JP2001105141A - スタッド溶接による部材接合方法 - Google Patents
スタッド溶接による部材接合方法Info
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Abstract
することができ、余計な仕上げ加工も回避できるスタッ
ド溶接による部材接合方法を提供する。 【解決手段】 スタッド材2が接合される金属製板状母
材1を冷却しながら溶接を行う。これにより、板状母材
1の接合反対面1bに溶接時の凝固収縮による窪みが生
じたり、板状母材1の接合面側に段差状に変形するのが
防止され、結果、接合反対面1bの後処理加工などが不
要となる。
Description
ルやカーテンウォルなどの製造工程において、薄肉の金
属製板状母材に対して棒材やボルトなどの金属製スタッ
ド材を接合・固定するために用いられるスタッド溶接に
よる部材接合方法に関する。
示すように、例えばアルミニウムもしくはアルミニウム
合金(以下、アルミニウムという)ような金属製板状母
材101に対してボルトなどのスタッド材102の基端
を接触させ、両者101,102間に通電し、一旦スタ
ッド材102を離してアークを発生させ、板状母材10
1の熱影響部103が適当な溶融状態になった時点で、
再度スタッド材102を押しつけて溶着させるもので、
スタッド材102を金属製板状母材101に比較的簡単
に固定させことができることから各種分野で採用されて
いる。
属が使用可能であるが、最近では、軽量化などに対応し
やすい点から、アルミニウム、とくにアルミニウム合金
(以下、アルミニウムという)製のものが多用されてい
る。
スタッド溶接では、板状母材101に肉厚tが、例え
ば、1mmにも満たない程度の薄肉であると、この母材
101の肉厚tより大きい直径Rを有するスタッド材1
02を接合した場合、熱的な悪影響を受ける。つまり、
スタッド材102の接合側と反対側の接合反対面101
bが溶接時に生じる熱影響部103に近接しているため
に、接合反対面101bに溶接後の凝固収縮による小さ
な窪み104が生じ、著しくは、板状母材101の接合
部が接合面101a側へ段差状に変形することがある。
この変形量dは、板状母材101の肉厚tが小さい程、
顕著になる傾向がある。
の接合反対面101bの外観が損なわれる。とくに、そ
の接合反対面101bに高い面精度が要求される製品で
は、溶接後に切削やヘアーライン加工などの仕上げ加工
を余儀なくされることになり、結果的にコスト高を招
く。
されたものであり、溶接時の板状母材の熱変形などを有
効に防止することができ、余計な仕上げ加工も回避でき
るスタッド溶接による部材接合方法を提供することを目
的とする。
が接合される金属製板状母材を冷却しながら溶接を行う
ことを特徴とするスタッド溶接による部材接合方法によ
って解決される。
ら溶接を行うので、板状母材の接合反対面は、スタッド
溶接時の熱影響をほとんど受けない、このため、板状母
材の接合反対面に溶接時の凝固収縮による窪みが生じた
り、板状母材の接合部が熱変形を起こしたりするのを防
止もしくは軽減することができ、結果、接合反対面の後
処理加工などが不要となり、製作費用が低減される。
ールドガスを充填または噴射する場合には、シールドガ
スによる冷却効果が得られると共に、板状母材の接合部
が均一的に溶解され、酸化などが抑制されて良好な接合
状態を得ることができる。上記において、シールドガス
の充填とは、接合部の周囲の雰囲気を静的なシールドガ
ス雰囲気にすることをいう。
にしたがって説明する。
タッド溶接による部材接合方法が運用されるスタッド溶
接装置の要部を示す構成図である。
〜0.8mm程度のアルミニウム製の薄肉平板からな
り、スタッド材2の接合側の表面が接合面1aであり、
その接合面1aの裏面が接合反対面1bとなっている。
部材とを螺着接合させるためのアルミニウム製のボルト
であり、その先端部2aが雄ねじに形成されており、そ
の直径Rは、板状母材1の肉厚tよりもかなり大きく、
3〜6mm程度である。また、このスタッド材2の基端
部2bの下端面2cにおける中心位置には、溶接時に主
に溶融する円錐状の突起部3が一体形成されている。
て、その接合反対面1bに母材冷却体4が当接配置され
ている。この母材冷却体4は、例えば銅製のチャンバー
5と、この銅製チャンバー5内を仕切って形成された冷
却通路ないしはこの実施形態のように内部に配設された
冷却配管6とからなる。この冷却配管6は、冷却水Wが
流通することにより、銅製チャンバー5のを介して板状
母材1との間で熱交換させるものであり、銅製チャンバ
ー5の全域が水冷作用を受けるように、例えば蛇行状に
形成してある。
(媒体)を使用してもよく。また、他の冷却手段を採用
することも可能である。例えば、接合部をシールドガス
雰囲気にすることにより、シールドガスの冷却効果によ
って冷却しても良い。このために、本実施形態では、ス
タッド材2と同軸上に、溶接時にスタッド材2の下端面
2cと板状母材1の接合面1aとの間に発生するアーク
を取り囲む位置にシールドガスGを噴出するノズル7が
配設されている。シールドガスGとしては、Arガス、
N2 ガス、エアなどから選択可能である。
ッド溶接による接合方法について、図2〜図5を参照し
て説明する。
に示すように、母材冷却体4を接触配置しておく。一
方、スタッド材2の先端部2aをスタッドガンのチャッ
ク部8に装着したあと、スタッド材2の下端面2cの突
起部3を、板状母材1の接合面1aに突き付け状に接触
させて配置する。
却体4の冷却配管6に冷却水Wを流通させる一方、ノズ
ル7によりシールドガスとして、ArガスGを噴出させ
る。なお、通電開始により、電流急速遮断のために装備
されているコンデンサ(不図示)が充電される。
ャック移動機構の働きで、チャック部8を上方へ僅かに
移動させ、図3に示すように、スタッド2の突起部3を
板状母材1の接合面1aから離間させる。すると、スタ
ッド材2の突起部3と板状母材1の接合面1aとの間に
生じる僅かな空間Sにアークが発生し、スタッド材2の
突起部3と板状母材1の接合面1aの中央部とが溶融し
始める。
コンデンサの充電電荷の放電により、電流を急速に遮断
するとともに、再度、スタッドガン内のチャック移動機
構の働きで、チャック部8を板状母材1から離れる方向
へ移動させ、図4に示すように、スタッド材2の下端面
2cを板状母材1の接合面1aに押し付ける。この状態
を保持しながら溶融金属の冷却固化を待って、図5に示
すように、チャック部8を取り外す。これにより、スタ
ッド材2が板状母材1に対して垂直に立設する態様で確
実に接合固定された接合体Aを得ることができる。
冷却体4内の冷却水Wで冷却されているので、溶接時に
生じる熱影響部9も冷却されることになり、板状母材1
の接合反対面1bは熱影響を受けにくくなる。このた
め、板状母材1の接合反対面1bに溶接後の凝固収縮に
よる窪みが生じたり、接合部が接合反対面1b側へ段差
状に変形するのが抑止される。
金属、とくにアルミニウムは酸化や窒化が起こりやすい
が、この実施形態では、シールドガスとしてのArガス
Gを噴射して前記アークを包囲させているので、このA
rガスGが母材の冷却効果と共に空気中の酸素や窒素の
混入に対する遮蔽作用として働き、溶融金属の溶融の均
一化が図れるとともに、酸化や窒化が極力抑制される。
シールドガスの噴射は、母材冷却体4の使用と同時に行
ってもよいし、母材冷却体4を使用することなく行って
もよい。母材冷却体4を使用しながらシールドガスを噴
射すると更によい。
蔽効果が十分に発揮されにくいし、多すぎると、アーク
状態に支障を来す。このため、1〜20l/分に設定す
るのがよい。
く、静的なシールドガス雰囲気内に溶接装置と接合部材
を配置して、溶接を行っても良い。
明する。
mの2種類で、長さ15mmのアルミニウム製(A10
50)のスタッドボルトを準備し、一方、これを接合す
る相手材である薄肉の金属製板状母材として、厚さ0,
6mmおよび0,8mmの2種類で、縦100mm×横
100mmの正方形のアルミニウム板(6063)を準
備した。
知のスタッド溶接装置を用いて、常法によりスタッド溶
接を実施した。スタッド材の直径が3mmでは、前記コ
ンデンサの充電電圧を50Vとし、直径が6mmでは、
充電電圧を100Vとした。
る場合と、板状母材1を母材冷却体4で冷却するものと
に別けて実施した。シールドガスGの流量は、5l/分
とし、Arガス、N2 ガス、エアを選択的に使用した。
また、実施例7については、Arガス雰囲気中に溶接装
置と母材とスタッド材とを配置して溶接を行った。
板状母材の接合反対面を観察し、その面の接合部対応部
位に生じている変形部の最大変形量dを測定するととも
に、前記接合状態によって良品(○印)か不良品(×
印)であるかを判定した。その結果を表1に示す。
面に窪みが生じたり、母材の接合部が接合面側へ段差状
に変形するのを防止もしくは軽減することが確認でき
た。
板状母材を冷却するので、母材の接合反対面が熱影響を
ほとんど受けなくなり、板状母材の接合反対面に溶接時
の凝固収縮による窪みが生じたり、板状母材の接合部が
接合面側へ段差状に歪み変形を起こしたりするのを防止
もしくは軽減することができる。したがって、板状母材
の接合反対面の外観を向上させることができるととも
に、変形などを是正する後加工が要らず、コストを抑え
ることができる。
時のアーク周囲にシールドガスを充填または噴射するの
で、このシールドガスによって母材が冷却されると共
に、外部空気や窒素などの侵入が遮断されて溶接部付近
の均一な溶解状態を得ることができ、外観性に優れたも
のとなる。
よる部材接合方法が運用されるスタッド溶接装置の要部
を示す構成図である。
材を当接した状態を示す断面図である。
ド材を一旦離間した状態を示す断面図である。
材を再度押し付けた状態を示す断面図である。
面図である。
得られた接合体の説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 スタッド材が接合される金属製板状母材
を冷却しながら溶接を行うことを特徴とするスタッド溶
接による部材接合方法。 - 【請求項2】 溶接時のアークを取り囲むように板状母
材の接合面にシールドガスを充填または噴射してなる請
求項1に記載のスタッド溶接による部材接合方法。
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JP28002699A JP2001105141A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | スタッド溶接による部材接合方法 |
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JP28002699A Pending JP2001105141A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | スタッド溶接による部材接合方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004056021A1 (de) * | 2004-11-16 | 2006-06-01 | Newfrey Llc, Newark | Verfahren und Vorrichtung zum Kurzzeit-Lichtbogenschweißen |
KR101267619B1 (ko) * | 2011-09-28 | 2013-05-24 | 현대제철 주식회사 | 다중 냉각 기능을 구비한 용접 지그 |
CN110814480A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-02-21 | 辽宁忠旺铝合金精深加工有限公司 | 一种铝合金钣金件与大规格焊钉的螺柱焊方法 |
CN112548283A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-03-26 | 江南造船(集团)有限责任公司 | 低磁钢板与不锈钢螺柱的焊接方法 |
-
1999
- 1999-09-30 JP JP28002699A patent/JP2001105141A/ja active Pending
Cited By (5)
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DE102004056021A1 (de) * | 2004-11-16 | 2006-06-01 | Newfrey Llc, Newark | Verfahren und Vorrichtung zum Kurzzeit-Lichtbogenschweißen |
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CN110814480A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-02-21 | 辽宁忠旺铝合金精深加工有限公司 | 一种铝合金钣金件与大规格焊钉的螺柱焊方法 |
CN110814480B (zh) * | 2019-11-14 | 2022-03-25 | 辽宁忠旺铝合金精深加工有限公司 | 一种铝合金钣金件与大规格焊钉的螺柱焊方法 |
CN112548283A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-03-26 | 江南造船(集团)有限责任公司 | 低磁钢板与不锈钢螺柱的焊接方法 |
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