JP2001116949A - 光ファイバの融着接続方法 - Google Patents

光ファイバの融着接続方法

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JP2001116949A
JP2001116949A JP29488299A JP29488299A JP2001116949A JP 2001116949 A JP2001116949 A JP 2001116949A JP 29488299 A JP29488299 A JP 29488299A JP 29488299 A JP29488299 A JP 29488299A JP 2001116949 A JP2001116949 A JP 2001116949A
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optical fiber
heating
fusion splicing
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fusion
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Keiji Osaka
啓司 大阪
Kenji Fujino
健司 藤野
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モードフィールド分布の異なる2本の光ファ
イバの融着接続を低損失で実現する。 【解決手段】 融着接続する2本の光ファイバ43、4
6のうち、モードフィールド径が相対的に小さい一方の
光ファイバの加熱によるモードフィールド径の拡大率が
相対的に大きくなるように選択し、前記2本の光ファイ
バを融着接続後、前記融着接続点を含む区間に亘ってバ
ーナー48で所定の時間所定の温度で加熱し、前記2本
の光ファイバの融着接続の端面42a、44aにおける
モードフィールド径が概略一致したときに加熱を停止し
て、前記2本の光ファイバの接続損失を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なったモードフ
ィールド分布を有する光ファイバを相互に低損失で接続
する光ファイバの融着接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石英系のシングルモード型光ファイバを
用いた光通信は大容量伝送が可能であるという特徴があ
り、前記大容量伝送という利点を最大限に引き出す技術
として、シングルモード型光ファイバの最低損失波長で
ある1.55μm近傍の波長を用いた波長多重通信が実
用化されている。ところで、波長多重通信においては、
各波長の伝送信号の伝達速度が一致することが望まし
い。各波長の伝送信号の伝達速度を一致させるため、シ
ングルモード型光ファイバの構造、物性値を選択してシ
ングルモード型光ファイバの分散特性を制御することが
行われている。具体的には、シングルモード型光ファイ
バの分散特性はその屈折率分布及びシングルモード型光
ファイバを構成する材料により決定されるので、それら
を適切に選択することにより所望の分散特性を得てい
る。1.55μm帯で使用するシングルモード型光ファ
イバは通常1.55μm帯分散シフトファイバと呼ばれ
る。
【0003】波長多重通信で伝送容量を増加させるため
伝送路の分散特性の更に精緻な制御が必要である場合
は、分散シフトファイバはその端末や中間点において分
散補償ファイバ等の異なった屈折率分布を有する光ファ
イバに接続される場合がある。異なった屈折率分布を有
する光ファイバ、即ち異なったモードフィールド分布を
有する光ファイバを相互に接続した場合は、接続点にお
けるモードフィールド分布の不整合により、接続損失を
発生する。この接続損失の発生は、光ファイバの低損失
という利点を失わせる結果を生じるので、接続点におけ
るモードフィールド分布を整合させることが長距離通
信、例えば海底光ケーブルを用いた通信を実現するため
に重要である。
【0004】接続する2本のシングルモード型光ファイ
バのモードフィールド分布を整合させる、即ち一方のシ
ングルモード型光ファイバのモードフィールド分布を拡
大し他方のシングルモード型光ファイバのモードフィー
ルド分布に一致させる技術は、例えば木原他『コア拡大
光ファイバによる接続損低減化』(電子情報通信学会論
文誌B−I、Vol.J−75−B−1、No.7、p
p.467−470、1991年7月)に開示されてい
る。前記文献に開示された技術は、光ファイバを加熱す
ることにより光ファイバのコアに含まれるドーパントを
拡散させ、屈折率分布を平坦化し、その結果モードフィ
ールド分布の拡大を図るものである。図10は、前記文
献に開示された摂氏1400度での加熱時間とモードフ
ィールド径の変化の関係を示した図であり、1.55μ
m帯分散シフトファイバと1.3μm帯シングルモード
型光ファイバで屈折率分布及び光ファイバを構成する材
料の組成が相違することにより加熱によるドーパントの
拡散特性に差異を生じ、同一の加熱時間でもモードフィ
ールド径の変化に差異を生じることが示されている。し
かしながら前記文献には、『加熱温度の正確な測定及び
その制御は今のところ困難である』との記載があり、未
だにその実用化の困難は解消されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光ファイバ
の融着接続方法において、モードフィールド分布の異な
るシングルモード型光ファイバの接続を低損失で行うこ
とを目的とする。即ち、任意の異なる屈折率分布を有す
るシングルモード型光ファイバを低損失で接続する融着
接続方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の光ファ
イバと前記第1の光ファイバに比較してモードフィール
ド径が相対的に大きく加熱によるモードフィールド径の
拡大率が相対的に小さな第2の光ファイバの融着接続方
法であって、前記2本の光ファイバの接続すべき片端の
被覆を除去した後融着接続を行い、その後前記融着接続
点を含む前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバ
の長手方向の区間に亘って加熱を行い、前記第1の光フ
ァイバと前記第2の光ファイバの融着接続点近傍におけ
るモードフィールド径を概略一致させることを特徴とす
る光ファイバの融着接続方法を提供する。
【0007】即ち、接続しようとする2本の光ファイバ
の内、モードフィールド径の小さな第1の光ファイバの
所定の加熱温度におけるモードフィールド径の拡大率が
第2の光ファイバに比較して大きくなるようにファイバ
の構造、組成を選択することにより、融着接続後に融着
接続点を含む光ファイバの長手方向の区間に亘って所定
の加熱温度で加熱することにより接続点近傍における前
記2本の光ファイバのモードフィールド径を概略一致さ
せ接続損失の低減を図るものである。
【0008】前記第1の光ファイバと前記第2の光ファ
イバの融着接続点近傍におけるモードフィールド径を概
略一致させるために必要な加熱時間は、前記2本の光フ
ァイバそれぞれについて所定の加熱温度での加熱時間と
モードフィールド径の関係を予め実験的乃至計算により
求めておくことにより推定することが可能である。前記
第1の光ファイバと前記第2の光ファイバの融着接続点
を含む長手方向の区間を、前記モードフィールド径を一
致させるために必要な時間加熱することにより、モード
フィールド分布の不整合に起因する接続損失を低減し、
低損失な融着接続を実現することが可能となる。
【0009】また、接続しようとする2本の光ファイバ
それぞれについて、所定の加熱温度における加熱時間と
モードフィールド径の関係を求めることが出来ない場合
がある。本発明はこの場合に対応して、融着接続点を含
み前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバの長手
方向の区間に亘って加熱する際、透過照明による光学的
手段により、融着点近傍における前記第1の光ファイバ
と前記第2の光ファイバのモードフィールド径の変化を
検知し、前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバ
の融着接続点近傍におけるモードフィールド径が一致し
た時に加熱を停止することにより、接続点におけるモー
ドフィールド分布を整合させ、モードフィールド分布の
不整合に起因する接続損失を低減することを可能とす
る。
【0010】また、モードフィールド分布の形状が実質
的に異なる2本の光ファイバの接続においては、モード
フィールド径が同一でもモードフィールド分布が同一と
ならない場合がある。この場合は、接続損失を極小とす
るには、接続点における実際の接続損失をモニターしつ
つ接続損失が極小となるまで接続点を加熱する方法をと
ることがより望ましい。具体的には、接続された2本の
光ファイバの一方の端に光源、他方の端に受光器を結合
して、受光量をモニターし、その値が最大となるまで接
続点を含む接続された光ファイバの長手方向の区間に亘
り加熱すること、あるいは、接続された光ファイバのい
ずれかの端にOTDR測定装置を結合して反射光を検出
し、接続損失に対応するパラメータである接続点におけ
る反射波形の段差が最小となるまで加熱することによ
り、接続損失を最小とする融着接続が可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る光ファイバ
の融着接続方法の工程フローを示す。本発明に係る融着
接続方法の工程フローは、接続するモードフィールド径
の異なる2本の光ファイバそれぞれについて片端の被覆
除去を行う工程1、接続しようとするそれぞれの光ファ
イバについて被覆除去部を切断する工程2、前記2本の
光ファイバの融着接続を行う工程3、融着接続点を含む
接続した光ファイバの長手方向の区間に亘って融着接続
点近傍における接続された2本の光ファイバのモードフ
ィールド径が一致するまで加熱する工程4、融着接続後
の検査を行う工程5からなる。この場合、通常は工程3
から工程5までが、融着接続機上での工程となる。
【0012】本発明の実施に用いる2本の光ファィバ
は、加熱前のモードフィールド径が第2の光ファイバに
比較して相対的に小さな第1の光ファイバの所定の加熱
温度におけるモードフィールド径の拡大率が第2の光フ
ァイバに比較して相対的に大きい必要がある。
【0013】ところで、光ファイバの初期の、即ち加熱
前のモードフィールド分布は、その屈折率分布で定ま
り、特定の屈折率分布を選択することにより特定のモー
ドフィールド分布を得ることは設計事項である。一方、
所定の加熱温度におけるモードフィールド分布の変化
率、即ち拡大率を決定するのは、光ファイバの屈折率分
布を構成するドーパントの拡散速度である。
【0014】ファイバの屈折率を上昇するドーパントと
して二酸化ゲルマニウム(GeO2)、屈折率を低下さ
せるドーパントとして弗素(F)が知られている。弗
素、二酸化ゲルマニウムの石英ガラス(SiO2)への添
加量(重量%)と屈折率の変化量の関係は図2に示す通
りである。
【0015】一例として、図3(A)に示す屈折率分布
を有する第2の光ファイバと図3(B)に示す屈折率分
布を有する第1の光ファイバの融着接続を想定する。そ
れぞれの光ファイバの屈折率分布は、石英ガラスに弗素
又は二酸化ゲルマニウムを所定量添加することにより実
現が可能である。即ち、第2の光ファイバの第1クラッ
ド22及び第2クラッド21は、弗素を石英ガラスに所
定量添加することにより実現できる。また、第1の光フ
ァイバの第1クラッド25は所定量の弗素を、コア26
は所定量の二酸化ゲルマニウムを石英ガラスに添加する
ことにより実現が可能である。図3(A)、(B)で縦
軸は石英ガラスを基準とした屈折率の値を示し、その値
が0の場合、即ち第2の光ファイバのコア23と第1の
光ファイバの第2クラッド24は、純粋石英ガラスで構
成されていることを示す。
【0016】また、当然のことであるが、光ファイバの
融着後の接続点を含む区間の加熱温度は、当該光ファイ
バの融点以下の温度で且つ光ファイバ中に含有されるド
ーパントが実質的に拡散する温度以上とすることが必要
である。
【0017】融着接続機の構成は、図4に示す如くであ
る。図4は光ファイバ43と光ファイバ46を接続する
融着接続機の構成を表したものである。光ファイバ43
と光ファイバ46は相対的に初期のモードフィールド径
が小さい一方の光ファイバが同一の加熱条件での加熱に
よるモードフィールド径の拡大率が相対的に大きくなっ
ている。光ファイバ43の被覆部41はステージ49に
固定されており、光ファイバ46の被覆部45はステー
ジ50に固定されている。
【0018】ステージ49、50の機能は、光ファイバ
43の被覆除去部42の接続しようとする端面42aと
光ファイバ46の被覆除去部44の接続しようとする端
面44aとを融着接続を行うために相互に位置調整する
機能を有している。一対の電極棒47は、前記相対的な
位置調整が完了した端面42aと端面44aを放電電力
により融着接続するためのものである。バーナー48
は、前記融着接続完了後融着接続点を含む一定の領域を
加熱するためのものである。猶、加熱の手段としてバー
ナーだけでなくヒーター、レーザ、放電等を用いること
も可能である。
【0019】図4のバーナー48は、火炎中に金属粉を
発生させないものが望ましく、例えば、酸洗浄による浄
化が可能なステンレス鋼が有利である。一般的にバーナ
ーの形状は、温度分布を平坦にし、安定したモードフィ
ールド分布の拡大を図る目的から細い吹き出し穴が多数
分布し、小さな火炎の集団を形成するものが、温度均一
化の観点から有利である。
【0020】加熱の適正温度は、光ファイバの融点以下
で且つ光ファイバ中に含有されるドーパントである二酸
化ゲルマニウムが拡散する温度である摂氏1300度か
ら摂氏1600度が適当である。燃料ガスとしては、炭
化水素系のガスや酸水素混合ガスを用いることが取り扱
いの点で有利である。
【0021】図5は、初期のモードフィールド径が約1
2μmである図3(A)の屈折率分布を有する第2の光
ファイバと初期のモードフィールド径が約5μmである
図3(B)の屈折率分布を有する第1の光ファイバにつ
いて、摂氏1600度で加熱した場合のモードフィール
ド径の変化を、拡散方程式を解くことによりドーパント
の拡散に伴う屈折率分布の変化を求め、その結果を用い
て前記変化後の屈折率分布に対応するモードフィールド
径をマックスウェルの方程式を近似的に解くことにより
求めたものである。第2の光ファイバについては、当該
加熱温度でほとんどドーパントの拡散が認められないの
で、約60秒の加熱により第1の光ファイバのモードフ
ィールド径がドーパントの拡散により約12μmとな
り、その結果第1の光ファイバと第2の光ファイバのモ
ードフィールド径が一致することが判る。
【0022】図6は、図3(A)の屈折率分布を有する
第2の光ファイバと図3(B)の屈折率分布を有する第
1の光ファイバについて、同一の加熱条件における加熱
時間とモードフィールド径の関係を実験的に求めたもの
である。加熱温度が摂氏1600度に達していないの
で、第1の光ファイバのモードフィールド径が主として
拡大し第1の光ファイバと第2の光ファイバのモードフ
ィールド径が一致するまでに約6分の加熱時間を必要と
しているが、第1の光ファイバ、第2の光ファイバとも
に図5の計算により求めたモードフィールド径の拡大傾
向と類似の傾向を有していることが判る。
【0023】融着接続後の融着接続点を含む区間の加熱
時間は、当該加熱温度におけるそれぞれの光ファイバの
加熱時間とモードフィールド径の変化の関係を、図5に
示すように計算により、あるいは図6に示すように実験
的に求め、その結果から推定することが可能であるが、
現実のファイバの屈折率分布の設計値からのずれ、実効
加熱温度の設定値からのずれ等により、所定の温度で所
定時間加熱しても接続点における2本の光ファイバのモ
ードフィールド径が一致しない場合も想定される。
【0024】上記設定値からのずれを考慮すれば、融着
接続後に加熱する際の2本の光ファイバのモードフィー
ルド径の変化の状況をオンラインでモニターし、2本の
光ファイバの融着接続点近傍におけるモードフィールド
径が一致した時に加熱を止めれば良い。図7は、図4の
融着接続機の構成にモードフィールド径の変化をモニタ
ーする光学系を追加したもので、71はカメラ、72は
画像処理基板、73はモニターテレビ、74は光源を示
す。光源74から発した光は、光ファイバ43、46の
被覆除去部42、44を透過することにより屈折し、そ
の屈折後の光の強度分布はカメラ71で観察され、画像
処理基板72により画像処理された後モニターテレビ7
3により観測される。
【0025】図8は、図7に示す光学系を付加して光フ
ァイバを透過した光の強度を観測した例である。図8
(A)は、融着接続部近傍の光ファイバの状態を示した
図で、81はクラッド、82はコアである。図8(B)
は、図8(A)のL〜L′走査線に沿った観測画像の輝
度分布を示した図で、暗線87は図8(A)のクラッド
外壁83の屈折に、暗線90は図8(A)のクラッド外
壁86の屈折に、暗線88は図8(A)のコア・クラッ
ドの境界84の屈折に、暗線89は図8(A)のコア・
クラッドの境界85の屈折にそれぞれ対応している。
【0026】光ファイバのコアはその長手方向に中心軸
を対称軸として軸対称な屈折率分布を有するので、光フ
ァイバの被覆除去部を側面から観察した場合、前記光フ
ァイバは屈折率分布を内部に有するシリンドリカルレン
ズとして機能する。光ファイバを加熱することにより、
前記屈折率分布が変化することとなり、レンズとしての
特性が変化する。これを透過照明により、光ファイバの
被覆除去部を屈折透過する光線の状態をCCDカメラで
観察すれば、前記光ファイバの屈折率分布の変化を検知
し、モードフィールド分布の変化を推定することが可能
となる。
【0027】具体的には、図8(A)の融着接続点の近
傍を加熱することにより、接続された2本の光ファイバ
のコア・クラッドの境界の位置及びコア・クラッド間の
屈折率差が変化し、モードフィールド径が拡大するが、
接続した一方の光ファイバのコア・クラッドの境界位置
及びコア・クラッド間の屈折率差の変化は、図8(A)
の走査線L〜L′に沿った輝度分布を図8(B)の如く
求め、その暗線88及び89の位置とその幅の変化とし
て認識することが可能である。同様に図8(A)の接続
した他方の光ファイバのコア・クラッドの境界位置及び
コア・クラッド間の屈折率差の変化は、図8(A)の走
査線M〜M′に沿った輝度分布を観測することにより可
能である。その結果、融着点近傍における前記2本の光
ファイバのモードフィールド径を一致させることが可能
となる。
【0028】前記実施形態においては、光源により光フ
ァイバの融着接続部を側面から照明し、その透過光の強
度分布を観測することにより当該光ファイバの屈折率分
布を求めた。光ファィバのモードフィールド径の変化は
そのコアの屈折率変化に起因するものであるので、光フ
ァイバを側面から位相差顕微鏡で観測し、コアの屈折率
分布の変化を、当該コアを透過する光の位相量の変化と
して計測することも可能である。
【0029】尚、透過照明により透過光の強度分布を観
測する方法による場合でも、位相差顕微鏡を用いる場合
でも、比較的短波長の狭い波長帯域を有する光源を用い
ることが、加熱により発光する赤外光を遮断して、精度
よくコアの屈折率分布の変化を検知するために望まし
い。この目的からは、緑色、青色の高輝度発光LED等
が光源として適当である。
【0030】以上述べた方法は、接続しようとする2本
の光ファイバの接続点近傍におけるモードフィールド径
を一致させることにより接続損失を最小とするものであ
ったが、モードフィールド分布の形状はコアの屈折率分
布形状により異なるので、モードフィールド径が同一の
場合でもモードフィールド分布が一致しない場合があ
る。換言すれば、モードフィールド径が一致したときに
接続損失が最小値をとらない場合がある。
【0031】接続損失を最小とするには、融着接続点を
含む光ファイバの長手方向に亘って加熱する際、実際の
接続損失をモニターし、接続損失が最小となった時に加
熱を停止すれば良い。接続損失のモニター方法として
は、融着接続した光ファイバの両端に光源、受光器を結
合して、融着接続点を透過する光量をモニターする方
法、融着接続した光ファイバの片端にOTDR測定装置
を接続し、接続点の波形をモニターする方法がある。
【0032】図9(A)では、接続した光ファイバ9
1、92の両端にそれぞれ光源94及び受光器95が結
合されている。融着接続損失を最小とするには、バーナ
ー48で融着接続点93を含む区間を加熱し、受光器9
5の受光量が最大となる点で加熱を止めれば良い。尚、
一般にモードフィールド分布の異なる光ファイバの接続
損失は方向性を有し、モードフィールド径の大きな光フ
ァイバからモードフィールド径の小さな光ファイバに光
を伝達した場合に、モードフィールド径の不整合の程度
に応じた受光量の変化が検出できる。従って、図9
(A)において、光ファイバ91のモードフィールド径
が光ファイバ92のモードフィールド径より大きいこと
が望ましい。
【0033】図9(B)は、融着接続した光ファイバの
一端にOTDR測定装置96を結合したもので、OTD
R測定装置96のモニターテレビ97で観測される反射
波形の融着接続点に起因する段差(X)の量により融着
接続損失の推定が可能である。OTDR測定装置96の
モニターテレビ97で観測される段差(X)は、融着接
続点における双方向の接続損失値の合計値に対応してい
るので、図9(A)の如く光源を結合する光ファイバ端
を特定する必要はない。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、第1の光
ファイバと前記第1の光ファイバに比較してモードフィ
ールド径が相対的に大きく加熱によるモードフィールド
径の拡大率が相対的に小さな第2の光ファイバとを融着
接続する際、前記2本の光ファイバの接続すべき片端の
被覆を除去した後融着接続を行い、その後前記融着接続
点を含む区間に亘って所定の時間所定の温度で加熱を行
うことにより、融着接続点近傍における前記2本の光フ
ァイバのモードフィールド径を概略一致させ、その結果
前記2本の光ファイバの接続損失を低減する効果を有す
る。
【0035】また、前記第1の光ファイバと前記第2の
光ファイバの接続点におけるモードフィールド径が一致
する所定の加熱温度での加熱時間は、前記2本の光ファ
イバそれぞれについて前記所定の加熱温度での加熱時間
とモードフィールド径の関係を予め実験的乃至計算によ
り求め、その結果から推定することが可能である。前記
所定の加熱温度で前記推定された加熱時間に亘り加熱す
ることにより、接続された2本の光ファイバのモードフ
ィールド径を一致させ、低損失な接続を実現することが
出来る。
【0036】また、接続しようとする2本の光ファイバ
それぞれの所定の加熱温度における加熱時間とモードフ
ィールド径の関係を予め求めることが出来ない場合、例
えば接続しようとする光ファイバの屈折率分布及びその
組成を予め正確に知ることが出来ない場合は、第1の光
ファイバと第2の光ファイバの融着接続点を含む区間に
亘った加熱の際、側面から透過照明を行い、光ファイバ
を屈折透過した照明光を観測することによりモードフィ
ールド径の変化をモニターし、融着接続点近傍における
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバのモード
フィールド径が一致するまで加熱することにより、接続
損失の低減を図ることが可能である。
【0037】また、モードフィールド径が一致したとき
最小接続損失を実現しない光ファイバ同士の接続におい
ては、接続した光ファイバの両端に光源と受光器を接続
し、受光器の受光量をモニターし前記受光量が最大とな
った時、あるいは接続した光ファイバの片端にOTDR
測定装置を接続し、観測される反射波形の接続点に対応
する段差量をモニターし前記段差量が最小となった時
に、光ファイバの融着接続点を含む区間に亘った加熱を
停止することにより、最小接続損失を実現することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る融着接続方法のフローを示す図で
ある。
【図2】ドーパント濃度と屈折率の関係を示す図であ
る。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ本発明の融着接続方
法で用いる第2の光ファイバ及び第1の光ファイバの屈
折率分布の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る融着接続方法を実施する融着接続
機の構成を示す図である。
【図5】図3(A)、(B)の光ファイバの加熱時間と
モードフィールド径の関係の計算結果を示す図である。
【図6】図3(A)、(B)の光ファイバの加熱時間と
モードフィールド径の関係の実験結果を示す図である。
【図7】モードフィールド分布の観測光学系を備えた本
発明に係る融着接続機の構成を示す図である。
【図8】モードフィールド分布の観測光学系による輝度
分布の観測例を示す図である。
【図9】(A)は、光源、受光器を有する本発明の実施
の形態を示す図である。(B)は、OTDR測定装置を
有する本発明の実施の形態を示す図である。
【図10】モードフィールド分布の加熱による変化を示
す図である。
【符号の説明】
21:第2クラッド 22:第1クラッド 23:コア 24:第2クラッド 25:第1クラッド 26:コア 41:被覆部 42:被覆除去部 42a:端面 43:光ファイバ 44:被覆除去部 44a:端面 45:被覆部 46:光ファイバ 47:電極棒 48:バーナー 49:ステージ 50:ステージ 71カメラ 72:画像処理基板 73:モニターテレビ 74:光源 81:クラッド 82:コア 83:クラッド外壁 84:コア・クラッドの境界 85:コア・クラッドの境界 86:クラッド外壁 87,88,89,90:暗線 91、92:光ファイバ 93:融着接続点 94:光源 95:受光器 96:OTDR測定装置 97:モニターテレビ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光ファイバと前記第1の光ファイ
    バに比較してモードフィールド径が相対的に大きく同一
    の加熱条件でのモードフィールド径の拡大率が相対的に
    小さな第2の光ファイバとの融着接続方法であって、前
    記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの互いに
    接続すべきそれぞれの片端の被覆を除去し融着接続を行
    い、その後前記融着接続点を含む前記第1の光ファイバ
    と前記第2の光ファイバの長手方向の区間に亘って加熱
    を行い、融着接続点近傍における前記第1の光ファイバ
    及び前記第2の光ファイバのモードフィールド径を概略
    一致させることを特徴とする光ファイバの融着接続方法
  2. 【請求項2】 前記第1の光ファイバと前記第2の光フ
    ァイバの所定の加熱温度での加熱時間とモードフィール
    ド径の関係から、前記所定の加熱温度での前記第1の光
    ファイバと前記第2の光ファイバのモードフィールド径
    が一致する所要時間を求めておき、前記融着接続点を含
    む前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバの長手
    方向の区間に亘る加熱を、前記所定の加熱温度で前記所
    要時間行うことを特徴とする請求項1に記載の光ファイ
    バの融着接続方法
  3. 【請求項3】 前記融着接続点を含む前記第1の光ファ
    イバと前記第2の光ファイバの長手方向の区間に亘る加
    熱の際、前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバ
    の加熱部分を側面から照明し、前記第1の光ファイバ及
    び前記第2の光ファイバを透過した照明光を観測するこ
    とにより、融着接続点近傍における前記第1の光ファイ
    バ及び前記第2の光ファイバのモードフィールド径の変
    化を推定し、前記融着接続点近傍における前記第1の光
    ファイバ及び前記第2の光ファイバのそれぞれのモード
    フィールド径が概略一致した時に加熱を停止することを
    特徴とする請求項1に記載の光ファイバの融着接続方法
  4. 【請求項4】 融着接続した前記第1の光ファイバの端
    に光源を接続し、融着接続した前記第2の光ファイバの
    端に受光器を接続し、前記融着接続点の接続損失をモニ
    ターしつつ前記融着接続点を含む前記第1の光ファイバ
    と前記第2の光ファイバの長手方向の区間に亘って加熱
    し、前記受光器の受光量が最大となった時に加熱を停止
    することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの融
    着接続方法
  5. 【請求項5】 融着接続した前記第1の光ファイバの端
    又は前記第2の光ファイバの端にOTDR測定装置を接
    続し、前記OTDR測定装置で観測される反射波形の前
    記融着接続点に対応する個所の段差量をモニターしつつ
    前記融着接続点を含む区間に亘って加熱し、前記段差量
    が最小となった時に加熱を停止することを特徴とする請
    求項1に記載の光ファイバの融着接続方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6789960B2 (en) 2001-07-06 2004-09-14 Corning Incorporated Method of connecting optical fibers, an optical fiber therefor, and an optical fiber span therefrom
CN106443885A (zh) * 2016-07-05 2017-02-22 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 一种实现光子晶体光纤与实心光纤低损耗熔接的方法

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