JP2001140650A - 2サイクルエンジン - Google Patents

2サイクルエンジン

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JP2001140650A
JP2001140650A JP32983399A JP32983399A JP2001140650A JP 2001140650 A JP2001140650 A JP 2001140650A JP 32983399 A JP32983399 A JP 32983399A JP 32983399 A JP32983399 A JP 32983399A JP 2001140650 A JP2001140650 A JP 2001140650A
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combustion chamber
scavenging
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Toshihisa Nemoto
俊久 根本
Terutake Yasuda
輝毅 安田
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Maruyama Manufacturing Co Ltd
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シュニーレ方式2サイクルエンジン10におい
て、吹き抜けガス中のHC量を低減する。 【解決手段】 ピストン33が上死点近辺になると、ピス
トン33の下端部の溝40の両端部はそれぞれ排出口16及び
第1の掃気口18へ臨み、排出口16の排気ガスを第1の掃
気口18の上端部へ導き、そこに所定量、充填させる。掃
気行程では、1対の第1の掃気口18が、先に燃焼室14へ
開口して、排気ガスを燃焼室14へ導入してから、1対の
第2の掃気口19は、燃焼室14へ開口し、燃料含有ガスを
燃焼室14へ導入する。リリーフ弁60は、クランク室28の
圧力Pが142kPa以上になると、開いて、圧力Pの
最大値Pmを142kPa以下に保持する。結果、燃焼
室14において第1の掃気口18からの排気ガスと第2の掃
気口19からの燃料含有ガスとの混合が抑制され、燃料含
有ガス中の燃料分が第1の掃気口18からの排気ガスに混
入して、排出口16へ吹き抜けてしまうのが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば刈払機や
背負動力散布機等に装備される2サイクルエンジンに係
り、詳しくはTHC(Total Hydro Car
bon:総炭化水素量)の低減を実現する2サイクルエ
ンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】刈払機や背負動力散布機に装備される2
サイクルエンジンでは、クランク室内の燃料及び空気の
燃料含有ガスが、掃気行程時に掃気口より燃焼室へ導入
され、燃焼室を掃気しつつ、燃焼室に充填されるように
なっている。従来の2サイクルエンジンの設計傾向は、
短時間で掃気を行うために、クランク室の圧力をなるべ
く増大するものになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の2サイクルエン
ジンでは、掃気口より燃焼室へ導入された燃料含有ガス
が、燃焼室へ留まらず、そのまま、排出口へ抜け出る吹
き抜けがあり、その吹き抜けた燃料含有ガス中の燃料分
が、排気ガスと共に大気中へ放出され、大気汚染の原因
になっている。
【0004】燃料含有ガス自体の燃料重量濃度を小さく
すると、吹き抜けガスとして排気系へ導出される燃料分
は低下するが、燃焼室に残留する燃料含有ガスの燃料重
量濃度も低下し、2サイクルエンジンの出力が低下して
しまう。これを克服するために、燃料重量濃度の小さい
ガスBを先に燃焼室へ導入し、燃料重量濃度の大きいガ
スAを後から燃焼室へ導入して、燃焼室に残留するガス
は主にAに、又は排出口へ吹き抜けてしまうガスは主に
Bになるようにする方策が考えられるが、燃焼室におい
てガスA,Bが混合してしまうと、ガスA,Bに分けて
燃焼室へ導入する効果が低下してしまう。
【0005】この発明の目的は、吹き抜けガス中の燃料
分を効果的に低減できる2サイクルエンジンを提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の2サイクルエ
ンジン(10)によれば、吸入口(15)、掃気口(18,19)、及
び排出口(16)が、シリンダ(11)内を往復動するピストン
(23)によりシリンダ(11)内への開口時期を制御され、燃
焼室(14)及びクランク室(28)が、ピストン(23)の両側に
それぞれ設けられ、かつピストン(23)の往復動により容
積を増減され、燃料含有ガスが吸入口(15)からクランク
室(28)へ導入され、クランク室(28)内の燃料含有ガスが
掃気通路を経て掃気口(18,19)から燃焼室(14)へ導入さ
れ、燃焼室(14)における燃料含有ガスの燃料分の燃焼に
より生じたガスは排気ガスとして排出口(16)から排出さ
れるようになっている。この2サイクルエンジン(10)に
おいて、燃料重量濃度の大きい及び小さいガスをそれぞ
れガスA及びガスBとし、ガスA及びガスBを掃気口(1
8,19)から燃焼室(14)へ導入するに当たり、ガスBをガ
スAより先に導入することにより、又はガスBをガスA
より排出口(16)に近い方から燃焼室(14)へ導入すること
により、吹き抜けガスが主にガスBからなるようにし、
クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kPa以
下になるように設定されている。なお、1kPa=10
00Paである。
【0007】ガスの燃料重量濃度Gとは、燃料の重量G
1、及びその燃料を含むガスの重量をG2とそれぞれ定
義するとき、G=G1/(G1+G2)で定義する。2
サイクルエンジン(10)には、特にシュニーレ方式2サイ
クルエンジンを含む。シュニーレ方式2サイクルエンジ
ンとは、激突反転型とも言われ、燃焼室(14)の横断面に
おいて対称位置に設けられた1対の掃気口から燃焼室(1
4)内へ導入されたガス流が相互に衝突し、反転渦となる
2サイクルエンジンである。
【0008】1個のシリンダ(11)における掃気口の合計
個数は、通常は複数個、好ましくは偶数個(複数対の場
合の偶数個を含む。)であるが、奇数個や1個でも可と
する。
【0009】ガスBは、燃料分の含有量が0であるガス
を含む。ガスAは、例えば吸入行程時に吸入口(15)を介
して気化器からクランク室(28)へ導入されたガス(以
下、このガスを「ガスC」と言う。)が掃気口(18)へ導
かれたものであるが、ガスCそのものでなくてもよく、
例えば排気中のHCを低減するために、ガスCに排気ガ
スや外気(=空気)や不活性ガス(例:窒素、Ne、及
びHe等)を適当に混合したもの(ただし、ガスBより
は燃料重量濃度が大であるもの。)であってもよい。
【0010】Pmがあまりに小さくなると、クランク室
(28)から燃焼室(14)へのガスの導入に支障が生じる。P
mの下限は好ましくは132kPa以上とする。
【0011】ガスA及びガスBを前記掃気口(18,19)か
ら前記燃焼室(14)へ導入するに当たり、ガスBをガスA
より先に導入することにより、又はガスBをガスAより
前記排出口(16)に近い方から前記燃焼室(14)へ導入する
ことにより、吹き抜けガスを主にガスBとなる。これに
より、排気系への燃料分の排出量を抑制できる。一方、
ガスA,Bが燃焼室(14)において混合し、ガスA中の燃
料分が吹き抜けガスに取り込まれ、排気系への燃料分の
排出量が増大してしまうことが考えられる。この2サイ
クルエンジン(10)では、圧力Pmは142kPa以下に
設定されるので、燃焼室(14)におけるガスA,Bの混合
は抑制され、ガスAの燃料分が、ガスBへ混入して、排
出口(16)へ吹き抜けるのを適切に抑制できる。
【0012】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kP
a以下になる設定は、クランク室(28)の圧力Pが142
kPa以上になると、クランク室(28)を大気空間へ連通
させる開放弁(60)により、実現するようにしている。
【0013】燃料重量濃度は、クランク室(28)の圧力が
142kPa以上になると、開いて、クランク室(28)を
大気空間へ連通させ、これにより、クランク室(28)の圧
力の最大値Pmは142kPa以下に保持される。
【0014】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kP
a以下になる設定は、クランク室(28)の容積の設定によ
り、実現するようにしている。
【0015】クランク室(28)の容積が増大する程、最大
値Pmは減少する。クランク室(28)の容積を適当に増大
させることにより、最大値Pmが142kPa以下にな
るように、設定できる。
【0016】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、ガスA及びガスBは、同一の掃気口から燃焼室(14)
へ導入することとされ、その掃気口から先にガスBが、
その後にガスAが燃焼室(14)へ導入されるようになって
いる。
【0017】同一の掃気口(18,19)から時間差を付け
て、ガスA,Bを燃焼室(14)へ導入することにより、ガ
スA,Bを、相互に分離して、燃焼室(14)へ導入できる
とともに、Pm≦142kPaの条件により、燃焼室(1
4)におけるガスA,Bの良好な分離を保持できる。
【0018】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、第1の対の掃気口(18)からガスBが、また、第2の
対の掃気口(19)からガスAが、それぞれ燃焼室(14)へ導
入されるようにし、第1の対の掃気口(18)及び第2の対
の掃気口(19)は、同一対同士の掃気口から燃焼室(14)へ
の導入ガス流が燃焼室(14)において相互に衝突するよう
に、位置及び向きを設定され、第1の対の掃気口(18)
は、第2の対の掃気口(19)より先に燃焼室(14)へ開口す
るように、設定されている。
【0019】第1の掃気口(18)は、燃焼室(14)への第2
の掃気口(19)からのガスAの導入に先立って、燃焼室(1
4)へガスBを導入すれば十分であり、掃気行程の全期間
にわたり、ガスBを燃焼室(14)へ導入し続けなくてもよ
い。すなわち、掃気口から排出口(16)へのガスの吹き抜
け率が低下する掃気行程の後期では、例えば、第2の掃
気口(19)と同様に、第1の掃気口(18)から燃焼室(14)へ
ガスAを導入するようになっていてもよい。
【0020】燃焼室(14)へ先に導入されるガスBは、第
1の掃気口(18)の対から燃焼室(14)へ導入されて、燃焼
室(14)内の燃焼済みガスを排出口(16)から掃気する。第
2の掃気口(19)の対からのガスAは、ガスBから遅れて
燃焼室(14)へ導入される。掃気初期において掃気口から
燃焼室(14)へ供給されるガスは、吹き抜けとなり易い。
そこで、第1の掃気口(18)が第2の掃気口(19)に先立っ
て燃焼室(14)へ開口し、燃料重量濃度の小さいガスとし
てのガスBがガスAより先に燃焼室(14)へ導入され、燃
焼室(14)内を掃気することにより、燃焼室(14)内の適切
な掃気を実施しつつ、吹き抜けガス中の燃料分の量を低
減して、排気系へのHC排出量を抑制できる。この2サ
イクルエンジン(10)では、最大値Pm≦142kPaの
条件により、燃焼室(14)におけるガスA,Bの混合は抑
制され、ガスAの燃料分が、吹き抜けガス中へ混入する
のを極力抑制できる。
【0021】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、第1の対の掃気口(18)からガスBが、また、第2の
対の掃気口(19)からガスAが、それぞれ燃焼室(14)へ導
入されるようにし、第1の対の掃気口(18)及び第2の対
の掃気口(19)は、同一対同士の掃気口から燃焼室(14)へ
の導入ガス流が燃焼室(14)において相互に衝突するよう
に、位置及び向きを設定され、第1の対の掃気口(18)か
ら燃焼室(14)へのガス流は、第2の対の掃気口(19)から
燃焼室(14)へのガス流に対して排出口(16)に近い側に生
成されるようになっている。
【0022】第1の掃気口(18)の対から燃焼室(14)へ導
入されたガスBは、相互に衝突して、反転渦となる。第
2の掃気口(19)からの対から燃焼室(14)へ導入されたガ
スAは、相互に衝突して、反転渦となる。ガスAの反転
渦は、その排出口(16)側にガスBの気流及び反転渦が存
在するので、排出口(16)の方への流れ、すなわち吹き抜
けガスとなるのを抑制される。さらに、この2サイクル
エンジン(10)では、最大値Pm≦142kPaの条件に
より、燃焼室(14)におけるガスA,Bの混合は抑制さ
れ、ガスAの燃料分が、吹き抜けガス中へ混入するのを
極力抑制できる。なお、この2サイクルエンジン(10)で
は、第1の対の掃気口(18)が第2の対の掃気口(19)と同
時に開口するようになっていてもよい。同時に開口する
ようにしても、第2の対の掃気口(19)からガスAが流れ
ても第1の対の掃気口(18)からのガスBのガス流が排出
口(16)側に存在し、ガスAは排出口(16)の方への流れを
抑制されて、吹き抜けガスは主にガスBになるからであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図1はシュニーレ方式2サイ
クルエンジン10の縦断面図である。図1では、ピストン
33はほぼ下死点にある。シュニーレ方式2サイクルエン
ジン10は例えば刈払機や背負動力散布機に装備される。
シリンダブロック11において、円柱空間12は、シリンダ
ブロック11の中心線に沿ってシリンダブロック11内を延
び、シリンダブロック11の下端面に開口している。頂部
凹所13は、円柱空間12の頂面に形成され、図示しない点
火プラグの放電電極を配置される。円柱空間12の内、ピ
ストン33より上側の部分、及び頂部凹所13は、燃焼室14
を形成する。吸入口15及び排出口16は、円柱空間12の周
方向へ第1の掃気口180°離れた位置で、円柱空間12の
高さ方向へは排出口16が吸入口15より少し高い位置とな
るように、シリンダブロック11の周壁に形成され、シリ
ンダブロック11の外部と円柱空間12内とを連通させてい
る。複数個の冷却フィン17は、シリンダブロック11の外
面の上半部においてシリンダブロック11の放射方向へ相
互に平行に外方へ張出している。第1の掃気口18及び第
2の掃気口19は、ピストン33が下死点へ近づくと、燃焼
室14へ開口する位置に形成される。カバー24はシリンダ
ブロック11の上部及び冷却フィン17を外側から覆う。ク
ランクケース27は、その上面をシリンダブロック11の下
面へ接合され、内部にクランク室28を画定する。クラン
ク室28は、第1の掃気口18及び第2の掃気口19へは常
時、連通しているとともに、ピストン33が上死点の方へ
接近すると、吸入口15へ連通する。クランク軸29はクラ
ンクケース27の両端壁に回転自在に軸支され、ピストン
33は、円柱空間12内へ摺動自在に嵌挿され、往復動によ
り燃焼室14の容積を増減する。コンロッド35は、小端部
においてピストン33へピストンピン36により回転自在に
結合し、大端部においてクランク軸29のクランクピン37
へ回転自在に結合している。
【0024】リリーフ弁60はクランクケース27の外部に
配設され、圧力逃がし孔61はクランクケース27の端壁に
穿設されている。リリーフ弁60は、大気開放ポート62を
備えるとともに、連通孔63介して圧力逃がし孔61へ接続
されており、クランクケース27の圧力Pが、142kP
a以上になると、開いて、クランク室28を大気空間へ連
通させ、クランク室28の最高圧Pmを142kPa以下
に保持する。なお、クランク室28の圧力が最高圧Pmに
なるのは、第1の掃気口18が燃焼室14へ開口開始する直
前である。
【0025】溝40は、ピストン33の周面の下端部に形成
され、周方向へは排出口16から第1の掃気口18までの範
囲に延びている。ピストン33の上死点を含む所定クラン
ク角範囲では、溝40は、両端をそれぞれ排出口16及び第
1の掃気口18へ臨ませ、排出口16及び第1の掃気口18を
相互に連通させる。
【0026】図2は第1の掃気口18及び第2の掃気口19
の高さにおけるシリンダブロック11の横断面図である。
シリンダブロック11の横断面において吸入口15及び排出
口16は、円柱空間12の円形横断面の同一直径上において
円柱空間12の横断面の中心46に対して相互に反対側に位
置しつつ、円柱空間12に開口している。第1の直線44
は、シリンダブロック11の横断面において吸入口15及び
排出口16の開口中心を結ぶ中心線と定義する。第2の直
線45は、中心46を通りかつ第1の直線44に対して直角な
直線と定義する。第1の掃気口18及び第2の掃気口19は
各1対ずつかつ第2の直線45に対してそれぞれ排出口16
側及び吸入口15側に配置されている。また、第1の掃気
口18同士、及び第2の掃気口19同士は、共に第1の直線
44に対して対称であるとともに、第1の掃気口18及び第
2の掃気口19共に吸入口15の方へ向けられている。
【0027】図3はピストン33を省略して図2の第1の
直線44を通る垂直面で切断したシリンダブロック11の断
面図、図4はピストン33を省略して両第1の掃気口18を
通る垂直面で切断したシリンダブロック11の断面図であ
る。第1の掃気口18及び第2の掃気口19は、開口が共に
横長長方形となっており、縦寸法は第1の掃気口18の方
が第2の掃気口19より大となっており、この結果、開口
面積は第1の掃気口18の方が第2の掃気口19より大とな
っている。第1の掃気口18及び第2の掃気口19の下辺の
高さは、相互にほぼ等しく、ほぼ排出口16の下端に一致
し、第1の掃気口18及び第2の掃気口19の上辺の高さは
第1の掃気口18の方が第2の掃気口19より少し高く、第
1の掃気口18の上辺の高さは排出口16の上端の高さより
少し低くなっている。また、第1の掃気口18及び第2の
掃気口19は、図4から分かるように、円柱空間12の垂直
方向への中心線に対して円柱空間12の頂部の方へ斜めに
傾斜した向きとなっており、第1の掃気口18及び第2の
掃気口19から燃焼室14へのガスの流入は円柱空間12の垂
直断面では円柱空間12の頂部の方へ向かう。
【0028】シュニーレ方式2サイクルエンジン10の作
用について説明する。以下、シュニーレ方式2サイクル
エンジン10の運転の位相はクランク軸29の回転角、すな
わちクランク角に換算して、説明する。
【0029】ピストン33がその下死点から上死点の方へ
移動する行程では、燃焼室14の容積が減少し、クランク
室28の容積が増大する。クランク角がC1になると、排
出口16はピストン33により閉じられ、燃料含有ガス(燃
料と空気との燃料含有ガス)は、燃焼室14に密封状態に
なって、圧縮される。さらに、クランク角がC2(C2
>C1)になると、吸入口15はクランク室28へ連通し、
燃焼室14における燃料含有ガスの圧縮に並行して、気化
器からの燃料−空気の燃料含有ガスは吸入口15を介して
クランク室28へ導入される。
【0030】ピストン33が上死点近くになると、点火プ
ラグの放電が起こり、燃焼室14内の燃料含有ガス中の燃
料は、着火されて、爆発し、ピストン33を下方へ駆動す
る。一方、ピストン33が上死点近辺において、ピストン
33の下端は排出口16及び第1の掃気口18の高さに達し、
溝40が排出口16及び第1の掃気口18を相互に連通する。
第1の掃気口18は、この時、吸気行程のクランク室28と
同圧状態にあり、低圧となっているので、排出口16の排
気ガスは溝40を介して第1の掃気口18へ導入され、第1
の掃気口18に所定量、充填される。
【0031】ピストン33が、上死点を越え、上死点から
下死点の方へ移動するのに伴い、クランク室28の容積は
減少し、吸気口15がピストン33により閉じられ、クラン
ク室28が密封状態になると、クランク室28の圧力(以
下、クランク室28の圧力を「圧力P」と言う。)は増大
する。圧力Pが所定値142kPa以上になると、リリ
ーフ弁60が開き、これにより、クランク室28内がリリー
フ弁60の大気開放ポート62へ連通して、クランク室28の
圧力が大気空間へ逃がされ、圧力Pの最大値Pmは14
2kPa以下に維持される。
【0032】クランク角がC3(C3>C2)になる
と、排出口16が燃焼室14へ開口し、燃焼室14において燃
料分が燃焼されたガスは、排気ガスとして排出口16から
マフラ(図示せず)へ排出される。さらに、クランク角
がC4(C4>C3)になると、第1の掃気口18が燃焼
室14へ開口開始する。これに伴い、第1の掃気口18に充
填されていた排気ガスが燃焼室14へ導入される。両第1
の掃気口18から燃焼室14内への排気ガスは、円柱空間12
の横断面において少し吸入口15の方へ向かって、燃焼室
14内へ流入し、第1の直線44上において相互に衝突し、
反転渦となって、今度は排出口16の方へ向かい、燃焼室
14を掃気して、燃焼室14内の燃焼済みガス(=燃料含有
ガスの中の燃料分の燃焼されて生成されたガス)を排出
口16から排出する。両第1の掃気口18から燃焼室14の排
気ガスの大部は、吹き抜けガスとして、燃焼済みガスと
共に排出口16から排出される。クランク角がC5(C5
>C4)になると、第2の掃気口19が、燃焼室14へ開口
開始し、今度は、クランク室28内の燃料含有ガスが、両
第2の掃気口19から燃焼室14内へ円柱空間12の横断面に
おいて少し吸入口15の方へ向かって、燃焼室14内へ流入
し、ほぼ第1の直線44上で相互に衝突し、反転渦とな
る。この燃料含有ガスの反転渦は、その排出口16側に第
1の掃気口18からの排気ガスの気流及び相互衝突部が存
在し、排出口16の方への移動を抑制されるので、ガスA
内の燃料分が排出口16へ吹き抜けるのが抑制される。ま
た、前述したように、クランク室28の圧力Pの最大値P
mが142kPa以下に維持されて、第1の掃気口18及
び第2の掃気口19から燃焼室14へ導入される結果、第1
の掃気口18及び第2の掃気口19からの導入ガスの燃焼室
14内で混合が抑制されるので、ガスA内の燃料分が、吹
き抜けガスに混入して、排出口16へ排出されるのが抑制
される。
【0033】このように、(a)燃焼室14を掃気して、
吹き抜けるガスを、燃料重量濃度の小さい方のガスとし
ての、燃焼室14へ先に開口する第1の掃気口18からの排
気ガスとすること、(b)1対の第1の掃気口18からの
排気ガスは、1対の第2の掃気口19からの燃料含有ガス
に対して排出口16側に気流及び衝突部を生成し、1対の
第2の掃気口19からの燃料重量濃度の大きい方のガスと
しての燃料含有ガスの吹き抜けを阻止すること、及び
(c)クランク室28の圧力Pの最大値Pmを142kP
a以下に維持して、燃焼室14における第1の掃気口18及
び第2の掃気口19からの導入ガスA,Bの混合を抑制す
ることの(a)〜(c)により、排気系へ吹き抜ける燃
料分を抑制して、排気中のHCを大幅に低減できる。
【0034】図8はシュニーレ方式2サイクルエンジン
10における排気ガス中のHC量の低減を示す図である。
縦軸の排気中のHC重量濃度比Rとは、Pm=152k
Paのときの排気中のHCの重量濃度D1とし、クラン
ク室28の各最大圧における排気中のHCの重量濃度をD
とすると、R=D/D1である。図8からPmが152
kPaから142kPaへ減少するに連れて、排気中の
HC重量濃度比Rは漸減し、Pm=142kPaでは、
排気中のHC重量濃度が、Pm=152kPaのときに
比し、約16(=100−84)%低下することが分か
る。そして、Pm≦142kPaの範囲では、Pmをさ
らに減少しても、排気中のHC重量濃度比Rはほぼ一定
となることが分かる。Pmが減少するのに連れて、クラ
ンク室28から燃焼室14への燃料含有ガスの導入速度が低
下すると言う問題もあるので、また、Pm≦142kP
aでは、Pmを減少させても、HCの低減効果はほとん
ど向上しないので、Pmの下限は132kPaとする。
すなわち、リリーフ弁60がクランク室28の圧力に対して
開く圧力は、142kPa〜132kPaの範囲内の所
定値に設定され、これにより、クランク室28の最大圧力
Pmは142kPa≧Pm≧132kPaとなる。
【0035】図5は第1の掃気口18から燃焼室14へ導入
するガスとして排気ガスの代わりに大気を使用するシュ
ニーレ方式2サイクルエンジン10の要部構造図である。
逆止弁51は、シリンダブロック11の外部としての大気空
間側から第1の掃気口18の上端部への一方向のガスの流
れを許容し、その逆方向へのガスの流れは阻止する。シ
ュニーレ方式2サイクルエンジン10の吸気行程では、ク
ランク室28内が負圧となり、この負圧期間において、大
気空間の大気がフィルタ52及び逆止弁51を介して第1の
掃気口18へ流入する。なお、この第1の掃気口18への大
気の流入量は、クランク室28が正圧に近づいて吸入口15
からクランク室28への燃料含有ガスの流入に支障を来た
さない程度の量とされる。この結果、次の掃気行程で
は、第1の掃気口18の大気が第1の掃気口18から燃焼室
14へ導入され、燃焼室14内を掃気し、吹き抜けガスとな
り、これにより、第2の掃気口19から燃焼室14へ導入さ
れる燃料分が、吹き抜けガスに含まれて、未燃のまま排
気系へ導出されるのを防止する。
【0036】図6は第1の掃気口18から燃焼室14へ導入
するガスとして不活性ガスを使用するシュニーレ方式2
サイクルエンジン10の要部構造図である。ガスボンベ55
は、例えばHe、Ar、Ne等の不活性ガスを加圧状態
で充填され、制御弁56を介して第1の掃気口18の上端部
へ連通している。制御弁56は、クランク軸29に同期して
開閉し、シュニーレ方式2サイクルエンジン10の吸入行
程後期では開位置になり、ガスボンベ55内の不活性ガス
が第1の掃気口18へ導入され、第1の掃気口18に所定
量、充填する。この結果、次の掃気行程では、第1の掃
気口18の不活性ガスが第1の掃気口18から燃焼室14へ導
入され、燃焼室14内を掃気し、吹き抜けガスとなり、こ
れにより、第2の掃気口19から燃焼室14へ導入される燃
料分が、吹き抜けガスに含まれて、未燃のまま排気系へ
導出されるのを防止する。
【0037】図6では、不活性ガスを充填されたガスボ
ンベ55が使用されるが、ガスボンベ55の代わりに、加圧
空気を貯留するエアタンクを利用することも可能であ
る。加圧空気は、所定のポンプにより生成して、エアタ
ンクへ適宜、補給することとし、これにより、ガスボン
ベ55の交換やガスボンベ55へのガスの詰め替えを省略で
きる。
【0038】図7は図1のリリーフ弁60に代えてクラン
ク室28の最大圧力を制御する構造を示す図である。クラ
ンクケース27の半径寸法が、図1のものに比して増大さ
せ、クランク室28の容積を約150%増大させて、最大
圧力142kPa≧Pm≧132kPaを実現してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シュニーレ方式2サイクルエンジンの縦断面図
である。
【図2】第1の掃気口及び第2の掃気口の高さにおける
シリンダブロックの横断面図である。
【図3】ピストンを省略して図2の第1の直線を通る垂
直面で切断したシリンダブロックの断面図である。
【図4】ピストンを省略して両第1の掃気口を通る垂直
面で切断したシリンダブロックの断面図である。
【図5】第1の掃気口から燃焼室へ導入するガスとして
排気ガスの代わりに大気を使用するシュニーレ方式2サ
イクルエンジンの要部構造図である。
【図6】第1の掃気口から燃焼室へ導入するガスとして
不活性ガスを使用するシュニーレ方式2サイクルエンジ
ンの要部構造図である。
【図7】図1のリリーフ弁に代えてクランク室の最大圧
力を制御する構造を示す図である。
【図8】シュニーレ方式2サイクルエンジンにおける排
気ガス中のHC量の低減を示す図である。
【符号の説明】
10 シュニーレ方式2サイクルエンジン(2サイク
ルエンジン) 11 シリンダブロック(シリンダ) 14 燃焼室 15 吸入口 16 排出口 18 第1の掃気口(掃気口) 19 第2の掃気口(掃気口) 28 クランク室 33 ビストン 60 リリーフ弁(開放弁)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月15日(1999.12.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 2サイクルエンジン
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば刈払機や
背負動力散布機等に装備される2サイクルエンジンに係
り、詳しくはTHC(Total Hydro Car
bon:総炭化水素量)の低減を実現する2サイクルエ
ンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】刈払機や背負動力散布機に装備される2
サイクルエンジンでは、クランク室内の燃料及び空気の
燃料含有ガスが、掃気行程時に掃気口より燃焼室へ導入
され、燃焼室を掃気しつつ、燃焼室に充填されるように
なっている。従来の2サイクルエンジンの設計傾向は、
短時間で掃気を行うために、クランク室の圧力をなるべ
く増大するものになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の2サイクルエン
ジンでは、掃気口より燃焼室へ導入された燃料含有ガス
が、燃焼室へ留まらず、そのまま、排出口へ抜け出る吹
き抜けがあり、その吹き抜けた燃料含有ガス中の燃料分
が、排気ガスと共に大気中へ放出され、大気汚染の原因
になっている。
【0004】燃料含有ガス自体の燃料重量濃度を小さく
すると、吹き抜けガスとして排気系へ導出される燃料分
は低下するが、燃焼室に残留する燃料含有ガスの燃料重
量濃度も低下し、2サイクルエンジンの出力が低下して
しまう。これを克服するために、燃料重量濃度の小さい
ガスBを先に燃焼室へ導入し、燃料重量濃度の大きいガ
スAを後から燃焼室へ導入して、燃焼室に残留するガス
は主にAに、又は排出口へ吹き抜けてしまうガスは主に
Bになるようにする方策が考えられるが、燃焼室におい
てガスA,Bが混合してしまうと、ガスA,Bに分けて
燃焼室へ導入する効果が低下してしまう。
【0005】この発明の目的は、吹き抜けガス中の燃料
分を効果的に低減できる2サイクルエンジンを提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の2サイクルエ
ンジン(10)によれば、吸入口(15)、掃気口(18,19)、及
び排出口(16)が、シリンダ(11)内を往復動するピストン
(33)によりシリンダ(11)内への開口時期を制御され、燃
焼室(14)及びクランク室(28)が、ピストン(33)の両側に
それぞれ設けられ、かつピストン(33)の往復動により容
積を増減され、燃料含有ガスが吸入口(15)からクランク
室(28)へ導入され、クランク室(28)内の燃料含有ガスが
掃気通路を経て掃気口(18,19)から燃焼室(14)へ導入さ
れ、燃焼室(14)における燃料含有ガスの燃料分の燃焼に
より生じたガスは排気ガスとして排出口(16)から排出さ
れるようになっている。この2サイクルエンジン(10)に
おいて、燃料重量濃度の大きい及び小さいガスをそれぞ
れガスA及びガスBとし、ガスA及びガスBを掃気口(1
8,19)から燃焼室(14)へ導入するに当たり、ガスBをガ
スAより先に導入することにより、又はガスBをガスA
より排出口(16)に近い方から燃焼室(14)へ導入すること
により、吹き抜けガスが主にガスBからなるようにし、
クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kPa以
下になるように設定されている。なお、1kPa=10
00Paである。
【0007】ガスの燃料重量濃度Gとは、燃料の重量G
1、及びその燃料を含むガスの重量をG2とそれぞれ定
義するとき、G=G1/(G1+G2)で定義する。2
サイクルエンジン(10)には、特にシュニーレ方式2サイ
クルエンジンを含む。シュニーレ方式2サイクルエンジ
ンとは、激突反転型とも言われ、燃焼室(14)の横断面に
おいて対称位置に設けられた1対の掃気口から燃焼室(1
4)内へ導入されたガス流が相互に衝突し、反転渦となる
2サイクルエンジンである。
【0008】1個のシリンダ(11)における掃気口の合計
個数は、通常は複数個、好ましくは偶数個(複数対の場
合の偶数個を含む。)であるが、奇数個や1個でも可と
する。
【0009】ガスBは、燃料分の含有量が0であるガス
を含む。ガスAは、例えば吸入行程時に吸入口(15)を介
して気化器からクランク室(28)へ導入されたガス(以
下、このガスを「ガスC」と言う。)が掃気口(18)へ導
かれたものであるが、ガスCそのものでなくてもよく、
例えば排気中のHCを低減するために、ガスCに排気ガ
スや外気(=空気)や不活性ガス(例:窒素、Ne、及
びHe等)を適当に混合したもの(ただし、ガスBより
は燃料重量濃度が大であるもの。)であってもよい。
【0010】Pmがあまりに小さくなると、クランク室
(28)から燃焼室(14)へのガスの導入に支障が生じる。P
mの下限は好ましくは132kPa以上とする。
【0011】ガスA及びガスBを前記掃気口(18,19)か
ら前記燃焼室(14)へ導入するに当たり、ガスBをガスA
より先に導入することにより、又はガスBをガスAより
前記排出口(16)に近い方から前記燃焼室(14)へ導入する
ことにより、吹き抜けガスを主にガスBとなる。これに
より、排気系への燃料分の排出量を抑制できる。一方、
ガスA,Bが燃焼室(14)において混合し、ガスA中の燃
料分が吹き抜けガスに取り込まれ、排気系への燃料分の
排出量が増大してしまうことが考えられる。この2サイ
クルエンジン(10)では、圧力Pmは142kPa以下に
設定されるので、燃焼室(14)におけるガスA,Bの混合
は抑制され、ガスAの燃料分が、ガスBへ混入して、排
出口(16)へ吹き抜けるのを適切に抑制できる。
【0012】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kP
a以下になる設定は、クランク室(28)の圧力Pが142
kPa以上になると、クランク室(28)を大気空間へ連通
させる開放弁(60)により、実現するようにしている。
【0013】燃料重量濃度は、クランク室(28)の圧力が
142kPa以上になると、開いて、クランク室(28)を
大気空間へ連通させ、これにより、クランク室(28)の圧
力の最大値Pmは142kPa以下に保持される。
【0014】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kP
a以下になる設定は、クランク室(28)の容積の設定によ
り、実現するようにしている。
【0015】クランク室(28)の容積が増大する程、最大
値Pmは減少する。クランク室(28)の容積を適当に増大
させることにより、最大値Pmが142kPa以下にな
るように、設定できる。
【0016】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、ガスA及びガスBは、同一の掃気口から燃焼室(14)
へ導入することとされ、その掃気口から先にガスBが、
その後にガスAが燃焼室(14)へ導入されるようになって
いる。
【0017】同一の掃気口(18,19)から時間差を付け
て、ガスA,Bを燃焼室(14)へ導入することにより、ガ
スA,Bを、相互に分離して、燃焼室(14)へ導入できる
とともに、Pm≦142kPaの条件により、燃焼室(1
4)におけるガスA,Bの良好な分離を保持できる。
【0018】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、第1の対の掃気口(18)からガスBが、また、第2の
対の掃気口(19)からガスAが、それぞれ燃焼室(14)へ導
入されるようにし、第1の対の掃気口(18)及び第2の対
の掃気口(19)は、同一対同士の掃気口から燃焼室(14)へ
の導入ガス流が燃焼室(14)において相互に衝突するよう
に、位置及び向きを設定され、第1の対の掃気口(18)
は、第2の対の掃気口(19)より先に燃焼室(14)へ開口す
るように、設定されている。
【0019】第1の掃気口(18)は、燃焼室(14)への第2
の掃気口(19)からのガスAの導入に先立って、燃焼室(1
4)へガスBを導入すれば十分であり、掃気行程の全期間
にわたり、ガスBを燃焼室(14)へ導入し続けなくてもよ
い。すなわち、掃気口から排出口(16)へのガスの吹き抜
け率が低下する掃気行程の後期では、例えば、第2の掃
気口(19)と同様に、第1の掃気口(18)から燃焼室(14)へ
ガスAを導入するようになっていてもよい。
【0020】燃焼室(14)へ先に導入されるガスBは、第
1の掃気口(18)の対から燃焼室(14)へ導入されて、燃焼
室(14)内の燃焼済みガスを排出口(16)から掃気する。第
2の掃気口(19)の対からのガスAは、ガスBから遅れて
燃焼室(14)へ導入される。掃気初期において掃気口から
燃焼室(14)へ供給されるガスは、吹き抜けとなり易い。
そこで、第1の掃気口(18)が第2の掃気口(19)に先立っ
て燃焼室(14)へ開口し、燃料重量濃度の小さいガスとし
てのガスBがガスAより先に燃焼室(14)へ導入され、燃
焼室(14)内を掃気することにより、燃焼室(14)内の適切
な掃気を実施しつつ、吹き抜けガス中の燃料分の量を低
減して、排気系へのHC排出量を抑制できる。この2サ
イクルエンジン(10)では、最大値Pm≦142kPaの
条件により、燃焼室(14)におけるガスA,Bの混合は抑
制され、ガスAの燃料分が、吹き抜けガス中へ混入する
のを極力抑制できる。
【0021】この発明の2サイクルエンジン(10)によれ
ば、第1の対の掃気口(18)からガスBが、また、第2の
対の掃気口(19)からガスAが、それぞれ燃焼室(14)へ導
入されるようにし、第1の対の掃気口(18)及び第2の対
の掃気口(19)は、同一対同士の掃気口から燃焼室(14)へ
の導入ガス流が燃焼室(14)において相互に衝突するよう
に、位置及び向きを設定され、第1の対の掃気口(18)か
ら燃焼室(14)へのガス流は、第2の対の掃気口(19)から
燃焼室(14)へのガス流に対して排出口(16)に近い側に生
成されるようになっている。
【0022】第1の掃気口(18)の対から燃焼室(14)へ導
入されたガスBは、相互に衝突して、反転渦となる。第
2の掃気口(19)からの対から燃焼室(14)へ導入されたガ
スAは、相互に衝突して、反転渦となる。ガスAの反転
渦は、その排出口(16)側にガスBの気流及び反転渦が存
在するので、排出口(16)の方への流れ、すなわち吹き抜
けガスとなるのを抑制される。さらに、この2サイクル
エンジン(10)では、最大値Pm≦142kPaの条件に
より、燃焼室(14)におけるガスA,Bの混合は抑制さ
れ、ガスAの燃料分が、吹き抜けガス中へ混入するのを
極力抑制できる。なお、この2サイクルエンジン(10)で
は、第1の対の掃気口(18)が第2の対の掃気口(19)と同
時に開口するようになっていてもよい。同時に開口する
ようにしても、第2の対の掃気口(19)からガスAが流れ
ても第1の対の掃気口(18)からのガスBのガス流が排出
口(16)側に存在し、ガスAは排出口(16)の方への流れを
抑制されて、吹き抜けガスは主にガスBになるからであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図1はシュニーレ方式2サイ
クルエンジン10の縦断面図である。図1では、ピストン
33はほぼ下死点にある。シュニーレ方式2サイクルエン
ジン10は例えば刈払機や背負動力散布機に装備される。
シリンダブロック11において、円柱空間12は、シリンダ
ブロック11の中心線に沿ってシリンダブロック11内を延
び、シリンダブロック11の下端面に開口している。頂部
凹所13は、円柱空間12の頂面に形成され、図示しない点
火プラグの放電電極を配置される。円柱空間12の内、ピ
ストン33より上側の部分、及び頂部凹所13は、燃焼室14
を形成する。吸入口15及び排出口16は、円柱空間12の周
方向へ180°離れた位置で、円柱空間12の高さ方向へ
は排出口16が吸入口15より少し高い位置となるように、
シリンダブロック11の周壁に形成され、シリンダブロッ
ク11の外部と円柱空間12内とを連通させている。複数個
の冷却フィン17は、シリンダブロック11の外面の上半部
においてシリンダブロック11の放射方向へ相互に平行に
外方へ張出している。第1の掃気口18及び第2の掃気口
19は、ピストン33が下死点へ近づくと、燃焼室14へ開口
する位置に形成される。カバー24はシリンダブロック11
の上部及び冷却フィン17を外側から覆う。クランクケー
ス27は、その上面をシリンダブロック11の下面へ接合さ
れ、内部にクランク室28を画定する。クランク室28は、
第1の掃気口18及び第2の掃気口19へは常時、連通して
いるとともに、ピストン33が上死点の方へ接近すると、
吸入口15へ連通する。クランク軸29はクランクケース27
の両端壁に回転自在に軸支され、ピストン33は、円柱空
間12内へ摺動自在に嵌挿され、往復動により燃焼室14の
容積を増減する。コンロッド35は、小端部においてピス
トン33へピストンピン36により回転自在に結合し、大端
部においてクランク軸29のクランクピン37へ回転自在に
結合している。
【0024】リリーフ弁60はクランクケース27の外部に
配設され、圧力逃がし孔61はクランクケース27の端壁に
穿設されている。リリーフ弁60は、大気開放ポート62を
備えるとともに、連通孔63介して圧力逃がし孔61へ接続
されており、クランクケース27の圧力Pが、142kP
a以上になると、開いて、クランク室28を大気空間へ連
通させ、クランク室28の最高圧Pmを142kPa以下
に保持する。なお、クランク室28の圧力が最高圧Pmに
なるのは、第1の掃気口18が燃焼室14へ開口開始する直
前である。
【0025】溝40は、ピストン33の周面の下端部に形成
され、周方向へは排出口16から第1の掃気口18までの範
囲に延びている。ピストン33の上死点を含む所定クラン
ク角範囲では、溝40は、両端をそれぞれ排出口16及び第
1の掃気口18へ臨ませ、排出口16及び第1の掃気口18を
相互に連通させる。
【0026】図2は第1の掃気口18及び第2の掃気口19
の高さにおけるシリンダブロック11の横断面図である。
シリンダブロック11の横断面において吸入口15及び排出
口16は、円柱空間12の円形横断面の同一直径上において
円柱空間12の横断面の中心46に対して相互に反対側に位
置しつつ、円柱空間12に開口している。第1の直線44
は、シリンダブロック11の横断面において吸入口15及び
排出口16の開口中心を結ぶ中心線と定義する。第2の直
線45は、中心46を通りかつ第1の直線44に対して直角な
直線と定義する。第1の掃気口18及び第2の掃気口19は
各1対ずつかつ第2の直線45に対してそれぞれ排出口16
側及び吸入口15側に配置されている。また、第1の掃気
口18同士、及び第2の掃気口19同士は、共に第1の直線
44に対して対称であるとともに、第1の掃気口18及び第
2の掃気口19共に吸入口15の方へ向けられている。
【0027】図3はピストン33を省略して図2の第1の
直線44を通る垂直面で切断したシリンダブロック11の断
面図、図4はピストン33を省略して両第1の掃気口18を
通る垂直面で切断したシリンダブロック11の断面図であ
る。第1の掃気口18及び第2の掃気口19は、開口が共に
横長長方形となっており、縦寸法は第1の掃気口18の方
が第2の掃気口19より大となっており、この結果、開口
面積は第1の掃気口18の方が第2の掃気口19より大とな
っている。第1の掃気口18及び第2の掃気口19の下辺の
高さは、相互にほぼ等しく、ほぼ排出口16の下端に一致
し、第1の掃気口18及び第2の掃気口19の上辺の高さは
第1の掃気口18の方が第2の掃気口19より少し高く、第
1の掃気口18の上辺の高さは排出口16の上端の高さより
少し低くなっている。また、第1の掃気口18及び第2の
掃気口19は、図4から分かるように、円柱空間12の垂直
方向への中心線に対して円柱空間12の頂部の方へ斜めに
傾斜した向きとなっており、第1の掃気口18及び第2の
掃気口19から燃焼室14へのガスの流入は円柱空間12の垂
直断面では円柱空間12の頂部の方へ向かう。
【0028】シュニーレ方式2サイクルエンジン10の作
用について説明する。以下、シュニーレ方式2サイクル
エンジン10の運転の位相はクランク軸29の回転角、すな
わちクランク角に換算して、説明する。
【0029】ピストン33がその下死点から上死点の方へ
移動する行程では、燃焼室14の容積が減少し、クランク
室28の容積が増大する。クランク角がC1になると、排
出口16はピストン33により閉じられ、燃料含有ガス(燃
料と空気との燃料含有ガス)は、燃焼室14に密封状態に
なって、圧縮される。さらに、クランク角がC2(C2
>C1)になると、吸入口15はクランク室28へ連通し、
燃焼室14における燃料含有ガスの圧縮に並行して、気化
器からの燃料−空気の燃料含有ガスは吸入口15を介して
クランク室28へ導入される。
【0030】ピストン33が上死点近くになると、点火プ
ラグの放電が起こり、燃焼室14内の燃料含有ガス中の燃
料は、着火されて、爆発し、ピストン33を下方へ駆動す
る。一方、ピストン33が上死点近辺において、ピストン
33の下端は排出口16及び第1の掃気口18の高さに達し、
溝40が排出口16及び第1の掃気口18を相互に連通する。
第1の掃気口18は、この時、吸気行程のクランク室28と
同圧状態にあり、低圧となっているので、排出口16の排
気ガスは溝40を介して第1の掃気口18へ導入され、第1
の掃気口18に所定量、充填される。
【0031】ピストン33が、上死点を越え、上死点から
下死点の方へ移動するのに伴い、クランク室28の容積は
減少し、吸気口15がピストン33により閉じられ、クラン
ク室28が密封状態になると、クランク室28の圧力(以
下、クランク室28の圧力を「圧力P」と言う。)は増大
する。圧力Pが所定値142kPa以上になると、リリ
ーフ弁60が開き、これにより、クランク室28内がリリー
フ弁60の大気開放ポート62へ連通して、クランク室28の
圧力が大気空間へ逃がされ、圧力Pの最大値Pmは14
2kPa以下に維持される。
【0032】クランク角がC3(C3>C2)になる
と、排出口16が燃焼室14へ開口し、燃焼室14において燃
料分が燃焼されたガスは、排気ガスとして排出口16から
マフラ(図示せず)へ排出される。さらに、クランク角
がC4(C4>C3)になると、第1の掃気口18が燃焼
室14へ開口開始する。これに伴い、第1の掃気口18に充
填されていた排気ガスが燃焼室14へ導入される。両第1
の掃気口18から燃焼室14内への排気ガスは、円柱空間12
の横断面において少し吸入口15の方へ向かって、燃焼室
14内へ流入し、第1の直線44上において相互に衝突し、
反転渦となって、今度は排出口16の方へ向かい、燃焼室
14を掃気して、燃焼室14内の燃焼済みガス(=燃料含有
ガスの中の燃料分の燃焼されて生成されたガス)を排出
口16から排出する。両第1の掃気口18から燃焼室14の排
気ガスの大部は、吹き抜けガスとして、燃焼済みガスと
共に排出口16から排出される。クランク角がC5(C5
>C4)になると、第2の掃気口19が、燃焼室14へ開口
開始し、今度は、クランク室28内の燃料含有ガスが、両
第2の掃気口19から燃焼室14内へ円柱空間12の横断面に
おいて少し吸入口15の方へ向かって、燃焼室14内へ流入
し、ほぼ第1の直線44上で相互に衝突し、反転渦とな
る。この燃料含有ガスの反転渦は、その排出口16側に第
1の掃気口18からの排気ガスの気流及び相互衝突部が存
在し、排出口16の方への移動を抑制されるので、ガスA
内の燃料分が排出口16へ吹き抜けるのが抑制される。ま
た、前述したように、クランク室28の圧力Pの最大値P
mが142kPa以下に維持されて、第1の掃気口18及
び第2の掃気口19から燃焼室14へ導入される結果、第1
の掃気口18及び第2の掃気口19からの導入ガスの燃焼室
14内で混合が抑制されるので、ガスA内の燃料分が、吹
き抜けガスに混入して、排出口16へ排出されるのが抑制
される。
【0033】このように、(a)燃焼室14を掃気して、
吹き抜けるガスを、燃料重量濃度の小さい方のガスとし
ての、燃焼室14へ先に開口する第1の掃気口18からの排
気ガスとすること、(b)1対の第1の掃気口18からの
排気ガスは、1対の第2の掃気口19からの燃料含有ガス
に対して排出口16側に気流及び衝突部を生成し、1対の
第2の掃気口19からの燃料重量濃度の大きい方のガスと
しての燃料含有ガスの吹き抜けを阻止すること、及び
(c)クランク室28の圧力Pの最大値Pmを142kP
a以下に維持して、燃焼室14における第1の掃気口18及
び第2の掃気口19からの導入ガスA,Bの混合を抑制す
ることの(a)〜(c)により、排気系へ吹き抜ける燃
料分を抑制して、排気中のHCを大幅に低減できる。
【0034】図8はシュニーレ方式2サイクルエンジン
10における排気ガス中のHC量の低減を示す図である。
縦軸の排気中のHC重量濃度比Rとは、Pm=152k
Paのときの排気中のHCの重量濃度D1とし、クラン
ク室28の各最大圧における排気中のHCの重量濃度をD
とすると、R=D/D1である。図8からPmが152
kPaから142kPaへ減少するに連れて、排気中の
HC重量濃度比Rは漸減し、Pm=142kPaでは、
排気中のHC重量濃度が、Pm=152kPaのときに
比し、約16(=100−84)%低下することが分か
る。そして、Pm≦142kPaの範囲では、Pmをさ
らに減少しても、排気中のHC重量濃度比Rはほぼ一定
となることが分かる。Pmが減少するのに連れて、クラ
ンク室28から燃焼室14への燃料含有ガスの導入速度が低
下すると言う問題もあるので、また、Pm≦142kP
aでは、Pmを減少させても、HCの低減効果はほとん
ど向上しないので、Pmの下限は132kPaとする。
すなわち、リリーフ弁60がクランク室28の圧力に対して
開く圧力は、142kPa〜132kPaの範囲内の所
定値に設定され、これにより、クランク室28の最大圧力
Pmは142kPa≧Pm≧132kPaとなる。
【0035】図5は第1の掃気口18から燃焼室14へ導入
するガスとして排気ガスの代わりに大気を使用するシュ
ニーレ方式2サイクルエンジン10の要部構造図である。
逆止弁51は、シリンダブロック11の外部としての大気空
間側から第1の掃気口18の上端部への一方向のガスの流
れを許容し、その逆方向へのガスの流れは阻止する。シ
ュニーレ方式2サイクルエンジン10の吸気行程では、ク
ランク室28内が負圧となり、この負圧期間において、大
気空間の大気がフィルタ52及び逆止弁51を介して第1の
掃気口18へ流入する。なお、この第1の掃気口18への大
気の流入量は、クランク室28が正圧に近づいて吸入口15
からクランク室28への燃料含有ガスの流入に支障を来た
さない程度の量とされる。この結果、次の掃気行程で
は、第1の掃気口18の大気が第1の掃気口18から燃焼室
14へ導入され、燃焼室14内を掃気し、吹き抜けガスとな
り、これにより、第2の掃気口19から燃焼室14へ導入さ
れる燃料分が、吹き抜けガスに含まれて、未燃のまま排
気系へ導出されるのを防止する。
【0036】図6は第1の掃気口18から燃焼室14へ導入
するガスとして不活性ガスを使用するシュニーレ方式2
サイクルエンジン10の要部構造図である。ガスボンベ55
は、例えばHe、Ar、Ne等の不活性ガスを加圧状態
で充填され、制御弁56を介して第1の掃気口18の上端部
へ連通している。制御弁56は、クランク軸29に同期して
開閉し、シュニーレ方式2サイクルエンジン10の吸入行
程後期では開位置になり、ガスボンベ55内の不活性ガス
が第1の掃気口18へ導入され、第1の掃気口18に所定
量、充填する。この結果、次の掃気行程では、第1の掃
気口18の不活性ガスが第1の掃気口18から燃焼室14へ導
入され、燃焼室14内を掃気し、吹き抜けガスとなり、こ
れにより、第2の掃気口19から燃焼室14へ導入される燃
料分が、吹き抜けガスに含まれて、未燃のまま排気系へ
導出されるのを防止する。
【0037】図6では、不活性ガスを充填されたガスボ
ンベ55が使用されるが、ガスボンベ55の代わりに、加圧
空気を貯留するエアタンクを利用することも可能であ
る。加圧空気は、所定のポンプにより生成して、エアタ
ンクへ適宜、補給することとし、これにより、ガスボン
ベ55の交換やガスボンベ55へのガスの詰め替えを省略で
きる。
【0038】図7は図1のリリーフ弁60に代えてクラン
ク室28の最大圧力を制御する構造を示す図である。クラ
ンクケース27の半径寸法が、図1のものに比して増大さ
せ、クランク室28の容積を約150%増大させて、最大
圧力142kPa≧Pm≧132kPaを実現してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シュニーレ方式2サイクルエンジンの縦断面図
である。
【図2】第1の掃気口及び第2の掃気口の高さにおける
シリンダブロックの横断面図である。
【図3】ピストンを省略して図2の第1の直線を通る垂
直面で切断したシリンダブロックの断面図である。
【図4】ピストンを省略して両第1の掃気口を通る垂直
面で切断したシリンダブロックの断面図である。
【図5】第1の掃気口から燃焼室へ導入するガスとして
排気ガスの代わりに大気を使用するシュニーレ方式2サ
イクルエンジンの要部構造図である。
【図6】第1の掃気口から燃焼室へ導入するガスとして
不活性ガスを使用するシュニーレ方式2サイクルエンジ
ンの要部構造図である。
【図7】図1のリリーフ弁に代えてクランク室の最大圧
力を制御する構造を示す図である。
【図8】シュニーレ方式2サイクルエンジンにおける排
気ガス中のHC量の低減を示す図である。
【符号の説明】 10 シュニーレ方式2サイクルエンジン(2サイク
ルエンジン) 11 シリンダブロック(シリンダ) 14 燃焼室 15 吸入口 16 排出口 18 第1の掃気口(掃気口) 19 第2の掃気口(掃気口) 28 クランク室 33 ビストン 60 リリーフ弁(開放弁)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入口(15)、掃気口(18,19)、及び排出
    口(16)が、シリンダ(11)内を往復動するピストン(23)に
    よりシリンダ(11)内への開口時期を制御され、 燃焼室(14)及びクランク室(28)が、前記ピストン(23)の
    両側にそれぞれ設けられ、かつ前記ピストン(23)の往復
    動により容積を増減され、 燃料含有ガスが前記吸入口(15)からクランク室(28)へ導
    入され、 前記クランク室(28)内の燃料含有ガスが前記掃気通路を
    経て前記掃気口(18,19)から前記燃焼室(14)へ導入さ
    れ、 前記燃焼室(14)における燃料含有ガスの燃料分の燃焼に
    より生じたガスは排気ガスとして前記排出口(16)から排
    出されるようになっている2サイクルエンジン(10)にお
    いて、 燃料重量濃度の大きい及び小さいガスをそれぞれガスA
    及びガスBとし、 ガスA及びガスBを前記掃気口(18,19)から前記燃焼室
    (14)へ導入するに当たり、ガスBをガスAより先に導入
    することにより、又はガスBをガスAより前記排出口(1
    6)に近い方から前記燃焼室(14)へ導入することにより、
    吹き抜けガスが主にガスBからなるようにし、 前記クランク室(28)の圧力Pの最大値Pmが142kP
    a以下になるように設定されていることを特徴とする2
    サイクルエンジン。
  2. 【請求項2】 前記クランク室(28)の圧力Pの最大値P
    mが142kPa以下になる設定は、クランク室(28)の
    圧力Pが142kPa以上になると、前記クランク室(2
    8)を大気空間へ連通させる開放弁(60)により、実現する
    ようにしていることを特徴とする請求項1記載の2サイ
    クルエンジン。
  3. 【請求項3】 前記クランク室(28)の圧力Pの最大値P
    mが142kPa以下になる設定は、前記クランク室(2
    8)の容積の設定により、実現するようにしていることを
    特徴とする請求項1記載の2サイクルエンジン。開放す
    る解放して
  4. 【請求項4】 ガスA及びガスBは、同一の掃気口から
    前記燃焼室(14)へ導入することとされ、その掃気口から
    先にガスBが、その後にガスAが前記燃焼室(14)へ導入
    されるようになっていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の2サイクルエンジン。
  5. 【請求項5】 第1の対の掃気口(18)からガスBが、ま
    た、第2の対の掃気口(19)からガスAが、それぞれ前記
    燃焼室(14)へ導入されるようにし、第1の対の掃気口(1
    8)及び第2の対の掃気口(19)は、同一対同士の掃気口か
    ら前記燃焼室(14)への導入ガス流が前記燃焼室(14)にお
    いて相互に衝突するように、位置及び向きを設定され、
    第1の対の掃気口(18)は、第2の対の掃気口(19)より先
    に前記燃焼室(14)へ開口するように、設定されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2サイ
    クルエンジン。
  6. 【請求項6】 第1の対の掃気口(18)からガスBが、ま
    た、第2の対の掃気口(19)からガスAが、それぞれ前記
    燃焼室(14)へ導入されるようにし、第1の対の掃気口(1
    8)及び第2の対の掃気口(19)は、同一対同士の掃気口か
    ら前記燃焼室(14)への導入ガス流が前記燃焼室(14)にお
    いて相互に衝突するように、位置及び向きを設定され、
    第1の対の掃気口(18)から前記燃焼室(14)へのガス流
    は、第2の対の掃気口(19)から前記燃焼室(14)へのガス
    流に対して前記排出口(16)に近い側に生成されるように
    なっていることを特徴とする請求項1,2,3、又は5
    記載の2サイクルエンジン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7066119B2 (en) 2004-02-19 2006-06-27 Maruyama Mfg. Co., Inc. Two-stroke engine
CN102797549A (zh) * 2012-04-06 2012-11-28 天津内燃机研究所 一种二冲程发动机
CN104791077A (zh) * 2015-05-06 2015-07-22 大阳通用机械有限公司 一种新型二冲程分层扫气发动机
US10190534B2 (en) 2015-03-02 2019-01-29 Maruyama Mfg. Co., Inc. Two-cycle engine

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