JP2001165024A - フランシス形水力機械 - Google Patents

フランシス形水力機械

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JP2001165024A
JP2001165024A JP35471399A JP35471399A JP2001165024A JP 2001165024 A JP2001165024 A JP 2001165024A JP 35471399 A JP35471399 A JP 35471399A JP 35471399 A JP35471399 A JP 35471399A JP 2001165024 A JP2001165024 A JP 2001165024A
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hydraulic machine
air supply
pressure chamber
back pressure
pressure
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JP35471399A
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Kenichi Sugama
間 健 一 菅
Kaneo Sugishita
下 懷 夫 杉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランシス形水力機械において、下水池の水
位やシール間隔の変化に影響されることなく、部分負荷
運転時等の給気が必要とされる運転状態で確実に給気で
きるようにするとともに、異常運転時の軸方向スラスト
を低減させること。 【解決手段】 ランナ2と上カバー6間に形成された背
圧室10と大気とを連通する給気管15を設ける。また
背圧室10と水力機械の低圧部とを排水管20によって
接続し、その排水管20に背圧室10から流出する水量
を調整する水量調整手段22を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランウ部にラン
ナの背部とランナ出口を結ぶバランスホールを設けたラ
ンナを有するフランシス形の水車、ポンプ、ポンプ水車
等の水力機械に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来のフランシス形水車の概略構
成を示す図であり、主軸1の下端にフランシス形のラン
ナ2が連結されており、上記主軸1の頂部に図示しない
発電機が連結されている。上記ランナ2の外周にはスパ
イラルケーシング3が配設されており、そのスパイラル
ケーシング3の内周部にステーベーン4が設けられ、そ
のステーベーン4と上記ランナ2との間にガイドベーン
5が配列されている。
【0003】また、ランナ2の上方には上カバー6が設
けられ、ランナ2の下方には下カバー7が設けられてお
り、さらにランナ2の下方には上記下カバー7に接続さ
れた吸出し管8が配設されている。
【0004】しかして、図示しない上水池からの水がス
パイラルケーシング3に導かれ、ステーベーン4の間を
通り、ガイドベーン5で整流されてランナ2に流入し、
そのランナ2を回転駆動する。そして、ランナ2から流
出する水は吸出し管8を経て下水池9に流出する。
【0005】ところで、このような水車においては、ラ
ンナ2と上カバー6との間で形成される背圧室10及び
ランナ2と下カバー7との間で形成される側圧室11内
の水圧分布の不均衡によってランナ2に主軸1の軸方向
の水スラストが発生する。このスラストは図示しない発
電機のスラスト軸受で支えられるが、この軸方向のスラ
ストを低減するために、背圧室10には上カバー6とラ
ンナ2で形成される背圧シール12が設けられており、
また背圧シール12を通過した水を吸出し管8に排水す
るバランス管13が、上記背圧室10における背圧室シ
ール12より内周側の内側背圧室10aに接続されてい
る。
【0006】また、水車が部分負荷で発電運転する際に
は、吸出し管8内の上部に渦が発生し、その渦の不安定
な動きにより過大な水圧脈動や振動が発生する。そのた
めこれらの水圧脈動や振動を抑制するために、ランナ2
のクラウン部2aには内側背圧室10aとランナ2の出
口の吸出し管上部を連通するバランスホール14が穿設
してあり、さらに上記内側背圧室10aには大気中に開
口している給気管15が接続されている。
【0007】さらに、ガイドベーン5を出た高圧水の一
部はランナ2に流入することなく、側圧室11に流入
し、ランナ2と下カバー7の間隙を通り、吸出し管8に
流入する。この流れは漏れ流れと呼ばれ、本来はランナ
2を通りランナ2にエネルギーを与えることができる流
水が何もしないで吸出し管8に流出するため、水車の損
失となる。したがって、このような漏れ流れを抑制する
ためにランナ2と下カバー7との間には側圧シール16
が設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図10は、図9の水車
の背圧室10まわりを拡大して示すとともに背圧室内の
水圧分布を示す図であり、図10の(b),(c)の縦
軸は水圧分布を示し、横軸は背圧室10内の半径方向位
置を示している。図中、実線は背圧室10内の各点の水
圧値を示し、また、点線はその時の大気圧を示してい
る。この図10(b),(c)において左端がランナ2
の外周、外側背圧室10bの外周を示し、横軸の点Aが
給気管15の開口位置を示している。
【0009】ところで、図9及び図10(a)に示され
た水車では、運転中はランナ2が回転することにより背
圧室10内に旋回流が発生するため、その影響で半径位
置が内側になる程水圧が低下する。また、ランナ2のク
ラウン部2aにはバランスホール14が穿設されている
ため、ランナ2の外周部から外側背圧室10bへ水が浸
入し、背圧シール12を通過し、内側背圧室10aに浸
入し、上記バランスホール14を通過してランナ出口の
吸出し管8上部に流れる漏れ流れが発生する。
【0010】このため、通常は内側背圧室10a内の圧
力は、図10(b)に示したように、大気圧以下にな
り、給気管15から大気中の空気が内側背圧室10a内
に吸引される。そして、吸引された空気は水流とともに
バランスホール14を通過して吸出し管8の上部に流入
するが、空気がクッション作用があるため、部分負荷運
転時等は水圧脈動、振動の低減の効果がある。
【0011】ところが、経年変化により背圧シール12
のシール間隔が広くなると、図10(c)に示したよう
に、背圧シール12でのでの圧力降下が小さくなるた
め、内側背圧室10a内の給気管15の開口位置におけ
る水圧が上昇し、大気圧以上になる場合がある。この場
合には給気管15から大気中の空気は吸引されなくなる
ため、空気のクッション効果による部分負荷運転時の水
圧脈動や振動の抑制効果が小さくなり、水車の運転に支
障をきたすようになる場合がある等の問題がある。
【0012】また、下水池9の水位が上昇すると図10
(b)の水圧分布が上方に平行移動し、この場合も内側
背圧室10a内の給気管15の開口位置の水圧が、点線
で示す大気圧以上になるので、給気管15から大気中の
空気を吸引できなくなる等の問題がある。
【0013】一方、水車が発電運転中に電力系統の事故
等による負荷遮断が起きると、ランナ2の回転数が上昇
するため、それに応じて調速機が動作して、ガイドベー
ン5を予め設定された速度で急閉鎖し、機械を停止させ
る。しかし、その過程で、スパイラルケーシング3と上
水池を結ぶ配管の水撃作用によって、ケーシング入口の
圧力上昇が起る。このため背圧室10、側圧室11内の
圧力も急上昇し、その結果としてランナ2に作用する軸
方向スラストが増大し、スラスト軸受けの荷重が増大す
る。
【0014】通常は、このような異常時においても問題
を起こさないように、バランス管13や背圧シール12
により軸方向スラストの低減が図られている。しかし、
背圧シール12は経年変化によりシール間隔が年々広く
なるので、シール効果が年々小さくなり、軸方向スラス
トの値は経年的に変化することになる。すなわち、背圧
シールの間隔が広がると、図10(c)に示したように
内側背圧室10aの圧力が徐々に上昇するので、水車の
軸方向下向きの軸方向スラストが増加する。一般にバラ
ンス管13を流れる水の流量を増やせば、前述の軸方向
スラストは低減できるため、通常運転中や機械が据え付
けられた直後は、やや多めの水がバランス管13を流れ
るように調整しておき、負荷遮断でケーシング入口圧が
上昇したり、時間が経過して背圧シール12のシール間
隔が増大しても、軸方向スラストが過大にならないよう
に調整されている。
【0015】しかしながら、バランス管13を通り吸出
し管8に流出する水は、側圧室10を通り吸出し管8に
流出する水と同様に水車の損失になる。したがって、通
常運転中の本来必要な流量以上の水をバランス管から排
出することは、通常運転時の水車の効率低下を招き好ま
しいことではない。
【0016】本発明は、このような点に鑑み、下水池の
水位やシール間隔の変化に影響されることなく、部分負
荷運転時等の給気が必要とされる運転状態では確実に給
気できるようにするとともに、負荷遮断等の異常運転時
の軸方向スラストを低減させ効率の低下を防止するよう
にしたフランシス形水力機械を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
クラウン部にランナの背部とランナ出口を結ぶバランス
ホールを設けたランナを有するフランシス形水力機械に
おいて、上記ランナと上カバー間に形成された背圧室と
大気を連通する給気管を設けるとともに、上記背圧室と
水力機械の低圧部とを排水管によって接続し、その排水
管の途中に、背圧室から流出する水量を調整する水量調
整手段を設けたことを特徴とする。
【0018】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、水量調整手段が流量調整弁、ポンプの少な
くとも一方であることを特徴とする。
【0019】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2に係る発明において、一端が背水室に接続されて
いる排水管の他端を、ランナと下カバー間に形成された
側圧室に接続したことを特徴とする。
【0020】請求項4に係る発明は、請求項1または3
に係る発明において、排水管に設けられている弁を開閉
制御する給気指令器を有することを特徴とする。
【0021】請求項5に係る発明は、請求項4に係る発
明において、背圧室と大気を連通する給気管の空気流量
を測定する空気流量測定器と、水力機械の水圧、発電機
出力、ガイドベーン開度から水力機械の運転状態を求め
て必要給気量を算定する計算機と、上記空気流量測定器
によって測定された給気量と上記計算機で算定された必
要給気量とを比較して給気指令器に指示信号を出力する
指示器とを有することを特徴とする。
【0022】請求項6に係る発明は、請求項4に係る発
明において、内側背圧室の圧力を測定する圧力測定器
と、水力機械の水圧、発電機出力、ガイドベーン開度か
ら水力機械の運転状態を求めて内側背圧室の基準圧力を
算定する計算機と、上記圧力測定器によって測定された
圧力と上記計算機で算定された基準圧力とを比較して給
気指令器に指示信号を出力する指示器とを有することを
特徴とする。
【0023】また、請求項7に係る発明は、請求項2に
係る発明において、背圧室と大気を連通する給気管の空
気流量を測定する空気流量測定器と、水力機械の水圧、
発電機出力、ガイドベーン開度から水力機械の運転状態
を求めて必要給気量を算定する計算機と、上記空気流量
測定器によって測定された給気量と上記計算機で算定さ
れた必要給気量とを比較して給気指令器にポンプのオン
・オフ指示信号或いは回転数指示信号を出力する指示器
とを有することを特徴とする。
【0024】請求項8に係る発明は、請求項2に係る発
明において、内側背圧室の圧力を測定する圧力測定器
と、水力機械の水圧、発電機出力、ガイドベーン開度か
ら水力機械の運転状態を求めて内側背圧室の基準圧力を
算定する計算機と、上記圧力測定器によって測定された
圧力と上記計算機で算定された基準圧力とを比較して給
気指令器にポンプのオン・オフ指示信号或いは回転数指
示信号を出力する指示器とを有することを特徴とする。
【0025】さらに、請求項9に係る発明は、請求項1
に係る発明において、水力機械が負荷遮断、急停止等の
過渡的な運転状態に陥ったことを検出し、排水管に設け
られた弁に全開指令信号を出力する運転状態判別器を有
することを特徴とする。
【0026】請求項10に係る発明は、請求項1に係る
発明において、背圧室水圧を測定する圧力測定器と、そ
の圧力測定器によって測定された背圧室水圧が規定値を
超えたとき、排水管に設けられた弁に全開指令信号を出
力する運転状態判別器とを有することを特徴とする。
【0027】請求項11に係る発明は、請求項2に係る
発明において、排水管の途中に設けられたポンプの吸い
込み側に、他の機器等からの排水を行う排水用配管が接
続されていることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図8を参照して本
発明の実施の形態について説明する。なお、図中図9及
び図10と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0029】図1は本発明の第1の実施の形態を示す図
であって、内側背圧室10aと吸出し管8との間にはバ
ランス管13とともに両者を連通する排水管20が設け
られている。そして、その排水管20の途中には、給気
指令器21によって制御される流量調整手段22を設け
る。この実施形態では流量調整手段は弁である。
【0030】ところで、このような水力機械において
は、前述のように、バランス管13により内側背圧室1
0aの圧力が下げられるため給気管15により大気中の
空気が内側背圧室10a内に吸引されるが、下水池9の
水位等が上昇したり、経年変化で背圧シール12の間隔
が広くなったりすると、内側背圧室10aの圧力が上昇
して給気管15からの空気の吸引がなくなる。したがっ
て、その状態で水力機械が部分負荷で運転されると吸出
し管内の渦の不安定な運動により水圧脈動や振動が増え
る。
【0031】そこで、本実施の形態においては、給気が
必要なことを発電所の運転員等が判断し、給気指令器2
1を操作して給気指令を出させると、その給気指令によ
って弁22が全開される。したがって、内側背圧室10
a内の水が排水管20を経て吸出し管8に排水され、内
側背圧室10aの圧力が低下する。したがって、給気管
15から空気が内側背圧室10aに吸引され、給気が行
われる。
【0032】すなわち、バランス管13を通過する水の
流量だけでは内側背圧室10a内の圧力が大気圧以下と
ならない場合に、新たに弁22が開けられると、排水管
20から新たに水が流出するため、背圧シール12を通
り内側背圧室10aに流入する水の量が上記排水管20
から流出する水量だけ増える。そのため背圧シール部で
大きな圧力降下が発生し、内側背圧室10a内の圧力が
下がり、給気管15を経て空気が内側背圧室10a内に
給気される。
【0033】したがって、下水池の水位が上昇し給気が
困難になった場合でも必要な給気量を確保することがで
き、水力機械の安定した運転を行うことができる。
【0034】図2は本発明の第2の実施の形態を示す図
であり、内側背圧室10aと吸出し管8が排水管20に
よって連通されており、その排水管20には給気指令器
21からの指令により開閉される弁22が設けられてい
る。また、給気管15には空気流量Qa を測定する測定
器23が設けられている。さらに、水力機械の水圧Hs
t、発電機出力P、及びガイドベーン開度aから水力機
械の運転状態を求め、給気の必要を判断し必要給気量Q
adを算定する計算機24が設けられている。尚、この計
算機はマイコン等で構成されている。そして、上記測定
器23及び計算機24からの出力信号は指示器25に入
力され、そこで測定器23及び計算機24からの出力信
号が比較され、その差信号が給気指令器21に入力さ
れ、その給気指令器21の出力信号によって弁22が開
閉制御されるようにしてある。
【0035】すなわち、計算機24は、給気が必要な運
転状態では予め定められた必要給気量Qadを出力し、給
気が必要ないと判断された運転状態では0または負の値
を出力する。そして、指示器25において、測定器23
で測定された給気管15の空気流量Qa と上記必要給気
量Qadとが比較され、その差分Qa −Qadに相当する信
号が給気指令器21に入力される。給気指令器21は入
力が負の場合(Qa −Qad<0、すなわちQa <Qad)
には弁22に開指令を出し、入力が正の場合(Qa −Q
ad>0、すなわちQa >Qad)には弁22に閉指令を出
す。
【0036】しかして、下水池の水位が上昇したり、或
いは背圧シール12の間隔が広がったりして内側背圧室
10aの圧力が上昇し、給気量Qa が上記必要給気量Q
adより小さくなると、指示器25の出力が負となり、給
気指令器21から弁22に開指令が出され、弁22が開
かれる。このようにして弁22が開放されると、内側背
圧室10aの水が吸出し管8に排出されるため、前述の
ように内側背圧室10aの圧力が低下し、給気管15か
ら大気中の空気が内側背圧室10aに吸引される。一
方、弁22の開度が適正開度より大きい場合は、給気管
15の給気量Qaは必要給気量Qadを上回るため、指示
器25の出力は正となり、給気指令器21からは弁22
に閉指令が出る。こうした過程を繰り返すことで弁22
の開度は適正な開度に自動的に設定され、排水管20を
通り吸出し管8に排出される水量は必要最小限に抑えら
れる。
【0037】このように、弁22の開度は給気管15の
空気流量を測定することにより適正な開度に設定され、
背圧室から必要以上の漏れ流れを発生することなしに必
要な給気量を確保することができる。しかして、必要最
小限の漏れ流れを許容するだけで必要な給気量を確保す
ることができ、水力機械の安定した運転を行うことがで
きる。
【0038】図3は本発明の第3の実施の態様を示す図
であり、内側背圧室10aと吸出し管8を接続する排水
管20には、給気指令器21からの指令により開閉され
る弁22が設けられている。また、内側背圧室10aに
はその内側背圧室10a内の圧力を測定する圧力測定器
26が設けられている。さらに、水力機械の水圧Hst、
発電機出力P、及びガイドベーン開度aから水力機械の
運転状態を求め、給気の必要を判断し内側背圧室10a
内の基準圧力Pc を算定する計算機27が設けられてい
る。そして、上記圧力測定器26及び計算機27は指示
器28に入力され、そこで圧力測定器26及び計算機2
7からの出力信号が比較され、その差信号が給気指令器
21に入力され、その給気指令器21の出力信号によっ
て弁22が開閉制御されるようにしてある。
【0039】すなわち、計算機27は、給気が必要な運
転状態では内側背圧室の水圧基準値Pc として、例えば
c =−5m〜0m(大気圧を基準とするゲージ圧)を
出力し、給気が必要ないと判断される運転状態では0m
(大気圧)より高い圧力、例えばPc =10mを出力す
る。そして、指示器28において、圧力測定器26で測
定された内側背圧室水圧P1 と内側背圧室の水圧基準値
c とを比較し、その差分P1 −Pc に相当する信号が
給気指令器21に入力される。給気指令器21は入力が
正の場合(P1 >Pc )は弁22に開指令を出し、入力
が負の場合(P 1 <PC )は弁22に閉指令を出す。
【0040】しかして、下水池の水位が上昇したり或い
は背圧シール12の間隔が広がったりして内側背圧室1
0aの圧力が上昇し、給気管15からの空気の吸引がな
い状態になり、上記内側背圧室10aの圧力P1 が水圧
基準値Pc 以上になると、指示器28の出力は正とな
る。したがって、給気指令器21から弁22に開指令が
出され、弁22が開かれる。このようにして弁22が開
放されると、内側背圧室10aの水が吸出し管8に排出
されるため、前述のように内側背圧室10aの圧力が低
下し、給気管15から大気中の空気が内側背圧室10a
に吸引される。一方、弁22の開度が適正開度より大き
い場合は、内側背圧室10aの圧力P1 は基準圧力Pc
より低くなるため、指示器28の出力は負となり給気指
令器21から弁22に閉指令が出る。こうした過程を繰
り返すことで弁22の開度は適正な開度に自動的に設定
され、排水管20を通り吸出し管8に排出される水量は
必要最小限に抑えられる。
【0041】しかして、この実施の形態においても第2
の実施の形態と同様に必要最小限の漏れ流れにより必要
な給気量を確保することができ、水力機械の安定した運
転を行うことができる。
【0042】また、図4は本発明の第4の実施の形態を
示す図であって、排水管20に設けられている弁22が
運転状態判別器29の出力信号によって全開されるよう
にしてある。
【0043】しかして、水力機械が負荷遮断、急停止等
の過渡的な運転状態に陥ったことが運転状態判別器29
によって検出されると、その運転状態判別器29から弁
22に全開指令が出され、弁22が全開される。したが
って、内側背圧室10aから吸出し管8へ流れる流量が
増大し、内側背圧室10a内の圧力が低下し、ランナ2
を上から下に押す軸方向スラストが低減する。そのた
め、負荷遮断や急停止により軸方向スラストが過渡的に
大きくなることを防ぐことができる。
【0044】従来の水力機械では、このような過渡時の
軸方向スラストも含めて、最大軸方向スラストが予め定
められた基準値に入るように設計されている。すなわ
ち、通常運転中も弁22が全開になったと同等の状態で
運転されていた。このため過渡時の軸方向スラストの値
は従来の水力機械も本実施の形態の場合も同等の値にな
るが、通常運転中においては弁22が全閉されているの
で吸出し管8に流出する流量を低く抑えることができ、
漏れ流量増加に伴なう水力機械の効率低下を抑制するこ
とができる。
【0045】ところで、上記実施の形態においては、運
転状態判別器29によって水力機械が負荷遮断、急停止
等の過渡的な運転状態に陥ったことが検出されたとき弁
22を全開するようにしたものを示したが、背圧室水圧
が或る規定値を越えたとき、上記運転状態判別器29を
介して弁22を全開するようにしてもよい。また、背圧
室の水圧の代りにスパイラルケーシング3の入口水圧を
測定し弁22を制御しても同様の作用効果を奏する。
【0046】図5は本発明の第5の実施の形態を示す図
であって、排水管20には流量調整手段として弁22と
ともにポンプ30が設けられており、そのポンプ30も
給気指令器21によって起動・停止されるようにしてあ
る。その他の点は図2に示すものと同一である。
【0047】しかして、給気管15の給気流量Qa が必
要給気量Qadより少ないと、給気指令器21から弁22
に対して開指令が出されるとともにポンプ30に起動指
令が出る。一方、必要給油量Qadが0または負の値にな
った場合には給気指令器21から弁22に対する全閉指
令とポンプ30に対する停止指令がでる。
【0048】したがって、下水池の水位が上昇したり背
圧シール12の間隔が広がったりすると、Qa <Qadと
なり、弁22が全開されるとともにポンプ30が起動さ
れる。そのため内側背圧室10a内の水がポンプ30に
よって吸出し管8に排出され、給気管15より大気中の
空気が内側背圧室10aに吸引される。このように内側
背圧室10aの水はポンプ30によって吸出し管8へ圧
送されるため、内側背圧室10aの圧力を大気圧以下に
することができ、給気管15によって大気中の空気を確
実に吸引することができる。
【0049】このように、本実施の形態においても、給
気の必要がない運転点では余分な漏れは発生しないため
水力効率を向上することができ、また給気が困難な下水
池水位が上昇した状態でも必要な給気量を確保でき、水
力機械の安定した運転を行うことができる。
【0050】さらに、図6は本発明の第6の実施の形態
を示す図であって、排水管20には弁22とともにポン
プ30が設けられており、そのポンプ30も給気指令器
21によって起動停止されるようにしてある。その他の
点は図3に示すものと同一である。
【0051】しかして、内側背圧室水圧P1 が背圧室の
水圧基準値Pc より大きいと、給気指令器21から弁2
2に対して開指令が出されるとともにポンプ30に起動
指令が出る。一方、内側背圧室水圧P1 が背圧室の水圧
基準値Pc より小さくなると、給気指令器21から弁2
2に対する全開指令とポンプ30に対する停止指令が出
る。
【0052】したがって、この場合も図5に示す第5の
実施の形態と同一作用効果を奏する。
【0053】ところで、図5の実施の形態及び第6の実
施の形態においてはポンプ30をオン・オフ制御するよ
うにしたものを示したが、そのポンプ30を回転数を可
変できるポンプとし、給気指令器21により回転数を制
御するようにしてもよい。しかして、この場合ポンプの
回転数の制御によって排水管20を通り吸出し管8に排
出される漏れ流れを一定回転数でポンプを運転する場合
よりも最適流量とすることができるとともに、図5及び
図6の実施の形態と同一作用効果を奏する。
【0054】また、図7は本発明の第7の実施の形態を
示す図であり、内側背圧室10aに開口されている排水
管20の先端が側圧室11の側圧シール16より高圧側
に接続されている。そして、この排水管20にポンプ3
0及び弁22が設けられている。
【0055】しかして、弁22を全開するとともにポン
プ30を起動することにより、内側背圧室10a内の水
を側圧室11に吸引することができ、各実施の形態と同
様に内側背圧室10aへの給気を確立することができ
る。なお、排水管20が開口している内側背圧室10a
の圧力に比較して側圧室11の圧力は同程度かやや高い
けれどもポンプ30を使用することによって内側背圧室
10a内の水を側圧室11に送給することができる。
【0056】また、排水管20を経て内側背圧室10a
から供給された水の流量だけ、ランナ2の外周から側圧
室11に流入する流量が減少することになり、吸出し管
8に排水するようにしたものに比し、水力機械全体の漏
れ流量を減少させることができ、水力機械の効率を上げ
ることができる。
【0057】図8は本発明の第8の実施の形態を示す図
であって、ポンプ30及び弁22を有する排水管20に
は、上記ポンプ30の吸込み側に、例えば排水ピット3
1の如き他の系統の配管32が接続されている。そし
て、上記配管32には弁33を設けるとともに、排水管
20の上記配管32との接続点より上流側にも弁34が
設けられている。
【0058】しかして、この実施の形態における水力機
械においても、水力機械の運転中は必要に応じポンプ3
0を起動して背圧室10の圧力を下げ給気を行うことが
できる。一方、水力機械が停止中は、ポンプ30と内側
背圧室10aを連結している排水管20の弁34を閉鎖
し、他の系統の配管32に設けられている弁33を開け
て、ポンプ30を起動することによって、排水ピット3
1の如き他の系統の水を排水することができる。また、
他号機の背圧室と連通する配管を設ければ、その号機の
ポンプが故障した時の予備ポンプとして使用することも
できる。このように、本実施の形態においては、本来背
圧室内の水を吸引するためのポンプを他の用途に転用す
ることもできる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成したので、
下水池の水位やシール間隔の変化に影響されることな
く、部分負荷運転時等に必要とされる背圧室への給気を
確保することができ、水圧脈動、振動の低減を図ること
ができ、また負荷遮断等の異常運転時の軸方向スラスト
を制御し、効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフランシス形水力機械の第1の実施の
形態を示す図。
【図2】本発明のフランシス形水力機械の第2の実施の
形態を示す図。
【図3】本発明のフランシス形水力機械の第3の実施の
形態を示す図。
【図4】本発明のフランシス形水力機械の第4の実施の
形態を示す図。
【図5】本発明のフランシス形水力機械の第5の実施の
形態を示す図。
【図6】本発明のフランシス形水力機械の第6の実施の
形態を示す図。
【図7】本発明のフランシス形水力機械の第7の実施の
形態を示す図。
【図8】本発明のフランシス形水力機械の第8の実施の
形態を示す図。
【図9】従来のフランシス形水力機械の概略構成を示す
図。
【図10】(a)は図9における背圧室部の拡大図、
(b)及び(c)はそれぞれ背圧室内の圧力変化の説明
図。
【符号の説明】
1 主軸 2 ランナ 6 上カバー 7 下カバー 8 吸出し管 9 下水池 10 背圧室 10a 内側背圧室 11 側圧室 13 バランス管 14 バランスホール 15 給気管 16 側圧シール 20 排水管 21 給気指令器 22 弁 23 測定器 24,27 計算機 25,28 指示器 26 圧力測定器 30 ポンプ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラウン部にランナの背部とランナ出口を
    結ぶバランスホールを設けたランナを有するフランシス
    形水力機械において、上記ランナと上カバー間に形成さ
    れた背圧室と大気を連通する給気管を設けるとともに、
    上記背圧室と水力機械の低圧部とを排水管によって接続
    し、その排水管の途中に、背圧室から流出する水量を調
    整する水量調整手段を設けたことを特徴とするフランシ
    ス形水力機械。
  2. 【請求項2】前記調整手段は流量調整弁、ポンプのうち
    の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項1記
    載のフランシス形水力機械。
  3. 【請求項3】一端が背水室に接続されている排水管の他
    端を、ランナと下カバー間に形成された側圧室に接続し
    たことを特徴とする、請求項1または2記載のフランシ
    ス形水力機械。
  4. 【請求項4】排水管に設けられている弁を開閉制御する
    給気指令器を有することを特徴とする、請求項1または
    3記載のフランシス形水力機械。
  5. 【請求項5】背圧室と大気を連通する給気管の空気流量
    を測定する空気流量測定器と、水力機械の水圧、発電機
    出力、ガイドベーン開度から水力機械の運転状態を求め
    て必要給気量を算定する計算機と、上記空気流量測定器
    によって測定された給気量と上記計算機で算定された必
    要給気量とを比較して給気指令器に指示信号を出力する
    指示器とを有することを特徴とする請求項4記載のフラ
    ンシス形水力機械。
  6. 【請求項6】内側背圧室の圧力を測定する圧力測定器
    と、水力機械の水圧、発電機出力、ガイドベーン開度か
    ら水力機械の運転状態を求めて内側背圧室の基準圧力を
    算定する計算機と、上記圧力測定器によって測定された
    圧力と上記計算機で算定された基準圧力とを比較して給
    気指令器に指示信号を出力する指示器とを有することを
    特徴とする請求項4記載のフランシス形水力機械。
  7. 【請求項7】背圧室と大気を連通する給気管の空気流量
    を測定する空気流量測定器と、水力機械の水圧、発電機
    出力、ガイドベーン開度から水力機械の運転状態を求め
    て必要給気量を算定する計算機と、上記空気流量測定器
    によって測定された給気量と上記計算機で算定された必
    要給気量とを比較して給気指令器にポンプのオン・オフ
    指示信号或いは回転数指示信号を出力する指示器とを有
    することを特徴とする請求項2記載のフランシス形水力
    機械。
  8. 【請求項8】内側背圧室の圧力を測定する圧力測定器
    と、水力機械の水圧、発電機出力、ガイドベーン開度か
    ら水力機械の運転状態を求めて内側背圧室の基準圧力を
    算定する計算機と、上記圧力測定器によって測定された
    圧力と上記計算機で算定された基準圧力とを比較して給
    気指令器にポンプのオン・オフ指示信号或いは回転数指
    示信号を出力する指示器とを有することを特徴とする請
    求項2記載のフランシス形水力機械。
  9. 【請求項9】水力機械が負荷遮断、急停止等の過渡的な
    運転状態に陥ったことを検出し、排水管に設けられた弁
    に全開指令信号を出力する運転状態判別器を有すること
    を特徴とする請求項1記載のフランシス形水力機械。
  10. 【請求項10】背圧室水圧を測定する圧力測定器と、そ
    の圧力測定器によって測定された背圧室水圧が規定値を
    超えたとき、排水管に設けられた弁に全開指令信号を出
    力する運転状態判別器とを有することを特徴とする請求
    項1記載のフランシス形水力機械。
  11. 【請求項11】排水管の途中に設けられたポンプの吸い
    込み側に、他の機器等からの排水を行う排水用配管が接
    続されていることを特徴とする請求項2記載のフランシ
    ス形水力機械。
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