JP2001112266A - 電力変換装置の漏洩電流抑制回路 - Google Patents
電力変換装置の漏洩電流抑制回路Info
- Publication number
- JP2001112266A JP2001112266A JP28570299A JP28570299A JP2001112266A JP 2001112266 A JP2001112266 A JP 2001112266A JP 28570299 A JP28570299 A JP 28570299A JP 28570299 A JP28570299 A JP 28570299A JP 2001112266 A JP2001112266 A JP 2001112266A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- circuit
- capacitor
- leakage current
- power converter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rectifiers (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
- Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電力変換装置から放出される漏洩電流を簡単
かつ安価に抑制できるようにする。 【解決手段】 チョッパQ71,Q72と三相インバータQ
1 〜Q6 とを組み合わせた電力変換装置で、チョッパQ
71,Q72と直列に可飽和トランスT1 ,T2 を接続し、
可飽和トランスの二次側を介して負荷の接地点Mに接続
することにより、点Mの電位変動を抑えるとともに、コ
ンデンサC3 〜C5 の充放電電流をトランスの二次側に
バイパスさせることで(電流iC3参照)、従来のような
高価なコモンモードリアクトルを使用することなく、接
地線への漏洩電流の流出を防ぐ。
かつ安価に抑制できるようにする。 【解決手段】 チョッパQ71,Q72と三相インバータQ
1 〜Q6 とを組み合わせた電力変換装置で、チョッパQ
71,Q72と直列に可飽和トランスT1 ,T2 を接続し、
可飽和トランスの二次側を介して負荷の接地点Mに接続
することにより、点Mの電位変動を抑えるとともに、コ
ンデンサC3 〜C5 の充放電電流をトランスの二次側に
バイパスさせることで(電流iC3参照)、従来のような
高価なコモンモードリアクトルを使用することなく、接
地線への漏洩電流の流出を防ぐ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力変換装置か
ら発生する端子雑音電圧の抑制技術、特に電力変換装置
の接地線を流れる漏洩電流の抑制回路に関する。
ら発生する端子雑音電圧の抑制技術、特に電力変換装置
の接地線を流れる漏洩電流の抑制回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に漏洩電流抑制回路の従来例を示
す。これは、エアコンなどの家庭用電力変換装置に適用
されている昇圧チョッパ形の力率改善回路(PFC回
路)と、三相インバータを組み合わせた例である。すな
わち、入力(交流)電源に、リアクトルL5 〜L8 およ
びコンデンサC1,C2 からなる入力フィルタを介し
て、ダイオードD1 〜D4 よりなる整流回路RECTを
接続し、その出力端にはリアクトルL1 とIGBT(絶
縁ゲート形バイポーラトランジスタ)Q7 の直列回路
を、リアクトルL1 とIGBTQ7 の接続点とIGBT
Q7 の他方の端子にはダイオードD5 を介してコンデン
サC0 を、このコンデンサC0 と並列にIGBTとダイ
オードを逆並列に接続した半導体スイッチQ1 〜Q6 か
ら構成されるインバータ回路を、このインバータ回路の
出力端には配線インダクタンスL2 〜L4 を介して抵抗
(負荷)R1 〜R3 を、入力フィルタのコンデンサ
C1 ,C2 の接続点を接地Gにそれぞれ接続して構成さ
れる。なお、負荷と接地Gの間に存在する浮遊容量をC
3 〜C5 で示す。
す。これは、エアコンなどの家庭用電力変換装置に適用
されている昇圧チョッパ形の力率改善回路(PFC回
路)と、三相インバータを組み合わせた例である。すな
わち、入力(交流)電源に、リアクトルL5 〜L8 およ
びコンデンサC1,C2 からなる入力フィルタを介し
て、ダイオードD1 〜D4 よりなる整流回路RECTを
接続し、その出力端にはリアクトルL1 とIGBT(絶
縁ゲート形バイポーラトランジスタ)Q7 の直列回路
を、リアクトルL1 とIGBTQ7 の接続点とIGBT
Q7 の他方の端子にはダイオードD5 を介してコンデン
サC0 を、このコンデンサC0 と並列にIGBTとダイ
オードを逆並列に接続した半導体スイッチQ1 〜Q6 か
ら構成されるインバータ回路を、このインバータ回路の
出力端には配線インダクタンスL2 〜L4 を介して抵抗
(負荷)R1 〜R3 を、入力フィルタのコンデンサ
C1 ,C2 の接続点を接地Gにそれぞれ接続して構成さ
れる。なお、負荷と接地Gの間に存在する浮遊容量をC
3 〜C5 で示す。
【0003】このような回路構成において、IGBTQ
7 をオンさせることにより、交流電源→入力フィルタ→
整流回路RECT→リアクトルL1 →半導体スイッチQ
7 の経路でエネルギをL1 に蓄える。次に、IGBTQ
7 をオフさせることにより、リアクトルL1 に蓄えられ
たエネルギは、リアクトルL1 →ダイオードD5 →コン
デンサC0 →整流回路RECT→入力フィルタ→交流電
源の経路で、コンデンサC0 に放電する。したがって、
IGBTQ7 を特定の時間比でオン,オフさせることに
より、コンデンサC0 の電圧を一定の値に昇圧すること
ができる。また、半導体スイッチQ1 〜Q6 が特定の周
期でオン,オフを繰り返すことにより、負荷への供給電
力を調整する。この半導体スイッチがオンオフするとき
浮遊容量C3 〜C5 は充放電し、負荷の中性点と接地間
の電圧vNGは、コンデンサC0 の電圧を1/3ずつ変化
させる(この点については、例えば電学論文D115巻
1号 1995「電圧形PWMインバータが発生する高
周波漏れ電流のモデリングと理論解析」の項参照)。こ
のとき、C3 〜C5 の充放電電流は、接地線からコンデ
ンサC1 ,C2 を介して流れる。
7 をオンさせることにより、交流電源→入力フィルタ→
整流回路RECT→リアクトルL1 →半導体スイッチQ
7 の経路でエネルギをL1 に蓄える。次に、IGBTQ
7 をオフさせることにより、リアクトルL1 に蓄えられ
たエネルギは、リアクトルL1 →ダイオードD5 →コン
デンサC0 →整流回路RECT→入力フィルタ→交流電
源の経路で、コンデンサC0 に放電する。したがって、
IGBTQ7 を特定の時間比でオン,オフさせることに
より、コンデンサC0 の電圧を一定の値に昇圧すること
ができる。また、半導体スイッチQ1 〜Q6 が特定の周
期でオン,オフを繰り返すことにより、負荷への供給電
力を調整する。この半導体スイッチがオンオフするとき
浮遊容量C3 〜C5 は充放電し、負荷の中性点と接地間
の電圧vNGは、コンデンサC0 の電圧を1/3ずつ変化
させる(この点については、例えば電学論文D115巻
1号 1995「電圧形PWMインバータが発生する高
周波漏れ電流のモデリングと理論解析」の項参照)。こ
のとき、C3 〜C5 の充放電電流は、接地線からコンデ
ンサC1 ,C2 を介して流れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】CISPR(Inte
rnational Special Committ
ee on Radio Interference)
などで規制されている端子雑音電圧の規格(ノイズ規
格)では、入力電源と装置との間に擬似電源網LISN
を挿入し、そのLISNの出力を検出して端子雑音電圧
測定する。一般に、浮遊容量C3 〜C5 の充放電する漏
洩電流に比例した値が端子雑音電圧として測定される。
したがって、漏洩電流が大きいと規格を満足しない。そ
こで、従来は図4に示す入力フィルタのコモンモードリ
アクトルL7 ,L8 を大きくして漏洩電流を小さく抑
え、規格を満足させるようにしている。しかし、このコ
モンモードリアクトルL7 ,L8 は、規格を満足させる
ためにはインダクタンス値をかなり大きくしなければな
らず、また主回路電流を直接通電させなければならない
ため、外形が大きくなり高価になるという問題がある。
rnational Special Committ
ee on Radio Interference)
などで規制されている端子雑音電圧の規格(ノイズ規
格)では、入力電源と装置との間に擬似電源網LISN
を挿入し、そのLISNの出力を検出して端子雑音電圧
測定する。一般に、浮遊容量C3 〜C5 の充放電する漏
洩電流に比例した値が端子雑音電圧として測定される。
したがって、漏洩電流が大きいと規格を満足しない。そ
こで、従来は図4に示す入力フィルタのコモンモードリ
アクトルL7 ,L8 を大きくして漏洩電流を小さく抑
え、規格を満足させるようにしている。しかし、このコ
モンモードリアクトルL7 ,L8 は、規格を満足させる
ためにはインダクタンス値をかなり大きくしなければな
らず、また主回路電流を直接通電させなければならない
ため、外形が大きくなり高価になるという問題がある。
【0005】特に、近年、IGBTなどの高速半導体デ
バイスの適用により、インバータのスイッチング周波数
が増大しているため漏洩電流が増加し、さらにコモンモ
ードリアクトルが大型化する。また、エアコンなどの家
庭用インバータでは、漏洩電流を1mA以下にしなけれ
ばならない。しかし、コンプレッサの冷却液として、フ
ロンから静電容量の大きな(2〜3倍)代替フロン液に
しなくてはならないため浮遊容量が増大し、漏洩電流が
増大するといった問題もある。これを従来のコモンモー
ドリアクトルのみで抑制していたのでは、さらに大型の
コモンモードリアクトルが必要になり、装置の大型化や
コスト増を招くことになる。したがって、この発明の課
題は、電力変換装置から発生する端子雑音電圧(ノイ
ズ)を、装置を大型化することなく安価に抑制すること
にある。
バイスの適用により、インバータのスイッチング周波数
が増大しているため漏洩電流が増加し、さらにコモンモ
ードリアクトルが大型化する。また、エアコンなどの家
庭用インバータでは、漏洩電流を1mA以下にしなけれ
ばならない。しかし、コンプレッサの冷却液として、フ
ロンから静電容量の大きな(2〜3倍)代替フロン液に
しなくてはならないため浮遊容量が増大し、漏洩電流が
増大するといった問題もある。これを従来のコモンモー
ドリアクトルのみで抑制していたのでは、さらに大型の
コモンモードリアクトルが必要になり、装置の大型化や
コスト増を招くことになる。したがって、この発明の課
題は、電力変換装置から発生する端子雑音電圧(ノイ
ズ)を、装置を大型化することなく安価に抑制すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
べく、請求項1の発明では、交流電圧を直流電圧に変換
する整流回路と、直流電圧を交流電圧に変換するインバ
ータ回路とを備え、このインバータ回路が少なくとも1
組以上の半導体スイッチを直列接続して構成される電力
変換装置において、前記整流回路と直流電圧源との間に
は半導体スイッチと可飽和トランスの一次巻線との直列
回路を2つ並列に接続し、この2つの直列回路の出力側
にはダイオードを接続し、前記可飽和トランスの二次巻
線とコンデンサとの直列回路を負荷の接地線に接続した
ことを特徴とする。
べく、請求項1の発明では、交流電圧を直流電圧に変換
する整流回路と、直流電圧を交流電圧に変換するインバ
ータ回路とを備え、このインバータ回路が少なくとも1
組以上の半導体スイッチを直列接続して構成される電力
変換装置において、前記整流回路と直流電圧源との間に
は半導体スイッチと可飽和トランスの一次巻線との直列
回路を2つ並列に接続し、この2つの直列回路の出力側
にはダイオードを接続し、前記可飽和トランスの二次巻
線とコンデンサとの直列回路を負荷の接地線に接続した
ことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明では、交流電圧を直流電圧
に変換する整流回路と、直流電圧を交流電圧に変換する
インバータ回路とを備え、このインバータ回路が少なく
とも1組以上の半導体スイッチを直列接続して構成され
る電力変換装置において、前記整流回路と直流電圧源と
の間には半導体スイッチと可飽和トランスの一次巻線と
の直列回路を2つ並列に接続し、この2つの直列回路の
出力側にはダイオードを接続し、前記インバータ回路の
各出力端子には一端を短絡したコンデンサの他方の一端
を、前記可飽和トランスの二次巻線と他のコンデンサと
の直列回路を前記コンデンサの短絡点に、それぞれ接続
したことを特徴とする。
に変換する整流回路と、直流電圧を交流電圧に変換する
インバータ回路とを備え、このインバータ回路が少なく
とも1組以上の半導体スイッチを直列接続して構成され
る電力変換装置において、前記整流回路と直流電圧源と
の間には半導体スイッチと可飽和トランスの一次巻線と
の直列回路を2つ並列に接続し、この2つの直列回路の
出力側にはダイオードを接続し、前記インバータ回路の
各出力端子には一端を短絡したコンデンサの他方の一端
を、前記可飽和トランスの二次巻線と他のコンデンサと
の直列回路を前記コンデンサの短絡点に、それぞれ接続
したことを特徴とする。
【0008】昇圧チョッパ(Q71,Q72)がオンすると
き、可飽和トランスT1 ,T2 の一次巻線には直流電圧
(コンデンサC0 の電圧)が印加され、トランス二次巻
線にも同様の電圧が発生する。このとき、三相インバー
タのスイッチングのタイミングを合わせ、例えばインバ
ータの出力に接続したコンデンサの1つだけを直流電圧
で充電するとする。従来の回路では3個のうちの1個が
直流電圧分変化するため、インバータの出力に接続され
た3個のコンデンサを短絡した電位は結果的に1/3だ
け電位が変動する。これに対し、この発明では3個のコ
ンデンサを短絡する点に、さらにトランスの二次巻線と
コンデンサを接続し、かつ、トランスの二次巻線電圧を
三相インバータの電位変動方向と逆方向になるようにす
る。その結果、コンデンサを短絡接続した点の電位は、
電流変化分がお互いに打ち消しあって全く変化しない。
その後、可飽和トランスはやがて飽和するが、このとき
の電位変化は緩やかであり、急速なコンデンサ充放電を
しないので、漏洩電流も小さく抑えることができる。結
果的に、三相インバータの出力端に接続されたコンデン
サの充放電電流を、トランスの二次側にバイパスさせる
ことができ、接地線への漏洩電流の流出を防ぐことがで
きる。
き、可飽和トランスT1 ,T2 の一次巻線には直流電圧
(コンデンサC0 の電圧)が印加され、トランス二次巻
線にも同様の電圧が発生する。このとき、三相インバー
タのスイッチングのタイミングを合わせ、例えばインバ
ータの出力に接続したコンデンサの1つだけを直流電圧
で充電するとする。従来の回路では3個のうちの1個が
直流電圧分変化するため、インバータの出力に接続され
た3個のコンデンサを短絡した電位は結果的に1/3だ
け電位が変動する。これに対し、この発明では3個のコ
ンデンサを短絡する点に、さらにトランスの二次巻線と
コンデンサを接続し、かつ、トランスの二次巻線電圧を
三相インバータの電位変動方向と逆方向になるようにす
る。その結果、コンデンサを短絡接続した点の電位は、
電流変化分がお互いに打ち消しあって全く変化しない。
その後、可飽和トランスはやがて飽和するが、このとき
の電位変化は緩やかであり、急速なコンデンサ充放電を
しないので、漏洩電流も小さく抑えることができる。結
果的に、三相インバータの出力端に接続されたコンデン
サの充放電電流を、トランスの二次側にバイパスさせる
ことができ、接地線への漏洩電流の流出を防ぐことがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す回路図である。図4との相違点は、IGBTQ
7 の代わりに、可飽和トランスT1 の一次巻線とIGB
TQ71との直列回路、および可飽和トランスT2 の一次
巻線とIGBTQ72との直列回路を設け、コンデンサC
0 と並列にコンデンサC6 ,C7 の直列回路を設け、可
飽和トランスT1 とT2 の二次巻線を逆並列に接続し、
一方の端子をコンデンサC6 とC7 の接続点に、また、
他方の端子をリアクトルL9 およびコンデンサC8 を介
してコンデンサC3 〜C5 の接続点にそれぞれ接続した
点にある。なお、その他の点は図4と同様なので、説明
は省略する。
態を示す回路図である。図4との相違点は、IGBTQ
7 の代わりに、可飽和トランスT1 の一次巻線とIGB
TQ71との直列回路、および可飽和トランスT2 の一次
巻線とIGBTQ72との直列回路を設け、コンデンサC
0 と並列にコンデンサC6 ,C7 の直列回路を設け、可
飽和トランスT1 とT2 の二次巻線を逆並列に接続し、
一方の端子をコンデンサC6 とC7 の接続点に、また、
他方の端子をリアクトルL9 およびコンデンサC8 を介
してコンデンサC3 〜C5 の接続点にそれぞれ接続した
点にある。なお、その他の点は図4と同様なので、説明
は省略する。
【0010】図2は図1の動作説明図である。ここで
は、Q4 ,Q5 ,Q6 がオンの状態から、Q6 がオフし
Q3 がオンする時刻t1 のときの動作について説明す
る。Q6 がオフしQ3 がオンすると、コンデンサC5 は
−VC0/2から+VC0/2に変化する。このとき、従来
の回路では、C5 を充電する振動電流が接地線を介して
コンデンサC1 ,C2 の経路で流れる。この経路は、一
般的にL,Cの振動系になり、高周波振動波形となる。
これに対し、この発明による図1の回路では、時刻t1
のときIGBTQ71をオンさせるので、可飽和トランス
T1 の一次巻線にはコンデンサC0 の電圧VC0が印加さ
れ、二次巻線にも同じ電圧が発生する。すると、コンデ
ンサC3 〜C5およびC8 を接続していた接続点Mと接
地間の電圧VMGは、Q3 がオンすることでC5 を介して
上昇しようとするが、T1 の二次巻線電圧v1 によりC
8 を介して減少しようとする。その結果、VMGは相反す
る2つの作用で電位は変化しないことになる。また、従
来接地線を流れていた電流iC2(図4ではic1)は流れ
ず、コンデンサC8 の経路に電流iC3として流れる。
は、Q4 ,Q5 ,Q6 がオンの状態から、Q6 がオフし
Q3 がオンする時刻t1 のときの動作について説明す
る。Q6 がオフしQ3 がオンすると、コンデンサC5 は
−VC0/2から+VC0/2に変化する。このとき、従来
の回路では、C5 を充電する振動電流が接地線を介して
コンデンサC1 ,C2 の経路で流れる。この経路は、一
般的にL,Cの振動系になり、高周波振動波形となる。
これに対し、この発明による図1の回路では、時刻t1
のときIGBTQ71をオンさせるので、可飽和トランス
T1 の一次巻線にはコンデンサC0 の電圧VC0が印加さ
れ、二次巻線にも同じ電圧が発生する。すると、コンデ
ンサC3 〜C5およびC8 を接続していた接続点Mと接
地間の電圧VMGは、Q3 がオンすることでC5 を介して
上昇しようとするが、T1 の二次巻線電圧v1 によりC
8 を介して減少しようとする。その結果、VMGは相反す
る2つの作用で電位は変化しないことになる。また、従
来接地線を流れていた電流iC2(図4ではic1)は流れ
ず、コンデンサC8 の経路に電流iC3として流れる。
【0011】次に、時刻t2 で可飽和トランスT1 が飽
和すると、v1 は徐々に減少する。すると、VMGはv1
の減少にともなって徐々に上昇するが、その上昇率は緩
やかであるため、接地線には大きな振動電流は流れな
い。時刻t3 で完全に可飽和トランスT1 が飽和する
と、v1 は零となり定常状態になる。また、Q71は時刻
t3 以降にオフさせれば良く、Q1 〜Q6 とは独立に制
御できる。したがって、コンデンサC0 の電圧VC0は、
インバータとは独立に制御することができる。
和すると、v1 は徐々に減少する。すると、VMGはv1
の減少にともなって徐々に上昇するが、その上昇率は緩
やかであるため、接地線には大きな振動電流は流れな
い。時刻t3 で完全に可飽和トランスT1 が飽和する
と、v1 は零となり定常状態になる。また、Q71は時刻
t3 以降にオフさせれば良く、Q1 〜Q6 とは独立に制
御できる。したがって、コンデンサC0 の電圧VC0は、
インバータとは独立に制御することができる。
【0012】また、Q3 がオンからオフしVMGが減少し
ようとするときは、Q72をオンさせることで可飽和トラ
ンスT2 の二次巻線にv2 が発生し、VMGが変化しない
ように動作する。このときも、Q71動作のときと極性が
異なるだけで同じように動作する。Q1 ,Q2 の動作に
ついても、VMGが変化しないようQ71,Q72を動作させ
ることにより同じ動作となる。したがって、この発明の
回路を適用することにより、漏洩電流を減らすことがで
き、図4のようなコモンモードリアクトルL7 ,L8 を
無くすことができる。一般に、このリアクトルは主回路
電流を流すため大型化し、エアコン用インバータの場
合、装置体積の約30%にも達していたが、この発明で
は数μsの間電圧を発生する小型の可飽和トランスで実
現できる。因みに、可飽和トランスは、コモンモードリ
アクトルの数十分の1に小型化でき、その結果、装置が
小型となりコストが低減する。
ようとするときは、Q72をオンさせることで可飽和トラ
ンスT2 の二次巻線にv2 が発生し、VMGが変化しない
ように動作する。このときも、Q71動作のときと極性が
異なるだけで同じように動作する。Q1 ,Q2 の動作に
ついても、VMGが変化しないようQ71,Q72を動作させ
ることにより同じ動作となる。したがって、この発明の
回路を適用することにより、漏洩電流を減らすことがで
き、図4のようなコモンモードリアクトルL7 ,L8 を
無くすことができる。一般に、このリアクトルは主回路
電流を流すため大型化し、エアコン用インバータの場
合、装置体積の約30%にも達していたが、この発明で
は数μsの間電圧を発生する小型の可飽和トランスで実
現できる。因みに、可飽和トランスは、コモンモードリ
アクトルの数十分の1に小型化でき、その結果、装置が
小型となりコストが低減する。
【0013】図3はこの発明の第2の実施の形態を示す
回路図である。図1との相違点は、インバータの出力に
コンデンサC9 〜C11を接続し、コンデンサC8 をコン
デンサC9 〜C11の接続点に接続した点にある。つま
り、図1に示すものが、負荷に接地線が接続されている
場合の例であるのに対し、ここに示すものは接地線がな
く浮遊容量が分布的に存在する場合の例である。この場
合、コンデンサC9 〜C11は、図1のC3 〜C5 と同様
に動作する。このとき、C9 とC3 、C10とC4 、C11
とC5 は並列に動作することとなる。したがって、C9
〜C11>C3 〜C5 とすることで、VMGの電位変化を小
さくすることができる。なお、以上ではインバータが三
相の例について説明したが、これが単相の場合も上記と
全く同様に構成される。
回路図である。図1との相違点は、インバータの出力に
コンデンサC9 〜C11を接続し、コンデンサC8 をコン
デンサC9 〜C11の接続点に接続した点にある。つま
り、図1に示すものが、負荷に接地線が接続されている
場合の例であるのに対し、ここに示すものは接地線がな
く浮遊容量が分布的に存在する場合の例である。この場
合、コンデンサC9 〜C11は、図1のC3 〜C5 と同様
に動作する。このとき、C9 とC3 、C10とC4 、C11
とC5 は並列に動作することとなる。したがって、C9
〜C11>C3 〜C5 とすることで、VMGの電位変化を小
さくすることができる。なお、以上ではインバータが三
相の例について説明したが、これが単相の場合も上記と
全く同様に構成される。
【0014】
【発明の効果】従来のコモンモードリアクトルを用いる
ものでは、インダクタンス値を大きくして漏洩電流を小
さくしているため比較的大きな値にする必要があり、ま
た、コモンモードリアクトルには主回路電流が通電する
ため、大型化し高価になるという問題があった。例え
ば、エアコン用インバータの場合では装置体積の30%
にも達していた。しかし、この発明によれば、急激な漏
洩電流を流さないような電圧を可飽和トランスから発生
し、それも数μs以下の非常に短時間のみ電圧を発生す
るものであるため、コモンモードリアクトルより数10
分の1の外形の可飽和トランスで済ますことができる。
したがって、小形で安価な漏洩電流抑制回路を提供する
ことが可能となる。また、請求項2の発明では、負荷に
接地線がなく浮遊容量が分布的に存在する場合の負荷に
も適用でき、適用範囲を拡大できるという利点が得られ
る。
ものでは、インダクタンス値を大きくして漏洩電流を小
さくしているため比較的大きな値にする必要があり、ま
た、コモンモードリアクトルには主回路電流が通電する
ため、大型化し高価になるという問題があった。例え
ば、エアコン用インバータの場合では装置体積の30%
にも達していた。しかし、この発明によれば、急激な漏
洩電流を流さないような電圧を可飽和トランスから発生
し、それも数μs以下の非常に短時間のみ電圧を発生す
るものであるため、コモンモードリアクトルより数10
分の1の外形の可飽和トランスで済ますことができる。
したがって、小形で安価な漏洩電流抑制回路を提供する
ことが可能となる。また、請求項2の発明では、負荷に
接地線がなく浮遊容量が分布的に存在する場合の負荷に
も適用でき、適用範囲を拡大できるという利点が得られ
る。
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す回路図であ
る。
る。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
る。
【図4】従来例を示す回路図である。
Q1 〜Q6 ,Q7 ,Q71,Q72…半導体スイッチ、D1
〜D5 …ダイオード、L1 〜L9 …リアクトル、C1 〜
C11…コンデンサ、RECT…整流回路、T1,T2 …
可飽和トランス、R1 〜R3 …抵抗(負荷)。
〜D5 …ダイオード、L1 〜L9 …リアクトル、C1 〜
C11…コンデンサ、RECT…整流回路、T1,T2 …
可飽和トランス、R1 〜R3 …抵抗(負荷)。
Claims (2)
- 【請求項1】 交流電圧を直流電圧に変換する整流回路
と、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路とを
備え、このインバータ回路が少なくとも1組以上の半導
体スイッチを直列接続して構成される電力変換装置にお
いて、 前記整流回路と直流電圧源との間には半導体スイッチと
可飽和トランスの一次巻線との直列回路を2つ並列に接
続し、この2つの直列回路の出力側にはダイオードを接
続し、前記可飽和トランスの二次巻線とコンデンサとの
直列回路を負荷の接地線に接続したことを特徴とする電
力変換装置の漏洩電流抑制回路。 - 【請求項2】 交流電圧を直流電圧に変換する整流回路
と、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路とを
備え、このインバータ回路が少なくとも1組以上の半導
体スイッチを直列接続して構成される電力変換装置にお
いて、 前記整流回路と直流電圧源との間には半導体スイッチと
可飽和トランスの一次巻線との直列回路を2つ並列に接
続し、この2つの直列回路の出力側にはダイオードを接
続し、前記インバータ回路の各出力端子には一端を短絡
したコンデンサの他方の一端を、前記可飽和トランスの
二次巻線と他のコンデンサとの直列回路を前記コンデン
サの短絡点に、それぞれ接続したことを特徴とする電力
変換装置の漏洩電流抑制回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28570299A JP2001112266A (ja) | 1999-10-06 | 1999-10-06 | 電力変換装置の漏洩電流抑制回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28570299A JP2001112266A (ja) | 1999-10-06 | 1999-10-06 | 電力変換装置の漏洩電流抑制回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001112266A true JP2001112266A (ja) | 2001-04-20 |
Family
ID=17694929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28570299A Pending JP2001112266A (ja) | 1999-10-06 | 1999-10-06 | 電力変換装置の漏洩電流抑制回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001112266A (ja) |
-
1999
- 1999-10-06 JP JP28570299A patent/JP2001112266A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3657661B1 (en) | Conversion circuit, control method, and power supply device | |
US11865933B2 (en) | Vehicle and energy conversion device and power system thereof | |
JP4910078B1 (ja) | Dc/dc変換器およびac/dc変換器 | |
US8508957B2 (en) | Power conversion device for converting DC power to AC power | |
US5668707A (en) | Multi-phase power converter with harmonic neutralization | |
US20140254226A1 (en) | Power conversion device | |
CN104158400A (zh) | 一种模块化高压供电电路 | |
Ramakrishnan et al. | Power topology considerations for electric vehicle charging stations | |
US10141851B2 (en) | Resonant DC to DC power converter | |
US11296607B2 (en) | DC-DC converter | |
US11381175B2 (en) | AC-DC power conversion systems with extended voltage gain | |
EP3255771A1 (en) | Bidirectional dc-dc convertor | |
JP2017192286A (ja) | 電力変換装置 | |
US20240332979A1 (en) | Power conversion system including a second circuit being configured to control a current or power such that the current or the power is synchronized with power ripples caused by the ac power supply or the ac load | |
US11990830B2 (en) | Power conversion system and virtual DC voltage generator circuit | |
US7576299B2 (en) | Generator for arc welder with high power factor | |
JP5548569B2 (ja) | 直流電源装置 | |
CN109842182B (zh) | 供电系统 | |
Burlaka et al. | Bidirectional single stage isolated DC-AC converter | |
Rizet et al. | Efficiency improvement in soft-switching three-level converters for high power UPS | |
JP2001314081A (ja) | Ac−dcコンバータ | |
JP4488130B2 (ja) | 電力変換装置 | |
JP2001112266A (ja) | 電力変換装置の漏洩電流抑制回路 | |
Narimani et al. | A comparative study of three-level DC-DC converters | |
JP3296424B2 (ja) | 電力変換装置 |