JP2001146644A - 強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体 - Google Patents
強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体Info
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- JP2001146644A JP2001146644A JP32960499A JP32960499A JP2001146644A JP 2001146644 A JP2001146644 A JP 2001146644A JP 32960499 A JP32960499 A JP 32960499A JP 32960499 A JP32960499 A JP 32960499A JP 2001146644 A JP2001146644 A JP 2001146644A
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- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電波吸収用として電波を効率良く吸収するこ
とができ、また、強磁性を活用して電磁波シールド材や
磁気記録材料等の新規用途へ応用することができる強磁
性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を
有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体を提供す
る。 【解決手段】 強磁性を有するコイル状炭素繊維は、ミ
クロなコイル状をなすコイル状炭素繊維の外周面にコバ
ルト、マンガン及び希土類元素から選ばれる少なくとも
一種(1)、それらの化合物(2)、それらの合金
(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及びニッケル−
リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一種よりなる
強磁性体の被覆層を形成したものである。被覆層は重量
割合がコイル状炭素繊維に対して、1〜50重量%に設
定され、厚みが0.01〜5μmに設定されている。
とができ、また、強磁性を活用して電磁波シールド材や
磁気記録材料等の新規用途へ応用することができる強磁
性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を
有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体を提供す
る。 【解決手段】 強磁性を有するコイル状炭素繊維は、ミ
クロなコイル状をなすコイル状炭素繊維の外周面にコバ
ルト、マンガン及び希土類元素から選ばれる少なくとも
一種(1)、それらの化合物(2)、それらの合金
(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及びニッケル−
リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一種よりなる
強磁性体の被覆層を形成したものである。被覆層は重量
割合がコイル状炭素繊維に対して、1〜50重量%に設
定され、厚みが0.01〜5μmに設定されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電波吸収体、電
磁波シールド材、磁気記録材料、各種スイッチ、セン
サ、マイクロメカニカル素子、吸着材、フィルタ等に使
用される強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方
法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸
収体に関するものである。
磁波シールド材、磁気記録材料、各種スイッチ、セン
サ、マイクロメカニカル素子、吸着材、フィルタ等に使
用される強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方
法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸
収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年になり、携帯電話、パソコン等が生
活の中に行き渡り電磁波、特に電波環境が確実に増えて
きている。その一方で、電波による医療機器の誤作動、
航空機、鉄道車両の運行障害、あるいは健康障害に対す
る危惧が大きな社会問題になっている。そのため、現在
多くの、電波吸収材、電磁波吸収材、遮蔽材等が提案、
実用化されている。
活の中に行き渡り電磁波、特に電波環境が確実に増えて
きている。その一方で、電波による医療機器の誤作動、
航空機、鉄道車両の運行障害、あるいは健康障害に対す
る危惧が大きな社会問題になっている。そのため、現在
多くの、電波吸収材、電磁波吸収材、遮蔽材等が提案、
実用化されている。
【0003】電波には電界成分と磁界成分とが発生し、
それらの進行方向は電波の伝搬方向に対してそれぞれ垂
直になっている。また、電波吸収材としては、例えば炭
素が極めて微細な繊維状の形態をなすとともに、コイル
状をなすコイル状炭素繊維を合成樹脂やゴム等に分散さ
せたものが知られている。
それらの進行方向は電波の伝搬方向に対してそれぞれ垂
直になっている。また、電波吸収材としては、例えば炭
素が極めて微細な繊維状の形態をなすとともに、コイル
状をなすコイル状炭素繊維を合成樹脂やゴム等に分散さ
せたものが知られている。
【0004】コイル状炭素繊維は電波が外部から照射さ
れると、ファラデーの法則に従いコイル内に誘電起動力
による誘導電流が流れてジュール熱が発生し、電波の一
部を吸収する。また、電波はコイル状炭素繊維により直
線偏向のほか円偏向を受け、その上、コイル状炭素繊維
が高導電性であるので反射、散乱損失なども受け、急激
に減衰する。従って、電波はコイル状炭素繊維により吸
収される。
れると、ファラデーの法則に従いコイル内に誘電起動力
による誘導電流が流れてジュール熱が発生し、電波の一
部を吸収する。また、電波はコイル状炭素繊維により直
線偏向のほか円偏向を受け、その上、コイル状炭素繊維
が高導電性であるので反射、散乱損失なども受け、急激
に減衰する。従って、電波はコイル状炭素繊維により吸
収される。
【0005】そして、特開平5−21984号公報及び
特開平5−226876号公報には、上記コイル状炭素
繊維の導電性を活用し、そのコイル状炭素繊維を合成樹
脂やゴム等に分散させた電磁波シールド複合材料が提案
されている。さらに、コイル状炭素繊維は、各種スイッ
チ、マイクロメカニカル素子、吸着材、フィルタ、パッ
キン、三次元強化複合材等への幅広い応用が期待される
材料である。
特開平5−226876号公報には、上記コイル状炭素
繊維の導電性を活用し、そのコイル状炭素繊維を合成樹
脂やゴム等に分散させた電磁波シールド複合材料が提案
されている。さらに、コイル状炭素繊維は、各種スイッ
チ、マイクロメカニカル素子、吸着材、フィルタ、パッ
キン、三次元強化複合材等への幅広い応用が期待される
材料である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のコイ
ル状炭素繊維は炭素のみにより形成され、磁束密度と磁
界の比率を示す透磁率が小さい。そのため、コイル状炭
素繊維を電波吸収体に応用した際、その電波吸収特性が
低いという問題があった。また、コイル状炭素繊維を電
磁波シールド材に応用した際、電波の磁界成分に対する
シールド効果が低いという問題があった。
ル状炭素繊維は炭素のみにより形成され、磁束密度と磁
界の比率を示す透磁率が小さい。そのため、コイル状炭
素繊維を電波吸収体に応用した際、その電波吸収特性が
低いという問題があった。また、コイル状炭素繊維を電
磁波シールド材に応用した際、電波の磁界成分に対する
シールド効果が低いという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、電波吸収用として電波を効率良く吸収する
ことができ、また、強磁性を活用して電磁波シールド材
や磁気記録材料等の新規用途へ応用することができる強
磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性
を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体を提供
することにある。
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、電波吸収用として電波を効率良く吸収する
ことができ、また、強磁性を活用して電磁波シールド材
や磁気記録材料等の新規用途へ応用することができる強
磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性
を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の強磁性を有するコイル状
炭素繊維は、炭素繊維によりミクロなコイル状に形成さ
れ、その外周面にコバルト、マンガン及び希土類元素か
ら選ばれる少なくとも一種(1)、それらの化合物
(2)、それらの合金(3)、ニッケル−ホウ素系合金
(4)及びニッケル−リン系合金(5)から選ばれる少
なくとも一種よりなる強磁性体の被覆層を形成したもの
である。
めに、請求項1に記載の発明の強磁性を有するコイル状
炭素繊維は、炭素繊維によりミクロなコイル状に形成さ
れ、その外周面にコバルト、マンガン及び希土類元素か
ら選ばれる少なくとも一種(1)、それらの化合物
(2)、それらの合金(3)、ニッケル−ホウ素系合金
(4)及びニッケル−リン系合金(5)から選ばれる少
なくとも一種よりなる強磁性体の被覆層を形成したもの
である。
【0009】請求項2に記載の発明の強磁性を有するコ
イル状炭素繊維の製造方法は、炭素繊維によりミクロな
コイル状に形成されたコイル状炭素繊維を製造し、その
外周面に、コバルト、マンガン及び希土類元素から選ば
れる少なくとも一種(1)、それらの化合物(2)、そ
れらの合金(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及び
ニッケル−リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一
種よりなる強磁性体の被覆層を形成させるものである。
イル状炭素繊維の製造方法は、炭素繊維によりミクロな
コイル状に形成されたコイル状炭素繊維を製造し、その
外周面に、コバルト、マンガン及び希土類元素から選ば
れる少なくとも一種(1)、それらの化合物(2)、そ
れらの合金(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及び
ニッケル−リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一
種よりなる強磁性体の被覆層を形成させるものである。
【0010】請求項3に記載の発明の強磁性を有するコ
イル状炭素繊維複合体は、請求項1に記載の強磁性を有
するコイル状炭素繊維を、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、
架橋ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なく
とも一種の高分子中に分散して形成される強磁性を有す
るものである。
イル状炭素繊維複合体は、請求項1に記載の強磁性を有
するコイル状炭素繊維を、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、
架橋ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なく
とも一種の高分子中に分散して形成される強磁性を有す
るものである。
【0011】請求項4に記載の発明の電波吸収体は、請
求項3に記載の強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体
を所定形状に成形して形成されるものである。
求項3に記載の強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体
を所定形状に成形して形成されるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を詳細
に説明する。強磁性を有するコイル状炭素繊維は、ミク
ロなコイル状に形成されたコイル状炭素繊維の外周面に
コバルト、マンガン及び希土類元素から選ばれる少なく
とも一種(1)、それらの化合物(2)、それらの合金
(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及びニッケル−
リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一種よりなる
強磁性体の被覆層を形成したものである。
に説明する。強磁性を有するコイル状炭素繊維は、ミク
ロなコイル状に形成されたコイル状炭素繊維の外周面に
コバルト、マンガン及び希土類元素から選ばれる少なく
とも一種(1)、それらの化合物(2)、それらの合金
(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及びニッケル−
リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一種よりなる
強磁性体の被覆層を形成したものである。
【0013】コイル状炭素繊維はその繊維の直径が0.
01〜1μm、コイルの直径が0.1〜15μm、コイ
ルピッチが0.01〜5μm及びコイルの長さが1〜5
000μmであり、コイルが右巻きの二重螺旋構造を有
するものと、左巻きの二重螺旋構造を有するもの、又は
コイルが右巻きの一重螺旋構造を有するものと、左巻き
の一重螺旋構造を有するものとを含有するものである。
これらのコイル状炭素繊維を単独で又は二種以上を組み
合わせて使用しても良い。このコイル状炭素繊維はコイ
ル径が実質上マイクロメートルオーダーであり、電波を
吸収することができ、優れた弾性的性質と高い強度を有
するものである。
01〜1μm、コイルの直径が0.1〜15μm、コイ
ルピッチが0.01〜5μm及びコイルの長さが1〜5
000μmであり、コイルが右巻きの二重螺旋構造を有
するものと、左巻きの二重螺旋構造を有するもの、又は
コイルが右巻きの一重螺旋構造を有するものと、左巻き
の一重螺旋構造を有するものとを含有するものである。
これらのコイル状炭素繊維を単独で又は二種以上を組み
合わせて使用しても良い。このコイル状炭素繊維はコイ
ル径が実質上マイクロメートルオーダーであり、電波を
吸収することができ、優れた弾性的性質と高い強度を有
するものである。
【0014】前記コバルト、マンガン及び希土類元素か
ら選ばれる少なくとも一種(1)は、それぞれ単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。希土類
元素としては、ネオジウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
ム、ユウロピウム等が挙げられる。
ら選ばれる少なくとも一種(1)は、それぞれ単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。希土類
元素としては、ネオジウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
ム、ユウロピウム等が挙げられる。
【0015】前記コバルト、マンガン及び希土類元素か
ら選ばれる少なくとも一種の化合物(2)としては、例
えば、コバルト−フェライト化合物、酸化コバルト、二
酸化マンガン、酸化ユウロピウム等が挙げられる。
ら選ばれる少なくとも一種の化合物(2)としては、例
えば、コバルト−フェライト化合物、酸化コバルト、二
酸化マンガン、酸化ユウロピウム等が挙げられる。
【0016】前記コバルト、マンガン及び希土類元素か
ら選ばれる少なくとも一種の合金(3)のうち、コバル
トの合金としては、コバルト−ホウ素合金、コバルト−
リン合金、コバルト−鉄合金、コバルト−鉄−クロム合
金、コバルト−鉄−テルビウム合金、コバルト−鉄−ホ
ウ素合金、コバルト−鉄−リン合金、コバルト−サマリ
ウム合金、コバルト−タングステン−ホウ素合金、コバ
ルト−タングステン−リン合金、ニッケル−コバルト合
金、ニッケル−コバルト−ホウ素合金、ニッケル−コバ
ルト−リン合金が挙げられる。マンガンの合金として
は、コバルト−ニッケル−マンガン合金が挙げられる。
ら選ばれる少なくとも一種の合金(3)のうち、コバル
トの合金としては、コバルト−ホウ素合金、コバルト−
リン合金、コバルト−鉄合金、コバルト−鉄−クロム合
金、コバルト−鉄−テルビウム合金、コバルト−鉄−ホ
ウ素合金、コバルト−鉄−リン合金、コバルト−サマリ
ウム合金、コバルト−タングステン−ホウ素合金、コバ
ルト−タングステン−リン合金、ニッケル−コバルト合
金、ニッケル−コバルト−ホウ素合金、ニッケル−コバ
ルト−リン合金が挙げられる。マンガンの合金として
は、コバルト−ニッケル−マンガン合金が挙げられる。
【0017】ニッケルとホウ素を主体としたニッケル−
ホウ素系合金(4)としては、ニッケル−ホウ素合金、
ニッケル−鉄−ホウ素合金、ニッケル−タングステン−
ホウ素合金等が挙げられる。ニッケルとリンを主体とし
たニッケル−リン系合金(5)としては、ニッケル−リ
ン合金、ニッケル−鉄−リン合金、ニッケル−タングス
テン−リン合金等が挙げられる。
ホウ素系合金(4)としては、ニッケル−ホウ素合金、
ニッケル−鉄−ホウ素合金、ニッケル−タングステン−
ホウ素合金等が挙げられる。ニッケルとリンを主体とし
たニッケル−リン系合金(5)としては、ニッケル−リ
ン合金、ニッケル−鉄−リン合金、ニッケル−タングス
テン−リン合金等が挙げられる。
【0018】前記(1)〜(5)の被覆層のなかでも、
コバルト、マンガン、ニッケル−ホウ素合金、ニッケル
−リン合金、コバルト−ホウ素合金、コバルト−リン合
金及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種が、磁力
が強いとともに、透磁率が大きく、さらに、コイル状炭
素繊維の外周面に被覆層を形成しやすく、かつ安価であ
るという観点から好ましい。
コバルト、マンガン、ニッケル−ホウ素合金、ニッケル
−リン合金、コバルト−ホウ素合金、コバルト−リン合
金及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種が、磁力
が強いとともに、透磁率が大きく、さらに、コイル状炭
素繊維の外周面に被覆層を形成しやすく、かつ安価であ
るという観点から好ましい。
【0019】また、被覆層の表面に、鉄、フェライト、
クロム、銅、黄銅、金、銀、すず、及び亜鉛から選ばれ
る少なくとも一種(1)、それらの化合物(2)又はそ
れらの合金(3)から選ばれる少なくとも一種よりなる
薄膜を形成しても良い。この場合、被覆層と薄膜とによ
り強磁性体の磁力を強化して、透磁率を大きくさせるこ
とができ、電磁波吸収特性や電磁波の磁界成分のシール
ド効果等をより効果的に発揮させることができる。
クロム、銅、黄銅、金、銀、すず、及び亜鉛から選ばれ
る少なくとも一種(1)、それらの化合物(2)又はそ
れらの合金(3)から選ばれる少なくとも一種よりなる
薄膜を形成しても良い。この場合、被覆層と薄膜とによ
り強磁性体の磁力を強化して、透磁率を大きくさせるこ
とができ、電磁波吸収特性や電磁波の磁界成分のシール
ド効果等をより効果的に発揮させることができる。
【0020】前記被覆層は、コイル状炭素繊維に対し
て、1〜50重量%の重量割合で形成されるのが好まし
く、また、0.01〜5μmの厚みで形成されるのが好
ましく、0.05〜2μmの厚みで形成されるのが特に
好ましい。重量割合及び厚みが上記範囲外にあると、強
磁性体の透磁率が低下して、電波の吸収特性や電磁波の
磁界成分のシールド効果等が低下してしまい好ましくな
い。
て、1〜50重量%の重量割合で形成されるのが好まし
く、また、0.01〜5μmの厚みで形成されるのが好
ましく、0.05〜2μmの厚みで形成されるのが特に
好ましい。重量割合及び厚みが上記範囲外にあると、強
磁性体の透磁率が低下して、電波の吸収特性や電磁波の
磁界成分のシールド効果等が低下してしまい好ましくな
い。
【0021】強磁性を有するコイル状炭素繊維は、例え
ば、電波が外部から照射されると、強磁性体の被覆層に
その電波の磁界成分が引き寄せられる。また、被覆層が
形成されていないコイル状炭素繊維と比較して透磁率が
大きくなる。そのため、電波吸収特性が高くなるととも
に、磁界成分に対するシールド効果が高くなる。
ば、電波が外部から照射されると、強磁性体の被覆層に
その電波の磁界成分が引き寄せられる。また、被覆層が
形成されていないコイル状炭素繊維と比較して透磁率が
大きくなる。そのため、電波吸収特性が高くなるととも
に、磁界成分に対するシールド効果が高くなる。
【0022】さらに、電波が被覆層を通過してコイル状
炭素繊維にまで達すると、ファラデーの法則に従いコイ
ル内に誘電起動力による誘導電流が流れてジュール熱が
発生し、電波を吸収する。電界成分はコイル状炭素繊維
により直線偏向のほか円偏向を受け、その上、コイル状
炭素繊維が高導電性であるので反射、散乱損失なども受
け、急激に減衰する。さらに、コイル状炭素繊維中を通
過した磁界成分は、コイル状炭素繊維の裏面の被覆層に
より同様に吸収される。
炭素繊維にまで達すると、ファラデーの法則に従いコイ
ル内に誘電起動力による誘導電流が流れてジュール熱が
発生し、電波を吸収する。電界成分はコイル状炭素繊維
により直線偏向のほか円偏向を受け、その上、コイル状
炭素繊維が高導電性であるので反射、散乱損失なども受
け、急激に減衰する。さらに、コイル状炭素繊維中を通
過した磁界成分は、コイル状炭素繊維の裏面の被覆層に
より同様に吸収される。
【0023】強磁性を有するコイル状炭素繊維に吸収さ
れる電磁波の周波数領域は、コイル径、コイルピッチ及
びコイル長さ及び被覆層の厚みに依存する。コイル長さ
が長く、コイル径が大きく形成されると低周波領域の電
波の吸収が可能である。そのため、これらを制御するこ
とにより、幅広い範囲の電波吸収材料、磁気シールド材
料、磁気記録材料、磁気抵抗材料、磁歪材料、磁性流
体、磁気弾性材料、磁気センサ、磁気スイッチとして適
用することができる。また、新規電極材料、エネルギー
変換素子、マイクロセンサ、マイクロメカニカル素子、
マイクロフィルタ、高温・高圧・耐蝕・弾力性パッキ
ン、抗菌材、吸着材などとしても適用することができ
る。
れる電磁波の周波数領域は、コイル径、コイルピッチ及
びコイル長さ及び被覆層の厚みに依存する。コイル長さ
が長く、コイル径が大きく形成されると低周波領域の電
波の吸収が可能である。そのため、これらを制御するこ
とにより、幅広い範囲の電波吸収材料、磁気シールド材
料、磁気記録材料、磁気抵抗材料、磁歪材料、磁性流
体、磁気弾性材料、磁気センサ、磁気スイッチとして適
用することができる。また、新規電極材料、エネルギー
変換素子、マイクロセンサ、マイクロメカニカル素子、
マイクロフィルタ、高温・高圧・耐蝕・弾力性パッキ
ン、抗菌材、吸着材などとしても適用することができ
る。
【0024】上記強磁性を有するコイル状炭素繊維を高
分子中に分散させることにより、強磁性を有するコイル
状炭素繊維複合体が形成され、それを所定形状に成形す
ることにより、電波吸収体を製造することができる。
分子中に分散させることにより、強磁性を有するコイル
状炭素繊維複合体が形成され、それを所定形状に成形す
ることにより、電波吸収体を製造することができる。
【0025】前記高分子としては、熱可塑性樹脂、硬化
性樹脂、架橋ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれ
る少なくとも一種が挙げられる。これらは、得られる電
波吸収体の硬さ、機械的強度、耐熱性、電気抵抗等の電
気的特性、耐久性等の要求に応じて、少なくとも一種が
適宜選択して使用される。
性樹脂、架橋ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれ
る少なくとも一種が挙げられる。これらは、得られる電
波吸収体の硬さ、機械的強度、耐熱性、電気抵抗等の電
気的特性、耐久性等の要求に応じて、少なくとも一種が
適宜選択して使用される。
【0026】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体
等のエチレンα−オレフィン共重合体、ポリメチルペン
テン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデ
ンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性PPE
樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸エステル
類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー
等が挙げられる。
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体
等のエチレンα−オレフィン共重合体、ポリメチルペン
テン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデ
ンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ
アクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性PPE
樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸エステル
類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー
等が挙げられる。
【0027】また、熱可塑性エラストマーとしては、ス
チレン−ブタジエン、スチレン−イソプレンブロック共
重合体とその水添共重合体、スチレン系熱可塑性エラス
トマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化
ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑
性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。
チレン−ブタジエン、スチレン−イソプレンブロック共
重合体とその水添共重合体、スチレン系熱可塑性エラス
トマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化
ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑
性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。
【0028】架橋ゴムとしては、天然ゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、
クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン
化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーン
ゴム等が挙げられる。硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。架
橋性を有する高分子材料は、加熱硬化性に限らず、常温
硬化性、光硬化性、湿気硬化性等の架橋方法により得ら
れる樹脂やゴム等を使用しても良い。
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、
クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン
化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーン
ゴム等が挙げられる。硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。架
橋性を有する高分子材料は、加熱硬化性に限らず、常温
硬化性、光硬化性、湿気硬化性等の架橋方法により得ら
れる樹脂やゴム等を使用しても良い。
【0029】さらに、可塑剤、充填材、有機繊維(アラ
ミド繊維等)、炭素繊維、無機繊維(ガラス繊維等)、
セルロース、絹、木綿、羊毛等の天然高分子、安定剤、
着色剤を必要に応じて添加しても良い。また、コイル状
炭素繊維と高分子とよりなる組成物の粘度を低下させ
て、コイル状炭素繊維を高分子中に配合しやすくしたり
するために、有機溶剤や水を添加しても良い。
ミド繊維等)、炭素繊維、無機繊維(ガラス繊維等)、
セルロース、絹、木綿、羊毛等の天然高分子、安定剤、
着色剤を必要に応じて添加しても良い。また、コイル状
炭素繊維と高分子とよりなる組成物の粘度を低下させ
て、コイル状炭素繊維を高分子中に配合しやすくしたり
するために、有機溶剤や水を添加しても良い。
【0030】上記高分子のうち、耐熱性、機械的強度、
電気的信頼性等の観点から、シリコーンゴム、塩素化ポ
リエチレン、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂から選ば
れる少なくとも一種を使用するのが好ましい。
電気的信頼性等の観点から、シリコーンゴム、塩素化ポ
リエチレン、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂から選ば
れる少なくとも一種を使用するのが好ましい。
【0031】次に、強磁性を有するコイル状炭素繊維の
製造方法について説明する。まず、コイル状炭素繊維の
製造方法について説明する。コイル状炭素繊維は、触媒
活性化CVD(化学気相成長)法等により得ることがで
きる。例えば、特開平3−104927号、特開平3−
227412号、特開平4−222228号、特開平1
0−37024号、特開平11−81051号等の公報
に開示されている製造方法がある。
製造方法について説明する。まず、コイル状炭素繊維の
製造方法について説明する。コイル状炭素繊維は、触媒
活性化CVD(化学気相成長)法等により得ることがで
きる。例えば、特開平3−104927号、特開平3−
227412号、特開平4−222228号、特開平1
0−37024号、特開平11−81051号等の公報
に開示されている製造方法がある。
【0032】横型熱化学気相合成装置内に金属触媒を担
持させた基材を配置し、周期律表の第15族又は第16
族の化合物よりなる触媒ガス、水素ガス及びシールガス
を注入し、さらに、熱分解して炭素を生成する原料ガス
を注入して所定温度で加熱分解したとき、金属触媒の結
晶面から成長するものである。
持させた基材を配置し、周期律表の第15族又は第16
族の化合物よりなる触媒ガス、水素ガス及びシールガス
を注入し、さらに、熱分解して炭素を生成する原料ガス
を注入して所定温度で加熱分解したとき、金属触媒の結
晶面から成長するものである。
【0033】前記金属触媒は、遷移金属の酸化物、炭化
物、硫化物、リン化物、炭酸化物及び炭硫化物から選択
される少なくとも一種の化合物であり、好ましくは、ニ
ッケル、チタン、タングステン等の金属又はそれらの酸
素との固溶体、酸化物、炭化物、硫化物、リン化物、炭
酸化物又は炭硫化物である。金属触媒の形態は、粉末、
金属板、粉末の焼結板のいずれでも良く、好ましくは平
均粒径が5μm程度の微粉末又は焼結板である。
物、硫化物、リン化物、炭酸化物及び炭硫化物から選択
される少なくとも一種の化合物であり、好ましくは、ニ
ッケル、チタン、タングステン等の金属又はそれらの酸
素との固溶体、酸化物、炭化物、硫化物、リン化物、炭
酸化物又は炭硫化物である。金属触媒の形態は、粉末、
金属板、粉末の焼結板のいずれでも良く、好ましくは平
均粒径が5μm程度の微粉末又は焼結板である。
【0034】前記原料ガスは、熱分解して炭素を生成す
るアセチレン、メタン、プロパン等の炭素元素を含むガ
ス又は一酸化炭素ガスが使用される。触媒ガスは、周期
律表の第15族及び第16族元素を含むガスで、硫黄、
チオフェン、メチルメルカプタン、硫化水素等の硫黄原
子を含む化合物又は、リン、3塩化リン等のリン原子を
含む化合物が使用される。前記シールガスは窒素ガス、
ヘリウムガス等の化学的に不活性で、系の物質と反応し
ない不活性ガス又は水素ガスが使用される。加熱温度
は、600〜950℃の範囲内に設定されるのが好まし
い。
るアセチレン、メタン、プロパン等の炭素元素を含むガ
ス又は一酸化炭素ガスが使用される。触媒ガスは、周期
律表の第15族及び第16族元素を含むガスで、硫黄、
チオフェン、メチルメルカプタン、硫化水素等の硫黄原
子を含む化合物又は、リン、3塩化リン等のリン原子を
含む化合物が使用される。前記シールガスは窒素ガス、
ヘリウムガス等の化学的に不活性で、系の物質と反応し
ない不活性ガス又は水素ガスが使用される。加熱温度
は、600〜950℃の範囲内に設定されるのが好まし
い。
【0035】次に、コイル状炭素繊維の外周面に被覆層
を形成する方法について説明する。被覆層を形成する方
法としては、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着
法やスパッタリング法等の物理的蒸着法、化学的蒸着
法、溶射法、塗装法、浸漬法、微細粒子を機械的に固着
させるメカノケミカル法から選ばれる一つの方法により
形成される。被覆層をコイル状炭素繊維の外周面に均一
に形成させるために無電解メッキ法を採用するのが好ま
しい。この実施形態では、無電解メッキ法によりコイル
状炭素繊維の外周面に被覆層を形成する場合について説
明する。
を形成する方法について説明する。被覆層を形成する方
法としては、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着
法やスパッタリング法等の物理的蒸着法、化学的蒸着
法、溶射法、塗装法、浸漬法、微細粒子を機械的に固着
させるメカノケミカル法から選ばれる一つの方法により
形成される。被覆層をコイル状炭素繊維の外周面に均一
に形成させるために無電解メッキ法を採用するのが好ま
しい。この実施形態では、無電解メッキ法によりコイル
状炭素繊維の外周面に被覆層を形成する場合について説
明する。
【0036】まず、コイル状炭素繊維をトリクロロエチ
レンで洗浄した後、それを塩化第1スズの塩酸水溶液に
投入し、所定時間浸漬し、さらにそれを蒸留水で洗浄す
る。次いで、洗浄後のコイル状炭素繊維を塩化パラジウ
ム−塩酸水溶液に投入し、コイル状炭素繊維の外周面を
活性化させた後、蒸留水で洗浄する。
レンで洗浄した後、それを塩化第1スズの塩酸水溶液に
投入し、所定時間浸漬し、さらにそれを蒸留水で洗浄す
る。次いで、洗浄後のコイル状炭素繊維を塩化パラジウ
ム−塩酸水溶液に投入し、コイル状炭素繊維の外周面を
活性化させた後、蒸留水で洗浄する。
【0037】次に、外周面が活性化されたコイル状炭素
繊維を所定濃度のメッキ液に投入し、攪拌しながら所定
温度まで加熱する。その結果、コイル状炭素繊維の外周
面に強磁性体の被覆層が形成される。
繊維を所定濃度のメッキ液に投入し、攪拌しながら所定
温度まで加熱する。その結果、コイル状炭素繊維の外周
面に強磁性体の被覆層が形成される。
【0038】次いで、強磁性を有するコイル状炭素繊維
複合体及び電波吸収体の製造方法を説明する。まず、強
磁性を有するコイル状炭素繊維を高分子材料中に添加し
て、それらにより組成物を調製する。このとき、強磁性
を有するコイル状炭素繊維による電波吸収特性や電磁波
の磁界成分に対するシールド効果等を効率良く発揮させ
るために、強磁性を有するコイル状炭素繊維を強磁性を
有するコイル状炭素繊維複合体又は電波吸収体中に0.
1〜50重量%となるように添加するのが好ましい。添
加量は高分子の種類、得られる強磁性を有するコイル状
炭素繊維複合体又は電波吸収体の耐熱性、機械的強度、
電気的信頼性等に応じて適宜調整される。
複合体及び電波吸収体の製造方法を説明する。まず、強
磁性を有するコイル状炭素繊維を高分子材料中に添加し
て、それらにより組成物を調製する。このとき、強磁性
を有するコイル状炭素繊維による電波吸収特性や電磁波
の磁界成分に対するシールド効果等を効率良く発揮させ
るために、強磁性を有するコイル状炭素繊維を強磁性を
有するコイル状炭素繊維複合体又は電波吸収体中に0.
1〜50重量%となるように添加するのが好ましい。添
加量は高分子の種類、得られる強磁性を有するコイル状
炭素繊維複合体又は電波吸収体の耐熱性、機械的強度、
電気的信頼性等に応じて適宜調整される。
【0039】強磁性を有するコイル状炭素繊維と高分子
材料との濡れ性や接着性を向上させるために、強磁性を
有するコイル状炭素繊維の表面を予め脱脂処理、洗浄処
理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、
火炎処理、イオン注入処理等の活性化処理を施すのが好
ましい。さらに、活性化処理後に、シラン系、アルミニ
ウム系等のカップリング剤で処理することにより、多量
の強磁性を有するコイル状炭素繊維を高分子材料中に分
散しやすくなり、得られる強磁性を有するコイル状炭素
繊維複合体又は電波吸収体の電波吸収特性や磁界成分に
対するシールド効果等を向上させることができる。
材料との濡れ性や接着性を向上させるために、強磁性を
有するコイル状炭素繊維の表面を予め脱脂処理、洗浄処
理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、
火炎処理、イオン注入処理等の活性化処理を施すのが好
ましい。さらに、活性化処理後に、シラン系、アルミニ
ウム系等のカップリング剤で処理することにより、多量
の強磁性を有するコイル状炭素繊維を高分子材料中に分
散しやすくなり、得られる強磁性を有するコイル状炭素
繊維複合体又は電波吸収体の電波吸収特性や磁界成分に
対するシールド効果等を向上させることができる。
【0040】高分子が液状の場合、強磁性を有するコイ
ル状炭素繊維を添加した後、ミキサーやブレンダを使用
して混合して組成物を調製する。また、その組成物中の
空気を除去するために、真空又は加圧により脱泡するの
が好ましい。高分子が固体の場合、強磁性を有するコイ
ル状炭素繊維を添加した後、押出機、ニーダー、ローラ
等の混練機を使用して組成物を調製する。
ル状炭素繊維を添加した後、ミキサーやブレンダを使用
して混合して組成物を調製する。また、その組成物中の
空気を除去するために、真空又は加圧により脱泡するの
が好ましい。高分子が固体の場合、強磁性を有するコイ
ル状炭素繊維を添加した後、押出機、ニーダー、ローラ
等の混練機を使用して組成物を調製する。
【0041】次に、組成物を金型成形法、プレス成形
法、押出成形法、トランスファー成形法、カレンダー成
形法等により、所定形状やシート状に成形して強磁性を
有するコイル状炭素繊維複合体が製造される。組成物を
塗装したり、印刷したりして薄膜状に加工しても良い。
さらに、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体を、例
えば、携帯電話のボディの形状に成形して電波吸収体と
しても良い。
法、押出成形法、トランスファー成形法、カレンダー成
形法等により、所定形状やシート状に成形して強磁性を
有するコイル状炭素繊維複合体が製造される。組成物を
塗装したり、印刷したりして薄膜状に加工しても良い。
さらに、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体を、例
えば、携帯電話のボディの形状に成形して電波吸収体と
しても良い。
【0042】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 強磁性を有するコイル状炭素繊維はコイル状炭素繊
維の外周面に強磁性体の被覆層が形成されているため、
被覆層が形成されていないコイル状炭素繊維と比較して
その透磁率が大きくなる。その結果、電波吸収用とした
場合は、その電波吸収特性を向上させて電波を効率良く
吸収することができ、電磁波シールド用とした場合は、
電磁波の磁界成分に対するシールド効果を高くすること
ができる。また、透磁率の高い強磁性を活用して、電磁
波シールド材、磁気記録材料、各種スイッチ、マイクロ
メカニカル素子、吸着材、フィルタ、パッキン、三次元
強化複合材等に応用することができる。
ついて、以下に記載する。 ・ 強磁性を有するコイル状炭素繊維はコイル状炭素繊
維の外周面に強磁性体の被覆層が形成されているため、
被覆層が形成されていないコイル状炭素繊維と比較して
その透磁率が大きくなる。その結果、電波吸収用とした
場合は、その電波吸収特性を向上させて電波を効率良く
吸収することができ、電磁波シールド用とした場合は、
電磁波の磁界成分に対するシールド効果を高くすること
ができる。また、透磁率の高い強磁性を活用して、電磁
波シールド材、磁気記録材料、各種スイッチ、マイクロ
メカニカル素子、吸着材、フィルタ、パッキン、三次元
強化複合材等に応用することができる。
【0043】・ 被覆層はコイル状炭素繊維に対して、
1〜50重量%の重量割合に設定され、0.01〜5μ
mの厚みに設定されている。そのため、強磁性を有する
コイル状炭素繊維による電波吸収特性や電磁波の磁界成
分のシールド効果等を効率良く発揮することができる。
1〜50重量%の重量割合に設定され、0.01〜5μ
mの厚みに設定されている。そのため、強磁性を有する
コイル状炭素繊維による電波吸収特性や電磁波の磁界成
分のシールド効果等を効率良く発揮することができる。
【0044】・ 強磁性を有するコイル状炭素繊維は電
波吸収体又は強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体中
に0.1〜50重量%含有される。そのため、電波吸収
体又は強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体の電波吸
収特性や磁界成分のシールド効果等を効率良く発揮させ
ることができる。また、電波吸収体又は強磁性を有する
コイル状炭素繊維複合体の耐熱性、機械的強度、電気的
信頼性等に適宜対応することができる。
波吸収体又は強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体中
に0.1〜50重量%含有される。そのため、電波吸収
体又は強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体の電波吸
収特性や磁界成分のシールド効果等を効率良く発揮させ
ることができる。また、電波吸収体又は強磁性を有する
コイル状炭素繊維複合体の耐熱性、機械的強度、電気的
信頼性等に適宜対応することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、前記実施形
態をさらに具体的に説明する。 (実施例1)実施例1ではコバルト−リン合金の被覆層
が形成された強磁性を有するコイル状炭素繊維を製造し
た。
態をさらに具体的に説明する。 (実施例1)実施例1ではコバルト−リン合金の被覆層
が形成された強磁性を有するコイル状炭素繊維を製造し
た。
【0046】まず、コイル状炭素繊維の製造方法につい
て説明する。内径23mm、長さ500mmの透明石英
管からなる横型熱化学気相合成装置の反応容器の中央部
に平均粒径5μmのニッケル粉末を塗布したグラファイ
ト基板をセットした。反応容器の中央上部の流入口から
チオフェン不純物を1.51モル%含有するアセチレン
を30ミリリットル(ml)/分、水素ガスを70ml
/分、アルゴンを40ml/分で流入させ、注入口から
シールガスとして窒素ガスを導入した。そして、常圧、
750℃で15分間反応を行った。
て説明する。内径23mm、長さ500mmの透明石英
管からなる横型熱化学気相合成装置の反応容器の中央部
に平均粒径5μmのニッケル粉末を塗布したグラファイ
ト基板をセットした。反応容器の中央上部の流入口から
チオフェン不純物を1.51モル%含有するアセチレン
を30ミリリットル(ml)/分、水素ガスを70ml
/分、アルゴンを40ml/分で流入させ、注入口から
シールガスとして窒素ガスを導入した。そして、常圧、
750℃で15分間反応を行った。
【0047】その結果、二本のコイルが巻き合いながら
成長した二重螺旋のコイル状炭素繊維が得られた。その
コイルの外径は0.1〜15μm、コイルピッチは0.
01〜5μm、コイルの長さは1〜5000μmであっ
た。そして、そのコイル状炭素繊維を、アルゴン雰囲気
の反応容器内で、3000℃で6時間熱処理した。その
結果、非晶質部分が全てグラファイト化した。コイル状
炭素繊維のコイル状は完全に保持されていた。
成長した二重螺旋のコイル状炭素繊維が得られた。その
コイルの外径は0.1〜15μm、コイルピッチは0.
01〜5μm、コイルの長さは1〜5000μmであっ
た。そして、そのコイル状炭素繊維を、アルゴン雰囲気
の反応容器内で、3000℃で6時間熱処理した。その
結果、非晶質部分が全てグラファイト化した。コイル状
炭素繊維のコイル状は完全に保持されていた。
【0048】次に、コイル状炭素繊維にコバルト−リン
合金の被覆層を形成する。コイル状炭素繊維をトリクロ
ロエチレンで洗浄した後、それを塩化第1スズの塩酸水
溶液に投入して約5分間浸漬し、さらにそれを蒸留水で
洗浄した。次いで、洗浄後のコイル状炭素繊維を塩化パ
ラジウム−塩酸水溶液に投入し、コイル状炭素繊維の外
周面を活性化させた後、蒸留水で洗浄した。
合金の被覆層を形成する。コイル状炭素繊維をトリクロ
ロエチレンで洗浄した後、それを塩化第1スズの塩酸水
溶液に投入して約5分間浸漬し、さらにそれを蒸留水で
洗浄した。次いで、洗浄後のコイル状炭素繊維を塩化パ
ラジウム−塩酸水溶液に投入し、コイル状炭素繊維の外
周面を活性化させた後、蒸留水で洗浄した。
【0049】次に、外周面が活性化されたコイル状炭素
繊維を所定濃度の硫酸コバルト−次亜リン酸ナトリウム
−酢酸ナトリウム−硫酸アンモニウム水溶液(メッキ
液)に投入し、攪拌しながら約90℃まで加熱して、無
電解メッキ法によりコイル状炭素繊維の外周面にコバル
ト−リン合金の被覆層を形成した。得られた強磁性を有
するコイル状炭素繊維を電子顕微鏡で観察した結果、コ
バルト−リン合金の被覆層がコイル状炭素繊維の外周面
に均一に形成されていた。その厚さは約0.3μmであ
った。
繊維を所定濃度の硫酸コバルト−次亜リン酸ナトリウム
−酢酸ナトリウム−硫酸アンモニウム水溶液(メッキ
液)に投入し、攪拌しながら約90℃まで加熱して、無
電解メッキ法によりコイル状炭素繊維の外周面にコバル
ト−リン合金の被覆層を形成した。得られた強磁性を有
するコイル状炭素繊維を電子顕微鏡で観察した結果、コ
バルト−リン合金の被覆層がコイル状炭素繊維の外周面
に均一に形成されていた。その厚さは約0.3μmであ
った。
【0050】(実施例2)実施例2ではニッケル−ホウ
素合金の被覆層が形成されたコイル状炭素繊維を製造し
た。
素合金の被覆層が形成されたコイル状炭素繊維を製造し
た。
【0051】実施例1と同様の方法でコイル状炭素繊維
の外周面を活性化させ、それを所定濃度の硫酸ニッケル
−ジメチルアミンボラン−クエン酸ナトリウム−エチレ
ンジアミン四酢酸水溶液(メッキ液)に投入し、攪拌し
ながら約80℃まで加熱して、無電解メッキ法によりコ
イル状炭素繊維の外周面にニッケル−ホウ素合金の被覆
層を形成した。得られた強磁性を有するコイル状炭素繊
維を電子顕微鏡で観察した結果、ニッケル−ホウ素合金
の被覆層がコイル状炭素繊維の外周面に均一に形成され
ていた。その厚さは約0.3μmであった。
の外周面を活性化させ、それを所定濃度の硫酸ニッケル
−ジメチルアミンボラン−クエン酸ナトリウム−エチレ
ンジアミン四酢酸水溶液(メッキ液)に投入し、攪拌し
ながら約80℃まで加熱して、無電解メッキ法によりコ
イル状炭素繊維の外周面にニッケル−ホウ素合金の被覆
層を形成した。得られた強磁性を有するコイル状炭素繊
維を電子顕微鏡で観察した結果、ニッケル−ホウ素合金
の被覆層がコイル状炭素繊維の外周面に均一に形成され
ていた。その厚さは約0.3μmであった。
【0052】(実施例3〜5)実施例3〜5では実施例
1で得られた強磁性を有するコイル状炭素繊維を使用し
て電波吸収体を製造し、その反射減衰量を測定した。
1で得られた強磁性を有するコイル状炭素繊維を使用し
て電波吸収体を製造し、その反射減衰量を測定した。
【0053】高分子としての熱硬化性シリコーンゴム
(GE東芝シリコーン製 商品名TSE3033)に対
し、実施例1の強磁性を有するコイル状炭素繊維を実施
例3では15重量%、実施例4では30重量%、実施例
5では45重量%となるようにそれぞれ添加して組成物
を調製した。次いで、各組成物をそれぞれ攪拌脱泡し、
それらを85℃で1時間加熱して硬化させて電波吸収体
を製造した。さらに、この電波吸収体の50MHz〜2
0GHzの電波における反射減衰量(dB)をネットワ
ークアナライザ(ヒューレット・パッカード社製 HP
8720)にてそれぞれ測定した。その結果を表1に示
す。
(GE東芝シリコーン製 商品名TSE3033)に対
し、実施例1の強磁性を有するコイル状炭素繊維を実施
例3では15重量%、実施例4では30重量%、実施例
5では45重量%となるようにそれぞれ添加して組成物
を調製した。次いで、各組成物をそれぞれ攪拌脱泡し、
それらを85℃で1時間加熱して硬化させて電波吸収体
を製造した。さらに、この電波吸収体の50MHz〜2
0GHzの電波における反射減衰量(dB)をネットワ
ークアナライザ(ヒューレット・パッカード社製 HP
8720)にてそれぞれ測定した。その結果を表1に示
す。
【0054】なお、反射減衰量(dB)は、電波を電波
吸収体に入射させ、電波吸収体の裏面から出てきたと
き、電波吸収体に反射又は吸収されて減衰された電波の
量を示す。
吸収体に入射させ、電波吸収体の裏面から出てきたと
き、電波吸収体に反射又は吸収されて減衰された電波の
量を示す。
【0055】(実施例6〜8)実施例6〜8では実施例
2で得られた強磁性を有するコイル状炭素繊維を使用し
て電波吸収体を製造し、その反射減衰量(dB)を測定
した。
2で得られた強磁性を有するコイル状炭素繊維を使用し
て電波吸収体を製造し、その反射減衰量(dB)を測定
した。
【0056】実施例3〜5で使用された熱硬化性シリコ
ーンゴムに対し、実施例2の強磁性を有するコイル状炭
素繊維を実施例6では15重量%、実施例7では30重
量%、実施例8では45重量%それぞれ添加して組成物
を調製した。次いで、各組成物をそれぞれ攪拌脱泡し、
それらを85℃で1時間加熱して硬化させて電波吸収体
を製造した。さらに、この電波吸収体の50MHz〜2
0GHzの電波における反射減衰量を実施例3〜5と同
様の方法でそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
ーンゴムに対し、実施例2の強磁性を有するコイル状炭
素繊維を実施例6では15重量%、実施例7では30重
量%、実施例8では45重量%それぞれ添加して組成物
を調製した。次いで、各組成物をそれぞれ攪拌脱泡し、
それらを85℃で1時間加熱して硬化させて電波吸収体
を製造した。さらに、この電波吸収体の50MHz〜2
0GHzの電波における反射減衰量を実施例3〜5と同
様の方法でそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
【0057】(比較例1〜3)比較例1〜3では被覆層
が形成されていないコイル状炭素繊維を使用して電波吸
収体を製造し、その反射減衰量(dB)を測定した。
が形成されていないコイル状炭素繊維を使用して電波吸
収体を製造し、その反射減衰量(dB)を測定した。
【0058】実施例3〜5で使用された熱硬化性シリコ
ーンゴムに対し、被覆層が形成されていないコイル状炭
素繊維を比較例1では15重量%、比較例2では30重
量%、比較例3では45重量%それぞれ添加して組成物
を調製した。次いで、各組成物をそれぞれ攪拌脱泡し、
それらを85℃で1時間加熱して硬化させて電波吸収体
を製造した。さらに、この電波吸収体の50MHz〜2
0GHzの電波における反射減衰量(dB)を実施例3
〜5と同様の方法でそれぞれ測定した。その結果を表1
に示す。
ーンゴムに対し、被覆層が形成されていないコイル状炭
素繊維を比較例1では15重量%、比較例2では30重
量%、比較例3では45重量%それぞれ添加して組成物
を調製した。次いで、各組成物をそれぞれ攪拌脱泡し、
それらを85℃で1時間加熱して硬化させて電波吸収体
を製造した。さらに、この電波吸収体の50MHz〜2
0GHzの電波における反射減衰量(dB)を実施例3
〜5と同様の方法でそれぞれ測定した。その結果を表1
に示す。
【0059】
【表1】 表1に示すように、コバルト−リン合金又はニッケル−
ホウ素合金の被覆層が形成された強磁性を有するコイル
状炭素繊維は、被覆層が形成されていないコイル状炭素
繊維と比較して反射減衰量が多くなることが示された。
ホウ素合金の被覆層が形成された強磁性を有するコイル
状炭素繊維は、被覆層が形成されていないコイル状炭素
繊維と比較して反射減衰量が多くなることが示された。
【0060】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記被覆層は、その重量割合がコイル状炭素繊維に
対して、1〜50重量%に設定され、厚みが0.01〜
5μmに設定されている請求項1に記載の強磁性を有す
るコイル状炭素繊維。
的思想について以下に記載する。 ・ 前記被覆層は、その重量割合がコイル状炭素繊維に
対して、1〜50重量%に設定され、厚みが0.01〜
5μmに設定されている請求項1に記載の強磁性を有す
るコイル状炭素繊維。
【0061】このように構成した場合、強磁性を有する
コイル状炭素繊維による電波吸収特性や、電磁波の磁界
成分のシールド効果等を効率良く発揮することができ
る。 ・ 前記強磁性を有するコイル状炭素繊維の含有量は
0.1〜50重量%である請求項4に記載の電波吸収
体。
コイル状炭素繊維による電波吸収特性や、電磁波の磁界
成分のシールド効果等を効率良く発揮することができ
る。 ・ 前記強磁性を有するコイル状炭素繊維の含有量は
0.1〜50重量%である請求項4に記載の電波吸収
体。
【0062】このように構成した場合、電波吸収体の電
波吸収特性を効率良く発揮させることができる。また、
電波吸収体の耐熱性、機械的強度、電気的信頼性等に適
宜対応することができる。
波吸収特性を効率良く発揮させることができる。また、
電波吸収体の耐熱性、機械的強度、電気的信頼性等に適
宜対応することができる。
【0063】・ 前記被覆層の表面に、鉄、フェライ
ト、クロム、銅、黄銅、金、銀、すず、及び亜鉛から選
ばれる少なくとも一種(1)、それらの化合物(2)又
はそれらの合金(3)から選ばれる少なくとの一種より
なる薄膜を形成した請求項1に記載の強磁性を有するコ
イル状炭素繊維。
ト、クロム、銅、黄銅、金、銀、すず、及び亜鉛から選
ばれる少なくとも一種(1)、それらの化合物(2)又
はそれらの合金(3)から選ばれる少なくとの一種より
なる薄膜を形成した請求項1に記載の強磁性を有するコ
イル状炭素繊維。
【0064】このように構成した場合、被覆層と薄膜と
により強磁性体の磁力を強化させることができるととも
に、その透磁率を大きくして電磁波の磁界成分の吸収特
性をより効果的に発揮させることができる。
により強磁性体の磁力を強化させることができるととも
に、その透磁率を大きくして電磁波の磁界成分の吸収特
性をより効果的に発揮させることができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
強磁性を有するコイル状炭素繊維によれば、電波吸収用
として電波を効率良く吸収することができ、また、強磁
性を活用して電磁波シールド材や磁気記録材料等の新規
用途へ応用することができる。
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
強磁性を有するコイル状炭素繊維によれば、電波吸収用
として電波を効率良く吸収することができ、また、強磁
性を活用して電磁波シールド材や磁気記録材料等の新規
用途へ応用することができる。
【0066】請求項2に記載の発明の強磁性を有するコ
イル状炭素繊維の製造方法によれば、電波吸収用として
電波を効率良く吸収することができ、また、強磁性を活
用して電磁波シールド材や磁気記録材料等の新規用途へ
応用することができる強磁性を有するコイル状炭素繊維
を容易に製造することができる。
イル状炭素繊維の製造方法によれば、電波吸収用として
電波を効率良く吸収することができ、また、強磁性を活
用して電磁波シールド材や磁気記録材料等の新規用途へ
応用することができる強磁性を有するコイル状炭素繊維
を容易に製造することができる。
【0067】請求項3に記載の発明の強磁性を有するコ
イル状炭素繊維複合体によれば、電波吸収用として電波
を効率良く吸収することができ、また、強磁性を活用し
て電磁波シールド材や磁気記録材料等の新規用途へ応用
することができる。
イル状炭素繊維複合体によれば、電波吸収用として電波
を効率良く吸収することができ、また、強磁性を活用し
て電磁波シールド材や磁気記録材料等の新規用途へ応用
することができる。
【0068】請求項4に記載の発明の電波吸収体によれ
ば、電波を効率良く吸収することができる。
ば、電波を効率良く吸収することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飛田 雅之 東京都北区田端5−10−5 ポリマテック 株式会社内 (72)発明者 西 謙悟 東京都北区田端5−10−5 ポリマテック 株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA04 AA60 AB09 AB10 AB16 AC04 AD02 AE01 AE21 FA03 FB06 FC03 4L038 AA28 BA02 BA03 BB10 DA20 5E049 AA04 AA07 AA09 BA06 BA16 BA27
Claims (4)
- 【請求項1】 炭素繊維によりミクロなコイル状に形成
され、その外周面にコバルト、マンガン及び希土類元素
から選ばれる少なくとも一種(1)、それらの化合物
(2)、それらの合金(3)、ニッケル−ホウ素系合金
(4)及びニッケル−リン系合金(5)から選ばれる少
なくとも一種よりなる強磁性体の被覆層を形成した強磁
性を有するコイル状炭素繊維。 - 【請求項2】 炭素繊維によりミクロなコイル状に形成
されたコイル状炭素繊維を製造し、その外周面に、コバ
ルト、マンガン及び希土類元素から選ばれる少なくとも
一種(1)、それらの化合物(2)、それらの合金
(3)、ニッケル−ホウ素系合金(4)及びニッケル−
リン系合金(5)から選ばれる少なくとも一種よりなる
強磁性体の被覆層を形成させる強磁性を有するコイル状
炭素繊維の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の強磁性を有するコイル
状炭素繊維を、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、架橋ゴム及
び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一種の
高分子中に分散して形成される強磁性を有するコイル状
炭素繊維複合体。 - 【請求項4】 請求項3に記載の強磁性を有するコイル
状炭素繊維複合体を所定形状に成形して形成される電波
吸収体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32960499A JP2001146644A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32960499A JP2001146644A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001146644A true JP2001146644A (ja) | 2001-05-29 |
Family
ID=18223216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32960499A Pending JP2001146644A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 強磁性を有するコイル状炭素繊維、その製造方法、強磁性を有するコイル状炭素繊維複合体及び電波吸収体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001146644A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012736A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Japan Fine Ceramics Center | 超広帯域電波吸収体としての磁性体担持コイル状炭素繊維の製造方法 |
JP2012531502A (ja) * | 2009-06-30 | 2012-12-10 | アルケマ フランス | 誘導溶着用のポリアリーレンエーテルケトン組成物 |
PH12018050196A1 (en) * | 2017-05-16 | 2019-01-28 | Toyota Motor Co Ltd | Micro coil |
CN111548629A (zh) * | 2020-06-28 | 2020-08-18 | 太仓碧奇新材料研发有限公司 | 一种用于5g通信基站的导电橡胶及其制备方法 |
CN114989569A (zh) * | 2022-04-15 | 2022-09-02 | 宁波坚锋新材料有限公司 | 一种环氧树脂复合材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-11-19 JP JP32960499A patent/JP2001146644A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012531502A (ja) * | 2009-06-30 | 2012-12-10 | アルケマ フランス | 誘導溶着用のポリアリーレンエーテルケトン組成物 |
JP2012012736A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Japan Fine Ceramics Center | 超広帯域電波吸収体としての磁性体担持コイル状炭素繊維の製造方法 |
PH12018050196A1 (en) * | 2017-05-16 | 2019-01-28 | Toyota Motor Co Ltd | Micro coil |
US10493435B2 (en) | 2017-05-16 | 2019-12-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Micro coil |
CN111548629A (zh) * | 2020-06-28 | 2020-08-18 | 太仓碧奇新材料研发有限公司 | 一种用于5g通信基站的导电橡胶及其制备方法 |
CN111548629B (zh) * | 2020-06-28 | 2022-09-06 | 太仓碧奇新材料研发有限公司 | 一种用于5g通信基站的导电橡胶及其制备方法 |
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