JP2001098903A - 後縁を改良したタービンの冷却羽根 - Google Patents

後縁を改良したタービンの冷却羽根

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービンの冷却羽根の寿命を改善できる新し
い構成の後縁を提案する。 【解決手段】 プラットフォーム（２）および空気力学
的な翼（４）を含み、翼が、下面をなす壁（６）と上面
をなす壁（７）との接合部に後縁（９）を有する。下面
側で後縁（９）の近傍に溝（１２）が設けられている。
この溝（１２）は、プラットフォーム（２）から羽根の
先端部（１１）まで延びる。翼の空洞内の冷却空気を取
り出すためのスリット（１０）が、溝（１２）に通じて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラットフォーム
および空気力学的な翼(pale)を含み、翼が、上面をなす
壁と下面をなす壁との接合部にある後縁(bord de fuit
e)と、下面側で後縁に通じて前記翼の空洞内を循環する
冷却空気を取り出すための複数のスリットあるいはスロ
ット(fentes)とを有する、タービンの冷却羽根(aube)に
関する。
【０００２】このような冷却羽根は特に、高温下におか
れるタービン翼列に用いられる。
【０００３】
【従来の技術】一般にタービンの冷却羽根の後縁は、上
流の空洞に配置される空気を採取（取出し）可能な一連
のスリットを含む。これらのスリットは、後縁の下面側
近傍に設けられた凹部(excavations)に通じる。この凹
部は、後縁付近の翼の空気力学的な形状を局部的に再構
成する補剛材により分離されている。ＥＰ０７８５３３
９が、このような配置を開示している。
【０００４】冷却空気が内部を循環する凹部と燃焼ガス
の高温を局部的に受ける補剛材との交互の構成によっ
て、後縁のゾーンに大きな熱域（熱場）ができて強い熱
応力をもたらし、これによって後縁の領域で翼が劣化す
ることがある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの欠点を解消し、タービンの冷却羽根の寿命を改善で
きる新しい構造の後縁を提案することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下面側
で後縁のすぐ近傍に、プラットフォームから羽根の先端
部まで延びて且つ、上面をなす壁の内面と下面にほぼ垂
直な面とにより画定される溝を含み、スリットが前記面
に通じるあるいは開通する(debouchent)ことによって、
達せられる。
【０００７】かくして補剛材がなくなるので、後縁の位
置における熱域はより均質になり、このゾーンが受ける
熱応力はずっと小さくなる。
【０００８】有利には、スリットが、下面をなす壁を上
面をなす壁に結合する接続部により分離される。
【０００９】有利には、プラットフォームに最も近いス
リットが、プラットフォームに局部的に通じ、溝が、プ
ラットフォームで前記スリットの正面に延長される。
【００１０】本発明の他の特徴及び長所は、添付図面に
関して限定的ではなく例としてなされた以下の説明を読
めば明らかになるだろう。
【００１１】
【発明の実施の形態】図では、タービンの冷却羽根１
が、羽根の基部３の上部にあるプラットフォーム２と、
プラットフォーム２の上に延びる翼４とを含む。翼４
は、冷却装置が中に配置された少なくとも１つの内部空
洞５を含み、上面(extrados)６ａをなす壁６及び下面(i
ntrados)７ａをなす壁７により画定されており、上面及
び下面は、曲線の前縁８により上流で接続され、下流の
後縁９の位置で再び結合する。上流及び下流は、翼４を
中心として作動時の高温ガスの循環方向で決定される。
【００１２】作動時に、後縁９の近傍の内部空洞５内を
循環する空気の一部Ｆ１は、プラットフォーム２と翼の
先端部１１との間に配置される複数のスリット１０によ
り、後縁９の位置で下面７ａの側に排出される。
【００１３】本発明によれば、下面７ａをなす壁７は後
縁９まで延びない。実際、後縁９の付近で下面７ａの側
に、プラットフォーム２と翼の先端部１１の間に延びる
溝(feuillure)１２の形状をした角のあるスペース(espa
ce angulaire)が設けられている。この溝１２は、上面
６ａをなす壁６の内面１３と、下面７ａにほぼ垂直で壁
７の端面を形成する面１４とにより画定されている。ス
リット１０は、この面１４に通じすなわち開通し、スリ
ット１０から排出される空気は、後縁９まで溝１２の高
さ全体にわたって内面１３を通過する。
【００１４】面１４の位置で、壁７の内面１５は、スリ
ット１０の幅に等しい距離で壁の内面１３から離れる。
２個の連続スリットの間で且つ面１４の近傍に、２個の
壁６と７を結合する接続部あるいは留め具(pontet)１６
が設けられている。
【００１５】接続部１６は、後縁９の位置で翼４を補強
する。
【００１６】上面６ａをなす壁６の端部分は、溝１２の
正面に配置され、スリット１０から出る空気Ｆ１により
冷却され、均質な熱域に置かれ、実際に熱応力がより弱
くなる。面１４の上流で上面７ａをなす壁７についても
同様である。
【００１７】本発明の別の特徴によれば、プラットフォ
ーム２に最も近いスリット１０ａが、プラットフォーム
に部分的に入り込み、溝１２が、プラットフォーム２に
おいてスリット１０ａの正面に延長される。
【００１８】図４及び５に示したこのような配置は、結
果として、後縁の一番目のスリットにより形成される形
状の凹凸をなくすことにより応力を通過しやすくするこ
とができる。
【００１９】スリット１０ａ、プラットフォーム２及び
後縁９の接続は、このゾーンにおける応力を最小化する
ように決定される。スリット１０ａの下部ゾーンは、ス
リットの入口付近に溝２０として存在し、この溝２０
は、溝１２の基部で下流に向かって連続して広がり、プ
ラットフォーム２の面と下面をなす壁６の内面１３とに
接続されるように緩やかな勾配で上っている。図６は、
この接続例を示している。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるタービンの冷却羽根の斜視図であ
る。
【図２】後縁の領域を示す羽根の翼の、２個のスリット
の間を通る面による断面図である。
【図３】スリットを切断する面による羽根の翼の断面図
である。
【図４】図２のラインＩＶ−ＩＶによる断面図である。
【図５】図２のラインＶ−Ｖによる断面図である。
【図６】プラットフォーム及び後縁の下部スリットの接
続の斜視図である。
【符号の説明】
２ プラットフォーム ４ 翼 ５ 内部空洞 ６ 上面をなす壁 ６ａ 翼の上面 ７ 下面をなす壁 ７ａ 翼の下面 ９ 後縁 １０、１０ａ スリット １１ 翼の先端部 １２ 溝 １３ 壁６の内面 １４ 垂直面 １６ 接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリツク・ステフアン・ビル フランス国、77590・シヤルトレツト、リ ユ・コルベール・11 Ｆターム(参考） 3G002 CA06 CB00 CB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 プラットフォーム（２）および空気力学
    的な翼（４）を含み、該翼が、上面（６ａ）をなす壁
    （６）と下面（７ａ）をなす壁（７）との接合部にある
    後縁（９）と、下面（７ａ）側で後縁（９）に通じて翼
    （４）の空洞（５）内を循環する冷却空気を取り出すた
    めの複数のスリット（１０）とを有する、タービンの冷
    却羽根であって、下面（７ａ）側で後縁（９）のすぐ近
    傍に、プラットフォーム（２）から羽根の先端部（１
    １）まで延び、且つ上面（６ａ）をなす壁（６）の内面
    （１３）と下面（７）にほぼ垂直な面（１４）とにより
    画定される溝（１２）を含み、スリット（１０）が、前
    記面（１４）に通じ、プラットフォーム（２）に最も近
    いスリット（１０ａ）がプラットフォーム（２）に部分
    的に通じ、溝（１２）が、前記スリット（１０ａ）の正
    面でプラットフォーム（２）に延長されることを特徴と
    するタービンの冷却羽根。
  2. 【請求項２】 スリット（１０）が、下面（７ａ）をな
    す壁（７）を上面（６ａ）をなす壁（６）に結合する接
    続部（１６）により分離されることを特徴とする請求項
    １に記載の羽根。
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