JP2001100754A - データ処理方法、データ処理装置およびデータ処理プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

データ処理方法、データ処理装置およびデータ処理プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2001100754A
JP2001100754A JP27519199A JP27519199A JP2001100754A JP 2001100754 A JP2001100754 A JP 2001100754A JP 27519199 A JP27519199 A JP 27519199A JP 27519199 A JP27519199 A JP 27519199A JP 2001100754 A JP2001100754 A JP 2001100754A
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Minoru Nishihata
実 西畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響や画像等の表現データを用いた作品の制
作時において、作品の総データ量を抑えるとともに、上
記表現データの加工作業を容易にする。 【解決手段】 あらかじめ、表現データの特性を示す固
有のパラメータや実行コマンドのうちで指定されたもの
のみを変更・実行できる旨を記録しておく。そして、実
際の表現データ加工作業においては、このように記録さ
れた表現データを読み込み、上記指定されたパラメータ
や実行コマンドのみについて編集し、その編集結果に基
づいて表現データを加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ処理方法、
データ処理装置およびデータ処理プログラムを格納した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものであ
る。より詳しくは、コンピュータを用いて音響・音楽・
静止画・動画・形状モデル・文字列などの表現データを
扱う場合についての、データ処理方法、データ処理装置
およびデータ処理プログラムを格納したコンピュータ読
み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータを用いて、音響・音
楽・静止画・動画・文字列・物体形状モデル・運動モデ
ルなどのデータ(表現データ)を利用した作品(マルチ
メディアコンテンツ)が種々制作されている。すなわ
ち、以降詳述するように、このような作品の制作者(ユ
ーザ)達は、それぞれの分野に適したコンピュータプロ
グラム(作品制作用ソフト)を用いて、元となる素材デ
ータをサンプリングしたり合成したりして種々加工する
ことで、上記のような作品を制作している。
【0003】表現データの種類は、以下の2つの範疇に
分類することができる。
【0004】(I )それ自体で、再生(表示)するため
の十分な情報をもつ表現データ。例として音響・音楽・
静止画・動画・文字列など。
【0005】(II)他の構成要素と組み合わせること
で、はじめて再生(表示)可能となる表現データ。例と
して物体形状モデル・運動モデルなど。例えば、3次元
の物体形状モデルは、レンダリングのための色、材質、
光源、視点の各情報と組み合わせてはじめて再生(表
示)するための十分な情報となる。
【0006】なお、上記(I )・(II)の分類は厳密な
ものではなく、たとえば、音楽の再生には楽器の波形情
報が必要であり、文字列の表示にはフォントを展開する
ための情報が必要であるため、これらを(II)に含める
という考え方もありうる。しかし、これらは通常、再生
システムに内蔵されることが多く、制作者に意識される
ことは少ないため、ここでは(I )に分類する。また、
例えば、レンダリングのため情報が組み合わされた物体
形状モデルは、(I )に分類することができる。
【0007】このような表現データを記録する方法とし
ては、以下の3つの方法に分類することができる。
【0008】(記録方法1)音や光や形状などの物理現
象のパターンをサンプリングして記録する方法(音に対
しては波形、光に対しては画像、形状に対しては座標
群)、(記録方法2)物理現象のパラメータを記録する
方法(例えば音に対しては周波数、光に対しては照度、
形状に対しては曲面の方程式の情報)、(記録方法3)
それらを組み合わせる方法(例えば、波形とその周波
数、画像とその明るさ、座標群とそれを用いた方程
式)。
【0009】コンピュータを用いて上記のような表現デ
ータを扱う方法については、いくつかの方法が実用化さ
れている。次に、このような表現データを扱うための第
1ないし第4の方法について述べる。
【0010】第1の方法として、表現をディジタル化あ
るいはコード化したデータを、そのまま、あるいはデー
タ圧縮処理のみを施して用いるものがある。例えば、音
響という表現に対しては、波形データ(波形の各時点の
振幅データの列)として扱われ、音楽という表現(ここ
でいう音楽とは、音符情報を元にした表現データを指
す)に対しては、音符データ(MIDI(Musical Instr
ument Digital Interface)など)として扱われ、静止画
という表現に対しては、画素データの配列として扱わ
れ、動画という表現に対しては、静止画データの配列と
して扱われ、文字列という表現に対しては、文字コード
の配列として扱われ、物理形状モデルという表現に対し
ては、曲面の定義する制御点の座標群などとして扱わ
れ、運動モデルに対しては、運動の軌跡の座標群などと
して扱われている。
【0011】第2の方法として、表現をディジタル化あ
るいはコード化したデータを、編集プログラムを用いて
編集して用いる方法がある。例えば、音響データを編集
するには、図53のような波形エディタ(この例はSoni
c Foundry 社のSound Forge(商標)の表示画面を示
す)が用いられている。これは、前記第1の方法で記録
された音響の波形データを読み出し、データに対して編
集・加工を行った上で、再び、波形データとして保存す
るものである。同様に、音楽に対してはMIDIデータ
エディタ、静止画に対しては画像処理プログラム、動画
に対しては動画編集プログラム、文字列に対しては文書
作成プログラム(ワードプロセッサのプログラム)、物
理形状モデルに対しては3次元モデル編集プログラム、
運動モデルに対してはアニメーション作成プログラムな
どがある。例えば鐘の音のような音響データに関して
は、このような汎用の波形編集プログラムを用いてひと
つの鐘の音から目的の鐘の音に加工する。
【0012】第3の方法として、表現を構成するパラメ
ータを調整し、表現データを新規に生成する方法があ
る。例えば、鐘の音のように、音響データを生成するに
は、図54のような構成の音響シンセサイザが用いられ
ている。これは、スライダやつまみにより、図中、*印
で示すような各可変パラメータを調整し、音響を生成す
るものである。このような音響シンセサイザは、従来、
ハードウェアの音響生成・加工モジュールを組み合わせ
た装置が使われていたが、近年、コンピュータ上のプロ
グラムとして実現されている例もある。また、いずれの
場合も、各モジュール間の結線を変更可能としているも
のもある。画像や形状モデルの分野では、3次元モデル
作成プログラムを用いて、半径などのパラメータを入力
して球形を生成する場合などが、第3の方法といえる。
【0013】第4の方法として、表現をディジタル化し
たデータを、エフェクタ(効果付加装置)を用いて加工
して用いる方法がある。これは、図55のように任意の
入力データに対して特定の効果を加えることによって加
工し、出力するものである。この特定の効果を調整する
ために、専用のパラメータを調整可能としているものが
多い。また、典型的なパラメータ設定を既定値として記
録できるようにしたものもある。このようなエフェクタ
についても、ハードウェアとして構成される場合もある
しコンピュータプログラムとして構成される場合もあ
る。コンピュータプログラムとして構成される場合は、
前記第2の方法で説明した編集プログラムの一機能とし
て組み込まれる場合もある。このようなエフェクタは、
音響・音楽・静止画・動画・文字列・物体形状モデル・
運動モデルなど各種の表現データを対象としたものがあ
る。例えば、鐘の音のような音響データに関しては、原
音を音響エフェクタを用いて加工する方法がある。音響
エフェクタについても、音響シンセサイザ同様、コンピ
ュータ上のプログラムとして実現されている例もある。
音響エフェクタが前記波形エディタや音響シンセサイザ
などと異なる点として、少数のパラメータのみ操作可能
とし、操作の簡便化をはかっているものもある。また、
典型的なパラメータ設定を既定値として記録できるよう
にしたものもある。また例えば、特開平10−2903
93号公報では、動画と音響とを対象にして、使用頻度
の高いエフェクタの種類を迅速に選択できるように、そ
のようなエフェクタをあらかじめ表示しておく編集装置
を提案している。
【0014】以上のような表現データを扱う第1〜第4
の方法と前述の表現データ(I )および(II)との組み
合わせについていえば、前記第1〜第4の方法はいずれ
も、表現データ(I )および(II)を対象として扱うこ
とがある。しかし、次の例については、通常、いずれの
方法においても、前記(I )の表現データのみが対象と
なる。すなわち、時間軸に沿って作品を再生するための
シナリオデータに前記(I )の表現データとしての効果
音を対応付ける方法として、図52のように、シナリオ
データ4001の特定部分に、表現データ4002の名
前または位置を表す情報をセットする。表現データ40
02は、この場合は音響の波形である。ここでは、シナ
リオデータは時間的に連続に配置されたフレームデータ
群によって構成され、あるフレームから始まる効果音を
付加する場合は、該当のフレームデータにその効果音の
名前をセットすることとする。同図は、3フレーム目で
低い周波数の鐘の音を鳴らし、5フレーム目で高い周波
数の鐘の音を鳴らす場合を示している。
【0015】このようにシナリオデータの特定部分に対
応付けられた表現データを、再び調整する場合につい
て、例えば、第5フレームの「鐘の音」の周波数を試行
錯誤により調整する、という例を、従来の波形エディタ
を用いて実現する場合について説明する。調整後のデー
タを元データとは別に保存する場合、次のような手順と
なる。
【0016】(1)素材集または録音により、「鐘の
音」の波形データを用意する。
【0017】(2)波形エディタに「鐘の音」の波形デ
ータを読み込む。
【0018】(3)波形エディタの機能群から再生ピッ
チ(周波数)調整を選び、パラメータを調整する。
【0019】(4)調整された波形データを、元データ
とは別に保存する。
【0020】(5)シナリオデータのエディタ(編集プ
ログラム)を起動する。
【0021】(6)シナリオデータのエディタの特定部
分に、前記調整された波形データを関連付ける(波形デ
ータの名前を入力するなど)。
【0022】(7)シナリオデータを再生してみる。
【0023】(8)「鐘の音」の周波数について、シナ
リオデータに関連付けられた他の表現データ(例えば、
ここでは3フレーム目の「低い鐘の音」)との音程差を
チェックする。
【0024】(9)音程差が問題なければ作業終了。問
題あれば上記(2)からの作業を繰り返す。以上のよう
なステップを繰り返すことになる。
【0025】ところで、このように様々な表現データを
扱う際に、上記従来技術の第1の方法を用いる場合は、
必要とする効果音データをすべて用意しておく必要があ
る。上記の鐘の音では、低い周波数の鐘の音と、高い周
波数の鐘の音との両方を用意しておく必要があり、さら
に違う周波数の鐘の音が必要な場合もあるので、理論上
は無限の効果音データが必要になり、多くの段階に対応
しようとするほど、素材データベース上に大量のデータ
容量が必要になってしまうという欠点がある。また、仮
に高度のデータ圧縮が可能であると仮定しても、多数の
効果音データから目的のものを検索するためには、イン
デックス付けが複雑になると同時に、検索の操作が煩雑
になってしまうという欠点がある。
【0026】また、シナリオデータとそれに関連付けら
れた表現データの総量が大きくなると、保存や伝送に支
障をきたす。例えば、「靴音に残響を付ける」場合、シ
ナリオの複数個所で異なる残響量の靴音をつけたい場合
がある。この場合、それぞれの個所に対して異なる残響
量が付加された波形データが別々に必要となり、それら
のデータの総量が大きくなってしまう。
【0027】上記従来技術の第2ないし第4の方法で
も、ユーザが加工したデータを波形データとして保存す
る場合には、このようにデータ容量や伝送上の問題が生
じる。一方、上記従来技術の第2ないし第4の方法で、
ユーザが加工したデータを、波形データとは別の設定情
報として保存する場合には、このようなデータ容量の問
題は生じない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、上記
従来技術の第2の方法を用いる例として、鐘の音のよう
な音響データに関しては、汎用の波形編集プログラムを
用い、ひとつの鐘の音から目的の鐘の音に加工する方法
がある。しかし、このような汎用の波形編集プログラム
は、操作可能なパラメータが多く、目的とする効果を実
現するためにはどのパラメータを操作すればよいかとい
う判断に専門知識を要するという欠点があり、初心者に
は操作が困難である。逆に、操作可能なパラメータを少
なくすると、加工の多様性が限定されてしまう。
【0029】同じく上述したように、上記従来技術の第
3の方法を用いる例として、鐘の音のような音響データ
に関しては、音響シンセサイザを用いて合成する方法が
ある。しかし、このような音響シンセサイザについて
も、操作可能なパラメータが多く、目的とする音を合成
するために、どのパラメータを操作すればよいかという
判断に専門知識を要するという欠点があり、初心者には
操作が困難である。逆に、操作可能なパラメータを少な
くすると、音の合成の多様性が限定されてしまう。
【0030】なお、3次元形状モデルの生成プログラム
の別の例では、球や立方体など、典型的な形状モデルの
生成がメニューとして用意されており、制作者がいずれ
かを選んだうえで、半径などのパラメータ値を何らかの
操作により入力することによって、形状モデルの生成を
可能としている場合がある。しかし、これらのメニュー
は、限定されたプログラムの機能として用意されている
のであり、新規の素材データとして容易に追加すること
はできない。例えば、形状生成メニューとして「球」と
「立方体」のみが用意されている場合に、「ドーナツ
型」を同列のメニューに追加しようとすると、新たにプ
ログラムを追加開発する以外に方法がなく、多大なコス
トを要する。
【0031】同じく上述したように、上記従来技術の第
4の方法を用いる例として、鐘の音のような音響データ
に関しては、原音に対して音響エフェクタを用いて加工
する方法があり、なかには、少数のパラメータのみ操作
可能として操作の簡便化をはかっているものもある。し
かし、音響エフェクタは、入力データ(原音)と出力デ
ータとを規定せず、データ処理方法のみを規定してい
る。したがって、例えば、原音として鐘の音があり、ユ
ーザがこれに対して適する効果を施したい場合、まず、
どのような種類の音響エフェクタが適するかを調査・検
討する手間を要し、次に、その適する音響エフェクタが
手元にない場合、別途、製品(プログラムを含む)とし
て市販されている音響エフェクタを調達するなどの手間
と費用を要する。また、そのように調達した音響エフェ
クタは汎用であることが多いので、パラメータの種類や
既定値や可変範囲などが、原音(ここでは鐘の音)に最
適に設計されているとは限らない。
【0032】また、同じく上記従来技術の第4の方法を
用いる例として、前記特開平10−290393号公報
では、動画・音響の編集装置では、使用頻度の高いエフ
ェクタの種類を迅速に選択できるように、そのようなエ
フェクタをあらかじめ表示しておく方法を提案してい
る。しかし、エフェクトを施す対象(例えば映像の中の
特定の部分)とエフェクタの種類との関係は規定されて
いないため、どの対象に対してどのエフェクトを付与す
るかという判断はユーザに委ねられており、特にエフェ
クタの種類が多くなると、ユーザがエフェクタに対する
広範囲の知識が必要になるという問題点が依然としてあ
る。
【0033】本発明は、以上の問題に鑑みなされたもの
であっって、その目的は、表現データを利用しようとす
る場合に、できるだけ少ない数量の表現データ群を活用
して多様性を持たせることにより、素材データベース上
の総データ量を少なく抑えると同時に検索を容易にし、
また、初心者でも簡単に扱えるように、表現データのパ
ラメータ操作を容易にすることにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るデータ処理方法は、複数の特性を有す
るとともに、特定の効果を表しうるデータを処理するデ
ータ処理方法において、上記特性のうちで上記特定の効
果に影響を与える特性に関する特定の処理のみを実行す
る旨の指令内容を処理情報として記憶することを特徴と
している。
【0035】上記の構成により、複数の特性を有すると
ともに特定の効果を表しうるデータについて、上記特性
のうちで上記特定の効果に影響を与える特性に関する特
定の処理のみを実行する旨の指令内容を処理情報として
記憶する。例えば音響データの場合であれば、複数の特
性とは周波数や音量等であり、特定の効果とは例えば鐘
の音、鈴の音、あるいは犬の鳴き声等であり、特定の処
理とは、上記特性のうちで、例えば鐘の音という特定の
効果の特徴を変化させるうえで効果的な特性(例えば周
波数)を編集・加工する処理である。
【0036】すなわち、作品制作者が素材データ群から
ひとつまたは複数の素材(表現データ)を選び出し、素
材を単に利用、または素材をもとにした作品を制作する
ような場合、各々の素材データに個別に、それぞれに最
適の加工の方法を予め定めておき、制作者が、定められ
た処理を行うことを可能にすることによって、上記目的
を達成することができる。ここでいう表現データとは、
特定の音響・音楽・静止画・動画・文字列・物体形状モ
デル・運動モデルなどを表すディジタル情報を指す。
【0037】上記処理情報は、(ア)「このパラメータ
を可変とせよ(このパラメータのみ変更を許可する)」
「このパラメータの既定値を…とせよ」「このパラメー
タのとりうる範囲を…とせよ」というように、パラメー
タを伴うコマンドである場合や、また、(イ)上記デー
タのこのような特定のパラメータを伴わないコマンド
(狭義のコマンド)を表すものである場合もある。
【0038】(ア)例えば、表現データの特性を示す固
有のパラメータの属性として、数値の他に、論理値(真
または偽の値をとる)や文字列などが含まれる。そこ
で、上記処理情報が、上記データの特定のパラメータの
み変更を許可する旨の指令内容である場合は、各々の素
材データに個別に、それぞれに最適のパラメータ操作に
よる加工の方法を予め定めておき、制作者が、定められ
たパラメータ操作を行うことを可能にすることによっ
て、上記目的を達成することができる。
【0039】表現データを記録する方法として、上述の
ように(記録方法1)ないし(記録方法3)の3つの方
法に分類する場合、本発明は後者2つ、すなわち、(記
録方法2)または(記録方法3)に含まれる。
【0040】(記録方法2)のパラメータのみを記録す
る場合について述べれば、ひとつの表現データを形成す
るパラメータは、通常、複数ある。例えば、音に関して
は、周波数、振幅、発音時間、その他である。しかし、
ある特定の表現データについて、多数のパラメータを操
作可能にすると、煩雑でわかりにくくなることがあるの
で、本発明では、それらのパラメータのうち、操作の必
要性が高いものを操作可能パラメータとして区別して記
録することにより、そのデータを利用する場合のパラメ
ータ操作の簡易化を図る。
【0041】また、(記録方法3)のサンプリングデー
タとパラメータを組み合わせて記録する場合について述
べれば、ある特定の表現データについてサンプリングデ
ータを用意し、操作の必要性が高いパラメータを操作可
能パラメータとして関連付けて記録することにより、そ
のデータを利用する場合のパラメータ操作の簡易化を図
ると同時に、ひとつのサンプリングデータから多様な表
現を可能にし、データの総量を抑える。なお、複数のサ
ンプリングデータについて、それらの混合率などをパラ
メータによって制御することも可能である。
【0042】(イ)また例えば、上述のように、上記処
理情報が、上記データの特定のパラメータを伴わないコ
マンド(狭義のコマンド)を表すものである場合に、こ
のような実行コマンドの例(パラメータを伴わないも
の)としては、各サンプルの絶対値や自乗を求めるもの
が考えられる。また、サンプリングデータが複数ある場
合に、それらの各サンプルを足し合わせるたりする処理
の記述も実行コマンドに含めることができる。実行コマ
ンドを実行することにより、元の表現データを加工し、
表現データに多様性を持たせることができる。
【0043】それゆえ、個別にデータを用意するのと異
なり、似たデータを2回以上使う場合にデータ総量を軽
減できるとともに、上記処理情報に沿って操作すれば、
データの内容に応じて処理内容が限定されているので、
その都度汎用のソフトウエアやハードウエアで、必要な
操作を調べて操作するのと異なり、所望の加工をするた
めの操作が容易である。
【0044】なお、実行コマンドに対してパラメータを
対応させて記録することもできる。例えば、音響データ
の各サンプルに特定の大きさの残響を付加しようとする
場合、残響量というパラメータと残響付加コマンドとが
存在する。
【0045】また、上記処理情報として、どれが実行さ
れてどれが実行されないかを示すためには、可変なパラ
メータや実行するコマンドがどれであるかを上記処理情
報として記憶するやり方や、あるいは逆に、例えば、す
べてのパラメータやコマンドの種類等の情報を記憶補助
装置等の所定の場所にあらかじめ格納しておき、そのう
えで、固定されて不変なパラメータや実行しないコマン
ドがどれであるかを記憶するやり方等を採ることができ
る。
【0046】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成に加えて、上記処理情報が、上記の特定の効果
に影響を与える特性についての代表的な設定内容を既定
値として選んでその既定値通りに設定する旨の指令内容
を含んでいることを特徴としている。
【0047】上記の構成により、上記の特定の効果に影
響を与える特性についての代表的な設定内容を既定値と
して選んでその既定値通りに設定する。
【0048】ほとんどの場合、上記代表的な設定内容の
ままで所望の結果が得られると推定される。それゆえ、
このような内容が、個々のデータと対応させて記憶され
るので、所望の加工をするための操作がいっそう容易に
なる。
【0049】例えば、指定されたパラメータの既定値
(デフォルトの値)を記録する。このように特定の表現
データに対する前記操作可能パラメータについて既定値
をパラメータに関連付けて記録することによって、該表
現データ特有の調整を容易にすることができる。
【0050】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成に加えて、上記処理情報が、上記特定の効果に
影響を与える特性を規定する上記データの固有のパラメ
ータを設定する処理であって、2つの端点を持つ入力動
作における両端点間の相対位置を指定することによりそ
の位置に対応した値を上記パラメータの値として入力す
る処理に関し、入力可能な値の範囲が狭くなるように、
上記各端点に対応する値を変更する旨の指令内容を含ん
でいることを特徴としている。
【0051】上記の構成により、上記特定の効果に影響
を与える特性を規定する上記データの固有のパラメータ
を設定する処理であって、2つの端点を持つ入力動作に
おける両端点間の相対位置を指定することによりその位
置に対応した値を上記パラメータの値として入力する処
理に関し、入力可能な値の範囲が狭くなるように、上記
各端点に対応する値を変更する。
【0052】例えば、動作のパラメータには、通常、適
切な範囲があり、それ以外の値を入力しても意味がな
い。スライダなどで、あまり大きな値を入力しても意味
がなくなる。そこで、スライダなどの入力部の1つの端
部に、意味のある最大値を対応させ、もう1つの端部
に、意味のある最小値を対応させる。それゆえ、動作に
無駄がなくなる。
【0053】すなわち、上記従来の第2ないし第4の方
法では、パラメータの変更範囲が、対象とする原音によ
っては冗長であることが多い。たとえば、鐘の音の周波
数は50Hzから1000Hzの間でないと効果音とし
てあまり意味をなさない。にもかかわらず、波形編集プ
ログラムでは、汎用性を持たせるために、周波数の変更
範囲を人間の可聴周波数である20Hzから20000
Hzまで設定可能としているといったようなことがよく
ある。したがって、これを1本のスライダなどで調整し
ようとすると、最適範囲が見かけ上狭くなり、調整が困
難になるという欠点がある。
【0054】これに対し、本発明では、前記操作可能パ
ラメータが、妥当と思われる最小値と最大値、あるい
は、最小値と可変範囲とをパラメータに関連付けて記録
することにより、そのデータを利用する場合に、パラメ
ータの可変範囲の不必要な部分を除外し、必要な部分で
精度の高い操作を容易に可能とする。
【0055】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成に加えて、上記処理情報が、上記特定の効果に
影響を与える特性を規定する上記データの固有のパラメ
ータを設定する処理に関し、上記パラメータの変更方法
を決める旨の指令内容を含んでいることを特徴としてい
る。
【0056】上記の構成により、上記特定の効果に影響
を与える特性を規定する上記データの固有のパラメータ
を設定する処理に関し、上記パラメータの変更方法を決
める。
【0057】例えばドレミを入力するなら、連続的な入
力として、スライダなどで音の高さすなわち周波数を連
続的に上げていくよりも、離散的な入力として、各音程
に対応したボタンなどを用意してそれを押すようにした
ほうが便利である。そのためこの場合は離散的な入力を
行うようにする。それゆえ、容易かつ正確に所望のパラ
メータ入力ができ、操作がいっそう容易になる。
【0058】すなわち、スライダのように連続的に調整
するよりも、切替スイッチのようなもので不連続に切り
替えるほうが使いやすいという場合もありうるが、上記
従来の第2ないし第4の方法のような波形編集プログラ
ム等では、汎用性を持たせるために、スライダを使わざ
るを得ないということもある。たとえば、鐘の音から
ド、レ、ミといった音階を得たい場合は、見かけ上無段
階のスライダでは正確な「レ」の周波数に調整すること
は困難である。
【0059】これに対し、本発明では、前記操作可能パ
ラメータが数値である場合は、パラメータの変更方法と
して、数字の直接入力(入力値に厳密性が要求される場
合)をはじめとして、スライダやつまみなどの連続可変
ツールを用いることが妥当である場合が多い。なお、こ
こでは、数値を最小1ステップ単位で動かすことができ
るユーザインターフェイスを連続可変ツールという。一
方、論理値である場合は、チェックマークや選択ボタン
などの不連続可変ツールが妥当である場合が多い。この
ような、特定のパラメータに最も適した変更方法をパラ
メータに関連付けて記録することによって、特定の表現
データに関して目的とするパラメータの変更操作を容易
にする。
【0060】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成に加えて、上記処理情報が、上記特定の効果に
影響を与える特性を規定する上記データの固有の離散的
なパラメータを設定する処理であって、連続可変な入力
値を複数の段階に分類してその段階に応じて上記パラメ
ータの値を決める処理に関し、上記段階の1個分に対応
する入力値の範囲を変更する旨の指令内容を含んでいる
ことを特徴としている。
【0061】上記の構成により、上記特定の効果に影響
を与える特性を規定する上記データの固有の離散的なパ
ラメータを設定する処理であって、連続可変な入力値を
複数の段階に分類してその段階に応じて上記パラメータ
の値を決める処理に関し、上記段階の1個分に対応する
入力値の範囲を変更する。
【0062】上記処理が、上記段階の1個分に対応する
入力値の範囲を拡大するものである場合には、入力動作
が微妙に異なるだけですぐに入力値が変わってしまう不
具合をなくすることができる。逆に、上記処理が、上記
段階の1個分に対応する入力値の範囲を縮小するもので
ある場合には、値を大きく変えたい場合に少しの動作だ
けで済むようにすることができる。それゆえ、特定の表
現データに関して目的とするパラメータの変更操作を容
易にすることができる。
【0063】すなわち、周波数で音階を設定する場合な
どのように、パラメータが数値であっても不連続可変ツ
ールが適する場合がある。このような、パラメータを変
更する際の最小の段階幅をパラメータに関連付けて記録
することによって、特定の表現データに関して目的とす
るパラメータの変更操作を容易にする。
【0064】また、本発明に係るデータ処理方法は、複
数の特性を有するとともに、特定の効果を表しうるデー
タを処理するデータ処理方法において、上記特性のうち
から上記特定の効果に影響を与える特性に関する特定の
処理のみを実行する旨を示す指令内容を記録した処理情
報を認識し、上記処理情報に示されている通りの処理を
行うことを特徴としている。
【0065】また、本発明に係るデータ処理装置は、複
数の特性を有するとともに、特定の効果を表しうるデー
タを処理するデータ処理装置において、上記特性のうち
から上記特定の効果に影響を与える特性に関する特定の
処理のみを実行する旨を示す指令内容を記録した処理情
報を認識する処理情報認識手段と、上記処理情報に示さ
れている通りの処理を行う処理手段とを備えたことを特
徴としている。
【0066】また、本発明に係るコンピュータ読み取り
可能な記録媒体は、複数の特性を有するとともに、特定
の効果を表しうるデータを処理するデータ処理プログラ
ムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体にお
いて、上記データ処理プログラムが、上記特性のうちか
ら上記特定の効果に影響を与える特性に関する特定の処
理のみを実行する旨を示す指令内容を記録した処理情報
を認識し、上記処理情報に示されている通りの処理を行
うことを特徴としている。
【0067】上記の構成により、上記特性のうちから上
記特定の効果に影響を与える特性に関する特定の処理の
みを実行する旨を示す指令内容を記録した処理情報を認
識し、上記処理情報に示されている通りの処理を行う。
【0068】それゆえ、個別にデータを用意するのと異
なり、似たデータを2回以上使う場合にデータ総量を軽
減できる。それとともに、上記処理情報に沿って操作す
れば、データの内容に応じて処理内容が限定されている
ので、その都度汎用のソフトウエアやハードウエアで、
必要な操作を調べて操作するのと異なり、所望の加工を
するための操作が容易である。
【0069】すなわち、上記のようにして記録された表
現データを読み込み、上記の可変パラメータのみを表示
して編集可能とし、編集された可変パラメータを元にし
て表現データを加工する。
【0070】あるいはまた、上記のようにして記録され
た表現データを読み込み、上記の加工処理の実行コマン
ドを実行することにより表現データを加工する。
【0071】なお、これらは、組み合わせて用いると効
果的な場合が多い。すなわち、上記の各記録方法を組み
合わせて記録された表現データを読み込み、上記の可変
パラメータのみを表示し編集可能とし、編集された可変
パラメータを実行コマンドに与え、実行することにより
表現データを加工する。
【0072】例えば、時間の進行に沿ったイベントが記
述されたシナリオデータの中のイベント情報と、上記の
ようにして記録された表現データとを、関連付けて記録
する。この表現データは、前記(I )の範疇に含まれ
る。
【0073】この場合は、定められた時間の進行に沿っ
たイベントが記述されたシナリオデータの中のイベント
情報と、上記のようにして記録された表現データとを関
連付けて記録することを少なくとも有してなることによ
って、上記目的を達成することができる。
【0074】ここでは、シナリオデータは時系列に配置
されたフレームデータ群によって構成され、あるフレー
ムから始まる表現データを付加する場合は、該当のフレ
ームデータにその表現データの名前あるいは位置を示す
データをセットすることにより関連付ける。
【0075】また、上記のようなシナリオデータを、定
められた時間の進行に沿って読み出し、シナリオデータ
の中のイベント情報に関連付けられた表現データを上記
のような方法によって加工し、加工された表現データを
再生することによって、上記目的を達成することができ
る。
【0076】シナリオデータの再生を開始し、表現デー
タが付加された当該のフレームに進んだところで、上記
の方法によって表現データを加工し、次いで再生する。
【0077】この場合、加工による処理時間分の再生の
遅れが生じるが、処理が十分に高速、あるいは処理負荷
が小さい場合には適用可能である。
【0078】あるいは、上記シナリオデータを、定めら
れた時間の進行を開始する前にあらかじめ読み出し、シ
ナリオデータの中のイベント情報に関連付けられた表現
データを、定められた時間の進行を開始する前に、上記
の方法によって加工し、加工された表現データを記憶
し、定められた時間の進行を開始し、定められた時間の
進行に沿って加工された表現データを再生することによ
って、上記目的を達成することができる。
【0079】ここでは、前述の例と異なり、シナリオデ
ータの再生を開始する前に、加工の処理を行う。これに
より、シナリオデータの再生中の負荷を軽減し、スムー
ズな再生を可能にする。
【0080】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図33に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。作品制作に適したコンピュータ
プログラムを用い、種々のパラメータやコマンドを操作
することによって表現データを加工処理し、アニメーシ
ョンソフトをはじめとする種々の作品が制作される。本
実施の形態は、このような表現データの加工処理に関す
るものである。
【0081】その概略を述べれば、まず、作品制作用コ
ンピュータプログラムを提供する側において、表現デー
タ記録方法として、パラメータやコマンド等の処理のう
ち、あらかじめ、その表現データにおいて期待される効
果を編集するのに適した特定のもののみを実行する旨
を、処理情報として、所定の「表現データ」ファイル中
に記録しておく。そして、作品制作者の側では、表現デ
ータ加工方法および表現データ再生方法として、作品制
作用コンピュータプログラムの提供者側から上記表現デ
ータファイルを受け取り、そのなかから上記処理情報を
読み出し、その処理情報に示されている範囲の処理を行
うことで、データを加工し、作品を制作する。これによ
って、作品の総データ量を少なく抑えるとともに、上記
パラメータやコマンド等の操作を用いてのデータ加工作
業を容易にすることができるようになっている。
【0082】図1を参照して、本実施の形態に係るこの
ような表現データ記録方法、表現データ加工方法、およ
び表現データ再生方法について説明する。本実施の形態
においては、表現データ記録方法、表現データ加工方
法、および表現データ再生方法は、コンピュータ100
により実現される。コンピュータ100は、所定のプロ
グラムを実行することにより、本発明の各ステップの処
理を実現するためのCPU101(処理手段、処理情報
認識手段)と、CPU101に接続されたメモリ102
と、CPU101に接続された補助記憶装置103と、
CPU101に接続されたディスプレイ画面104と、
CPU101に接続された入力装置105と、CPU1
01に接続された表現データ再生モジュール106とを
含み、以上を基本構成とする。
【0083】本発明における表現データとは、音響・音
楽・静止画・動画・文字列などの表現を表すディジタル
情報を指す。したがって、表現データが静止画・動画・
文字列など、ディスプレイ画面を用いて表現可能なもの
を扱う場合は、ディスプレイ画面104は表現データ再
生モジュール106を兼用することができる。
【0084】表現データが音響の場合は、表現データ再
生モジュール106は、図2に示すように、バッファメ
モリ、ディジタル・アナログ変換器、アナログ信号増幅
器、スピーカなどから成る。
【0085】表現データが音楽であり、かつ音符情報
(代表例としてMIDI:Musical Instrument Digital
Interfaceがある)を元にして発音する場合は、表現デ
ータ再生モジュール106は、図3に示すように、音源
装置、増幅器、スピーカなどから成る。以下、音楽とい
う場合は、音符情報を元にした表現データを指すことと
し、音響という場合は、波形データ(圧縮された波形デ
ータおよびパラメータにより表される波形データを含
む)を元にした表現データを指すこととする。
【0086】音響と音楽とは、併用する場合がある。し
たがって、表現データ再生モジュール106は、複数の
種類が混在する場合がある。この場合、アナログ信号増
幅器やスピーカを音響と音楽とで併用する場合がある。
【0087】図33は本発明の表現データ記録方法、表
現データ加工方法、および表現データ再生方法を実現す
るための機器構成の一例である。筐体3001には、図
1のCPU101、メモリ102、補助記憶装置103
などが内蔵されている。キーボード3002およびマウ
ス3003は入力装置105に該当する。ディスプレイ
画面3004はディスプレイ画面104に該当する。表
現データ再生モジュール106については、スピーカ3
005を用いる場合はそのスピーカ3005に該当し、
その他の部分は筐体3001に内蔵することができる。
【0088】まず、表現データが音響である場合につい
て説明する。はじめに、音響の表現データとして「鐘の
音」を選び、表現データの記録方法の例について述べ
る。
【0089】音響である表現データを記録するには、大
別して、(1)波形データそのものを記録する方法
(2)音響のパラメータを記録する方法(3)波形デー
タと音響のパラメータとを組み合わせて記録する方法が
考えられる。本発明は、このうち(2)パラメータを記
録する方法または(3)それらを組み合わせて記録する
方法の範疇に含まれる。
【0090】参考のために、(1)波形データを記録す
る方法を説明すると、図4に示すように、アナログの波
形信号を一定の時間間隔でサンプリングし、量子化して
記録する方法であるといえる。図中、201はアナログ
の波形信号であり、202はアナログ信号をサンプリン
グおよび量子化したディジタルデータである。
【0091】(2)のパラメータを記録する方法とは、
一定のモジュール構成により音響データを合成するため
に、周波数や発音時間その他のパラメータを記録する方
法である。実際に鐘らしい音を合成するには、例えば、
図5のようなパラメータ310およびモジュール構成3
20を用いて実現できることが知られている。つまり、
ハードウェアまたはコンピュータプログラムによる音響
シンセサイザを用いる場合である。すなわち、2種類の
周波数の正弦波を波形データ発生モジュールによって生
成し、それらを積算モジュールによってサンプル単位で
積算し、金属特有の周期波形を発生させる一方、エンベ
ロープ(時間に伴う音量変化)データに基づき、時間に
伴って減衰するという音量変化を付ける。
【0092】図5のモジュール構成320(すなわち、
各モジュールの特定とモジュール間の結線)の部分は、
固定である場合と可変である場合とが考えられ、実際の
音響シンセサイザについてもその2種類が存在する。こ
こで、モジュール構成が固定である場合を考えると、こ
の例において「鐘の音」という表現データを記録するに
は、310に示すように7個のパラメータの値を記録す
ることになる。
【0093】本発明において、(2)の記録方法を実現
する例として、これらパラメータの値に加えて、図6に
示すように、各パラメータに可変指定フラグを設ける構
成とすることもできる。可変指定フラグがYESになっ
ているパラメータはユーザ(作品制作者)による調整が
可能であると定義し、可変指定フラグがNOになってい
るパラメータは固定(定数)であると定義する。図6の
例では、「発音時間」と「第1発信モジュールの周波
数」との2種類のパラメータのみを調整することが、こ
の「鐘の音」に対しては必要かつ十分であると、こうい
ったデータを作成する側、すなわち作品制作用コンピュ
ータプログラムを提供する側では判断されているものと
し、それらに対応する可変指定フラグのみをYESとし
ている。
【0094】次に、本発明において、(3)波形データ
とパラメータとを組み合わせて記録する方法について、
図7を参照して説明する。同図に示すように、表現デー
タ501は、パラメータ502と波形データ513とを
有し、パラメータ502は、名前503、値504、お
よび可変指定フラグ505を有している。図7の表現デ
ータでは、波形データ513の他に、残響量511と再
生速度512との2つのパラメータを記録している。こ
こでは、波形データは、データ本体の長さ514と、実
際の波形データ515とから成る。また、この場合の再
生速度とは、波形データの再生速度であり、100%の
時は原音と同じ周波数で発音することを意味し、例えば
200%であれば原音の2倍の周波数で発音することを
意味することとする。また、残響量20%とは、原音に
対して振幅が20%の振幅の残響を付加することとす
る。残響時間など、他のパラメータについては、ここで
は固定とし、パラメータとしない。
【0095】この例でも、図6と同様の可変指定フラグ
505を設け、可変指定フラグがYESになっているパ
ラメータ、すなわちここでは、残響量のみユーザによる
調整が可能であると定義している。この可変指定フラグ
をYESとするかNOとするかは、この表現データを作
成する側、すなわちこの表現データおよび作品制作用コ
ンピュータプログラムを作品制作者へ提供する側があら
かじめ決めておく。
【0096】なお、(3)の波形データとパラメータと
を組み合わせて記録する方法については、パラメータが
調整可能であるか否かを、図7に示すような可変指定フ
ラグを用いることで示す方法の他に、図8に示すよう
に、可変パラメータがどれであるかを別に記す方法や、
図9に示すように、可変パラメータのみを記録する方法
が考えられる。図9の例では、可変パラメータ以外のパ
ラメータは、モジュール構成520(図7参照)内で定
められたの固定値を用いることになり、可変パラメータ
である「残響量」以外のパラメータは記録されていな
い。
【0097】その他、(3)の波形データとパラメータ
とを組み合わせて記録する方法については、図10に示
すように、波形データ名をパラメータとして保有し、実
際の波形データに関連付ける方法も考えられる。この場
合、波形データ名(文字列データの一種)を可変パラメ
ータとして扱うことも可能である。
【0098】また、図11は、ひとつの表現データの中
で、複数の波形データから成り立っていることもありう
ることを示す例である。この表現データでは、鐘の音を
表す"bell.wav"と、鐘を打ったときの打撃ノイズを表
す"strike.wav"という2つの波形データに対して、それ
ぞれの音量を可変パラメータとして保有し、鐘の音の多
様性を得ようとしている。
【0099】次に、「鐘の音」という音響である表現デ
ータに対する本発明の記録方法の例を図12を参照して
説明する。図12では、ひとつの表現データを、3つの
コマンドによって記録している。それぞれのコマンド
は、上から順に処理され、表現データとして出力される
ことが想定されている。それぞれのコマンドには、パラ
メータおよびその可変指定フラグが設定される場合もあ
るし、設定されない場合もある。この例では、「前後反
転」というコマンドについては、パラメータおよびその
可変指定フラグが設定されていない。
【0100】以上のようにして、表現データ「鐘の音」
を記録する。
【0101】次に、このようにして記録した、音響の表
現データ「鐘の音」を用いた、表現データの加工方法の
例について、図13、図14、および図15を参照して
説明する。
【0102】図13は、本発明によるコンピュータプロ
グラムのユーザインターフェイスの一例である。ここ
で、各ボタンすなわち表現データ読込ボタン901、加
工処理実行ボタン902および表現データ再生ボタン9
03、またパラメータ編集エリア904は、コンピュー
タプログラムにより、ディスプレイ画面900上に描画
されたものであり、マウスなどのポインティングデバイ
スの操作により、各ボタン押下などの入力処理が行われ
る。
【0103】図14は、本実施の形態における表現デー
タの例である。また、図15は本実施例における表現デ
ータ加工方法のフローチャートである。
【0104】まず、表現データの記録内容(図14)の
意味について説明する。この表現データは、文字列デー
タにより記述されている。先頭の2行1001と100
2は、"#param"というキーワード(識別子)によって、
それぞれ可変パラメータが何であるかを記述している。
これは、前述の表現データ501(図7参照)と同様の
記録方法である。すなわち、$TIMEと$LEVEL
という変数として表記されているのが可変パラメータで
ある。また、"value" の次の数値が該当のパラメータの
代表値であり、"from ... to ..." によって該当のパラ
メータの可変範囲を記述しており、"step"の次の数値
が、パラメータを変更する際の最小の段階幅を記述して
おり、さらに、"by ..."では、該当のパラメータの変更
方法(ユーザインターフェイスの種類)を記述してい
る。この例では、"by InputBox" が、数値をキーボード
から入力するための入力枠を用いることを意味し、"by
Slider" が、スライダ型の入力ツールを用いることを意
味している。これらの入力方法(ユーザインターフェイ
ス)は、コンピュータプログラムを構成する部品として
実現することができる。
【0105】図14の行1003は、 "read_file" と
いうコマンドが、"bell.wav"という固定パラメータを伴
っており、"bell.wav"という名前の波形データをメモリ
に読み込むという意味である。なお、ここで、「パラメ
ータ、コマンド」という順にしているのは、後述する実
装の容易さに基づくものであり、この逆順でも実装は可
能である。
【0106】行1004は、"amplitude" というコマン
ドが0.5という固定パラメータを伴っており、波形の
振幅を0.5倍に減衰させるということを意味する。
【0107】行1005は、可変パラメータ$TIME
を残響時間とし、可変パラメータ$LEVELを残響の
大きさとして、残響(reverb)効果を付加することを意
味する。最終の行1006は、波形の振幅データを正規
化(normalize :波形が歪まない範囲で最大の増幅を行
うこと)することを意味し、パラメータは伴っていな
い。
【0108】図14のような表現データは、固有の名前
(ファイル名:例えば、「鐘の音」)がつけられてお
り、ユーザ側でハードディスクなどの補助記憶装置に保
存しておくとよい。また、図14の例の場合、"bell.wa
v"という名前の波形データも、ファイルとして補助記憶
装置に保存しておくとよい。
【0109】次に、処理の流れについて説明する。ユー
ザ(作品制作者)が図13の表現データ読込ボタン90
1を押下すると、図15のS1101にて入力イベント
が検知され、判断・分岐ステップS1102にて表現デ
ータ読込処理ステップS1103への分岐が行われる。
【0110】上記表現データ読込処理ステップS110
3の詳細を示したものが図16である。表現データのフ
ァイル一覧を表示し(S1201)、ユーザが必要とす
る表現データ名を選択・決定し(S1202)、表現デ
ータの読み込みが行われる(S1203)。S1201
の時点の画面表示の例を示したものが図18である。こ
こでは、ファイル一覧が、面面中央に新たなウィンドウ
として描画された状態となっている。ユーザがマウスな
どによって必要な表現データの名前を指定し(ここで
は、反転表示された「鐘の音」)、OKボタンを押下す
ることによって、表現データの記録内容の読み込みが行
われる。ここで、S1201〜S1203の実装方法の
詳細については、一般的に行われている技術であるた
め、説明を省略する。
【0111】ステップS1204では、可変パラメータ
の解析・分離を行う。具体的には、行1001や100
2(図14参照)のように文字列で表された可変パラメ
ータおよびその特性を、区切りのスペースによって分割
し、図19のような、メモリ上に展開されたテーブルに
格納する。なお、このようなテーブルを用いなくても実
装は可能であるが、テーブルを用いることにより、以下
の実装方法が明快になる。次に、ステップS1205で
は、図19のテーブルを元にして、図13のパラメータ
編集エリア上に、パラメータ変更操作のためのユーザイ
ンターフェイスを描画する。
【0112】図20は、描画が完了した状態、すなわち
表現データ読み込み処理S1103の処理後の状態の例
である。表示画面1600には、前述同様、各ボタンす
なわち表現データ読込ボタン1601、加工処理実行ボ
タン1602および表現データ再生ボタン1603が表
示される。図19で、パラメータ$TIMEについて
は、変更方法として"InputBox"が指定されていることに
対応し、図20では入力枠1612を表示している。パ
ラメータ名1611や最小値1613、最大値161
4、既定値1615のそれぞれの表示は、図19のテー
ブルの$TIMEの行の内容を元にして表示している
(単位はミリ秒)。
【0113】パラメータ$LEVELについても同様で
ある。$LEVELの場合は、変更方法が"Slider"であ
ることから、各表示方法は、スライダ1622に適した
表示方法としている。例えば、パラメータの既定値は数
字ではなく、スライダのノブ1625の位置によって表
示されている。なお、入力枠とスライダの使い分けとし
ては、入力枠は正確な数値の数値設定に適し、スライダ
は直感的で迅速な数値設定に適する。
【0114】このようなパラメータの変更方法は、様々
な方法が考えられる。図21ないし図25は、パラメー
タの変更方法(グラフィカルユーザインターフェイス)
のいくつかの例を示したものである。
【0115】図21(a)の2401は、前述のスライ
ダである。図21(b)の2402は、前述の入力枠で
ある。この例では、スライダでは入力の困難な小数を正
確に入力していることを示している。図21(c)の2
403も、入力枠である。この例では、スライダでは入
力できない文字列を入力していることを示している。こ
の例では、"Mild"というパラメータ値により、なんらか
の効果を柔和にすることを示唆している。図21(d)
の2404は、スライダの一種であるが、水平方向に可
動となっている。これは、例えば音響に対しては左右の
定位を制御することなどに適している。表現データへの
記述としては、前述の"Slider"と区別するために、 "ho
lizontal_slider" 等、別の識別名とするか、あるい
は、"Slider"に、表示形態を制御する記述"holizontal"
を追加するなどしてもよい。図21(e)の回転ノブ2
405は、スライダと同様に値を変更するユーザインタ
ーフェースである。これは、小型にできるため、多くの
パラメータを並べて調整したい場合などに適する。
【0116】図22(a)の2406は、ドロップダウ
ンリストと呼ばれるものであり、あらかじめ決められた
文字列パラメータのうちから一つを選択する場合に適し
ている。図22(b)の2407は、ラジオボタンと呼
ばれるものであり、ドロップダウンリスト2406と同
様の目的の他、場合によっては複数のパラメータ値を同
時に選択可能とすることもできる。図22(c)の24
08は、チェックボックスと呼ばれるものであり、真か
偽かの論理値をパラメータ値とすることができる。図2
2(d)のスイッチ2409は、電気系統のスイッチを
模倣することにより、チェックボックス2408と同様
の機能をより視覚的に表したものである。
【0117】図23の座標枠2410は、X、Yという
2つのパラメータを同時に、言い換えれば2次元のベク
トル値を入力するためのユーザインターフェースであ
り、十字形の指示子を動かすことで、XおよびYの値を
指定することができる。
【0118】図24の波形入力部2411は、波形をフ
リーハンドで描いて入力することを想定したユーザイン
ターフェースである。実際は一連の音響波形を描くこと
は困難であるが、1周期分の波形や音量変化を入力する
場合に使用できる。
【0119】図25のタップ2412は、ユーザがマウ
スを用いて円内を複数回クリックする時間間隔を検知
し、内部でパラメータ値に変換して入力することを想定
したものであり、テンポの入力などに適している。
【0120】次に、図16のステップS1205の中
で、このような一連の判断および描画処理が、すべての
可変パラメータについて行われた後、図15のステップ
S1101に回帰する。
【0121】次いでユーザが行う操作は、通常は、図2
0で、図中、1615またはスライダのノブ1625で
示す、それぞれのパラメータの既定値を変更することと
なる。この変更操作はキーボードまたはマウスなどの入
力デバイスによって行われ、それによる入力イベントが
検知され(S1101)、パラメータ変更処理S110
6に分岐する。S1106では、ユーザの操作に応じ
て、対象となるパラメータの値を変更する。例えば、図
20でユーザが$TIME(残響時間)の値(1615
で示す既定値)を「500」から「600」に変更した
とすると、図19の$TIMEの値が「500」から
「600」に更新される。
【0122】そして、変更後のパラメータ(例えば$T
IME)の値(600)をそれが該当する#param行($
TIMEであれば図14中の1行目の行1001)の"v
alue" の次の数値として記録した表現データを、ユーザ
が任意の新しい名前の表現データとして保存する。例え
ば、「鐘の音2」等のように名前を付ければよい。
【0123】なお、図19では、パラメータ$TIME
の最小段階幅が「10」に設定されている。これは、入
力枠1612に入力される数値を10刻みとするという
ことを意味する。具体的には、入力しようとした値をパ
ラメータテーブル(図19)に格納する前に、例えば、 min+[(i−min)÷step]×step 但し、 i:入力しようとした値 min:最小値 step:最小段階幅 []:大括弧内の端数を切り捨てる という計算によって、10刻みの数値に強制的に変換す
るとよい。図20の例では、入力枠1612に数値「6
05」が入力された場合、0+[(605−0)÷1
0]×10=600となり、「600」という値をパラ
メータテーブルに格納するとよい。
【0124】以上のようにして、ユーザは、必要なパラ
メータ値をすべて変更した後、加工処理実行ボタン16
02(図20参照)を押下することになる。これによ
り、加工処理S1104の処理が開始される。
【0125】表現データ加工処理S1104の基本的な
考え方を示したものが図17であり、それを基にした詳
細の例を図26に示す。また、図26で用いるメモリの
内容を、図27、図28、および図29に示す。
【0126】まず、図17について説明する。表現デー
タに記述されている各コマンドを解析・分離し(S13
01)、#param行に含まれる可変パラメータの値を適用
(S1302)したうえで、以降に記述されたそれぞれ
のコマンドを実行する(S1303ないしS130
5)。
【0127】次に、その詳細について図27を用いて説
明する。表現データ領域1801は、図14のような表
現データを格納する領域である。表現データ領域180
1の中で、#paramの行を除いて、空白で区切られた文字
列を、ここでは「ワード」と呼ぶことにする。表現デー
タポインタ1802は、表現データ領域の特定の位置を
指し示すポインタである。特定ワード領域1803は、
表現データ領域1801の中から切り出された特定のワ
ードを格納する領域である。スタック1804は、後入
れ先出し方式(LIFO:Last In First Out )のメモ
リ領域であり、スタック要素1805の列によって構成
される。スタック要素1805は、論理的には、数値、
文字列、波形、画像など、多様なデータ型(可変長デー
タを含む)を格納する。スタック要素1805の実装と
しては、例えば、図28に示すように、データ型を、識
別コード、実体データを指すポインタ、実体データなど
構成するとよい。また、最後に格納されたスタック要素
の位置は、スタックポインタ1806に格納される。前
記後入れ先出し方式のスタックの原理の詳細については
公知であるので説明を省略する。
【0128】次に、図26を参照して、加工処理の流れ
を説明する。また、処理の流れに沿ったスタック180
4の状態遷移を図29に示す。ステップS1701で
は、表現データポインタ1802が表現データ領域の先
頭を指すようにセットする。ただし、可変パラメータの
記述行(すなわち#記号のある行)を除く。ステップS
1702では、表現データポインタが最後ではないの
で、ステップS1703に進む。ワード切り出しステッ
プS1703では、表現データポインタを次の空白に出
くわすまで1文字ずつ進めると同時に、特定ワード領域
1803にそれぞれの文字を複写することによってワー
ドを切り出す。
【0129】ワード内容判断ステップS1704では、
特定ワード領域1803内のワードが、パラメータ(数
値や文字列など)であるのか、コマンドであるのか、あ
るいは可変パラメータ名であるのかの判断を行い、それ
によって分岐する。例えば、数値であることを判断する
には、ワードの先頭の文字が0〜9の数字で始まるかど
うかを調べ、文字列であることを判断するには、ワード
の先頭の文字が二重引用符(" )であるかどうかを調
べ、可変パラメータ名であることを判断するには、先頭
が$であるかどうかを調べ、それ以外のワードをコマン
ドとみなす、という方法がある。図14の表現データの
例では、最初のワードが"bell.wav"であるので、二重引
用符の内側が文字列パラメータとみなされ、ステップS
1705で、文字列データがスタック1804に格納さ
れる。この時点のスタックの状態は、図29の状態20
01で示される。
【0130】同様にして、ステップS1703で次のワ
ードread_file(図14参照)が切り出される。次のス
テップS1704では、コマンド側に分岐し、処理コマ
ンドとして実行される。read_fileというコマンドは、
ここでは、次の動作を行うものとする。すなわち、スタ
ックの先頭要素(最後に格納されたスタック要素)を波
形ファイル名とみなし、その波形データを読み込むとと
もに、スタックの先頭要素をその波形データで置き替え
る動作を行うものである。図27に示す例では、read_
fileコマンド完了時点のスタックの状態は図29の状態
2002となる。
【0131】同様にして、ステップS1703で次のワ
ード0.5が切り出される。0.5は数字で始まるの
で、図29の状態2003のように、スタックの先頭に
数値として格納される。
【0132】同様にして、ステップS1703で次のワ
ードamplitude (図14参照)が切り出される。amplit
ude はコマンドであり、ここでは、次の動作を行うもの
とする。すなわち、スタックの先頭要素である数値とス
タックの2番目の要素である波形データを取り出し、波
形データの各振幅データに数値を掛け合わせ、先頭要素
としてその波形データを格納する動作を行うものであ
る。
【0133】ただし、スタックから要素を「取り出す」
と、その要素はスタックから消失するものとする。ampl
itude コマンドでは、スタックから要素を取り出す動作
を2回行い、格納動作を1回行う。したがって、スタッ
ク内に格納されている要素の個数は、図29の状態20
04に示すように、コマンド実行前に比べて1つ減少す
る。
【0134】同様にして、ステップS1703で次のワ
ード$TIMEが切り出される。$TIMEは$で始ま
るので、S1704で可変パラメータ名と判断され、ス
テップS1707で、パラメータテーブル(図19)か
ら、$TIMEに対応する値(図19では500)を得
て、スタックの先頭に格納する。この状態が図29の状
態2005である。同様にして、$LEVELに対応す
る値がスタックの先頭に格納された状態が図29の状態
2006である。
【0135】次に切り出されるワードreverb(図14参
照)は、次の動作を行うコマンドとする。すなわち、ス
タックの先頭要素である数値Aとスタックの2番目の要
素である数値Bとスタックの3番目の要素である波形デ
ータを取り出し、波形データに対して数値Aの大きさか
つ数値Bの長さの残響を付加し、先頭要素としてその結
果の波形データを格納する動作を行うものである。
【0136】reverbコマンドでは、スタックから要素を
3回取り出し、1回格納する。したがって、要素の数
は、図29の状態2007に示すように、コマンド実行
前に比べて2つ減少する。
【0137】次に切り出されるワードnormalize は、次
の動作を行うコマンドとする。すなわち、スタックの先
頭要素の振幅に一定の数値を掛け、歪みが生じない範囲
で最大化する動作を行うものである。
【0138】normalize コマンドでは、スタックの要素
の数は増減しない。したがって、normalize コマンドの
実行結果は、図29の状態2008に示すように、状態
2007に比べて要素数は変わらない。しかしながら、
スタックの先頭要素の波形データの内容は加工され、異
なる状態となる。
【0139】以上のように、コマンドと対応するパラメ
ータ群の順序を、図14の例のように、「パラメータ
群、コマンド」とすることにより、スタックを用いた実
装が比較的容易となる。なお、以上のようなスタックを
用いた実装方法では、直列的な加工処理の他に並列的な
加工処理の記述も可能であるが、説明は省略する。
【0140】以上のような加工処理の後、ユーザが表現
データ再生ボタン903(図13参照)を押下すること
により、表現データ再生処理S1105が実行される。
この例では、状態2008の波形データを一定のクロッ
ク周波数で読み出し、ディジタル・アナログ変換した信
号を増幅し、スピーカを駆動することによって再生が行
われる。
【0141】以上の例では、表現データが音響である場
合について説明したが、表現データが、静止画、動画、
文字列など、音響以外の形態であっても、各コマンドの
機能を変える以外は、同様の処理方法で表現データを編
集および加工することができる。
【0142】例として、次の表現データは、静止画を対
象とすることを想定したものである。
【0143】#param $BLIGHTNESS by Slider value 50
from 0 to 100"original.bmp" read_file$BL
IGHTNESS brighten意味としては、
「可変パラメータ$BLIGHTNESSの値はスライ
ダによって調整され、既定値50、最小値0、最大値1
00をとる。加工処理を実行すると、”origina
l.bmp”という名前の画像ファイルを読み込み、$
BLIGHTNESSという値をパラメータとして、br
ightenという、明るさを調整するコマンドが実行され、
画像の各画素の明るさが調整される。」となる。ここ
で、"original.bmp"が動画ファイルである場合も、同様
の記述が可能である。
【0144】なお、これらの例で、元のファイルを読み
込むために、read_fileという共通のコマンドを用いて
いるが、元のファイルが音響・画像などのどの種類に属
するかで読み込み方法が異なるため、それらを判別する
必要があり、ひとつの方法としては、ファイル名の拡張
子("original.bmp"では".bmp")などを種類別に定め、
判別する方法がある。また、画像の読みコマンドをread
_image とするなどのように、種類によって読み込みコ
マンドを別にする方法もある。
【0145】もうひとつの例として、次の表現データ
は、文字列を対象とすることを想定したものである。
【0146】#param $THICKNESS by InputBox value 5
from 1 to 10"original.txt" read_file$THICKNESS b
old意味としては、「可変パラメータ$THICKNE
SSの値は入力枠によって調整され、既定値5、最小値
1、最大値10をとる。加工処理を実行すると、"origi
nal.txt"という名前のテキストファイルを読み込み、$
THICKNESSという値をパラメータとして、bold
という文字の太さを調整するコマンドが実行され、各文
字の太さが調整される。」となる。なお、この例では、
文字列の属性を加工するものであるが、他にも例えば、
「である」を「です」に加工する場合などのように、内
容、すなわち文字コードの内容や数の変更を伴う加工も
ありうる。
【0147】もうひとつの例として、次の表現データ
は、3次元形状モデルを対象とすることを想定したもの
である。
【0148】#param $SMOOTHNESS by Slider value 5 f
rom 1 to 10"original." read_file$SMOOTHNESS smoot
h意味としては、「可変パラメータ$SMOOTHNE
SSの値はスライダによって調整され、既定値5、最小
値1、最大値10をとる。加工処理を実行すると、"ori
ginal." という名前の3次元形状モデルファイルを読み
込み、$SMOOTHNESSという値をパラメータと
して、smoothという、例えば座標値の移動平均などによ
る、形状の滑らかさを調整するコマンドが実行され、形
状の滑らかさが調整される。」となる。なお、3次元形
状モデルは前記(II)の範疇、すなわち「他の構成要素
(色、材質、光源、視点など)と組み合わせることで、
はじめて再生(表示)可能となる表現データ」に属す
る。そのため、これ単体ではシナリオデータとの組み合
わせは想定されない。
【0149】また、表現データの種類が、加工前と加工
後で異なるような記述も可能である。次の例は、音響の
波形ファイルを読み込み、波形を視覚化した画像に加工
することを想定した表現データである。
【0150】#param $WIDTH by Slider value 50 from
1 to 100#param $HEIGHT by Slider value 50 from 1 t
o 100"original.wav" read_file$WIDTH $HEIGHT wav
e_to_image意味としては、「可変パラメータ$WID
THおよび$HEIGHTの値はそれぞれスライダによ
って調整され、既定値50、最小値1、最大値100を
とる。加工処理を実行すると、"original.wav"という名
前の波形ファイルを読み込み、$WIDTHおよび$H
EIGHTという値をパラメータとして、wave_to_im
age という、波形データを$WIDTH画素×$HEI
GHT画素の、波形を描画した画像データに変換するコ
マンドが実行される。」となる。
【0151】その他、表現データの種類が、加工前と加
工後で異なる例として、文字列データを読み込んで、音
声データに加工する場合などが考えられる。この場合、
可変パラメータとしては、音量、再生音の高さ、再生テ
ンポなどが考えられる。
【0152】次に、アニメーションなどのシナリオデー
タについて本発明を用いた表現データ再生方法の例につ
いて、図30および図31を参照して説明する。なお、
基本的な部分は図52を用いてすでに説明した通りであ
るので説明を省略する。
【0153】図30の例では、シナリオデータ2100
は、フレームデータ2101の配列によって構成され、
第3フレームに表現データ2110の名前「低い鐘の
音」が、第3フレームに表現データ2120の名前「高
い鐘の音」が、それぞれセットされ、それぞれの表現デ
ータに対応している。また、表現データ2110および
2120のデータの中、すなわち行2112および行2
122に、"bell.wav"という共通の波形データの名前を
記述し、実際の波形データ2130に関連付けている。
また、表現データ2110と表現データ2120との相
違点は、可変パラメータ$RATEの値である0.5
(2111)と1.0(2121)であり、これによ
り、それぞれの表現データの、波形に対する読み出しレ
ートが、0.5および1.0、すなわち、前者は後者よ
りも半分の周波数で再生するように加工するということ
を表している。本発明の図30と従来例の図52を比較
すると、この場合、本発明では一般にデータ量の大きい
波形データがひとつで済むことがわかる。
【0154】上記加工を行うためのパラメータの設定処
理は、具体的には次のようになる。すなわち、アニメー
ション(作品)制作者は、シナリオデータ2100中
で、低い鐘の音を鳴らしたい個所のフレーム番号を決め
る(図30では「3」)。その個所において、アニメー
ション作成ソフトで、例えば以下のような表現データ
「鐘の音(周波数変更用)」を読み込む。
【0155】#param $RATE value 1.0 from 0.1 to 2.0
by Slider"bell.wav" read_file$RATE pitch_shif
t次に、周波数の変化の度合いを表すパラメータである
$RATEを0.5に変更する。そして、変更後の$R
ATEを#param行の"value" の次の数値として記録した
表現データを、「低い鐘の音」という新しい名前の表現
データ(2110)として保存する。なお、元の表現デ
ータ「鐘の音(周波数変更用)」は、更新されずに残る
ものとする。
【0156】第5フレームの「高い鐘の音」の場合も同
様である。すなわち、シナリオデータ2100中で、高
い鐘の音を鳴らしたい個所のフレーム番号(図30では
「5」)を決め、その個所において表現データ「鐘の音
(周波数変更用)」を読み込む。次に、$RATEを
1.0とする。なお、この場合は、はじめから1.0で
あるので、実際には修正は不要である。そして、その$
RATEを#param行の"value" の次の数値として記録し
た表現データを、「高い鐘の音」という新しい名前の表
現データ(2120)として保存する。
【0157】なお、フレームデータ2101について
は、再生時間または待機時間の情報を含め、シナリオの
進行時間を制御すると、より実用的であるが、ここで
は、説明の簡便のために省略している。
【0158】次に、上記のようにアニメーションなどの
シナリオデータについて本発明を用いた表現データ再生
方法の例について説明する。図31のステップS220
1で、フレーム番号を表す変数Pに初期値1がセットさ
れる。ステップS2202では、第Pフレーム、すなわ
ち図30のシナリオデータの1つ目のフレームデータが
読み出される。1つ目のフレームデータには、表現デー
タ名がセットされていないので、ステップS2203で
は、NOに分岐し、ステップS2206では、Pは最終
ページではないので、NOに分岐し、ステップ2207
でPに1が加えられ、S2202に戻る。同様に、2つ
目のフレームデータにも表現データ名がセットされてい
ないので、Pが3となってS2202に戻る。3フレー
ム目には表現データ名“低い鐘の音”がセットされてい
るので、ステップS2203でYESに進み、ステップ
S2204で表現データの加工処理が行われる。このデ
ータの加工処理は前述の図17の流れに従って行う。続
いてステップS2205で加工済みの表現データが再生
される。
【0159】同様にして、フレームデータが順次読み込
まれ、第5フレームでは“高い鐘の音”という表現デー
タにより、データの加工・再生が行われる。
【0160】シナリオデータをテスト再生する中で、も
し、特定の表現データに修正の必要が生じた場合は、シ
ナリオデータの再生を停止させ、前記図20を用いて説
明した方法により、表現データを修正するとよい。修正
により、パラメータテーブル(図19)の該当パラメー
タの値が変更されるが、この値は、表現データのファイ
ル(2110または2120)のvalue の次の数値に反
映させ、保存しておけばよい。
【0161】"#param"識別子は、今が加工時か再生時か
を判断して(例えばシナリオデータ編集ソフト(アニメ
ーション作成ソフト)側から現状の情報を受け取る)、
再生時であれば、「この行中の"value" の次の数値を用
いて再生せよ」という意味の命令としてシナリオデータ
編集ソフトに解釈されるように、機能が変化するように
なっている。このため、再生時には、表現データ中の#p
aramの行の"value" の次の数値がそのパラメータ(例え
ば$TIME)の値として用いられて再生される。
【0162】また、このように表現データの"value" の
次の数値を更新するやり方以外に、例えば、表現データ
自体は更新せずに、シナリオデータの該当個所に、表現
データとは別に、その表現データに対応して、そのパラ
メータ(例えば$TIME)の決定値を埋め込んでお
き、再生時にはその個所のデータを参照して再生するよ
うにしてもよい。この場合は、"#param"識別子は、どの
パラメータが可変であるかを示す機能は有する一方で、
上記のような機能変化はしない。この場合、表現データ
は図30の2110、2120のように別個として保存
する必要はなく、一つの表現データを共通に用いること
ができる。
【0163】なお、上記のように表現データに沿った実
際のデータ(例えば音響の場合は波形データ)の加工は
再生時に初めて行うというやり方では加工処理の負荷が
大きい場合、すなわち加工処理に長時間を要する場合
は、シナリオデータの進行に支障をきたす可能性があ
る。そこで、そのような場合には、以下のようにするこ
とによって、シナリオデータ再生中の処理負荷を軽減さ
せることができる。この処理の流れを図32に示す。
【0164】すなわち、シナリオデータの再生開始指示
の後、実際に再生を開始する前に、シナリオデータの各
ページ情報の中のそれぞれの表現データ名を調べ(S2
301〜S2303)、一括してあらかじめ図17の方
法で加工処理を行っておく(S2304〜S230
6)。加工し終えた表現データは、すべて、再生前にあ
らかじめメモリやディスクに格納しておけばよい。次い
で、シナリオデータの実際の再生を開始し(S2311
〜S2312)、表現データを再生すべき個所に達する
と(S2313)、あらかじめ加工しておいたデータ
(例えば音響の場合は波形データ)を単に再生(S23
14)するようにするとよい。この場合、加工後の表現
データを再生する処理(S2311以降)は、図52の
ような従来のシナリオデータを再生する場合と同様であ
る。
【0165】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図34ないし図51に基づいて説明すれば、以
下の通りである。すなわち、本発明が有効な他の例とし
て、電子文書の中に画像を配置する場合について説明す
る。なお、電子文書には、最終的に紙媒体に印刷するこ
とを目的としたものと、ディスプレイ画面や投影によっ
て見ることを目的としたものとの両方があるが、編集時
においては本質的な違いはなく、本発明はいずれに対し
ても適用可能である。主に紙媒体に印刷することを目的
とした電子文書を扱うシステムとして、ワードプロセッ
サやDTP(Desk Top Publishing) システムなどがあ
る。また、主にディスプレイ画面や投影によって見るこ
とを目的とした電子文書を扱うシステムとして、プレゼ
ンテーション資料作成システムや、WWW(World Wide
Web)などがある。
【0166】これら、画像を含んだ電子文書のデータ構
造として、図34に示すように、文書データが画像デー
タを内包している場合や、図35に示すように、文字デ
ータを主体とする文書データ中の特定の部分が画像デー
タを指し示している場合や、図36に示すように、基盤
となる文書データそのものは文字データを含まずに、そ
の中から文書データや画像データを指し示している場合
などがある。
【0167】上記WWWは、インターネットに代表され
る通信ネットワークを介して、サーバ内の電子文書を閲
覧する仕組みであり、そのデータはHTML(Hyper Tex
t Markup Language)文書と呼ばれている。HTML文書
の構造は、図35に該当する。すなわち、図37のよう
な外観の文書を表示するために、図39のようなHTM
Lが使われる。図39では、文書の中で、画像を表示す
べき部分に<IMG・・・>(image) という表記(タ
グ)が配置され、このIMGタグに内包されるSRC(s
ource)属性により、表示すべき画像データのファイル名
が記される。
【0168】ここで、HTML文書について、従来の編
集方法と、本発明を適用した編集方法の例とを示す。
【0169】HTML文書の編集には、従来、HTML
を構成する文字列(タグを含む)を文字列エディタを用
いて直接編集する方法と、HTML専用のエディタを用
いて、表示状態を確認しながら直感的に編集する場合と
がある。専用のエディタ上では、通常、タグは表示され
ない。図37は、一般のHTML専用エディタの画面表
示の例である。編集画面4502、文字列4503、画
像4504が描かれている。図37では、通常の文字列
エディタまたはワードプロセッサと同様に、入力カーソ
ル4505の位置に文字を入力していくことを基本とす
るが、画像を入力したい個所を入力カーソル4505で
指定して、画像設定ボタン4501をマウスでクリック
すると、図38に示すように、使用可能な画像ファイル
の名前の一覧4506が表示され、必要な画像ファイル
名を選択したうえでOKボタンを押すと、必要な画像が
入力カーソル位置に表示される。同時に、内部的には、
HTML文書中の該当位置に<IMG ・・・>タグが
挿入される。
【0170】このとき、選択した画像に対して特定の加
工を行いたい場合がある。例えば、図37の例では、画
像中のキリンの首をもう少し長くしたい、といったよう
な場合である。このような場合、従来は、画像加工プロ
グラムを起動してキリンの画像を読み込み、画像加工プ
ログラムに装備された多数のコマンド群を駆使して、画
像中のキリンの首を長く加工したうえで再び保存する、
というようなことが行われる。しかし、このような加工
を行うには、画像加工プログラムの多数のコマンド群の
使用方法を熟知している必要があり、初心者には困難で
ある。
【0171】ここで、本発明を用いた編集方法の例を説
明する。図40は、本発明を用いたHTMLエディタの
外観すなわち画面表示の例である。編集画面4602、
文字列4603、画像4604が描かれている。図43
は、図40に対応するHTML文書の例である。ここ
で、<PROCESS ・・・>という開始タグおよび
</PROCESS>という終了タグが使われている
が、これらのタグは、従来のHTMLでは規定されてい
ない。すなわち、一般のWWWブラウザ(閲覧プログラ
ム)を用いて、図43のHTML文書を表示させた場
合、<PROCESS・・・>および</PROCES
S>は未定義タグであると認識され、機能としては無視
され、表示もされない。ただし、両タグに挟まれた<I
MG ・・・>タグは通常通り処理される。このよう
に、一般のWWWブラウザを用いた場合も、表示上は図
40のような外観となる。
【0172】<PROCESS ・・・>および</P
ROCESS>というタグは、図40すなわち本発明を
適用したHTMLエディタで編集する場合には以下のよ
うな特定の機能を持つ。以下、本発明を用いたHTML
エディタのフローチャートの例である図51を用いて説
明する。
【0173】第1の操作として、従来同様、入力イベン
ト待ちの状態S4701において、キーボードから文字
が入力されると、S4702で入力イベントの種類が判
定されて、S4711にて、HTMLの該当位置にその
文字が追加される。
【0174】第2の操作として、従来同様、S4701
において、編集画面4602の任意の位置がマウスでク
リックされると、S4703にてクリック位置に応じて
分岐し、S4721にて次回の入力位置が変更され、入
力カーソル4606が、クリックされた位置付近に移動
される。
【0175】第3の操作として、画像設定ボタン460
1がマウスでクリックされると、上記同様S4703に
て分岐し、S4741にて、図41に示すように、表現
データの一覧表4608が表示される。この一覧表は実
際の画像ファイルの一覧表ではなく、図44や図46に
示すような、画像を加工するための表現データ4625
・4627などの名前(「ぞう」、「きりん」)の一覧
表である。次に、S4742にて、表示枠4609のう
ちの例えば「ぞう」という表現データが選択され、OK
ボタン4610が押されると、S4743にて、HTM
L文書の該当位置に、図43に示す4621ないし46
23の3行が追加される。この3行の、本エディタにお
ける意味としては、次の通りである。
【0176】<PROCESS METHOD=" ぞ
う" $nose_length=5>は、加工可能な表現データ「ぞ
う」による画像を挿入する。パラメータ $nose_length
(鼻の長さ)は5とする。この $nose_lengthは、表現
データ4625に記述されている $nose_lengthの初期
値(value) である5が適用された結果である。
【0177】<IMG SRC="output1.gif" >は、
加工された出力画像を"output1.gif" という名前の画像
ファイルとして保存する。このタグは、通常のWWWブ
ラウザによっても処理され、画像が表示されることにな
る。
【0178】</PROCESS>は、PROCESS
タグの終了を示す。
【0179】次に、S4744では、表現データ「ぞ
う」4625(図44参照)による初期の加工が実行さ
れる。表現データ「ぞう」4625の内容は、図45に
示すような"elephant.v"という原画像4626を読み込
み、パラメータ $nose_length(=5)を適用して、象
の画像を描画して出力する、という意味である。
【0180】ここで、行4622(図43参照)の記述
により、出力画像は、"output1.gif" という名前で保存
される。この名前は、ここでは、エディタが自動的に生
成する、重複しない名前とする。
【0181】なお、入力画像"elephant.v"は、ベクトル
で記述された画像形式とすることにより、この例のよう
に「鼻の長さを加工する」というような加工方法を比較
的簡単に実装することができる。例えば、 LINE(0,0)−(1,1)−(1,0)−(0,
0) というベクトル表現により、座標(0,0)、(1,
1)、(1,0)を頂点とする三角形を記述することが
できる。
【0182】図48は、ベクトルで表された象の構造の
例であり、△印に対応する頂点の座標データ群を保有す
るとよい。図48では、象の鼻の先端の2つの座標46
31・4632を操作することにより、鼻の長さの異な
る象の画像を記述することができる。図中、4633お
よび4634は、鼻の付け根の座標である。
【0183】このような操作は、あらかじめ、これら2
つの座標4631・4632が可変であって、鼻の長さ
の変更が指示された場合にこれらの座標がその指示に沿
って変更されることを記述しておけばよい。図48で象
の鼻の先端の座標4631・4632が可変であること
を記述するためのひとつの方法として、ベクトル表現の
中で変数を含めて記録しておく方法がある。これについ
て述べる。
【0184】すなわち、まず、図48で、象の鼻を構成
する4点の座標4633、4631、4632、463
4をそれぞれ、鼻の部分の拡大図である図49に示す4
点、すなわち(4,9)、(5,2)、(8,2)、
(7,7)とすると、鼻の部分の形状を前述のベクトル
を用いて通常通り表現すれば、 LINE(4,9)−(5,2)−(8,2)−(7,
7) となるが、本実施の形態では、先端の座標4631およ
び4632のY座標が可変であり、外部のパラメータ
(ここでは鼻の長さ($nose_length) )によって制御さ
れうることを表現するために、例えば、このベクトルデ
ータ"elephant.v"を、次のように表現するとよい。
【0185】y=7−param1 LINE(4,9)−(5,y)−(8,y)−(7,
7) となる。
【0186】一方、表現データ4625が実行される
と、次のように動作する。
【0187】(1) "elephant.v" という文字列をスタ
ックの先頭に格納する。
【0188】(2) read_fileというコマンドによっ
て、スタックの先頭をファイル名とみなし、該当のファ
イルを読み込み、その内容(象のベクトルデータ)によ
ってスタックの先頭を置き換える。なお、ベクトルデー
タをスタックの要素として格納するには、図28の「文
字列データの場合」に準じた方法を採ればよい。
【0189】(3) $nose_lengthという変数(パラメ
ータ)が持つ値(例えば、初期値である5)を、スタッ
クの先頭に格納する。
【0190】ここまでの操作により、スタックの先頭か
ら順に、「5」、「象のベクトルデータ」が格納された
状態となる。
【0191】次に読み出されるdrawというコマンドは次
のような動作をするものとする。すなわち、スタックの
先頭の要素(数値)をパラメータとして取り出し、次い
でスタックの2番目の要素(変数を含むベクトルデー
タ)を取り出して、そのパラメータをベクトルデー
タ("elephant.v")中のparam1という変数に代入(置
換)し、その演算結果としてのベクトル画像データを用
いて、メモリ上の2次元空間にラスタデータとして描画
し、結果としてのラスタ画像データをスタックの先頭に
格納する。なお、ラスタデータをスタックの要素として
格納するには、図28の「静止画データの場合」に準じ
た方法を採ればよい。
【0192】この動作により、"elephant.v"が持つ前述
のベクトルデータ y=7−param1 LINE(4,9)−(5,y)−(8,y)−(7,
7) のparam1に「5」が代入され、演算によりy=2とな
り、その結果としてのベクトルデータは LINE(4,9)−(5,2)−(8,2)−(7,
7) となる。これにより描画された状態は、図49に示すよ
うなものとなる。
【0193】ここで仮に、後述するように、ユーザのH
TML文書の編集作業によってPROCESSタグを表
す行4621(図43参照)の $nose_length=5が $no
se_length=3に変更されたとすると、同様の処理により
param1=3、y=4となり、結果としてのベクトルデー
タは LINE(4,9)−(5,4)−(8,4)−(7,
7) となる。これにより描画された状態を図50に示す。同
図からもわかるように、鼻の長さを表す $nose_length
が5である図49の場合と比較して、鼻の長さが短くな
っている。
【0194】前記drawコマンドは、上記のような動作と
することによって、可変パラメータを1個用いるベクト
ル画像データ一般に対して用いることができる。すなわ
ち、鼻の長さを可変とする象の表現データだけでなく、
例えば表現データ「きりん」4627(図46参照)で
は、同様の動作を行うことにより、キリンの首の長さを
可変とするキリンの表現データにも用いている。これに
よって、表現データの種類が増えても、それに伴って専
用の描画コマンドを用意するのと比べ、コマンド作成時
の手間を軽減することができる。すなわち、キリンの画
像についても、上記の象の場合と同様に行えばよく、図
43のように、このHTML文書中の2個所(9行目お
よび13行目)で、図46に示す表現データ「きりん」
4627により加工が実行される。そして、図47に示
すような"giraffe.v" という原画像4628を読み込
み、この場合はパラメータ $neck_length(=5)を適
用し、前記drawコマンドによってキリンの画像を描画し
て出力する。この場合は、首の先頭を表すベクトルデー
タを変数とすればよい。
【0195】このようにして、"elephant.v"を基にして
ベクトルデータによって描かれた画像は、例えばラスタ
データ(ビットマップ)による画像、ここでは"output
1.gif" に変換して、ファイルとして出力すればよい。
これにより、通常使われるブラウザがラスタデータ画像
のみに対応し、ベクトルデータには対応していなくて
も、そのようなブラウザでも問題なくこの象の画像を表
示することができる。
【0196】以上のようにして保存された画像を基にし
て、S4760(図51参照)にてHTMLエディタ上
の表示が更新され、この例では、鼻の長さが5(初期
値)の象の画像が表示される。
【0197】次に、表示された象の鼻の長さをユーザが
変えたい場合について説明する。
【0198】図43に示す4624は、HTML文書上
の選択画像を示す画像ポインタであり、初期値は空であ
る。
【0199】第4の操作として、加工したい画像460
4(図40参照)がマウスにてクリックされると、S4
731(図51参照)にて、上記画像ポインタ4624
が、対応する画像を含むPROCESSタグを指すよう
に設定される。すなわち、例えば、表示上、上からn番
目の画像がクリックされると、HTML文書上でn番目
に出現したPROCESSタグを指すようになる。つま
り、図40の一番目の象の画像をクリックした場合は、
画像ポインタは図43に示すHTML文書中の行462
1を指すようになる。そして、S4760による表示の
更新により、図40中、太線枠4605で示すように、
選択された画像を太線で囲って強調表示する。
【0200】第5の操作として、上記第4の操作後に、
選択画像加工ボタン4607(図40参照)がクリック
されると、S4751にて、選択された表現データ(例
えば図44に示す表現データ4625)がメモリに読み
込まれる。このような表現データの選択は、上記のよう
に画像ポインタが指しているPROCESSタグの「M
ETHOD」の次に記述されているデータ(”ぞう”)
に基づいて行われる。そして、S4752にて、図42
に示すような設定画面4611が表示される。ここで、
S4753にて入力待機後、スライダ4612にてパラ
メータ $nose_length(鼻の長さ)が調整され、加工処
理実行および完了ボタン4613がクリックされると、
S4754にて、HTML文書上のPROCESSタグ
のパラメータである $nose_length=...の記述が更新さ
れ、続いて、S4755にて、このように更新された $
nose_lengthの値を用いて再び前述(S4744)同様
の画像の加工処理が行われ、画像ファイル"output1.gi
f" として出力される。
【0201】本実施の形態における本発明の主要な効果
は、HTML文書作成時において、あらかじめ表現デー
タが用意されていれば、例えば、スライダにて簡単に
「象」固有のパラメータである鼻の長さを調整すること
ができることであり、同様に、「キリン」については固
有のパラメータである首の長さを簡単に調整することが
できることである。図40の例では、パラメータ調整に
より、一つのキリンの原画giraffe.v (図47参照)か
ら、首の長さの違う2種類のキリンを表示している。
【0202】なお、このように「PROCESS」タグ
中に値を埋め込むやり方以外に、例えば、以下のように
してもよい。すなわち、作品制作者がパラメータを変更
したら、それに伴い、HTMLエディタが、その表現デ
ータ中の#paramの行の"value" の次の数値をその変更の
通りに書き換えたものを、読み込んだのとは別の新たな
表現データとして保存するようにする。例えば、「ぞう
2」、「きりん1」、「きりん2」等のように名前を付
ければよい。この場合には、"#param"識別子は、今がデ
ータ(文字または画像)加工時か再生(決定した文字や
画像の描画)時かを判断して(例えばHTMLエディタ
やブラウザ側から現状の情報を受け取る)、再生時であ
れば、「この行中の"value" の次の数値を用いて再生せ
よ」という意味の命令としてHTMLエディタやブラウ
ザに解釈されるように、機能が変化するようにする。こ
のようにすれば、再生時には、表現データ中の#paramの
行の"value" の次の数値をそのパラメータ(例えば $no
se_length)の値として用いて、再生(画像描画)が実
行される。
【0203】なお、本発明に係るデータ処理方法を、下
記のように構成してもよい。すなわち、本発明に係るデ
ータ処理方法は、ひとまとまりの表現データの記録方法
であって、表現データの特性を示す固有のパラメータの
うちの、指定された単一または複数のパラメータのみを
可変として、記録するように構成してもよい。すなわ
ち、パラメータのみ、または、データ+パラメータを記
録する。たとえば、「鐘の音」に対して「周波数」を可
変パラメータとして関連付けて記録する。
【0204】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、指定されたパラメータの代表値を記
録するように構成してもよい。たとえば、「鐘の音」に
対して「周波数=100Hz」を最も自然な値をデフォ
ルト値とする。この値は、同じ「周波数」というパラメ
ータに対するものであっても、「鐘の音」と「鈴の音」
では異なる。
【0205】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、指定されたパラメータの可変範囲を
限定して記録するように構成してもよい。たとえば、
「鐘の音」に対して「周波数」を最も効果的な範囲で可
変とする。5000Hz以上の、鐘の音としてあまり意
味の無い範囲を除外する。
【0206】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、指定されたパラメータの変更方法を
記録するように構成してもよい。例えば、音源によって
は「周波数」の変更方法としてスライダの他にスイッチ
で十分である。
【0207】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、指定されたパラメータを変更する際
の最小の段階幅を記録するように構成してもよい。たと
えば「周波数」を音階に沿って離散的に変化するように
する。
【0208】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、ひとまとまりの表現データ( 音響・
音楽・動画・文字列など) の記録方法であって、表現デ
ータに、表現データに対する特定の加工処理の実行コマ
ンドを関連付けて記録するように構成してもよい。たと
えば、「鐘の音」に対して「残響をつける」という実行
コマンドを関連付けて記録する。
【0209】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の方法で記録された表現データを読み込み、可変パラ
メータのみを表示して編集可能とし、編集された可変パ
ラメータを元にして表現データを加工するように構成し
てもよい。
【0210】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の方法で記録された表現データを読み込み、上記加工
処理の実行コマンドを実行することにより表現データを
加工するように構成してもよい。
【0211】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、時間の進行に沿ったイベントが記述
されたシナリオデータの中のイベント情報と、上記の方
法で記録された表現データとを関連付けて記録するよう
に構成してもよい。これにより、アニメーションなどと
連携した記録が行える。
【0212】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、上記のシナリオデータを、定められ
た時間の進行に沿って読み出し、シナリオデータの中の
イベント情報に関連付けられた表現データを上記の方法
によって加工し、加工された表現データを再生するよう
に構成してもよい。これにより、アニメーションなどと
連携したリアルタイム処理が行える。
【0213】また、本発明に係るデータ処理方法は、上
記の構成において、上記のシナリオデータを、定められ
た時間の進行を開始する前にあらかじめ読み出し、シナ
リオデータの中のイベント情報に関連付けられた表現デ
ータを、定められた時間の進行を開始する前に、上記の
方法によって加工し、加工された表現データを記憶し、
定められた時間の進行を開始し、定められた時間の進行
に沿って、加工された表現データを再生するように構成
してもよい。
【0214】上述のように、本発明によれば、特定の表
現データについて、目的とする効果を実現するために、
必要最小限のパラメータのみを変更可能とすることによ
って、表現データの加工を容易にすることができる。
【0215】また、特定の表現データについて、指定さ
れたパラメータの代表値を記録し、パラメータ変更操作
の際の初期値とすることによって、該表現データ特有の
調整を容易にすることができる。また、特定の表現デー
タについて、指定されたパラメータの可変範囲を限定す
ることによって、意味のある可変範囲を見かけ上大きく
し、微細な調整を容易にすることができる。
【0216】また、特定の表現データについて、指定さ
れたパラメータの変更方法、あるいは最小の可変幅を指
定できるようにすることにより、その表現データに適し
た方法でのパラメータ調整を可能にする。例えば、厳密
な値を指定したい場合は、キーボードにより入力枠に数
字を入力する方法を指定し、直感的で素早い数値入力を
行いたい場合は、スライダによる入力方法を指定し、同
じスライダであっても離散的な数値入力を行いたい場合
は、最小の可変幅を指定する。
【0217】また、特定の表現データについて、加工処
理の実行コマンドを関連付けて記録することによって、
総データ量を削減する。たとえば、「残響を付加する」
コマンドを記録することによって、「残響をつけた鐘の
音」「残響の無い鐘の音」の2つの表現データが必要な
場合、波形データとしては「残響の無い鐘の音」のみ用
意しておけばよい。
【0218】また、シナリオデータに表現データを関連
付けて記録する場合、表現データとして、加工後の表現
データを直接記録するのではなく、加工前の表現データ
と、その加工処理コマンドあるいは加工に用いるパラメ
ータを関連付けて記録することにより、シナリオデータ
作成時の素材データベースの総量を抑えると同時に、完
成したシナリオデータのデータ量を抑え、保存や伝送を
容易にする。また、シナリオデータに関連付けられた表
現データに変更を加える際、多数の波形データ(音響デ
ータの場合。)のリストから再び選びなおすのではな
く、該当する表現データにおける必要なパラメータのみ
を変更することによって、直感的で容易な変更を可能と
する。
【0219】また、このようなパラメータ操作の仕組み
を、そのパラメータで加工を行うコンピュータプログラ
ムの内部に記述するのではなく、外部の独立したデータ
(表現データ)として記述する方法を採ることによっ
て、作品制作用コンピュータプログラムを提供する側の
プログラム作成コストを抑えることができる。
【0220】
【発明の効果】以上のように、本発明のデータ処理方法
は、上記特性のうちで上記特定の効果に影響を与える特
性に関する特定の処理のみを実行する旨の指令内容を処
理情報として記憶する方法である。
【0221】これにより、個別にデータを用意するのと
異なり、似たデータを2回以上使う場合にデータ総量を
軽減できるとともに、上記処理情報に沿って操作すれ
ば、データの内容に応じて処理内容が限定されているの
で、その都度汎用のソフトウエアやハードウエアで、必
要な操作を調べて操作するのと異なり、所望の加工をす
るための操作が容易であるという効果を奏する。
【0222】また、本発明のデータ処理方法は、上記の
構成に加えて、上記処理情報が、上記の特定の効果に影
響を与える特性についての代表的な設定内容を既定値と
して選んでその既定値通りに設定する旨の指令内容を含
んでいる方法である。
【0223】それゆえ、上記の構成による効果に加え
て、ほとんどの場合、上記代表的な設定内容のままで所
望の結果が得られると推定される。このような内容が、
個々のデータと対応させて記憶されるので、所望の加工
をするための操作がいっそう容易になるという効果を奏
する。
【0224】また、本発明のデータ処理方法は、上記の
構成に加えて、上記処理情報が、上記特定の効果に影響
を与える特性を規定する上記データの固有のパラメータ
を設定する処理であって、2つの端点を持つ入力動作に
おける両端点間の相対位置を指定することによりその位
置に対応した値を上記パラメータの値として入力する処
理に関し、入力可能な値の範囲が狭くなるように、上記
各端点に対応する値を変更する旨の指令内容を含んでい
る方法である。
【0225】それゆえ、上記の構成による効果に加え
て、動作のパラメータには、通常、適切な範囲があり、
それ以外の値を入力しても意味がない。スライダなど
で、あまり大きな値を入力しても意味がなくなる。そこ
で、スライダなどの入力部の1つの端部に、意味のある
最大値を対応させ、もう1つの端部に、意味のある最小
値を対応させる。それにより、動作に無駄がなくなると
いう効果を奏する。
【0226】また、本発明のデータ処理方法は、上記の
構成に加えて、上記処理情報が、上記特定の効果に影響
を与える特性を規定する上記データの固有のパラメータ
を設定する処理に関し、上記パラメータの変更方法を決
める旨の指令内容を含んでいる方法である。
【0227】それゆえ、上記の構成による効果に加え
て、例えば、ドレミを入力するなら、連続的な入力とし
て、スライダなどで音の高さすなわち周波数を連続的に
上げていくよりも、離散的な入力として、各音程に対応
したボタンなどを用意してそれを押すようにしたほうが
便利である。そのためこの場合は離散的な入力を行うよ
うにする。それにより、容易かつ正確に所望のパラメー
タ入力ができ、操作がいっそう容易になるという効果を
奏する。
【0228】また、本発明のデータ処理方法は、上記の
構成に加えて、上記処理情報が、上記特定の効果に影響
を与える特性を規定する上記データの固有の離散的なパ
ラメータを設定する処理であって、連続可変な入力値を
複数の段階に分類してその段階に応じて上記パラメータ
の値を決める処理に関し、上記段階の1個分に対応する
入力値の範囲を変更する旨の指令内容を含んでいる方法
である。
【0229】それゆえ、上記の構成による効果に加え
て、上記処理が、上記段階の1個分に対応する入力値の
範囲を拡大するものである場合には、入力動作が微妙に
異なるだけですぐに入力値が変わってしまう不具合をな
くすることができる。逆に、上記処理が、上記段階の1
個分に対応する入力値の範囲を縮小するものである場合
には、値を大きく変えたい場合に少しの動作だけで済む
ようにすることができるという効果を奏する。
【0230】また、本発明のデータ処理方法は、上記特
性のうちから上記特定の効果に影響を与える特性に関す
る特定の処理のみを実行する旨を示す指令内容を記録し
た処理情報を認識し、上記処理情報に示されている通り
の処理を行う方法である。
【0231】また、本発明のデータ処理装置は、上記特
性のうちから上記特定の効果に影響を与える特性に関す
る特定の処理のみを実行する旨を示す指令内容を記録し
た処理情報を認識する処理情報認識手段と、上記処理情
報に示されている通りの処理を行う処理手段とを備えた
構成である。
【0232】また、本発明のコンピュータ読み取り可能
な記録媒体は、上記データ処理プログラムが、上記特性
のうちから上記特定の効果に影響を与える特性に関する
特定の処理のみを実行する旨を示す指令内容を記録した
処理情報を認識し、上記処理情報に示されている通りの
処理を行う構成である。
【0233】それゆえ、個別にデータを用意するのと異
なり、似たデータを2回以上使う場合にデータ総量を軽
減できる。それとともに、上記処理情報に沿って操作す
れば、データの内容に応じて処理内容が限定されている
ので、その都度汎用のソフトウエアやハードウエアで、
必要な操作を調べて操作するのと異なり、所望の加工を
するための操作が容易であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ処理装置としてのコンピュ
ータの一構成例を示すブロック図である。
【図2】表現データが音響である場合の表現データ再生
モジュールの構成を示すブロック図である。
【図3】表現データが音楽(音符データ)である場合の
表現データ再生モジュールの構成を示すブロック図であ
る。
【図4】音響の波形データを記録する方法を示す説明図
である。
【図5】表現データを、パラメータによって記録する方
法を示す説明図である。
【図6】パラメータについて、可変指定フラグを指定し
て記録する方法を示す説明図である。
【図7】波形データとパラメータとを組み合わせ、パラ
メータについて可変指定フラグを指定して記録する方法
を示す説明図である。
【図8】可変パラメータがどれであるかを指定して記録
する方法を示す説明図である。
【図9】音響の波形データと可変パラメータのみとを組
み合わせて記録する方法を示す説明図である。
【図10】波形データ名をパラメータとして記録する方
法を示す説明図である。
【図11】ひとつの表現データの中で、複数の波形デー
タを用いている例を示す説明図である。
【図12】表現データを実行コマンドによって記録する
方法を示す説明図である。
【図13】本発明によるコンピュータプログラムのユー
ザインターフェイスの一例を示す説明図である。
【図14】本発明における表現データの具体例を示す説
明図である。
【図15】本発明における表現データ加工方法の概略を
示すフローチャートである。
【図16】図15の表現データ読み込み処理の詳細を示
すフローチャートである。
【図17】図15の表現データ加工処理の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図18】表現データの一覧表示および選択を行ってい
る時点の画面表示の例を示す説明図である。
【図19】メモリ上に展開された可変パラメータテーブ
ルの例を示す説明図である。
【図20】表現データ読み込み処理後の状態の画面表示
例を示す説明図である。
【図21】(a)ないし(e)は、パラメータの入力方
法の例を示す説明図である。
【図22】(a)ないし(d)は、パラメータの入力方
法の例を示す説明図である。
【図23】パラメータの入力方法の例を示す説明図であ
る。
【図24】パラメータの入力方法の例を示す説明図であ
る。
【図25】パラメータの入力方法の例を示す説明図であ
る。
【図26】表現データ加工処理の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図27】図26の処理で用いるメモリの内容の例を示
す説明図である。
【図28】図27のスタック要素の実装例を示す説明図
である。
【図29】図14の表現データを図26の方法で処理し
た場合のスタックの状態遷移を示す説明図である。
【図30】本発明によるシナリオデータと、それに関連
付けられた表現データとを示す説明図である。
【図31】本発明の表現データ再生方法を示すフローチ
ャートである。
【図32】本発明の表現データ再生方法を示すフローチ
ャートである。
【図33】本発明を実現するための機器構成の外観例を
示す斜視図である。
【図34】画像を含んだ電子文書のデータ構造の例を示
す説明図である。
【図35】画像を含んだ電子文書のデータ構造の他の例
を示す説明図である。
【図36】画像を含んだ電子文書のデータ構造のさらに
他の例を示す説明図である。
【図37】画像を含んだ電子文書を従来のHTMLエデ
ィタで表示したときの外観の例を示す説明図である。
【図38】従来の画像設定処理の様子を示す説明図であ
る。
【図39】従来のHTML文書の内容および画像との対
応の様子を示す説明図である。
【図40】画像を含んだ電子文書を本発明を用いたHT
MLエディタで表示したときの外観の例を示す説明図で
ある。
【図41】画像設定処理の様子を示す説明図である。
【図42】選択画像の加工処理の様子を示す説明図であ
る。
【図43】HTML文書の内容を示す説明図である。
【図44】図43のHTML文書に対応する表現データ
を示す説明図である。
【図45】図44の表現データに対応する画像を示す説
明図である。
【図46】図43のHTML文書に対応する表現データ
を示す説明図である。
【図47】図46の表現データに対応する画像を示す説
明図である。
【図48】選択画像の加工処理の様子を示す説明図であ
る。
【図49】選択画像の加工処理の様子を示す説明図であ
る。
【図50】選択画像の加工処理の様子を示す説明図であ
る。
【図51】HTML文書の編集処理の手順を示すフロー
チャートである。
【図52】従来のシナリオデータの構造例を示す説明図
である。
【図53】波形エディタ(編集プログラム)の例を示す
説明図である。
【図54】音響シンセサイザの構造例を示すブロック図
である。
【図55】エフェクタの構造例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
100 コンピュータ 101 CPU(処理手段、処理情報認識手段) 102 メモリ 103 補助記憶装置 104 ディスプレイ画面 105 入力装置 106 表現データ再生モジュール 201 アナログの波形信号 202 ディジタルデータ 310 パラメータ 320 モジュール構成 501 表現データ 502 パラメータ 503 名前 504 値 505 可変指定フラグ 511 残響量 512 再生速度 513 波形データ 514 データの長さ 515 実際の波形データ 520 モジュール構成 900 ディスプレイ画面 901 表現データ読込ボタン 902 加工処理実行ボタン 903 表現データ再生ボタン 904 パラメータ編集エリア 1001、1002、1003、1004、1005、
1006 行 1600 表示画面 1601 表現データ読込ボタン 1602 加工処理実行ボタン 1603 表現データ再生ボタン 1611 パラメータ名 1612 入力枠 1613 最小値 1614 最大値 1615 既定値 1622 スライダ 1625 スライダのノブ 1801 表現データ領域 1802 表現データポインタ 1803 特定ワード領域 1804 スタック 1805 スタック要素 1806 スタックポインタ 2001、2002、2003、2004、2005、
2006、2007、2008 状態 2100 シナリオデータ 2101 フレームデータ 2110 表現データ 2111 値 2112 行 2120 表現データ 2121 値 2122 行 2130 波形データ 2401 スライダ 2402、2403 入力枠 2404 スライダ 2405 回転ノブ 2406 ドロップダウンリスト 2407 ラジオボタン 2408 チェックボックス 2409 スイッチ 2410 座標枠 2411 波形入力部 2412 タップ 3001 筐体 3002 キーボード 3003 マウス 3004 ディスプレイ画面 3005 スピーカ 4501 画像設定ボタン 4502 編集画面 4503 文字列 4504 画像 4505 入力カーソル 4506 画像ファイルの名前の一覧 4601 画像設定ボタン 4602 編集画面 4603 文字列 4604 画像 4605 太線枠 4606 入力カーソル 4607 選択画像加工ボタン 4608 表現データの一覧表 4609 表示枠 4610 OKボタン 4611 設定画面 4612 スライダ 4613 加工処理実行および完了ボタン 4621、4622、4623 行 4624 画像ポインタ 4625 表現データ 4626 原画像 4627 表現データ 4628 原画像 4631、4632、4633、4634 座標
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10H 7/00 511 H04N 5/262 G10K 15/12 G06F 15/62 322A H04N 5/262 G10K 15/00 B Fターム(参考) 5B050 BA06 BA07 BA09 FA13 5B082 AA13 GA00 5C023 AA02 AA08 AA14 AA18 AA38 CA05 5D108 AA11 AC03 AD02 5D378 AD21 AD57 AD62 AD65 AD67 AD68 AD70 BB01 BB02 BB15 BB22 KK01 KK05 KK06 KK15 KK44 MM03 MM13 MM14 MM18 MM47 MM62 MM72 MM93 NN10 NN14 NN24 NN25 TT03 TT09 TT12 TT19 TT23 TT24 TT32 UU42 XX05 XX16 XX20 XX34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の特性を有するとともに、特定の効果
    を表しうるデータを処理するデータ処理方法において、 上記特性のうちで上記特定の効果に影響を与える特性に
    関する特定の処理のみを実行する旨の指令内容を処理情
    報として記憶することを特徴とするデータ処理方法。
  2. 【請求項2】上記処理情報が、 上記の特定の効果に影響を与える特性についての代表的
    な設定内容を既定値として選んでその既定値通りに設定
    する旨の指令内容を含んでいることを特徴とする請求項
    1に記載のデータ処理方法。
  3. 【請求項3】上記処理情報が、 上記特定の効果に影響を与える特性を規定する上記デー
    タの固有のパラメータを設定する処理であって、2つの
    端点を持つ入力動作における両端点間の相対位置を指定
    することによりその位置に対応した値を上記パラメータ
    の値として入力する処理に関し、 入力可能な値の範囲が狭くなるように、上記各端点に対
    応する値を変更する旨の指令内容を含んでいることを特
    徴とする請求項1に記載のデータ処理方法。
  4. 【請求項4】上記処理情報が、 上記特定の効果に影響を与える特性を規定する上記デー
    タの固有のパラメータを設定する処理に関し、 上記パラメータの変更方法を決める旨の指令内容を含ん
    でいることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理方
    法。
  5. 【請求項5】上記処理情報が、上記特定の効果に影響を
    与える特性を規定する上記データの固有の離散的なパラ
    メータを設定する処理であって、連続可変な入力値を複
    数の段階に分類してその段階に応じて上記パラメータの
    値を決める処理に関し、 上記段階の1個分に対応する入力値の範囲を変更する旨
    の指令内容を含んでいることを特徴とする請求項1に記
    載のデータ処理方法。
  6. 【請求項6】複数の特性を有するとともに、特定の効果
    を表しうるデータを処理するデータ処理方法において、 上記特性のうちから上記特定の効果に影響を与える特性
    に関する特定の処理のみを実行する旨を示す指令内容を
    記録した処理情報を認識し、 上記処理情報に示されている通りの処理を行うことを特
    徴とするデータ処理方法。
  7. 【請求項7】複数の特性を有するとともに、特定の効果
    を表しうるデータを処理するデータ処理装置において、 上記特性のうちから上記特定の効果に影響を与える特性
    に関する特定の処理のみを実行する旨を示す指令内容を
    記録した処理情報を認識する処理情報認識手段と、 上記処理情報に示されている通りの処理を行う処理手段
    とを備えたことを特徴とするデータ処理装置。
  8. 【請求項8】複数の特性を有するとともに、特定の効果
    を表しうるデータを処理するデータ処理プログラムを格
    納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、 上記データ処理プログラムが、 上記特性のうちから上記特定の効果に影響を与える特性
    に関する特定の処理のみを実行する旨を示す指令内容を
    記録した処理情報を認識し、 上記処理情報に示されている通りの処理を行うことを特
    徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008139560A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Mega Chips Corp コンテンツベース、コミュニケーションシステム
JP7185888B1 (ja) 2021-11-26 2022-12-08 株式会社Datafluct 情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム

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JP2023079137A (ja) * 2021-11-26 2023-06-07 株式会社Datafluct 情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム

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