前記絶縁物とする
    凹部形状とし、前記シリコン領域上に前記ダイヤモンド
    膜を析出させることを特徴とする電子銃の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4いずれか記載の電子銃の
    製造方法において、前記シリコン酸化物で区画されたシ
    リコン領域上に、シリコンカーバイド層を析出させた
    後、前記ダイヤモンド結晶を析出させることを特徴とす
    る電子銃の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2いずれか記載の電子銃を
    備え、該電子銃を陰極とし、該電子銃から放射された電
    子が入射する陽極を備えたことを特徴とする電子装置。
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