JP2001139718A - セルローススポンジの製造方法 - Google Patents

セルローススポンジの製造方法

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JP2001139718A
JP2001139718A JP32929399A JP32929399A JP2001139718A JP 2001139718 A JP2001139718 A JP 2001139718A JP 32929399 A JP32929399 A JP 32929399A JP 32929399 A JP32929399 A JP 32929399A JP 2001139718 A JP2001139718 A JP 2001139718A
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viscose
cellulose sponge
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heating
belt conveyor
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Takaya Satou
貴哉 佐藤
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Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、吸水性及び生体適合性に優れ、ボデ
ィスポンジ、食器洗浄用スポンジ、自動車の洗浄用スポ
ンジ、ワイパー用スポンジなどに好適に用いることがで
きるセルローススポンジを効率良く製造する。 【解決手段】 ビスコースを泡立てた後、この泡立ち状
態のビスコースを加熱することを特徴とするセルロース
スポンジの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性、吸水性、
環境性及び生体適合性に優れたセルローススポンジを効
率良く製造する方法に関し、特に、ボディスポンジ、オ
シボリ、タオル、食器洗浄用スポンジ、自動車の洗浄用
スポンジ、ワイパー用スポンジ、植物培養台などに好適
に用いることができるセルローススポンジの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、セルローススポンジの製造方法としては、ビスコー
スに結晶芒硝と補強繊維と、必要に応じて界面活性剤、
顔料、抗菌剤、防腐剤、その他の添加剤とを混合混練し
て得られるスポンジ原液(味噌状ペースト)を加熱し再
生した後、酸性水溶液と接触させることにより、ビスコ
ース中のセルロースザンテートをセルロースに完全に再
生し、その後、結晶芒硝を水に溶解、流去することによ
りセルロースの多孔体を得る方法が提案されている(特
開平2−102232号公報、特開平2−135235
号公報等参照)。
【0003】この場合、上記スポンジ原液の加熱は、こ
のスポンジ原液を金型に充填した状態で外部から90〜
100℃で約2〜3時間以上加熱する方法が一般的に行
われている。
【0004】しかしながら、上記セルローススポンジの
製造方法は、加熱に長時間かかり効率が悪く、しかも連
続生産が不可能であり、生産性に劣るものであった。
【0005】このため、連続的にセルローススポンジを
製造する方法として、ビスコースと補強繊維と結晶芒硝
とからなる混合物を押出機によりネットコンベア上にシ
ート状に押し出し、凝固溶液中に搬送して加熱、凝固さ
せる方法(特開平4−136046号公報)、またセル
ロース誘導体の凝固又は再生を無機塩および(または)
有機塩および(または)酸、およびマイクロ波−周波数
領域で振動する交流電磁場の同時使用により実施する方
法(特開昭48−84863号公報)などが提案されて
いる。
【0006】しかしながら、特開平4−136046号
公報記載の方法はシート状物を浸漬処理するための特別
な設備が必要である上に、凝固時間だけでも40〜70
分程度かかり生産性に劣るものであった。また特開昭4
8−84863号公報記載の方法ではマイクロ波を用い
ているためスパークが生じるおそれがあり、安全性の面
で劣るものであった。
【0007】また、上記従来のセルローススポンジの製
造方法は、スポンジの気孔構造の形成を結晶芒硝を多量
(ビスコース中のセルロースに対し30〜100倍量)
に添加することにより行っているため、結晶芒硝の費用
が嵩む上に、この結晶芒硝の除去回収に手間と費用がか
かると共に、用いる結晶芒硝の粒径によりセルロースス
ポンジの孔の大きさ(即ち、セルローススポンジの密
度)が大きく変化してしまい、セルローススポンジの孔
の大きさ(セルローススポンジの密度)をコントロール
することが困難である、という問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、第1に、柔軟性、吸水性、環境性及び生体適合性に
優れたセルローススポンジを短時間で効率良く製造する
方法を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、第2に、セルローススポ
ンジを従来に比べて簡単な設備により連続的に安価に大
量生産することができるセルローススポンジの製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、ビスコースを泡立てた後、この泡立ち状態のビスコ
ースを加熱すること、好ましくはビスコースに界面活性
剤、特に非イオン性界面活性剤を添加することにより、
泡立てた状態のビスコースの泡が十分残っている間に、
この泡を利用して気泡構造を形成することができるの
で、従来のように気泡構造の形成に結晶芒硝を使用する
ことなく、また結晶芒硝を用いたとしても従来に比べて
少量の添加で足り、結晶芒硝にかかる費用及びこの結晶
芒硝の回収除去に要する費用が無くなるか又は少なくて
済み、大幅なコストダウンが図れると共に、ビスコース
の加熱発泡を好ましくは従来の加熱方法に比べて安全か
つ昇温速度が速く、エネルギーロスが少ない通電加熱
(ジュール加熱)で行うことにより、生産時間が大幅に
短縮可能となり、極めて効率良く柔軟性、吸水性、環境
性及び生体適合性に優れたセルローススポンジを製造で
きることを知見した。
【0011】また、本発明者は、搬送用ベルトコンベア
と、この搬送用ベルトコンベアと所定間隔離間した状態
で対設された押え用ベルトコンベアとを備え、これらベ
ルトコンベアの対峙する位置に電極を設けてなるセルロ
ーススポンジの製造装置を用いたセルローススポンジの
製造方法であって、上記搬送用ベルトコンベアと押え用
ベルトコンベアとの隙間に泡立てた状態のビスコースを
シート状に押出し、このシート状の半凝固物を両ベルト
コンベアで挟み込む形で搬送しながら通電加熱(ジュー
ル加熱)すること、好ましくはビスコースに界面活性
剤、特に非イオン性界面活性剤を添加することにより、
従来のように特別な設備や装置を用いることなく簡単な
設備によりセルローススポンジを短時間で連続的に製造
することができ、従来に比べて大幅に生産性が向上する
ことを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】この場合、一方の電極として押え用ベルト
コンベア自体を用い、他方の電極として搬送用ベルトコ
ンベア自体を用いることが加熱効率を更に高め、連続生
産を図る上で好ましい。
【0013】従って、本発明は、第1に、ビスコースを
泡立てた後、この泡立ち状態のビスコースを加熱するこ
とを特徴とするセルローススポンジの製造方法、第2
に、搬送用ベルトコンベアと、この搬送用ベルトコンベ
アと所定間隔離間した状態で対設された押え用ベルトコ
ンベアとを備え、これらベルトコンベアの対峙する位置
に電極を設けてなるセルローススポンジの製造装置を用
いたセルローススポンジの製造方法であって、上記搬送
用ベルトコンベアと押え用ベルトコンベアとの隙間に泡
立てた状態のビスコースをシート状に押出し、このシー
ト状の半凝固物を両ベルトコンベアで挟み込む形で搬送
しながら通電加熱(ジュール加熱)することを特徴とす
るセルローススポンジの製造方法を提供する。
【0014】以下、本発明について更に具体的に説明す
る。本発明の第1発明に係るセルローススポンジの製造
方法は、ビスコースを泡立てた後、この泡立ち状態のビ
スコースを加熱することを特徴とするものである。
【0015】ここで、上記ビスコースは、原料として木
材等のパルプ、低草木類の茎、葉などから得られる繊維
素、綿、麻等のセルロースを用いて公知の方法により作
成することができる。
【0016】具体的には、針葉樹パルプ等を原料とし
て、このパルプに濃度約18%の水酸化ナトリウム溶液
を反応させてアルカリセルロースとし、セルロース重量
の2.5〜3倍に圧搾し、粉砕機に送り粉砕して、40
℃で3時間老成した後、パルプ重量に対して35質量%
の二硫化炭素を反応させてセルロースザンテートを得
る。次いで、このセルロースザンテートを水酸化ナトリ
ウム水溶液に溶解することによりビスコースが得られ
る。
【0017】なお、ビスコースの中のセルロース濃度
は、特に制限されないが、通常5〜15質量%であり、
ビスコース中のアルカリ濃度は、通常3〜20質量%程
度であり、粘度は通常2〜15Pa・sである。
【0018】本発明の製造方法は、上記ビスコースを泡
立て、この泡が十分残っている状態のビスコースを速や
かに加熱するものである。
【0019】ここで、上記ビスコースの泡立て方法につ
いては、特に制限されず、通常のニーダー等の攪拌装置
を用いた機械攪拌などが挙げられる。この場合、ビスコ
ースの起泡性を高める目的で界面活性剤を添加してから
泡立てることが好ましい。
【0020】上記界面活性剤としては、人体に害がな
く、耐アルカリ性、耐熱性を有し、泡立ち性に優れたも
のであれば特に制限されず、陽イオン性界面活性剤、陰
イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性
界面活性剤のいずれも用いることができるが、中でも非
イオン性界面活性剤が好ましい。
【0021】具体的には、アルキルグリコシドエーテル
誘導体等のアルキルグリコシド系界面活性剤、アシル化
コラーゲンペプチド系界面活性剤、高級アルコールエチ
レンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオ
キサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多
価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加
物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂
肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレン
オキサイド付加物、ポリプロピレグリコールエチレンオ
キサイド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン
界面活性剤、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエ
リスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソ
ルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、
多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミ
ン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型非イオン界面
活性剤などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。中でもアルキ
ルグリコシドエーテル誘導体等のアルキルグリコシド系
界面活性剤、アシル化コラーゲンペプチド系界面活性剤
が好ましい。
【0022】この場合、界面活性剤の添加量は、ビスコ
ース100質量部に対して0.5〜10質量部、好まし
くは0.7〜3質量部である。
【0023】本発明のセルローススポンジの製造方法
は、ビスコースを泡立て、この泡を利用して気泡構造を
形成するので、従来のように気泡構造の形成に結晶芒硝
を用いなくてすみ、結晶芒硝にかかる費用、及び結晶芒
硝の除去回収にかかる手間と費用を無くすことができ、
製造コストパフォーマンスが飛躍的に向上するものであ
るが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ビスコ
ースに少量の結晶芒硝を添加してセルローススポンジの
気泡構造の形成を補うようにしても構わない。なお、結
晶芒硝としては、平均粒径が0.01〜5mmのものを
用いることが好ましい。
【0024】この場合、結晶芒硝の添加量は、ビスコー
ス100質量部に対して好ましくは300質量部以下、
より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは10
0質量部以下、最も好ましくは50質量部以下であり、
結晶芒硝は添加しなくてもよい(添加量0質量部)。こ
のように少量であれば結晶芒硝を添加したとしても、従
来に比べて結晶芒硝にかかる費用及び結晶芒硝の回収除
去の費用が少なくて済むものである。
【0025】なお、ビスコースには、セルローススポン
ジの強度を高める目的で補強繊維を添加することが好ま
しい。補強繊維としては、例えば綿、レーヨン、麻、絹
等の天然繊維や半合成繊維、ポリエステル、ナイロン等
の合成繊維を用いることができるが、特にカット綿が好
ましい。なお、補強繊維の平均繊維長は通常0.5〜5
0mmであり、補強繊維の添加量はビスコース100質
量部に対して通常0.5〜90質量部である。
【0026】更に、ビスコースには、必要に応じて、顔
料、防腐剤、ゼオライト等の抗菌剤などの添加剤を添加
することができる。
【0027】本発明の製造方法においては、ビスコース
を単独で又はビスコースに界面活性剤、結晶芒硝などを
添加した混合物を泡立て、この泡立ち状態(泡立ちが十
分残っている状態)のまま速やかに加熱する。加熱方法
としては、特に制限されず種々の方法を採用することが
できるが、安全かつ昇温速度が速く、エネルギーロスの
小さい通電加熱(ジュール加熱)によることが、泡立て
たビスコースの泡が十分に残った状態で速やかに加熱す
ることができる点から好ましい。
【0028】ここで、通電加熱(ジュール加熱)とは、
抵抗体に電流が流れる際に発生する熱を利用する加熱で
あり、その量についてはジュールの法則に従うものであ
る。
【0029】通電加熱(ジュール加熱)は、例えば、図
1に示したような紙製、プラスチック製等のジュール加
熱器1に泡立てた状態のビスコース又はビスコースに界
面活性剤、結晶芒硝などを添加した混合物を移して加熱
することにより行う。このジュール加熱器1は図1に示
したような所定の大きさの角柱状であり、両側面にステ
ンレス製の電極2を対峙するように装着させた構造を有
するものである。なお、ジュール加熱器の形状等は電極
が対峙さえしていれば特に制限されず、自由に変更する
ことができる。
【0030】まず、泡立てたビスコースをこの泡立ち状
態のままジュール加熱器に入れて対峙した位置に取り付
けてある電極と接触させて交流電流を通電する。この場
合、電極は対峙さえしていれば上下位置でも、左右位置
であっても構わない。また電圧及び周波数に特に制限は
なく電圧は35〜800V、好ましくは50〜500
V、周波数は50Hz又は60Hzの通常用いられてい
る周波数の交流であれば十分である。なお、特別に周波
数を変化させて加熱状態をコントロールすることもでき
る。
【0031】通電によりビスコースの温度が速やかに上
昇して、短時間(1〜10分間)で100℃近くに達
し、60℃程度から再生が始まり、温度の上昇に伴って
二硫化炭素が放出される。その後、用いる電源の電圧に
より異なるが、ビスコースに結晶芒硝を添加しない場合
は2〜20分間、ビスコースに結晶芒硝を添加した場合
には20〜40分間で電流がほとんど流れなくなり、セ
ルロースへの再生硬化が終了する。
【0032】このようにして再生により硬化したセルロ
ーススポンジを水洗、乾燥することにより短時間でセル
ローススポンジを効率良く製造することができる。特
に、結晶芒硝を添加しない場合には、結晶芒硝にかかる
費用及び除去回収に手間と費用がかからず、安価にセル
ローススポンジを製造することができるものである。
【0033】次に、本発明の第2発明に係るセルロース
スポンジの製造方法は、例えば、図2に一例として示し
たセルローススポンジの製造装置3を用いて行うことが
できる。
【0034】このセルローススポンジの製造装置3は、
搬送用ベルトコンベア4と、この搬送用ベルトコンベア
4と所定間隔離間した状態で対設された押え用ベルトコ
ンベア5とを備え、これらベルトコンベア4,5にステ
ンレス製電極7,7を対峙する位置に設けたものであ
る。なお、8は製造されたシート状のセルローススポン
ジ、9は泡立てた状態のビスコースを両ベルトコンベア
の隙間6に押し出すための押出機である。
【0035】この場合、一方の電極として押え用ベルト
コンベア自体を用い、他方の電極として搬送用ベルトコ
ンベア自体を用いることが更に効率良く連続生産を図る
上で好ましい。
【0036】上記搬送用ベルトコンベア4は、図示を省
略している駆動源の作動により、一定スピードでセルロ
ーススポンジ原液(シート状の半凝固物)を搬送しなが
ら、このスポンジを搬送用ベルトコンベア4と押え用ベ
ルトコンベア5とで挟み込む形で通電加熱(ジュール加
熱)可能に構成されている。この場合、搬送用ベルトコ
ンベア4と押え用ベルトコンベア5との隙間6は作成す
るセルローススポンジの厚みに応じて適宜調整すること
ができるが、通常1〜20cm程度である。
【0037】電極7,7はベルトコンベアの対峙した位
置に取り付け、これら電極に電流を流すことにより通電
加熱(ジュール加熱)を行う。この場合、ジュール加熱
の電圧及び周波数に特に制限はなく電圧は35〜800
V、好ましくは50〜500V、周波数は50Hz又は
60Hzの交流であれば十分である。
【0038】本発明の第2発明に係るセルローススポン
ジの製造方法は、上記セルローススポンジの製造装置3
を用いて、上記搬送用ベルトコンベア4と押え用ベルト
コンベア5との隙間6に泡立てた状態のビスコースをシ
ート状に押出し、このシート状の半凝固物を両ベルトコ
ンベアで挟み込む形で搬送しながら通電加熱(ジュール
加熱)することによりシート状のセルローススポンジ8
を効率良く短時間で連続的に製造することができるもの
である。
【0039】この場合、上記第1発明の場合と同様、界
面活性剤を添加したビスコースを泡立てた後、この泡立
ち状態のビスコースを上記ベルトコンベアの隙間に押出
して搬送しながら通電加熱(ジュール加熱)することが
好ましい。界面活性剤としては非イオン性界面活性剤、
特にアルキルグリコシドエーテル誘導体の非イオン性界
面活性剤及び/又はアシル化コラーゲンペプチド系の非
イオン系界面活性剤を用いることが好ましい。また結晶
芒硝をビスコース100質量部に対して300質量部以
下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは
100質量部以下、最も好ましくは50質量部以下添加
することが好ましく、更に必要に応じて補強繊維を添加
することも好ましい。
【0040】なお、図示を省略しているが、作成された
セルローススポンジを洗浄するための水洗機構、及び乾
燥機構を上記セルローススポンジの製造装置と連結させ
て全工程を自動的に処理することも可能である。
【0041】本発明の製造方法により得られたセルロー
ススポンジは、連通気泡構造を有する多孔体であり、そ
の密度は20〜150kg/m3、セル数は20〜25
0個/25mmである。
【0042】本発明のセルローススポンジは、親水性の
セルロースを基材としており、吸水性、柔軟性に優れて
おり、また天然素材であるセルロースは環境性、生体適
合性にも優れているのでボディスポンジ、オシボリ、タ
オル、食器等の洗浄用スポンジ、自動車の洗浄用スポン
ジ、ワイパー用スポンジ、植物培養台などに幅広く用い
ることができるものである。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0044】〔実施例1〕針葉樹パルプを原料として、
これを通常の方法でアルカリ浸漬、圧搾、粉砕して、4
0℃で3時間老成した後、パルプ重量に対して35質量
%の二硫化炭素を反応させてセルロースザンテートを得
た。このセルロースザンテートを水酸化ナトリウム水溶
液に溶解してセルロース濃度9.0質量%、水酸化ナト
リウム濃度8.5質量%のビスコースを作成した。
【0045】次に、得られたビスコース1000質量部
に平均繊維長約5mmの綿繊維180質量部を加え、更
にアルキルグリコシドエーテル誘導体の非イオン性界面
活性剤であるオラミックスNS10(商品名、株式会社
成和化成製)を20質量部加えて、30分間ニーダー混
合機で混合し泡立て、この泡立った状態の混合ペースト
500mlを速やかにジュール加熱器に移して加熱し
た。このジュール加熱器は底面積49cm2、高さ30
cmの角柱状であり、両側面にステンレス製の電極を対
峙するように装着した構造を有している。
【0046】ジュール加熱器の電極に35Vの60Hz
交流電圧をかけると、内部のペーストは5分で104℃
に達して15分で電流はほとんど流れなくなった。その
後、加熱器から固化したセルローススポンジを取り出
し、水洗、乾燥してセルローススポンジを得た。
【0047】得られたセルローススポンジは連通気泡構
造を有する多孔体であり、柔軟性、吸水性に優れたもの
であった。
【0048】〔実施例2〕界面活性剤を非イオン性界面
活性剤であるアシル化コラーゲンペプチドのプロモイス
ECP(商品名、株式会社成和化成製)20質量部に代
えた以外は実施例1と同様にしてセルローススポンジを
作成した。
【0049】得られたセルローススポンジは連通気泡構
造を有する多孔体であり、柔軟性、吸水性に優れたもの
であった。
【0050】〔実施例3〕ビスコース1000質量部に
対して平均繊維長約5mmの綿繊維300質量部加えた
以外は実施例1と同様にしてセルローススポンジを作成
した。
【0051】得られたセルローススポンジは連通気泡構
造を有する多孔体であり、柔軟性、吸水性に優れたもの
であった。
【0052】〔実施例4〕実施例1と同じ組成のペース
トに200Vの60Hz交流電圧をかけた以外は実施例
1と同様にしてセルローススポンジを作成した。この場
合、内部のペーストは1分で100℃に達し、2分で電
流はほとんど流れなくなった。
【0053】得られたセルローススポンジは連通気泡構
造を有する多孔体であり、柔軟性、吸水性に優れたもの
であった。
【0054】〔実施例5〕ビスコース1000質量部に
平均繊維長約5mmの綿繊維180質量部と結晶芒硝1
000質量部とを加え、更にアルキルグリコシドエーテ
ル誘導体の非イオン系界面活性剤であるオラミックスN
S10(商品名、株式会社成和化成製)を20質量部加
えて、30分間ニーダー混合機で混合し泡立てた。この
泡立った状態の混合ペースト500mlをジュール加熱
器に移して加熱した。このジュール加熱器は底面積49
cm2、高さ30cmの角柱状であり、両側面にステン
レス製の電極を対峙するように装着した構造を有してい
る。
【0055】ジュール加熱器の電極に100Vの60H
z交流電圧をかけると、内部のペーストは15分で10
0℃に達し、40分で電流はほとんど流れなくなった。
その後、加熱器から固化したセルローススポンジを取り
出し、よく水洗して結晶芒硝を洗い出し、乾燥させてセ
ルローススポンジを作成した。
【0056】得られたセルローススポンジは連通気泡構
造を有する多孔体であり、柔軟性、吸水性に優れたもの
であった。
【0057】〔実施例6〕実施例1と同じ組成のペース
トを泡立ち状態で、図2に示したようなセルローススポ
ンジの製造装置の押出機9に入れ、この泡立ち状態のペ
ーストを搬送用ベルトコンベア4と押え用ベルトコンベ
ア5との隙間6にシート状に押出し、このシート状の半
凝固物を両ベルトコンベアで挟み込む形で搬送しながら
対峙した電極に100Vの60Hz交流電圧をかけて通
電加熱(ジュール加熱)することにより、連続的にシー
ト状セルローススポンジを作成した。
【0058】得られたセルローススポンジは連通気泡構
造を有する多孔体であり、柔軟性、吸水性に優れたもの
であった。
【0059】〔比較例1〕実施例1と同じ組成の泡立の
ない状態のペースト(泡立ちがなくなるまで静置したペ
ースト)を用いて実施例1と同様にジュール加熱を行っ
た。その結果、セルロースの塊が得られたのみであり、
スポンジ状の多孔体は得られなかった。
【0060】〔比較例2〕ビスコース1000質量部に
平均繊維長約5mmの綿繊維180質量部を加え、更に
アルキルグリコシドエーテル誘導体の非イオン性界面活
性剤であるオラミックスNS10(商品名、株式会社成
和化成製)を20質量部加えて、30分間ニーダー混合
機で混合した。
【0061】次に、得られたペースト500mlを金型
に移した。この金型は、底面積49cm2、高さ7cm
の角柱状で、蓋を閉じることにより密閉できる構造のも
のである。
【0062】このペーストが充填された金型を100℃
の熱水中で3時間加熱した。その後、金型を冷却して中
身を取り出したところ、セルロースの塊が得られたのみ
であり、スポンジ状の多孔体は得られなかった。
【0063】実施例1〜6、比較例1,2の結果から、
ビスコース、特に非イオン性界面活性剤を添加したビス
コースを泡立てた後、この泡立ち状態のまま通電加熱
(ジュール加熱)することにより、短時間で柔軟性、吸
水性に優れたセルローススポンジが得られることが認め
られた。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、下記の優れた効果を奏
する。 (1)結晶芒硝を使用しないか、又は使用したとしても
従来に比べて少量の結晶芒硝で足りるので、結晶芒硝に
かかる費用なくなるか又は少なくて済むと共に、結晶芒
硝の回収費用が不要又は少なくて済み、大幅なコストダ
ウンが可能となる。 (2)ジュール加熱は、従来の加熱方法より、ビスコー
スの昇温速度が速く、エネルギーロスも少ないので生産
時間が大幅に短縮できると共に、ジュール加熱はスパー
クの危険が極めて低く、マイクロ波加熱などに比べて安
全性が高いものである。 (3)本発明の製造方法によれば、連続的にシート状の
セルローススポンジを効率よく大量生産できる。
【0065】そして、本発明の製造方法により得られた
セルローススポンジは、柔軟性、吸水性、環境性及び生
体適合性に優れており、ボディスポンジ、オシボリ、タ
オル、食器等の洗浄用スポンジ、自動車の洗浄用スポン
ジ、ワイパー用スポンジ、植物培養台などに好適に用い
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジュール加熱器の一例を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるセルローススポンジ
の製造装置の概略図である。
【符号の説明】
1 ジュール加熱器 2 電極 3 製造装置 4 搬送用ベルトコンベア 5 押え用ベルトコンベア 6 隙間 7 電極 8 セルローススポンジ 9 押出機

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスコースを泡立てた後、この泡立ち状
    態のビスコースを加熱することを特徴とするセルロース
    スポンジの製造方法。
  2. 【請求項2】 ビスコースを泡立てた後、この泡立ち状
    態のビスコースを通電加熱(ジュール加熱)する請求項
    1記載のセルローススポンジの製造方法。
  3. 【請求項3】 界面活性剤を添加したビスコースを泡立
    てた後、この泡立ち状態のビスコースを通電加熱(ジュ
    ール加熱)する請求項1又は2記載のセルローススポン
    ジの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記界面活性剤として非イオン性界面活
    性剤を用いた請求項3記載のセルローススポンジの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 上記界面活性剤がアルキルグリコシドエ
    ーテル誘導体の非イオン性界面活性剤及び/又はアシル
    化コラーゲンペプチド系の非イオン性界面活性剤である
    請求項3又は4記載のセルローススポンジの製造方法。
  6. 【請求項6】 結晶芒硝をビスコース100質量部に対
    して300質量部以下添加した請求項1乃至5のいずれ
    か1項記載のセルローススポンジの製造方法。
  7. 【請求項7】 搬送用ベルトコンベアと、この搬送用ベ
    ルトコンベアと所定間隔離間した状態で対設された押え
    用ベルトコンベアとを備え、これらベルトコンベアの対
    峙する位置に電極を設けてなるセルローススポンジの製
    造装置を用いたセルローススポンジの製造方法であっ
    て、上記搬送用ベルトコンベアと押え用ベルトコンベア
    との隙間に泡立てた状態のビスコースをシート状に押出
    し、このシート状の半凝固物を両ベルトコンベアで挟み
    込む形で搬送しながら通電加熱(ジュール加熱)するこ
    とを特徴とするセルローススポンジの製造方法。
  8. 【請求項8】 一方の電極として押え用ベルトコンベア
    自体を用い、他方の電極として搬送用ベルトコンベア自
    体を用いた請求項7記載のセルローススポンジの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 界面活性剤を添加したビスコースを泡立
    てた後、この泡立ち状態のビスコースを上記ベルトコン
    ベアの隙間に押出して搬送しながら通電加熱(ジュール
    加熱)する請求項7又は8記載のセルローススポンジの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 上記界面活性剤として非イオン性界面
    活性剤を用いた請求項9記載のセルローススポンジの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 上記界面活性剤がアルキルグリコシド
    エーテル誘導体の非イオン性界面活性剤及び/又はアシ
    ル化コラーゲンペプチド系の非イオン系界面活性剤であ
    る請求項9又は10記載のセルローススポンジの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 結晶芒硝をビスコース100質量部に
    対して300質量部以下添加した請求項7乃至11のい
    ずれか1項記載のセルローススポンジの連続製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233093A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Yukigaya Kagaku Kogyo Kk 多孔質体及びその製造方法
JP2011518259A (ja) * 2007-04-17 2011-06-23 ステレンボッシュ ユニバーシティ 繊維生産のプロセス
WO2014201479A1 (de) 2013-06-19 2014-12-24 Lenzing Ag Neues umweltschonendes verfahren zur herstellung von schwämmen und schwammtüchern aus polysacchariden
CN104927081A (zh) * 2015-06-11 2015-09-23 宁波尼可海绵科技有限公司 一种可降解纤维素海绵制品的发泡装置及发泡方法

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