JP2001119586A - マルチスペクトル画像の画像圧縮方法および画像圧縮装置 - Google Patents

マルチスペクトル画像の画像圧縮方法および画像圧縮装置

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JP2001119586A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】撮影波長帯域を複数のバンド帯域に分割するこ
とで得られる複数のスペクトル画像に対して、視覚的に
劣化することが少なく画像圧縮の際の圧縮率を高め、画
像データの取り扱いが向上するマルチスペクトル画像の
画像圧縮方法および画像圧縮装置を提供するの提供を課
題とする。 【解決手段】マルチスペクトル画像の画像データを用い
て、主成分分析を行い、マルチスペクトル画像の主成分
ベクトルと主成分画像の複数の対を得、この複数の対の
中から、マルチスペクトル画像の画像情報を最適に代表
する最適主成分数を求めて、最適主成分ベクトルとこれ
に対応する最適主成分画像を得、得られた各最適主成分
画像に対して、像構造圧縮を行い最適主成分圧縮画像デ
ータを得ることで、前記マルチスペクトル画像の画像デ
ータを前記最適主成分ベクトルおよび前記最適主成分圧
縮画像データに圧縮する方法およびこれを用いた装置を
提供することで前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体を撮影する
際の撮影波長領域を複数のバンド帯域に分割して撮影し
たバンド画像を用いて得られるマルチスペクトル画像の
画像データに対して、画像品質を損なうことなく効率的
に圧縮することのできる画像データの圧縮処理の技術分
野に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、デジタル画像処理の進歩によっ
て、画像の色情報(明度、色相、彩度)を完全に表現す
る手段として、画像の各画素毎に分光情報(スペクトル
画像)を備える画像、すなわちマルチスペクトル画像が
利用されている。このマルチスペクトル画像は、撮影被
写体を、複数のバンド帯域に分割して各バンド帯域毎に
撮影した複数のバンド画像から構成されるマルチバンド
画像に基づいて分光反射率分布を各画像毎に推定して得
られるものである。このマルチバンド画像は、赤
(R)、緑(G)および青(B)画像からなる従来のR
GBカラー画像では十分に表現できない色情報を再現す
ることができ、例えばより正確な色再現の望まれる絵画
の世界にとって有効である。そこで、この色情報を正確
に再現するといった特徴を生かすために、例えば380
〜780nmの撮影波長帯域を10nm帯域毎に区切っ
て21バンドさらには5nm帯域毎に区切って41バン
ドといった多くのバンド数を備えたマルチバンド画像に
基づいてマルチスペクトル画像を得ることが望まれる。
【0003】しかし、画素毎に分光情報を備えるマルチ
スペクトル画像は、撮影波長帯域を分割した各帯域(チ
ャンネル)毎に、例えば41チャンネル毎に分光反射率
データを有するため、従来から用いられてきた3チャン
ネルのRGBカラー画像に比べ、例えば約13倍(41
チャンネル/3チャンネル)の画像データ量を備えなけ
ればならない。そのため、得られたマルチスペクトル画
像の画像データを保存する場合、大きな記憶容量が必要
となり、保存に要する時間も長い。また、画像データを
ネットワークを介して転送する際にも多大の時間がかか
り、取り扱いが困難になる。
【0004】このような問題に対して、マルチスペクト
ル画像の各画素ごとの分光情報から得られるスペクトル
波形を3つの等色関数、例えばRGB表色形の等色関数
で展開するとともに、等色関数で表されないスペクトル
波形の部分を、主成分分析法を用いて、主成分基底ベク
トルで展開し、その中からスペクトル画像の画像情報を
代表する主成分を抽出して採用し、それ以外の主成分は
取り除き、最終的に等色関数を含め合計6〜8個の基底
ベクトルで上記スペクトル波形を表現する方法が提案さ
れている(Th.Keusen ,Multispectoral Color System w
uth an Encoding Format Compatible with the Convent
ional Tristimulus Model ,Journal ofImaging Science
and Technology 40: 510-515 (1996) ) 。これを用い
て、上記スペクトル波形を6〜8個の基底ベクトルとそ
れに対応した係数の対とで表わすことによって、マルチ
スペクトル画像の画像データを圧縮することができる。
特に、RGB表色形の等色関数で表される場合、等色関
数の係数は、R、GおよびBの三刺激値となるので、
R、GおよびB画素による3刺激値に基づいて画像処理
や画像表示等が行われる従来の画像処理装置や画像表示
装置に対応して適合するように特別な変換を施す必要が
なく、直接画像データを送ることができるといった処理
の低減に対して優れた効果を備える。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】このような方法によって得られる画像デー
タは、例えば41個のスペクトル画像から構成されるマ
ルチスペクトル画像の場合、例えば8個の基底ベクトル
とその係数によって表すことによって、マルチスペクト
ル画像の画像データ量の約20%(8個/41個×10
0)に圧縮することができる。しかし、41個のスペク
トル画像から構成されるマルチスペクトル画像の場合、
RGBカラー画像の画像データ量に比べて約13倍も大
きく、上記方法で約30%に圧縮できたとしても、RG
Bカラー画像の画像データ量に対して、依然として約
2.5倍(13×20/100)ものデータ量を有する
ことになる。そのため、上述したように記録メディア等
に記録保存する際の記録時間や画像データをネットワー
クを介して転送する際の転送時間も長く、依然として取
り扱いが困難である。
【0006】そこで、本発明は、上記問題点を解決し、
被写体を撮影する際の撮影波長帯域を複数のバンド帯域
に分割することで得られる複数のスペクトル画像に対し
て、視覚的に劣化することが少なく画像圧縮の際の圧縮
率を高め、画像データの取り扱いが向上するマルチスペ
クトル画像の画像圧縮方法および画像圧縮装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、被写体を撮影する際に撮影波長帯域を複
数のバンド帯域に分割して撮影したバンド画像を用いて
得られるマルチスペクトル画像を画像圧縮する方法であ
って、マルチスペクトル画像の画像データを用いて、主
成分分析を行い、マルチスペクトル画像の主成分ベクト
ルと主成分画像の複数の対を得、この複数の対の中か
ら、マルチスペクトル画像の画像情報を最適に代表する
最適主成分数を求めて、最適主成分ベクトルと最適主成
分画像を得、得られた各最適主成分画像に対して、像構
造圧縮を行うことによって、最適主成分圧縮画像データ
を得、得られた各最適主成分画像に対して、像構造圧縮
を行うことによって、最適主成分圧縮画像データを得る
ことによって、前記マルチスペクトル画像の画像データ
を前記最適主成分ベクトルおよび前記最適主成分圧縮画
像データに圧縮することを特徴とするマルチスペクトル
画像の画像圧縮方法を提供するものである。
【0008】ここで、前記最適主成分数は、色空間上の
測色値に基づいて決定されるのが好ましく、その際、最
適主成分数は、前記主成分ベクトルと前記主成分画像の
中から選ばれて構成される合成画像の測色値の画像情報
の、前記マルチスペクトル画像に基づいて構成されるオ
リジナル画像の測色値の画像情報に対する誤差の値が、
所定値以下となる最小の主成分数であり、あるいは、前
記マルチスペクトル画像に対する寄与の大きい主成分ベ
クトルを、主成分ベクトルの大きい順に、順次含めて前
記合成画像を求めた時の前記オリジナル画像に対する前
記誤差の変動が、所定値以下に収まる最小の主成分数で
あるのが好ましい。
【0009】また、前記像構造圧縮は、離散フーリエ変
換またはウェーブレット変換による画像データの高周波
成分の圧縮であるのが好ましく、さらに、前記像構造に
よる圧縮は、画像データの符号化により画像データを圧
縮する符号化圧縮処理が付加されるのが好ましい。
【0010】また、本発明は、被写体を撮影する際に撮
影波長帯域を複数のバンド帯域に分割して撮影したバン
ド画像を用いて得られるマルチスペクトル画像を画像圧
縮するマルチスペクトル画像の画像圧縮装置であって、
マルチスペクトル画像の画像データを用いて、主成分分
析を行い、マルチスペクトル画像の主成分ベクトルと主
成分画像の複数の対を得る主成分分析部と、この主成分
分析部で得られた主成分ベクトルと主成分画像の複数の
対の中から、マルチスペクトル画像の画像情報を最適に
代表する最適主成分数を求めて、最適主成分ベクトルと
最適主成分画像を得る最適主成分ベクトル・画像抽出部
と、この最適成分ベクトル・画像抽出部で得られた各最
適主成分画像の画像データに対して、像構造圧縮を行う
画像圧縮部とを有することを特徴とするマルチスペクト
ル画像の画像圧縮装置を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマルチスペクトル
画像の画像圧縮方法を実施するマルチスペクトル画像取
得システムについて、添付の図面に示される好適実施例
を基に詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明のマルチスペクトル画像の
画像圧縮方法を実施し、本発明のマルチスペクトル画像
の画像圧縮装置を含むマルチスペクトル画像取得システ
ム(以下、本システムという)10を示す。本システム
10は、撮影被写体Oを撮影し、得られたマルチスペク
トル画像M S の画像データを記録メディアに保存するも
のであって、撮影被写体Oを照らす光源12と、撮影波
長帯域を複数のバンド帯域に分割する可変フィルタ14
と、撮影被写体Oを撮影してマルチバンド画像MB を得
るCCDカメラ16と、画像データを一時保持するマル
チバンド画像記憶部18と、マルチバンド画像から各画
素毎に分光反射率分布を推定してマルチスペクトル画像
S を得るマルチスペクトル画像取得装置20と、マル
チスペクトル画像MS の画像データを、視覚的な劣化が
少なく、圧縮率を高くして圧縮するマルチスペクトル画
像圧縮装置22と、得られた圧縮画像データを保存する
記録メディアドライブ装置24とを主に有して構成され
る。なお、本発明において、マルチスペクトル画像Ms
は、少なくとも6チャンネル以上のスペクトル画像を備
え、すなわち、分光反射率分布のデータを持つ構成波長
数が6以上であるのが好ましい。
【0013】光源12は、撮影被写体Oを撮影するもの
であって、光源の種類等は特に制限されないが、撮影さ
れたマルチバンド画像MB から分光反射率を推定し、マ
ルチスペクトル画像MS を取得するために、分光強度分
布が既知の光源であることが好ましい。可変フィルタ1
4は、撮影被写体Oを撮影してマルチバンド画像MB
得るために、撮影波長帯域を分割するバンド帯域が可変
に設定可能なバンドパスフィルタであり、例えば16バ
ンド、21バンドや41バンド等に分割することができ
る。このような可変フィルタとして、例えば液晶チュー
ナブルフィルタが挙げられる。
【0014】CCDカメラ16は、撮影被写体Oの反射
光を可変フィルタ14を介して所望の波長帯域に分光さ
れた透過光によって結像される像を黒白のバンド画像と
して撮影するカメラであって、受光面には、エリアセン
サとしてCCD(charge coupled device ) 撮像素子が
面状に配置されている。また、CCDカメラ16には、
撮影される画像の明度値のダイナミックレンジを適切に
定めるため、撮影被写体Oの撮影前に行うホワイトバラ
ンスの調整機構を備える。
【0015】マルチバンド画像データ記憶装置18は、
撮影波長帯域を複数のバンド帯域に分割して撮影され、
各バンドに対応するホワイトバランスの調整された複数
のバンド画像からなるマルチバンド画像MB を一時記憶
保持する部分である。マルチスペクトル取得装置20
は、CCDカメラ16で撮影された分光反射率の既知の
撮影被写体の画像データ、例えばマクベスチャートのグ
レーパッチの画像データとその既知の分光反射率の値と
の対応関係から予め作成された1次元ルックアップテー
ブル(1次元LUT)を備え、この1次元LUTを用い
て、マルチバンド画像データ記憶装置18より呼び出さ
れた撮影被写体Oのマルチバンド画像MB の画像データ
から各画素毎の撮影被写体Oの分光反射率を推定し、マ
ルチスペクトル画像MS を取得する部分である。撮影被
写体Oの分光反射率の推定において、可変フィルタ14
のフィルタ特性、すなわち可変フィルタ14の分光透過
率分布がバンド間で一部分が重なった特性を有する場
合、得られるマルチスペクトル画像MS の分光反射率分
布は鈍り、精度の高い分光反射率分布を推定することが
できないため、マトリクス演算やフーリエ変換を用い
て、上記フィルタ特性を排除するデコンボリューション
処理を施してもよい。
【0016】記録メディアドライブ装置24は、ハード
ディスクやフロッピーディスクやMOやCD−RやDV
D等の記録メディアに記録するドライブ装置であり、マ
ルチスペクトル画像MS の画像データを後述するマルチ
スペクトル画像圧縮装置22で圧縮した圧縮マルチスペ
クトル画像データを記録することができる。また、記録
メディアドライブ装置24と共に、またこれに替えて、
後述する圧縮マルチスペクトル画像データを各種ネット
ワークを介して転送するために、ネットワーク接続装置
を備えてもよい。
【0017】マルチスペクトル画像圧縮装置22は、マ
ルチスペクトル取得装置20で得られたマルチスペクト
ル画像MS を構成するマルチスペクトル画像データに対
して、視覚的な劣化が少なく画像圧縮率の高い圧縮マル
チスペクトル画像データを求める部分であり、主成分分
析部22aと、最適主成分ベクトル・画像抽出部22b
と、画像圧縮部22cとを備える。また、本装置は、以
下に示すような機能を備えるソフトウェアで構成しても
よく、また1つのハードウェアとして構成してもよい。
【0018】主成分分析部22aは、マルチスペクトル
画像MS の各画素毎に備える分光反射率分布の主成分分
析を行い、各画素ごとに分光反射率分布を主成分に展開
する部分である。なお、以降では、撮影波長帯域を複数
のバンド帯域に分割するバンド数をnとして説明する。
本発明における主成分分析法は、観測波形データ群を正
規直交展開して標本化する方法の一つで、最適標本化と
もいわれるものである。即ち、最も少ない数の直交基底
関数の荷重平均で、観測波形データを最も精度良く表現
するための方法である。ここでは、直交基底関数を主成
分べクトルと呼ぶ。本発明における主成分分析として具
体的には、観測波形から、統計的手法および固有値解析
法を用いて、観測波形に固有の1次独立な固有ベクトル
を主成分ベクトルとして求め、この主成分ベクトルか
ら、本来観測波形に雑音成分が無ければ、固有値が0と
なる固有値の小さな主成分ベクトルを取り除き、バンド
数nより少ない数の最適主成分ベクトルを求め、この最
適主成分ベクトルによって観測波形を線型的に表す、南
茂夫著、「科学計測のための波形データ処理」、220
−225頁に記載の方法があげられる。この分析方法
は、主成分分析部22aおよび後述する最適主成分ベク
トル・画像抽出部22bにおいて主に行われる。主成分
分析法を用いる場合には、観測波形であるマルチスペク
トル画像MS の画素毎の分光反射率波形が、線型的に表
すことができ、また分光反射率波形に含まれる雑音成分
も、分光反射率の値と無関係な雑音であることが好まし
い。
【0019】本実施例に沿って説明すると、マルチスペ
クトル画像MS は、各画素毎に、可変フィルタ14を用
いて被写体の撮影波長帯域を分割したバンドの数nだ
け、分光反射率の値を有する。すなわち、n個のバンド
帯域からなるマルチバンド画像MB によって得られたマ
ルチスペクトル画像MS は、n個の分光反射率の値から
なる分光反射率分布Rを有する。また、マルチスペクト
ル画像MS の各画素は、例えば1024×1024画
素、すなわち約106 個の画素で構成され、この画素数
は、分光反射率の個数であるnよりも圧倒的に大きいた
め、統計的処理、すなわち、後述するように、n次元ベ
クトルの形式で表された分光反射率分布R(i,j,λ) =
( R (i,j ,λ1),R(i,j,λ2),R(i,j,λ3),・・
・,R(i,j,λn ) )T (小文字T は転置を示し、(i,
j) は、注目画素の画素位置であり、λは分光波長を示
す)の、画像領域全体またはその一部分の画素に関する
自己相関行列Tを求め、分光反射率の主成分分析を行う
ことができる。
【0020】ここで求められる主成分とは、統計的処理
を用いて得られるもので、例えばnバンドの数に相当す
るn個の分光反射率の値からなる正規直交化された自己
相関行列Tの固有ベクトルである主成分ベクトルp
k (λ)(k=1〜n)と自己相関行列Tの固有値uk
(k=1〜n(kは1以上n以下の整数を示す))の対
である。また、主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜
n)を用いて、スペクトル画像の画素位置(i,j) での分
光反射率分布R(i,j,λ) を線型展開し、その際得られ
る各主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜n)に係る係
数sk (i,j) (k=1〜n)を求め、これを画素位置
(i,j) での画像データとする主成分画像Sk (k=1〜
n)を得ることができる。得られた主成分ベクトルpk
(λ)(k=1〜n)および主成分画像Sk (k=1〜
n)は、最適主成分ベクトル・画像抽出部22bに送ら
れる。
【0021】最適主成分ベクトル・画像抽出部22b
は、主成分分析部22aで得られた主成分ベクトルpk
(λ)(k=1〜n)とそれに対応した主成分画像Sk
(k=1〜n)とを用いて、最適主成分数m1 を定め、
最適主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜m1 )および
最適主成分画像Sk (k=1〜m1 )を抽出する部分で
ある。最適主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜m1
および最適主成分画像Sk (k=1〜m1 )を抽出する
のは、主成分分析部22aで求められた主成分ベクトル
k (λ)(k=1〜n)には、マルチスペクトル画像
の画像データの雑音成分の影響を受けて、本来主成分ベ
クトルに当たらない固有ベクトルも主成分ベクトルpk
(λ)(k=1〜n)として含まれるため、この主成分
ベクトルpk (λ)を排除し、最適主成分ベクトルpk
(λ)(k=1〜m1 )および最適主成分画像Sk (k
=1〜m1 )を抽出する必要があるからである。
【0022】すなわち、n個の主成分ベクトルp
k (λ)(k=1〜n)とそれに対応した主成分画像S
k (k=1〜n)の対の中から、それより少ないm(m
<n)個の主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜m)と
それに対応した主成分画像Sk (k=1〜m)の対を用
いて合成画像Gを求め、この合成画像Gの画像情報の、
マルチスペクトル画像Ms に基づくオリジナル画像の画
像情報に対する誤差を用いて、m個の主成分ベクトルp
k (λ)(k=1〜m)とそれに対応した主成分画像S
k (k=1〜m)が最適な主成分であるかどうか判断す
る。
【0023】ここで、主成分ベクトルpk (λ)は、対
応した固有値uk が大きい程、マルチスペクトル画像M
s の分光反射率分布における主成分の寄与は大きい。主
成分ベクトルpk (λ)を、固有値uk の大きい順に並
べ、固有値uk の大きい順に、合成画像Gを求めるため
に採用する主成分ベクトルを順次増やし、一定の照明光
源下て再構成された合成画像Gを求めていくと、n個の
主成分ベクトルから構成されるマルチスペクトル画像M
S に基づくオリジナル画像に対する合成画像Gの画像情
報の誤差が、採用する主成分ベクトル数mの増加に伴っ
て単調減少する。そのため、この誤差が予め定めた所定
値以下に減少する最初の主成分ベクトル数mを求めるこ
とによって、最小の最適主成分数m1 を求めることがで
きる。これによって、最適主成分数m1 で合成画像Gを
求める際に採用した主成分ベクトルpk (λ)およびこ
れに基づいて得られる主成分画像Sk を、それぞれ、最
適主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜m1 )および最
適主成分画像Sk (k=1〜m1 )として抽出すること
ができる。
【0024】ここで、上記画像情報とは、例えば、CI
EL* * * 色空間に於ける一定の光源下の測色値L
* 、a* およびb* 、例えばCIED65の標準光条件下
の測色値L* 、a* およびb* であり、その際、上記誤
差とは下記式(1) で表される色差ΔE0 である。この場
合、この色差ΔE0 が例えば1.0以下となるような主
成分画像の数mを見出すことによって最適主成分数m1
を求めることができる。 ΔE0 ={(ΔL* 2 +(Δa* 2 +(Δb* 2 1/2 (1) ここで、ΔL* 、Δa* およびΔb* は、上記合成画像
とマルチスペクトル画像の画像全体または一部分におけ
る平均測色値L* 、a* およびb* の差分である。この
ようにして、最適主成分数m1 は、合成画像Gの色空間
上の測色値とオリジナル画像の測色値の色差ΔE0 に基
づいて適応的に決定される。
【0025】また、上記画像情報の誤差、すなわち、オ
リジナル画像に対するm個の主成分ベクトルpk によっ
て再構成される合成画像Gの、画像全体または一部分の
画素のスペクトルの自乗誤差E1 であってもよい。合成
画像Gのバンド帯域に対応して分光情報を持つスペクト
ルの画像データについても、測色値の一例と見なされ、
合成画像Gの色空間上の測色値であるスペクトルの画像
データとオリジナル画像の測色値であるスペクトルの画
像データの自乗誤差E1 に基づいて,最適主成分数m1
を適応的に決定してもよい。この場合、この自乗誤差E
1 またはLog(E1 )は、主成分ベクトル数mに対し
て単調減少となるため、mを増やすことによって、自乗
誤差E1 またはLog(E1 )の減少幅が予め定められ
た所定値より小さくなる時のmの値、すなわちmの増加
に対して自乗誤差Eの減少が所定値以下で飽和する時の
最小のmの値を求めればよい。
【0026】画像圧縮部22cは、最適主成分ベクトル
・画像抽出部22bで求めた最適主成分画像Sk (k=
1〜m1 )の各々の画像データに対して像構造に基づく
像構造圧縮を行う部分である。最適主成分画像Sk (k
=1〜m1 )は、第k主成分ベクトルpk (λ)(k=
1〜m1 )の分光反射率分布R(i,j , λ)に基づいた
画像であり、その画像データが第k主成分ベクトルpk
(λ)の係数に基づく明度値で表現された画像データか
らなる黒白画像である。画像圧縮部22cは、このよう
な画像データに対して、各主成分の主成分画像毎に、像
構造圧縮を行う。なお、像構造圧縮方法として、例え
ば、JPEG(Joint Photographics Expert Group) で
用いられるDCT(Discrete Cosine Transformation)
方式が挙げられる。以下では、JPEG方式について説
明するが、この方式に制限されれず、例えば、DFT
(Discrete Fourier Transformation)方式やFFT(Fas
t Fourier Transformation) 方式やWT(Wavelet Trans
formation)方式であってもよい。
【0027】JPEG方式とは、例えば1024×10
24画素の主成分画像Sk を8×8画素のブロック画像
に分解し、このブロック画像各々に対して、cosine関数
による2 次元の離散型のフーリエ展開であるDCTを施
し、得られ低周波成分から高周波成分に至る複数のフー
リエ係数をDCT係数として求めたのち、予め与えられ
た量子化テーブルによって上記DCT係数を除して、高
周波成分のフーリエ係数を0として省略することで、高
周波成分の画像データを圧縮し、その後DCT係数の0
次低周波成分である直流成分とそれ以外の周波数成分に
分け、ハフマン符号化方式や公知の算術符号化方式を用
いて、DCT係数の画像データを符号化し圧縮する方式
である。ここで、上記量子化テーブルの値は、主成分画
像Sk の像構造によって変化するものである。本発明に
おいては、上記DCT係数の高周波成分を量子化テーブ
ルによって除去した画像データを、ハフマン符号化方式
や公知の算術符号化方式を用いることなく、圧縮マルチ
スペクトル画像データとして、画像圧縮部22cから出
力させてもよい。また、最適主成分画像Sk (k=1〜
1 )の画像像データに対して、符号化による圧縮を直
接施してもよい。
【0028】本システム10は、以上のように構成され
る。次に、本発明のマルチスペクトル画像の画像圧縮方
法について、本システム10に沿った画像圧縮方法の流
れを、図3を参照しつつ説明する。
【0029】まず、光源12、可変フィルタ14および
CCDカメラ16によって形成されるマルチバンドカメ
ラによって撮影被写体Oを撮影し、複数のバンド帯域に
分割された複数のバンド画像からなるマルチバンド画像
B を取得する(ステップ100)。得られたマルチバ
ンド画像MB は、マルチバンド画像データ記憶装置18
に一時記憶されるると共に、マルチスペクトル画像取得
装置20に送られる。
【0030】マルチスペクトル画像取得装置20では、
例えばマクベスチャートのグレーパッチの画像データと
その分光反射率の値との関係から作成された1次元ルッ
クアップテーブル(1次元LUT)が備えられており、
この1次元LUTを用いて、マルチバンド画像データ記
憶装置18から呼び出された撮影被写体Oのマルチバン
ド画像MB の画像データを用いて各画素毎の撮影被写体
Oの分光反射率を推定しマルチスペクトル画像MS の画
像データを取得する(ステップ102)。この撮影被写
体Oの分光反射率の推定において、精度の高い分光反射
率分布を推定するために、マトリクス演算やフーリエ変
換を用いたデコンボリューション処理が付加されてもよ
い。
【0031】次に、最適主成分画像Sk (k=1〜
1 )および最適主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜
1 )を、最適主成分ベクトル・画像抽出部22bにお
いて求める(ステップ104)。まず、主成分分析を行
い(ステップ106)、主成分画像Sk (k=1〜n)
および主成分ベクトルpk (λ)(k=1〜n)を求め
る。以下、主成分分析法について説明する。
【0032】マルチスペクトル画像Ms は、画素位置
(i,j) においてそれぞれn個の分光反射率の値を持つ分
光反射率分布を有し、分光反射率分布をR(i,j,λ) =
( R (i,j ,λ1),R(i,j,λ2),R(i,j ,λ3),・
・・,R(i,j ,λn ) )T (小文字T は転置を示す)
として、画像全体の画素または画像の一部分、例えば画
像全体の画素から一定間隔で画素を間引いた残りの画素
における自己相関行列T(Tの(i,j ) 成分TijはRT
・R/nである)を求める。
【0033】得られた自己相関行列Tはn×nの正方行
列であり、この自己相関行列Tを用いて、下記式(2)
を満足する固有値uk (u1 >u2 >・・・>un ,k
=1〜n)および正規直交化された固有ベクトルである
主成分ベクトルpk (λ)=( pk (i,j ,λ1),pk
(i,j,λ2),pk (i,j ,λ3),・・・,pk (i,j,
λn ) )T (k=1〜n)を求める。固有値および固有
ベクトルを求める方法は、jacobi法やべき乗法等
の公知の方法であればよく、特に制限されない。 T・pk (λ)= uk k (λ) (2) また、画素位置(i,j) における分光反射率分布R(i,j,
λ) が下記式(3)のように、固有ベクトルである主成
分ベクトルpk (λ)(k=1〜n)で表されるため、
【数1】 下記式(4)に従って、主成分ベクトルpk (λ)(k
=1〜n)がお互いに正規直行関係にあることを利用し
て、sk (i,j) 求める。 sk (i,j) =R(i,j,λ) ・pk (λ) (4) ここで、記号・は、n個の成分から成るバンド帯域の分
光反射率の値についてのベクトルの内積であり、s
k (i,j) は、マルチスペクトル画像の画素位置(i,j)で
の分光反射率R(i,j,λ) に含まれる第k主成分ベクト
ルpk の大きさを示す量である。また、このsk (i,j)
を各画素位置で求め、その値を各々の画素位置での画像
データとする第k主成分画像Sk (k=1〜n)を求め
る。
【0034】ところで、分光反射率分布R(i,j,λ) に
おける第1〜第nの各主成分の寄与は、上述したよう
に、各主成分に付随した固有値uk の値が小さくなるに
連れて小さくなることから、分光反射率分布R(i,j,
λ) は、画像情報を最適に保持する限りにおいて、小さ
な固有値uk を持つ主成分ベクトルpk を省略して近似
することができる。すなわち、下記式(5)に示すよう
に、固有値uk (k=1〜n)を大きい順に並べた際
の、上からm番目以内の固有値uk (k=1〜m)に対
応する固有ベクトルpk (λ) (k=1〜m)を採用
し、それ以外の固有値uk の小さい固有ベクトルp
k (λ) (k=m+1〜n)を切り捨てることによっ
て、分光反射率分布R(i,j,λ) を近似し、画像データ
を圧縮することができる。
【数2】
【0035】そこで、画像情報を最適に保持した状態
で、分光反射率分布R(i,j,λ) が、画像情報を損なう
ことなく、近似的に表されるような主成分ベクトルpk
の採用数、すなわち最適主成分数m1 を見いだし、これ
を用いて、マルチスペクトル画像Ms を圧縮する。これ
によって、マルチスペクトル画像Ms の画質を劣化させ
ることなく、画像データを圧縮することができる。ここ
で、固有値uk の大きい固有ベクトルである主成分ベク
トルpk (λ)(k=1〜m1 )を採用し、固有値uk
の小さい固有ベクトルpk (λ)(k=m 1 +1〜n)
を切り捨てるための閾値となる最適主成分数m1 の設定
を以下の判断基準によって行なう(ステップ108)。
【0036】まず、固有値uk の大きい順に主成分ベク
トルpk (λ)を順次式(4)の主成分ベクトルp
k (λ)に含め、下記式(6)で示されるマルチスペク
トル画像に対応する近似分光反射率分布R’(i,j,λ)
を求める。
【数3】 近似分光反射率分布R’(i,j,λ) は、分光反射率分布
R(i,j,λ) を近似しているため誤差が存在するが、こ
の近似分光反射率分布R’(i,j,λ) から、一定の分光
強度分布を掛け合わせて得られる合成画像Gの画像情報
の、マルチスペクトル画像MS に上記分光強度分布を掛
け合わせて得られるオリジナル画像の画像情報に対する
誤差も、主成分数mが大きくなるに連れて減少する。そ
こで、判断基準として、所定値を予め定め、近似分光反
射率分布R’(i,j,λ) に分光強度分布を掛け合わせて
得られる合成画像Gの画像情報の上記オリジナル画像の
画像情報に対する誤差が、上記判断基準として定めた所
定値より小さくなる最初の主成分数mを求めることによ
って、最小の最適主成分数m1 が取得される。
【0037】たとえば、合成画像Gの画像情報のマルチ
スペクトル画像MS の画像情報に対する誤差を、CIE
65の標準光条件下のCIEL* * * 色空間におけ
る測色値L* 、a* およびb* の色差ΔE0 として、こ
の色差ΔE0 に対する上記所定値を定め、最小の最適主
成分数m1 を求める。また、上記誤差は、合成画像Gの
画像全体または一部分のスペクトルの自乗誤差E1 であ
ってもよく、その際、主成分数mの増加に対して自乗誤
差E1 の減少量が所定値以内に飽和する時の最小の最適
主成分数m1 の値を求めてもよい。
【0038】このようにして、マルチスペクトル画像M
s の画像情報を保持し最適に代表する最小の最適主成分
数m1 を求め、これによって、固有値u1 〜um1(u1
〜u m1>um1>um1+1>・・・>un )に対応するm1
個の最適主成分ベクトルpk(λ)(k=1〜m1 )お
よび最適主成分画像Sk (k=1〜m1 )を取得する。
ここで、取り除かれる主成分ベクトルpk (λ)(k=
1 +1〜n)は、マルチスペクトル画像Ms に含まれ
るノイズ成分が支配的な場合が比較的多く、マルチスペ
クトル画像Ms から寄与の小さな主成分ベクトルp
k (λ)(k=m1+1〜n)を除去することで、マル
チスペクトル画像Ms に含まれるノイズ成分の抑制も行
うことができる。
【0039】次に、得られた最適主成分画像Sk (k=
1〜m1 )に対して、画像圧縮部22cで画像圧縮(ス
テップ110)を行う。画像圧縮は、像構造に基づく画
像データの圧縮(ステップ112)および符号化データ
の圧縮(ステップ114)から構成される。像構造に基
づく画像データの圧縮は、例えば、JPEG方式の圧縮
が行われ、例えば1024×1024画素の主成分画像
k を8×8画素のブロック画像に分解し、このブロッ
ク画像各々に対して、cosine関数による2 次元の離散型
のフーリエ展開であるDCTを施し、得られ低周波成分
から高周波成分に至る複数のフーリエ係数をDCT係数
として求めたのち、予め与えられた量子化テーブルによ
って上記DCT係数を除した商を画像データとする。こ
こで、上記DCT係数を除する量子化テーブルの係数
は、高周波成分になるほど、値が大きく、しかも高周波
成分のDCT係数は、低周波成分に比べて小さいため、
高周波成分のDCT係数を除した商は大部分が0とな
る。すなわち、最適主成分画像Sk (k=1〜m1 )の
画像データに含まれる高周波成分の画像データの大部分
を、像構造に基づいた量子化テーブルによって0とする
のである。一般的に画像データに含まれる高周波成分
は、低周波成分に対して、画像に対する寄与が小さく、
高周波成分を除去しても原画像の画像情報に対する影響
は少なく、高周波成分を省略しても構わないからであ
る。また、高周波成分は、撮影被写体Oの画像成分より
もノイズ成分が支配的である場合が多く、高周波成分を
除去することで、画像データに含まれるノイズ成分を除
去することができる。
【0040】このように大部分の画像データの高周波成
分のDCT係数を0とすることで、画像データの情報エ
ントロピーを低減することができ、後述する符号化デー
タ圧縮( ステップ114)の際において、画像データを
大きく圧縮することが可能となる。
【0041】次に、高周波成分の大部分が0となったD
CT係数で構成される主成分画像S k (k=1〜m1
をそれぞれ、符号化し、画像データを圧縮する(ステッ
プ114)。符号化は、例えばハフマン符号化やその他
の算術符号化が行われる。例えば、ハフマン符号化にお
いては、DCT係数の0次低周波成分である直流成分と
それ以外の周波数成分に分け、例えば、8×8画素のブ
ロック画像を代表した直流成分のみで表示される1/8
×1/8の縮尺画像を得、この縮尺画像に対して、隣接
する画素値との差分を取ってDPCM符号化により圧縮
を行う。一方、直流成分以外の周波数成分は、高周波成
分になるにつれ、DCT係数が0となって行くため、順
次低周波から高周波に向けてDCT係数を符号化する
際、DCT係数0の連続する個数、すなわちランレング
スによって符号化し、画像データの圧縮率を高めること
ができる。
【0042】このようにして、最適主成分画像Sk (k
=1〜m1 )の画像データを符号化した最適主成分圧縮
画像データSdk (k=1〜m1 )を得、ステップ10
4において求められた最適主成分ベクトルpk (λ)
(k=1〜m1 )とともに、圧縮マルチスペクトル画像
データとして、記録メディアドライブ装置24を介し
て、ハードディスクやMOやCD−RやDVD等の各種
記録メディアに保存する(ステップ116)。
【0043】本発明においては、画像データ量の大きな
マルチスペクトル画像Ms を主成分分析し、画像情報を
最適に保持する最適主成分ベクトルpk (λ)(k=1
〜m 1 )および最適主成分画像Sk (k=1〜m1 )を
求めることによって、画像データ量を圧縮し、さらに、
JPEG方式等によって、最適主成分画像Sk (k=1
〜m1 )に対応した圧縮画像データSdk (k=1〜m
1 )を求めて一層圧縮し,得られた最適主成分ベクトル
k (λ)(k=1〜m1 )および圧縮画像データSd
k (k=1〜m1 )を記録保存する。これによって、複
数のスペクトル画像が視覚的に劣化することなく画像圧
縮の際の圧縮率を高め、画像データの取り扱いが向上す
る。
【0044】このようなマルチスペクトル画像の画像圧
縮方法および画像圧縮装置において、以下のようなマル
チスペクトル画像の圧縮を行った。CCDカメラ16と
して、DALSA社製 CA-D4-1024A(画素数1024×
1024、ピクセルサイズ12×12ミクロン、PCI
インターフェース付き、モノクロ)を用い、可変フィル
タ14として、CRI社製Varispec Tunable Filter
(液晶チューナブルフィルタ)を用いた。この液晶チュ
ーナブルフィルタによって、380〜780nmの撮影
波長帯域を、バンド帯域幅を10nmずつに分割し、4
1バンドとした。人物を撮影被写体Oとし、41画像か
ら成る人物画のマルチバンド画像MB を得た。
【0045】マルチバンド画像記憶部18、マルチスペ
クトル画像取得装置20およびマルチスペクトル画像圧
縮装置22は、PROSIDE社製ブック型PC(パー
ソナルコンピュータ)を用いて構成し、Windows 95上
でC++言語によるソフトウェア処理を行った。なお、P
ROSIDE社製ブック型PCは、CPUが166MHz
であり、RAMは128Mbyte であった。なお、前処理
として、ソフトウェア処理の都合上から、画像データの
量子化数を2バイトから1バイトに変換した。この前処
理は、以降で述べる画像データ量の圧縮には含まれてい
ないものである。
【0046】まず、マルチスペクトル画像取得装置20
において、マルチバンド画像MB からマルチスペクトル
画像MS を抽出し、主成分分析を行い、主成分ベクトル
k(λ)(k=1〜41)および主成分画像Sk (k
=1〜41)を求めた。
【0047】次に、最適主成分数m1 を求めるために、
判断基準として、CIED65の標準光源下のCIED1
976L* * * 色空間における色度に基づく平均色
差を1.5とし、上述した主成分分析法によって固有値
k および固有ベクトルである主成分ベクトルpk を求
めた。固有値uk の大きい順に採用したm個の主成分ベ
クトルpk (λ)(k=1〜m)によって再構成される
合成画像Gとマルチスペクトル画像Ms から得られるオ
リジナル画像との上記平均色差を求め、平均色差が1.
5以下となる最適主成分数m1 を決定した。その結果、
最適主成分数m1 は6であった。また、マルチスペクト
ル画像Msを第1〜第6主成分ベクトルによって近似し
ても、再構成された合成画像Gは、オリジナル画像の画
像情報を依然保持し、しかも視覚的に劣化の少ないこと
がわかった。すなわち、第1〜6主成分画像Sk (k=
1〜6)と第1〜6主成分ベクトルにより、41のバン
ド帯域からなるマルチスペクトル画像Ms を約1/7
(6/41)に画像データ量を圧縮することができた。
【0048】さらに、求められた第1〜6主成分画像S
k (k=1〜6)について、上述した像構造に基づく非
可逆なDCTによるJPEG方式で画像データの圧縮を
行い、最適主成分画像Sk (k=1〜6)の画像データ
を符号化した。その結果、最終的に主成分画像Sk (k
=1〜6)の画像データは、41Mバイトから0.7M
バイトに、約1/60に圧縮されることがわかった。し
かも、画像情報を保持し、視覚的な劣化も見られなかっ
た。
【0049】このように、本発明の画像圧縮方法および
これを用いた画像圧縮装置は、複数のスペクトル画像に
対して、視覚的な劣化が少なく画像圧縮の際の圧縮率を
高め、例えば1/60程度に高め、画像データの取り扱
いを向上するのは明らかである。
【0050】以上、本発明のマルチスペクトル画像の画
像圧縮方法および画像圧縮装置について詳細に説明した
が、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行
ってもよいのはもちろんである。
【0051】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、画像データ量の大きなマルチスペクトル画像を
主成分分析し、画像情報を最適に保持し代表する最適主
成分ベクトルおよび最適主成分画像を求めることによっ
て、画像データ量を圧縮し、さらに最適主成分画像をJ
PEG方式等による像構造圧縮を行い、さらに像構造圧
縮を行った最適主成分画像の画像データを符号化して圧
縮画像データとすることによって、マルチスペクトル画
像の画像データに対して、画像情報を最適に保持し代表
する最適主成分画像と最適主成分圧縮画像データで近似
して表すことができるので、画像品質を損なうことな
く、画像圧縮し、さらに圧縮率を高め、画像データの取
り扱いを向上させることができる。また、マルチスペク
トル画像に含まれる主成分ベクトルからノイズ成分が支
配的な主成分ベクトルを除去することができ、ノイズ成
分の抑制も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマルチスペクトル画像圧縮装置を含
むマルチスペクトル画像取得システムの一例を示す概念
図である。
【図2】 本発明に係るマルチスペクトル画像圧縮装置
の一例を示すブロック図である。
【図3】 本発明のマルチスペクトル画像圧縮方法のフ
ローの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 マルチスペクトル画像取得システム 12 光源 14 可変フィルタ 16 CCDカメラ 18 マルチバンド画像データ記憶装置 20 マルチスペクトル画像取得装置 22 マルチスペクトル画像圧縮装置 22a 主成分分析部 22b 最適主成分ベクトル・画像抽出部 22c 画像圧縮部 24 記録メディアドライブ装置
フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 BA02 BA11 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB18 CC01 CD05 CG05 DA17 DB02 DB09 DC25 5C057 AA11 BA11 BA13 CE10 DA00 EA00 EC01 ED06 EK04 EL01 EM02 EM09 EM13 FB03 GE08 GF01 GG04 GJ01 GJ03 GJ05 GM01 5C066 AA11 BA13 BA17 CA00 GA31 GB01 HA02 KE02 KE03 KE07 KE16 KL02 KM02 LA02 5C078 AA09 BA58 CA22 DA01 9A001 EE04 GG03 HH27 KK41 KK42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写体を撮影する際に撮影波長帯域を複数
    のバンド帯域に分割して撮影したバンド画像を用いて得
    られるマルチスペクトル画像を画像圧縮する方法であっ
    て、 マルチスペクトル画像の画像データを用いて、主成分分
    析を行い、マルチスペクトル画像の主成分ベクトルと主
    成分画像の複数の対を得、 この複数の対の中から、マルチスペクトル画像の画像情
    報を最適に代表する最適主成分数を求めて、最適主成分
    ベクトルとこれに対応する最適主成分画像を得、 得られた各最適主成分画像に対して、像構造圧縮を行い
    最適主成分圧縮画像データを得ることによって、 前記マルチスペクトル画像の画像データを前記最適主成
    分ベクトルおよび前記最適主成分圧縮画像データに圧縮
    することを特徴とするマルチスペクトル画像の画像圧縮
    方法。
  2. 【請求項2】前記最適主成分数は、色空間上の測色値に
    基づいて決定される請求項1に記載のマルチスペクトル
    画像の画像圧縮方法。
  3. 【請求項3】前記最適主成分数は、前記主成分ベクトル
    と前記主成分画像の中から選ばれて構成される合成画像
    の測色値の画像情報の、前記マルチスペクトル画像に基
    づいて構成されるオリジナル画像の測色値の画像情報に
    対する誤差の値が、所定値以下となる最小の主成分数で
    あり、あるいは、前記マルチスペクトル画像に対する寄
    与の大きい主成分ベクトルを、主成分ベクトルの大きい
    順に、順次含めて前記合成画像を求めた時の前記オリジ
    ナル画像に対する前記誤差の変動が、所定値以下に収ま
    る最小の主成分数である請求項1または2に記載のマル
    チスペクトル画像の画像圧縮方法。
  4. 【請求項4】前記像構造圧縮は、離散フーリエ変換また
    はウェーブレット変換による画像データの高周波成分の
    圧縮である請求項1〜3のいずれかに記載のマルチスペ
    クトル画像の画像圧縮方法。
  5. 【請求項5】前記像構造による圧縮は、画像データの符
    号化により画像データを圧縮する符号化圧縮処理が付加
    される請求項4に記載のマルチスペクトル画像の画像圧
    縮方法。
  6. 【請求項6】被写体を撮影する際に撮影波長帯域を複数
    のバンド帯域に分割して撮影したバンド画像を用いて得
    られるマルチスペクトル画像を画像圧縮するマルチスペ
    クトル画像の画像圧縮装置であって、 マルチスペクトル画像の画像データを用いて、主成分分
    析を行い、マルチスペクトル画像の主成分ベクトルと主
    成分画像の複数の対を得る主成分分析部と、 この主成分分析部で得られた主成分ベクトルと主成分画
    像の複数の対の中から、マルチスペクトル画像の画像情
    報を最適に代表する最適主成分数を求めて、最適主成分
    ベクトルと最適主成分画像を得る最適主成分ベクトル・
    画像抽出部と、 この最適成分ベクトル・画像抽出部で得られた各最適主
    成分画像の画像データに対して、像構造圧縮を行う画像
    圧縮部とを有することを特徴とするマルチスペクトル画
    像の画像圧縮装置。
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