JP2001118109A - インクジェットプリンターの異同識別方法および装置 - Google Patents

インクジェットプリンターの異同識別方法および装置

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JP2001118109A
JP2001118109A JP29834299A JP29834299A JP2001118109A JP 2001118109 A JP2001118109 A JP 2001118109A JP 29834299 A JP29834299 A JP 29834299A JP 29834299 A JP29834299 A JP 29834299A JP 2001118109 A JP2001118109 A JP 2001118109A
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Makoto Shinozaki
真 篠崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】定量的にかつ印字試料を破壊することなくイン
クジェットプリンターを識別すること。 【解決手段】サンプル印字試料の印字面の網点部分の少
なくとも一部を反射または透過した光によってCCDカ
メラ8等により得られた画像データに対して周波数解析
部18にて解析を行い、解析後のデータの相関を外部記憶
装置16に記憶されている対照プリンターの標準印字試
料の該印字面と同一性状の印字面の画像データに対して
演算部20にて求め、サンプル印字試料が該標準印字試
料と同一であるか否かを判断することによってインクジ
ェットプリンターを異同識別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンターの機種を異同識別する方法および装置であり、試
料である紙に印字された画像を解析することによってそ
の使用プリンターがどの機種であるかを異同識別するこ
とによって犯罪捜査の一助とするものである。例えば偽
造の免許証や身分証明書など、偽札と判定した紙幣、偽
造有価証券、その他の犯行現場に残されていた紙などへ
の適用が考えられる。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターの機種を識別
する方法としては印字のフォントの形状を比較するある
いはインキを化学的に分析する手法などが容易に考えら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが前者は観察者
の主観によるものであり、後者は測定に時間と技術を要
する。更に印字試料を破壊する識別法である。犯罪捜査
の際には定量可能かつ非破壊な方法が望まれる。本発明
は定量的にかつ印字試料を破壊することなくインクジェ
ットプリンターを識別することが可能な方法および装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットプリンターの異同識別方法は、サンプル印字試料の
印字面の網点部分の少なくとも一部を反射または透過し
た光によって得られた画像データに対して周波数解析を
行い、周波数解析後のデータの相関を対照プリンターの
標準印字試料の該印字面と同一性状の印字面の画像デー
タに対して求め、サンプル印字試料が該標準印字試料と
同一であるか否かを判断する。更に、本発明に係るイン
クジェットプリンターの異同識別方法の別の形態では、
前記標準印字試料のデータがプリンターの機種に応じて
複数あり、それぞれの標準印字試料について前記相関を
求め、もっとも相関が高い標準印字試料がサンプル印字
試料と同一の印字試料であると判断する。
【0005】本発明に係るインクジェットプリンターの
異同識別装置は、サンプル印字試料の少なくとも一部を
反射または透過した光によって画像データを得る画像デ
ータ取得部と、得られた画像データに周波数解析を行う
周波数解析部と、周波数解析部からのデータの相関を対
照標準印字試料の対応するデータに対して求める演算部
と、その演算結果からサンプル印字試料が該標準印字試
料と同一であるか否かを判断する判断部とを有する。
【0006】本発明に係るインクジェットプリンターの
識別方法は、紙の少なくとも一部を反射または透過した
光によって得られた画像データに対して周波数解析を行
い、当該画像データから網点の配列に関する周期性成分
を取りだし、次いでそのパワースペクトル図のパターン
をもって異同識別に供するものである。
【0007】近年のインクジェットプリンター機種にお
いては網点径の微小化および淡インクの採用によって画
像網点部の粒状性(JIS Z6000による)が低減
され、写真に近い画像が得られている。しかし我々は各
機種について一見同様に見える画像網点部を拡大してみ
るとその網点が独自の配列をしていることを見出した。
そこでその網点配列の特徴を周波数解析によって抽出し
その機種の特徴として識別判断の基にすることを考え
た。
【0008】本発明に係るインクジェットプリンター機
種の異同識別装置は、印字の画像網点部の少なくとも一
部を反射または透過した光によって画像データを得る画
像データ取得部、得られた画像データに周波数解析を行
う周波数解析部、周波数解析部からの出力により周期性
成分に着目して異同識別する照合および判断部および参
照用のインクジェットプリンター網点のデータベース部
を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】前述の従来技術に対して本発明は
画像解析を活用し、従来技術が注目していなかったとこ
ろの画像網点配列の周期性に注目することによりインク
ジェットプリンターの異同識別を行う。画像解析を活用
することによって試料を破壊するという問題が解決でき
る。また異同識別を行うにあたって相互相関法などの数
値処理を行うことによって類似度を定量化することが可
能になり観察者の主観に頼ると言う問題が解決できる。
【0010】インクジェットプリンターの印字の網点部
分に注目することとする。そして、それらの網点部の反
射あるいは透過画像を得てその後フーリエ変換などの周
波数解析を行うとその繰り返しパターンが抽出される。
その周波数解析によって取り出されたパワースペクトル
を異同識別に供する。プリンター機種の異同を識別する
にあたって、取込装置および識別のアルゴリズムを要す
る。取込装置としては以下のような構成をなす。まず、
紙を装置に送り込む部分はローラーなどで紙を次の撮影
の部位に送り込む。次いで挿入された紙に光を照射し、
その反射画像を得る部分。これについては反射画像と限
定するものではなく透過画像でもよい。続いてその反射
あるいは透過の画像を取り込む部分。撮像管あるいはC
CDカメラ、フラットベッドスキャナーなどが考えられ
るがその方法を限定するものではない。その信号を計算
機に取り込むために計算機に画像ボードを要する場合も
ある。計算機に取り込まれた信号はメモリー上に記憶さ
れるが、それをハードディスク、フロッピーディスク、
光磁気ディスク、CD−ROM類などの外部記憶装置に
保存してもよい。
【0011】続いて識別の手法としては、最初にメモリ
ー上の画像信号に対して周波数解析を施す。周波数解析
の方法としては、フーリエ変換やウェ−ブレット変換な
どが考えられるがその方法を限定するものではない。ま
たそれらの変換を直線信号に対する1次元で行うか平面
信号に対する2次元で行うかについても同様である。一
般に2次元変換を行うほうが異同識別の精度が向上する
ことが期待される。具体的な照合法の一例はフーリエ変
換のパワースペクトルの値の比較で行うが、本発明はそ
の方法を限定するものではない。
【0012】続いて比較の対象となるデータベース中の
プリンター印字に対して同様に解析し、先の試料とあわ
せてその両者を照合する。またデータベースに集積して
おくデータは、印字の反射あるいは透過画像のみならず
試料と同様の方法および条件で解析をかけたものであれ
ばそれに周波数解析をかけた結果であってもよい。その
一例としてフーリエ変換のパワースペクトルなどが挙げ
られる。データベース中にこれらの市販プリンター印字
の網点部の透過あるいは反射画像を蓄えておき、試料の
プリンター印字がそれらのどれと一致するかを照合す
る。照合のアルゴリズムについては、相互相関法や最短
距離法などの数学的な方法が考えられるが、本発明はそ
の方法を限定するものではない。
【0013】
【実施例】図1に本発明に係るインクジェットプリンタ
ー異同識別装置の構成の一実施例を概略的に示すブロッ
ク図を示した。この実施例は、試料となるインクジェッ
トプリンター印字の網点部の反射画像を取り込み、それ
に対して周波数解析の一つである2次元離散フーリエ変
換を施し、データベース中の参照用のプリンター印字網
点部のデータに同様の操作を行い、両者の類似度を相互
相関法により定量的に求めるということを、データベー
ス中の参照用プリンター印字群の一つ一つに対して順次
行い、その中で類似度の最も高いものが試料と同一のプ
リンターによる印字であると判断するものである。
【0014】撮像部2は透過画像を入力するものであ
り、紙の取込駆動装置4により送り込まれた印字試料を
置く反射原稿台(図示略)と、その反射原稿台に置かれ
た印字試料を照らす光源6と、照らされた印字試料の反
射画像を撮像するCCDカメラ8を備えている。印字試
料の画像入力に関しては、反射に限らず透過画像などで
もよい。
【0015】撮像装置としては、CCDカメラ8のほか
に、撮像管やドラムスキャナー、イメージスキャナー、
デジタルビデオ等を用いることもできる。ここでは、撮
像部2として、印字試料の反射画像をカラー・イメージ
・スキャナー(GT−9000WIN:セイコーエプソ
ン(株)製)を用いて作成した。取込条件はカラー写真
モード、分解能:1200dpi、縦475画素(約1
0.05mm)×横640画素(約13.55mm)と
した。この画像データは24ビット(RGB各256階
調)の輝度分解能で解析に用いた。
【0016】画像取込部12は撮像部2から濃淡画像を
表わす画像データを取り込むものであり、画像ボードな
どにより実現することができる。メモリー14は画像取
込部12が取り込んだ画像データを記憶し、計算に供す
るものである。また、この画像信号はフロッピー(登録
商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、C
D−ROM類などの大容量の外部記憶装置16を設けて
そこにも記録して保存しておくようにすることもでき
る。標準印字試料であるところの参照用の印字試料のデ
ータを蓄積しておくデータベース部17は通常は大容量
外部記憶装置16に設けるが、メモリー14に入れても
構わない。
【0017】データベース部17は試料と同一の方法で
作成された同一性状の参照用データを集積しておくもの
である。ここでいう同一性状とは同一の方法で得られた
同様の部分さらに詳しくは網点部分のデータという意味
である。この蓄積方法については、一つには画像そのも
のを蓄積しておく方法、もう一つにはその画像を同一の
解析アルゴリズム、たとえばフーリエ変換など、で得ら
れたパワースペクトルを蓄積しておく方法が考えられ
る。しかし本発明においてはこれらを制限するものでは
ない。データの蓄積の方法については標準試料およびサ
ンプル試料において、同一の取込条件、すなわちその画
像を透過で得るか反射で得るか、その光の種類、露出や
絞りなどの画像取り込み条件、拡大率、画像分解能、輝
度分解能など、で得ることは必須である。また画像取り
込み装置も同一である方が好ましいが、上述の取込条件
が同一であれば必ずしも同一でなくとも差し支えない。
【0018】周波数解析部18はメモリー14に記憶さ
れた画像データから周波数解析データを求めるものであ
る。周波数解析部18としては、画像処理解析装置DA
−5000Sおよびそのオプション・ソフト(王子計測
機器(株)製)の1つである2次元高速フーリエ変換
(FFT)により上記画像中の縦横各256画素(12
00dpiで約5.42mm角)の範囲を周波数解析処
理した。
【0019】メモリー14、周波数解析部18及び演算
部20は画像データ処理部を構成する。
【0020】周波数解析処理した結果としてパワースペ
クトルが数値の表およびその図(パワー図)として出力
される。それは演算部20で処理され、その扱うところ
のパワー図について説明する。図2にプリンター印字網
点部試料を2次元高速フーリエ変換して得られるパワー
図の一実例を示し、図3は2次元高速フーリエ変換して
得られたパワー図の情報を説明する図である。
【0021】パワー図はその性質として周期成分の波長
とその繰り返される方向、およびその周期の強度を示
す。強度はその点の白さの強さで表現される。まず強度
に関してはパワーが大きいほどその周期が強いことを意
味する。次いで、波長に関してはパワー図の中心からそ
の点までの距離が波長の逆数に比例するため、図の中心
に近い点は長い周期の存在を示し、順次外にいくにした
がって短い周期を示す。方向に関しては、図の中心から
見たその点の方位が、その周期の繰り返される方向の軸
になる。ここでの解析には主に波長に注目する。
【0022】一般にインクジェットプリンターの濃淡画
像は網点によって描かれている。しかし網点を縦横等間
隔に(格子状に)並べると「粒状性」と称して人の目は
その画像をざらついて感じる。そこでインクジェットプ
リンターメーカー各社は独自に粒状性を回避するために
このような網点が等間隔にならないようにするアルゴリ
ズムを使用していると考えられる。しかし、一定の規則
性が網点の配列にはいりこむことは避け難く、結果とし
て各メーカー各機種独特のフーリエ変換の解析結果が得
られるものと推定される。
【0023】そこで、本発明では、サンプル試料である
インクジェットプリンター印字網点部試料データとデー
タベース中の標準網点部試料である参照データとを、そ
のパワースペクトルを照合することによって異同識別す
るものである。
【0024】本実施例では参照として6機種のインクジ
ェットプリンターを用いてそれぞれで黒色(灰色)10
%濃度の網点印字を行い、カラー反射画像で1200d
piの分解能で縦横各256画素角の範囲をFFT処理
した。この分解能および取りこみ範囲は視野中に網点が
約30個以上取りこめ、かつ個々の網点が約30画素以
上の大きさになる程度の分解能と考えて決定した。
【0025】同時に試料として前述6機種のうちの2機
種を用いて、人物写真画像を印字した。その画像のう
ち、顔の額の部分を同様の条件で取りこんだ。その画像
に対して、本実施例においては取りこんだカラーの反射
画像をまずRフィルターで一色に抽出した。その画像に
対して判別2値化法にて白黒(順に対象である網点と背
景)に分離した。続いてその2値画像にFFT処理を施
した。ここにおいて2値化の操作は後のFFT処理のパ
ワースペクトルを明瞭に出すためのものであり、必ずし
も必要ではなく省略することも可能である。またその網
点の重心点を求めて背景上に重心点のみの画像を得、そ
の画像にFFT処理を施すことも可能である。
【0026】パワー図の見かたを記すと次のようにな
る。縦横各256×256画素のFFTのパワースペク
トルを図と同じ形で表にすると中央に直流成分の値、そ
の周囲に順次波長の長い成分から短い成分に渡って、中
央からの距離画素がnの点では25.4/1200×2
56/n(mm)の波長のパワーを示す。パワー値が大
きいほどその波長成分の存在が強いことを意味する。
【0027】演算部20の更なる一つの仕事である照合
の方法としては、相互相関法などが考えられるが本発明
はその方法を限定するものではない。印字の上下方向が
分かっている場合には2次元パワー図をそのまま照合で
きる。データベース中の参照用の標準印字試料群の一つ
一つに対して与えられたサンプル試料を順次照合してい
き、そのなかで最も類似度の高かったものをもって、一
般にはその試料と同一のものと判断することができる。
出力部22は求められたパワー値および試料である印字
がデータベース中の参照用の標準印字試料群との類似度
の判定結果を出力するプリンターやディスプレーなどの
出力部である。
【0028】図1中の破線で囲まれた部分は、一方はコ
ンピュータ及びそのコンピュータで制御される装置であ
り、それらはパーソナルコンピュータ等でまとめて構成
されるので計算機10として、もう一方はコンピュータ
に取り込むための紙の画像を作成する部分を撮像部2と
して表わしている。
【0029】次に本発明のインクジェットプリンター異
同識別装置の動作の概要を示すフローチャートを図4に
ついて説明する。図4が当該フローチャートである。サ
ンプル印字試料sは異同識別を受ける印字試料である。
これを次のステップ34では、反射画像データを得る。
続いてステップ36で、その反射画像データの少なくと
も一部を2次元フーリエ変換に供する。ステップ38で
は、その結果をパワースペクトルとして図または表など
の形で捕らえる。データベース中の参照用の標準印字試
料データに関しても同様の処理過程が必要である。ただ
し、データベースには必要に応じて、紙の反射画像を蓄
えておくか、周波数解析後の結果であるパワースペクト
ルを蓄えておくかはその方法をサンプル試料と参照用の
データにおいて統一しさえすればどの形態であっても構
わない。
【0030】続いてステップ40ではサンプル印字試料
sと参照用の標準印字試料r1〜rnとの照合を行う。そ
の部分の詳細を図5に示す。図5は照合のアルゴリズム
を説明する図。その照合40のアルゴリズムについて説
明する。試料sと参照用の標準印字試料のデータr1
nの一つ一つに対してループ52を組み、類似度計算
のステップ54にて順次両者間の類似度の計算を行い、
ステップ56以降において類似度の最も高い参照用のデ
ータをもって、その試料と同一のプリンター機種と判定
する。
【0031】類似度計算のステップ54のアルゴリズム
について説明する。ここでは一つの例として相互相関法
を挙げることとする。この相互相関法によって類似度計
算を行うアルゴリズムを図6に示した。図6のアルゴリ
ズムでは、サンプル印字試料sと参照用の標準印字試料
1〜rnのそれぞれの、縦横各256画素の2次元高速
フーリエ変換したパワースペクトルのデータを以下のよ
うに処理する。ステップ76および78においてそれぞ
れ直流成分および長波長成分を除去するなど計算の精度
を向上させるための処理を加える。例えば1200dp
iかつ256画素でのFFTの場合、パワー図中心から
16画素の位置にあるピークは25.4/1200×2
56/16=0.339mmの波長を示すので1から1
6画素までの値を除去して計算すれば0.339mm以
上の長波長を照合の対象から除去したこととなる。この
際にここでは直流成分のみを除去して残りを照合の対照
としたが例えば0.2mm〜0.4mmおよび0.5m
m〜0.6mmというように離れた波長帯を選んでも構
わない。
【0032】次いでステップ80および82においてそ
れぞれの積算データを自乗総和すると1になるように比
例計算し規格化する。次いで相互相関法84として、両
者の同一座標の値同士を掛け合わせ、その積算をとる。
この計算はベクトルの内積と同様の方法である。その値
が類似度Eを求めるステップ86であり、最大は1、最
小は0である。類似度が1の場合にsとrとは同一とい
うことである。
【0033】計算の例を表1および図7に掲げた。表1
に類似度計算を以下の条件で行った場合の結果を示し
た。図7は表1の結果を棒グラフに表した。試料sam
ple1(使用したプリンター機種名を43とする)お
よびsample2(同様にf6とする)それぞれの4
機種ref1からref4(同様に順に、43、70、
f6、mjとする)に対する類似度を示している。表1
から試料sample1が最も高い類似度0.763を
示した参照用の標準印字試料ref1は同機種である4
3であった。同様に試料sample2が最も高い類似
度0.744を示した参照用の標準印字試料ref3は
同機種であるf6であった。それぞれ同一の来歴のプリ
ンター機種同士のみが高い類似度を示し、よく照合され
ていることがわかる。
【0034】
【表1】 図8および9にはサンプル印字試料2種(sample
1,2)および参照用の標準印字試料4種(ref1〜
4)のパワースペクトル図を示す。sample1はr
ef1と、sample2はref3と、目視からも類
似していることが分かる。
【0035】実施例の1200dpiで256画素角と
いう分解能については次のように定めた。まず注目する
ところのプリンター機種に由来する網点の周期が0.1
mmから0.3mm程度であることがわかった。周波数
解析を行う際にこの周期が数十入るように考えるとその
視野は3〜10mmとなる。約8mmの視野を得るに
は、800dpiで256画素角、400dpiで12
8画素角あるいは200dpiで64画素角が必要であ
る。さらに網点一つ一つの形状を描くことのできるよう
に考えると網点が数十画素からなるようにしなければな
らない。そう考えると視野の画素数は256画素角程度
は必要である。そこで前記の800dpiが良いと考え
られる。
【0036】また偽造身分証明書などの鑑識を考えた場
合に測定に供することのできる写真の面積が大きく取れ
ないことが予想できる。すると測定面積のより小さい1
200dpiで256画素角がより好ましいと思われ
る。1200dpi、256画素での視野は約5mmで
ある。
【0037】2400dpiなど、さらに分解能を細か
くするとそれに伴って同じ画素数での画像の取り込み範
囲が小さくなり、視野に入る網点個数が減ってしまい、
判定の精度が下がることになる。また取り込み画素数を
多くすると計算量が増えることになる。そこで1200
dpiで256画素角が適当な値であると考えた。
【0038】参照画像を印字網点部の濃度10%とした
理由は次の理由による。網点の濃度が40%以上に濃く
なると網点個々の大きさが大きくなり網点同士がくっつ
いてしまう。また8%未満では印字がとんできえてしま
うことがある。したがって参照画像の網点密度は8%以
上40%未満がのぞましく、より好ましくは10%から
20%である。
【0039】試料画像をとった顔写真の部位が額である
理由は画像中で均一に近い網点部がもっともとりやすい
部位のひとつであるためである。髪や衣服など複雑なパ
ターンを持たないものであれば、他に頬や画像の背景部
などであっても構わない。
【0040】
【発明の効果】インクジェットプリンターの画像を構成
する網点の配列の周期性に注目し、印字画像を周波数解
析し、網点配列の特徴を異同識別することによって、そ
のプリンターと他のプリンターの異同を判断したり、ま
た複数のデータベース中のどのプリンターと類似度が高
いか判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンター異同識
別装置の構成の一実施例を概略的に示すブロック図。
【図2】プリンター印字網点部試料を2次元高速フーリ
エ変換して得られるパワー図の一例。
【図3】2次元高速フーリエ変換して得られたパワー図
の情報を説明する図。
【図4】本発明のインクジェットプリンター異同識別装
置の動作の概要を示すフローチャート。
【図5】照合のアルゴリズムを説明する図。
【図6】相互相関法によって類似度計算を行うアルゴリ
ズムを説明する図。
【図7】表1の結果を棒グラフに表した類似度の計算結
果を示すグラフ。
【図8】サンプル印字試料2種(sample1,2)
のパワースペクトル図を示す。
【図9】参照用の標準印字試料4種(ref1〜4)の
パワースペクトル図を示す。
【符号の説明】
2 撮像部 6 光源 8 CCDカメラ 10 計算機 12 画像取込部 16 外部記憶装置 18 周波数解析部 20 演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプル印字試料の印字面の網点部分の少
    なくとも一部を反射または透過した光によって得られた
    画像データに対して周波数解析を行い、周波数解析後の
    データの相関を対照プリンターの標準印字試料の該印字
    面と同一性状の印字面の画像データに対して求め、サン
    プル印字試料が該標準印字試料と同一であるか否かを判
    断するインクジェットプリンターの異同識別方法。
  2. 【請求項2】前記標準印字試料のデータがプリンターの
    機種に応じて複数あり、それぞれの標準印字試料につい
    て前記相関を求め、もっとも相関が高い標準印字試料が
    サンプル印字試料と同一の印字試料であると判断する請
    求項1記載のインクジェットプリンターの異同識別方
    法。
  3. 【請求項3】サンプル印字試料の少なくとも一部を反射
    または透過した光によって画像データを得る画像データ
    取得部と、得られた画像データに周波数解析を行う周波
    数解析部と、周波数解析部からのデータの相関を対照標
    準印字試料の対応するデータに対して求める演算部と、
    その演算結果からサンプル印字試料が該標準印字試料と
    同一であるか否かを判断する判断部とを有するインクジ
    ェットプリンターの異同識別装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003061981A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-31 National Printing Bureau, Incorporated Administrative Agency Feuille imprimee authentifiable, procede et appareil de fabrication, et procede et appareil d'authentification
JP2011056873A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Ricoh Co Ltd 記録装置、制御方法及びプログラム
KR101629138B1 (ko) * 2015-02-11 2016-06-10 한국과학기술원 망점 구조 영상을 이용한 컬러 레이저 프린터 판별 방법 및 그 장치

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