JP2001159757A - 反射型液晶装置及びこれを用いた電子機器 - Google Patents
反射型液晶装置及びこれを用いた電子機器Info
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Abstract
なコントラストが得られる反射型液晶装置を提供する。 【解決手段】 対向基板102上には、カラーフィルタ
107と対向電極(走査線)108が設けられ、視認側
に上側偏光板101が設けられている。素子基板104
上には、信号線109、画素電極110、MIM素子1
11が設けられ、その下に、下側偏光板105と散乱反
射板106が設けられている。両基板間に90度ねじれ
たネマチック液晶103が充填されている。反射板側に
位置する素子基板104の厚みを200μm以上とし
た。隣接ドットの影がドット間の光漏れを緩和すること
によって、良好なコントラストが得られる。
Description
びこれを用いた電子機器に関する。
は、まず第一に低消費電力である必要がある。従ってこ
の用途には、バックライトが不要な反射型液晶装置が最
適である。しかしながら、従来の反射型液晶装置はモノ
クロ表示が主流であって、未だ良好な反射型カラー表示
が得られていない。
年代中頃から本格的に着手されたようである。それ以前
は、例えば特開昭50−80799号公報にもあるよう
に、透過型カラー液晶装置のバックライトを反射板に替
えれば、反射型カラー表示が出来るだろうといった程度
の認識しかなかった。しかしながら実際に作ってみると
わかることだが、このような構成では暗くて使いものに
ならない。原因は三つあって、一つは偏光板で光の1/
2以上を捨てていること、二つめはカラーフィルタによ
りさらに光の2/3以上を捨てていること、そして最後
に視差の問題である。視差の問題は、透過型液晶装置で
一般的に用いられているTN(ツイステッドネマチッ
ク)モードやSTN(スーパーツイステッドネマチッ
ク)モードでは避けて通れない。何故ならば、これらの
モードでは必ず偏光板を2枚用いるため、セル内に偏光
板を作り込まない限り、反射板と液晶層との間に無視で
きない間隔が生じるからである。なお、ここで言う視差
の問題とは、従来の反射型モノクロ液晶装置にもあった
表示の二重映りといった問題だけではなく、反射型カラ
ー液晶装置に特有の問題をも指す。
る。図77(a)(b)は、いずれもTNモードあるい
はSTNモードを利用した反射型カラー液晶装置の断面
図である。この液晶装置は、上側偏光板7701、上側
ガラス基板7702、液晶層7703、下側ガラス基板
7704、下側偏光板7705、光反射板7706、赤
緑青の三色カラーフィルタ7707からなる。上下ガラ
ス基板間には、他に透明電極、配向膜、絶縁膜等も存在
するが、視差の問題を説明する上で必要が無いので省略
する。視差の問題は二つ存在する。その一つは色の打ち
消し合いである。図77(a)において、観察者771
2は緑のフィルタを通って出て来た反射光7711を見
ているが、この光は赤、緑、青のフィルタを通過して入
射した光7713が光反射板で散乱反射され混じり合っ
たものである。下側ガラス基板の厚みがカラーフィルタ
のピッチに比べて十分に厚ければ、どの色のフィルタを
通って来た光も等確率で混じり合う。ところが赤→緑、
青→緑の経路を通った光は、どの波長の光もいずれかの
カラーフィルタで吸収されて真っ暗になり、緑→緑の経
路を通った光しか残らない。同じことは青や赤のフィル
タを通って出て来る反射光についても言えるから、結局
白表示の明るさが視差の無い場合の1/3になってしま
うという問題になる。もう一つの問題は色表示が暗くな
ることである。図77(b)は、緑色表示状態を示す。
また液晶層7703において格子状のハッチングを施し
た部分は、非点灯状態(暗状態)にあることを示してい
る。入射光7713は赤、緑、青のドットを等確率で通
過するが、その内の2/3をオフ状態にある赤と青のド
ットで吸収される。さらに光反射板で散乱され混じりあ
った後、再びオフ状態にある赤と青のドットで2/3を
吸収されて、観察者7712に達する。従って、緑色表
示は「白表示の1/9の明るさマイナス緑色フィルタの
吸収分」となり、大変に暗くなる。このように視差の問
題があるTNモードやSTNモードを反射型カラー液晶
装置に用いることは大変に難しい。
い反射型カラー表示を得る試みが為されてきた。例え
ば、内田龍男氏らの論文(IEEE Transact
ions on Electron Devices,
Vol.ED−33, No.8,pp.1207−
1211(1986))では、そのFig.2で各種液
晶モードの明るさの比較を行った上で、偏光板が要らな
いPCGH(相転移型ゲストホスト)モードを採用して
いる。また特開平5−241143号公報でも、反射型
カラー液晶装置を実現するために、偏光板が要らないP
DLC(高分子分散型液晶)モードを採用している。偏
光板が要らない液晶モードを使用すると、偏光板による
光の吸収が無くなるばかりでなく、液晶層に隣接して反
射板を設けることで視差の問題を根本的に無くすことが
出来るメリットがある。しかしながらその一方で、偏光
板が要らない液晶モードは概してコントラストが低いこ
と、また特にPCGHモードは電圧透過率特性のヒステ
リシスがあって中間調表示が出来ないといった課題があ
る。また液晶中に別の物質を添加するこれらの液晶モー
ドは、信頼性の面でも課題が多い。従ってやはり従来か
ら広く用いられており、実績があるTNモードやSTN
モードが使えればこれに越したことがない。
て明るい反射型カラー表示を得る試みも為されていた。
一般的に、透過型カラー液晶装置で使われているカラー
フィルタは、図78に示したような分光特性を有してい
る。図78の横軸は光の波長、縦軸は透過率であり、7
801が赤フィルタのスペクトル、7802が緑フィル
タのスペクトル、7803が青フィルタのスペクトルで
ある。人間が感知できる光は、個人差もあるが概ね38
0nmから780nmの波長範囲であり、特に450n
mから660nmの波長範囲で視感度が高い。図78の
カラーフィルタは、いずれもこの範囲で、透過率が10
%以下になる波長が存在しており、多くの光を無駄にし
ている。また、この波長範囲で透過率を単純平均した値
を平均透過率と定義すると、赤フィルタの平均透過率が
28%、緑フィルタが33%、青フィルタが30%であ
った。
もっと明るいカラーフィルタが必要である。そこで前述
の内田龍男氏らの論文では、そのFig.8に示すよう
な互いに補色関係にある2色のカラーフィルタを利用す
ることで、3色の場合よりも明るくすることが提案され
ていた。その分光特性を図79に示す。図79の横軸は
光の波長、縦軸は反射率であり、7901が緑フィルタ
のスペクトル、7902がマゼンタフィルタのスペクト
ルである。縦軸が反射率で表示してあるため比較する上
では注意が必要だが、やはり450nmから660nm
の波長範囲で、いずれのカラーフィルタも透過率が10
%以下になる波長が存在している。平均透過率は緑フィ
ルタが41%、マゼンタフィルタが48%であった。
DIGEST, pp.437−440(199
2))も、同じPCGHモードを採用した反射型カラー
液晶装置に関するものであるが、彼らはそのFig.2
にあるような明るい2色のカラーフィルタを利用してい
る。その分光特性を図80に示す。図80の横軸は光の
波長、縦軸は反射率であり、8001が緑フィルタのス
ペクトル、8002がマゼンタフィルタのスペクトルで
ある。縦軸が反射率で表示してあるが、各波長における
反射率の平方根が透過率であると仮定すると、少なくと
も緑フィルタの透過率が470nm以下の波長で50%
よりも小さい。平均透過率は、緑フィルタが68%、マ
ゼンタフィルタが67%であった。なお、同論文では、
カラーフィルタを挟んで液晶層と隣接する位置に反射板
を設けているため視差の問題が無い。従って光は必ずカ
ラーフィルタを2回通るため、このような明るいカラー
フィルタを用いても、十分な着色が確保できる。
の第2図(a)、(b)、(c)で提案されていたカラ
ーフィルタは、赤、緑、青の3色ではなく、イエロー、
シアン、マゼンタの3色を利用して、明るくしている。
その分光特性を図81に示す。図81の横軸は光の波
長、縦軸は反射率であり、8101がイエローフィルタ
のスペクトル、8102がシアンフィルタのスペクト
ル、8103がマゼンタフィルタのスペクトルである。
縦軸が反射率で表示してある上、軸に目盛りが打たれて
いないため、比較することが難しいが、450nmから
660nmの波長範囲で、いずれのカラーフィルタも透
過率が10%以下になる波長が存在することは間違いな
い。平均透過率を大ざっぱに見積もると、イエローフィ
ルタが約0%、シアンフィルタが約60%、マゼンタフ
ィルタが約50%であった。
開発の取り組みは、偏光板を用いない明るい液晶モード
と、明るいカラーフィルタを組み合わせて、明るい表示
を得ようという発想に基づくものであった。但し明るい
カラーフィルタといっても、450nmから660nm
の波長範囲で透過率が10%を切る波長が存在するカラ
ーフィルタを用いることが多かった。
トラストの表示ができる反射型液晶装置を提供し、また
これを利用した電子機器を提供することを目的とする。
は、内面側に電極を有する一対の基板を対向配置してな
り、前記電極の重なり位置に形成されるドットを複数具
備する反射型液晶装置において、前記一対の基板のうち
一方の基板は反射層を有してなり、前記一方の基板の厚
みが200μm以上であることを特徴とするものであ
る。
の反射型液晶装置において、前記一方の基板の厚みが7
00μm以上であることを特徴とするものである。
有する一対の基板を対向配置してなり、前記電極の重な
り位置に形成されるドットを複数具備する反射型液晶装
置において、前記一対の基板のうち一方の基板には反射
層が形成されてなり、前記一方の基板の厚みは、隣接す
る前記ドットのドットピッチの1.25倍以上であるこ
とを特徴とするものである。
の反射型液晶装置において、前記一方の基板の厚みは、
隣接する前記ドットのドットピッチの4倍以上であるこ
とを特徴とするものである。
て、表示部として請求項1乃至請求項4のいずれか1項
に記載の反射型液晶装置を備えたことを特徴とするもの
である。
の電子機器において、周囲光を観察者に効率よく反射で
きるよう、前記反射型液晶装置の表示部が本体に対して
動かせるように取り付けられていることを特徴とするも
のである。
本発明は、対向する内面に電極を備えマトリクス状のド
ット群を形成した一対の基板と、前記基板間に挟持され
た液晶と、少なくとも2色のカラーフィルタと、少なく
とも1枚の偏光板と、反射板を有する構成とすることが
できる。液晶モードは、TNモードやSTNモードとい
った偏光板を利用する液晶モードを用いることができ
る。
置する基板の厚みが200μm以上とすることができ
る。またより好ましくは、反射板側に位置する基板の厚
みを700μm以上とすることができる。言い換えれ
ば、反射板側に位置する基板の厚みは縦横いずれかのド
ットピッチの短い方の1.25倍以上とすることがで
き、より好ましくは4倍以上とすることができる。この
ように構成することにより、駆動面積率が小さくとも視
差の効果によって高コントラストが確保できるという利
点がある。
では、反射型モノクロ液晶装置の下側基板の厚みを30
0μm以下にすることを提案している。確かに反射型モ
ノクロ表示では二重像(影)を少なくするという観点か
ら下側基板は可能な限り薄い方が良い。しかしながら反
射型カラー表示では、色表示を明るくするという観点か
らドット間を広く取りたい。ドット間を広く取ると必然
的にコントラストが低下するが、下側基板が十分に厚い
と隣接画素の影の効果によって、高コントラストが確保
できる。
も1色のカラーフィルタは、450nmから660nm
の範囲の全ての波長の光に対して50%以上の透過率を
有するようにすることができる。より好ましくは、少な
くとも2色のカラーフィルタが450nmから660n
mの範囲の全ての波長の光に対して50%以上の透過率
を有するようにすることができる。さらに好ましくは、
いずれのカラーフィルタも450nmから660nmの
範囲の全ての波長の光に対して50%以上の透過率を有
するようにすることができる。最も好ましくは、いずれ
のカラーフィルタも450nmから660nmの範囲の
全ての波長の光に対して60%以上の透過率を有するよ
うにすることができる。また、言葉で表現すると、いず
れのカラーフィルタも450nmから660nmの範囲
の波長の光に対して70%以上の平均透過率を有するよ
うにすることができる。より好ましくは、いずれのカラ
ーフィルタも450nmから660nmの範囲の波長の
光に対して75%以上90%以下の平均透過率を有する
ようにすることができる。
とは、ガラス基板や透明電極、オーバーコート、アンダ
ーコートの透過率を含まない、カラーフィルタ単体の透
過率である。またカラーフィルタの濃度に分布がある場
合、あるいはドットの一部にだけカラーフィルタを設け
た場合には、ドット内の平均の透過率をカラーフィルタ
の透過率とする。このように構成することにより、反射
型カラー液晶装置は、明るい色が表示できるという利点
がある。従来、例えば特開平7−239469号公報の
請求項においては、いずれのカラーフィルタも光透過領
域の透過率を80%以上、光吸収領域の透過率を50%
以下としている。またその実施例を見ても、光吸収領域
の透過率は20〜30%しかない。このようなカラーフ
ィルタでは、偏光板を利用した液晶モードを利用すると
表示が暗くなり実用的ではない。
色系、青色系の3色からなり、しかも前記赤色系あるい
は青色系カラーフィルタのいずれかはオレンジ色あるい
はシアン色であるようにすることができる。但し、オレ
ンジ色フィルタは、少なくとも波長570nmから66
0nmの範囲の光に対して70%以上、望ましくは75
%以上の透過率を有するようにすることができる。ま
た、シアン色フィルタは、少なくとも波長450nmか
ら520nmの範囲の光に対して70%以上、望ましく
は75%以上の透過率を有することを特徴とする。この
ように構成することにより、反射型カラー液晶装置は、
明るい白、明るい色が表示できるという利点がある。
色系、青色系の3色からなり、しかも赤色系のカラーフ
ィルタの450nmから660nmの範囲の波長の光に
対する最小透過率が、青色系、緑色系のカラーフィルタ
のカラーフィルタの450nmから660nmの範囲の
波長の光に対する最小透過率に比べて小さいことを特徴
とする。より好ましくは、青色系と緑色系のカラーフィ
ルタが450nmから660nmの範囲の全ての波長の
光に対して50%以上の透過率を有することを特徴とす
る。より好ましくは青色系のカラーフィルタが、シアン
色であることを特徴とする。このように構成することに
より、反射型カラー液晶装置は、明るく色付きが小さい
白が表示できる上、鮮やかな赤も表示できるという利点
がある。赤は最も人間の目にアピールする色刺激である
から、赤を強調して表示することは大変好ましい。
光変調可能な領域の一部にのみ設けられていることを特
徴とする。このように構成することにより、本発明の反
射型カラー液晶装置は、従来通りのカラーフィルタ製造
技術を利用できる上、視差による色混じりが小さくなる
という利点がある。また特にカラーフィルタが電極と液
晶の間の位置に設けられる場合には、広視角が得られ、
中間調における色純度が向上するという利点がある。従
来、例えば特公平7−62723号公報でもドットの一
部にカラーフィルタを設けることが提案されているが、
これは透過型液晶装置である上、染色法カラーフィルタ
に限定されている点、カラーフィルタを設ける面積がド
ットの67%から91%と大きい点が本発明と異なる。
(特公平7−62723号公報の表現は「非着色部の面
積を着色部の面積の10〜50%とする」とある。従っ
てドットにしめる着色部の面積は、100/150=6
7%から100/110=91%となる。)
ルタが設けられていない領域と、光変調不可能な領域
に、可視光域で透明な層を前記カラーフィルタとほほ同
じ厚みで形成したことを特徴とする。このように構成す
ることにより、反射型カラー液晶装置は、液晶配向の乱
れもなく高画質な表示が出来るという利点がある。
4分の3以下の数のドットにのみ設けられていることを
特徴とする。より好ましくは、総ドット数の3分の2以
下の数のドットにのみ設けられていることを特徴とす
る。このように構成することにより、明るい表示が可能
であり、また、中間調の色表示を行う場合も主としてカ
ラーフィルタが無いドットで明るさを調整すれば、常に
鮮やかな色が表示できるという利点がある。従来から、
透過型液晶装置では赤、緑、青、白の4ドットで1画素
を形成することが一部で実施されていたが、反射型液晶
装置で提案されたことはない。特にTNモードやSTN
モードを利用する反射型カラー液晶装置では視差の問題
が避けられず、色表示を行ったときに大変暗くなるが、
カラーフィルタを設けないドットを設けることにより、
明るい色表示が可能である。
ットの色が異なるよう配列されているようにすることが
できる。これはいわゆるモザイク配置やトライアングル
配置を指しており、逆にストライプ配置はこの範囲に入
らない。このように構成することにより、特に視差があ
る場合において、視角によって着色の度合いが異なると
いう現象を緩和するという利点がある。従来、例えば特
開平8−87009号公報では、その請求項6において
縦方向のストライプ配列を推奨している。また、特開平
5−241143号公報では、その明細書第6頁右欄第
17行目〜第18行目において、ストライプ配列と千鳥
配列とで原理的な差がないと言明している。また、内田
龍男氏らの論文(IEEE Transactions
onElectron Devices, Vol.
ED−33, No.8, pp.1207−1211
(1986))のFig.1では、モザイク配置カラー
フィルタを採用しているが、これは反射電極をセル内に
設けた場合であり、視差が無いので本発明とは異なる。
全体に設けられているようにすることができる。このよ
うに構成することにより、表示が明るく見えるという利
点がある。「有効表示領域」は、日本電子機械工業会規
格(EIAJ)のED−2511Aにおいて「駆動表示
領域とそれに続く画面として有効な領域」と定義されて
いる。通常、透過型カラー表示では、駆動表示領域にの
みカラーフィルタが設けられ、その外側の領域にはメタ
ルか樹脂によるブラックマスクが設けられる。ところが
反射型カラー表示では、メタルのブラックマスクはぎら
つくため利用できない。また、樹脂のブラックマスク
は、もともとのカラーフィルタにブラックマスクを設け
ていないため、コストアップになる。かといって駆動表
示領域の外側に何も設けないと、外側が明るくなり、相
対的に駆動表示領域が暗く見える。そこで駆動表示領域
の外側にも内側と同様のカラーフィルタを、好ましくは
同じパターンで設けることが有効である。
クマスクを設けず、代わりにドット内の領域と同程度か
それよりも小さい吸収を有するカラーフィルタを設ける
ようにすることができる。この構成は、要はドット外に
ブラックマスクやカラーフィルタの重なりを設けないこ
とを意味している。またドット外に何も設けないのでは
なく、一部あるいは全部にカラーフィルタが設けられて
いることを意味している。このように構成することによ
り、明るい表示が得られるという利点がある。これは、
特に視差がある場合は表示の明るさが開口率のほぼ2乗
に比例するためにブラックマスクを設けると非常に暗く
なるためであり、逆にドット外に全くカラーフィルタを
設けないとコントラストが著しく低下するためである。
従来、例えば特開昭59−198489号公報では、画
素電極上にのみカラーフィルタを設け、その外側には何
も設けていない。また特開平5−241143号公報で
は、ブラックマスクがある場合と無い場合の両方の説明
をしているが、その中間がない。
置する基板の外面に、カラーフィルタを設けるようにす
ることができる。このように構成することにより、安価
に提供できるという利点がある。また、この構成とカラ
ーフィルタが各ドット内の光変調可能な領域の一部にの
み設けられている構成とを組み合わせることにより、組
立マージンが拡大し、視角が広がるという利点がある。
置する基板の内面に、非線形素子を各ドットに対応して
設けるようにすることができる。このように構成するこ
とにより、不要な表面反射を低減し、高コントラストが
得られるという利点がある。
内面に、非線形素子を各ドットに対応して設け、これを
ドットの短辺と平行な方向に結線した構成とすることが
できる。通常、特にPC用途のデータディスプレイで
は、ドットは縦長になることが多いので、ドットの短辺
に平行な方向とは横方向(水平方向)である。このよう
に構成することにより、開口率が高まり、明るい表示が
得られるという利点がある。これはブラックマスクを設
けないときに、また、視差のある反射型構成であるとき
に、特に効果的である。
であるようにすることができる。ここで駆動面積率は、
画素内の金属配線やMIM素子等の不透明な部分を除い
た領域の中で、液晶が駆動される領域がしめる割合とし
て定義される。このように構成することにより、コント
ラストを確保した上で明るい色表示が得られるという利
点がある。
射したときに、その正反射方向を中心とした30度コー
ンの中に80%以上の光が反射するような散乱特性を有
するようにすることができる。好ましくは、30度コー
ンの中に95%以上の光が反射するような散乱特性を有
するようにすることができる。このように構成すること
により、明るい表示が得られるという利点がある。従
来、例えば特開平8−87009号公報では、その明細
書第6頁右欄第43行目〜第44行目において、半値幅
30度の指向性を有する反射板を利用している。半値幅
30度だと、大ざっぱに計算して30度コーンの中に約
30%の光が反射するような散乱特性であり、本発明に
比べて散乱が大きすぎる。このような特性では表示が暗
くなり実用に耐えない。
て、その背面にバックライトを備えている構成とするこ
とができる。好ましくは、前記反射板が入射光の80%
以上を反射することを特徴とする。このように構成する
ことにより、暗い環境下でも見えるという利点がある。
ック液晶であり、2枚の偏光板をその透過軸が各々隣接
する基板のラビング方向と直交するよう配置した構成と
することができる。これは、特公昭51−013666
号公報で提案されたTNモードを反射型カラー液晶装置
に応用したものである。このように構成することによ
り、反射型カラー液晶装置は、明るく、高コントラスト
で、視角が広いという利点がある。
の積△n×dが0.34μmよりも大きく、0.52μ
mよりも小さいようにすることができる。より好ましく
は、△n×dが0.40μm以上、0.52μm以下で
あるようにすることができる。最も好ましくは、△n×
dが0.42μmであるようにすることができる。この
ように構成することにより、反射型カラー液晶装置は、
明るく、かつ視角が広いという利点がある。
が少ないセカンドミニマム条件、即ち△n×dが1.1
μm〜1.3μm位の条件を利用していた。しかしなが
ら、反射型カラー液晶装置では、少々の着色はカラーフ
ィルタで補償できるため、セカンドミニマム条件を採用
する必要はない。また、特開平8−87009号公報で
は、その明細書第5頁第27行目〜29行目にあるよう
に、△n×d=0.55μmの条件を採用している。し
かしながら、この条件では、△n×dが0.34μmよ
りも大きく、0.52μmよりも小さいようにする条件
に比べ、暗い上に着色も大きい。
チック液晶であり、2枚の偏光板と少なくとも1枚の位
相差フィルムを配置した構成とすることができる。でき
れば、これを特開平6−348230号公報に開示され
ている手法に従って多ライン同時選択駆動を行うことが
望ましい。このように構成することにより、低コスト
で、明るいという利点がある。
偏光板を1枚だけ配置した構成とすることができる。こ
れは、特開平3−223715号公報で提案された1枚
偏光板型のネマチック液晶モードを反射型カラー液晶装
置に応用したものである。このように構成することによ
り、明るく、色純度が高い色が表示できるという利点が
ある。
つ入射光側に位置する基板の外面に散乱板を備えた構成
とすることができる。このように構成することにより、
明るく、色純度が高い色が表示できるという利点があ
る。
同様に配向している構成とすることができる。このよう
に構成することにより、明るいという利点がある。
うにすることができる。このように構成することによ
り、明るいという利点がある。
することができる。このように構成することにより、モ
ノクロ表示時に解像度を上げることができるという利点
がある。
反射型カラー液晶装置を備えた構成とすることができ
る。このように構成することにより、電子機器は、低消
費電力で、薄型軽量、かつ直射日光下でも視認性が良い
という利点がある。
るよう、表示部が本体に対し動かせるよう取り付けた構
成とすることができる。このように構成することによ
り、どのような照明条件下であっても、明るい表示を得
ることが出来るという利点がある。
明は、偏光板を用いた液晶モードを利用し、これを明る
いカラーフィルタと組み合わせたところに特徴がある。
偏光板を用いる液晶表示モードは数多く存在するが、本
発明の目的には、明るく白黒表示が可能な液晶表示モー
ド、例えば特公昭51−013666号公報で提案され
たTNモード、特公平3−50249号公報で提案され
た位相差板補償型のSTNモード、特開平3−2237
15号公報で、提案された1枚偏光板型のネマチック液
晶モード、特開平6−235920号公報で提案された
双安定スイッチングを行うネマチック液晶モード、等が
適している。
在だけで光の1/2以上を捨てている。従って反射型カ
ラー液晶装置には偏光板を用いない液晶モードの方が適
しているはずである。ところが偏光板を用いない液晶モ
ードは、PCGHモードにしてもPDLCモードにして
も、概してコントラストが低い。従って、例えば赤緑青
3色のドットで画素を構成しているときに、緑の表示を
するために緑のドットを明状態、青と赤の画素を暗状態
にしたとしても、コントラストが不十分だと緑表示に青
と赤が混ざり色純度が低下する。ところが偏光板を用い
る液晶モードでは、コントラストが高いために、このよ
うな現象が起こらない。従って、同じ色を表示するなら
ば偏光板を用いる液晶モードの方が、色純度の低いカラ
ーフィルタを用いることが出来る。色純度が低いカラー
フィルタは、即ち明るいカラーフィルタであるから、そ
の分明るい表示になるはずである。また特にPCGH
は、ノーマリブラック表示であるためドット間の領域が
黒くなり明るさに寄与しないことや、パネル法線方向以
外の視角方向からの光が色素で吸収されることもあっ
て、偏光板を用いていないにも関わらず、TNモードの
2割増し程度の明るさしか得られない。この程度の明る
さの差であるならば、カラーフィルタの色設計次第で容
易に克服できる。
のもう一つの問題は、視差の存在である。偏光板を1枚
しか用いない場合には、セル内に反射板を作り込むこと
でこの問題から逃れることもできるが、偏光板を2枚用
いるTNモードやSTNモードでは逃れようがない。視
差については、既に「従来の技術」の項でも詳しく述べ
たが、二つの問題がある。ひとつは色の打ち消し合いで
あり、もう一つは色表示が暗くなることである。
に通ったカラーフィルタと出射時に通ったカラーフィル
タの色が異なると、互いに打ち消しあって真っ暗になる
ため、白表示の明るさが視差がない場合の1/3になる
ということである。このような問題は、図78に示すよ
うな透過型で用いていたカラーフィルタをそのまま利用
するために生じる。明るいカラーフィルタを利用すれ
ば、異なる色のカラーフィルタを通っても真っ暗になる
ことはない。
る単色を表示する場合、全体の2/3のドットが暗状態
にあるため、入射時に光の2/3が吸収され出射時にさ
らに2/3が吸収されて、1/9の光しか利用できない
ということである。これは視差が無い場合の1/3の明
るさである。これを解決するためにはまず開口率を上げ
る必要がある。具体的にはドット外にブラックマスクを
設けない、金属配線が一方向にしかないMIMを利用す
る、MIMを横方向に配線する、金属配線が不要なST
Nを利用するといった手段を取った。その上でさらに駆
動面積率を小さくすることによって、単色を表示すると
きに全体の2/3の面積よりもはるかに小さい面積(例
えば1/2程度)が暗状態になるようにする。このよう
にすれば視差があっても明るい色表示が可能である。な
お駆動面積率を小さくしたりブラックマスクを設けない
といった手段はコントラストの低下に繋がるが、下側基
板を厚くすることによって、コントラストの低下を最小
限に抑えることが出来る。
施例を説明する。
おける反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図であ
り、対向する内面に電極を備えマトリクス状のドット群
を形成した一対の基板と、前記基板間に挟持された液晶
と、少なくとも2色のカラーフィルタと、少なくとも1
枚の偏光板と、反射板を構成要素としている。図におい
て、101は上側偏光板、102は対向基板、103は
液晶、104は素子基板、105は下側偏光板、106
は散乱反射板であり、対向基板102上にはカラーフィ
ルタ107と、対向電極(走査線)108を設け、素子
基板104上には信号線109、画素電極110、MI
M素子111を設けた。ここで101と102、104
と105、105と106は、離して描いてあるが、こ
れは図を明解にするためであって、実際には糊で接着し
ている。また対向基板102と素子基板104の間も広
く離して描いてあるが、これも同様の理由からであって
実際には数μmから十数μm程度のギャップしかない。
また、図1は反射型カラー液晶装置の要部を示している
ため、3×3の9ドット分しか図示していないが、本実
施例ではそれ以上のドット数を有し、480×640の
307200ドット又はそれ以上のドットを有する場合
もある。
ITOで形成し、信号線109は金属Taで形成した。
MIM素子は絶縁膜Ta2 O5 を金属Taと金属Crで
挟んだ構造である。液晶103は90度ねじれたネマチ
ック液晶であり、上下の偏光板は互いに偏光軸が直交し
ている。これは一般的なTNモードの構成である。また
カラーフィルタ107は互いに補色の関係にある赤(図
中「R」で示した)とシアン(図中「C」で示した)の
2色から成っていて、ストライプ状に配列した。
示す図である。図2の横軸は光の波長、縦軸は透過率で
あり、201が赤フィルタのスペクトル、202がシア
ンフィルタのスペクトルを示している。スペクトルの測
定は、顕微分光光度計を使用して対向基板単体で行い、
ガラス基板と透明電極、そしてもし存在するならばオー
バーコートとアンダーコートも加えた透過率を100%
にして補正した。従って、カラーフィルタ単体の分光特
性を測定したものである。以下、カラーフィルタの分光
特性は全てこの方法により測定した。また本発明におけ
る透過率も、この方法で測定した値と定義する。赤フィ
ルタもシアンフィルタも、450nmから660nmの
波長範囲で、常に30%以上の透過率を示している。ま
た同じ波長範囲での平均透過率は、赤フィルタが52
%、シアンフィルタが66%であった。このように非常
に淡い色調のカラーフィルタであるから、本来ならば
「赤」ではなく「ピンク」と表記した方が正確である
が、混乱を避けるため、以下では純色の表現で統一す
る。
晶装置は、白色表示時の反射率が24%、コントラスト
比が1:15、白と赤とシアンと黒の4色表示が可能
で、赤表示色はx=0.39、y=0.32、シアン表
示色はx=0.28、y=0.31であった。これは従
来の反射型モノクロ液晶装置の約6割の明るさ、同等の
コントラスト比であり、通常の室内照明光の下で、ある
いは昼間の屋外で十分に使用できる特性である。
一部でも30%未満の透過率を示すようなカラーフィル
タを用いた反射型カラー液晶装置は、表示が暗く特別な
照明を必要とするか、あるいはホワイトバランスが狂っ
て白が表示出来ないかのいずれかの理由で、通常の使用
に耐えられない。
タ上に透明電極を設けた構造を取ったが、逆に透明電極
上にカラーフィルタを設けても特に支障はない。またア
クティブ素子としてMIM素子を使用したが、これは開
口率を高める上で有利であるからで、開口率が同じであ
ればTFT素子を用いても本発明の効果に変わりはな
い。
おける反射型カラー液晶装置の、カラーフィルタの分光
特性を示す図である。実施例2の構成は、図1に示した
実施例1の場合と同様であり、やはり赤とシアンの2色
から成るカラーフィルタを備えている。図3の横軸は光
の波長、縦軸は透過率であり、301が赤フィルタのス
ペクトル、302がシアンフィルタのスペクトルを示し
ている。いずれの色のカラーフィルタも、450nmか
ら660nmの波長範囲で、50%以上の透過率を有し
ている。また同じ波長範囲での平均透過率は、赤フィル
タが71%、シアンフィルタが78%であった。
の反射率が30%、コントラスト比が1:15、白と赤
とシアンと黒の4色表示が可能で、赤表示色はx=0.
34、y=0.32、シアン表示色はx=0.29、y
=0.31であった。これは従来の反射型モノクロ液晶
装置の7割強の明るさ、同等のコントラスト比である。
ルタが450nmから660nmの範囲の全ての波長の
光に対して50%以上の透過率を有すると、従来の反射
型モノクロ液晶装置とほぼ同等の環境下で使用できる、
明るい反射型カラー液晶装置が得られる。なお本実施例
のようにカラーフィルタが2色からなる場合には、一方
のカラーフィルタが450nmから660nmの範囲の
全ての波長の光に対して50%以上の透過率を有する
と、良好なホワイトバランスを得る上で、必然的にもう
一方のカラーフィルタも同じように50%以上の透過率
を有するようになる。しかしながら3色以上のカラーフ
ィルタを利用する場合には、必ずしもそうならない。そ
の例を後に実施例9で紹介する。
おける反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図であ
る。また、図2はカラーフィルタの分光特性を示す図で
ある。この実施例では、一対の基板の内、反射板側に位
置する基板の厚みを200μm以上とした。実施例3の
構成は、基本的に実施例1記載の反射型カラー液晶装置
と同様であるから、各々の符号の説明を省略する。但
し、液晶103の△n×dを0.42μmに設定した。
またドットピッチは縦横ともに160μmとし、駆動面
積率を75%とした。
させた。図4に素子基板104の厚さを変えたときのコ
ントラストを示す。図4において横軸は素子基板104
の厚さ、縦軸はコントラスト、401は実施例3におけ
る各素子基板104の厚さに対するコントラストを示す
点の集まり、402は比較例における各素子基板104
の厚さに対するコントラストを示す点の集まりである。
色表示時の表示色はいずれも赤表示時にはx=0.3
9、y=0.32、シアンがx=0.28、y=0.3
1付近であった。
の厚みがゼロのときには、コントラストは最大でも10
0/(100−75)=4しか取れない。ところが素子
基板104の厚さを200μm以上とすることにより、
視差の効果、即ち隣接ドットの影がドット間の光漏れを
緩和することによって、1:15以上の良好なコントラ
ストを得た。また素子基板の厚さを700μm以上にす
ることによって、さらに高いコントラストを得ることが
出来た。
も密接な関係にあるため、「200μm以上」、「70
0μm以上」という表現を、「縦横いずれかのドットピ
ッチの短い方の1.25倍以上」、「同じく4倍以上」
という表現にしても良い。
おける反射型カラー液晶装置の、カラーフィルタの分光
特性を示す図である。実施例3の構成は、第1図に示し
た実施例1の場合と同様であり、やはり赤とシアンの2
色から成るカラーフィルタを備えている。図5の横軸は
光の波長、縦軸は透過率であり、501が赤フィルタの
スペクトル、502がシアンフィルタのスペクトルを示
している。いずれの色のカラーフィルタも、450nm
から660nmの波長範囲で、60%以上の透過率を有
している。また同じ波長範囲での平均透過率は、赤フィ
ルタが75%、シアンフィルタが80%であった。
の反射率が31%、コントラスト比が1:15、白と赤
とシアンと黒の4色表示が可能で、赤表示色はx=0.
33、y=0.33、シアン表示色はx=0.30、y
=0.31であった。これは従来の反射型モノクロ液晶
装置の約8割の明るさ、同等のコントラスト比である。
450nmから660nmの範囲の全ての波長の光に対
して60%以上の透過率を有していると、タッチキー等
の入力手段を液晶装置の全面に取り付けても支障無く使
用できる、明るい反射型カラー液晶装置が得られる。但
し、同じ波長範囲での平均透過率が90%を越すような
カラーフィルタを用いると、表示色が極めて淡くなって
色の識別が困難になる。
おける反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図であ
る。この実施例では、カラーフィルタが、隣り合うドッ
トの色が異なるよう配列されている。まず構成を説明す
る。601は上側偏光板、602は対向基板、603は
液晶、604は素子基板、605は下側偏光板、606
は散乱反射板であり、対向基板602上にはカラーフィ
ルタ607と、対向電極(走査線)608を設け、素子
基板604上には信号線609、画素電極610、MI
M素子611を設けた。
係にある赤(図中「R」で示した)とシアン(図中
「C」で示した)の2色から成っていて、モザイク状に
市松模様を描くよう配列した。図1のようにカラーフィ
ルタをストライプ状に配列すると、上下方向には極めて
広い視角特性を有するが、左右方向に視角を振ると着色
する視角方向と消色する視角方向が交互に現れてしま
う。これは下側基板(この場合は素子基板)の厚み分だ
け、液晶層およびカラーフィルタ層と、反射板との間に
距離があるために起こる現象である。図5のようにモザ
イク状に市松模様を描くように配列すると、このような
現象がかなり緩和されることが実験により確かめられ
た。特に画素数が比較的少ない場合でも、色の混色が良
好であることもわかった。これはモザイク配置の場合、
着色する視角方向と消色する視角方向が混在するため
に、少なくとも両眼の一方では着色して見えるためだと
考えられる。なおカラーフィルタは、実施例2の図3と
同様の分光特性を有しており、明るさ、コントラスト比
ともに実施例2と同程度であった。またここではモザイ
ク配列の例をあげたが、隣あうドットの色が異なる配列
であるならば、トライアングル配列を始め他の配列でも
効果がある。
おける反射型カラー液晶装置の、カラーフィルタの分光
特性を示す図である。実施例2の構成は、図6に示した
実施例5と同様であるが、赤とシアンの代わりに緑とマ
ゼンタの2色から成るカラーフィルタを備えている。図
7の横軸は光の波長、縦軸は透過率であり、701が緑
フィルタのスペクトル、702がマゼンタフィルタのス
ペクトルを示している。いずれの色のカラーフィルタ
も、450nmから660nmの波長範囲で、50%以
上の透過率を有している。また同じ波長範囲での平均透
過率は、緑フィルタが76%、マゼンタフィルタが78
%であった。
の反射率が31%、コントラスト比が1:17、白と緑
とマゼンタと黒の4色表示が可能で、緑表示色はx=
0.31、y=0.35、マゼンタ表示色はx=0.3
2、y=0.29であった。これは従来の反射型モノク
ロ液晶装置の約8割の明るさ、同等のコントラスト比で
ある。
とシアン、緑とマゼンタの他に、青とイエローの組み合
わせも考えられるが、前二者のように赤系統の色が表示
出来た方が、見栄えがするという点でより好ましい。
おける反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図であ
る。まず構成を説明する。801は上側偏光板、802
は対向基板、803は液晶、804は素子基板、805
は下側偏光板、806は散乱反射板であり、対向基板8
02上にはカラーフィルタ807と、対向電極(走査
線)808を設け、素子基板804上には信号線80
9、画素電極810、MIM素子811を設けた。上側
偏光板上には照明光のぎらつきを抑える目的で弱いアン
チグレア処理を施した。
「R」で示した)と緑(図中「G」で示した)と青(図
中「B」で示した)の3色から成っていて、図のように
モザイク状に配列した。
示す図である。図9の横軸は光の波長、縦軸は透過率で
あり、901が赤フィルタのスペクトル、902が緑フ
ィルタのスペクトル、903が青フィルタのスペクトル
を示している。いずれの色のカラーフィルタも、いずれ
も450nmから660nmの波長範囲で、50%以上
の透過率を有している。また同じ波長範囲での平均透過
率は、赤フィルタが74%、緑フィルタが75%、青フ
ィルタが63%であった。
晶装置は、白色表示時の反射率が28%、コントラスト
比が1:14、フルカラー表示が可能で、赤表示色はx
=0.39、y=0.32、緑表示色はx=0.31、
y=0.35、青表示色はx=0.29、y=0.27
であった。これは従来の反射型モノクロ液晶装置の約7
割の明るさ、同等のコントラスト比であり、特別の照明
を必要とせずに、ビデオ映像を楽しめる特性である。
における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図で
ある。この実施例では、カラーフィルタの内、少なくと
も1色のカラーフィルタは、450nmから660nm
の範囲の全ての波長の光に対して50%以上の透過率を
有するものである。また、前記カラーフィルタを、赤色
系、緑色系、青色系の3色とし、しかも前記赤色系ある
いは青色系カラーフィルタのいずれかはオレンジ色ある
いはシアン色である。まず構成を説明する。1001は
上側偏光板、1002は素子基板、1003は液晶、1
004は対向基板、1005は下側偏光板、1006は
散乱反射板であり、対向基板1004上には対向電極
(走査線)1011とカラーフィルタ1010を設け、
素子基板1002上には信号線1007、MIM素子1
008、画素電極1009を設けた。カラーフィルタ1
010は顔料分散タイプであって、赤(図中「R」で示
した)、緑(図中「G」で示した)、青(図中「B」で
示した)の3色から成っている。
性を示す図である。図11の横軸は光の波長、縦軸は透
過率であり、1101が赤フィルタのスペクトル、11
02が緑フィルタのスペクトル、1103が青フィルタ
のスペクトルである。1101、1102、1103は
いずれも色の薄いカラーフィルタであるが、このような
カラーフィルタで表示する画像は淡い。特に赤と青は視
感度が低いこともあって、色の判別がしがたい。そこで
多少色味が変わっても、より広い波長範囲で光を透過す
る明るいカラーフィルタを使用した。
ィルタを使用したところ、若干オレンジ色っぽいが大変
明るい赤が表示できた。このフィルタのスペクトルを1
111に示す。このフィルタは、少なくとも波長570
nmから660nmの範囲の光に対して70%以上、望
ましくは75%以上の透過率を有することを特徴として
いる。また青フィルタの代わりに、色純度の低い青フィ
ルタを使用したところ、若干シアン色っぽいが大変明る
い青が表示できた。このフィルタのスペクトルを111
3に示す。このフィルタは、少なくとも波長450nm
から520nmの範囲の光に対して70%以上、望まし
くは75%以上の透過率を有することを特徴としてい
る。しかしながら、このようなカラーフィルタを用いる
と、白表示が青っぽく、あるいは赤っぽくなる傾向があ
る。そこで上記カラーフィルタを用いる場合には、より
色純度が高い緑フィルタと組み合わせて色バランスを調
整することが望ましい。色純度が高い緑フィルタの一例
を1112に示す。このフィルタは、波長510nmか
ら590nmの範囲の光に対してのみ70%以上の透過
率を有することを特徴としている。
における反射型カラー液晶装置の、カラーフィルタの分
光特性を示す図である。実施例9の構成は、図8に示し
た実施例7の場合と同様であり、やはり赤、緑、青の3
色から成るカラーフィルタを備えている。図12の横軸
は光の波長、縦軸は透過率であり、1201が赤フィル
タのスペクトル、1202が緑フィルタのスペクトル、
1203が青フィルタのスペクトルを示している。赤色
系のカラーフィルタの450nmから660nmの範囲
の波長の光に対する最小透過率は、青色系、緑色系のカ
ラーフィルタの450nmかち660nmの範囲の波長
の光に対する最小透過率に比べて小さい。ここで緑フィ
ルタだけは、450nmから660nmの波長範囲で、
50%以上の透過率を有している。また赤フィルタの4
50nmから660nmの範囲の波長の光に対する最小
透過率は、青フィルタ、緑フィルタに比べてはっきりと
小さい。このような赤フィルタを用いることにより、最
も人間の目にアピールする赤色を鮮やかに表示すること
が出来る。また赤を濃くしたことを補償する目的で、青
フィルタのスペクトル1203をシアン色に近くした。
このため、明るく色付きが小さい白が表示できた。
晶装置は、白色表示時の反射率が26%、コントラスト
比が1:13、フルカラー表示が可能で、赤表示色はx
=0.41、y=0.30、緑表示色はx=0.31、
y=0.36、青表示色はx=0.26、y=0.28
であった。これは従来の反射型モノクロ液晶装置の約7
割の明るさ、同等のコントラスト比である。赤色を特に
強調しているために、色再現性が十分ではない。従って
ビデオ映像の表示よりも、携帯情報機器等の表示に適し
ている。
10における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す
図である。構成を説明する。1001は上側偏光板、1
002は素子基板、1003は液晶、1004は対向基
板、1005は下側偏光板、1006は散乱反射板であ
り、対向基板1004上には対向電極(走査線)101
1とカラーフィルタ1010を設け、素子基板1002
上には信号線1007、MIM素子1008、画素電極
1009を設けた。カラーフィルタ1010は顔料分散
タイプであって、赤(図中「R」で示した)、緑(図中
「G」で示した)、青(図中「B」で示した)の3色か
ら成っている。
性を示す図である。図13の横軸は光の波長、縦軸は透
過率であり、1301と1311が赤フィルタのスペク
トル、1302と1312が緑フィルタのスペクトル、
1303と1313が青フィルタのスペクトルを示して
いる。また1301と1311、1302とI312、
1303と1313とでは、それぞれカラーフィルタ材
料は同じであるが、その厚みが異なり、いずれも前者が
0.8μm、後者が0.2μmである。450nmから
660nmの波長範囲の光に対する赤フィルタの平均透
過率は、厚み0.8μmのとき28%、厚み0.2μm
のとき74%であった。また緑フィルタの平均透過率
は、厚み0.8μmのとき33%、厚み0.2μmのと
き75%であった。また青フィルタの平均透過率は、厚
み0.8μmのとき30%、厚み0.2μmのとき74
%であった。
変化させたときの平均透過率をプロットした図である。
図中1401は青フィルタ、1402は緑フィルタ、1
403は赤フィルタの場合である。いずれもカラーフィ
ルタが薄くなるほど、平均透過率が高くなる傾向にあ
る。透過型で用いられる通常の顔料分散型カラーフィル
タの厚みは0.8μm程度であるが、そのようなカラー
フィルタを用いた場合、屋外の直射日光の下か、スポッ
トライトのような特殊な照明を行わない限り判別できな
いほど暗い表示しかできなかった。厚みが0.23μm
以下、即ちいずれのカラーフィルタの平均透過率も70
%以上の場合には、照度1000ルクス程度の比較的明
るい室内、例えば蛍光灯スタンドで照明された事務机と
いった環境の下で、快適に使用できる明るさが得られ
た。厚みが0.18μm以下、即ちいずれのカラーフィ
ルタの平均透過率も75%以上の場合には、照度200
ルクス程度の通常の室内照明光の下でも十分使用できる
明るさが得られた。また厚みが0.8μm以上、即ちい
ずれのカラーフィルタの平均透過率も90%以下の場合
には、はっきりと色が認識できる程度に表示できた。こ
のように顔料分散タイプのカラーフィルタは、その厚み
が0.23μm以下、好ましくは0.18μm以下であ
って、さらに好ましくは0.08μm以上に設けること
が望ましい。
11における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す
図である。この実施例では、カラーフィルタが各ドット
内の光変調可能な領域の一部にのみ設けられている。ま
ず構成を説明する。1501は上側偏光板、1502は
素子基板、1503は液晶、1504は対向基板、15
05は下側偏光板、1506は散乱反射板であり、対向
基板1504上には対向電極(走査線)1511とカラ
ーフィルタ1510を設け、素子基板1502上には信
号線1507、MIM素子1508、画素電極1509
を設けた。なお1ドット中で光変調可能な領域は、素子
基板上の凹型形状のITOと、対向基板上の短冊形状の
ITOが重なる領域であって、対向基板のITO上に破
線でその輪郭を示した。(一部カラーフィルタと重なっ
て見えないが、同様の輪郭を示した図20を参照して欲
しい。)
明なITOで形成し、信号線1507は金属Taで形成
した。MIM素子は絶縁膜Ta2 O5 を金属Taと金属
Crで挟んだ構造である。液晶1503は90度ねじれ
たネマチック液晶であり、液晶セルの△n×dが1.3
4μmになるよう、液晶の△nとセルギャップdを選択
した。また上下の偏光板は、その吸収軸が隣接基板のラ
ビング軸と平行になるように配置した。これは最も明る
く着色の少ないTNモードの構成である。またカラーフ
ィルタ1510は互いに補色の関係にある赤(図中
「R」で示した)とシアン(図中「C」で示した)の2
色から成っているが、光変調可能な領域の一部にのみ設
けた。
性を示す図である。図16の横軸は光の波長、縦軸は透
過率であり、1601が赤フィルタのスペクトル、16
02がシアンフィルタのスペクトルを示している。45
0nmから660nmの波長範囲で透過率を単純平均し
た平均透過率は、赤フィルタが30%、シアンフィルタ
が58%であった。但しこれは、カラーフィルタが全面
に設けられている場合であって、一部にのみ設けられて
いる場合には、光変調可能な領域内での平均値を平均透
過率と呼ぶことにする。
ィルタを設ける面積の割合を様々に変えて、そのときの
平均透過率を求めた結果である。1701が赤フィルタ
を設けたドットにおける平均透過率、1702がシアン
フィルタを設けたドットにおける平均透過率である。
面にカラーフィルタを設けた場合には、屋外の直射日光
の下か、スポットライトのような特殊な照明を行わない
限り表示が判別できないほど暗かった。カラーフィルタ
面積率が45%以下、即ちいずれのカラーフィルタの平
均透過率も70%以上の場合には、照度1000ルクス
程度の比較的明るい室内、例えば蛍光灯スタンドで照明
された事務机といった環境の下で、快適に使用できる明
るさが得られた。カラーフィルタ面積率が35%以下、
即ちいずれのカラーフィルタの平均透過率も75%以上
の場合には、照度200ルクス程度の通常の室内照明光
の下でも十分使用できる明るさが得られた。またカラー
フィルタ面積率が15%以上、即ちいずれかのカラーフ
ィルタの平均透過率が90%以下の場合には、赤とシア
ンが判別できる程度に表示できた。カラーフィルタ面積
率が25%以上、即ちいずれのカラーフィルタの平均透
過率も90%以下の場合には、はっきりと色が認識でき
る程度に表示できた。またいずれのカラーフィルタを用
いた場合にも、1:15以上の高いコントラスト比が得
られた。
アン色を用いている点を除けば、通常の透過型で用いら
れるカラーフィルタと同程度の分光特性、同程度の明る
さである。このようなカラーフィルタは、光変調可能な
領域の45%以下、好ましくは35%以下であって、し
かも15%以上、好ましくは25%以上の面積に設ける
ことが望ましい。
としてMIM素子を使用したが、これは開口率を高める
上で若干有利であるからで、TFT素子を用いても同じ
開口率が取れるならば本発明の効果に変わりはない。
ルタが各ドット内の光変調可能な領域の一部にのみ設け
られている反射型カラー液晶装置である。この実施例に
おける反射型カラー液晶装置の構造は図15に示した実
施例11の反射型カラー液晶装置と同様であるが、実施
例12は、カラーフィルタの特性が異なる。
タの分光特性を示す図である。図18の横軸は光の波
長、縦軸は透過率であり、1801が赤フィルタのスペ
クトル、1802がシアンフィルタのスペクトルを示し
ている。赤フィルタの平均透過率は41%、シアンフィ
ルタの平均透過率が62%であった。顔料の分散性等の
問題無しに従来通りの工程で製造できるカラーフィルタ
としては、この程度の明るさが最大である。
ィルタを設ける面積の割合を様々に変えて、そのときの
平均透過率を求めた結果である。1901が赤フィルタ
を設けたドットにおける平均透過率、1902がシアン
フィルタを設けたドットにおける平均透過率である。
面にカラーフィルタを設けた場合には、屋外の直射日光
の下か、スポットライトのような特殊な照明を行わない
と、表示が暗く、見づらかった。カラーフィルタ面積率
が50%以下、即ちいずれのカラーフィルタの平均透過
率も70%以上の場合には、照度1000ルクス程度の
比較的明るい室内、例えば蛍光灯スタンドで照明された
事務机といった環境の下で、快適に使用できる明るさが
得られた。カラーフィルタ面積率が40%以下、即ちい
ずれのカラーフィルタの平均透過率も75%以上の場合
には、照度200ルクス程度の通常の室内照明光の下で
も十分使用できる明るさが得られた。またカラーフィル
タ面積率が15%以上、即ちいずれかのカラーフィルタ
の平均透過率が90%以下の場合には、赤とシアンが判
別できるに表示できた。カラーフィルタ面積率が25%
以上、即ちいずれのカラーフィルタの平均透過率も90
%以下の場合には、はっきりと色が認識できる程度に表
示できた。またいずれのカラーフィルタを用いた場合に
も、1:15以上の高いコントラスト比が得られた。
常の透過型で用いられるカラーフィルタと比べるとずっ
と明るい。このようなカラーフィルタは、光変調可能な
領域の50%以下、好ましくは40%以下であって、し
かも15%以上、好ましくは25%以上の面積に設ける
ことが望ましい。
13における反射型カラー液晶装置の図構造の要部を示
す図である。この実施例でも、カラーフィルタが各ドッ
ト内の光変調可能な領域の一部にのみ設けられている。
構成を説明する。2001は上側偏光板、2002は素
子基板、2003は液晶、2004は対向基板、200
5は下側偏光板、2006は散乱反射板であり、対向基
板2004上には対向電極(走査線)2011とカラー
フィルタ2010を設け、素子基板2002上には信号
線2007、MIM素子2008、画素電極2009を
設けた。また1ドット中で光変調可能な領域は、素子基
板上の凹状のITOと、対向基板上の短冊状のITOが
重なる領域であって、対向基板のITO上に破線でその
輪郭を示した。
係にある赤(図中「R」で示した)とシアン(図中
「C」で示した)の2色から成っており、光変調可能な
領域のほぼ中央に設けた。各々のカラーフィルタの周囲
には、他のカラーフィルタが無いように配置することが
望ましい。このように配置すると、色の混じりが少ない
表示が可能である。何故ならば、通常はカラーフィルタ
層と反射板との間に少なくとも対向基板の厚み分だけの
距離が存在するために、赤フィルタを通って入射した光
がシアンフィルタを通って出射したり、あるいはその逆
によって色混じりが生じるが、上記配置を取るとその確
率が減るためである。
14における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す
図である。この実施例でも、カラーフィルタが各ドット
内の光変調可能な領域の一部にのみ設けられている。構
成を説明する。2101は上側偏光板、2102は素子
基板、2103は液晶、2104は対向基板、2105
は下側偏光板、2106は散乱反射板であり、対向基板
2104上には対向電極(走査線)2112とカラーフ
ィルタ2111を設け、素子基板2102上には信号線
2107、MIM素子2108、画素電極2109を設
けた。
係にある赤(図中「R」で示した)とシアン(図中
「C」で示した)の2色から成っており、各々光変調可
能な領域の中で5つの領域に分かれて市松状に配置し
た。ドットの一部にのみカラーフィルタを設けると、カ
ラーフィルタの無い部分が白く目立ちやすいが、このよ
うに細かい領域に分割して配置すると色の混じりが良い
という利点がある。分割数はもちろん2つでも構わない
が、3つ以上に分けた方が効果が大きい。
110(図中「BK」で示した)を設けた。このブラッ
クマスクは、図21において対向基板2104が上側
に、素子基板2102が下側に配置されているときに、
特に反射防止の効果がある。またわざわざ黒色顔料を用
いずとも、赤、シアン、あるいはその重ね合わせによっ
て代用しても良い。
液晶装置も、カラーフィルタが各ドット内の光変調可能
な領域の一部にのみ設けられている。この実施例におけ
る反射型カラー液晶装置の構造は、図15に示した実施
例12の反射型カラー液晶装置、図20に示した実施例
13記載の反射型カラー液晶装置、図21に示した実施
例14記載の反射型カラー液晶装置と同様である。
の間の位置に設けられている点にある。一般にカラーフ
ィルタは、液晶に効率的に電圧を印加するために、電極
と基板の間の位置に設けられることが多い。しかしなが
ら本実施例のように配置することによって、二つの新し
い効果が得られた。一つは視角の拡大であり、もう一つ
は中間調における色純度の向上である。
射型カラー液晶装置の電圧反射率特性を示す図である。
横軸は液晶に実効的に印加される電圧であり、縦軸は電
圧を印加しない時を100%に規格化した反射率であ
る。2201は光変調可能な領域の中で、カラーフィル
タを設けない領域の特性であり、2202はカラーフィ
ルタを設けた領域の特性である。容量分割による電圧降
下のために、2202は2201よりも電圧反射率特性
の急峻性が悪い。言い換えれば、カラーフィルタを設け
た領域は設けない領域に比べ、液晶に電圧が印加され難
い。このように一画素内に電圧の掛かり具合の異なる二
つの領域が存在するために、特開平2−12号公報や特
開平4−348323号公報で開示されている効果(一
般に「ハーフトーン方式」と呼ばれる)により、視角特
性が改善される。また中間調表示状態で、カラーフィル
タを設けた領域の方が常に反射率が高くなるために、色
が濃く表示されるという効果もある。
16における反射型カラー液晶装置の、カラーフィルタ
基板の構造を示す図である。この実施例は、カラーフィ
ルタが各ドット内の光変調可能な領域の一部にのみ設け
られているものにおいて、光変調可能な領域でカラーフ
ィルタが設けられていない領域と、光変調不可能な領域
に、可視光域で透明な層を前記カラーフィルタとほぼ同
じ厚みで形成した。(a)が正面図であり、(b)が断
面図である。まず、構成を説明する。(a)の破線で囲
んだ長方形領域2304が1ドットを示す。2309は
ガラス基板、2301は赤フィルタ、2303は緑フィ
ルタ、2302は青フィルタ、2305はドット間ギャ
ップ、ハッチング領域2308はアクリル、2307は
保護膜、2306はITO透明電極である。
図25に示す。図25の横軸は光の波長、縦軸は透過率
であり、2501が青フィルタのスペクトル、2502
が緑フィルタのスペクトル、2503が赤フィルタのス
ペクトルを示している。但しこれはカラーフィルタ形成
面積が100%のときの特性である。このような分光特
性を示すカラーフィルタを、図23の1ドット2304
内に面積率50%で形成した。これによって、1ドット
内の平均で、図26に示したような分光特性が得られ
た。図26の横軸は光の波長、縦軸は透過率であり、2
601が青フィルタのスペクトル、2602が緑フィル
タのスペクトル、2603が赤フィルタのスペクトルを
示している。
分にはアクリル2308をカラーフィルタと同じ厚さで
形成した。この時のカラーフィルタ2301、230
2、2303とアクリル2308の厚さは、いずれも約
0.2μmである。また通常の透過型カラー液晶装置で
用いるドット間等に構成する遮光膜(ブラックストライ
プ)を形成せずに、ドット間ギャップ2305にもアク
リル透明層2308を形成した。さらに、このカラーフ
ィルタ上に順次、保護膜2307、ITO電極230
6、液晶を配向させるための配向膜(図示せず)を形成
して、MIM(金属−絶縁膜−金属)アクティブマトリ
クス基板と重ね合わせ、液晶装置を構成した。このとき
の液晶モードはTNモードを採用した。
ー液晶装置の構造の要部を示す図である。2402が素
子基板、2403が対向基板、2406がMIM素子、
2407が1ドットの表示電極、2408が走査線、2
401が上偏光板、2409が部分的に形成した赤カラ
ーフィルタ、2410が部分的に形成した緑カラーフィ
ルタ、2411が部分的に形成した青カラーフィルタ、
2412がアクリル、2413が信号電極、2404が
下偏光板、2405がアルミニウム反射板である。
%で形成しただけの基板を用いた反射型カラー液晶装置
ではカラーフィルタ形成部分と未形成部分の段差で液晶
の配向が乱れ、コントラストが1:8であったのに対し
て、アクリルをカラーフィルタ未形成部にカラーフィル
タと同じ厚みで形成した基板を用いた反射型カラー液晶
装置は液晶配向の乱れもなく高画質な表示が可能となっ
た。このときのコントラストは1:20であった。カラ
ーフィルタ未形成部分にアクリル透明層を形成しない場
合のカラーフィルタ構成を図27に示す。(a)が正面
図で、(b)が断面図である。2707がガラス基板で
あり、2701が部分的に形成した赤フィルタ、270
3が部分的に形成した緑フィルタ、2702が部分的に
形成した青フィルタ、2706が保護膜、2704が1
ドット、2705が画素間ギャップである。(b)の断
面図からも明らかなようにカラーフィルタ表面に凹凸が
存在し、このような表面状態では液晶配向が乱れる。
板とMIM基板を組み合わせたが、TFT基板やTFD
(薄膜ダイオード)基板を用いてもよい。また、本実施
例ではアクティブマトリクス反射型カラー液晶装置につ
いて述べたが、本発明は単純マトリクス反射型カラー液
晶装置にも適用できる。STNモードのように基板表面
の凹凸が液晶配向に大きく影響を与える場合には、本発
明はさらに効果がある。また本実施例では、カラーフィ
ルタ配列に「モザイク配列」を採用したが、’93最新
液晶プロセス技術(プレスジャーナル編)pp.321
にあるような「トライアングル配列」「ストライプ配
列」を用いてもよい。
ルタが各ドット内の光変調可能な領域の一部にのみ設け
られているものにおいて、光変調可能な領域でカラーフ
ィルタが設けられていない領域と、光変調不可能な領域
に、可視光域で透明な層を前記カラーフィルタとほぼ同
じ厚みで形成した。
射型カラー液晶装置の、カラーフィルタ基板の構造を示
す図である。(a)が正面図であり、(b)が断面図で
ある。まず、構成を説明する。(a)の破線で囲んだ長
方形領域2804が1ドットを示す。2808はガラス
基板、2807はITO電極、2801は赤カラーフィ
ルタ、2803は緑カラーフィルタ、2802は青カラ
ーフィルタ、ハッチング領域2806はアクリルであ
る。
図29に示す。図29の横軸は光の波長、縦軸は透過率
であり、2901が青フィルタのスペクトル、2902
が緑フィルタのスペクトル、2903が赤フィルタのス
ペクトルを示している。但しこれはカラーフィルタ形成
面積が100%のときの特性である。このような分光特
性を示すカラーフィルタを、図28の1ドット内に面積
率30%で形成した。これによって、1ドット内の平均
で、図26に示したような分光特性が得られた。
分にはアクリル2807をカラーフイルタと同じ厚さで
形成した。この時のカラーフィルタとアクリルの厚さ
は、約0.8μmであり、通常透過型カラー液晶装置で
用いるドット間等に構成する遮光膜(ブラックストライ
プ)は形成せずに、ドット間にもアクリル2807透明
層を形成した。さらに、液晶を配向させるための配向膜
を形成して、TFT基板と重ね合わせ、液晶装置を構成
した。このときの液晶モードはTNモードを採用し、ガ
ラス基板外側に偏光板をそれぞれ貼付し、さらに観察面
と反対側に銀反射板を配置した。
%で形成しただけの基板を用いた反射型カラー液晶装置
ではカラーフィルタ形成部分と未形成部分の段差で液晶
の配向が乱れ、コントラストが1:5であったのに対し
て、アクリルをカラーフィルタ未形成部にカラーフィル
タと同じ厚みで形成した基板を用いた反射型カラー液晶
装置は液晶配向の乱れもなく高画質な表示が可能となっ
た。このときのコントラストは1:18であった。
板とTFT基板を組み合わせたが、MIM基板やTFD
基板を用いてもよい。また、本実施例ではアクティブマ
トリクス反射型カラー液晶装置について述べたが、単純
マトリクス反射型カラー液晶装置にも適用できる。ST
Nモードのように基板表面の凹凸が液晶配向に大きく影
響を与える場合には、本発明はさらに効果がある。
ィルタに赤緑青の3原色を用いたが、図30に示すシア
ン3001と赤3002、図31に示すマゼンタ310
1と緑3102、あるいはイエローと青のような補色関
係にある2色のカラーフィルタを用いることもできる。
ではカラーフィルタを1ドットのほぼ中央部に部分的に
形成したが、図32(a)(b)に示すような配置で形
成しても構わない。(a)は1ドット3201の上半分
もしくは下半分がカラーフィルタを形成した領域320
2であり、残り半分がカラーフィルタを形成しない領域
3203である。(b)は1ドット3201の右半分も
しくは左半分がカラーフィルタを形成した領域3202
を形成した領域であり、残り半分がカラーフィルタを形
成しない領域3203である。また、図32(c)
(d)に示すように1ドット3201内を2つ以上に分
割し、一部をカラーフィルタを形成する領域3202、
残りをカラーフィルタを形成しない領域3203として
もよい。このような様々なパターンのカラーフィルタを
用いても、やはり高画質な反射型カラー液晶装置が実現
できた。
ーフィルタと透明な層の段差を変化させたときの特性の
変化を表1に示す。段差が小さくなるに従い、画質・コ
ントラストともにアップしている。段差が0.5μm以
下になれば、1:10以上のコントラストが得られ、さ
らに0.1μm以下になれば、1:15以上のコントラ
ストが得られる。
では、カラーフィルタ形成部と未形成部の段差を埋める
透明な層にアクリルを用いたが、ポリイミドを用いても
高画質な反射型カラー液晶装置が実現できた。また、同
様に透明な層にポリビニールアルコールを用いても高画
質な反射型カラー液晶装置を実現できた。この結果を表
2にまとめた。透明な層がない場合に比べ、画質、コン
トラストともに向上している。
板に一般的なアルミニウム反射板や銀反射板を用いた
が、A.G.Chen氏らが発表したホログラフィ反射
板(SID’95 DIGEST、PP.176−17
9)を用いることもできる。
21における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す
図である。この実施例では、カラーフィルタが総ドット
数の4分の3以下の数のドットにのみ設けられている。
構成を説明する。3301は上側偏光板、3302は素
子基板、3303は液晶、3304は対向基板、330
5は下側偏光板、3306は散乱反射板であり、対向基
板3304上には対向電極(走査線)3311とカラー
フィルタ3310を設け、素子基板3302上には信号
線3307、MIM素子3308、画素電極3309を
設けた。
係にある赤(図中「R」で示した)とシアン(図中
「C」で示した)の2色から成っているが、一部のドッ
トにはカラーフィルタを設けなかった。ここで用いたカ
ラーフィルタは、実施例1と同様であり、その分光特性
を図16に示した。
の上方から見た形で示した図である。図中の「R」は赤
フィルタを設けたドット、「C」はシアンフィルタを設
けたドットを示し、「W」はカラーフィルタが無いドッ
トを示している。全体の1/3のドットには赤フィルタ
を、1/3のドットにはシアンフィルタを設け、残りの
1/3のドットにはカラーフィルタを設けなかった。ま
た図34の(a)(b)(c)(d)はそれぞれ白、
赤、シアン、黒を表示したときの、オンドット、オフド
ットの分布を示している。ハッチングを施したドットが
オンドット即ち暗状態であり、ハッチングを施さないド
ットがオフドット即ち明状態である。このように表示を
行うと、全体の2/3のドットで色表示を行うために、
通常よりも明るい表示が可能になる。また色表示で中間
調を表示する場合も、主としてカラーフィルタが無いド
ットで明るさを調整すれば、常に鮮やかな色が表示でき
るというメリットがある。例えば暗めの赤を表示する場
合には、赤フィルタを設けたドットを全オフ、シアンフ
ィルタを設けたドットをオンとして、カラーフィルタを
設けないドットを半オンとすればよい。
全体の1/4のドットには赤フィルタを、1/4のドッ
トにはシアンフィルタを設け、残りの1/2のドットに
はカラーフィルタを設けなかった。また図35の(a)
(b)(c)(d)はそれぞれ白、赤、シアン、黒を表
示したときの、オンドット、オフドットの分布を示して
いる。このように表示を行うと、全体の3/4のドット
で色表示を行うために、図35のカラーフィルタ配置よ
りもさらに明るい表示が可能である。
フィルタを用いた場合の配置を図36に示す。図中の
「R」は赤フィルタを設けたドット、「G」は緑フィル
タを設けたドット、「B」は青フィルタを設けたドット
を示し、「W」はカラーフィルタが無いドットを示して
いる。全体の1/6のドットには赤フィルタを、1/6
のドットには緑フィルタを、1/6のドットには青フィ
ルタを設け、残りの1/2のドットにはカラーフィルタ
を設けなかった。また図36の(a)(b)(c)
(d)はそれぞれ白、赤、緑、青を表示したときの、オ
ンドット、オフドットの分布を示している。このように
表示を行うと、全体の4/6のドットで色表示を行うた
めに、明るい表示が可能である。
を、1/4のドットには緑フィルタを、1/4のドット
には青フィルタを設け、残りの1/4のドットにはカラ
ーフィルタを設けない構成も可能である。このように表
示を行うと、全体の1/2のドットで色表示を行うため
に、明るい表示が可能である。
22における反射型カラー液晶装置の構造の概略を示す
図であり、(a)が正面図、(b)が断面図である。こ
の実施例では、カラーフィルタが有効表示領域全体に設
けられている。構成を説明する。3701は枠ケース、
3702は上側偏光板、3703は上側基板、3704
のハッチング領域はカラーフィルタ、3705は下側基
板、3706は反射板付き偏光板である。図面が煩雑に
なるため、透明電極、非線形素子、信号線、配向膜等は
省略した。また3711は駆動表示領域、3712は有
効表示領域、3713はカラーフィルタを設けた領域で
ある。(b)は横の断面図であるが、縦の断面図も
(b)と同様である。なお「駆動表示領域」と「有効表
示領域」という用語は、日本電子機械工業会規格(EI
AJ)のED−2511Aにおいて、それぞれ「液晶表
示デバイスで表示機能を保有する領域」「駆動表示領域
とそれに続く画面として有効な領域」と定義されてい
る。つまり駆動表示領域とは液晶に電圧をかけることが
できる領域であり、有効表示領域とは枠ケースに隠され
ない液晶パネル領域全てである。
けた領域3713が有効表示領域3712と同じか、ま
たは広いことにある。このように構成することにより、
実施例22の反射型カラー液晶装置は、表示が明るく見
えるという利点がある。通常、透過型カラー表示では、
駆動表示領域にのみカラーフィルタが設けられ、その外
側の領域にはメタルか樹脂によるブラックマスクが設け
られる。ところが反射型カラー表示では、メタルのブラ
ックマスクはぎらつくため利用できない。また樹脂のブ
ラックマスクは、もともとのカラーフィルタにブラック
マスクを設けていないため、コストアップになる。かと
いって駆動表示領域の外側に何も設けないと、外側が明
るくなり、相対的に駆動表示領域が暗く見える。そこで
駆動表示領域の外側にも内側と同様のカラーフィルタ
を、好ましくは同じパターンで設けることが、表示を明
るく見せる上で有効である。
は、一般にドット外にブラックマスクを設けるが、反射
型カラー液晶装置にブラックマスクを設けると、高コン
トラストが得られる反面、表示が極端に暗くなる。特に
TNモードやSTNモードのように視差が避けられない
液晶モードでは、光が入射するときと出射するときの2
回ブラックマスクで吸収されるため、明るさが開口率の
ほぼ2乗に比例するという性質がある。従って反射型カ
ラー液晶装置にブラックマスクを設けることは出来ない
が、逆にドット外に全く光吸収体を設けないと、コント
ラストが著しく低下し、好ましくない。そこで本発明の
実施例23では、ドット外にブラックマスクを設けず、
代わりにドット内の領域と同程度かそれよりも小さい吸
収を有するカラーフィルタを設けたことを特徴とする。
射型カラー液晶装置のカラーフィルタ配置を示す図であ
る。上述したように、この実施例では、各ドットの外側
の領域にブラックマスクを設けず、代わりにドット内の
領域と同程度かそれよりも小さい吸収を有するカラーフ
ィルタを設けた。基本的な構成ならびにカラーフィルタ
の分光特性は実施例5の図6ならびに図3と同様である
が、ドット外の領域におけるカラーフィルタの配置に工
夫を凝らした。図38において、3801に示した「横
凸」状の領域は、対向電極と画素電極が重なっていて、
液晶に電界が印加される領域であり、上述のドットに相
当する。また右上から左下に斜めにハッチングを施した
領域3802はシアンフィルタであり、クロスにハッチ
ングを施した領域3803は赤フィルタである。
フィルタがドット外でぴったり接するように配置した。
また(b)では、ドット外にもフィルタを設けたが互い
に離して配置した。また(c)では、ドット外に赤フィ
ルタを配置した。いずれもドット外の領域にドット内と
同程度あるいはそれよりも小さいがゼロではない吸収を
有しているため、明るくコントラストが高い表示が得ら
れる。各々の特性は、(a)が白表示時の反射率30%
でコントラスト比1:15、(b)が反射率33%でコ
ントラスト比1:13、(c)が29%で1:16であ
った。
24における反射型カラー液晶装置のカラーフィルタ配
置を示す図である。この実施例も、各ドットの外側の領
域にブラックマスクを設けず、代わりにドット内の領域
と同程度かそれよりも小さい吸収を有するカラーフィル
タを設けたものである。基本的な構成ならびにカラーフ
ィルタの分光特性は実施例9の図8と図12と同様であ
るが、ドット外の領域におけるカラーフィルタの配置に
工夫を凝らした。図39において、3901に示した
「横凸」状の領域は、対向電極と画素電極が重なってい
て、液晶に電界が印加される領域であり、実施例23の
ドットに相当する。また左上から右下に斜めにハッチン
グを施した領域3902は青フィルタであり、右上から
左下に斜めにハッチングを施した領域3903は緑フィ
ルタであり、クロスにハッチングを施した領域3904
は赤フィルタである。
ット外にも設けたが互いに離して配置した。離す距離
は、カラーフィルタ作成時の最大のアライメントずれを
見越して設定した。即ち、図39の(b)は想定される
最大のアライメントずれを起こした場合のカラーフィル
タ配置であるが、その場合でも異なる色のカラーフィル
タが互いに重なることがないようにした。カラーフィル
タが重なることは、ブラックマスクが存在することと殆
ど同義であるから、可能な限りこれを避けなければなら
ない。以上のようにカラーフィルタを配置することによ
って、明るく高コントラストな反射型カラー表示が出来
た。
25における反射型カラー液晶装置の要部を示す図であ
る。この実施例も、各ドットの外側の領域にブラックマ
スクを設けず、代わりにドット内の領域と同程度かそれ
よりも小さい吸収を有するカラーフィルタを設けた。ま
ず構成を説明する。4001は上側偏光板、4002は
対向基板、4003は液晶、4004は素子基板、40
05は下側偏光板、4006は散乱反射板であり、対向
基板4002上にはカラーフィルタ4007と、対向電
極(走査線)4008を設け、素子基板4004上には
信号線4009、画素電極4010、MIM素子401
1を設けた。このカラーフィルタは、PC等のデータデ
ィスプレイで一般的なストライプ配列である。なおカラ
ーフィルタの分光特性は実施例9の図12と同様であ
る。
射型カラー液晶装置のカラーフィルタ配置を示す図であ
る。図41において、4101に示した「横凸」状の領
域は、対向電極と画素電極が重なっていて、液晶に電界
が印加される領域であり、実施例23のドットに相当す
る。また左上から右下に斜めにハッチングを施した領域
4102は青フィルタであり、右上から左下に斜めにハ
ッチングを施した領域4103は緑フィルタであり、ク
ロスにハッチングを施した領域4104は赤フィルタで
ある。
ット外にも設けたが、上下には連続して配置し、左右に
は互いに離して配置した。離す距離は、カラーフィルタ
作成時の最大のアライメントずれを見越して設定した。
即ち、図41の(b)は想定される最大のアライメント
ずれを起こした場合のカラーフィルタ配置であるが、そ
の場合でも異なる色のカラーフィルタが互いに重なるこ
とがないようにした。以上のようにカラーフィルタを配
置することによって、明るく高コントラストな反射型カ
ラー表示が出来た。
26における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す
断面図である。この実施例は、一対の基板の内、反射板
側に位置する基板の外面に、カラーフィルタを設けた。
構成を説明する。4201は上側偏光板、4202は素
子基板、4203は液晶、4204は対向基板、420
5は下側偏光板、4206は散乱反射板であり、素子基
板4202上には信号線4207と画素電極4208を
設け、対向基板4204上には対向電極(走査線)42
09を設けた。この断面図では現れないが、信号線と画
素電極はMIM素子を介してつながっている。また対向
基板4204の反射板側表面に赤フィルタ4210、緑
フィルタ4211、青フィルタ4212を設けた。
の全面に設けるならば図12に示したような、またドッ
トの一部に設けるならばその割合に応じて図16や図1
8に示したような特性を持たせる。
設けることにより、安価なカラーフィルタを利用するこ
とができる。このカラーフィルタは別にフィルム等の上
に設けておいて、後で張り合わせても良い。また特にド
ットの一部にだけカラーフィルタを設けることにより、
組立マージンが拡大し、視角が広がるという利点があ
る。
板の内、反射板側に位置する基板の内面に、非線形素子
を各ドットに対応して設けている。この実施例における
反射型カラー液晶装置の構造は、実施例1の図1、実施
例6の図6、実施例7の図8と同様である。その特徴は
反射板側に位置する基板104、604、804上に、
MIM素子111、611、811を設けたことにあ
る。このように配置することによって、その逆の溝成、
即ち基板102、602、802上にMIM素子を設け
た場合に比べて、不要な表面反射が減り、高いコントラ
ストが得られた。その理由は三つある。一つは信号線1
09、609、809とMIM素子による反射がカラー
フィルタ107、607、807によって一部吸収され
ることであり、二つ目は信号線自体が金属Ta上に金属
Crを重ねた構造であり、TaよりもCrの方が反射率
が小さいことである。三つ目は反射光が液晶層103、
603、803を通ることによって複屈折干渉による吸
収が生じることである。
板の内、一方の基板の内面に、非線形素子を各ドットに
対応して設け、これをドットの短辺と平行な方向に結線
した。この実施例における反射型カラー液晶装置の全体
の構造は、例えば実施例7の図8等と同様である。その
特徴はMIM素子の配線方法にある。
ー液晶装置のMIM素子の配線方法を示す図である。4
301は信号線、4302はMIM素子、4303は画
素電極である。画素電極は各々対向基板の赤、緑、青の
カラーフィルタと対応しているため、対応関係を画素電
極上に「R」「G」「B」で示した。
おり、横に並んだ3つのドットで1つの正方画素を形成
している。これはパソコン用のデータディスプレイでよ
く見られる構成である。このとき、信号線はドットの短
辺と平行、即ち横方向に配線されている。このように配
線すると、配線数が少なくなり開口率が高くなるという
効果があった。ここで開口率とは金属等の不透明な部分
を除いた領域の占める割合である。
従来のMIM素子を用いた(透過型)カラー液晶装置の
配線方法を示す図である。4401は信号線、4402
はMIM素子、4403は画素電極である。ドットピッ
チは図43と同じであり、ドットは縦長の形状をしてい
るが、信号線はドットの長辺と平行、即ち縦方向に配線
されている。このように配線すると配線数が図43の場
合の3倍になり開口率が低い。従来このような配線を行
っていた理由は、一つは横長パネルでは縦方向の配線の
方が距離が短いからであり、もう一つはブラックマスク
を設ければ縦に配線しても横に配線しても開口率が変わ
らないからであった。
るくなる。開口率が明るさに効くこと、特に視差のある
反射型構成でそれが顕著であることに関しては、既に実
施例23から25で詳しく説明した。
率が60%以上85%以下である。図45は、この実施
例における反射型カラー液晶装置の特性を示す。実施例
2と同様の構成をとり、駆動面積率を50%から100
%に変えた時の、駆動面積率とコントラスト、及び駆動
面積率と反射率の関係を示している。ここで駆動面積率
は、画素内の金属配線やMIM素子等の不透明な部分を
除いた領域の中で、液晶が駆動される領域がしめる割合
として定義される。横軸に駆動面積率、縦軸にコントラ
ストと反射率をとり、4501は本実施例のコントラス
ト、4502は比較例のコントラスト、4503は本実
施例のシアン表示時の反射率、4504は比較例のシア
ン表示時の反射率である。
上の良好なコントラストを得ることが出来る。また駆動
面積率85%以下であればシアン表示で23%以上の良
好な明るさを得ることが出来る。
いては、散乱反射板の特性が、明るさやコントラスト、
視角特性を大きく左右する。散乱反射板には鏡面のよう
に散乱性の弱いものから、紙のように散乱性の強いもの
まで各種存在し、周囲環境に応じて選択されるが、反射
型カラー液晶装置向けには、明るさとコントラストを重
視して散乱性の弱いものが望ましい。
おける反射型カラー液晶装置の反射板の特性を示す図で
ある。反射板が、これにビーム光を入射したときに、そ
の正反射方向を中心とした30度コーンの中に80%以
上の光が反射するような散乱特性を有している。
4601は散乱反射板表面に45゜の角度で入射する
光、4602はその正反射光、4603は正反射を中心
にした30度コーンである。また図47の横軸は反射光
の受光角、縦軸は相対反射強度である。実施例30の反
射板は、入射光の約95%が、図46の30゜コーンの
中に反射する特性を有する。これが80%未満になる
と、通常の室内環境のもとで、1:10以上のコントラ
スト比が得られなくなる。
ションの結果を示した。図の横軸は図46に示した30
度コーンの中に反射される光の割合であり、図の縦軸は
明るさとコントラスト比である。光源には積分球のよう
な完全散乱白色光を仮定し、基板法線方向に反射してく
る光を計算した。明るさは標準白色板の明るさを100
%とした。このシミュレーション結果からも明らかなよ
うに30度コーンの中に反射される光の割合が多いほ
ど、即ち反射板の散乱度が弱いほど、明るく高コントラ
ストな表示が得られる。但し入射光の95%よりも大き
い光が30度コーンの中に反射されるような反射板で
は、視角特性が著しく狭く、実用に耐えないことが実験
により確かめられている。
31における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す
図である。反射板が半透過反射板であって、その背面に
バックライトを備えている。まず構成を説明する。49
01は上側偏光板、4902は対向基板、4903は液
晶、4904は素子基板、4905は下側偏光板、49
06は半透過反射板、4912はバックライトであり、
対向基板4902上にはカラーフィルタ4907と、対
向電極(走査線)4908を設け、素子基板4904上
には信号線4909、画素電極4910、MIM素子4
911を設けた。またカラーフィルタは、実施例2の図
3と同様の分光特性を有している。
板の7割程度であるから、バックライトを点灯せずに反
射モードで使用する際には、白色表示時の反射率が24
%程度に、なる。一方バックライトを点灯した透過モー
ドでは、透過率が22%程度になり、表面輝度400c
d/m2 といったモノクロ用のバックライトでも十分な
明るさが得られる。また図3に示したようなカラーフィ
ルタの特性では、本来透過で色を表示するには不十分で
あるが、半透過反射板を用いると、透過モードでも周囲
光の反射で色純度が高まるという効果がある。
を反射することが、明るい表示を得る上で望ましい。必
然的に透過モードで使用する際には暗い表示となるが、
透過モードの明るさを追求することは、えてして透過表
示も反射表示も不満足な結果になりやすい。透過モード
は真っ暗闇でかろうじて見えれば良いと割り切る方が、
市場に受け入れられやすい良いディスプレイが得られ
る。
90度ねじれたネマチック液晶であり、2枚の偏光板を
その透過軸が各々隣接する基板のラビング方向と直交す
るよう配置した。この実施例における反射型カラー液晶
装置の基本的な構成、およびカラーフィルタの分光特性
は、実施例5の図6、図3と同様である。その特徴は、
TNモードのセル条件が反射型カラー液晶装置用に最適
化されていることにある。
ー液晶装置の各軸の関係を示す図である。5021は液
晶パネルの左右方向(長手方向)であり、5001は上
側偏光板の透過軸方向、5002が上側に位置する対向
基板のラビング方向、5003が下側に位置する素子基
板のラビング方向、5004が下側偏光板の透過軸方向
である。ここで対向基板のラビング方向と液晶パネルの
左右方向がなす角度5011を45゜に、上側偏光板の
透過軸方向と対向基板のラビング方向がなす角度501
2を90゜に、液晶のツイスト角5013を右90゜
に、下側偏光板の透過軸方向と素子基板のラビング方向
がなす角度5014を90゜に設定した。このように配
置すると、液晶層中心の分子が電圧印加時に観察者側
(即ち図の下側)から立ち上がり、TN液晶の視角特性
とも相まって、高コントラストで影の見えにくい表示が
可能になる。また偏光板の透過軸が隣接基板のラビング
方向と直交する配置(いわゆるOモード)は、平行配置
(いわゆるEモード)に比べて視角方向による色変化が
少なく、より好ましい。
9、セルギャップを7.1μmにすることで、液晶セル
の△n×dを1.34μmに設定した。これは非選択電
圧印加時に最も明るく色づきの少ない条件であって、△
n×d<1.30μmでは表示色が青っぽくなり、△n
×d>1.40μmでは表示が暗くなるという問題があ
り好ましくない。
屈折率△nと、液晶層厚dの積△n×dが0.34μm
よりも大きく、0.52μmよりも小さい。この実施例
における反射型カラー液晶装置の基本的な構成は、実施
例2の図1と同様である。その特徴は、TNモードのセ
ル条件が反射型カラー液晶装置用にさらに最適化されて
いることにある。
液晶装置の各軸の関係を示す図である。5021は液晶
パネルの左右方向(長手方向)であり、5001は上側
偏光板の透過軸方向、5002が上側に位置する対向基
板のラビング方向、5003が下側に位置する素子基板
のラビング方向、5004が下側偏光板の透過軸方向で
ある。ここで対向基板のラビング方向と液晶パネルの左
右方向がなす角度5011を45゜に、上側偏光板の透
過軸方向と対向基板のラビング方向がなす角度5012
を90゜に、液晶のツイスト角5013を右90゜に、
下側偏光板の透過軸方向と素子基板のラビング方向がな
す角度5014を90゜に設定した。このように配置す
ると、液晶層中心の分子が電圧印加時に観察者側(即ち
図の下側)から立ち上がり、TN液晶の視角特性とも相
まって、高コントラストで影の見えにくい表示が可能に
なる。また偏光板の透過軸が隣接基板のラビング方向と
直交する配置(いわゆるOモード)は、平行配置(いわ
ゆるEモード)に比べて視角方向による色変化が少な
く、より好ましい。
4とし、セルギャップを変えて△n×dの異なるパネル
を作製した。
係を示す。5101は実施例の各△n×dに対する反射
率、5102は比較例の各△n×dに対する反射率を示
す。測定には積分球を利用して全方位から均等に光が入
射するようにして測定した。反射率は標準白色板を10
0%に取った。図51より、△n×dが大きくなるほど
視角が狭まって斜めからの入射光の利用効率が低下する
ために、表示が暗くなる様子が読みとれる。従って明る
い表示を得る上では、△n×dが小さい、いわゆるファ
ーストミニマム条件を利用することが好ましい。ところ
がファーストミニマム条件は表示の色付きが大きいとい
う欠点がある。そのために、従来の反射型モノクロ液晶
装置では実施例32のような、△n×dが大きい条件を
利用していた。しかしながら反射型カラー液晶装置で
は、カラーフィルタを調整することで少々の色付きは補
正できる。実施例33ではカラーフィルタを長波長側で
高い透過率を持つように調整することで、どの△n×d
でも白は無色に近く、色付きもほとんど変らない表示を
得た。
い反射率を示すが、この付近の△n×dに対応する反射
率を以下の表3に示す。
も大きく、0.52μmよりも小さくすることで明るい
表示が得られる。
は、視角が広いために明るい表示が得られているが、一
方で正面方向の明るさが低くスポット光源下では暗く見
えるため、△n×dは0.40μm以上の方が好まし
い。また、0.48μm以下にすることにより極端に大
きな色付きを無くすことができるため、△n×dは0.
48μm以下であることが好ましい。最も好ましい△n
×dは最大の明るさが得られる0.42μmである。
液晶が90度以上ねじれたネマチック液晶であり、2枚
の偏光板と少なくとも1枚の位相差フィルムを配置し
た。図52は、実施例34における反射型カラー液晶装
置の要部を示す図である。まず構成を説明する。520
1は上側偏光板、5202は位相差フイルム、5203
は上側基板、5204は液晶、5205は下側基板、5
206は下側偏光板、5207は散乱反射板であり、上
側基板5203上にはカラーフィルタ5208と、走査
電極5209を設け、下側基板5205上には信号電極
5210を設けた。位相差フィルム5202はポリカー
ボネートの一軸延伸フィルムで、正の位相差を示す。ま
たカラーフィルタは、実施例2の図3と同様の分光特性
を有している。
ー液晶装置の各軸の関係を示す図である。5321は液
晶パネルの左右方向(長手方向)であり、5301は上
側偏光板の透過軸方向、5302が上側基板のラビング
方向、5303が下側基板のラビング方向、5304が
下側偏光板の透過軸方向、5305が位相差フイルムの
延伸方向である。ここで上側基板のラビング方向と液晶
パネルの左右方向がなす角度5311を30゜に、上側
偏光板の透過軸方向と位相差フィルムの延伸方向がなす
角度5314を54゜に、位相差フィルムの延伸方向と
上側基板のラビング方向がなす角度5315を80゜
に、液晶のツイスト角5312を左240゜に、下側偏
光板の透過軸方向と下側基板のラビング方向がなす角度
5313を43゜に設定した。このように配置すると、
液晶層中心の分子が電圧印加時に観察者側(即ち図の下
側)から立ち上がり、視角特性とも相まって、高コント
ラストで影の見えにくい表示が可能になる。
案された位相差板補償型のSTNモードであって、単純
マトリクスでデューテイ比1/480までのマルチプレ
クス駆動ができる点に特徴がある。また実施例2と同じ
カラーフィルタを用いたにもかかわらず、信号線やMI
M素子が不要な分だけ開口率が高く、白色表示時の反射
率が33%と、非常に明るい表示が可能である。なおコ
ントラスト比は1:8と比較的低めだったが、色補償を
行う位相差フィルムを1枚増やし、特開平6−3482
30号公報に開示されている手法に従って多ライン同時
選択駆動を行うことにより、MIM素子を備えた場合と
同等のコントラストで、同等の色を表示することができ
る。
液晶が90度以上ねじれたネマチック液晶であり、2枚
の偏光板と少なくとも1枚の位相差フィルムを配置し
た。図55は、実施例35における反射型カラー液晶装
置の構造の要部を示す図である。まず構成を説明する。
5501は上側偏光板、5502は位相差フイルム、5
503は上側基板、5504は液晶、5505は下側基
板、5506は下側偏光板、5507は散乱反射板であ
り、上側基板5503上にはカラーフィルタ5508
と、走査電極5509を設け、下側基板5505上には
信号電極5510を設けた。位相差フィルム5502は
ポリカーボネートの一軸延伸フィルムで、正の587n
mの位相差を有する。液晶の△nとセルギャップの積△
n×dは0.85μmである。
ー液晶装置の各軸の関係を示す図である。5321は液
晶パネルの左右方向(長手方向)であり、5301は上
側偏光板の透過軸方向、5302が上側基板のラビング
方向、5303が下側基板のラビング方向、5304が
下側偏光板の透過軸方向、5305が位相差フィルムの
延伸方向である。ここで上側基板のラビング方向と液晶
パネルの左右方向がなす角度5311を30゜に、上側
偏光板の透過軸方向と位相差フィルムの延伸方向がなす
角度5314を38゜に、位相差フィルムの延伸方向と
上側基板のラビング方向がなす角度5315を92゜
に、液晶のツイスト角5312を左240゜に、下側偏
光板の透過軸方向と下側基板のラビング方向がなす角度
5313を50゜に設定した。
ー液晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図であ
る。図54の横軸は光の波長、縦軸は透過率であり、5
401が赤フィルタのスペクトル、5402が緑フィル
タのスペクトル、5403が青フィルタのスペクトルを
示している。このカラーフィルタ特性は、前記液晶装置
からカラーフィルタを除いた場合のオフ状態における分
光特性5411から、ホワイトバランスが取れるよう最
適化したものである。ここで緑フィルタと青フィルタ
は、450nmから660nmの波長範囲で、50%以
上の透過率を有している。また赤フィルタの450nm
から660nmの範囲の波長の光に対する最小透過率
は、青フィルタ、緑フィルタに比べてはっきりと小さ
い。このような赤フィルタを用いることにより、最も人
間の目にアピールする赤色を鮮やかに表示することが出
来る。また赤を濃くしたことを補償する目的で、青フィ
ルタのスペクトル5403をシアン色に近くした。
案された位相差板補償型のSTNモードであって、単純
マトリクスでデューテイ比1/480までのマルチプレ
クス駆動ができる点に特徴がある。但し従来の位相差板
補償型のSTNモードは、白黒表示が出来るとは言って
もシアン色っぽい白しか出せなかった。ところが実施例
35の反射型カラー液晶装置は、カラーフィルタを最適
化したことにより、従来よりもずっとニュートラルに近
い白が表示できるようになった。また実施例9と特性の
似たカラーフィルタを用いたにもかかわらず、信号線や
MIM素子が不要な分だけ開口率が高く、白色表示時の
反射率が29%と、非常に明るい表示が可能である。
反射板を一対の基板間に備え、偏光板を1枚だけ配置し
た。図56は、実施例36における反射型カラー液晶装
置の要部を示す図である。まず構成を説明する。560
1は上側偏光板、5602は対向基板、5603は液
晶、5604は素子基板であり、対向基板5602上に
はカラーフィルタ5605と、対向電極(走査線)56
06を設け、素子基板5604上には信号線5607、
散乱反射板を兼ねた画素電極5608、MIM素子56
09を設けた。散乱反射板を兼ねた画素電極は、金属ア
ルミニウムのスパッタ膜の表面に機械的、化学的手法に
より凹凸をつけたものを用いた。またカラーフィルタ
は、実施例2の図3と同様の分光特性を有している。
ー液晶装置の各軸の関係を示す図である。5721は液
晶パネルの左右方向(長手方向)であり、5701は上
側偏光板の透過軸方向、5702が上側基板のラビング
方向、5703が下側基板のラビング方向である。ここ
で上側基板のラビング方向と液晶パネルの左右方向がな
す角度5711を62゜に、上側偏光板の透過軸方向と
上側基板のラビング方向がなす角度5712を94゜
に、液晶のツイスト角5713を右56゜に設定した。
このように配置すると、液晶層中心の分子が電圧印加時
に観察者側(即ち図の下側)から立ち上がり、視角特性
とも相まって、高コントラスト表示が可能になる。
提案された1枚偏光板型のネマチック液晶モードであっ
て、下側偏光板を用いずに高コントラストの白黒表示が
できるため、液晶と接する位置に散乱反射板を設けるこ
とができる点に特徴がある。
の反射率が30%、コントラスト比が1:10、白と赤
とシアンと黒の4色表示が可能で、赤表示色はx=0.
38、y=0.31、シアン表示色はx=0.28、y
=0.32であった。その表示には全く影が生じず、視
角依存性も極めて少ない。また例えば赤フィルタを通っ
て入射した光は必ず赤フィルタを通って出射するため、
色の濁りが生じず、明るく色純度の高い表示ができた。
の代わりにTFT素子を用いることもできる。図58
は、反射板を一対の基板間に備え、偏光板を1枚だけ配
置した本発明の反射型カラー液晶装置をTFT素子を用
いて作成した場合の構造の要部を示す図である。まず構
成を説明する。5801は上側偏光板、5802は対向
基板、5803は液晶、5804は素子基板であり、対
向基板5802上にはカラーフィルタ5805と、対向
電極(共通電極)5806を設け、素子基板5804上
にはゲート信号線5807、ソース信号線5808、T
FT素子5809、散乱反射板を兼ねた画素電極581
0を設けた。MIM素子の場合は金属配線が上下方向に
走るだけであったが、TFT素子では上下方向と左右方
向に金属配線が走るため、開口率が低下する。幸いこの
実施例36では下側偏光板を必要としない。そこでTF
T素子を利用する場合には、素子、信号線のレイヤー上
に絶縁膜を設け、その上に改めて画素電極を兼ねる反射
板を設け、コンタクトホールを通して両者を接続する手
法を取ることが好ましい。
対の基板間に備え、偏光板を1枚だけ配置した反射型カ
ラー液晶装置において、前記反射板が鏡面反射板であ
り、かつ入射光側に位置する基板の外面に散乱板を備え
たものに関するが、まず反射型モノクロ液晶装置に関す
る例を6つ紹介する。これらはいずれもカラーフィルタ
の付加により、反射型カラー液晶装置として利用でき
る。
反射型液晶装置の断面図である。まず構成を説明する。
590lは散乱板、5902は上側偏光板、5903は
上側基板、5904は上側電極、5905は液晶、59
06は下側電極、5907は下側基板、5908は下側
偏光板、5909は鏡面反射板である。液晶5905は
セル内で90度ねじれており、偏光板5902と590
8の吸収軸は近接する界面の液晶5の遅相軸に一致する
TNモードである。液晶5905の厚さdと複屈折率△
nの積△n×dは0.48μmである。
いて、基板法線方向での白表示時の明るさが25%、コ
ントラストが1:15であり、天井灯の正反射方向での
白表示の明るさが45%、コントラストが1:12であ
った。正反射方向であっても散乱板の後方散乱の効果で
天井灯が映り込むことがなく、高いコントラストが得ら
れる。 このように十分なコントラストを保ちつつ正反
射方向の光が有効に利用出来るために、とても明るい表
示が得られる。
射型液晶装置No.1からNo.3の断面図である。6
001は散乱板、6002は上側偏光板、6003は上
側基板、6004は上側電極、6005は液晶、600
6は下側電極、6007は下側基板、6008は鏡面反
射板である。
No.1からNo.3の偏光板等の軸方向を示す。61
01は上側偏光板6002の透過軸方向、6103は上
側基板6003のラビング方向、6103は下側基板6
007のラビング方向であり、6104が上側偏光板6
002の透過軸方向6101の水平と成す角度θ1、6
105が上側基板6003のラビング方向6102の水
平と成す角度θ2、6106が下側基板6007のラビ
ング方向6103の水平と成す角度θ3である。角度は
反時計回りに正とし、−180度から180度で示す。
No.4からNo.6の断面図である。6201は散乱
板、6202は上側偏光板、6203は位相差板、62
04は上側基板、6205は上側電極、6206は液
晶、6207は下側電極、6208は下側基板、620
9は鏡面反射板である。
No.4からNo.6の偏光板等の軸方向を示す。63
01は上側偏光板6202の透過軸方向、6302は位
相差板6203の遅相軸方向、6303は上側基板62
04のラビング方向、6304は下側基板6208のラ
ビング方向であり、6305が上側偏光板6202の透
過軸方向6301の水平と成す角度θ1、6306が上
側基板6204のラビング方向6303の水平と成す角
度θ2、6307が下側基板6208のラビング方向6
304の水平と成す角度θ3、6308が位相差板62
03の遅相軸方向6302の水平と成す角度θ4であ
る。
位相差板の位相差の値を以下の表4に示す。図中△n×
dと位相差の単位はμmである。
られる。
比較例における反射型液晶装置の断面図を示す。640
1は上側偏光板、6402は上側基板、6403は上側
電極、6404は液晶、6405は下側電極、6406
は下側基板、6407は下側偏光板、6408は散乱反
射板である。液晶6404は第1の例と同様にセル内で
90度にねじっており、偏光板6401と6407の吸
収軸は近接する界面の液晶5の遅相軸に一致するTNモ
ードである。液晶6404の厚さdと複屈折率△nの積
△n×dは0.48μmである。
いて、基板法線方向での白表示時の明るさが28%、コ
ントラストが1:15であったが、天井灯の正反射方向
では天井灯の映り込みのために、白表示の明るさが62
%、コントラストが1:2となり、実用に耐えなかっ
た。
射型液晶装置の散乱板の特性を示す図である。第65図
において、6501は散乱板、6502は入射光、65
03は正反射光、6504は正反射光6503を中心と
した10度コーンである。第3の例の散乱板6501は
10度コーン6503の中に入射光の5%の光が散乱す
る。
D95−146にあるように、媒質と異なる屈折率を持
つ粒子の混入により前方散乱を作り、表面に微小な凹凸
を設けて後方散乱を調整することで得た。この散乱光が
10%よりも大きいと光源の映り込みが大きくなってコ
ントラストが低下し、逆に0.5%よりも小さくなると
表示のぼけが大きくなりすぎる。
に示した構成と同様であり、液晶5905はセル内で9
0度にねじっており、偏光板5902と5908の吸収
軸は近接する界面の液晶5905の遅相軸に一致するT
Nモードである。液晶5905の厚さdと複屈折率△n
の積△n×dは0.48μmである。
いて、基板法線方向での白表示時の明るさが26%、コ
ントラストが1:15であり、天井灯の正反射方向での
白表示の明るさが43%、コントラストが1:13であ
った。
乱板を、第2の例の図60、図62の構成に適用した。
△n×dと位相差を第2の例と同様に設定した。特性を
以下の表6に示す。
れる。
射型液晶装置の断面図である。まず構成を説明する。6
601は散乱板、6602は上側偏光板、6603は上
側基板、6604は上側電極、6605は液晶、660
6は下側偏光板、6607は下側電極兼鏡面反射板、6
608は下側基板である。液晶6605はセル内で90
度にねじれており、偏光板6602、6606の吸収軸
は近接する界面の液晶5の遅相軸に一致するTNモード
である。液晶6605の厚さdと複屈折率△nの積△n
×dは0.48μmである。下側電極にはアルミニウム
を蒸着して、偏光板はポリイミド配向膜上に黒色2色性
色素を含有させた液晶性高分子の溶液を塗布、配向させ
ることで得た。散乱板には第3の例と同様のものを使用
した。
いて基板法線方向での白表示時の明るさが28%、コン
トラストが1:18であり、天井灯の正反射方向での白
表示の明るさが44%、コントラストが1:16であっ
た。
射型液晶装置No.1からNo.3の断面図である。6
701は散乱板、6702は上側偏光板、6703は上
側基板、6704は上側電極、6705は液晶、670
6は下側電極兼鏡面反射板、6707は下側基板であ
る。
No.1からNo.3の偏光板等の軸方向を示す。61
01は上側偏光板6002の透過軸方向、6103は上
側基板6003のラビング方向、6103は下側基板6
007のラビング方向であり、6104が上側偏光板6
002の透過軸方向6101の水平と成す角度θ1、6
105が上側基板6003のラビング方向6102の水
平と成す角度θ2、6106が下側基板6007のラビ
ング方向6103の水平と成す角度θ3である。
No.4からNo.6の断面図である。6801は散乱
板、6802は上側偏光板、6803は位相差板、68
04上側基板、6805は上側電極、6806は液晶、
6807は下側電極兼鏡面反射板、6808は下側基板
である。
No.4からNo.6の偏光板等の軸方向を示す。63
01は上側偏光板6202の透過軸方向、6302は位
相差板6203の遅相軸方向、6303は上側基板62
04のラビング方向、6304は下側基板6208のラ
ビング方向であり、6305が上側偏光板6202の透
過軸方向6301の水平と成す角度θ1、6306が上
側基板6204のラビング方向6303の水平と成す角
度θ2、6307が下側基板6208のラビング方向6
304の水平と成す角度θ3、6308が位相差板62
03の遅相軸方向6302の水平と成す角度θ4であ
る。
の条件は、第2の例で示した表4と同じである。また散
乱板には第3の例と同様のものを使用した。
以下の表7に示す。
は、いずれもカラーフィルタの付加により反射型カラー
液晶装置として利用できるが、次にその例を一つ示す。
射型カラー液晶装置の要部を示した図である。6901
は散乱板、6902は上側偏光板、6903は位相差
板、6904は上側基板、6905は液晶、6906は
下側基板、6907は対向電極(走査線)、6908は
信号線、6909は画素電極兼鏡面反射板、6910は
MIM素子、6911はカラーフィルタである。画素と
画素の間隔を信号線に直交、平行の両方向共に160μ
mとし、信号線の幅を10μm、信号線と画素電極の間
隙を10μm、隣り合う画素電極と画素電極の間隔を1
0μmとした。
1は上側偏光板6202の透過軸方向、6302は位相
差板6203の遅相軸方向、6303は上側基板620
4のラビング方向、6304は下側基板6208のラビ
ング方向であり、6305が上側偏光板6202の透過
軸方向6301の水平と成す角度θ1、6306が上側
基板6204のラビング方向6303の水平と成す角度
θ2、6307が下側基板6208のラビング方向63
04の水平と成す角度θ3、6308が位相差板620
3の遅相軸方向6302の水平と成す角度θ4である。
θ1は−82度、θ2は−74度、θ3は74度、θ4
は9度、位相差板6903の位相差は0.31μmに設
定し、信号線6908上も画素電極兼鏡面反射板690
9上と同様に配向処理を施した。
た。またカラーフィルタ6911には平均透過率75%
のシアン(図中C)とレッド(図中R)のカラーフィル
ターを使用した。
いて、基板法線方向での白表示時の明るさが30%、コ
ントラストが1:15であり、天井灯の正反射方向での
白表示の明るさが51%、コントラストが1:12であ
った。何れも表示色はレッドがx=0.39、y=0.
32、シアンがx=0.28、y=0.31であった。
十分に色を認識でき、明るい表示である。
対の基板間に備え、偏光板を1枚だけ配置したことを特
徴とする反射型カラー液晶装置において、または、前記
反射板が鏡面反射板であり、かつ入射光側に位置する基
板の外面に散乱板を備えたことを特徴とする反射型カラ
ー液晶装置において、金属配線上の液晶も画素部の液晶
と同様に配向している反射型カラー液晶装置に関する
が、まず反射型モノクロ液晶装置に関する例を2つ紹介
する。これらはいずれもカラーフィルタの付加により、
反射型カラー液晶装置として利用できる。
射型液晶装置の要部を示した図である。7001は散乱
板、7002は上側偏光板、7003は上側基板、70
04は液晶、7005は下側基板、7006は下側偏光
板、7007は鏡面反射板、7008は対向電極(走査
線)、7009は信号線、7010は画素電極、701
1はMIM素子である。液晶7004はセル内で90度
にねじっており、偏光板7002と7006の吸収軸は
近接する界面の液晶7004の遅相軸に一致するTNモ
ードである。液晶7004の厚さdと複屈折率△nの積
△n×dは0.48μmである。散乱板には実施例37
の第3の例と同様のものを使用した。
両方向共に160μmとし、信号線の幅を10μm、信
号線と画素電極の間隙を10μm、隣り合う画素電極と
画素電極の間隔を10μmとした。
009上及び対向電極7008の画素部以外の領域も画
素電極7010上の領域と同様にラビング処理を施して
液晶を配列させたところ、室内において基板法線方向で
の白表示時の明るさが23%、コントラストが1:14
であり、天井灯の正反射方向での白表示の明るさが43
%、コントラストが1:11であった。
は塗れ性が異なるため、配向膜を塗布してもはじかれる
ことが多い。このような場合、即ち信号線7009上に
配向処理を施さないときには、室内において基板法線方
向での白表示時の明るさが19%、コントラストが1:
14であり、天井灯の正反射方向での白表示の明るさが
40%、コントラストが1:11であった。
るい表示を得ることが出来るが、金属配線上も配向処理
することによりさらに明るい表示を得ることが出来た。
射型液晶装置No.1とNo.3の要部を示した図であ
る。7101は散乱板、7102は上側偏光板、710
3は上側基板、7104は液晶、7105は下側基板、
7106は鏡面反射板、7107は対向電極(走査
線)、7108は信号線、7109は画素電極、711
0はMIM素子である。画素と画素の間隔を信号線に直
交、平行の両方向共に160μmとし、信号線の幅を1
0μm、信号線と画素電極の間隙を10μm、隣り合う
画素電極と画素電極の間隔を10μmとした。
No.1からNo.3の偏光板等の軸方向を示す。61
01は上側偏光板6002の透過軸方向、6103は上
側基板6003のラビング方向、6103は下側基板6
007のラビング方向であり、6104が上側偏光板6
002の透過軸方向6101の水平と成す角度θ1、6
105が上側基板6003のラビング方向6102の水
平と成す角度θ2、6106が下側基板6007のラビ
ング方向6103の水平と成す角度θ3である。
のNo.2とNo.4の要部を示した図である。720
1は散乱板、7202は位相差板、7203は上側偏光
板、7204は上側基板、7205は液晶、7206は
下側基板、7207は鏡面反射板、7208は対向電極
(走査線)、7209は信号線、7210は画素電極、
7211はMIM素子である。画素と画素の間隔を信号
線に直交、平行の両方向共に160μmとし、信号線の
幅を10μm、信号線と画素電極の間隙を10μm、隣
り合う画素電極と画素電極の間隔を10μmとした。
No.4からNo.6の偏光板等の軸方向を示す。63
01は上側偏光板6202の透過軸方向、6302は位
相差板6203の遅相軸方向、6303は上側基板62
04のラビング方向、6304は下側基板6208のラ
ビング方向であり、6305が上側偏光板6202の透
過軸方向6301の水平と成す角度θ1、6306が上
側基板6204のラビング方向6303の水平と成す角
度θ2、6307が下側基板6208のラビング方向6
304の水平と成す角度θ3、6308が位相差板62
03の遅相軸方向6302の水平と成す角度θ4であ
る。
ものを使用した。以上の構成の反射型液晶装置で、N
o.1とNo.2は画素部以外の領域にも配向処理を施
したものであり、No.3とNo.4は画素部だけに配
向処理を施したものとした。
度、位相差板の位相差を以下の表8に示す。
を得ることが出来るが、画素部以外の領域にも配向処理
を施すことによりさらに明るい表示を得ることが出来
た。
マリホワイト型である反射型カラー液晶装置に関する
が、まず反射型モノクロ液晶装置に関する例を紹介す
る。これはカラーフィルタの付加により、反射型カラー
液晶装置として利用できる。
o.1、No.2の断面図である。まず構成を説明す
る。5901は散乱板、5902は上側偏光板、590
3は上側基板、5904は上側電極、5905は液晶、
5906は下側電極、5907は下側基板、5908は
下側偏光板、5909は鏡面反射板である。液晶590
5はセル内で90度にねじっており、No.1は偏光板
5902、5908の吸収軸が近接する界面の液晶59
05の遅相軸に一致、No.2は偏光板5902の吸収
軸、5908の吸収軸がそれぞれ近接する界面の液晶5
905の遅相軸に一致するTNモードである。液晶59
05の厚さdと複屈折率△nの積△n×dは0.48μ
mである。散乱板には実施例37の第3の例と同様のも
のを使用した。
圧透過率特性を示す図である。ここで7301はNo.
1の電圧に対する透過率の変化の様子であり、7302
はNo.2の電圧に対する透過率の変化の様子である。
No.1はノーマリーホワイト、No.2はノーマリー
ブラックの表示である。
は室内において、基板法線方向での白表示時の明るさが
25%、コントラストが1:15であり、天井灯の正反
射方向での白表示の明るさが45%、コントラストが
1:12であった。No.2は室内において、基板法線
方向での白表示時の明るさが23%、コントラストが
1:15であり、天井灯の正反射方向での白表示の明る
さが42%、コントラストが1:13であった。
が得られるが、ノーマリーホワイトモードの方がより明
るい表示が得られる。これは画素外の領域が明るさに寄
与するためであり、また斜め方向から入射した光を透過
しやすい視角特性を有するためである。
おける反射型カラー液晶装置で表示を行う際には、従来
の透過型カラー液晶装置では存在しなかった問題が生じ
る。それは単独のドットでは十分に発色せず、色を表示
するためにはある程度広い領域にわたって同一色を表示
する必要があるということである。これはカラーフィル
ターの色が淡いことや、液晶層と反射板との間に距離が
あって(実施例36から39を除く)、隣のドットの色
が混じりやすいことなどが原因である。
い方よりは、白地に黒色の文字を表示してその背景の一
部を赤にするような使い方、即ちマーカーのような使い
方が適している。しかしながら単独の画素で十分に発色
しないということは、逆に言えばカラー液晶装置であり
ながら容易に白黒表示ができるということでもある。
ドットで1画素を構成することを特徴とする。画素とは
表示に必要な機能を実現できる最小単位のことであり、
通常のカラー液晶装置では、1画素は赤緑青各1ドット
計3ドットで構成される。従って480×640画素の
VGAの表示を行うためには、480×640×3ドッ
トが必要であった。シアンと赤の2色カラーフィルタを
用いる場合には、480×640×2ドットが必要であ
った。しかしながら実施例40は、カラー液晶装置であ
りながら480×640画素でVGA表示を行うことが
できる。
同様である。ただ表示を行う場合に次のような工夫をす
る。図74に一例を示したので、この図に沿って説明す
る。ここには16×48画素が図示されている。(a)
はカラーフィルタの配列を示す図であり、赤(「R」で
示した)とシアン(「C」で示した)がモザイク状に並
んでいる。また(b)と(c)はオンドットとオフドッ
トの分布を示す図である。オンドットは暗表示であるた
めハッチングで示した。(b)の表示は、カラーフィル
タ配列を無視して「LCD」という形にオンさせたもの
であるが、先に述べたようにこの反射型カラー液晶装置
は単独のドットでは十分に発色しないため、白地に黒く
「LCD」と表示されて見える。従ってVGAの解像度
で白黒表示が可能である。一方(c)の表示は、(b)
の背景のシアン色ドットだけをオンしたもので、赤字に
黒く「LCD」と表示されて見える。このように10ド
ットあるいはそれよりも広い面積にわたって同一色を表
示すると、色を表示することが可能になる。
も、例えば地図情報を表示する場合に、特定の路線だけ
を着色することも、道路幅が数ドットあれば可能にな
る。またパソコン画面のアイコン等もある程度の面積が
あるため、カラー表示することが可能である。
おける反射型カラー液晶装置を電子機器のディスプレイ
として採用した。
型カラー液晶装置を採用した電子機器の一例を示す図で
ある。これはいわゆるPDA(Personal Di
gital Assistant)であって、携帯情報
端末の一種である。7501は反射型カラー液晶装置で
あり、その前面にはペン入力のためのタブレットを装着
した。PDA用のディスプレイには、従来反射型モノク
ロ液晶装置、あるいは透過型カラー液晶装置が利用され
ていた。これらを反射型カラー液晶装置で置き換えるこ
とによって、前者に比べるとカラー表示による情報量の
飛躍的増大というメリットが、また後者に比べると電池
寿命の長期化と小型軽量化というメリットがあった。
て、周囲光を観察者に効率よく反射できるよう、表示部
が本体に対し動かせるよう取り付けた電子機器の一例を
示す図である。これはいわゆるデジタルスチルカメラで
ある。7601は反射型カラー液晶装置であって、本体
に対してその角度が変えられるように取り付けてある。
また図示されていないが、レンズはこの反射型カラー液
晶装置取り付け部の裏側にある。デジタルスチルカメラ
用のディスプレイには、従来透過型カラー液晶装置が利
用されていた。これを反射型カラー液晶装置に置き換え
ることによって、電池寿命の長期化と小型化はもちろん
のこと、直射日光下での視認性が格段に向上した。なぜ
ならば、透過型カラー液晶装置はバックライトの明るさ
が限られているため直射日光下で表面反射が大きくなる
と見えにくくなるが、反射型カラー液晶装置は周囲光が
明るくなるほど表示も明るくなるからである。この周囲
光を有効に利用するためにも、液晶装置の角度が変えら
れるように取り付けることが有効である。
外にもパームトップPCやサブノートPC、ノートP
C、ハンディーターミナル、カムコーダ、液晶テレビ、
ゲーム機、電子手帳、携帯電話、ページャーといった携
帯性を重視する様々な電子機器に応用できる。
ける反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図であ
る。
置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
1、32、34、36、40における反射型カラー液晶
装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
置において、素子基板の厚さを変化させたときのコント
ラストの変化をプロットした図である。
置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
0における反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図
である。
置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
ける反射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図であ
る。
置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
ー液晶装置の構造の要部を示す図である。
装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
る反射型カラー液晶装置のカラーフィルタの分光特性を
示す図である。
晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
晶装置において、カラーフィルタの厚みを変化させたと
きの平均透過率の変化をプロットした図である。
射型カラー液晶装置の構造の要部を示す図である。
射型カラー液晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す
図である。
晶装置において、カラーフィルタを設ける面積の割合を
変化させたときの平均透過率の変化をプロットした図で
ある。
ラー液晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図であ
る。
晶装置において、カラーフィルタを設ける面積の割合を
変化させたときの平均透過率の変化をプロットした図で
ある。
ラー液晶装置の構造の要部を示す図である。
ラー液晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の電圧反射率特性を示す図である。
晶装置のカラーフィルタ基板の構造を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
ラー液晶装置のカラーフィルタの1ドット内の平均分光
特性を示す図である。
る反射型カラー液晶装置のカラーフィルタ基板の構造を
示す図である。
晶装置のカラーフィルタ基板の構造を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置の構造の概略を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの配置を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置のMIM素子の配線方法を示す図である。
る反射型カラー液晶装置のMIM素子の配線方法を示す
図である。
晶装置において、駆動面積を変化させたときのコントラ
ストと反射率の変化をプロットした図である。
晶装置の反射板の散乱特性を説明するための図である。
晶装置の反射板の散乱特性を示す図である。
晶装置において、30度コーンの中に反射される光の割
合を変化させたときの明るさとコントラスト比をプロッ
トした図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
ラー液晶装置の各軸の関係を示す図である。
晶装置において、液晶セルの△n×dを変化させたとき
の白表示の反射率の変化をプロットした図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
ラー液晶装置の各軸の関係を示す図である。
晶装置のカラーフィルタの分光特性を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の各軸の関係を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
ラー液晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
ラー液晶装置の各軸の関係を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
ラー液晶装置の各軸の関係を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の散乱板の特性を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の構造の要部を示す図である。
晶装置の電圧透過率特性を示す図である。
晶装置の表示法の一例を示す図である。
晶装置を用いた電子機器の一例を示す図である。
晶装置を用いた電子機器の一例を示す図である。
ついて説明した図である。
タの分光特性を示す図である。
actions on Electron Devic
es,Vol.ED−33,No.8,pp.1207
−1211(1986))のFig.8で提案されてい
たカラーフィルタの分光特性を示す図である。
EST,pp.437−440(1992))のFi
g.2で提案されていたカラーフィルタの分光特性を示
す図である。
(a)、(b)、(c)で提案されていたカラーフィル
タの分光特性を示す図である。
晶、104…素子基板、105…下側偏光板、106…
散乱反射板、107…カラーフィルタ、108…対向電
極(走査線)、109…信号線、110…画素電極、1
11…MIM素子。
Claims (6)
- 【請求項1】 内面側に電極を有する一対の基板を対向
配置してなり、前記電極の重なり位置に形成されるドッ
トを複数具備する反射型液晶装置において、 前記一対の基板のうち一方の基板は反射層を有してな
り、 前記一方の基板の厚みが200μm以上であることを特
徴とする反射型液晶装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の反射型液晶装置におい
て、 前記一方の基板の厚みが700μm以上であることを特
徴とする反射型液晶装置。 - 【請求項3】 内面側に電極を有する一対の基板を対向
配置してなり、前記電極の重なり位置に形成されるドッ
トを複数具備する反射型液晶装置において、 前記一対の基板のうち一方の基板には反射層が形成され
てなり、 前記一方の基板の厚みは、隣接する前記ドットのドット
ピッチの1.25倍以上であることを特徴とする反射型
液晶装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の反射型液晶装置におい
て、 前記一方の基板の厚みは、隣接する前記ドットのドット
ピッチの4倍以上であることを特徴とする反射型液晶装
置。 - 【請求項5】 表示部として請求項1乃至請求項4のい
ずれか1項に記載の反射型液晶装置を備えたことを特徴
とする電子機器。 - 【請求項6】 請求項5に記載の電子機器において、周
囲光を観察者に効率よく反射できるよう、前記反射型液
晶装置の表示部が本体に対して動かせるように取り付け
られていることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000311934A JP3578073B2 (ja) | 1995-07-17 | 2000-10-12 | 反射型カラー液晶装置及びこれを用いた電子機器 |
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