JP2001163374A - 紙容器 - Google Patents

紙容器

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JP2001163374A
JP2001163374A JP34908199A JP34908199A JP2001163374A JP 2001163374 A JP2001163374 A JP 2001163374A JP 34908199 A JP34908199 A JP 34908199A JP 34908199 A JP34908199 A JP 34908199A JP 2001163374 A JP2001163374 A JP 2001163374A
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Hitoshi Kamo
仁己 加茂
Yoshiki Sakamoto
良樹 坂本
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Tokan Kogyo Co Ltd
Tokyo Paper Mfg Co Ltd
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Tokan Kogyo Co Ltd
Tokyo Paper Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高遮光性を有し、内容物の変質を
防ぎ、外観を損なうことがない紙容器に関する。 【解決手段】 本発明の紙容器は、表層と、裏層と、該
表層と裏層の間で一層以上に積層されておりカーボンブ
ラックとカチオン性アミン含有定着剤を含む遮光層を少
なくとも上記一層として有する中間層とからなる原紙を
含んだ基材を構成材として成型してなるので、従来品に
比べて高遮光性を有し、内容物の変質を防ぎ、外観を損
なうことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光層を有する紙
を主体とした基材を構成材に用いて成型された紙容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来からカップやカートン、トレーその
他の包装容器用の資材として紙を主体とした基材(以
下、紙基材という)が広く使用されている。しかしなが
ら、紙基材を包装容器として使用した場合、光線が紙を
透過することによって内容物、特に食品などに影響を及
ぼすことがある。例えば、内容物が清酒や緑茶、ヨーグ
ルト、油脂類あるいは高脂肪分のアイスクリームなどの
場合、これらのものは光線の影響を受けやすく、色素劣
化や味覚低下を引き起こし商品価値を低下させてしまう
ことがある。上記のような内容物の劣化を防止するた
め、使用される紙基材の光の透過を抑制する(以下、
「遮光する」と言う)必要がある。しかし、内容物の味
覚低下を引き起こす波長は内容物の成分ごとに異なり、
可視光領域、近紫外領域、近赤外領域の波長を遮光する
必要がある。
【0003】このような領域を遮光する目的で従来から
紙にアルミニウム箔(以下、アルミ箔という)を貼合す
ることによって遮光性を付与する紙基材(以下、遮光紙
基材)から得られる紙容器が作られていた。アルミ箔を
貼合した遮光紙基材から得られる紙容器の場合には遮光
性能においては十分な効果が得られるが、焼却時に焼却
炉に燃えかすが残る場合があり、焼却適性が不十分とな
るおそれがある。この問題点を解決するため、紙の表面
に墨インキなどを印刷する方法、紙に積層する樹脂を着
色する方法、紙とフィルムあるいは紙と紙の貼合時に使
用する接着剤に着色を施す方法による遮光紙基材から紙
容器が作られていた。これらの方法のうち、紙の表面に
印刷して遮光性を付与する方法から作られる遮光紙基材
の場合には遮光性を付与するための印刷を行い、さらに
外観を維持するために遮光印刷層の上に白色の印刷を施
すことになり印刷に使用されるインキ中の溶剤が紙基材
に残留してしまい臭気が残り、臭気が解消されるまで紙
容器にできず、生産性を低下させる欠点があった。ま
た、特開平10−211919号公報のように紙の表面
に遮光性を付与するための印刷を行い、白色の紙を貼合
する方法による遮光紙基材から得られる紙容器の場合に
は遮光性付与のための印刷を行った後、白色紙を貼合す
ることになり生産工程が長くなり、製品ロスが多くな
る。一方、特開平07−156339号公報のように紙
に積層する樹脂を着色する方法による遮光紙基材から得
られる紙容器の場合、溶融押出し機内の着色した樹脂を
入れ替える際に大量にパージする必要があり、パージに
使用する樹脂の量とパージに要する時間が膨大になり、
生産性が低下するという難点があった。さらに特開平1
1−130044のように紙とフィルムあるいは紙と紙
の貼合時に使用する接着剤に着色を施す方法も開示され
ているが、樹脂を着色した場合には容器としての外観
上、着色を白色で隠蔽することになり、いずれの場合も
生産効率に難点があり、コスト高になるし、構成が複雑
となってしまうという問題があった。
【0004】上記以外の方法として紙の一部の層を未晒
しパルプや染料により着色する遮光紙基材から得られる
紙容器が作られている。紙の一部の層を着色して遮光性
を付与する方法の場合には、例えば実開昭59−103
800号公報のように未晒しのパルプを用いたり、また
はパルプを染料や着色顔料によって着色したり、または
それらを併用したりして作られている。しかし、未晒し
のパルプによって遮光するような紙基材の場合、その紙
は可視光の高波長領域から赤外領域にかけての光線が透
過し、十分な遮光効果が得られないという欠点があっ
た。また、染料によって着色した場合には未晒しパルプ
によって遮光する紙と同様に可視光の高波長領域から赤
外領域にかけての光線が透過し、十分な遮光効果が得ら
れない。
【0005】前記の紙の一部の層を着色する紙基材の欠
点を解決する方法として特開平5−88299号公報の
ように紙の一部の層をカーボンブラックによって着色す
る紙基材が開示されている。該特許公報ではカーボンブ
ラックの定着には硫酸バンドが用いられている。しか
し、硫酸バンドを使用した場合には、その強い凝集力か
ら原紙の地合を崩し均一な遮光性が得られなかったり、
酸性領域以外での抄紙には使用できないなどの難点があ
った。この難点を改良した遮光紙として特開平4−10
4143号公報のようにカーボンブラックとカチオン染
料によって遮光層を設ける方法が開示されている。この
ような遮光紙の場合にはカーボンブラックの定着にカチ
オン染料を使用しており、食品容器として使用した場合
に定着の目的として使用したカチオン染料が内容物に付
着してしまうという欠点があった。この欠点は食品容器
以外であっても光線の透過により内容物に影響を及ぼす
恐れがある物品の容器として使用する場合には共通の問
題点であって、この種の技術分野において開発が待たれ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは高遮光性を有し、内容物の変質を防ぎ、外観を損
なうことがない紙容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の有
する前記課題を解決するために鋭意検討した結果、表層
と、裏層と、該表層と裏層の間で一層以上に積層されて
おりカーボンブラックとカチオン性アミン含有定着剤を
含む遮光層を少なくとも上記一層として有する中間層と
からなる原紙を含んだ基材を構成材として紙容器を成型
してなる、という技術的手段を講じることによって上記
課題が達成されることを見い出し、本発明を完成させる
に至った。なお、この発明で「中間層」とは、表層と裏
層の間に積層された層であって、一層または複数の層か
らなるものをいう。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の紙容器の実施の
形態について詳細に説明する。本実施の形態の紙容器と
は、原紙を含むものを基材として必要に応じて印刷、断
裁、折り曲げるための罫線の付与、所定の形状に成形す
るための打ち抜きなどを行い、カップ型、ゲーブルトッ
プ型、フラットトップ型、テトラ型、円筒型、組箱等の
形状が挙げられる。
【0009】この紙容器に使用される構成材の原紙は、
三層以上の複数の層に積層された紙であって、パルプ層
からなる表層および裏層と、カーボンブラックとカーボ
ンブラックの定着剤であるカチオン性アミン含有定着剤
を含む遮光層を少なくとも一層として含む中間層とから
構成される。
【0010】本実施の形態において使用される原紙の表
層および裏層のパルプは特に制限はないが、例えば化学
パルプ、機械パルプなどの木材天然パルプ、ケナフ、バ
ガス、麻や竹などの非木材天然パルプ、ポリエチレン、
ポリプロピレンを原料とした合成パルプなどを挙げるこ
とができ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。上記の他にレーヨン繊維、ビ
ニロン繊維、アクリル繊維、などの化学繊維を混抄する
ことも可能である。しかし、均一な地合を形成するため
には木材天然パルプを用いるのが好ましく、白色度を高
く維持するには晒しパルプを用いるのがよい。
【0011】中間層の全部または遮光層に使用するパル
プは、木材天然パルプや非木材天然パルプなどのセルロ
ース系天然パルプを使用する。これらのセルロース系天
然パルプは晒しパルプ、未晒しパルプのいずれでもよ
く、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
もできる。また、これらのセルロース系天然パルプとポ
リエチレン、ポリプロピレンなどを原料とした合成パル
プやレーヨン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、など
の化学繊維を、単独あるいは2種以上を組み合わせて混
抄して使用することもできる。
【0012】本実施の形態に使用されるカーボンブラッ
クは、前記遮光層に添加して使用する。これに際しカー
ボンブラックは公知の方法で製造されたいずれでも使用
できる。
【0013】本実施に形態に使用される原紙において
は、カーボンブラックの添加量は0.4〜2.0g/m
になるように添加することが好ましい。0.4g/m
より少ないと十分な遮光性が得られない。2.0g/
を超えて添加した場合、遮光の効果はほぼ飽和に達
してしまい、多くする必要がなくコスト高になるばかり
か製品の外観が悪化してしまう。また、カーボンブラッ
クの一部がパルプ繊維に固定され切れず、排水が黒色に
着色してしまう恐れがある。
【0014】さらに好ましい範囲は0.5〜1.2g/
である。すなわち、前述のように0.4g/m
遮光の効果は得られるが、0.5g/mで遮光の効果
の確実性が一層強まる。また、添加量1.2g/m
では原紙表面の白色度を高く維持することができるが、
これを超えると白色度が2〜3%低下することがある。
【0015】本実施の形態に使用される原紙のカーボン
ブラックを添加する遮光層は中間層を構成する1層であ
っても複数の層であってもよい。原紙の中間層が1層で
ある場合は、この1層が遮光層となってカーボンブラッ
クを添加し、原紙の中間層が2層以上である場合は、単
独の層あるいは複数の層を遮光層としてこれに添加する
ことも可能である。
【0016】本実施の形態に使用される原紙において
は、カーボンブラックを効率的にパルプ繊維に定着させ
るため、カーボンブラックの定着剤としてカチオン性ア
ミン含有定着剤を使用する必要がある。
【0017】本実施の形態に使用されるカチオン性アミ
ン含有定着剤は、ポリアミン系、ポリアミンポリアミド
系の樹脂などが使用できる。しかし、高分子量の樹脂を
用いると地合を崩してしまい均一な遮光性が得られなく
なる恐れがあるため、好ましくは低分子量のものを用い
るのがよい。
【0018】前記カチオン性アミン含有定着剤は、遮光
層の原料に対し、液状で0.5〜4.0部(重量部、以
下同じ)の範囲で添加するのが好ましい。0.5部より
も少ないとカーボンブラックはパルプ繊維に固定できな
くなり遮光性能が低下してしまう。4.0部を超えると
抄紙系内のイオンバランスが崩れカーボンブラックの歩
留まりが低下する恐れや地合不良を招き均一な遮光性が
得られない恐れがある。さらに好ましくは1.0〜2.
0部の範囲である。
【0019】上記の構成原料を混合したスラリーの添加
剤には、必要に応じて紙力向上やサイズ性能の付与の目
的で従来より使用されている各種のアニオン性、ノニオ
ン性、カチオン性あるいは両性の紙力増強剤、サイズ剤
などを適宜選択して使用できる。 例えば、紙力増強剤
としてはポリアクリルアミド系のアニオン性、ノニオン
性、カチオン性あるいは両性の樹脂、ポリアミンポリア
ミドおよびその誘導体、カチオン性、および両性澱粉な
どの各種の紙力増強剤が使用できる。サイズ剤としては
ロジン系、石油樹脂系、アルキルケテンダイマー系、ア
ルケニル無水コハク酸系などの各種サイズ剤を挙げるこ
とが出来る。さらに一般に公知となっている填料、例え
ば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン
などの鉱物質填料も適宜選択して使用できる。これらの
薬品を定着させる目的で硫酸バンドなどの無機系化合物
を適宜組み合わせて使用できる。また、抄紙用添加助剤
としてはPH調整剤、消泡剤、粘剤なども必要に応じて
使用できる。
【0020】上記のスラリーを抄造して本実施の形態に
使用する原紙を得ることができる。これに際し、原紙の
抄造に使用される抄紙機としては、円網型、短網型、長
網型、コンビネーション型等を挙げることが出来る。
【0021】また、サイズプレスコート、ゲートロール
コート、キャレンダーコート、ブレードコート等の塗工
方法にて澱粉やポリビニルアルコール、ポリアクリルア
ミド系の紙力増強剤、各種表面サイズ剤、ポリエチレン
イミン等を塗工することも可能である。
【0022】本実施の形態に使用する原紙の坪量は、1
50〜500g/mであることが好ましい。原紙の坪
量が150g/mに満たない場合、必要なカーボンブ
ラックの量を中層に添加した場合に中層に着色した黒色
が原紙表面に透けてしまい外観上悪化する。原紙の坪量
が500g/mを超えると脱水性の低下や乾燥効率の
低下など抄紙性に難点がある。また、500g/m
を超えた場合は紙が厚すぎるために容器成型時に成型不
良を起こす恐れがある。さらに好ましくは230g/m
から400g/mである。
【0023】紙容器は、図柄等を印刷して使用されるこ
とが多い。紙容器に使用される構成材として原紙を基材
とした場合でも十分であるが、印刷効果をさらに高めた
い場合は原紙の片面または両面に隠ぺいコート層を設け
てもよい。
【0024】本実施の形態に使用される原紙の片面また
は両面に酸化チタンを含む隠ぺいコート層を設ける構成
材は前記の原紙層と原紙の片面または両面に酸化チタン
を含む塗工層によって構成され、塗工層は酸化チタンを
含む無機顔料とバインダーによって構成される。
【0025】本実施の形態に使用される酸化チタンは、
硫酸法、塩素法等により製造されたいずれでも使用でき
る。また、結晶構造はルチル型、アナターゼ型のいずれ
でも使用できる。
【0026】隠ぺいコート層の酸化チタンの割合は、固
形分で20〜80部が好ましい。20部に満たないと隠
ぺいの効果が十分ではなく、80部を超えると隠ぺいの
効果はほぼ飽和に達してしまい、多くする必要がなくコ
スト高になるばかりか、酸化チタンは硬いため打ち抜き
工程において打ち抜き機械の刃が傷んだり、隠ぺいコー
ト層が割れるなどのトラブルが発生する恐れがある。さ
らに好ましい範囲は30〜70部である。
【0027】隠ぺいコート層には、酸化チタンと併用し
て酸化チタン以外の顔料を使用してもよい。例えば、カ
オリン、クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、サチンホワイト等が挙げられ、これらを
1種類または複数の顔料を酸化チタンと併用して使用す
ることができる。
【0028】隠ぺいコート層に使用するバインダーとし
ては、酸化デンプン、カルボキシルメチルセルロース、
ガゼイン、ポリビニルアルコール、スチレンーブダジエ
ン共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタ
クリル酸エステルの重合体または共重合体のアクリル系
重合体ラテックス等を1種類または複数を組み合わせて
使用することができる。
【0029】上記の構成原料を混合した塗工剤には、必
要に応じて消泡剤、離型剤、耐水化剤、流動変性剤等の
各種助剤が使用できる。上記の塗工剤をゲートロールコ
ート、ロールコート、エアナイフコート、バーコート、
ブレードコート等の塗工方法にて塗工することが可能で
ある。
【0030】隠ぺいコート層は、片面で固形分にして5
〜25g/mが好ましい。5g/mより少ない場合
は隠ぺいの効果が満たない場合があり、25g/m
超える場合は隠ぺいの効果は十分であるが、例えば、カ
ップ型や各種のカートン型紙容器とした場合、打ち抜き
工程や折り曲げ工程において隠ぺいコート層の割れが発
生したり、成型機とコート層とのこすれによりコート層
がつぶれてしまい原紙の中間層に着色したカーボンブラ
ックの色が透けてしまい、外観不良トラブルなどが発生
の原因となる恐れがある。さらに好ましい範囲は10〜
20g/mである。
【0031】上記のようにして得られた原紙を基材と
し、または原紙の片面、両面に酸化チタンを含む隠ぺい
コート層を設けたものを基材とする構成材の片面または
両面に樹脂を積層してなる積層体として紙容器の製造に
供してもよい。
【0032】その際に使用される樹脂としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリアク
リロニトリル共重合体等が使用でき、これらの樹脂は基
材に直接積層してもよいし、1軸延伸、2軸延伸あるい
は未延伸のフィルムとして積層してもよい。
【0033】これらの樹脂を基材に積層することにより
積層体が得られ、積層する樹脂は単独であっても複数で
あってもよいが、積層する樹脂の厚みは10〜200μ
mの範囲が好ましい。10μmより少ないと十分なシー
ル強度が得られず紙容器としての破袋強度に支障をきた
す。また、容器成型時に生じる段差や隙間を穴埋めるた
めに十分な樹脂量が得られ難くなる。200μmを超え
ると樹脂層が厚くなりすぎ容器成形時に折れ曲げ難くな
り成形不良を起こす原因になる。
【0034】基材に樹脂を積層するには公知方法を用い
ることができ、例えば、押し出しラミネート法、サンド
ウィッチラミネート法、ドライラミネート法、ウエット
ラミネート法等の方法が挙げられる。
【0035】特に、内容物の保存を長期にしたい場合に
は、積層体中に用途に応じて酸素や窒素、二酸化炭素等
の成分、水蒸気、紫外線あるいはフレーバー等のバリア
層を設けることもできる。このバリア層に使用される樹
脂は、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル、ナイロンなどのポリアミド、エチレンービニルアル
コール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が使用できる。
また、上記の樹脂のほかに酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム等の無機酸化物が両面または片面
に蒸着されているプラスチックフィルムであってもよ
い。また、片面、両面にポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、エチレンービニルアルコール共重合体等
がコーティングされているプラスチックフィルムであっ
てもよい。積層する樹脂層のバリア層は1層、または複
数の層に設けてもよい。
【0036】このようにして得られた構成材から、カッ
プや各種のカートンや箱の形で紙容器が得られる。例え
ば、紙容器がカップの形状である場合は、必要に応じて
構成材に図柄の印刷を行い、打ち抜き、必要部の加熱圧
着、トップカール等をされて成形される。カップの場合
は、蓋部、胴部、底部の3部分の構成材で作られる場合
が多いが、光線の透過を防止するためには3部分全てに
本実施の形態の構成材を使用することが好ましい。カッ
プは、樹脂カップの形状であってもよい。樹脂カップの
場合も本実施の形態の構成材を使用することが好ましく
使用できる。
【0037】また、紙容器がカートンの形状である場合
は、必要に応じて印刷、折り曲げるための罫線を付与、
所定の形状に成形するための打ち抜き、必要部の加熱圧
着等を行い成形される。紙容器が箱の場合は、印刷、断
裁、必要部を水系、溶剤系、ホットメルト等の接着剤で
貼合等をされて成形される。
【0038】紙容器は印刷されて使用される場合が多い
が、印刷方法はグラビア印刷、オフセット印刷、フレキ
ソ印刷等の各種の印刷方法が使用できる。印刷に使用さ
れる印刷インキはそれぞれの印刷方法に合致したグラビ
アインキ、オフセットインキ、フレキソインキ等が使用
できる。
【0039】上記のような構成材にてカップやカート
ン、箱等の紙容器に成形されて固体や液体の内容物を包
装して使用される。本実施の形態の構成材にて作られた
紙容器は光線が紙容器を透過して内容物の色素劣化、品
質劣化等の変質を引き起こすことが防止できる。また、
本実施の形態の紙容器の内容物は、光によって影響を受
けるものであれば特に食品に限定されない。
【0040】次ぎに、本実施の形態の紙容器を紙コップ
に成形して、対照品との間で香味劣化テストを行った結
果を以下に示す。 イ 紙コップに収納する内容物:市販のはっ酵乳 成分:乳脂肪分6.8%、無脂乳固形分8.5% 原材料:乳製品、果糖、生乳、コーヒー、いちご果糖、
砂糖、増粘多糖類、 香料 ロ テスト容器 A:5層抄きの中間層1層にカーボンブラックを1.0
g/m含み、晒しパルプを用いた遮光原紙を構造材と
した紙コップ。 B:未晒しパルプを中間層に使用し、その他の層は晒し
パルプとした対照品の紙コップ。 C:晒しパルプを全層に使用した対照品の紙コップ。 A、BおよびCのいずれも、5層抄き300g/m
内面及び外面PEラミネート、満杯内容量132ml、
無地からなる。
【0041】ハ 評価方法 市販のはっ酵乳(100ml入り100個)を購入
し、5℃の環境下で、内容物をステンレス製の1つの容
器に移し入れ、均一に成るように静かに混ぜる。 上記A.B.C.3種の紙コップに、上記の内容
物を各100m1採取し、ヒートシール可能なアルミ箔
製の(AL7μ)蓋材でヒートシール(密封)して試料
となし、5℃に保たれた庫内で保管する。上記試料は、
10個づつ整列させ、その100mm上方に、15ワッ
トの蛍光燈を各列毎に1本づつ照射する。 上記で保管された試料を、3日、7日、および1
4日毎に、A、B、Cそれぞれ各10個取出し、10人
のパネラーが各1個を比較試食して香味および官能につ
いて、以下の基準で点数をつけた。その結果を図1に示
す。 採点方法:A、B、Cが総当たりとなるように二種の異
なる紙コップの試料の内容物を試食し、良い方に1.0
点、変わらない時は両者に0.5点、悪い方に0点をつ
けて、各パネラー毎に採点した。 ニ 評価結果 対照品BおよびCの紙コップと比較して、Aのカーボン
ブラック使用の紙コップは香味劣化が他の容器と比較し
て少なく、優れていることが確認された。
【0042】また、この実施の形態における紙容器は、
特願平11−179440号に示されたように、光線の
波長が250nm〜850nmの範囲で高遮光性を有し
ている。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の紙容器では、表層
と裏層の間の中間層にカーボンブラックとカチオン性ア
ミン含有定着剤を含む遮光層を少なくとも一層として設
けているので、高遮光性を有し、内容物の変質(香味劣
化)を防ぐことができる。また、紙容器の外観を損なう
ことがなく、更に、内容物に付着することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、パネルテストの評価を示す表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 良樹 東京都千代田区内幸町1−3−1 東罐興 業株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AB01 BA06A BA07A BB01A BB22A BB25A CA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層と、裏層と、該表層と裏層の間で一
    層以上に積層されておりカーボンブラックとカチオン性
    アミン含有定着剤を含む遮光層を少なくとも上記一層と
    して有する中間層とからなる原紙を含んだ基材を構成材
    として成型してなることを特徴とする紙容器。
  2. 【請求項2】 前記原紙の片面または両面に酸化チタン
    を含む隠ぺいコート層を設けた基材からなる構成材を用
    いたことを特徴とする請求項1に記載の紙容器。
  3. 【請求項3】 前記基材の片面または両面に樹脂を積層
    してなる積層体を構成材とすることを特徴とする請求項
    1または2に記載のいずれかの紙容器。
  4. 【請求項4】 内部に食品を収納し、または食品を包装
    するために用いられることを特徴とする請求項1から3
    に記載のいずれかの紙容器。
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Cited By (7)

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