JP2001108677A - Dnaチップの製造方法 - Google Patents

Dnaチップの製造方法

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JP2001108677A
JP2001108677A JP29100699A JP29100699A JP2001108677A JP 2001108677 A JP2001108677 A JP 2001108677A JP 29100699 A JP29100699 A JP 29100699A JP 29100699 A JP29100699 A JP 29100699A JP 2001108677 A JP2001108677 A JP 2001108677A
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JP29100699A
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Naoki Morita
直樹 森田
Yoshiaki Osugi
義彰 大杉
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNAチップの製造時間を短縮し、製造コス
トを低減する。 【解決手段】 鋳型オリゴヌクレオチド2を固定化した
キャピラリーチューブ4(A)を多数準備し、それらの
一端側を二次元的に配列して束ね、キャピラリーチュー
ブ4内に、ビオチン標識プライマーを含むPCR反応液6
を充填し(B)、ビオチン7で標識された相補的オリゴ
ヌクレオチド8を合成し(C)、PCR反応液6を除去し
(D)、鋳型オリゴヌクレオチド2と相補的オリゴヌク
レオチド8を解離させ(E)、アビジン14が固定化さ
れたガラス基板表面10にキャピラリーチューブ4の一
端面を接触させて解離液12とともに相補的オリゴヌク
レオチド8をガラス基板表面30に移動させ、ビオチン
7とアビジン14の選択的な結合によって相補的オリゴ
ヌクレオチド8をガラス基板表面30に固定化する。
(F)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のオリゴヌク
レオチドが固相表面に整列して固定化されたDNAチッ
プの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遺伝子の発現の様子をモニタする方法と
して、DNAチップを用いる方法がある。DNAチップ
は、種々遺伝子に対応した多数のオリゴヌクレオチド
(DNAプローブともいう)が固相表面に整列して固定
化されてオリゴヌクレオチドマトリックスが形成された
素子である。通常、1枚のDNAチップ上には、数千か
ら数万のオリゴヌクレオチドが固定化されている。DN
Aチップを用いる方法では、PCR反応(Polymerase Chai
n Reaction)を用いて、試料としてのmRNA(メッセ
ンジャーRNA)のcDNA(相補的なDNA)を合成
し、断片化した後に各断片に蛍光標識をつけて標識断片
とする。これらの標識断片をDNAチップに接触させ、
DNAチップに固定化されたオリゴヌクレオチドにハイ
ブリダイゼーションさせる。標識断片は配列が相補的な
オリゴヌクレオチドに保持され、過剰量の標識断片は洗
浄操作で除去される。その後、蛍光顕微鏡を用いて保持
された標識断片の量及び位置を検出し、対応するオリゴ
ヌクレオチドの種類を調べる。この方法は配列既知の遺
伝子の発現をモニタするのに適している。
【0003】DNAチップの製造方法は、大別して次の
3種類がある。第1の方法では、光化学的に除去できる
保護基で修飾した複数のリンカーを、アミノ基を介し
て、固相表面に結合させて配列しておく。半導体製造技
術で使用されているフォトリソグラフィー技術を応用し
て、所望のリンカー固定位置のみを照射できるマスクを
介して光照射し、保護基を除去する。次に、光化学的に
除去できる保護基をもつ単量体を導入して最初のカップ
リング反応を行なう。これによって、その部分だけオリ
ゴヌクレオチドが伸長される。フォトリソグラフィー及
び単量体の導入を繰り返すことにより、所望のオリゴヌ
クレオチドマトリックスを形成する。
【0004】第2の方法では、固定化するオリゴヌクレ
オチドを予め準備し、そのオリゴヌクレオチドをガラス
やポリマー膜などの固相表面に微量滴下し、その位置に
共有結合によって固定化する。例えば、固相表面にイソ
チオシアネート基を導入しておき、オリゴヌクレオチド
の末端をアミノ基にしておけば、イソチオシアネート基
固定位置にオリゴヌクレオチドを共有結合によって容易
に固定化することができる。第3の方法では、固定化す
るオリゴヌクレオチドを予め準備し、そのオリゴヌクレ
オチドをガラスやポリマー膜などの固相表面に微量滴下
し、その滴下位置に吸着作用によって固定化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の第1の
方法では、オリゴヌクレオチドを伸長するごとに、フォ
トリソグラフィー及び単量体の導入を繰り返さなければ
ならず、DNAチップを作製するのに長時間を要し、製
造コストが高くなるという問題があった。上記の第2の
方法及び第3の方法では、いずれの方法においても、PC
R反応などにより増幅した複数種のオリゴヌクレオチド
を専用のスポッティング装置に取り込み、固相表面に順
次配列して滴下するので、DNAチップを作製するのに
長時間を要し、これらの方法でも製造コストが高くなる
という問題があった。また、上記のDNAチップの製造
方法では、いずれの方法においても、同じオリゴヌクレ
オチドマトリックスをもつDNAチップを大量に製造す
る場合、各DNAチップごとに同じ操作を繰り返して1
枚ずつ製造する必要があり、その製造コストが下がらな
いという問題があった。
【0006】本発明の第1の目的は、DNAチップの製
造時間を短縮することにより、製造コストを低減するこ
とである。本発明の第2の目的は、同じオリゴヌクレオ
チドマトリックスをもつ複数枚のDNAチップを製造す
る場合において、製造時間を短縮し、かつ製造コストを
低減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
以下の工程を含むDNAチップの製造方法である。 (A)内壁に鋳型オリゴヌクレオチドを固定化した1又
は複数のキャピラリー部材の内部で、ビオチンで標識さ
れたプライマーを少なくとも含む反応液を用いて複製反
応を行ない、上記鋳型オリゴヌクレオチドに相補的であ
り、かつビオチンで標識された相補的オリゴヌクレオチ
ドを合成する工程、(B)上記キャピラリー部材の一端
側に、アビジン又はストレプトアビジンが修飾された他
の固相表面を配置し、上記相補的オリゴヌクレオチドを
上記他の固相表面に移動させて、上記ビオチンと上記ア
ビジン又は上記ストレプトアビジンの選択的な結合によ
って、上記他の固相表面に固定化する工程。
【0008】内壁に鋳型オリゴヌクレオチドが固定化さ
れた1又は複数本のキャピラリー部材を準備し、その鋳
型オリゴヌクレオチドを鋳型として複製反応を行なう。
ここで複製反応とは、鋳型オリゴヌクレオチドに相補的
なオリゴヌクレオチドを合成することをいい、例えばPC
R反応が挙げられる。複製反応では、ビオチンで標識さ
れたプライマー(以下、ビオチン標識プライマーとい
う)を少なくとも含む反応液を用いる。ビオチン標識プ
ライマーとしては、複製反応で合成される相補的なオリ
ゴヌクレオチドの一部分を構成する塩基配列をもつもの
を用いる。複製反応によって、鋳型オリゴヌクレオチド
に相補的であり、かつビオチンで標識された相補的オリ
ゴヌクレオチドを合成した後、その相補的オリゴヌクレ
オチドを、アビジン又はストレプトアビジンが修飾され
た他の固相表面に移動させる。相補的オリゴヌクレオチ
ドは、ビオチンとアビジン又はストレプトアビジンの選
択的な結合によって、他の固相表面に強固に固定化され
る。複数のキャピラリー部材を用いた場合、相補的なオ
リゴヌクレオチドを他の固相表面に整列して固定化すれ
ば、所望のオリゴヌクレオチドマトリックスをもつDN
Aチップを作製することができる。
【0009】本発明の第2の態様は、以下の工程を含む
DNAチップの製造方法である。 (A)予め作製されたDNAチップに固定化された複数
の鋳型オリゴヌクレオチドを鋳型として、ビオチン標識
プライマーを少なくとも含む反応液を用いて複製反応を
行ない、上記鋳型オリゴヌクレオチドに相補的であり、
かつビオチンで標識された相補的オリゴヌクレオチドを
合成する工程、(B)上記相補的オリゴヌクレオチド
を、アビジン又はストレプトアビジンが修飾された他の
固相表面に移動させて、上記DNAチップにおける上記
鋳型オリゴヌクレオチドの固定位置に対応して、上記ビ
オチンと上記アビジン又は上記ストレプトアビジンの選
択的な結合によって、上記他の固相表面に固定化する工
程。
【0010】予め作製されたDNAチップ(以下、マス
ターDNAチップという)を準備する。マスターDNA
チップに固定化された鋳型オリゴヌクレオチドを鋳型と
して複製反応を行なう。複製反応では、ビオチン標識プ
ライマーを少なくとも含む反応液を用いる。ビオチン標
識プライマーとしては、複製反応で合成される相補的な
オリゴヌクレオチドの一部分を構成する塩基配列をもつ
ものを用いる。複製反応によって、鋳型オリゴヌクレオ
チドに相補的であり、かつビオチンで標識された相補的
オリゴヌクレオチドを合成した後、それらの相補的オリ
ゴヌクレオチドを、アビジン又はストレプトアビジンが
修飾された他の固相表面に移動させる。相補的オリゴヌ
クレオチドは、マスターDNAチップのオリゴヌクレオ
チドマトリックスの位置に対応して、ビオチンとアビジ
ン又はストレプトアビジンの選択的な結合によって、他
の固相表面に強固に固定化される。このようにして、マ
スターDNAチップのオリゴヌクレオチドマトリックス
に相補的なオリゴヌクレオチドマトリックスをもつDN
Aチップ(以下、レプリカDNAチップという)を得る
ことができる。マスターDNAチップとして、所望のオ
リゴヌクレオチドマトリックスに相補的なオリゴヌクレ
オチドマトリックスをもつDNAチップを用いれば、所
望のオリゴヌクレオチドマトリックスをもつレプリカD
NAチップを短時間、かつ低コストで大量に製造するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】第1の態様において、工程(A)
は、複数のキャピラリー部材を用い、工程(B)は、他
の固相表面への相補的オリゴヌクレオチドの移動及び固
定化を2以上のキャピラリー部材で同時に行なう操作を
含むことが好ましい。その結果、製造時間を短縮するこ
とができる。複数の相補的オリゴヌクレオチドを、一度
に又は複数回に分けて、他の固相表面に整列して固定化
すれば、DNAチップを作製することができる。ただ
し、工程(A)の複製反応は、複数のキャピラリー部材
についてそれぞれ行なってもよいし、同時に行なっても
よい。
【0012】工程(A)は、複数のキャピラリー部材の
一端側を二次元的に配列して用い、すべてのキャピラリ
ー部材で同時に複製反応を行ない、工程(B)は、他の
固相表面への相補的オリゴヌクレオチドの移動及び固定
化をすべてのキャピラリー部材で同時に行なう操作を含
むことが好ましい。その結果、製造時間をさらに短縮す
ることができる。
【0013】ビオチンで標識したプライマーは、相補的
オリゴヌクレオチドの合成のみに用いられる塩基配列を
もつものであって、工程(A)は、複数の相補的オリゴ
ヌクレオチドを合成し、工程(B)は、工程(A)で合
成した相補的オリゴヌクレオチドのうちの一部のみを他
の固相表面に移動及び固定化する操作であり、工程
(B)の後に、他の固相表面とは異なる、アビジン又は
ストレプトアビジンが修飾された1又は複数の固相表面
に残りの相補的オリゴヌクレオチドを移動させ、固定化
する工程(C)を含むことが好ましい。その結果、同じ
オリゴヌクレオチドマトリックスをもつDNAチップを
大量に、かつ容易に製造することができる。
【0014】第2の態様において、工程(B)で相補的
オリゴヌクレオチドを他の固相表面に移動させる前に、
未反応のビオチンで標識されたプライマーを除去する操
作を含むことが好ましい。その結果、相補的オリゴヌク
レオチドのみを他の固相表面に固定化することができ
る。
【0015】
【実施例】(実施例1)図1は、第1の態様の一実施例
を示すフロー図である。ただし、この実施例は本明細書
の特許請求の範囲を限定するものではない。 (A)DNAチップに固定化するオリゴヌクレオチドに
相補的な配列をもつ鋳型オリゴヌクレオチド2を中空の
キャピラリーチューブ(キャピラリー部材)4の内部に
導入し、キャピラリーチューブ4の内壁表面に固定化す
る。鋳型オリゴヌクレオチド2の固定化は、鋳型オリゴ
ヌクレオチド2の末端にアミノ基を導入し、キャピラリ
ーチューブ4の内壁表面にイソチオシアネート基を導入
して、共有結合によって行なった。ただし、固定化の方
法は、オリゴヌクレオチドにアミノ基以外の官能基を導
入し、その官能基に共有結合性を有する物質でキャピラ
リーチューブ4の内壁に表面処理を施して共有結合させ
る方法や、オリゴヌクレオチドの荷電を利用して、ポリ
陽イオンでキャピラリーチューブ4の内壁に表面処理を
施して静電結合させる方法など、他の方法を用いてもよ
い。
【0016】(B)それぞれ異なる鋳型オリゴヌクレオ
チド2を内壁に固定化したキャピラリーチューブ4を多
数準備し、それらの一端側を二次元的に配列して束ね
る。ただし、図1では1本のキャピラリーチューブ4の
みを示す。鋳型オリゴヌクレオチド2を鋳型としてPCR
反応を行なう。PCR反応を行なう装置としては、例えばT
he RapidCycler(IDAHO TECHNOLOGY INC.(米国)の製
品)を用いることができる。PCRバッファー、ビオチン
標識プライマー、プライマー、dNTP(デオキシヌク
レオチド・トリフォスフェート)、DNAポリメラーゼ
など、PCR反応に必要な溶液を混合してPCR反応液6を調
製し、キャピラリーチューブ4内にPCR反応液6を充填
する。ビオチン標識プライマーは、PCR反応によって合
成されるオリゴヌクレオチドの一部分を構成する塩基配
列をもつものである。ビオチン標識プライマーは、PCR
反応中にすべて消費されるように、キャピラリーチュー
ブ4内に供する量を調節しておくことが好ましい。
【0017】(C)加熱及び冷却処理を施してPCR反応
を行なわせる。キャピラリーチューブ4内では、鋳型オ
リゴヌクレオチド2に相補的であり、かつビオチン(星
印)7で標識されたオリゴヌクレオチド(相補的オリゴ
ヌクレオチド)8が鋳型オリゴヌクレオチド2にハイブ
リダイゼーションした状態で合成される。 (D)相補的オリゴヌクレオチド8が形成された後、キ
ャピラリーチューブ4内の洗浄を行なってPCR反応液6
を除去する。このとき、相補的オリゴヌクレオチド8
は、キャピラリーチューブ4の内壁に固定化された鋳型
オリゴヌクレオチド2とともにキャピラリーチューブ2
内に残留する。 (E)キャピラリーチューブ4内に、尿素やホルムアミ
ドなどの変性剤を含む解離液(図示は省略)を導入し、
ハイブリダイゼーションした鋳型オリゴヌクレオチド2
と相補的オリゴヌクレオチド8を解離させる。鋳型オリ
ゴヌクレオチド2と相補的オリゴヌクレオチド8を解離
させる手段は熱変性でもよい。
【0018】(F)キャピラリーチューブ4の一端面に
対向してガラス基板表面10(他の固相表面)を配置す
る。ガラス基板表面10には多数のアビジン14が修飾
されている。アビジン14の固定化方法は、例えばDI
TC(p-phenylene diisothiocyanate)をガラス基板表
面10に修飾してアビジン14を共有結合によって固定
化する方法など、どのような方法を用いてもよい。キャ
ピラリーチューブ4の一端面をガラス基板表面10に接
触させる。キャピラリーチューブ4内の解離液12(工
程(E)で鋳型オリゴヌクレオチド2と相補的オリゴヌ
クレオチド8が解離して得られた溶液)の一部は、キャ
ピラリーチューブ4外に流出し、ガラス基板表面10に
付着する。相補的オリゴヌクレオチド8は、キャピラリ
ーチューブ4外に流出した解離液12とともにガラス基
板表面10に移動され、ビオチン7とアビジン14の選
択的な結合によってガラス基板表面10に固定化され
る。図示は省略されているが、一端側が二次元に配列さ
れた多数のキャピラリーチューブ内でそれぞれ合成され
た相補的オリゴヌクレオチドを同時にガラス基板表面1
0に移動させて、ビオチンとアビジンの選択的な結合に
よって固定化することにより、DNAチップを作製す
る。
【0019】工程(F)の後、鋳型オリゴヌクレオチド
2を除去しないようにキャピラリーチューブ2内を洗浄
し、再度PCR反応6を充填して相補的オリゴヌクレオチ
ド8を合成し、その相補的オリゴヌクレオチド8をアビ
ジンが修飾された他のガラス基板表面に順次固定化する
ようにすれば、同じオリゴヌクレオチドマトリックスを
もつDNAチップを大量に、かつ容易に製造することが
できる。
【0020】ビオチン標識プライマーとして、相補的オ
リゴヌクレオチドのみにビオチンが標識されるような塩
基配列をもつものを用い、PCR反応によって多数の相補
的オリゴヌクレオチド8を合成し、アビジンが修飾され
た複数のガラス基板表面にキャピラリーチューブ2の一
端側を順次接触させて、相補的オリゴヌクレオチド8を
含むPCR反応液を複数のガラス基板表面に順次付着さ
せるようにすれば、同じオリゴヌクレオチドマトリック
スをもつDNAチップを大量に、かつ容易に製造するこ
とができる。PCR反応によって鋳型オリゴヌクレオチド
と同じ塩基配列をもつ複製オリゴヌクレオチドも合成さ
れ、その複製オリゴヌクレオチドもPCR反応液とともに
ガラス基板表面に移動されるが、複製オリゴヌクレオチ
ドにはビオチンが標識されていないので、ガラス基板表
面を洗浄することにより除去することができる。
【0021】相補的オリゴヌクレオチド8をガラス基板
表面10に移動させる際に、キャピラリーチューブ4の
他端側(ガラス基板表面10に対向する側とは反対側)
を陰極とし、ガラス基板表面10を陽極として、キャピ
ラリーチューブ4の他端側、ガラス基板表面10間に電
圧を印加することによって電気的に移動させてもよい。
また、キャピラリーチューブ4の他端側から加圧して解
離液12を押し出してもよい。
【0022】(実施例2)図2は、第2の態様の一実施
例を示すフロー図である。ただし、この実施例は本明細
書の特許請求の範囲を限定するものではない。 (A)所望のオリゴヌクレオチドマトリックスに相補的
なオリゴヌクレオチドマトリックスをもつマスターDN
Aチップを準備する。そのマスターDNAチップのガラ
ス基板表面22に鋳型オリゴヌクレオチド24a,24
bが固定化されている。ガラス基板表面22には鋳型オ
リゴヌクレオチド24a,24bの他にも多数のオリゴ
ヌクレオチドが固定化されているが、図示は省略する。
【0023】(B)マスターDNAチップを鋳型とし
て、in situ PCR反応を行なう。In situ PCR反応を行な
う装置としては、例えばTaKaRa PCR Thermal Cycler MP
(宝酒造株式会社製)を用いることができる。PCRバッ
ファー、ビオチン標識プライマー、プライマー、dNT
P、DNAポリメラーゼなど、in situ PCR反応に必要
な溶液を混合してPCR反応液26を調製する。ビオチン
標識プライマーは、PCR反応によって合成される相補的
オリゴヌクレオチドの一部分を構成する塩基配列をもつ
ものである。ビオチン標識プライマーは、PCR反応中に
すべて消費されるように、キャピラリーチューブ4内に
供する量を調節しておくことが好ましい。PCR反応液2
6をガラス基板表面22にPCR反応液26を接触させ
る。その後、PCR反応液26の蒸発を防止するために、
ガラス基板表面22をシーリング部材(図示は省略)に
よって密閉する。
【0024】(C)加熱及び冷却処理を施して、in sit
u PCR反応を行なわせる。ガラス基板表面22では、鋳
型オリゴヌクレオチド24a,24bに相補的であり、
かつビオチン(星印)27で標識されたな相補的オリゴ
ヌクレオチド28a,28bが鋳型オリゴヌクレオチド
24a,24bにハイブリダイゼーションした状態で合
成される。 (D)ガラス基板表面22に固定化された全ての鋳型オ
リゴヌクレオチドについて、相補的オリゴヌクレオチド
が形成された後、ガラス基板表面22の洗浄を行なって
PCR反応液26を除去する。このとき、相補的オリゴヌ
クレオチド28a,28bは、鋳型オリゴヌクレオチド
2とともにガラス基板表面22に残留する。
【0025】(E)ガラス基板表面22に対向してガラ
ス基板表面30(他の固相表面)を配置する。ガラス基
板表面30には多数のアビジン34が修飾されている。
ガラス基板表面22側を陰極とし、ガラス基板表面30
を陽極として、ガラス基板表面22、ガラス基板表面3
0間に電圧を印加する電源装置32を配置する。尿素や
ホルムアミドなどの変性剤を含む解離液(図示は省略)
をガラス基板表面22、ガラス基板表面30間に導入し
て、ハイブリダイゼーションした鋳型オリゴヌクレオチ
ド24aと相補的オリゴヌクレオチド28a、鋳型オリ
ゴヌクレオチド24bと相補的オリゴヌクレオチド28
bを解離させると同時に、電源装置32をオンにしてガ
ラス基板表面22、ガラス基板表面30間に電圧を印加
し、相補的オリゴヌクレオチド28a,28bをガラス
基板表面30に移動させる。ここで、鋳型オリゴヌクレ
オチドと相補的オリゴヌクレオチドを解離させる手段は
熱変性でもよい。
【0026】(F)ガラス基板表面30に接触した相補
的オリゴヌクレオチド28a,28bは、ビオチン27
とアビジン34の選択的な結合によって、鋳型オリゴヌ
クレオチド24a,24bに対応する位置に強固に固定
化される。 (G)ガラス基板表面30をガラス基板表面22から離
し、ガラス基板表面30の洗浄を行なって解離液を除去
し、ガラス基板表面30に所望のオリゴヌクレオチドマ
トリックスが形成されたレプリカDNAチップを得る。
【0027】実施例1及び実施例2では、マスターDN
Aチップ及びレプリカDNAチップを含むDNAチップ
のオリゴヌクレオチドマトリックス形成領域としてガラ
ス基板を用いているが本発明はこれに限定されるもので
はなく、ナイロン膜や他のポリマー膜など、オリゴヌク
レオチドを固定化できる固相であれば如何なるものであ
ってもよい。実施例1及び実施例2では、ガラス基板に
アビジンを固定化しているが、固相表面にストレプトア
ビジンを固定化して、ビオチンとストレプトアビジンの
選択的な結合によって相補的オリゴヌクレオチドを固相
表面に固定化するようにしてもよい。
【0028】実施例1及び実施例2では、相補的オリゴ
ヌクレオチドを1つのビオチンのみで標識しているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、複数のビオチ
ンで標識してもよい。実施例1及び実施例2において、
オリゴヌクレオチドの代わりに、DNAのホスホジエス
テル結合をペプチド結合に変換した人工核酸(ペプチド
核酸ともいう)を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】第1の態様におけるDNAチップの製造
方法では、内壁に鋳型オリゴヌクレオチドが固定化され
た1又は複数のキャピラリー部材の内部で、ビオチン標
識プライマーを少なくとも含む反応液を用いて複製反応
を行ない、鋳型オリゴヌクレオチドに相補的であり、か
つビオチンで標識された相補的オリゴヌクレオチドを合
成し、キャピラリー部材の一端側に、アビジン又はスト
レプトアビジンが修飾された他の固相表面を配置し、相
補的オリゴヌクレオチドを他の固相表面に移動させて、
ビオチンとアビジン又はストレプトアビジンの選択的な
結合によって、他の固相表面に固定化するようにしたの
で、オリゴヌクレオチドが強固に固定されたDNAチッ
プを短時間かつ低コストで製造することができる。
【0030】第1の態様において、複数のキャピラリー
部材を用い、他の固相表面への相補的なオリゴヌクレオ
チドの移動を2以上のキャピラリー部材で同時に行なう
ようにすれば、製造時間をさらに短縮することができ
る。第1の態様において、複数のキャピラリー部材の一
端側を二次元的に配列して用い、すべてのキャピラリー
部材で同時に複製反応を行ない、他の固相表面への相補
的オリゴヌクレオチドの移動及び固定化をすべてのキャ
ピラリー部材で同時に行なう操作を含むようにすれば、
製造時間をさらに短縮することができる。第1の態様に
おいて、ビオチン標識プライマーは相補的オリゴヌクレ
オチドの合成にのみ用いられる塩基配列をもつものであ
って、複製反応によって多数の相補的オリゴヌクレオチ
ドを合成し、そのうちの一部のみを他の固相表面に移動
及び固定化し、他の固相表面とは異なる、アビジン又は
ストレプトアビジンが修飾された1又は複数の固相表面
に残りの相補的オリゴヌクレオチドを移動及び固定化す
るようにすれば、同じオリゴヌクレオチドマトリックス
をもつDNAチップを大量に、かつ容易に製造すること
ができる。
【0031】第2の態様におけるDNAチップの製造方
法では、予め作製されたDNAチップに固定化された複
数の鋳型オリゴヌクレオチドを鋳型として、ビオチン標
識プライマーを少なくとも含む反応液を用いて複製反応
を行ない、鋳型オリゴヌクレオチドに相補的であり、か
つビオチンで標識された相補的オリゴヌクレオチドを合
成し、相補的オリゴヌクレオチドを、アビジン又はスト
レプトアビジンが修飾された他の固相表面に移動させ
て、DNAチップにおける鋳型オリゴヌクレオチドの固
定位置に対応して、ビオチンとアビジン又はストレプト
アビジンの選択的な結合によって、他の固相表面に固定
化するようにしたので、オリゴヌクレオチドが強固に固
定された、同じオリゴヌクレオチドマトリックスをもつ
DNAチップを短時間、かつ低コストで大量に製造する
ことができる。第2の態様において相補的オリゴヌクレ
オチドを他の固相表面に移動させる前に、未反応のビオ
チン標識プライマーを除去する操作を含むようにすれ
ば、相補的オリゴヌクレオチドのみを確実に他の固相表
面に固定化することができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の態様の一実施例を示すフロー図であ
る。
【図2】 第2の態様の一実施例を示すフロー図であ
る。
【符号の説明】
2,24a,24b 鋳型オリゴヌクレオチド 4 キャピラリーチューブ 6,26 PCR反応液 8,28a,28b 相補的オリゴヌクレオチド 10,22,30 ガラス基板 12 解離液 14,30 アビジン 32 電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 HA12 4B029 AA07 AA23 FA02 4B063 QA01 QA18 QQ42 QR32 QR55 QR62 QR82 QS03 QS25 QS34 QX02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を含むDNAチップの製造方
    法。 (A)内壁に鋳型オリゴヌクレオチドを固定化した1又
    は複数のキャピラリー部材の内部で、ビオチンで標識さ
    れたプライマーを少なくとも含む反応液を用いて複製反
    応を行ない、前記鋳型オリゴヌクレオチドに相補的であ
    り、かつビオチンで標識された相補的オリゴヌクレオチ
    ドを合成する工程、(B)前記キャピラリー部材の一端
    側に、アビジン又はストレプトアビジンが修飾された他
    の固相表面を配置し、前記相補的オリゴヌクレオチドを
    前記他の固相表面に移動させて、前記ビオチンと前記ア
    ビジン又は前記ストレプトアビジンの選択的な結合によ
    って、前記他の固相表面に固定化する工程。
  2. 【請求項2】 前記工程(A)は、複数のキャピラリー
    部材を用い、前記工程(B)は、前記他の固相表面への
    前記相補的オリゴヌクレオチドの移動及び固定化を2以
    上のキャピラリー部材で同時に行なう操作を含む請求項
    1に記載のDNAチップの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(A)は、複数のキャピラリー
    部材の一端側を二次元的に配列して用い、すべてのキャ
    ピラリー部材で同時に前記複製反応を行ない、前記工程
    (B)は、前記他の固相表面への前記相補的オリゴヌク
    レオチドの移動及び固定化をすべてのキャピラリー部材
    で同時に行なう操作を含む請求項2に記載のDNAチッ
    プの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ビオチンで標識したプライマーは、
    前記相補的オリゴヌクレオチドの合成のみに用いられる
    塩基配列をもつものであって、前記工程(A)は、複数
    の前記相補的オリゴヌクレオチドを合成し、前記工程
    (B)は、前記工程(A)で合成した相補的オリゴヌク
    レオチドのうちの一部のみを前記他の固相表面に移動及
    び固定化する操作であり、前記工程(B)の後に、前記
    他の固相表面とは異なる、アビジン又はストレプトアビ
    ジンが修飾された1又は複数の固相表面に残りの前記相
    補的オリゴヌクレオチドを移動させ、固定化する工程
    (C)を含む請求項1から3のいずれかに記載のDNA
    チップの製造方法。
  5. 【請求項5】 以下の工程を含むDNAチップの製造方
    法。 (A)予め作製されたDNAチップに固定化された複数
    の鋳型オリゴヌクレオチドを鋳型として、ビオチンで標
    識されたプライマーを少なくとも含む反応液を用いて複
    製反応を行ない、前記鋳型オリゴヌクレオチドに相補的
    であり、かつビオチンで標識された相補的オリゴヌクレ
    オチドを合成する工程、(B)前記相補的オリゴヌクレ
    オチドを、アビジン又はストレプトアビジンが修飾され
    た他の固相表面に移動させて、前記DNAチップにおけ
    る前記鋳型オリゴヌクレオチドの固定位置に対応して、
    前記ビオチンと前記アビジン又は前記ストレプトアビジ
    ンの選択的な結合によって、前記他の固相表面に固定化
    する工程。
  6. 【請求項6】 前記工程(B)で前記相補的オリゴヌク
    レオチドを前記他の固相表面に移動させる前に、未反応
    の前記ビオチンで標識されたプライマーを除去する操作
    を含む請求項5に記載のDNAチップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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