JP2001160473A - ガス放電形同軸避雷器 - Google Patents

ガス放電形同軸避雷器

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JP2001160473A
JP2001160473A JP34568199A JP34568199A JP2001160473A JP 2001160473 A JP2001160473 A JP 2001160473A JP 34568199 A JP34568199 A JP 34568199A JP 34568199 A JP34568199 A JP 34568199A JP 2001160473 A JP2001160473 A JP 2001160473A
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Akio Kusui
昭男 楠井
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  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】この方式では内部導体とがサージ侵入による放
電時、ガス放電素子が低インピーダンス化し、無線信号
を遮断する。またガス放電素子の電極間静電容量の影響
による電圧定在波比(VSWR)やロス特性の悪化を防
止する。 【解決手段】使用中心周波数の1/4波長終端短絡線路
の内部導体先端と、主同軸線路の内部導体間にガス放電
素子を挿入し、ガス放電素子の電極間静電容量を高周波
的に、ガス放電時にも、1/4波長終端短絡同軸線路特
有の高入力インピーダンス性にし無線信号の遮断を防
ぐ。またガス放電素子が短絡同軸回路に直列的に挿入さ
れ、VSWRやロス特性の悪化も生じず、電極間静電容
量の制約から解放され、放電耐量、原理的に周波数の制
約を受けない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は移動体無線通信等
の各種無線通信分野で使用される、ガス封入形放電素子
を装着してなるガス放電形同軸避雷器に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体無線或いは固定無線中継基地局等
の空中線系同軸給電線線路に接続されている、送信用あ
るいは受信用の無線機器に侵入する雷サージや、電源設
備からの開閉サージによる、電子機器の損傷を防止ある
いは軽減する目的で、同軸給電線路の途中に同軸型避雷
器が挿入されているケースが多い。この同軸型避雷器に
は大別して下記2種類のものが有る。
【0003】(1)短絡型同軸避雷器 (2)ガス放電形同軸避雷器
【0004】(1)の短絡型同軸避雷器は主同軸線路途
中に並列的に分岐同軸線路を設け、取扱い無線信号成分
に対しは高インピーダンスを呈する1/4波長短絡同軸
回路や集中コイルインダクタンス素子を接続することに
よって、雷もしくは開閉サージの直流成分や低周波数の
振動成分に対しては同軸線路が短絡されていることにな
り、同軸線路に接続されている電子機器をサージから保
護する機能を果たす。このタイプの避雷器の特徴は適正
なる設計がなされいてる場合には、ほぼ完全なるサージ
防御機能を果たす。現在の800MHzや1500MH
z帯移動体無線通信分野での主力避雷器は短絡型同軸避
雷器が多用されている。
【0005】短絡型同軸避雷器の第2の特徴は、サージ
電流の侵入時でも、1/4波長短絡同軸回路の高インピ
ーダンス性によって無線信号に及ぼす影響が発生し難
く、避雷性能の持続性など、機能的にも優れたものであ
る。しかしながらこのタイプの避雷器は同軸線路の内部
導体と外部導体間が直流的に短絡されているため、鉄塔
や鉄柱やビル等の構築物頂部側に設置された受信装置や
中継装置に電源供給する場合、同軸線路の内部導体と外
部導体を利用した、所謂電源重畳給電方式を採用するこ
とができないという課題がある。
【0006】そのため電源重畳給電方式を必要とする際
には図2にて説明すると主同軸線路の内部導体aと外部
導体(e,f,hで構成)間が直流的に短絡されない
(2)のガス放電形同軸避雷器が用いられている。この
避雷器はセラミックスやガラス等の円筒状気密形パッケ
ージ200内に放電開始電圧が数十〜数百ボルトとする
ガス放電気体を封じ込めた、所謂ガス放電素子を同軸線
路の内部導体と外部導体間に並列的に装着することによ
って、数KV〜数十KVにおよぶサージ成分が内部導体
〜外部導体間に侵入した際に流れるサージ電流をガス放
電素子を通じて放電させて電子機器を保護するものであ
る。放電開始電圧は封入ガス成分や封入ガス圧力によっ
て製造時に調節され、現用市販品では直流放電開始電圧
90〜600V程度のものが、電子機器の耐雷性能に合
わせて選択使用されている。ガス放電素子には電極数が
二つの2極型と三つの3電極型が製造されているが同軸
避雷器としては通常二極型が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ガス放電形避雷器の大
きな課題は、放電開始電圧を上記のように低くするため
に電極間ギャップが比較的狭く、そのために電極間静電
容量が大きくなり、ガス放電素子を同軸線路の内部導体
と外部導体間に装着すると無線周波数において容量性リ
アクタンスによる大きな反射が生じ、所謂電圧定在波比
(VSWR)が悪化してアンテナ給電線装置の性能悪化
を招く。電極間の静電容量の大きさは素子の放電耐量つ
まり素子が破壊を受けることなく、どの程度のサージ電
流を安定的に流し得るかということで、放電耐量を増す
ためには電極面積を大きくする必要があり、そのために
さらに電極間静電容量が増加してVSWR等の高周波特
性のさらなる低下を招くことになる。
【0008】市販ガス放電素子の放電耐量と静電容量の
大略関係の一例を示すと下記ようになっていて、数百M
Hz以上の高い周波数において電極間静電容量は問題と
なるレベルの値を持っている。 放電耐量 静電容量 2.5〜5KA級: <1PF 10〜20KA級: <1.5PF
【0009】いずれにしろ無線基地局や中継局設備等で
は信頼性の点で20KA級の放電耐量のものが望まれる
ケースが多く 、この放電耐量も標準的雷波形の8/2
0μSecのサージ電流に対するもので、電源側から侵
入する開閉サージ電流波形のごとき、10/200μS
ecに及ぶ波尾の長いサージ電流に対しては20KA級
のものでもエネルギー量の関係で約1/10の2KA程
度の放電耐量に低下する。一般的にVSWR特性を改善
するため、放電素子の静電容量による信号反射を補償軽
減する手段として、放電素子挿入個所の前後に等価的微
小集中インダクタンスを付加する方法が行われている。
VSWR特性の一般的な仕様規格値は規定帯周波数帯域
内にて 1:1.20以下を要求されているケースが多
く、20KA級のものでは周波数的には1,500MH
z帯程度での使用が限界であることを実験確認してい
る。なお、電極間静電容量の小さい2.5〜5KA級で
は2,000MHz近辺での使用も可能である。現実的
には同軸避雷器が使用される無線周波数は益々高くなる
傾向にあるため、いずれにしろ将来的に使用上の限界が
生じる。
【0010】VSWR特性の周波数特性の抜本的な改良
のために、一部、同軸構造のガス放電素子を組込んだ同
軸避雷器も実用化されているが、構造寸法が比較的小さ
いために、小型な同軸避雷器に適用されている。同軸構
造のガス放電素子は同軸線路に直列的に挿入使用する必
要があるため、VSWRの周波数特性改善の大きなメリ
ットはあるが、同軸サイズが大きな避雷器では、放電素
子の挿入個所の同軸寸法は特性インピーダンスの整合上
小さくせざるをえず、避雷器としての高周波信号伝送電
力の低下や、内部での同軸寸法の変換部によるVSWR
特性劣化等の問題も生じる可能性もある。
【0011】しかしながら放電形避雷器には根本的な課
題がある。その課題は雷サージや開閉サージの侵入によ
ってガス放電素子が機能を果たし、放電した場合にはそ
の瞬間に主同軸線路の内部導体と外部導体間が無線信号
に対して短絡状態となり、さらに、サージ消滅後も放電
持続があり、その間に肝心な無線信号の伝送遮断が生じ
る。これが信号遮断の起こり難い短絡型同軸避雷器と大
きく異なる点である。伝送信号の遮断は高速デジタル信
号通信時代を迎えて通信システムの品質に極めて重大な
影響を及ぼす。
【0012】前述のごとく非電源重畳方式の場合には長
期的な避雷器としての信頼性の面で1/4波長短絡型同
軸避雷器が使用される。現状に限れば送信系同軸給電線
に短絡型、受信系給電線にガス放電形避雷器を使用され
るケースが多い。つまり設計製作面からは2種類の同軸
避雷器の対応が要求されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】主同軸線路の内部導体と
外部導体間へ直接に並列的にガス放電素子を接続する図
2に一例を示す従来方式ではなく、ガス放電素子を主同
軸線路に分岐的に設けた使用中心周波数の1/4波長の
奇数倍電気長を持つ終端短絡同軸線路の内部導体先端部
と主同軸線路の内部導体間に直列的に装着する。これに
よってガス放電素子の電極間静電容量の影響を無くし、
高周波特性が良好で、しかも原理的にガス放電時にも無
線信号の遮断の起らないガス放電形同軸型避雷器を実現
させる。ガス放電素子の電極間静電容量を図4のCにて
示す如く、積極的に結合コンデンサとして使用し、図4
の1、3にて示す主同軸線路内部導体の任意の点5と1
/4波長の奇数倍の電気的長さを持つ終端短絡同軸線路
8、9、10,6との高周波的な結合の橋渡しする役目
を与え、サージ侵入時にはガス放電素子の本来の避雷機
能が働いて、サージ電流を直流抵抗の極めて小さな短絡
同軸回路の内部導体を通して外部導体側や接地線に流す
ことができるわけである。サージ侵入状態にあっても無
線信号に対しては、図4の8から9側を見たインピーダ
ンスが、1/4波長の奇数倍終端短絡同軸回路特有の高
インピーダンス性によって信号遮断も生じず、1/4波
長短絡型避雷器と同様なる高周波特性を実現させるもの
である。
【0014】ガス放電形同軸避雷器と短絡型同軸避雷器
との2種類の避雷器を製作面する煩雑さは、上記解決手
段によるガス放電形避雷器が基本的に1/4波長短絡回
路を備えているため、放電素子を除去して、短絡回路の
内部導体のみの交換によって直接主同軸線路に接続する
ことにより極めて簡単に1/4波長短絡型避雷器を製作
することが可能となる。
【0015】
【発明実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面参照
して詳細に説明する。図1は本発明の一実施例である同
軸放電形同軸避雷器の構造を示す一部切欠側面図であ
る、この避雷器は両端部がフランジ構造の避雷器を示し
ており、絶縁物支持板102によって保持された内部導
体101のほぼ中央部にガス放電素子200の電極20
1と導通させるコンタクト103を設け、電極202は
1/4波長奇数倍長さの終端短短絡同軸線路の内部導体
400の先端部と導通して、直流的には短絡同軸線路の
短絡板500を経て外部導体504に接続されている。
ガス放電素子200はセラミックスやガラスによって密
封されており、その内部にはアルゴンやネオン等の不活
性ガス封入がされている。封入ガスの種類や封入圧力に
よって放電開始電圧が前記のような範囲に調節されてい
る。
【0016】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されたものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では短
絡同軸線路の内部導体400と短絡板500及び外部導
体504等それぞれ独立した部品によって短絡同軸回路
を形成しているが、使用周波数の上昇と共に短絡同軸線
路の長さも短くなってくるので、絶縁板401を省略し
て400、500、504を統合して一体加工構造とし
てもよい。
【0017】さらに、上記実施形態では短絡同軸線路を
空気絶縁構造としているが、誘電体損失の少ないポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリ弗化エチレン等による充実
絶縁や、空気層を入れた複合絶縁構造としてもよい。こ
れらの構造によれば、短絡同軸線路の物理的な長さを短
くするメリットがある。
【0018】さらに、上記実施形態では短絡同軸線路を
リジド構造としているが、これをセミリジド同軸ケーブ
ルやフレキシブル同軸ケーブルによって短絡同軸回路を
構成して、本発明のガス放電形同軸避雷器を製作しても
よい。とくに前者のセミリジド同軸ケーブルの場合にお
いては小型で簡易な避雷器を製作する際に、有効な手段
となる。 後者のフレキシブル同軸ケーブルによる場合
は、比較的使用周波数が低いが、放電耐量の大きな避雷
器を製作する際の実用的な構造となり得る。
【0019】
【VSWR特性の計算例1】本発明の原理的な有効性を
説明するため、主同軸線路の特性インピーダンスを50
Ω、短絡同軸線路の特性インピーダンスを72Ω、二極
形ガス放電素子の電極間静電容量を1.5PF及び3.
0PFとしたときの800〜900MHz帯用ガス放電
形同軸避雷器のVSWR(一端を50Ω抵抗器にて終端
したとき)計算結果と試作品の実測結果を表1に示す。
同表には、比較のために1/4波長短絡型避雷器のVS
WR特性と無補償の図2タイプ従来型ガス放電形同軸避
雷器の実測VSWR特性も併記する。
【0020】
【表1】
【0021】
【VSWR特性の計算例2】同上計算例1と同様の条件
で、使用周波数帯域を1400〜1620MHzとして
計算した結果と、比較のために1/4波長短絡型避雷器
と無補償従来型ガス放電形避雷器の実測VSWR特性も
併記して表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明になるガス放電形同軸避雷器によればサージ侵入によ
るガス放電素子の放電状態においても1/4波長短絡型
同軸避雷器同様、高周波信号の遮断が起こらず、平常状
態にあっては従来のガス放電形避雷器と同様に、同軸線
路の内部導体と外部間が直流的に絶縁されているため、
内部導体と外部導体を利用した電源重畳給電方式が支障
なく実施できる。
【0024】第2の大きな発明の効果として、原理的に
ガス放電素子の電極間静電容量は同軸線路の内部導体と
1/4波長短絡同軸回路の内部導体を高周波的に結合さ
せるカップリング・コンデンサの役割を果たしていて、
回路的にはガス放電素子が短絡同軸線路に直列的に挿入
されるために、電極間静電容量の大小は現実的に問題と
ならないために、電極面積等の拡大による放電耐量増加
を、静電容量増加を気にすることなく高放電耐量(へビ
ー・デューテイ)型ガス放電素子の製品設計や製作が行
える。さらに製造時における放電素子静電容量の特性バ
ラツキの影響も極めて少ない。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるガス放電形同軸避雷器
の一例を示す半断面図である。
【図2】従来例のガス放電型形同軸避雷器である。
【図3】本発明の実施形態によるL形タイプ同軸避雷器
の一例を示す半断面図である。
【図4】本発明の原理的な説明図である。
【図5】本発明の実施形態によるN型接栓タイプ同軸避
雷器の一例を示す外観図である。
【図6】図1のガス放電形同軸避雷器を内部導体の交換
によって構成した1/4波長短絡型同軸避雷器の半断面
図である。
【符号の説明】
301 丸フランジ 302 接続金物 303 ボデイ 304 ガスケット 402 ガスケット501 キャッ
プ 502 ガスケット 503 ナット600 角フラ
ンジ 601 ボルト 602 ガスケット 603 ガスケット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主同軸線路の内部導体と外部導体間に並
    列的に二極ガス封入放電素子を装着してなるガス放電形
    同軸避雷器において、ガス放電素子の第1の電極を内部
    導体に直接あるいは接触子をもって接続し、第2の電極
    を主同軸線路に分岐的に設けられた、使用帯域における
    略中心周波数の1/4波長の奇数倍電気長を持つ終端短
    絡同軸線路の入力端側内部導体先端に直接あるいは接触
    子を介して直流的に接地してなるガス放電形同軸避雷
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1におけるガス放電形同軸避雷器
    において、ガス放電素子を除去し終端短絡同軸線路の内
    部導体のみを交換することによって、容易に1/4波長
    短絡同軸線路型避雷器を製作し得る構造としたガス放電
    形同軸避雷器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100414145B1 (ko) * 2001-09-24 2004-01-13 한국전자통신연구원 광대역 어레스터

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100414145B1 (ko) * 2001-09-24 2004-01-13 한국전자통신연구원 광대역 어레스터

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