JP2001122627A - 四酸化三マンガン超微粒子の製造法 - Google Patents

四酸化三マンガン超微粒子の製造法

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JP2001122627A
JP2001122627A JP30567199A JP30567199A JP2001122627A JP 2001122627 A JP2001122627 A JP 2001122627A JP 30567199 A JP30567199 A JP 30567199A JP 30567199 A JP30567199 A JP 30567199A JP 2001122627 A JP2001122627 A JP 2001122627A
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manganese
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trimanganese tetroxide
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Akifumi Yamada
昌文 山田
Kazuo Hirota
一雄 広田
Chikafumi Tanaka
爾文 田中
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャープな粒度分布を持った四酸化三マンガ
ン超微粒子を、安価に効率良くかつ安全に製造する方法
を提供する。 【解決手段】 電解槽をイオン交換膜で仕切り、陽極室
と陰極室を設け、陽極室電解液にマンガン含有水溶液を
用い、陽極と陰極間に電気を流してマンガンイオンをイ
オン交換膜を通して陽極側から陰極側に移動させ、陰極
室中で析出する生成物を酸化して四酸化三マンガン超微
粒子を製造する方法において、陰極室電解液のpHを9〜
11に調整し、かつ酸素を10〜70vol%含有する
ガスでバブリングすることを特徴とする四酸化三マンガ
ン超微粒子の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平均粒径100n
m以下の四酸化三マンガン(Mn34)超微粒子製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、四酸化三マンガンの製造方法とし
ては、溶融金属マンガンに酸素を吹き込む方法(特開昭
62−148326号)や硫酸マンガンを高温で焙焼す
る方法(特開昭62−30623号)、硫酸マンガン水
溶液とアンモニア水との反応生成物を酸化する方法(特
開昭58−20729号)、金属マンガンと水との反応
生成物を酸化する方法(特開昭63−215521号)
等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法で四酸化三マンガンを製造した場合、操作性や生産
性に問題があった。すなわち、溶融金属マンガンを酸化
する方法やマンガン化合物を焼成する方法では、高温で
の操作を必要とする危険性と非経済性という欠点があっ
た。硫酸マンガン水溶液とアンモニア水との反応生成物
を酸化する製造方法は、工程が複雑であり、金属マンガ
ンと水との反応生成物を酸化する方法は、原料の金属マ
ンガンが高価であるうえ、大量の水と加熱を必要とし非
経済性という欠点があった。
【0004】本発明は、シャープな粒度分布を持った四
酸化三マンガン超微粒子を安全に、効率良く製造する方
法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、pHがコント
ロールされた条件下での電解反応と酸素含有ガスによる
酸化反応とを組み合わせることで、効率よくシャープな
粒度分布を持った高純度の四酸化三マンガン超微粒子を
製造できることを見出し本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、電解槽をイオン交換
膜で仕切り、陽極室と陰極室を設け、陽極室電解液にマ
ンガン含有水溶液を用い、陽極と陰極間に電気を流して
マンガンイオンをイオン交換膜を通して陽極側から陰極
側に移動させ、陰極室中で析出する生成物を酸化して四
酸化三マンガン超微粒子を製造する方法において、陰極
室電解液のpHを9〜11に調整し、かつ酸素を10〜7
0vol%含有するガスでバブリングすることを特徴と
する四酸化三マンガン超微粒子の製造法を要旨とするも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の製造法により得られる四酸化三マンガン
超微粒子とは、四酸化三マンガンまたはその水和物の超
微粒子であって、その平均粒径は100nm以下であ
り、好ましくは20〜60nmのものであり、シャープ
な粒径分布をもつものである。ここでの平均粒径は、透
過電子顕微鏡で観察された200個以上の粒子の体積平
均粒径である。
【0008】本発明においては、電解槽をイオン交換膜
で仕切り、陽極室と陰極室を設ける。ここで用いられる
イオン交換膜とは、イオン透過性を有する膜のことで、
適度なマンガンイオンの輸率を有するものが好ましい。
具体的には陽イオン交換膜などが用いられる。イオン交
換膜は、1枚により陽極室と陰極室に仕切ればよい。
【0009】本発明で用いられる陽極には、イリジウム
板、イリジウムコーティングチタン、白金板、白金コー
ティングチタン板などが用いられる。形状としては特に
限定されないが、平板、丸棒またはメッシュの形状のも
のが用いられる。
【0010】陰極として用いる導電体としては、チタ
ン、ニッケル、鉛などが挙げられる。陰極は、耐アルカ
リ性を有する必要があり、形状としては特に限定されな
いが、平板、丸棒またはメッシュの形状のものが用いら
れる。
【0011】本発明において陽極室に入れる電解液とし
ては、硫酸マンガン、酢酸マンガン、塩化マンガン、臭
化マンガン等のマンガンを含む電解液を用いる。陽極電
解液の濃度としては、好ましくは1mol/L以上が好
ましく、あまり濃度が低いと反応効率が悪いうえに、p
Hコントロールが困難になる。
【0012】一方、陰極室に入れる電解液としては、L
+、Na+、K+などの陽イオン、あるいはSO4 2-、O
-、Cl-、Br-、I-、CH3C00-、HC00-
どの陰イオンなど電気伝導性を有するイオンを含有して
いればよい。陰極電解液の濃度としては、好ましくは
0.05〜1mol/L、さらに好ましくは0.1〜
0.5mol/Lが最も好ましい。濃度が高いほど電流
は流れやすくなるのだが、pHコントロールが難しく、
不純物が混入しやすくなる。
【0013】本発明では、上記したような構成にした電
解槽を用いて電気分解を行えばよい。電解時に流す電気
は陽極と陰極の間の電流である。電流値は得られる超微
粒子の平均粒径、粒度分布、生成速度に影響を与えるも
のであり、特に超微粒子を得るためには好ましくは0.
005〜0.05A/Cm2、さらに好ましくは0.0
1〜0.02A/Cm2の電流値がよい。
【0014】電解時における電解液の温度は、得られる
超微粒子の組成、平均粒径、粒度分布に影響を与えるも
のであり、微細な粒子を得るためには好ましくは30℃
以下、さらに好ましくは20℃以下がよい。
【0015】本発明においては、電解時の陰極室のpH
は、9〜11の範囲にコントロールすることが必要であ
る。pHのコントロールはシャープな粒度分布を持った
四酸化三マンガン超微粒子を得る重要な工程であり、p
Hコントロールは電解質濃度、電流量等をコントロール
することによって行うことができる。例えば、反応開始
時の陽極マンガン濃度を下げ高電流条件下で反応を行う
と、pHは高くなり、逆にマンガン濃度を上げ低電流条
件下で反応を行うとpHは上がりにくくなるということ
を考慮して初期の条件を設定する。本発明では水の電気
分解により水酸化物イオンを生成することが必須である
が、その濃度が高すぎる場合、すなわちpHが高すぎる
場合、粒子の凝集が起こり粒径が大きくなる。一方、水
酸化物イオン濃度が低い場合、すなわちpHが低い場合
には、水酸化マンガンの生成効率が悪くなり、結果とし
て四酸化三マンガンの生成効率も悪くなる。
【0016】また、本発明においては、陰極室の電解液
は酸素を10〜70vol%含有するガスによりバブリ
ングすることが必要である。酸素含有ガスによるバブリ
ングは、電解反応により生成した水酸化マンガンを酸化
し、シャープな粒度分布を持った四酸化三マンガンを得
る重要な工程である。ガス中の酸素含有濃度としては1
0〜70vol%が必須であり、20〜40vol%が
好ましい。酸素濃度が高すぎると酸化反応が進みすぎて
二酸化マンガンが生成し、酸素濃度が低すぎると酸化反
応効率が悪い。
【0017】本発明における反応時間は、得られる超微
粒子の平均粒径、粒度分布に影響を与えるものであり、
特に微細な粒子を得るためには好ましくは2時間以内、
さらに好ましくは1時間以内に生成物を抽出するのがよ
い。
【0018】本反応における電解反応は、バッチ式と連
続式のいずれの方法も用いることができ、連続式の場
合、生成物は遠心分離器などにより抽出する。
【0019】上記のようにして生成した四酸化三マンガ
ンを固液分離して回収し、次いで従来同様の洗浄、乾燥
を行えばよい。洗浄は純水による洗浄が好ましく、電解
反応生成物を固液分離した後、固形分を純水中で撹拌す
ることによって行うことができる。純水による洗浄回数
は3回以上であり、4回以上行うことが好ましい。洗浄
は、洗浄液との撹拌により行い、撹拌時間は好ましくは
3分以上であり、さらに好ましくは5分以上である。
【0020】四酸化三マンガン重量当たり(1g)の添
加洗浄液量については、好ましくは0.05L/g四酸
化三マンガン以上であり、さらに好ましくは0.1〜
1.0L/g四酸化三マンガンが最も好ましい。
【0021】最後に、本発明の方法においては、洗浄し
て得られた四酸化三マンガンは固液分離し乾燥処理すれ
ばよい。
【0022】本発明により得られる四酸化三マンガン超
微粒子は電池材料の他、様々な分野での用途が期待でき
るものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。図1のような装置を用いて、四酸化三マンガン超微
粒子を製造した。陽極1としてイリジウムコーティング
チタン板を用い、陰極2としてチタン電極を用いた。ま
た、電解槽(容量4000ml)は、陽イオン交換膜6である
ナフィオン(デュポン製)1枚により陽極側:陰極側=
1:1になるように2槽に区分し、陽極室3、陰極室4
とした。陰極室4は酸素含有ガスによりバブリングし
た。
【0024】実施例1 陽極室3には1M硫酸マンガンの水溶液(1600ml)を、陰
極室4には0.1M酢酸カリウム水溶液(1600ml)を注入
し、直流電源で電極間に0.01A/Cm2の電流を流すことで
陰極室のpHを10前後に保ち、また、空気をバブリン
グすることにより攪拌した。その結果、陰極室には茶褐
色のマンガン系超微粒子が生成した。得られた超微粒子
は四酸化三マンガンであり、これを良く水洗し乾燥し
た。図2にこの四酸化三マンガン超微粒子のX線回折結
果を示した。図3にはこの四酸化三マンガン超微粒子の
透過型電子顕微鏡(0.38AJEM-200CX、JEOL社製)写真を
示した。図3より、1次粒子径90nmの超微粒子が確認で
きた。
【0025】比較例1 陽極室3には0.5M硫酸マンガンの水溶液(1600ml)を、
陰極室4には0.5M硫酸ナトリウム水溶液(1600ml)を注
入し、直流電源で電極間に0.01A/Cm2の電流を流すこと
で陰極室のpHを11前後に保ち、また、また、酸素を
バブリングすることにより撹拌した。その結果、陰極室
には黒褐色のマンガン系超微粒子が生成した。得られた
超微粒子は主成分は四酸化三マンガンだが、二酸化マン
ガンを含んでいることがX線回折結果から明らかになっ
た。
【0026】比較例2 陽極室3には1M硫酸マンガンの水溶液(1600ml)を、陰
極室4には1M硫酸ナトリウム水溶液(1600ml)を注入
し、直流電源で電極間に0.02A/Cm2の電流を流すことで
陰極室のpHを12前後に保ち、また窒素でバブリング
することにより撹拌を行った。その結果、陰極室には白
褐色のマンガン系超微粒子が生成した。得られた超微粒
子は主成分は水酸化マンガンであり、電解反応後、空気
酸化して四酸化三マンガンを得た。
【0027】この各々のサンプルにつき、一般的な化学
分析法にてマンガン濃度の分析を行い、その結果を第1
表に示した。
【0028】
【表1】
【0029】第1表に示されるように、陰極槽をバブル
するガス中の酸素濃度が高い比較例1においてはマンガ
ン濃度が低く、X線回折結果からも二酸化マンガンまで
酸化された生成物が含まれていることが示された。ま
た、反応時の陰極pHが高い比較例2では、粒径の大き
なものが生成することが透過型電子顕微鏡による測定か
ら明らかになった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、pHのコントロールさ
れた条件下で、電解反応と酸素含有ガスによる接触酸化
反応を同時に行うことにより、高温での酸化反応行程を
経由することなく、簡単な装置でシャープな粒度分布を
持った四酸化三マンガン超微粒子を安全に製造すること
ができる。さらに、反応温度および反応時間をコントロ
ールすることにより、よりシャープな粒度分布を持つ四
酸化三マンガン超微粒子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた電解装置を示す概略図である。
【図2】実施例1で得られた四酸化三マンガンのX線回
折結果を示した図である。
【図3】実施例1で得られた四酸化三マンガンの透過電
子顕微鏡写真を示した図である。
【符号の説明】
1 陽極 2 陰極 3 陽極室 4 陰極室 5 直流電源 6 陽イオン交換膜 7 酸素含有ガス送風管
フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA02 AB02 AB09 AD03 AE05 5H003 AA08 BA00 BA07 BB04 BC01 BD03 BD06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解槽をイオン交換膜で仕切り、陽極室
    と陰極室を設け、陽極室電解液にマンガン含有水溶液を
    用い、陽極と陰極間に電気を流してマンガンイオンをイ
    オン交換膜を通して陽極側から陰極側に移動させ、陰極
    室中で析出する生成物を酸化して四酸化三マンガン超微
    粒子を製造する方法において、陰極室電解液のpHを9〜
    11に調整し、かつ酸素を10〜70vol%含有する
    ガスでバブリングすることを特徴とする四酸化三マンガ
    ン超微粒子の製造法。
JP30567199A 1999-10-27 1999-10-27 四酸化三マンガン超微粒子の製造法 Pending JP2001122627A (ja)

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