JP2001161664A - 皮膚のヘモグロビン又はメラニンの測定方法 - Google Patents
皮膚のヘモグロビン又はメラニンの測定方法Info
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Abstract
ラニンとを定量的に測定する。 【解決手段】 皮膚の分光反射スペクトルを Kubelka M
unk 変換して得たKM関数強度スペクトルf(λ)の波長
400〜700nmのピークについて、次式(2) (λ1はピークの始点の波長、λ2はピークの終点の波
長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを通る直線の式)に
よりピークの頂部面積S1を、また次式(3) によりピークの基部面積S2を求め、S1からヘモグロビ
ン量を、S2からメラニン量を求める。
Description
クマの形成程度を定量的に評価できるように、クマの主
要な形成原因物質であるヘモグロビン量とメラニン量を
測定する方法に関する。
おける色素(メラニン)の沈着、真皮における血流の停
滞、あるいはこれらの双方が考えられている。
な方法や目視判定が行われている(Cosmetics & Toilet
ries, Vol.102(July,1987))。例えば、クマの形成程度
は、目視観察により、(i)クマが全く観察されないノー
マルタイプ(normal type)、(ii)目を開けている場合
には下瞼が若干赤黒く見えるが、目を閉じた場合には、
ほとんど赤黒さがなくなって見えるダーマルタイプ(de
rmal type)、(iii)目の周りの広範な部分が着色して見
えるエピダーマルタイプ(epidermal type)、(iv)ダー
マルとエピダーマルの中間であるミックスタイプ(mix
type)に分類判定される。
クマの形成程度の解析方法は、目視判定を行う個人個人
の基準に依存するため、その判定基準が曖昧あるいは不
明瞭である。このため、従来の解析結果を基にして、ク
マに対して美容上の適切な対処方法をとることや、新た
な化粧料を開発することが困難になっている。
マの部位の皮膚の分光反射スペクトルからメラニン量及
びヘモグロビン量を測定する試みが発表されている(第
44回SCCJ研究討論会、p43-45(1999)、第45回SCCJ研究討
論会、p58-60(1999))。そこでは、分光反射率のデータ
を重回帰分析することにより測定部位のメラニン量とヘ
モグロビン量を算出することが行われている。しかし、
被験者個々人の皮膚の色情報も含まれているため解析が
難しく、測定誤差が大きいという問題がある。
ンとメラニンとを定量的に把握し、クマを正確に解析で
きるようにすることを目的とする。
0〜700nmの範囲で皮膚の分光反射スペクトルをKu
belka Munk 変換してKM関数強度スペクトルを求め、
このKM関数強度の積分値を該KM関数強度スペクトル
のベースラインで二分すると、ベースラインを上回る頂
部面積が、クマを形成しているヘモグロビン量と対応
し、また、ベースライン以下の基部面積が、クマを形成
しているメラニン量と対応することを見出し、本発明を
完成させた。
ルを次式(1)
率)で Kubelka Munk 変換することによりKM関数強度
スペクトルf(λ)を得、KM関数強度スペクトルf(λ)
の波長400nm〜700nmの範囲に現れるピークに
ついて、次式(2)
ピークの終点の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを
通る直線の式である)によりピークの頂部面積S1を求
め、得られた頂部面積S1に基づいてヘモグロビン量を
求めることを特徴とする皮膚のヘモグロビンの測定方法
を提供する。
ルを次式(1)
率)で Kubelka Munk 変換することによりKM関数強度
スペクトルf(λ)を得、KM関数強度スペクトルf(λ)
の波長400nm〜700nmの範囲に現れるピークに
ついて、次式(3)
ピークの終点の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを
通る直線の式である)によりピークの基部面積S2を求
め、得られた基部面積S2に基づいてメラニン量を求め
ることを特徴とする皮膚のメラニンの測定方法を提供す
る。
クトルを測定する分光測色機、(ii)分光反射スペクトル
を入力することにより、その分光反射スペクトルを次式
(1)
率)で Kubelka Munk 変換してKM関数強度スペクトル
f(λ)を算出し、KM関数強度スペクトルf(λ)の波長
400nm〜700nmの範囲に現れるピークについ
て、次式(2)
ピークの終点の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを
通る直線の式である)によりピークの頂部面積S1を算
出し、また、次式(3)
ピークの終点の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを
通る直線の式である)によりピークの基部面積S2を算
出する演算手段、及び(iii)ヘモグロビン量として頂部
面積S1を出力し、又はメラニン量として基部面積S2を
出力する表示手段からなるヘモグロビン又はメラニンの
測定システムを提供する。
ンやメラニンを定量的に測定できるので、クマについて
本発明の方法を適用してヘモグロビンやメラニンを定量
的に測定することにより、クマの程度を分類あるいは評
価し、美容上の適切な対処方法や新たな化粧料を開発す
ることが可能となる。
詳細に説明する。
ラニンを定量的に評価する場合、まず、クマの分光反射
率を測定し、分光反射率スペクトルを得る(図1(a)
参照)。この場合、測定波長は400nm〜700nm
とすることが好ましい。
反射率の定量的な扱いを可能とするため、次式(1)
率)により Kubelka Munk 変換を行い、KM関数強度ス
ペクトルf(λ)を求める(図1(b)参照)。このKM
関数強度スペクトルf(λ)では、ランベルトベアの法則
が成り立つため、スペクトル強度から濃度に比例するパ
ラメータを得ることが可能となる。
(b)に示すように波長530nm〜590nmの領域
に二つの極大点を有するピークが現れる。そこで、次式
(2)
ピークの終点の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを
通る直線の式である)によりピークの頂部面積S1を求
める。ここで、頂部面積S1は、図1(c)においてド
ットで塗りつぶした部分の面積に相当する。また、λ1
のピークの始点とは、400〜700nmの波長領域で
徐々に下がるKM関数強度スペクトルのベースラインか
らピークが立ち上がる点を意味し、通常510nmにな
る。
ピークの終点の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを
通る直線の式である)により基部面積S2を求める。こ
こで、基部面積S2は図1(c)において斜線で塗りつ
ぶした部分の面積に相当する。また、λ2のピークの始
点とは、400〜700nmの波長領域で徐々に下がる
KM関数強度スペクトルのベースラインにピークが戻っ
た点を意味し、通常610nmになる。
S1が測定部位におけるヘモグロビン量に対応し、基部
面積S2がメラニン量に対応することを見出した。
特に頬との色の差として認識される。そこで、上述のよ
うにして頂部面積S1として得られるヘモグロビン量
や、基部面積S2として得られるメラニン量を、頬等を
参照部位とする相対値として得ると、この相対値によっ
てクマをより的確に評価することができる。
は、クマの分光反射スペクトルと参照部位の分光反射ス
ペクトルから、参照部位の頂部面積S0 1に対するクマの
頂部面積Sd 1の相対値(例えば、双方の頂部面積Sd 1、
S0 1の差)を求めることが好ましい。同様に、メラニン
量については、参照部位の基部面積S0 2に対するクマの
基部面積Sd 2の相対値(例えば、双方の基部面積Sd 2、
S0 2の差)を求めることが好ましい。
量を測定するシステム構成図である。このシステムで
は、クマや頬等の皮膚の分光反射スペクトルを測定する
分光測色機1と、演算手段としてのパソコン2と、その
出力表示手段としてのモニタ3及びプリンタ4が接続さ
れている。
を使用することができる。
スペクトルのデータを入力され、前述した変換式(式
(1))によりKM関数強度スペクトルf(λ)を算出
し、さらにKM関数強度スペクトルf(λ)の波長400
nm〜700nmの範囲に現れるピークについて、前述
の式(2)により頂部面積S1を算出し、また、式
(3)により基部面積S2を算出する。また、分光反射
スペクトルデータとして、クマと参照部位との双方のデ
ータが入力された場合には、参照部位の頂部面積S0 1に
対するクマの頂部面積Sd 1の相対値、又は参照部位の基
部面積S0 2に対するクマの基部面積Sd 2の相対値を算出
する。ここで、相対値としては、差を出力できるように
することが好ましい。
ニンを定量的に測定する場合について説明したが、本発
明は、目の周りに現れるクマに限らず、皮膚の任意の部
位に存在するあざ、しみ等のヘモグロビンやメラニンも
測定対象とすることができる。
明する。
者とし、クマの分光反射率を測定し、前述の本発明の方
法に従い、ヘモグロビン量として、KM関数強度スペク
トルf(λ)におけるピークの頂部面積S1を求め、メラ
ニン量としてピークの基部面積S2を求めた(λ1=51
0nm、λ2=610nm)。また、分光反射率の測定
部位と同じ部位について、測色機によりL*a*b*を測
定した。
ン量)と、皮膚の赤みの指標となる測色値a*との関
係、及び基部面積S2(メラニン量)と、皮膚の明るさ
の指標となる測色値L*との関係を求めた。これらの結
果を図3及び図4に示す。
面積S1と基部面積S2は、それぞれ測色値と高い相関を
有することがわかる。
イプ、エピダーマルタイプ、ミックスタイプと判定され
るクマ12例ずつについて、分光反射率を測定し、KM
関数強度スペクトルを求めた。このスペクトルを図5に
示す。これにより、KM関数強度スペクトルにおけるピ
ークの強度あるいは形状により、ノーマルタイプ、ダー
マルタイプ、エピダーマルタイプ、ミックスタイプが、
それぞれ区別できることがわかる。
を測定し、本発明の方法によりクマの頂部面積S1と頬
の頂部面積S1との差を、ヘモグロビン量の相対値とし
て求め、また、クマの基部面積S2と頬の基部面積S2と
の差をメラニン量の相対値として求めた。結果を図6及
び図7に示す。
イプ、エピダーマルタイプ、ミックスタイプには、それ
ぞれヘモグロビン量とメラニン量とで区別されることが
わかる。
ものである。これにより、ノーマルタイプはヘモグロビ
ン量及びメラニン量が共に極めて低く、ダーマルタイプ
は、エピダーマルタイプやミックスタイプに比べるとヘ
モグロビン量に対してメラニン量が低く、エピダーマル
タイプは、ダーマルタイプやミックスタイプに比べると
メラニン量に対してヘモグロビン量が低いことがわか
る。
り皮膚のヘモグロビンとメラニンとを定量的に把握でき
る。したがって、クマについて本発明の方法を適用する
ことにより、クマの程度を分類あるいは評価し、美容上
の適切な対処方法や新たな化粧料を開発することが可能
となる。
と、KM関数強度スペクトル(同図(b))と、KM関
数強度スペクトルにおける、ヘモグロビン量に対応する
頂部面積S1とメラニン量に対応する基部面積S2の説明
図(同図(c))である。
色値a*との関係図である。
L*との関係図である。
である。
積S1)を示した図である
2)を示した図である
積S1)とメラニン量(基部面積S2)を示した図である
Claims (6)
- 【請求項1】 皮膚の分光反射スペクトルを次式(1) 【数1】 (式中、Rは、波長λにおける分光反射率)で Kubelka
Munk 変換することによりKM関数強度スペクトルf
(λ)を得、KM関数強度スペクトルf(λ)の波長400
nm〜700nmの範囲に現れるピークについて、次式
(2) 【数2】 (式中、λ1はピークの始点の波長、λ2はピークの終点
の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを通る直線の式
である)によりピークの頂部面積S1を求め、得られた
頂部面積S1に基づいてヘモグロビン量を求めることを
特徴とする皮膚のヘモグロビンの測定方法。 - 【請求項2】 クマの部位の分光反射スペクトルと参照
部位の分光反射スペクトルとから、参照部位の頂部面積
に対するクマの部位の頂部面積の相対値を得、この相対
値に基づいてクマの部位のヘモグロビン量を求める請求
項1記載のヘモグロビンの測定方法。 - 【請求項3】 皮膚の分光反射スペクトルを次式(1) 【数3】 (式中、Rは、波長λにおける分光反射率)で Kubelka
Munk 変換することによりKM関数強度スペクトルf
(λ)を得、KM関数強度スペクトルf(λ)の波長400
nm〜700nmの範囲に現れるピークについて、次式
(3) 【数4】 (式中、λ1はピークの始点の波長、λ2はピークの終点
の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを通る直線の式
である)によりピークの基部面積S2を求め、得られた
基部面積S2に基づいてメラニン量を求めることを特徴
とする皮膚のメラニンの測定方法。 - 【請求項4】 クマの部位の分光反射スペクトルと参照
部位の分光反射スペクトルとから、参照部位の基部面積
に対するクマの部位の基部面積の相対値を得、この相対
値に基づいてクマの部位のメラニン量を求める請求項3
記載のメラニンの測定方法。 - 【請求項5】 クマの分光反射スペクトルを用いて請求
項1〜4のいずれかの方法によりヘモグロビン量又はメ
ラニン量を求め、得られたヘモグロビン量又はメラニン
量に基づいてクマの美容上の評価をするくまの評価方
法。 - 【請求項6】 (i)皮膚の分光反射スペクトルを測定す
る分光測色機、(ii)分光反射スペクトルを入力すること
により、その分光反射スペクトルデータを次式(1) 【数5】 (式中、Rは、波長λにおける分光反射率)で Kubelka
Munk 変換してKM関数強度スペクトルf(λ)を算出
し、KM関数強度スペクトルf(λ)の波長400nm〜
700nmの範囲に現れるピークについて、次式(2) 【数6】 (式中、λ1はピークの始点の波長、λ2はピークの終点
の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを通る直線の式
である)によりピークの頂部面積S1を算出し、また、
次式(3) 【数7】 (式中、λ1はピークの始点の波長、λ2はピークの終点
の波長、f0(λ)はf(λ1)とf(λ2)とを通る直線の式
である)によりピークの基部面積S2を算出する演算手
段、及び(iii)ヘモグロビン量として頂部面積S1を出力
し、又はメラニン量として基部面積S2を出力する表示
手段からなるヘモグロビン又はメラニンの測定システ
ム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34555599A JP4048667B2 (ja) | 1999-12-03 | 1999-12-03 | 皮膚のヘモグロビン又はメラニンの測定方法 |
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---|---|---|---|
JP34555599A JP4048667B2 (ja) | 1999-12-03 | 1999-12-03 | 皮膚のヘモグロビン又はメラニンの測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001161664A true JP2001161664A (ja) | 2001-06-19 |
JP4048667B2 JP4048667B2 (ja) | 2008-02-20 |
Family
ID=18377395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34555599A Expired - Fee Related JP4048667B2 (ja) | 1999-12-03 | 1999-12-03 | 皮膚のヘモグロビン又はメラニンの測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4048667B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016155790A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-01 | 花王株式会社 | 化粧肌の自然な仕上りを評価する方法 |
US11359965B2 (en) | 2020-10-05 | 2022-06-14 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Apparatus and method for estimating target component |
-
1999
- 1999-12-03 JP JP34555599A patent/JP4048667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016155790A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-01 | 花王株式会社 | 化粧肌の自然な仕上りを評価する方法 |
US11359965B2 (en) | 2020-10-05 | 2022-06-14 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Apparatus and method for estimating target component |
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Publication number | Publication date |
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JP4048667B2 (ja) | 2008-02-20 |
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