JP2001149384A - 歯科用ハンドピースの水供給システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯科用ハンドピースにおいて、注水ポンプの
停止時、該ポンプ（ポンプ用モータ）の停止と同時に一
定時間逆転し、注水を引き込み、ピタリと止めるように
した。 【解決手段】 フットコントローラ１１にて歯科用マイ
クロモータハンドピース１の回転を止めた時に、同時
に、給水ポンプ５用のモータを停止するが、その時、同
時に該給水ポンプ用モータを一定時間逆転し、チューブ
８内の水を引き込み、注水をピタリと止めるようにし
た。更には、その後、該給水ポンプ用モータと同時に給
水ポンプが動作しても、水がチューブ８内に引き込まれ
ているため、すぐにはチューブ８の先から水がでないの
で、歯科用マイクロモータハンドピース１のモータを始
動するべくフットコントローラ１１をオンさせたら、ま
ず、給水ポンプ用のモータが動作し、チューブの先から
水が噴出してから、該歯科用マイクロモータハンドピー
ス１内のモータが回転するように両者の始動するタイミ
ングにタイムラグを設けるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用ハンドピー
スの水供給システム、或いは、水だれ防止機能付きポン
プ内蔵モータシステム、もしくは、水だれ防止機能付き
ポンプシステムとも言われるシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】歯科治療用マイクロモータハンドピー
ス、エアータービンハンドピース等においては、周知の
ように、歯牙切削中に発生する加熱を防止するために、
ヘッド先端部より、切削箇所に向けて冷却水を噴射する
ようにしている。また、歯科用シリンジにおいては、エ
アー回路と水回路を具備し、これらエアーと水を混合し
たスプレーを噴射するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のごとき水回路を
有する歯科用ハンドピースにおいては、該ハンドピース
に水を供給するためのポンプと、該ポンプを駆動するた
めのモータを具備しているが、該ポンプの駆動とモータ
の駆動とは連動している。しかし、モータを停止させた
時に、ポンプも停止するが、その時ポンプが惰性でしば
らく動くのと注水用チューブ内の残圧で注水（水の噴
射）をピタリと止めることができず、術者の次の動作に
移る時の妨げになる。

【０００４】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、送水ポンプの停止（モータ停止）と同時に
該送水ポンプ（モータ）を一定時間逆転し、注水パイプ
内の残存水を引き込み、注水（水の噴射）をピタリと止
めるようにしたものであり、更には、その後、送水ポン
プを駆動する時に、送水ポンプ用のモータの駆動と同時
にポンプが動作しても、注水はチューブ内に引き込まれ
ているため、すぐにチューブの先から水は出ないので、
モータを始動するべくフットコントローラー等をオンさ
せた時に、まず、ポンプが動作し、チューブの先から水
が出てから、歯科用ハンドピース内のモータが回転する
ように両者の始動するタイミングにタイムラグを設ける
ようにしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、先端
部から水，スプレー等を噴射する歯科用ハンドピースに
水を供給する歯科用ハンドピースの水供給システムにお
いて、前記歯科用ハンドピースに水を送給するためのポ
ンプと、該ポンプを駆動するためのモータとを具備し、
前記モータは、停止時、一定時間逆転され、前記ハンド
ピースに送給した水を引き戻すようにしたことを特徴と
したものである。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て、前記モータ始動時、該モータが始動されて前記歯科
用ハンドピースから水が噴射された後、該歯科用ハンド
ピースの始動を可能としたことを特徴としたものであ
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明による歯科用ハン
ドピースに対する水供給システムの一例を説明するため
の要部概略構成図で、図中、１は本発明による水供給シ
ステムが適用される歯科用ハンドピースの一例としての
歯科用マイクロモータハンドピース、２は該歯科用マイ
クロモータハンドピース１の動作を制御するための制御
器本体で、該制御器本体２と前記歯科用マイクロモータ
ハンドピース１とは、電気コード３を通して連結されて
いる。４は水又は薬液タンクで、５は該タンク４内の水
又は薬液を前記歯科用マイクロモータハンドピース１に
供給するためのポンプで、該水又は薬液タンク４と前記
ポンプ５とは給水パイプ６で連結されており、少なくと
も、ポンプ５内の給水路は、可撓性のチューブで構成さ
れており、周知のようにして、該可撓性のチューブの表
面の２点を水が漏れないように（逆流しないように）押
えながら、該可撓性のチューブの表面を扱くようにし
て、所定量の水量を送供するようにしてある。

【０００８】図１において、７は前述のように可撓性チ
ューブの表面を扱く扱きローラで、該扱きローラ７は制
御器本体２内の図示しないモータによって矢印方向に回
転される。扱きローラ７は、図示のように、複数本のア
ーム７₁〜７_n（図示例の場合、７₁〜７₄の４本）を有
し、各アームの先端にはローラが取り付けられており、
前後する２つのローラ間で可撓性のチューブを押えて、
内部の液体がチューブ内で前後に移動しないようにしな
がら該チューブ上を順次扱いて液体を送給するものであ
り、その送水量は、該扱きローラ７を回転するモータの
回転数に依存する。ポンプ５によって送水された水は、
チューブ８を通して歯科用マイクロモータハンドピース
１に導かれ、該歯科用マイクロモータハンドピース１の
先端から歯牙治療部位に向けて噴射される。なお、ポン
プの構造は、図示例のものに限定されるものではなく、
可逆式のものであれば何でも良い。

【０００９】１１は前記歯科用マイクロモータハンドピ
ース１の回転数、回転方向等を決めるフットコントロー
ラ、１２は電源プラグで、周知のように、フットコント
ローラ１１の足操作レバー１１ａを左又は右に動かすこ
とによって歯科用マイクロモータハンドピース１の回転
方向を正又は逆回転し、レバー１１ａの移動量によって
回転数を変えるようにしている。

【００１０】制御器本体２内には、前述のように、ポン
プ５の扱きローラ７を回転するためのモータが備えられ
ており、該モータを回転することによって、タンク４内
の水又は薬液を送給して歯科用マイクロモータハンドピ
ース１の先端から噴射するものであるが、その場合、該
給水ポンプ用のモータは、前記フットコントローラのオ
ン・オフ（つまりは、歯科用マイクロモータハンドピー
ス１内のモータのオン・オフ）と連動しており、歯科用
マイクロモータハンドピース１のモータを停止した時
に、該給水用のモータも停止するが、その時、ポンプ５
が惰性でしばらく動くのと、注水用チューブ８内の残圧
で注水をピタリと止めることができず、術者の次の動作
（作業）に移る時の時間的な妨げとなっていた。

【００１１】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、フットコントローラ１１にて歯科用マイク
ロモータハンドピース１の回転を止めた時に、同時に、
給水ポンプ５用のモータを停止するが、その時、同時に
該給水ポンプ用モータを一定時間逆転し、注水を引き込
みピタリと止めるようにしたものであり、更には、その
後、該給水ポンプ用モータの起動と同時に給水ポンプが
動作しても、チューブ８内の水は、前述のように、給水
ポンプ用モータの逆転によって、チューブ８に引き込ま
れているため、すぐにはチューブ８の先から水はでない
ので、歯科用マイクロモータハンドピース１のモータを
始動すべくフットコントローラ１１をＯＮさせたら、ま
ず、給水ポンプ用のモータが動作し、チューブ８の先か
ら水が出てから、該歯科用マイクロモータハンドピース
１内のモータが回転するように両者の始動するタイミン
グにタイムラグを設けるようにしている。

【００１２】なお、本発明においては、給水ポンプ用の
モータを停止するに際し、該モータを一定時間逆転させ
るようにしているが、この逆転時間は、例えば、モータ
の回転数，単位時間当たりの送水量等の使用条件によ
り、任意に定めることが可能であり、例えば、給水量が
少なく、送水時におけるモータの回転数が低い時は、逆
転時、モータの回転数を上げて、短時間で停止させるよ
うにしたりする等、逆転時におけるモータの回転数を、
送水時におけるモータの回転数と異ならしめて、できる
だけ短時間に、効率よく水切れのできるように制御す
る。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、ハンドピースの先端から、水又は薬液等を噴
射する形式の歯科用マイクロモータハンドピースにおい
て、該マイクロモータハンドピース内のモータを停止さ
れた時に、該モータの停止と同時に、該ハンドピース先
端からの水又は薬液の噴射が停止されるので、術者は、
水切れを待つことなく、直ちに、次の作業に入ることが
でき、非常に使い勝手の良い歯科用ハンドピースを提供
することができる。更には、その後、該歯科用マイクロ
モータハンドピースを使用するに当って、該歯科用マイ
クロモータハンドピースの先端から水又は薬液が噴射さ
れる状態になってから、該歯科用マイクロモータハンド
ピースのモータが駆動されるので、水又は薬液が噴射さ
れる前に、歯科用マイクロモータハンドピース内のモー
タが駆動されるようなことはなく、安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明が適用された一例としての歯科用マイ
クロモータハンドピースへの水供給システムの一例を説
明するための要部概略構成図である。

【符号の説明】

１…歯科用マイクロモータハンドピース、２…制御器本
体、３…電気コード、４…給液タンク、５…ポンプ、６
…給液チューブ、７…扱きローラ、７₁〜７_n…扱き用ア
ーム、８…給水チューブ、１１…フットコントローラ、
１２…電源プラグ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部から水，スプレー等を噴射する歯
   科用ハンドピースに水を供給する歯科用ハンドピースの
   水供給システムにおいて、前記歯科用ハンドピースに水
   を送給するためのポンプと、該ポンプを駆動するための
   モータとを具備し、前記モータは、停止時、一定時間逆
   転され、前記送給した水を引き戻すようにしたことを特
   徴とする歯科用ハンドピースにおける水供給システム。
2. 【請求項２】 前記モータ始動時、該モータが始動され
   て前記歯科用ハンドピースから水が噴射された後、該歯
   科用ハンドピースの始動が可能であることを特徴とする
   請求項１に記載の歯科用ハンドピースにおける水供給シ
   ステム。