JP2001107728A - 排気マニホルド - Google Patents

排気マニホルド

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マニホルドから排気システムへ至る排気の流
れを最適化し、特に触媒コンバータの横断面における排
気の流れ分布を均等化して同一箇所の早期腐食を防止す
るとともにコンバータの全体性能を高めることのできる
偏流部材を提供する。 【解決手段】 内燃エンジン用の排気マニホルドは、排
気システムの触媒コンバータを通る排気の流れ方向を変
えるために偏流部材を含む。この偏流部材はマニホルド
の内径面に倣った形状のリングとされる。この偏流リン
グは中央開口と、その開口を通る流れ方向を定めるため
に内方へ向かって角度を付された偏流壁とを有する。マ
ニホルド壁面に沿う排気の流れは偏流リングによって内
方へ方向を変えられ、排気システムを通る流れの分布を
最適化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は排気マニホルドを通
る燃焼ガスの制御に関するもので、さらに詳しくは、排
気システム、特に触媒コンバータを通る排気の流れを最
適化するために排気マニホルドの出口に取付けられる偏
流部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】乗用車における排気放出物および燃費
（燃料の経済性）に対する制約、および乗員の快適性に
関する市場の要求が高まるにつれて、自動車製造業者は
絶えず設計改良を研究し続けなければならない。それら
の改良はエンジン室ならびに乗員室について行われなけ
ればならない。排気システムには改良された放出物制御
装置が追加されている。同時に、乗員室の広さを保持す
るために製造業者はそれらの装置を窮屈な空間内に取付
けねばならない。この結果、エンジンの排気ポートから
集合室を通して残る排気システムへと排気ガスの方向を
定めるために、排気マニホルドは厳しい許容限度内で設
計される。
【０００３】最新式の車両における放出物制御システム
の一部として、主触媒コンバータよりも先行して放出物
を減少させるために、触媒コンバータが排気マニホルド
の出口に挿入されている。最新式の排気マニホルドの小
型化した設計では、かなりの量の排気がマニホルド湾曲
部の外側へ向けて方向を定められる傾向にあることが分
かっている。排気ガスにおけるこの比率は、コンバータ
内での放出物制御物質に影響することになる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マニホルド
からの排気の流れを最適化するために、マニホルドの集
合室内に偏流部材を備えることで従来周知の排気マニホ
ルドの欠点を解消する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジン排気
マニホルドの出口付近に配置される偏流部材を提供す
る。この偏流部材は、マニホルドの外壁から離れる方向
で触媒コンバータの中央へ向かう方向へ排気の流れ方向
を定めるように、中央ポートを有するリングの形態とさ
れる。
【０００６】この排気マニホルドは、エンジンの排気室
の数に等しい複数のアームを含む。これらのアームは排
気ポートに連結されて、エンジンと排気システムとの流
体連通を形成する。排気アームは、排気システムの残る
部分に連結される出口ポートを有する集合室と連通され
る。排気マニホルドの出口付近に、第１段の放出物制御
を行う触媒コンバータまたは同様な放出物制御装置が配
置される。しかしながら、放出物制御装置が排気マニホ
ルドの出口に近いことから、コンバータの同一箇所の早
期腐食を防止するとともにコンバータの全体性能を高め
るために、コンバータを通る排気ガスの流れ分布を最適
化しなければならない。
【０００７】排気の流れを分散させるため、偏流部材が
マニホルドの出口に配置される。好ましい実施例では、
偏流部材は、マニホルド壁面の形状に一致する形状を有
しかつ中央開口を有するリングとされ、該開口を通る排
気の方向を定める。リングの本体は、偏流部材をマニホ
ルドに固定する外壁と、偏流リングを通してマニホルド
壁から離れる方向へ排気ガスの流れの方向を定めるため
の内方へ向けて角度を付された壁とを含む。ガスの流れ
方向を変える偏流部材は、触媒コンバータ・ブリック
（集塊）の使用性を向上する一方、排気ガスの集中を減
少させることで触媒物質の磨滅も減少させる。
【０００８】本発明の他の目的、特徴および利点は、添
付図面と関連する以下の詳細な説明から明白となるであ
ろう。
【０００９】本発明は、その好ましい実施例の以下の詳
細な説明を参照し、添付図面と関連させて読むことによ
り、さらに完全に理解するであろう。添付図面では、全
図を通じて同じ符号は同じ部品を示している。
【００１０】
【発明の実施の形態】図１を参照すれば、エンジン・シ
リンダ・ヘッド１０の一部が示されており、このシリン
ダ・ヘッドに本発明の実施形態の排気マニホルド２０が
取付けられる。エンジン１０は、エンジンのピストン・
シリンダ数と等しい複数の排気ポート１２を含む。排気
ポート１２は２つ（デュアル）の排気マニホルド２０を
必要とするエンジン１０の反対両側に配置される。エン
ジン１０は、排気マニホルド２０を排気ポート１２に流
体連通状態で密着固定するために、対応する固定具１６
を受入れるねじ穴１４を排気ポート１２の近くに含む。
排気マニホルド２０はエンジン１０からの排気ガスを集
合し、排気システム（図示せず）の放出物制御装置を通
るその排気の流れ方向を効果的に定めるように設計され
ている。
【００１１】排気マニホルド２０は排気ポート１２に対
応する複数のアーム２２と、それらのアーム２２に連通
する本体すなわち集合室２４とを含む。アーム２２およ
び集合室２４は、排気ガスが破滅的な乱流や逆流を生じ
ることなく排気システムへ容易に円滑に流れるようにす
る形状に形成される。アーム２２は、エンジン１０に対
してマニホルド２０を固定するために固定具１６を受入
れる取付けフランジ２６を含む。入口アーム２２から離
れた位置に集合室２４の出口２８が配置され、この出口
が排気システムの残りの部分に対して連結される。マニ
ホルド２０は放出物センサーのような監視装置を取付け
るための付加的なポート３２を含むことができる。
【００１２】図２および図３を参照すれば、マニホルド
２０に連結された放出物制御装置（図示せず）の横断面
におけるマニホルド２０からの排気ガスの流れを最適化
するための偏流部材４０が、マニホルド２０の出口２８
の内部に固定されている。偏流部材４０はマニホルド集
合室２４の内壁面３４に固定され、それ故に集合室２４
の形状に一致する。偏流部材４０はリング形で、内側開
口４２を有し、その開口を通して放出ガスは流れること
ができる（図３）。偏流部材４０は集合室２４の内壁面
３４に一致する外壁を有する。外壁４４は排気マニホル
ド２０の壁面３４に取付けられ（ｓｔａｋｅｄ）、溶接
または他の方法で固定される。外壁４４よりも半径方向
内側には偏流壁４６が配置される。偏流壁４６は偏流部
材４０の内方且つ下流側へ向かって角度を付されること
が好ましい。
【００１３】偏流壁４６のこの角度は、開口４２を通る
排気ガスを排気マニホルド２０の内壁面３４から離す方
向へ流し、放出物制御装置の横断面における分散を一層
均等にする。従来のマニホルドでは、排気ガスの流れは
マニホルド壁の外側湾曲面に沿って流れ、これにより放
出物制御装置の一部分に排気を集中させる傾向を示す。
本発明の偏流リング４０は放出物制御装置を通る排気の
流れを最適化する都合のよい経済的な手段を提供する。
【００１４】これまでの詳細な説明は明確な理解を得る
だけのために与えられたもので、不必要に制限を与える
ことはないものと理解されるべきであり、当業者には特
許請求の範囲に記載の精神および範囲から逸脱すること
なくある程度の変更が成し得ることは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を具現する排気マニホルド斜視図であ
る。
【図２】出口内部に取付けられた偏流部材を示す排気マ
ニホルドの端面図である。
【図３】内部を通る排気の流れを示すマニホルドの概略
図。
【符号の説明】
１０ エンジン １２ 排気ポート １４ ねじ穴 １６ 固定具 ２０ 排気マニホルド ２２ アーム ２４ 集合室 ２６ 取付けフランジ ２８ 出口 ３２ ポート ３４ 内壁面 ４０ 偏流部材 ４２ 開口 ４４ 外壁 ４６ 偏流壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール ダブリュ、ケンヨン アメリカ合衆国 ミシガン、テイラー、 メアリー ストリート 23858 (72)発明者 トマス ケテルハット アメリカ合衆国 ミシガン、サウスゲー ト、エディソン 13727

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内燃エンジンからの排気ガスの方向を定
    める排気マニホルドであって、 出口を有する集合室と、前記集合室と流体連通された複
    数のアームとを有するマニホルド本体と、 前記集合室内に配置され、前記マニホルド本体内部で排
    気ガスの流れ方向を変える偏流部材とを含んで構成され
    た排気マニホルド。
  2. 【請求項２】 前記偏流部材が、前記マニホルドから流
    出する排気ガスの流れ方向を変えるために前記集合室の
    前記出口付近に取付けられている、請求項１に記載され
    たマニホルド。
  3. 【請求項３】 前記偏流部材が、中央開口を有していて
    前記集合室の壁面に実質的に倣った形状のリングを形成
    している請求項１に記載されたマニホルド。
  4. 【請求項４】 前記偏流部材が、その偏流部材の外壁が
    前記集合室の内面と同一平面を成して係合するように、
    前記集合室の内面に合致する外壁を有している請求項３
    に記載されたマニホルド。
  5. 【請求項５】 前記偏流部材の前記外壁が前記集合室内
    面に対して取付けられている請求項４に記載されたマニ
    ホルド。
  6. 【請求項６】 前記偏流部材が前記外壁よりも半径方向
    内側に配置された偏流壁を含む請求項４に記載されたマ
    ニホルド。
  7. 【請求項７】 前記偏流壁が前記偏流リングの前記中央
    開口を通って流れる排気の方向を定めるために半径方向
    内方へ向かって角度を付されている請求項６に記載され
    たマニホルド。
  8. 【請求項８】 単一部品の偏流リングを形成するため
    に、前記偏流壁が前記外壁に一体形成されている請求項
    ６に記載されたマニホルド。
  9. 【請求項９】 内燃エンジンからの排気ガスの方向を定
    める排気マニホルドであって、 出口を有する集合室と、エンジンに連結するための複数
    のアームとを有し、前記アームが前記集合室と流体連通
    されているマニホルド本体と、 前記マニホルド本体内部で排気ガスの流れ方向を変える
    ために前記集合室内の前記出口付近に取付けられた偏流
    リングとを備え、 前記偏流リングが、その偏流リングの中央開口を通る排
    気ガスの流れ方向を定めるために内方へ向かって角度を
    付された偏流壁を有している排気マニホルド。
  10. 【請求項１０】 前記偏流リングが前記偏流壁に一体形
    成された外壁を含み、前記外壁の形状が前記集合室の内
    面の形状と一致する請求項９に記載されたマニホルド。
  11. 【請求項１１】 前記偏流リングの前記外壁が前記集合
    室の前記内面に固定されて前記マニホルド内の前記集合
    室出口付近に前記偏流リングが取付けられ、それにより
    前記集合室内の流体の流れが前記偏流リングの前記中央
    開口を通って内側へ向けられるようになっている請求項
    １０に記載されたマニホルド。
  12. 【請求項１２】 内面と出口とを有する集合室を備えた
    内燃エンジン用の排気マニホルドにおいて、 前記マニホルド内での排気の流れ方向を変えるために偏
    流部材が前記集合室内に配置されていることを特徴とす
    る排気マニホルド。
  13. 【請求項１３】 前記マニホルドから流出する排気の流
    れ方向を変えるために前記偏流部材が前記集合室の前記
    出口付近に取付けられた請求項１２に記載のマニホル
    ド。
  14. 【請求項１４】 前記偏流部材が、中央開口を有してい
    て前記集合室の壁面に実質的に倣った形状を有するリン
    グを形成している請求項１２に記載されたマニホルド。
  15. 【請求項１５】 前記偏流部材の外壁が前記集合室の内
    面と同一平面を成して係合するように、前記偏流部材が
    前記集合室の前記内面に合致する外壁を有している請求
    項１４に記載されたマニホルド。
  16. 【請求項１６】 前記偏流部材が前記外壁よりも半径方
    向内側に配置された偏流壁を有する請求項１５に記載さ
    れたマニホルド。
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