JP2001110692A - 電気二重層コンデンサ用電極積層体、並びに該電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装置及び電解液含浸装置 - Google Patents
電気二重層コンデンサ用電極積層体、並びに該電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装置及び電解液含浸装置Info
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- JP2001110692A JP2001110692A JP28800699A JP28800699A JP2001110692A JP 2001110692 A JP2001110692 A JP 2001110692A JP 28800699 A JP28800699 A JP 28800699A JP 28800699 A JP28800699 A JP 28800699A JP 2001110692 A JP2001110692 A JP 2001110692A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/13—Energy storage using capacitors
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- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機電解液系大容量電気二重層コンデンサの
生産性向上を図る。 【解決手段】 電極積層体本体3の正極用及び負極用の
各リードプレート3a,3bがケース外に引き出された
状態で該電極積層体本体3を収納した電極積層体可撓性
ケース7に、ケース入口部5びケース出口部6がそれぞ
れ取りつけられてなる電気二重層コンデンサ用電極積層
体1である。また、可撓性ケース7内に加熱された窒素
ガスを送り込みながら、該ケース7内の圧力を減圧した
状態とこれより昇圧して大気圧程度にした状態とを交互
に数回程度繰り返し、電極積層体本体3より水などの不
純物を除去する装置である。さらに可撓性ケース7内に
有機電解液を満たし、該ケース7内の圧力を真空引きし
た減圧状態とこの減圧状態より昇圧して大気圧程度にし
た状態とを交互に数回程度繰り返し、電極積層体本体3
に有機電解液を含浸させる装置である。
生産性向上を図る。 【解決手段】 電極積層体本体3の正極用及び負極用の
各リードプレート3a,3bがケース外に引き出された
状態で該電極積層体本体3を収納した電極積層体可撓性
ケース7に、ケース入口部5びケース出口部6がそれぞ
れ取りつけられてなる電気二重層コンデンサ用電極積層
体1である。また、可撓性ケース7内に加熱された窒素
ガスを送り込みながら、該ケース7内の圧力を減圧した
状態とこれより昇圧して大気圧程度にした状態とを交互
に数回程度繰り返し、電極積層体本体3より水などの不
純物を除去する装置である。さらに可撓性ケース7内に
有機電解液を満たし、該ケース7内の圧力を真空引きし
た減圧状態とこの減圧状態より昇圧して大気圧程度にし
た状態とを交互に数回程度繰り返し、電極積層体本体3
に有機電解液を含浸させる装置である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電解液系の大
容量電気二重層コンデンサの主要構成要素である電気二
重層コンデンサ用電極積層体と、この電気二重層コンデ
ンサ用電極積層体の電極積層体本体より水,酸素,炭酸
ガスなどの不純物を除去する不純物除去装置と、前記不
純物除去処理された電極積層体本体に有機電解液を含浸
させる電解液含浸装置とに関するものである。
容量電気二重層コンデンサの主要構成要素である電気二
重層コンデンサ用電極積層体と、この電気二重層コンデ
ンサ用電極積層体の電極積層体本体より水,酸素,炭酸
ガスなどの不純物を除去する不純物除去装置と、前記不
純物除去処理された電極積層体本体に有機電解液を含浸
させる電解液含浸装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサ(電気二重層キャ
パシタ)は、分極性電極と電解液との界面に形成される
電気二重層に蓄積される電荷による電気エネルギーを利
用するものである。近年、アンペアオーダー以上の大電
流放電が可能な数百〜数千Fの大容量で低抵抗のいわゆ
る大容量電気二重層コンデンサ(パワー用電気二重層コ
ンデンサ)の開発が進められており、モータ駆動用の電
源などのパワー用途への適用が進められている。このよ
うな大容量の電気二重層コンデンサとして、活性炭を電
極材料とした分極性電極を有する複数の正極と、活性炭
を電極材料とした分極性電極を有する複数の負極とをそ
れら正極・負極の間にセパレータを介在させて交互に積
層して電極積層体を組み立て、角形外装ケース内に有機
電解液を含浸させた前記電極積層体を収納して密閉した
構造の角形電気二重層コンデンサ(積層型電気二重層コ
ンデンサとも呼ばれている)が開発されている。
パシタ)は、分極性電極と電解液との界面に形成される
電気二重層に蓄積される電荷による電気エネルギーを利
用するものである。近年、アンペアオーダー以上の大電
流放電が可能な数百〜数千Fの大容量で低抵抗のいわゆ
る大容量電気二重層コンデンサ(パワー用電気二重層コ
ンデンサ)の開発が進められており、モータ駆動用の電
源などのパワー用途への適用が進められている。このよ
うな大容量の電気二重層コンデンサとして、活性炭を電
極材料とした分極性電極を有する複数の正極と、活性炭
を電極材料とした分極性電極を有する複数の負極とをそ
れら正極・負極の間にセパレータを介在させて交互に積
層して電極積層体を組み立て、角形外装ケース内に有機
電解液を含浸させた前記電極積層体を収納して密閉した
構造の角形電気二重層コンデンサ(積層型電気二重層コ
ンデンサとも呼ばれている)が開発されている。
【0003】このような角形電気二重層コンデンサの製
造工程について図11〜図13を参照して詳細に説明す
る。まず、電極積層体73について説明すると、図11
に示すように、正極721は、リード部を有する矩形シ
ート状の正極用集電極723と、これの両側に配された
矩形シート状の分極性電極725とにより構成されてい
る。また、負極722は、リード部を有する矩形シート
状の負極用集電極724と、これの両側に配された矩形
シート状の分極性電極725とにより構成されている。
この正極721と負極722とが、矩形シート状のセパ
レータ726を間に介在させて交互に所定数重ね合わせ
て積層されている。これらの積層されたものを、集電極
と分極性電極とを互いに密着させるために、最外部両側
に配した薄肉ステンレス鋼製の押え板727を介して積
層方向に押圧した状態で締付け用テープ(図示省略)に
て包むように結束し、図11の(イ)に示すように、角
形をなす積層体72を得る。
造工程について図11〜図13を参照して詳細に説明す
る。まず、電極積層体73について説明すると、図11
に示すように、正極721は、リード部を有する矩形シ
ート状の正極用集電極723と、これの両側に配された
矩形シート状の分極性電極725とにより構成されてい
る。また、負極722は、リード部を有する矩形シート
状の負極用集電極724と、これの両側に配された矩形
シート状の分極性電極725とにより構成されている。
この正極721と負極722とが、矩形シート状のセパ
レータ726を間に介在させて交互に所定数重ね合わせ
て積層されている。これらの積層されたものを、集電極
と分極性電極とを互いに密着させるために、最外部両側
に配した薄肉ステンレス鋼製の押え板727を介して積
層方向に押圧した状態で締付け用テープ(図示省略)に
て包むように結束し、図11の(イ)に示すように、角
形をなす積層体72を得る。
【0004】そして、図12の(ロ)に示すように、ア
ルミニウム製の正極端子ボルト73aの頭部に積層体7
2の各正極用集電極723のリード部を一括してかしめ
接合し、同様に、負極端子ボルト73bに各負極用集電
極24のリード部をかしめ接合して、セパレータ726
を介して隣接する正極721と負極722とにより構成
される1つのセルを複数個並列接続してなる角形の電極
積層体73が組み立てられている。本例では、電極積層
体73は、定格電圧3V,静電容量1600Fの大容量
コンデンサとすべく、セルを20個並列接続した構成と
されており、その寸法は幅46mm×長さ44mm×高
さ92mmである。
ルミニウム製の正極端子ボルト73aの頭部に積層体7
2の各正極用集電極723のリード部を一括してかしめ
接合し、同様に、負極端子ボルト73bに各負極用集電
極24のリード部をかしめ接合して、セパレータ726
を介して隣接する正極721と負極722とにより構成
される1つのセルを複数個並列接続してなる角形の電極
積層体73が組み立てられている。本例では、電極積層
体73は、定格電圧3V,静電容量1600Fの大容量
コンデンサとすべく、セルを20個並列接続した構成と
されており、その寸法は幅46mm×長さ44mm×高
さ92mmである。
【0005】ここで、前記の分極性電極725は、電気
二重層の形成に優れている高比表面積材料である活性炭
を電極材料として用いたものであり、また、集電極72
3,724はアルミニウム箔よりなり、イオン透過性及
び電気絶縁性を有する多孔質のセパレータ726は、ポ
リエチレンフィルムよりなっている。
二重層の形成に優れている高比表面積材料である活性炭
を電極材料として用いたものであり、また、集電極72
3,724はアルミニウム箔よりなり、イオン透過性及
び電気絶縁性を有する多孔質のセパレータ726は、ポ
リエチレンフィルムよりなっている。
【0006】さて、このようにして電極積層体73を組
み立てた後は、それ以後の不純物除去工程、電解液含浸
工程、電解液の液切り工程及び外装ケースへの組込工程
は、電極積層体73や有機電解液にコンデンサ性能の低
下をもたらす水分,酸素,炭酸ガスなどの不純物が吸着
しないようにすべく、脱湿されたドライな高純度の窒素
ガス(N2 ガス)を流して窒素ガス雰囲気とされた大型
のグローブボックスDB内にて行われる。電極積層体7
3に対する不純物除去処理、及び該除去処理後の電解液
含浸処理については後述し、先に、電解液含浸処理後に
行う組込工程について説明する。
み立てた後は、それ以後の不純物除去工程、電解液含浸
工程、電解液の液切り工程及び外装ケースへの組込工程
は、電極積層体73や有機電解液にコンデンサ性能の低
下をもたらす水分,酸素,炭酸ガスなどの不純物が吸着
しないようにすべく、脱湿されたドライな高純度の窒素
ガス(N2 ガス)を流して窒素ガス雰囲気とされた大型
のグローブボックスDB内にて行われる。電極積層体7
3に対する不純物除去処理、及び該除去処理後の電解液
含浸処理については後述し、先に、電解液含浸処理後に
行う組込工程について説明する。
【0007】外装ケースへの組込みに先立ち、有機電解
液を含浸させた電極積層体73について、所定時間その
ままにして電解液の液切りを行う。この液切りを行う理
由は、有機電解液を含浸させた電極積層体73からの液
ダレが、封止材料が注入される外装ケース75上部内周
面になどに付着すると、外装ケース75内に電極積層体
73を十分に気密性良く密閉収納するにあたり信頼性の
点で不安があるためである。すなわち、電極積層体73
に含浸させている有機電解液が外部からの水と反応する
とコンデンサ性能が劣化しやすくなるので気密性不良を
なくす必要がある。
液を含浸させた電極積層体73について、所定時間その
ままにして電解液の液切りを行う。この液切りを行う理
由は、有機電解液を含浸させた電極積層体73からの液
ダレが、封止材料が注入される外装ケース75上部内周
面になどに付着すると、外装ケース75内に電極積層体
73を十分に気密性良く密閉収納するにあたり信頼性の
点で不安があるためである。すなわち、電極積層体73
に含浸させている有機電解液が外部からの水と反応する
とコンデンサ性能が劣化しやすくなるので気密性不良を
なくす必要がある。
【0008】そして、アルミニウム製の角形外装ケース
75の上部内周面、すなわち蓋部79が形成される封止
部位には、電解液付着防止用の図示しないマスキングテ
ープが張り着けられており、前記液切りがなされた電極
積層体73は、該積層体73に袋状インシュレータ(袋
状絶縁体)74を履かせた状態で(図12の(ハ)参
照)、角形外装ケース75内に入れられる。該ケース7
5の内部寸法は、例えば48mm角,高さ108mmで
ある。袋状インシュレータ74は、電極積層体73と角
形外装ケース75とを電気的に絶縁するためのもので、
電気絶縁性を有し電解液を通過させない柔軟性材料、こ
の例では多孔質でないポリプロピレンよりなっている。
75の上部内周面、すなわち蓋部79が形成される封止
部位には、電解液付着防止用の図示しないマスキングテ
ープが張り着けられており、前記液切りがなされた電極
積層体73は、該積層体73に袋状インシュレータ(袋
状絶縁体)74を履かせた状態で(図12の(ハ)参
照)、角形外装ケース75内に入れられる。該ケース7
5の内部寸法は、例えば48mm角,高さ108mmで
ある。袋状インシュレータ74は、電極積層体73と角
形外装ケース75とを電気的に絶縁するためのもので、
電気絶縁性を有し電解液を通過させない柔軟性材料、こ
の例では多孔質でないポリプロピレンよりなっている。
【0009】次いで、図13に示すように、角形外装ケ
ース75への内部圧力吸収室76の組込みが行われる。
同図において、76は封筒状に形成されたラミネートフ
ィルム製の前記内部圧力吸収室、77はポリプロピレン
樹脂製の蓋板であり、内部圧力吸収室76は蓋板77の
スリット77aにさし通されて蓋板77に支持されてい
る。この内部圧力吸収室76が取り付けられた蓋板77
を角形外装ケース75の上方へ移動し、該蓋板77を下
降させて角形外装ケース75内に内部圧力吸収室76を
途中までさし入れた状態で、蓋板77の2個の端子用貫
通孔77bに下方から電極積層体73の各端子ボルト7
3a,73bのネジ部をそれぞれさし通す。しかる後、
圧力吸収室76の開口部76aが角形外装ケース75上
端に位置するように、内部圧力吸収室76と蓋板77と
を一体的にさらに押し下げて角形外装ケース75内に収
納する。これにより、蓋板77は角形外装ケース75内
の該ケース上端から深さ10mm程度のところに位置さ
れる(図13の(ホ)参照)。なお、ラミネートフィル
ム製の内部圧力吸収室76については、柔軟で厚みが薄
く取り扱い難いため、蓋板77への取付けや、角形外装
ケース75内への収納の際には、吸収室内に芯となるプ
ラスチック板(図示省略)を入れた状態で取り扱うよう
にし、蓋板77上への後述する樹脂封止材料の注入を行
ってから前記プラスチック板を抜き取るようにしてい
る。
ース75への内部圧力吸収室76の組込みが行われる。
同図において、76は封筒状に形成されたラミネートフ
ィルム製の前記内部圧力吸収室、77はポリプロピレン
樹脂製の蓋板であり、内部圧力吸収室76は蓋板77の
スリット77aにさし通されて蓋板77に支持されてい
る。この内部圧力吸収室76が取り付けられた蓋板77
を角形外装ケース75の上方へ移動し、該蓋板77を下
降させて角形外装ケース75内に内部圧力吸収室76を
途中までさし入れた状態で、蓋板77の2個の端子用貫
通孔77bに下方から電極積層体73の各端子ボルト7
3a,73bのネジ部をそれぞれさし通す。しかる後、
圧力吸収室76の開口部76aが角形外装ケース75上
端に位置するように、内部圧力吸収室76と蓋板77と
を一体的にさらに押し下げて角形外装ケース75内に収
納する。これにより、蓋板77は角形外装ケース75内
の該ケース上端から深さ10mm程度のところに位置さ
れる(図13の(ホ)参照)。なお、ラミネートフィル
ム製の内部圧力吸収室76については、柔軟で厚みが薄
く取り扱い難いため、蓋板77への取付けや、角形外装
ケース75内への収納の際には、吸収室内に芯となるプ
ラスチック板(図示省略)を入れた状態で取り扱うよう
にし、蓋板77上への後述する樹脂封止材料の注入を行
ってから前記プラスチック板を抜き取るようにしてい
る。
【0010】次に、蓋板77から上方へ突き出た端子ボ
ルト73aに外部接続用端子として長尺の正極端子ナッ
ト78Aを螺合して取り付け、同様に、電極積層体73
の端子ボルト73bに負極端子ナット78Bを螺合して
取り付ける(図13の(ヘ)参照)。
ルト73aに外部接続用端子として長尺の正極端子ナッ
ト78Aを螺合して取り付け、同様に、電極積層体73
の端子ボルト73bに負極端子ナット78Bを螺合して
取り付ける(図13の(ヘ)参照)。
【0011】しかる後、外装ケース75上部内周面より
前記の図示しないマスキングテープを剥がしてから、該
ケース上部(ケース開口部)に封止材料である液状樹脂
を注入・硬化させて蓋部79を形成している。このよう
にして、有機電解液を含浸させた電極積層体73を角形
外装ケース75内に気密状態で収納してなる角形電気二
重層コンデンサ71を製造している(図13の(ト)参
照)。なお内部圧力吸収室76は、温度上昇に起因する
ケース75内の圧力上昇を緩和するためのものである。
前記の図示しないマスキングテープを剥がしてから、該
ケース上部(ケース開口部)に封止材料である液状樹脂
を注入・硬化させて蓋部79を形成している。このよう
にして、有機電解液を含浸させた電極積層体73を角形
外装ケース75内に気密状態で収納してなる角形電気二
重層コンデンサ71を製造している(図13の(ト)参
照)。なお内部圧力吸収室76は、温度上昇に起因する
ケース75内の圧力上昇を緩和するためのものである。
【0012】さて次に、このような製造工程の途中で行
われる不純物除去処理及び電解液含浸処理について説明
する。電極積層体73、とりわけ活性炭よりなる分極性
電極に積層体組立の過程で吸着した水(H2 O),酸素
(O2 ),炭酸ガス(CO2)などの水を主とする不純
物は、電解質イオンの吸着が阻害されること等によりコ
ンデンサ静電容量の低下をもたらす。したがって、組み
立てられた電極積層体73に電解液を含浸させるのに先
立ち、この電極積層体73より前記不純物を除去する処
理を行い、しかる後、この不純物除去処理された電極積
層体73に有機電解液を含浸させる処理を行うようにし
ている。
われる不純物除去処理及び電解液含浸処理について説明
する。電極積層体73、とりわけ活性炭よりなる分極性
電極に積層体組立の過程で吸着した水(H2 O),酸素
(O2 ),炭酸ガス(CO2)などの水を主とする不純
物は、電解質イオンの吸着が阻害されること等によりコ
ンデンサ静電容量の低下をもたらす。したがって、組み
立てられた電極積層体73に電解液を含浸させるのに先
立ち、この電極積層体73より前記不純物を除去する処
理を行い、しかる後、この不純物除去処理された電極積
層体73に有機電解液を含浸させる処理を行うようにし
ている。
【0013】図14は従来方法の実施に用いられる装置
の構成を示す図である。箱形をなすステンレス鋼製の処
理容器81は巻回された電熱ヒータコイル82により所
要温度に加熱可能に構成されており、処理容器81内
に、開閉可能な容器天井蓋を開き処理対象の電極積層体
73が複数個収容されるようになっている。処理容器8
1は前述した大型のグローブボックスDB内に設置され
ている。83は有機電解液槽であり、有機電解液に水な
どの不純物が混入するとコンデンサ動作電圧の低下をも
たらすので、これを防ぐため、該槽83の液面上はドラ
イな窒素ガスの雰囲気とされている。84は電解液回収
槽、85は電解液導入路に設けられた開閉弁、86は電
解液回収路に設けられた開閉弁である。また、87は真
空ポンプであり、88は処理容器81と真空ポンプ87
とを接続する真空排気路に設けられた電磁弁である。
の構成を示す図である。箱形をなすステンレス鋼製の処
理容器81は巻回された電熱ヒータコイル82により所
要温度に加熱可能に構成されており、処理容器81内
に、開閉可能な容器天井蓋を開き処理対象の電極積層体
73が複数個収容されるようになっている。処理容器8
1は前述した大型のグローブボックスDB内に設置され
ている。83は有機電解液槽であり、有機電解液に水な
どの不純物が混入するとコンデンサ動作電圧の低下をも
たらすので、これを防ぐため、該槽83の液面上はドラ
イな窒素ガスの雰囲気とされている。84は電解液回収
槽、85は電解液導入路に設けられた開閉弁、86は電
解液回収路に設けられた開閉弁である。また、87は真
空ポンプであり、88は処理容器81と真空ポンプ87
とを接続する真空排気路に設けられた電磁弁である。
【0014】従来の不純物除去方法は、容器自体の温度
が例えば温度70℃一定に保持されている処理容器81
内に複数個の電極積層体78を収容し、電磁弁88を開
き真空引きを行っている真空ポンプ87によってこの処
理容器81内の圧力を例えば1.33kPa (≒10
Torr)に減圧し、このような真空加熱状態を所要時
間保持することで、電極積層体73に吸着されている水
などの不純物を除去するようにした方法である。この場
合、処理容器81内の温度が電極積層体73の樹脂フィ
ルム製セパレータ726の変質温度に達しない範囲で加
熱を行う必要があることから、処理容器51の加熱温度
が70℃に設定されている。よって、真空加熱としては
70℃という低温での真空加熱となっている。
が例えば温度70℃一定に保持されている処理容器81
内に複数個の電極積層体78を収容し、電磁弁88を開
き真空引きを行っている真空ポンプ87によってこの処
理容器81内の圧力を例えば1.33kPa (≒10
Torr)に減圧し、このような真空加熱状態を所要時
間保持することで、電極積層体73に吸着されている水
などの不純物を除去するようにした方法である。この場
合、処理容器81内の温度が電極積層体73の樹脂フィ
ルム製セパレータ726の変質温度に達しない範囲で加
熱を行う必要があることから、処理容器51の加熱温度
が70℃に設定されている。よって、真空加熱としては
70℃という低温での真空加熱となっている。
【0015】次いで、この不純物除去された電極積層体
73に電解液を含浸させるようにしている。従来の電解
液含浸方法は、容器自体の温度が例えば温度40℃一定
に保持されている処理容器81内に不純物除去された電
極積層体73を複数個収容し、電磁弁88を開き真空ポ
ンプ87によりこの処理容器81内の圧力を例えば1.
33kPa(≒10Torr)に減圧し、開閉弁85を
開いて有機電解液槽88より有機電解液を処理容器81
内に吸引導入し、処理容器81内の電極積層体73全体
が有機電解液中に完全に浸かる状態を所要時間保持する
ことで、電極積層体73に、とりわけ活性炭よりなる分
極性電極に有機電解液を含浸させるようにした方法であ
る。代表的な有機電解液としては、プロピレンカーボネ
ートを溶媒とし、テトラエチルアンモニウム・テトラフ
ルオロボレートなどを溶質とする電解液が用いられてい
る。そして有機電解液を含浸させた電極積層体73は、
処理容器81から取り出された後に前記液切りがなされ
ることになる。
73に電解液を含浸させるようにしている。従来の電解
液含浸方法は、容器自体の温度が例えば温度40℃一定
に保持されている処理容器81内に不純物除去された電
極積層体73を複数個収容し、電磁弁88を開き真空ポ
ンプ87によりこの処理容器81内の圧力を例えば1.
33kPa(≒10Torr)に減圧し、開閉弁85を
開いて有機電解液槽88より有機電解液を処理容器81
内に吸引導入し、処理容器81内の電極積層体73全体
が有機電解液中に完全に浸かる状態を所要時間保持する
ことで、電極積層体73に、とりわけ活性炭よりなる分
極性電極に有機電解液を含浸させるようにした方法であ
る。代表的な有機電解液としては、プロピレンカーボネ
ートを溶媒とし、テトラエチルアンモニウム・テトラフ
ルオロボレートなどを溶質とする電解液が用いられてい
る。そして有機電解液を含浸させた電極積層体73は、
処理容器81から取り出された後に前記液切りがなされ
ることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
電気二重層コンデンサ用電極積層体では、有機電解液を
含浸させてから外装ケース内に気密状態で密閉収納され
る構造のものであるから、コンデンサ製造において外装
ケース内に気密状態で密閉収納するにあたり、外装ケー
スの封止すべき部分に電極積層体からの液ダレによる気
密性不良を生じさせる有機電解液の付着を防止すべく、
有機電解液含浸後に時間のかかる液切り工程が必要とな
る。また、前記封止すべき部分に電解液付着防止用マス
キングテープを張りつけておき、樹脂封止材料を注入す
る直前に前記マスキングテープを剥がすというような手
間のかかる工程が必要となる。このため、有機電解液系
の大容量電気二重層コンデンサの生産性が悪いという問
題があった。
電気二重層コンデンサ用電極積層体では、有機電解液を
含浸させてから外装ケース内に気密状態で密閉収納され
る構造のものであるから、コンデンサ製造において外装
ケース内に気密状態で密閉収納するにあたり、外装ケー
スの封止すべき部分に電極積層体からの液ダレによる気
密性不良を生じさせる有機電解液の付着を防止すべく、
有機電解液含浸後に時間のかかる液切り工程が必要とな
る。また、前記封止すべき部分に電解液付着防止用マス
キングテープを張りつけておき、樹脂封止材料を注入す
る直前に前記マスキングテープを剥がすというような手
間のかかる工程が必要となる。このため、有機電解液系
の大容量電気二重層コンデンサの生産性が悪いという問
題があった。
【0017】また前述した従来の不純物除去処理方法で
は、処理容器内が真空減圧下にあって熱媒体が希薄で、
加熱されている処理容器から電極積層体への熱伝達が輻
射によるもので伝わり難いために、電極積層体より水,
酸素,炭酸ガスなどの水を主とする不純物を除去するの
に時間がかかっていた。このため、有機電解液系の大容
量電気二重層コンデンサの生産性が悪いという問題があ
った。
は、処理容器内が真空減圧下にあって熱媒体が希薄で、
加熱されている処理容器から電極積層体への熱伝達が輻
射によるもので伝わり難いために、電極積層体より水,
酸素,炭酸ガスなどの水を主とする不純物を除去するの
に時間がかかっていた。このため、有機電解液系の大容
量電気二重層コンデンサの生産性が悪いという問題があ
った。
【0018】さらに前述した従来の電解液含浸方法で
は、ただ単に、真空引きして処理容器内に吸引導入した
有機電解液中に電極積層体が漬かるようにしたものであ
るから、電極積層体の分極性電極を形成する活性炭には
極めて多数の微細な空孔があり、電極積層体に有機電解
液を充分に含浸させるのに時間がかかっていた。このた
め、有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性が悪いという問題があった。
は、ただ単に、真空引きして処理容器内に吸引導入した
有機電解液中に電極積層体が漬かるようにしたものであ
るから、電極積層体の分極性電極を形成する活性炭には
極めて多数の微細な空孔があり、電極積層体に有機電解
液を充分に含浸させるのに時間がかかっていた。このた
め、有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性が悪いという問題があった。
【0019】そこで本願発明の目的は、閉塞可能な入口
部・出口部付きの電極積層体可撓性ケースに電極積層体
本体を収納して該電極積層体本体に前記ケース外部から
電解液含浸可能な構造とすることにより、従来のものを
用いる場合に比べてコンデンサ製造工程が簡単ですみ、
有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産性の
向上を図ることができる、電気二重層コンデンサ用電極
積層体を提供することにある。
部・出口部付きの電極積層体可撓性ケースに電極積層体
本体を収納して該電極積層体本体に前記ケース外部から
電解液含浸可能な構造とすることにより、従来のものを
用いる場合に比べてコンデンサ製造工程が簡単ですみ、
有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産性の
向上を図ることができる、電気二重層コンデンサ用電極
積層体を提供することにある。
【0020】また本願発明の他の目的は、前記電気二重
層コンデンサ用電極積層体の不純物除去処理を短時間で
行うことができ、これによって有機電解液系の大容量電
気二重層コンデンサの生産性の向上を図ることができ
る、電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装
置を提供することにある。
層コンデンサ用電極積層体の不純物除去処理を短時間で
行うことができ、これによって有機電解液系の大容量電
気二重層コンデンサの生産性の向上を図ることができ
る、電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装
置を提供することにある。
【0021】本願発明のさらに他の目的は、前記電気二
重層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸処理を短時間
で行うことができ、これによって有機電解液系の大容量
電気二重層コンデンサの生産性の向上を図ることができ
る、電気二重層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装
置を提供することにある。
重層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸処理を短時間
で行うことができ、これによって有機電解液系の大容量
電気二重層コンデンサの生産性の向上を図ることができ
る、電気二重層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装
置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、活性
炭を電極材料とした分極性電極を有する複数の正極と活
性炭を電極材料とした分極性電極を有する複数の負極と
をそれら正極・負極の間にセパレータを介在させて交互
に積層した電極積層体本体を有し、前記電極積層体本体
の正極用及び負極用の各リード体がケース外に引き出さ
れた状態で該電極積層体本体を収納した電極積層体可撓
性ケースに、ケース入口部及びケース出口部がそれぞれ
取りつけられてなる電気二重層コンデンサ用電極積層体
である。
炭を電極材料とした分極性電極を有する複数の正極と活
性炭を電極材料とした分極性電極を有する複数の負極と
をそれら正極・負極の間にセパレータを介在させて交互
に積層した電極積層体本体を有し、前記電極積層体本体
の正極用及び負極用の各リード体がケース外に引き出さ
れた状態で該電極積層体本体を収納した電極積層体可撓
性ケースに、ケース入口部及びケース出口部がそれぞれ
取りつけられてなる電気二重層コンデンサ用電極積層体
である。
【0023】請求項2の発明は、請求項1記載の電気二
重層コンデンサ用電極積層体の電極積層体本体より水,
酸素,炭酸ガスなどの不純物を除去する不純物除去装置
であって、窒素ガス又は不活性ガスを所定温度に加熱す
るガス加熱装置と、処理対象の電気二重層コンデンサ用
電極積層体の電極積層体可撓性ケース内にケース入口部
より前記ガス加熱装置からの加熱された窒素ガス又は不
活性ガスを送り込むためのガス導入路と、少なくとも圧
力切換え用開閉弁を介してケース出口部に接続され、前
記電極積層体可撓性ケース内を減圧するための減圧装置
と、弁操作信号を送出することにより、前記電極積層体
可撓性ケース内に所定温度に加熱された窒素ガス又は不
活性ガスを送り込みながら、前記電極積層体可撓性ケー
ス内の圧力を減圧した状態と該減圧状態より高くした昇
圧状態とを所定回数交互に繰り返す制御を行う制御装置
とを備えている電気二重層コンデンサ用電極積層体の不
純物除去装置である。
重層コンデンサ用電極積層体の電極積層体本体より水,
酸素,炭酸ガスなどの不純物を除去する不純物除去装置
であって、窒素ガス又は不活性ガスを所定温度に加熱す
るガス加熱装置と、処理対象の電気二重層コンデンサ用
電極積層体の電極積層体可撓性ケース内にケース入口部
より前記ガス加熱装置からの加熱された窒素ガス又は不
活性ガスを送り込むためのガス導入路と、少なくとも圧
力切換え用開閉弁を介してケース出口部に接続され、前
記電極積層体可撓性ケース内を減圧するための減圧装置
と、弁操作信号を送出することにより、前記電極積層体
可撓性ケース内に所定温度に加熱された窒素ガス又は不
活性ガスを送り込みながら、前記電極積層体可撓性ケー
ス内の圧力を減圧した状態と該減圧状態より高くした昇
圧状態とを所定回数交互に繰り返す制御を行う制御装置
とを備えている電気二重層コンデンサ用電極積層体の不
純物除去装置である。
【0024】請求項3の発明は、請求項1記載の電気二
重層コンデンサ用電極積層体の電極積層体本体に有機電
解液を含浸させる電解液含浸装置であって、有機電解液
槽から少なくとも電解液供給ポンプ、電解液温度調節
系、開閉弁、処理対象の電気二重層コンデンサ用電極積
層体の電極積層体可撓性ケース内部を経て前記有機電解
液槽に戻る電解液注液路と、前記電解液注液路に少なく
とも圧力切換え用開閉弁を介して接続され、前記電極積
層体可撓性ケース内を減圧するための減圧装置と、弁操
作信号を送出することにより、前記電解液注液路に有機
電解液を流して前記電極積層体可撓性ケース内に有機電
解液を満たし、しかる後、前記電極積層体可撓性ケース
内への有機電解液の流入を遮断した状態で、前記電極積
層体可撓性ケース内の圧力を減圧した状態と該減圧状態
より高くした昇圧状態とを所定回数交互に繰り返す電解
液含浸処理制御を行う制御装置とを備えている電気二重
層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装置である。
重層コンデンサ用電極積層体の電極積層体本体に有機電
解液を含浸させる電解液含浸装置であって、有機電解液
槽から少なくとも電解液供給ポンプ、電解液温度調節
系、開閉弁、処理対象の電気二重層コンデンサ用電極積
層体の電極積層体可撓性ケース内部を経て前記有機電解
液槽に戻る電解液注液路と、前記電解液注液路に少なく
とも圧力切換え用開閉弁を介して接続され、前記電極積
層体可撓性ケース内を減圧するための減圧装置と、弁操
作信号を送出することにより、前記電解液注液路に有機
電解液を流して前記電極積層体可撓性ケース内に有機電
解液を満たし、しかる後、前記電極積層体可撓性ケース
内への有機電解液の流入を遮断した状態で、前記電極積
層体可撓性ケース内の圧力を減圧した状態と該減圧状態
より高くした昇圧状態とを所定回数交互に繰り返す電解
液含浸処理制御を行う制御装置とを備えている電気二重
層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装置である。
【0025】請求項4の発明は、請求項3記載の電気二
重層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装置におい
て、前記制御装置は、前記電解液含浸処理制御に際し、
前記電解液温度調節系の電解液加熱装置を選択し、前記
有機電解液槽からの有機電解液を該電解液加熱装置を通
して前記電解液注液路に流し、前記電解液含浸処理制御
の後には前記電解液温度調節系の電解液冷却装置を選択
し、前記有機電解液槽からの有機電解液を該電解液冷却
装置を通して前記電解液注液路に流す電解液温度切換処
理制御を行うものであることを特徴とするものである。
重層コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装置におい
て、前記制御装置は、前記電解液含浸処理制御に際し、
前記電解液温度調節系の電解液加熱装置を選択し、前記
有機電解液槽からの有機電解液を該電解液加熱装置を通
して前記電解液注液路に流し、前記電解液含浸処理制御
の後には前記電解液温度調節系の電解液冷却装置を選択
し、前記有機電解液槽からの有機電解液を該電解液冷却
装置を通して前記電解液注液路に流す電解液温度切換処
理制御を行うものであることを特徴とするものである。
【0026】本発明に係る電気二重層コンデンサ用電極
積層体によると、電極積層体本体の正極リード体(正極
端子体)及び負極リード体(負極端子体)がケース外に
引き出された状態で該電極積層体本体を収納した電極積
層体可撓性ケースに、該電極積層体可撓性ケースの内外
を連通するケース入口部及びケース出口部がそれぞれ取
りつけられているので、電極積層体本体より水,酸素,
炭酸ガスなどの不純物を除去すべく、外部から電極積層
体可撓性ケース内に加熱された窒素ガス又は不活性ガス
を送り込むことや、該ケース内を真空引きすることがで
きる。また、不純物除去処理後に電極積層体本体に有機
電解液を含浸させるべく、外部から電極積層体可撓性ケ
ース内に有機電解液を送り込むことや、該ケース内を真
空引きすることができる。
積層体によると、電極積層体本体の正極リード体(正極
端子体)及び負極リード体(負極端子体)がケース外に
引き出された状態で該電極積層体本体を収納した電極積
層体可撓性ケースに、該電極積層体可撓性ケースの内外
を連通するケース入口部及びケース出口部がそれぞれ取
りつけられているので、電極積層体本体より水,酸素,
炭酸ガスなどの不純物を除去すべく、外部から電極積層
体可撓性ケース内に加熱された窒素ガス又は不活性ガス
を送り込むことや、該ケース内を真空引きすることがで
きる。また、不純物除去処理後に電極積層体本体に有機
電解液を含浸させるべく、外部から電極積層体可撓性ケ
ース内に有機電解液を送り込むことや、該ケース内を真
空引きすることができる。
【0027】そして本発明に係る電気二重層コンデンサ
用電極積層体は、前記電解液含浸処理の後にケース入口
部及びケース出口部を閉塞することにより、電極積層体
本体の正極用及び負極用の各リード体がケース外に引き
出された状態で、電極積層体可撓性ケース内に有機電解
液を含浸させた電極積層体本体を気密状態で収納してな
るものとなりうる。
用電極積層体は、前記電解液含浸処理の後にケース入口
部及びケース出口部を閉塞することにより、電極積層体
本体の正極用及び負極用の各リード体がケース外に引き
出された状態で、電極積層体可撓性ケース内に有機電解
液を含浸させた電極積層体本体を気密状態で収納してな
るものとなりうる。
【0028】このように、本発明による電気二重層コン
デンサ用電極積層体によると、閉塞可能な入口部・出口
部付きの電極積層体可撓性ケースに電極積層体本体を収
納して該電極積層体本体にケース外部から電解液含浸可
能な構造としたものであるから、外装ケースに前記電気
二重層コンデンサ用電極積層体を収納するにあたり、従
来のものとは違って、電解液の液切り工程が不要となる
とともに、外装ケースを高い気密性にて封止する工程自
体が不要となり外装ケース開口部を単に蓋板などで閉塞
すればよいので、コンデンサ製造工程が簡単ですみ、よ
って有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性の向上を図ることができる。また、外装ケースに電気
二重層コンデンサ用電極積層体を収納する作業は、従来
と違って、窒素ガス雰囲気とされた大型のグローブボッ
クス内にて行う必要がなく、通常の室内で行うことがで
きる。
デンサ用電極積層体によると、閉塞可能な入口部・出口
部付きの電極積層体可撓性ケースに電極積層体本体を収
納して該電極積層体本体にケース外部から電解液含浸可
能な構造としたものであるから、外装ケースに前記電気
二重層コンデンサ用電極積層体を収納するにあたり、従
来のものとは違って、電解液の液切り工程が不要となる
とともに、外装ケースを高い気密性にて封止する工程自
体が不要となり外装ケース開口部を単に蓋板などで閉塞
すればよいので、コンデンサ製造工程が簡単ですみ、よ
って有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性の向上を図ることができる。また、外装ケースに電気
二重層コンデンサ用電極積層体を収納する作業は、従来
と違って、窒素ガス雰囲気とされた大型のグローブボッ
クス内にて行う必要がなく、通常の室内で行うことがで
きる。
【0029】このような構造の電気二重層コンデンサ用
電極積層体は、例えば予め、1枚の矩形ラミネートフィ
ルムに細径短尺のポリエチレン製チューブよりなるケー
ス入口部及びケース出口部をそれぞれ熱融着して取り着
けておき、これを「袋とじ」してなるものにより、電極
積層体本体の正極用及び負極用の各リード体が外に引き
出された状態で該電極積層体本体を包み込み、該袋とじ
体の開口部分を熱融着シール(ヒートシール)してラミ
ネートフィルムよりなる角形の電極積層体可撓性ケース
を形成し、組み立てられている。ラミネートフィルム
は、例えばポリエチレン・アルミ箔・ポリエチレンの3
層構造をなしており、窒素ガス,不活性ガス,酸素,炭
酸ガスなどのガスや、有機電解液、水などを透過させ
ず、また電気絶縁性を有し、さらにポリエチレン製チュ
ーブの取り着けを含めて角形の電極積層体可撓性ケース
を容易に形成しうるように熱融着可能なものである。
電極積層体は、例えば予め、1枚の矩形ラミネートフィ
ルムに細径短尺のポリエチレン製チューブよりなるケー
ス入口部及びケース出口部をそれぞれ熱融着して取り着
けておき、これを「袋とじ」してなるものにより、電極
積層体本体の正極用及び負極用の各リード体が外に引き
出された状態で該電極積層体本体を包み込み、該袋とじ
体の開口部分を熱融着シール(ヒートシール)してラミ
ネートフィルムよりなる角形の電極積層体可撓性ケース
を形成し、組み立てられている。ラミネートフィルム
は、例えばポリエチレン・アルミ箔・ポリエチレンの3
層構造をなしており、窒素ガス,不活性ガス,酸素,炭
酸ガスなどのガスや、有機電解液、水などを透過させ
ず、また電気絶縁性を有し、さらにポリエチレン製チュ
ーブの取り着けを含めて角形の電極積層体可撓性ケース
を容易に形成しうるように熱融着可能なものである。
【0030】次に、本発明に係る電気二重層コンデンサ
用電極積層体の不純物除去装置においては、処理対象の
電気二重層コンデンサ用電極積層体は電極積層体ホルダ
ーにセットされており、ガス加熱装置により熱媒体とし
て所定の一定温度(例えば70℃)に加熱されたドライ
な窒素ガス又は不活性ガス(アルゴンガスなど)を電極
積層体可撓性ケース内に送り込むようにしている。これ
によって電極積層体可撓性ケース内の気相部から水分を
追い出し気相部水分濃度を低下させて該気相部を乾き状
態とすることにより、活性炭よりなる分極性電極に吸着
されている水などの不純物の脱着を促進することができ
る。
用電極積層体の不純物除去装置においては、処理対象の
電気二重層コンデンサ用電極積層体は電極積層体ホルダ
ーにセットされており、ガス加熱装置により熱媒体とし
て所定の一定温度(例えば70℃)に加熱されたドライ
な窒素ガス又は不活性ガス(アルゴンガスなど)を電極
積層体可撓性ケース内に送り込むようにしている。これ
によって電極積層体可撓性ケース内の気相部から水分を
追い出し気相部水分濃度を低下させて該気相部を乾き状
態とすることにより、活性炭よりなる分極性電極に吸着
されている水などの不純物の脱着を促進することができ
る。
【0031】また、本発明に係る不純物除去装置では、
減圧装置により電極積層体可撓性ケース内の圧力を真空
引きして減圧し、これによって分極性電極(活性炭)の
平衡吸着量を減らすことで、分極性電極に吸着されてい
る水などの不純物の脱着を行うようにもしている。とこ
ろがこの場合、不純物脱着の際に脱着熱の吸収によって
分極性電極の温度が下がると、分極性電極(活性炭)の
平衡吸着量が増えて前記減圧による脱着効果が減じてし
まうことになるので、脱着熱に相当する熱を外部から分
極性電極(電極積層体本体)へ熱供給することが必要と
なる。従来技術では、処理容器自体を前述したように7
0℃に加熱していた。
減圧装置により電極積層体可撓性ケース内の圧力を真空
引きして減圧し、これによって分極性電極(活性炭)の
平衡吸着量を減らすことで、分極性電極に吸着されてい
る水などの不純物の脱着を行うようにもしている。とこ
ろがこの場合、不純物脱着の際に脱着熱の吸収によって
分極性電極の温度が下がると、分極性電極(活性炭)の
平衡吸着量が増えて前記減圧による脱着効果が減じてし
まうことになるので、脱着熱に相当する熱を外部から分
極性電極(電極積層体本体)へ熱供給することが必要と
なる。従来技術では、処理容器自体を前述したように7
0℃に加熱していた。
【0032】そしてこのように電極積層体本体に対して
熱供給する場合、電極積層体本体への伝熱速度がキーポ
イントとなる。従来技術では、前述したように、処理容
器内が真空減圧下にあって熱媒体が希薄で処理容器から
の電極積層体本体への熱伝達が処理容器からの輻射熱の
みであり、充分な伝熱速度が得られず、不純物除去に時
間がかかっていた。
熱供給する場合、電極積層体本体への伝熱速度がキーポ
イントとなる。従来技術では、前述したように、処理容
器内が真空減圧下にあって熱媒体が希薄で処理容器から
の電極積層体本体への熱伝達が処理容器からの輻射熱の
みであり、充分な伝熱速度が得られず、不純物除去に時
間がかかっていた。
【0033】すなわち、電極積層体本体のセパレータの
耐熱性の点で高温加熱が採用できない制約下では、水な
どの不純物の脱着時間の短縮を図るには脱着に要する熱
エネルギーの電極積層体本体への伝熱速度を向上させる
ようにすればよい。本発明装置では、前述したような電
極積層体可撓性ケース内の気相部水分濃度を下げる役割
に加えて、熱媒体としての役割をも担う加熱された窒素
ガス又は不活性ガスを電極積層体可撓性ケース内に送り
込み、該ケース内の圧力を減圧状態から昇圧して例えば
大気圧程度の圧力へ戻すことで電極積層体本体に加熱さ
れた前記窒素ガス又は不活性ガスの持つ熱を直接に接触
伝熱させて、電極積層体本体への伝熱速度を従来に比べ
て大幅に向上させることができる。
耐熱性の点で高温加熱が採用できない制約下では、水な
どの不純物の脱着時間の短縮を図るには脱着に要する熱
エネルギーの電極積層体本体への伝熱速度を向上させる
ようにすればよい。本発明装置では、前述したような電
極積層体可撓性ケース内の気相部水分濃度を下げる役割
に加えて、熱媒体としての役割をも担う加熱された窒素
ガス又は不活性ガスを電極積層体可撓性ケース内に送り
込み、該ケース内の圧力を減圧状態から昇圧して例えば
大気圧程度の圧力へ戻すことで電極積層体本体に加熱さ
れた前記窒素ガス又は不活性ガスの持つ熱を直接に接触
伝熱させて、電極積層体本体への伝熱速度を従来に比べ
て大幅に向上させることができる。
【0034】このように、加熱された窒素ガス又は不活
性ガスを送り込みながら、制御装置により電極積層体可
撓性ケース内の圧力を減圧した状態とこれより昇圧して
大気圧程度にした状態とを交互に数回程度繰り返すこと
により、水,酸素,炭酸ガスなどの不純物の脱着に要す
る熱エネルギーを速やかに供給することができ、電極積
層体本体より前記不純物を従来に比べて短時間で除去す
ることができる。よって、有機電解液系の大容量電気二
重層コンデンサの生産性の向上を図ることができる。
性ガスを送り込みながら、制御装置により電極積層体可
撓性ケース内の圧力を減圧した状態とこれより昇圧して
大気圧程度にした状態とを交互に数回程度繰り返すこと
により、水,酸素,炭酸ガスなどの不純物の脱着に要す
る熱エネルギーを速やかに供給することができ、電極積
層体本体より前記不純物を従来に比べて短時間で除去す
ることができる。よって、有機電解液系の大容量電気二
重層コンデンサの生産性の向上を図ることができる。
【0035】図10は本発明による電解液含浸装置にお
ける気泡離脱原理を説明するための図である。本発明装
置では、まず、含浸対象の電気二重層コンデンサ用電極
積層体を通る循環流路よりなる電解液注液路に、所定の
一定温度例えば40℃程度に温度調整された有機電解液
をポンプにより循環させて流し、電極積層体可撓性ケー
ス内の電極積層体本体が有機電解液中に完全に漬かるよ
うにする。しかる後、電極積層体は電解液注液路より切
り離され、圧力切換え用開閉弁と減圧装置を有する真空
排気路に接続される。
ける気泡離脱原理を説明するための図である。本発明装
置では、まず、含浸対象の電気二重層コンデンサ用電極
積層体を通る循環流路よりなる電解液注液路に、所定の
一定温度例えば40℃程度に温度調整された有機電解液
をポンプにより循環させて流し、電極積層体可撓性ケー
ス内の電極積層体本体が有機電解液中に完全に漬かるよ
うにする。しかる後、電極積層体は電解液注液路より切
り離され、圧力切換え用開閉弁と減圧装置を有する真空
排気路に接続される。
【0036】次いで、電極積層体可撓性ケース内を真空
引きして減圧する。この状態では、注液前に活性炭より
なる分極性電極ACの微細な空孔に在った気相部は、図
10(a)に示すように、気泡B0 として分極性電極A
C表面に存在する。そして、同図(a)に示すように、
分極性電極AC表面における気泡B0 の在る部分は疎液
性界面OS0 となっており、分極性電極AC表面と有機
電解液Lとの接触面は親液性界面IS0 となっている。
前記疎液性界面OSは気泡B0 の離脱を困難にしてい
る。次いで、真空減圧状態にあった電極積層体可撓性ケ
ース内の圧力を昇圧して大気圧程度の圧力へ戻すと、図
10(b)に示すように、気泡B1 は前記気泡B0 より
も縮小し、これによって前記(a)のときの疎液性界面
OS0 の一部が有機電解液Lに接触して親液性界面に改
質されて、親液性界面IS1 は増大し、疎液性界面OS
1 は減少する。
引きして減圧する。この状態では、注液前に活性炭より
なる分極性電極ACの微細な空孔に在った気相部は、図
10(a)に示すように、気泡B0 として分極性電極A
C表面に存在する。そして、同図(a)に示すように、
分極性電極AC表面における気泡B0 の在る部分は疎液
性界面OS0 となっており、分極性電極AC表面と有機
電解液Lとの接触面は親液性界面IS0 となっている。
前記疎液性界面OSは気泡B0 の離脱を困難にしてい
る。次いで、真空減圧状態にあった電極積層体可撓性ケ
ース内の圧力を昇圧して大気圧程度の圧力へ戻すと、図
10(b)に示すように、気泡B1 は前記気泡B0 より
も縮小し、これによって前記(a)のときの疎液性界面
OS0 の一部が有機電解液Lに接触して親液性界面に改
質されて、親液性界面IS1 は増大し、疎液性界面OS
1 は減少する。
【0037】次いで、再び電極積層体可撓性ケース内を
減圧すると、図10(c)に示すように、気泡B2 は膨
張して元の前記(a)のときの体積に戻るものの、元の
前記(a)に比べて疎液性界面が大きく減少したこと
で、気泡B2 の形状は不安定な形状となる。そして図1
0(d)に示すように、この不安定な気泡B2 の一部が
分裂して気泡B3 となって離脱し、分極性電極AC表面
には元の前記(a)に比べて小さな気泡B4 が残され
る。
減圧すると、図10(c)に示すように、気泡B2 は膨
張して元の前記(a)のときの体積に戻るものの、元の
前記(a)に比べて疎液性界面が大きく減少したこと
で、気泡B2 の形状は不安定な形状となる。そして図1
0(d)に示すように、この不安定な気泡B2 の一部が
分裂して気泡B3 となって離脱し、分極性電極AC表面
には元の前記(a)に比べて小さな気泡B4 が残され
る。
【0038】よって、制御装置により電極積層体可撓性
ケース内の圧力を真空引きした減圧状態とこの減圧状態
より高くした昇圧状態とを交互に数回程度繰り返すこと
により、電極積層体可撓性ケース内に有機電解液中に漬
けられている電極積層体本体、とりわけ活性炭よりなる
分極性電極における気泡脱着による電極表面の濡らしを
促進して、分極性電極に従来に比べて短時間で有機電解
液を充分に含浸させることができる。
ケース内の圧力を真空引きした減圧状態とこの減圧状態
より高くした昇圧状態とを交互に数回程度繰り返すこと
により、電極積層体可撓性ケース内に有機電解液中に漬
けられている電極積層体本体、とりわけ活性炭よりなる
分極性電極における気泡脱着による電極表面の濡らしを
促進して、分極性電極に従来に比べて短時間で有機電解
液を充分に含浸させることができる。
【0039】本発明に係る電解液含浸装置においては、
このように気泡脱着による電極表面の濡らしを行う電解
液含浸処理制御を行った後に、再び電気二重層コンデン
サ用電極積層体を通る電解液注液路が開かれる。そし
て、電解液温度調節系の電解液冷却装置にて冷やされて
液温が所定の一定値(例えば20℃)に温度調整された
有機電解液を電極積層体可撓性ケース内に送り込むこと
により、電極積層体本体に前記電解液含浸処理制御にて
含浸されていた量(容積)の電解液についてその温度を
低い液温(例えば20℃)にすることができる。このよ
うにする理由は、電気二重層コンデンサ用の有機電解液
は液温が高くなるに従って比重が小さくなるという温度
依存特性を持っており(例えば、液温20℃のとき比重
1.2、液温40℃のとき比重1.18)、電極積層体
本体の含浸電解液は含浸時の液温によって同一容積であ
ってもその電解液含浸量の重さに差が生じるので、これ
を回避するためである。
このように気泡脱着による電極表面の濡らしを行う電解
液含浸処理制御を行った後に、再び電気二重層コンデン
サ用電極積層体を通る電解液注液路が開かれる。そし
て、電解液温度調節系の電解液冷却装置にて冷やされて
液温が所定の一定値(例えば20℃)に温度調整された
有機電解液を電極積層体可撓性ケース内に送り込むこと
により、電極積層体本体に前記電解液含浸処理制御にて
含浸されていた量(容積)の電解液についてその温度を
低い液温(例えば20℃)にすることができる。このよ
うにする理由は、電気二重層コンデンサ用の有機電解液
は液温が高くなるに従って比重が小さくなるという温度
依存特性を持っており(例えば、液温20℃のとき比重
1.2、液温40℃のとき比重1.18)、電極積層体
本体の含浸電解液は含浸時の液温によって同一容積であ
ってもその電解液含浸量の重さに差が生じるので、これ
を回避するためである。
【0040】すなわち、流動性を高めることで電極積層
体本体全体にわたって有機電解液含浸性を良くするため
に例えば40℃程度の高い液温の有機電解液を用いて電
解液含浸処理制御を行った後は、最終的に電極積層体本
体に含浸させる有機電解液として、規定の温度範囲(−
10℃〜+30℃)内において液温が低く(例えば20
℃)て比重の高い状態のものを用いることにより、高い
液温による電解液含浸処理制御のときに比べ電極積層体
本体の電解液含浸重量を増加させることができ、これに
よりコンデンサ性能の向上と品質安定化を図ることがで
きる。
体本体全体にわたって有機電解液含浸性を良くするため
に例えば40℃程度の高い液温の有機電解液を用いて電
解液含浸処理制御を行った後は、最終的に電極積層体本
体に含浸させる有機電解液として、規定の温度範囲(−
10℃〜+30℃)内において液温が低く(例えば20
℃)て比重の高い状態のものを用いることにより、高い
液温による電解液含浸処理制御のときに比べ電極積層体
本体の電解液含浸重量を増加させることができ、これに
よりコンデンサ性能の向上と品質安定化を図ることがで
きる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。まず、電気二重層コンデン
サ用電極積層体について説明する。図1は本発明に係る
電気二重層コンデンサ用電極積層体における積層体の説
明図である。
て図面を参照して説明する。まず、電気二重層コンデン
サ用電極積層体について説明する。図1は本発明に係る
電気二重層コンデンサ用電極積層体における積層体の説
明図である。
【0042】図1において2は積層体であって、先の図
11に符号72で示される従来のものと同一構成であ
る。すなわち、正極21は、リード部を有する矩形シー
ト状の正極用集電極23と、これの両側に配された矩形
シート状の分極性電極25とにより構成されている。ま
た、負極22は、リード部を有する矩形シート状の負極
用集電極24と、これの両側に配された矩形シート状の
分極性電極25とにより構成されている。この正極21
と負極22とが、矩形シート状のセパレータ26を間に
介在させて交互に所定数重ね合わせて積層されている。
これらの積層されたものを、集電極と分極性電極とを互
いに密着させるために、最外部両側に配した薄肉ステン
レス鋼製の押え板27を介して積層方向に押圧した状態
で締付け用テープ(図示省略)にて包むように結束し、
図1に示すように、角形をなす積層体2を得る。
11に符号72で示される従来のものと同一構成であ
る。すなわち、正極21は、リード部を有する矩形シー
ト状の正極用集電極23と、これの両側に配された矩形
シート状の分極性電極25とにより構成されている。ま
た、負極22は、リード部を有する矩形シート状の負極
用集電極24と、これの両側に配された矩形シート状の
分極性電極25とにより構成されている。この正極21
と負極22とが、矩形シート状のセパレータ26を間に
介在させて交互に所定数重ね合わせて積層されている。
これらの積層されたものを、集電極と分極性電極とを互
いに密着させるために、最外部両側に配した薄肉ステン
レス鋼製の押え板27を介して積層方向に押圧した状態
で締付け用テープ(図示省略)にて包むように結束し、
図1に示すように、角形をなす積層体2を得る。
【0043】図2は本発明に係る電気二重層コンデンサ
用電極積層体における電極積層体本体の説明図である。
図2に示すように、薄肉アルミニウム製の1枚の正極リ
ードプレート(正極端子板)3aに積層体2の各正極用
集電極リード部を一括して接合し、同様に、負極リード
プレート(負極端子板)3bに積層体2の各負極用集電
極リード部と一括して接合して、セパレータを介して隣
接する正極と負極とにより構成される1つのセルを複数
個並列接続してなる角形の電極積層体本体3が組み立て
られている。前記の接合は例えば超音波溶接にて行われ
る。角形の電極積層体本体3は例えば定格電圧3V,静
電容量1600Fの大容量コンデンサの場合、セルを2
0個並列接続した構成とされており、その概略寸法は4
4mm×46mm×92mmである。
用電極積層体における電極積層体本体の説明図である。
図2に示すように、薄肉アルミニウム製の1枚の正極リ
ードプレート(正極端子板)3aに積層体2の各正極用
集電極リード部を一括して接合し、同様に、負極リード
プレート(負極端子板)3bに積層体2の各負極用集電
極リード部と一括して接合して、セパレータを介して隣
接する正極と負極とにより構成される1つのセルを複数
個並列接続してなる角形の電極積層体本体3が組み立て
られている。前記の接合は例えば超音波溶接にて行われ
る。角形の電極積層体本体3は例えば定格電圧3V,静
電容量1600Fの大容量コンデンサの場合、セルを2
0個並列接続した構成とされており、その概略寸法は4
4mm×46mm×92mmである。
【0044】ここで、前記の分極性電極25は、電気二
重層の形成に優れている高比表面積材料である活性炭を
電極材料として用いたものである。分極性電極25は例
えば、粉末活性炭とフェノール樹脂とフェノール樹脂分
散用溶剤とを混合して造粒用混合物とし、これを材料と
して得られた造粒品を金型内に入れて熱板付きプレス機
にて加圧成形し、しかる後この板状成形体を窒素ガス雰
囲気下にて焼成して得たものであり、その厚み寸法は
0.5mmである。また、集電極23,24は例えば、
厚み20μmのアルミニウム箔よりなり、イオン透過性
及び電気絶縁性を有する多孔質のセパレータ26は例え
ば、厚み25μmのポリエチレンフィルムよりなってい
る。
重層の形成に優れている高比表面積材料である活性炭を
電極材料として用いたものである。分極性電極25は例
えば、粉末活性炭とフェノール樹脂とフェノール樹脂分
散用溶剤とを混合して造粒用混合物とし、これを材料と
して得られた造粒品を金型内に入れて熱板付きプレス機
にて加圧成形し、しかる後この板状成形体を窒素ガス雰
囲気下にて焼成して得たものであり、その厚み寸法は
0.5mmである。また、集電極23,24は例えば、
厚み20μmのアルミニウム箔よりなり、イオン透過性
及び電気絶縁性を有する多孔質のセパレータ26は例え
ば、厚み25μmのポリエチレンフィルムよりなってい
る。
【0045】図3は本発明に係る電気二重層コンデンサ
用電極積層体を説明するための図、図4は図3における
電極積層体可撓性ケースに熱融着されたポリエチレン製
チューブよりなるケース入口部を示す断面図である。
用電極積層体を説明するための図、図4は図3における
電極積層体可撓性ケースに熱融着されたポリエチレン製
チューブよりなるケース入口部を示す断面図である。
【0046】図3の(a)において、4はラミネートフ
ィルム製袋とじ体である。この可撓性を持つ袋とじ体4
は、矩形をなす1枚のラミネートフィルムに、細径短尺
のポリエチレン製チューブ(例えば肉厚1mmで内径2
mmφ)よりなるケース入口部5とケース出口部6とを
熱融着してそれぞれ取り着け、次いで該ラミネートフィ
ルムを2枚折りにし、しかる後に折り目側とは反対側を
熱融着して袋とじすることにより、外方へ突出するケー
ス入口部5・出口部6を有して袋とじ状に形成されたも
のである。
ィルム製袋とじ体である。この可撓性を持つ袋とじ体4
は、矩形をなす1枚のラミネートフィルムに、細径短尺
のポリエチレン製チューブ(例えば肉厚1mmで内径2
mmφ)よりなるケース入口部5とケース出口部6とを
熱融着してそれぞれ取り着け、次いで該ラミネートフィ
ルムを2枚折りにし、しかる後に折り目側とは反対側を
熱融着して袋とじすることにより、外方へ突出するケー
ス入口部5・出口部6を有して袋とじ状に形成されたも
のである。
【0047】このラミネートフィルム製袋とじ体4内に
角形の電極積層体本体3を入れ置き、図3の(b)に示
すように、この本体3のリードプレート3a,3bのみ
を外に引き出した状態でラミネートフィルム製袋とじ体
4の両端開口部分それぞれをヒートシールすることで電
極積層体可撓性ケース7を形成する。7aは該ケース7
の両端のヒートシール部分である。このようにして、リ
ードプレート3a,3bがケース外に引き出された状態
で角形の電極積層体本体3を密封収納した電極積層体可
撓性ケース7に、該ケース7の内外を連通するケース入
口部5及びケース出口部6がそれぞれ取り着けられてな
る電気二重層コンデンサ用電極積層体(以下、単に電極
積層体という)1が組み立てられている。
角形の電極積層体本体3を入れ置き、図3の(b)に示
すように、この本体3のリードプレート3a,3bのみ
を外に引き出した状態でラミネートフィルム製袋とじ体
4の両端開口部分それぞれをヒートシールすることで電
極積層体可撓性ケース7を形成する。7aは該ケース7
の両端のヒートシール部分である。このようにして、リ
ードプレート3a,3bがケース外に引き出された状態
で角形の電極積層体本体3を密封収納した電極積層体可
撓性ケース7に、該ケース7の内外を連通するケース入
口部5及びケース出口部6がそれぞれ取り着けられてな
る電気二重層コンデンサ用電極積層体(以下、単に電極
積層体という)1が組み立てられている。
【0048】そして電極積層体可撓性ケース7は、その
ヒートシールされた両方の各端面部分が電極積層体本体
3の端面形状に合わせて矩形になるように内方に折り畳
まれて、角形の形状外観となされている(図3の
(c),(d)参照)。
ヒートシールされた両方の各端面部分が電極積層体本体
3の端面形状に合わせて矩形になるように内方に折り畳
まれて、角形の形状外観となされている(図3の
(c),(d)参照)。
【0049】図5は電極積層体1のケース出口部6に熱
融着された封止キャップを示す図である。前記の電極積
層体1は、そのケース入口部5及びケース出口部6が後
述する装置に接続されて、不純物除去、次いで電解液含
浸が行われることになる。そして、これらの処理が終了
して前記装置より取り外された後、電極積層体1のケー
ス出口部6は切断されて10mm程度の長さにされた
後、該ケース出口部6に該出口部を封止するために封止
キャップ6aが熱融着される。電極積層体1のケース入
口部5についても、同様に、封止キャップが熱融着され
ることになっている。
融着された封止キャップを示す図である。前記の電極積
層体1は、そのケース入口部5及びケース出口部6が後
述する装置に接続されて、不純物除去、次いで電解液含
浸が行われることになる。そして、これらの処理が終了
して前記装置より取り外された後、電極積層体1のケー
ス出口部6は切断されて10mm程度の長さにされた
後、該ケース出口部6に該出口部を封止するために封止
キャップ6aが熱融着される。電極積層体1のケース入
口部5についても、同様に、封止キャップが熱融着され
ることになっている。
【0050】図6は本発明による電気二重層コンデンサ
用電極積層体の不純物除去装置の構成を示す図である。
用電極積層体の不純物除去装置の構成を示す図である。
【0051】図6において、31は開閉可能で、発泡ポ
リウレタン等の断熱材よりなる電極積層体ホルダーであ
り、内部に形成された角形空間部により処理対象である
角形の電極積層体1を収納して囲繞する形態で支持する
ホルダーである。そしてガス導入路として、図示しない
窒素ガス源からの脱湿されたドライな高純度の窒素ガス
が所定圧にて供給される流量調節器32からガス加温ヒ
ーター33、第1三方切換弁34、コック(止め弁)3
5を経て、電極積層体ホルダー31に保持された電極積
層体1のケース入口部5に接続されたワンタッチ接続器
36に至る管路が形成されている。
リウレタン等の断熱材よりなる電極積層体ホルダーであ
り、内部に形成された角形空間部により処理対象である
角形の電極積層体1を収納して囲繞する形態で支持する
ホルダーである。そしてガス導入路として、図示しない
窒素ガス源からの脱湿されたドライな高純度の窒素ガス
が所定圧にて供給される流量調節器32からガス加温ヒ
ーター33、第1三方切換弁34、コック(止め弁)3
5を経て、電極積層体ホルダー31に保持された電極積
層体1のケース入口部5に接続されたワンタッチ接続器
36に至る管路が形成されている。
【0052】ガス加熱装置としての前記ガス加温ヒータ
ー33は、流量調節器32からの所定流量に調節された
窒素ガスを所定温度(電極積層体本体3のセパレータ2
6が変質を起こさない範囲の温度で、例えば70℃)に
加熱して送り出すものであり、窒素ガス温度検出値とそ
の温度設定値との差がなくなるように温度調節制御を行
っている。
ー33は、流量調節器32からの所定流量に調節された
窒素ガスを所定温度(電極積層体本体3のセパレータ2
6が変質を起こさない範囲の温度で、例えば70℃)に
加熱して送り出すものであり、窒素ガス温度検出値とそ
の温度設定値との差がなくなるように温度調節制御を行
っている。
【0053】また、真空排気路として、電極積層体1の
ケース出口部6に接続されたワンタッチ接続器37から
コック(止め弁)38、第2三方切換弁39、気液分離
槽40、第1電磁弁(圧力切換え用開閉弁)41を経て
減圧装置としての真空ポンプ42に至るとともに、前記
第1電磁弁41の入側より分岐して流量制御用のニード
ル弁43と第2電磁弁(圧力切換え用開閉弁)44とを
経て前記真空ポンプ42に至る管路が形成されている。
ニードル弁43は昇圧時圧力を設定するためのものであ
る。
ケース出口部6に接続されたワンタッチ接続器37から
コック(止め弁)38、第2三方切換弁39、気液分離
槽40、第1電磁弁(圧力切換え用開閉弁)41を経て
減圧装置としての真空ポンプ42に至るとともに、前記
第1電磁弁41の入側より分岐して流量制御用のニード
ル弁43と第2電磁弁(圧力切換え用開閉弁)44とを
経て前記真空ポンプ42に至る管路が形成されている。
ニードル弁43は昇圧時圧力を設定するためのものであ
る。
【0054】45は開操作又は閉操作をなす弁操作信号
を出力する制御装置である。制御装置45は、三方切換
弁34,39に弁操作信号を与えて不純物除去処理を行
うためのガス導入路及び真空排気路を開とするととも
に、電磁弁41,44に弁操作信号を与えて、電極積層
体可撓性ケース7内に所定温度に加熱された窒素ガスを
送り込みながら、電極積層体可撓性ケース7内の圧力を
減圧した状態と該減圧状態より高くした昇圧状態とを所
定回数交互に繰り返す制御を行うためのものである。な
お、このような不純物除去装置が並列的に多数個設置さ
れており、同時に多数個の電極積層体1について不純物
除去処理ができるようになっている。
を出力する制御装置である。制御装置45は、三方切換
弁34,39に弁操作信号を与えて不純物除去処理を行
うためのガス導入路及び真空排気路を開とするととも
に、電磁弁41,44に弁操作信号を与えて、電極積層
体可撓性ケース7内に所定温度に加熱された窒素ガスを
送り込みながら、電極積層体可撓性ケース7内の圧力を
減圧した状態と該減圧状態より高くした昇圧状態とを所
定回数交互に繰り返す制御を行うためのものである。な
お、このような不純物除去装置が並列的に多数個設置さ
れており、同時に多数個の電極積層体1について不純物
除去処理ができるようになっている。
【0055】次に、このように構成される不純物除去装
置の動作について、図6,図8を参照して説明する。図
8は図6の不純物除去装置による電極積層体可撓性ケー
ス内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
置の動作について、図6,図8を参照して説明する。図
8は図6の不純物除去装置による電極積層体可撓性ケー
ス内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
【0056】電極積層体可撓性ケース7内へ本例では温
度70℃に加熱された窒素ガスを送り込む一方、真空ポ
ンプ42を起動し、真空排気路にある第2電磁弁44を
開いて電極積層体可撓性ケース7内を大気圧より少しだ
け低い状態に減圧しておく。そしてこの後、該第2電磁
弁44は開いたままで、第1電磁弁41を開閉させるこ
とにより電極積層体可撓性ケース7内の圧力を減圧した
状態と該減圧状態より高くしたほぼ大気圧状態とを所定
回数交互に繰り返すようにしている。
度70℃に加熱された窒素ガスを送り込む一方、真空ポ
ンプ42を起動し、真空排気路にある第2電磁弁44を
開いて電極積層体可撓性ケース7内を大気圧より少しだ
け低い状態に減圧しておく。そしてこの後、該第2電磁
弁44は開いたままで、第1電磁弁41を開閉させるこ
とにより電極積層体可撓性ケース7内の圧力を減圧した
状態と該減圧状態より高くしたほぼ大気圧状態とを所定
回数交互に繰り返すようにしている。
【0057】すなわち、まず電極積層体可撓性ケース7
内の圧力が本例では大気圧に近い圧力P1=80kPa
(≒600Torr)で第1電磁弁41を開く。第1電
磁弁41は予め定めた設定時間T1開かれて、ケース7
内は減圧されて本例では圧力P2=1.33kPa(≒
10Torr)に到達する。次いで、第1電磁弁41を
予め定めた設定時間T2閉じてケース7内を昇圧する。
電極積層体可撓性ケース7内は昇圧されて前記の圧力P
1=80kPaに到達する。本例では、前記設定時間T
1=10分、前記設定時間T2=10分である。このよ
うに電極積層体可撓性ケース7内に加熱された窒素ガス
を送り込みながら、第1電磁弁41を設定時間T1だけ
開いて該ケース7内の圧力を圧力P2に真空減圧し、次
いで設定時間T2だけ閉じて圧力を圧力P1に昇圧する
ことを例えば3回繰り返して不純物除去処理を終了す
る。
内の圧力が本例では大気圧に近い圧力P1=80kPa
(≒600Torr)で第1電磁弁41を開く。第1電
磁弁41は予め定めた設定時間T1開かれて、ケース7
内は減圧されて本例では圧力P2=1.33kPa(≒
10Torr)に到達する。次いで、第1電磁弁41を
予め定めた設定時間T2閉じてケース7内を昇圧する。
電極積層体可撓性ケース7内は昇圧されて前記の圧力P
1=80kPaに到達する。本例では、前記設定時間T
1=10分、前記設定時間T2=10分である。このよ
うに電極積層体可撓性ケース7内に加熱された窒素ガス
を送り込みながら、第1電磁弁41を設定時間T1だけ
開いて該ケース7内の圧力を圧力P2に真空減圧し、次
いで設定時間T2だけ閉じて圧力を圧力P1に昇圧する
ことを例えば3回繰り返して不純物除去処理を終了す
る。
【0058】以上の結果、電極積層体本体3のセパレー
タ26の耐熱性の点で高温加熱が採用できないという制
約下において、電極積層体本体3に対して脱着に要する
熱エネルギーを速やかに供給することができ、該本体3
より水,酸素,炭酸ガスなどの不純物を従来方法に比べ
て短時間で除去することができる。
タ26の耐熱性の点で高温加熱が採用できないという制
約下において、電極積層体本体3に対して脱着に要する
熱エネルギーを速やかに供給することができ、該本体3
より水,酸素,炭酸ガスなどの不純物を従来方法に比べ
て短時間で除去することができる。
【0059】ここで、不純物除去の度合いは、不純物除
去された電極積層体本体に一定条件で有機電解液を含浸
させ、電極積層体本体が浸かっている有機電解液中の水
分濃度を測定することにより、不純物除去度合いを確認
できる。すなわち、水,酸素,炭酸ガスなどの不純物の
うち、とりわけ水の除去が最も難しく、電極積層体本体
より水が十分に除去されていない場合、電極積層体本体
(とりわけ活性炭よりなる分極性電極)に吸着されてい
た水分が有機電解液にとけ出し、該有機電解液中の水分
濃度は、電極積層体本体へ含浸させる前のもとの有機電
解液に比べて高くなる。一方、電極積層体本体より水が
十分に除去されている場合、該電極積層体本体が浸かっ
ている有機電解液の水分濃度は、もとの有機電解液の水
分濃度とほぼ同じで変化しない。不純物除去の一例とし
て、従来方法では、電極積層体本体へ含浸させた有機電
解液の水分濃度がもとの有機電解液の水分濃度10pp
m程度になるまで不純物除去を行うには、48時間を要
していた。これに対して本発明では該不純物除去処理に
かかる時間が1時間ですみ、大幅に時間短縮することが
できた。
去された電極積層体本体に一定条件で有機電解液を含浸
させ、電極積層体本体が浸かっている有機電解液中の水
分濃度を測定することにより、不純物除去度合いを確認
できる。すなわち、水,酸素,炭酸ガスなどの不純物の
うち、とりわけ水の除去が最も難しく、電極積層体本体
より水が十分に除去されていない場合、電極積層体本体
(とりわけ活性炭よりなる分極性電極)に吸着されてい
た水分が有機電解液にとけ出し、該有機電解液中の水分
濃度は、電極積層体本体へ含浸させる前のもとの有機電
解液に比べて高くなる。一方、電極積層体本体より水が
十分に除去されている場合、該電極積層体本体が浸かっ
ている有機電解液の水分濃度は、もとの有機電解液の水
分濃度とほぼ同じで変化しない。不純物除去の一例とし
て、従来方法では、電極積層体本体へ含浸させた有機電
解液の水分濃度がもとの有機電解液の水分濃度10pp
m程度になるまで不純物除去を行うには、48時間を要
していた。これに対して本発明では該不純物除去処理に
かかる時間が1時間ですみ、大幅に時間短縮することが
できた。
【0060】図7は本発明による電気二重層コンデンサ
用電極積層体の電解液含浸装置の構成を示す図である。
ここで図7において、前記図6の不純物除去装置と共通
する部分には図6と同一の符号してある。
用電極積層体の電解液含浸装置の構成を示す図である。
ここで図7において、前記図6の不純物除去装置と共通
する部分には図6と同一の符号してある。
【0061】図7に示すように、電解液注液路として、
有機電解液槽46から電解液供給ポンプ47、電解液温
度調節系48、開閉弁としての管路切離し用電磁弁5
4、流量制御用のニードル弁55、第1三方切換弁3
4、コック35、電極積層体ホルダー31に保持される
とともにワンタッチ接続器36,37に接続された電極
積層体1、コック38、第2三方切換弁39、第5三方
切換弁56、及び開閉弁としての管路切離し用電磁弁5
7を経て有機電解液槽46に戻る管路が形成されてい
る。なお、有機電解液槽46では、有機電解液への水な
どの不純物の混入を防ぐため、該槽46の電解液面上は
ドライな窒素ガスの雰囲気とされている。有機電解液と
しては、プロピレンカーボネートを溶媒とし、テトラエ
チルアンモニウム・テトラフルオロボレートなどを溶質
とする電解液が用いられる。
有機電解液槽46から電解液供給ポンプ47、電解液温
度調節系48、開閉弁としての管路切離し用電磁弁5
4、流量制御用のニードル弁55、第1三方切換弁3
4、コック35、電極積層体ホルダー31に保持される
とともにワンタッチ接続器36,37に接続された電極
積層体1、コック38、第2三方切換弁39、第5三方
切換弁56、及び開閉弁としての管路切離し用電磁弁5
7を経て有機電解液槽46に戻る管路が形成されてい
る。なお、有機電解液槽46では、有機電解液への水な
どの不純物の混入を防ぐため、該槽46の電解液面上は
ドライな窒素ガスの雰囲気とされている。有機電解液と
しては、プロピレンカーボネートを溶媒とし、テトラエ
チルアンモニウム・テトラフルオロボレートなどを溶質
とする電解液が用いられる。
【0062】前記の電解液温度調節系48は、電極積層
体可撓性ケース7内に送り込む有機電解液の温度を高温
度と低温度に切り換えるためのものである。電解液温度
調節系48は、図7に示すように、電解液供給ポンプ4
7からの電解液が導かれる第3三方切換弁49の一方の
出側ポートから電解液加熱装置としての電解液加温ヒー
ター51を経て第4三方切換弁50の一方の入側ポート
に至る管路と、第3三方切換弁49の他方の出側ポート
から電解液冷却装置としてのクーラー52を経て前記第
4三方切換弁50の他方の入側ポートに至る管路と、同
じく前記他方の出側ポートから電磁弁53を経て前記他
方の入側ポートに至る管路とにより構成されている。
体可撓性ケース7内に送り込む有機電解液の温度を高温
度と低温度に切り換えるためのものである。電解液温度
調節系48は、図7に示すように、電解液供給ポンプ4
7からの電解液が導かれる第3三方切換弁49の一方の
出側ポートから電解液加熱装置としての電解液加温ヒー
ター51を経て第4三方切換弁50の一方の入側ポート
に至る管路と、第3三方切換弁49の他方の出側ポート
から電解液冷却装置としてのクーラー52を経て前記第
4三方切換弁50の他方の入側ポートに至る管路と、同
じく前記他方の出側ポートから電磁弁53を経て前記他
方の入側ポートに至る管路とにより構成されている。
【0063】そして、電解液加温ヒーター51に備えら
れた温度調節器TICにより、第4三方切換弁50の出
側における電解液温度検出値とその温度設定値との温度
差がなくなるように電解液加温ヒーター51は温度制御
されるようになっている。また、温度調節器TICはク
ーラー52による冷却時に電解液温度が設定値を下回る
と、電磁弁53を閉じて電解液を該電磁弁53のある管
路にバイパスさせることにより、電解液温度の下がりす
ぎを防ぐようにしている。
れた温度調節器TICにより、第4三方切換弁50の出
側における電解液温度検出値とその温度設定値との温度
差がなくなるように電解液加温ヒーター51は温度制御
されるようになっている。また、温度調節器TICはク
ーラー52による冷却時に電解液温度が設定値を下回る
と、電磁弁53を閉じて電解液を該電磁弁53のある管
路にバイパスさせることにより、電解液温度の下がりす
ぎを防ぐようにしている。
【0064】また、真空排気路として、電解液注液路の
前記第5三方切換弁56から気液分離槽58、第3電磁
弁(圧力切換え用開閉弁)59を経て減圧装置としての
真空ポンプ60に至るとともに、前記第3電磁弁59の
入側より分岐して流量制御用のニードル弁61と第4電
磁弁(圧力切換え用開閉弁)62とを経て真空ポンプ6
0に至る管路が形成されている。ニードル弁61は昇圧
時圧力を設定するためのものである。
前記第5三方切換弁56から気液分離槽58、第3電磁
弁(圧力切換え用開閉弁)59を経て減圧装置としての
真空ポンプ60に至るとともに、前記第3電磁弁59の
入側より分岐して流量制御用のニードル弁61と第4電
磁弁(圧力切換え用開閉弁)62とを経て真空ポンプ6
0に至る管路が形成されている。ニードル弁61は昇圧
時圧力を設定するためのものである。
【0065】制御装置63は、所定の各弁に開操作又は
閉操作をなす弁操作信号を送出することにより、電極積
層体可撓性ケース7内に有機電解液を満たし、しかる後
に有機電解液の流入を遮断し、次いで該ケース7内の圧
力を減圧した状態と該減圧状態より高くした昇圧状態と
を所定回数交互に繰り返す電解液含浸処理制御を行う制
御装置である。
閉操作をなす弁操作信号を送出することにより、電極積
層体可撓性ケース7内に有機電解液を満たし、しかる後
に有機電解液の流入を遮断し、次いで該ケース7内の圧
力を減圧した状態と該減圧状態より高くした昇圧状態と
を所定回数交互に繰り返す電解液含浸処理制御を行う制
御装置である。
【0066】また制御装置63は、電極積層体可撓性ケ
ース7内に有機電解液槽46からの有機電解液を電解液
加温ヒーター51を通して送り込み、電解液含浸処理制
御の後にはクーラー52を通して送り込む電解液温度切
換処理制御を行うものである。なお、このような電解液
含浸装置が並列的に多数個設置されており、同時に多数
個の電極積層体1について電解液含浸処理ができるよう
になっている。
ース7内に有機電解液槽46からの有機電解液を電解液
加温ヒーター51を通して送り込み、電解液含浸処理制
御の後にはクーラー52を通して送り込む電解液温度切
換処理制御を行うものである。なお、このような電解液
含浸装置が並列的に多数個設置されており、同時に多数
個の電極積層体1について電解液含浸処理ができるよう
になっている。
【0067】次に、このように構成される電解液含浸装
置の動作について、図7,図9を参照して説明する。図
9は図7の電解液含浸装置による電極積層体可撓性ケー
ス内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
置の動作について、図7,図9を参照して説明する。図
9は図7の電解液含浸装置による電極積層体可撓性ケー
ス内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
【0068】処理対象の電極積層体1は、前記の不純物
除去処理がなされた後、引き続き電極積層体ホルダー3
1にセットされた状態で以下に説明する電解液含浸処理
がなされる。まず、有機電解液槽46から電解液供給ポ
ンプ47、電解液温度調節系48の電解液加温ヒーター
51、管路切離し用電磁弁54、第1三方切換弁34、
電極積層体ホルダー31に保持されている電極積層体
1、第2三方切換弁39、第5三方切換弁56、及び管
路切離し用電磁弁57を経て有機電解液槽46に戻る電
解液注液路が開かれる。これによりヒーター51で40
℃という高い液温に温度調節された有機電解液が電極積
層体可撓性ケース7内に満たされ、該ケース7内の電極
積層体本体3は有機電解液中に完全に漬かる状態とな
る。
除去処理がなされた後、引き続き電極積層体ホルダー3
1にセットされた状態で以下に説明する電解液含浸処理
がなされる。まず、有機電解液槽46から電解液供給ポ
ンプ47、電解液温度調節系48の電解液加温ヒーター
51、管路切離し用電磁弁54、第1三方切換弁34、
電極積層体ホルダー31に保持されている電極積層体
1、第2三方切換弁39、第5三方切換弁56、及び管
路切離し用電磁弁57を経て有機電解液槽46に戻る電
解液注液路が開かれる。これによりヒーター51で40
℃という高い液温に温度調節された有機電解液が電極積
層体可撓性ケース7内に満たされ、該ケース7内の電極
積層体本体3は有機電解液中に完全に漬かる状態とな
る。
【0069】そしてこの後、電磁弁54,57を閉じて
電極積層体可撓性ケース7内への有機電解液の注入を遮
断してから第5三方切換弁56のポート切換を行うこと
により、電極積層体1は、電磁弁59,62と真空ポン
プ60を有する真空排気路に接続される。
電極積層体可撓性ケース7内への有機電解液の注入を遮
断してから第5三方切換弁56のポート切換を行うこと
により、電極積層体1は、電磁弁59,62と真空ポン
プ60を有する真空排気路に接続される。
【0070】次いで真空ポンプ60を起動し、真空排気
路にある第4電磁弁62を開いて電極積層体可撓性ケー
ス7内を大気圧より少しだけ低い状態に減圧しておく。
そしてこの後、該第4電磁弁62は開いたままで、第3
電磁弁59を開閉させることにより該ケース7内の圧力
を減圧した状態と該減圧状態より高くしたほぼ大気圧状
態とを所定回数交互に繰り返すようにしている。
路にある第4電磁弁62を開いて電極積層体可撓性ケー
ス7内を大気圧より少しだけ低い状態に減圧しておく。
そしてこの後、該第4電磁弁62は開いたままで、第3
電磁弁59を開閉させることにより該ケース7内の圧力
を減圧した状態と該減圧状態より高くしたほぼ大気圧状
態とを所定回数交互に繰り返すようにしている。
【0071】すなわち、まず電極積層体可撓性ケース7
内の圧力が本例では大気圧に近い圧力P1=80kPa
(≒600Torr)で第3電磁弁59を開く。第3電
磁弁59は予め定められた設定時間TA開かれて、電極
積層体可撓性ケース7内は真空引きされて本例では圧力
P2=1.33kPa(≒10Torr)に到達する。
次いで第3電磁弁59を予め定めた設定時間TB閉じて
電極積層体可撓性ケース7内を昇圧する。電極積層体可
撓性ケース7内は昇圧されて前記圧力P1=80kPa
に到達する。本例では前記設定時間TA=10分、前記
設定時間TB=10分であり、電極積層体可撓性ケース
7内圧力を交互に減圧・昇圧して揺動させることが3〜
6回繰り返して行われる。
内の圧力が本例では大気圧に近い圧力P1=80kPa
(≒600Torr)で第3電磁弁59を開く。第3電
磁弁59は予め定められた設定時間TA開かれて、電極
積層体可撓性ケース7内は真空引きされて本例では圧力
P2=1.33kPa(≒10Torr)に到達する。
次いで第3電磁弁59を予め定めた設定時間TB閉じて
電極積層体可撓性ケース7内を昇圧する。電極積層体可
撓性ケース7内は昇圧されて前記圧力P1=80kPa
に到達する。本例では前記設定時間TA=10分、前記
設定時間TB=10分であり、電極積層体可撓性ケース
7内圧力を交互に減圧・昇圧して揺動させることが3〜
6回繰り返して行われる。
【0072】このように電極積層体可撓性ケース7内の
圧力を真空引きした減圧状態とこれより高くした大気圧
に近い昇圧状態とを交互に数回程度繰り返すことによ
り、電極積層体可撓性ケース7内に有機電解液中に漬け
られている電極積層体本体3、とりわけ活性炭よりなる
分極性電極25における気泡脱着による電極表面の濡ら
しを促進して、分極性電極25に従来に比べて短時間で
有機電解液を充分に含浸させることができる。
圧力を真空引きした減圧状態とこれより高くした大気圧
に近い昇圧状態とを交互に数回程度繰り返すことによ
り、電極積層体可撓性ケース7内に有機電解液中に漬け
られている電極積層体本体3、とりわけ活性炭よりなる
分極性電極25における気泡脱着による電極表面の濡ら
しを促進して、分極性電極25に従来に比べて短時間で
有機電解液を充分に含浸させることができる。
【0073】ここで電極積層体本体への有機電解液の含
浸度合いは、もとの電極積層体本体の重量Wと電解液を
含浸させた電極積層体本体重量W’とを測定し、もとの
電極積層体本体の重量Wと含浸させた得た電解液の重量
(W’−W)との比((W’−W)/W)である電解液
含浸比により、含浸度合いを確認している。電解液含浸
の一例として、従来方法では電解液含浸比が1.25程
度になるまで電解液を充分含浸させるには、7時間を要
していた。これに対して本発明では該電解液含浸処理に
かかる時間が2時間ですみ、大幅に時間短縮することが
できた。
浸度合いは、もとの電極積層体本体の重量Wと電解液を
含浸させた電極積層体本体重量W’とを測定し、もとの
電極積層体本体の重量Wと含浸させた得た電解液の重量
(W’−W)との比((W’−W)/W)である電解液
含浸比により、含浸度合いを確認している。電解液含浸
の一例として、従来方法では電解液含浸比が1.25程
度になるまで電解液を充分含浸させるには、7時間を要
していた。これに対して本発明では該電解液含浸処理に
かかる時間が2時間ですみ、大幅に時間短縮することが
できた。
【0074】さて図7において、前記の含浸処理終了
後、前記真空排気路を切り離し、電解液温度調節系48
において電解液加温ヒーター51に換えてクーラー52
を通る分岐路に切り換え、有機電解液槽46からの有機
電解液を該クーラー52通して電極積層体可撓性ケース
7内に送り込む。これによりクーラー52によって本例
では20℃という前記電解液含浸処理時での40℃に比
べて低い液温に温度調節された有機電解液がケース7内
に送り込まれる。
後、前記真空排気路を切り離し、電解液温度調節系48
において電解液加温ヒーター51に換えてクーラー52
を通る分岐路に切り換え、有機電解液槽46からの有機
電解液を該クーラー52通して電極積層体可撓性ケース
7内に送り込む。これによりクーラー52によって本例
では20℃という前記電解液含浸処理時での40℃に比
べて低い液温に温度調節された有機電解液がケース7内
に送り込まれる。
【0075】その結果、電極積層体本体3に前記電解液
含浸処理制御によって含浸された量の電解液についてそ
の温度を20℃という低温にすることができる。これに
より最終的に電極積層体本体3には液温が一定で20℃
と低くて比重の高い状態の有機電解液を含浸させること
ができ、高い液温による電解液含浸処理制御のときに比
べて電極積層体本体3の電解液含浸重量を増加させるこ
とができるので、コンデンサ性能の向上と品質安定化を
図ることができる。
含浸処理制御によって含浸された量の電解液についてそ
の温度を20℃という低温にすることができる。これに
より最終的に電極積層体本体3には液温が一定で20℃
と低くて比重の高い状態の有機電解液を含浸させること
ができ、高い液温による電解液含浸処理制御のときに比
べて電極積層体本体3の電解液含浸重量を増加させるこ
とができるので、コンデンサ性能の向上と品質安定化を
図ることができる。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
る電気二重層コンデンサ用電極積層体によると、閉塞可
能な入口部・出口部付きの電極積層体可撓性ケースに電
極積層体本体を収納して該電極積層体本体にケース外部
から電解液含浸可能な構造としたものであるから、外装
ケースに前記電気二重層コンデンサ用電極積層体を収納
するにあたり、従来のものとは違って、電解液の液切り
工程が不要となるとともに、外装ケースを高い気密性に
て封止する工程自体が不要となり外装ケース開口部を単
に蓋板などで閉塞すればよいので、コンデンサ製造工程
が簡単ですみ、よって有機電解液系の大容量電気二重層
コンデンサの生産性の向上を図ることができる。
る電気二重層コンデンサ用電極積層体によると、閉塞可
能な入口部・出口部付きの電極積層体可撓性ケースに電
極積層体本体を収納して該電極積層体本体にケース外部
から電解液含浸可能な構造としたものであるから、外装
ケースに前記電気二重層コンデンサ用電極積層体を収納
するにあたり、従来のものとは違って、電解液の液切り
工程が不要となるとともに、外装ケースを高い気密性に
て封止する工程自体が不要となり外装ケース開口部を単
に蓋板などで閉塞すればよいので、コンデンサ製造工程
が簡単ですみ、よって有機電解液系の大容量電気二重層
コンデンサの生産性の向上を図ることができる。
【0077】請求項2の発明による電気二重層コンデン
サ用電極積層体の不純物除去装置によると、前記電極積
層体可撓性ケース内に加熱された窒素ガス又は不活性ガ
スを送り込みながら、該ケース内の圧力を減圧した状態
とこれより昇圧して大気圧程度にした状態とを交互に数
回程度繰り返すようにしたものであるから、水,酸素,
炭酸ガスなどの不純物の脱着に要する熱エネルギーを速
やかに供給することができ、前記電気二重層コンデンサ
用電極積層体の電極積層体本体より前記不純物を従来に
比べて大幅に短い時間で除去することができる。よっ
て、有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性の向上を図ることができる。
サ用電極積層体の不純物除去装置によると、前記電極積
層体可撓性ケース内に加熱された窒素ガス又は不活性ガ
スを送り込みながら、該ケース内の圧力を減圧した状態
とこれより昇圧して大気圧程度にした状態とを交互に数
回程度繰り返すようにしたものであるから、水,酸素,
炭酸ガスなどの不純物の脱着に要する熱エネルギーを速
やかに供給することができ、前記電気二重層コンデンサ
用電極積層体の電極積層体本体より前記不純物を従来に
比べて大幅に短い時間で除去することができる。よっ
て、有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性の向上を図ることができる。
【0078】請求項3の発明による電気二重層コンデン
サ用電極積層体の電解液含浸装置によると、前記電極積
層体本体が収納されている前記電極積層体可撓性ケース
内に有機電解液を満たし、該ケース内の圧力を真空引き
した減圧状態とこの減圧状態より昇圧して大気圧程度に
した状態とを交互に数回程度繰り返すようにしたもので
あるから、電極積層体可撓性ケース内に有機電解液中に
漬けられている電極積層体本体、とりわけ活性炭よりな
る分極性電極における気泡脱着による電極表面の濡らし
を促進して、分極性電極に従来に比べて大幅に短い時間
で有機電解液を充分に含浸させることができる。よっ
て、有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性の向上を図ることができる。
サ用電極積層体の電解液含浸装置によると、前記電極積
層体本体が収納されている前記電極積層体可撓性ケース
内に有機電解液を満たし、該ケース内の圧力を真空引き
した減圧状態とこの減圧状態より昇圧して大気圧程度に
した状態とを交互に数回程度繰り返すようにしたもので
あるから、電極積層体可撓性ケース内に有機電解液中に
漬けられている電極積層体本体、とりわけ活性炭よりな
る分極性電極における気泡脱着による電極表面の濡らし
を促進して、分極性電極に従来に比べて大幅に短い時間
で有機電解液を充分に含浸させることができる。よっ
て、有機電解液系の大容量電気二重層コンデンサの生産
性の向上を図ることができる。
【0079】請求項4の発明による電気二重層コンデン
サ用電極積層体の電解液含浸装置によると、前述の生産
性向上効果に加え、コンデンサ性能の向上と品質安定化
を図ることができる。
サ用電極積層体の電解液含浸装置によると、前述の生産
性向上効果に加え、コンデンサ性能の向上と品質安定化
を図ることができる。
【図1】本発明に係る電気二重層コンデンサ用電極積層
体における積層体の説明図である。
体における積層体の説明図である。
【図2】本発明に係る電気二重層コンデンサ用電極積層
体における電極積層体本体の説明図である。
体における電極積層体本体の説明図である。
【図3】本発明に係る電気二重層コンデンサ用電極積層
体の説明図である。
体の説明図である。
【図4】図3における電極積層体可撓性ケースに熱融着
されたポリエチレン製チューブよりなるケース入口部を
示す断面図である。
されたポリエチレン製チューブよりなるケース入口部を
示す断面図である。
【図5】本発明に係る電気二重層コンデンサ用電極積層
体のケース出口部に熱融着された封止キャップを示す図
である。
体のケース出口部に熱融着された封止キャップを示す図
である。
【図6】本発明に係る電気二重層コンデンサ用電極積層
体の不純物除去装置の構成を示す図である。
体の不純物除去装置の構成を示す図である。
【図7】本発明による電気二重層コンデンサ用電極積層
体の電解液含浸装置の構成を示す図である。
体の電解液含浸装置の構成を示す図である。
【図8】図6の不純物除去装置による電極積層体可撓性
ケース内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
ケース内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
【図9】図7の電解液含浸装置による電極積層体可撓性
ケース内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
ケース内の時間的な圧力変化を示す説明図である。
【図10】本発明による電解液含浸装置における気泡離
脱原理を説明するための図である。
脱原理を説明するための図である。
【図11】従来の角形電気二重層コンデンサの製造工程
を説明するための図である。
を説明するための図である。
【図12】従来の角形電気二重層コンデンサの製造工程
を説明するための図である。
を説明するための図である。
【図13】従来の角形電気二重層コンデンサの製造工程
を説明するための図である。
を説明するための図である。
【図14】従来の不純物除去処理及び電解液含浸処理の
実施に用いられる装置の構成を示す図である。
実施に用いられる装置の構成を示す図である。
1…電気二重層コンデンサ用電極積層体 2…積層体
21…正極 22…負極 23…正極用集電極 24…
負極用集電極 25…分極性電極 26…セパレータ
27…押え板 3…電極積層体本体 3a…正極リード
プレート 3b…負極リードプレート 4…ラミネート
フィルム製袋とじ体、5…ケース入口部 6…ケース出口部 6a…封止キャップ 7…電極積層
体可撓性ケース 7a…ヒートシール部分 31…電極
積層体ホルダー 32…流量調節器 33…ガス加温ヒ
ーター 34…第1三方切換弁 35…コック 36,
37…ワンタッチ接続器 38…コック 39…第2三
方切換弁 40…気液分離槽 41…第1電磁弁 42
…真空ポンプ 43…ニードル弁 44…第2電磁弁
45…制御装置 46…有機電解液槽 47…電解液供
給ポンプ 48…電解液温度調節系 49…第3三方切
換弁 50…第4三方切換弁 51…電解液加温ヒータ
ー 52…クーラー 53…電磁弁 54…管路切離し用電
磁弁 55…ニードル弁 56…第5三方切換弁 57
…管路切離し用電磁弁 58…気液分離槽 59…第3
電磁弁 60…真空ポンプ 61…ニードル弁 62…
第4電磁弁 63…制御装置 AC…分極性電極 B0
〜B4 …気泡 L…有機系電解液 OS 0 ,OS1 …疎
液性界面 IS0 ,IS1 …親液性界面
21…正極 22…負極 23…正極用集電極 24…
負極用集電極 25…分極性電極 26…セパレータ
27…押え板 3…電極積層体本体 3a…正極リード
プレート 3b…負極リードプレート 4…ラミネート
フィルム製袋とじ体、5…ケース入口部 6…ケース出口部 6a…封止キャップ 7…電極積層
体可撓性ケース 7a…ヒートシール部分 31…電極
積層体ホルダー 32…流量調節器 33…ガス加温ヒ
ーター 34…第1三方切換弁 35…コック 36,
37…ワンタッチ接続器 38…コック 39…第2三
方切換弁 40…気液分離槽 41…第1電磁弁 42
…真空ポンプ 43…ニードル弁 44…第2電磁弁
45…制御装置 46…有機電解液槽 47…電解液供
給ポンプ 48…電解液温度調節系 49…第3三方切
換弁 50…第4三方切換弁 51…電解液加温ヒータ
ー 52…クーラー 53…電磁弁 54…管路切離し用電
磁弁 55…ニードル弁 56…第5三方切換弁 57
…管路切離し用電磁弁 58…気液分離槽 59…第3
電磁弁 60…真空ポンプ 61…ニードル弁 62…
第4電磁弁 63…制御装置 AC…分極性電極 B0
〜B4 …気泡 L…有機系電解液 OS 0 ,OS1 …疎
液性界面 IS0 ,IS1 …親液性界面
Claims (4)
- 【請求項1】 活性炭を電極材料とした分極性電極を有
する複数の正極と活性炭を電極材料とした分極性電極を
有する複数の負極とをそれら正極・負極の間にセパレー
タを介在させて交互に積層した電極積層体本体を有し、
前記電極積層体本体の正極用及び負極用の各リード体が
ケース外に引き出された状態で該電極積層体本体を収納
した電極積層体可撓性ケースに、ケース入口部及びケー
ス出口部がそれぞれ取りつけられてなることを特徴とす
る電気二重層コンデンサ用電極積層体。 - 【請求項2】 請求項1記載の電気二重層コンデンサ用
電極積層体の電極積層体本体より水,酸素,炭酸ガスな
どの不純物を除去する不純物除去装置であって、窒素ガ
ス又は不活性ガスを所定温度に加熱するガス加熱装置
と、処理対象の電気二重層コンデンサ用電極積層体の電
極積層体可撓性ケース内にケース入口部より前記ガス加
熱装置からの加熱された窒素ガス又は不活性ガスを送り
込むためのガス導入路と、少なくとも圧力切換え用開閉
弁を介してケース出口部に接続され、前記電極積層体可
撓性ケース内を減圧するための減圧装置と、弁操作信号
を送出することにより、前記電極積層体可撓性ケース内
に所定温度に加熱された窒素ガス又は不活性ガスを送り
込みながら、前記電極積層体可撓性ケース内の圧力を減
圧した状態と該減圧状態より高くした昇圧状態とを所定
回数交互に繰り返す制御を行う制御装置とを備えている
ことを特徴とする電気二重層コンデンサ用電極積層体の
不純物除去装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の電気二重層コンデンサ用
電極積層体の電極積層体本体に有機電解液を含浸させる
電解液含浸装置であって、有機電解液槽から少なくとも
電解液供給ポンプ、電解液温度調節系、開閉弁、処理対
象の電気二重層コンデンサ用電極積層体の電極積層体可
撓性ケース内部を経て前記有機電解液槽に戻る電解液注
液路と、前記電解液注液路に少なくとも圧力切換え用開
閉弁を介して接続され、前記電極積層体可撓性ケース内
を減圧するための減圧装置と、弁操作信号を送出するこ
とにより、前記電解液注液路に有機電解液を流して前記
電極積層体可撓性ケース内に有機電解液を満たし、しか
る後、前記電極積層体可撓性ケース内への有機電解液の
流入を遮断した状態で、前記電極積層体可撓性ケース内
の圧力を減圧した状態と該減圧状態より高くした昇圧状
態とを所定回数交互に繰り返す電解液含浸処理制御を行
う制御装置とを備えていることを特徴とする電気二重層
コンデンサ用電極積層体の電解液含浸装置。 - 【請求項4】 前記制御装置は、前記電解液含浸処理制
御に際し、前記電解液温度調節系の電解液加熱装置を選
択し、前記有機電解液槽からの有機電解液を該電解液加
熱装置を通して前記電解液注液路に流し、前記電解液含
浸処理制御の後には前記電解液温度調節系の電解液冷却
装置を選択し、前記有機電解液槽からの有機電解液を該
電解液冷却装置を通して前記電解液注液路に流す電解液
温度切換処理制御を行うものであることを特徴とする請
求項3記載の電気二重層コンデンサ用電極積層体の電解
液含浸装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28800699A JP2001110692A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | 電気二重層コンデンサ用電極積層体、並びに該電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装置及び電解液含浸装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28800699A JP2001110692A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | 電気二重層コンデンサ用電極積層体、並びに該電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装置及び電解液含浸装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001110692A true JP2001110692A (ja) | 2001-04-20 |
Family
ID=17724595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28800699A Withdrawn JP2001110692A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | 電気二重層コンデンサ用電極積層体、並びに該電気二重層コンデンサ用電極積層体の不純物除去装置及び電解液含浸装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001110692A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2017862A1 (en) | 2007-07-20 | 2009-01-21 | Nisshinbo Industries, Inc. | Electric double layer capacitor |
JP5574003B1 (ja) * | 2013-03-29 | 2014-08-20 | 株式会社豊田自動織機 | 蓄電装置 |
-
1999
- 1999-10-08 JP JP28800699A patent/JP2001110692A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2017862A1 (en) | 2007-07-20 | 2009-01-21 | Nisshinbo Industries, Inc. | Electric double layer capacitor |
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WO2014156474A1 (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-02 | 株式会社 豊田自動織機 | 蓄電装置 |
CN105122530A (zh) * | 2013-03-29 | 2015-12-02 | 株式会社丰田自动织机 | 蓄电装置 |
CN105122530B (zh) * | 2013-03-29 | 2017-05-17 | 株式会社丰田自动织机 | 蓄电装置 |
US9755219B2 (en) | 2013-03-29 | 2017-09-05 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Electrical storage apparatus |
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