JP2001098041A - 樹脂組成物および塗膜被覆物 - Google Patents

樹脂組成物および塗膜被覆物

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JP2001098041A
JP2001098041A JP28012499A JP28012499A JP2001098041A JP 2001098041 A JP2001098041 A JP 2001098041A JP 28012499 A JP28012499 A JP 28012499A JP 28012499 A JP28012499 A JP 28012499A JP 2001098041 A JP2001098041 A JP 2001098041A
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resin composition
compound
unsaturated urethane
urethane compound
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JP28012499A
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English (en)
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Riyou Imami
領 今見
Yoji Tominaga
洋二 富永
Nobuo Yamamura
信雄 山村
Masaharu Okido
正治 大城戸
Hiroyuki Komatsu
裕幸 小松
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GENGEN KAGAKU KOGYO KK
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Original Assignee
GENGEN KAGAKU KOGYO KK
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床材等の表面に優れた光沢保持性能及び耐汚
染性を与える、塗膜形成用の樹脂組成物、及び該塗膜を
被覆した塗膜被覆物を提供する。 【解決手段】 樹脂組成物は、不飽和ウレタン化合物か
らなる。不飽和ウレタン化合物1分子当たりの平均官能
基数は4以上である。不飽和ウレタン化合物1分子中の
少なくとも2以上の官能基はウレタン結合を介すること
なく互いに結合している。平均官能基数に対する平均分
子量の比は400以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、光沢保持性と耐汚染性に優れ,
日常的な維持管理が容易で装飾および保護を目的とする
塗膜を形成し得る樹脂組成物、これをプラスティック、
木材、セラミックス、石材、コンクリート、金属などの
表面、特に床材表面に塗布して塗膜を形成した塗膜被覆
物に関する。
【0002】
【従来技術】従来、ファーストフード店、コンビニエン
スストア、百貨店、体育館、病院、事務所、住居、工場
における床材料としては、i)塩化ビニル等の樹脂系タ
イルおよびシート、ii)フローリング等の木質系材
料、iii)磁器タイル等のセラミックス系材料、i
v)大理石等の石材料、v)モルタル等のコンクリート
系材料、vi)コンクリート系材料等の上に塗膜を設け
た塗り床材などが使用されている。これらの床材料は、
そのまま用いることもできるが、一般的にはワックスや
フロアポリッシュ等の艶出し剤を塗布することにより、
床材表面に高い光沢を付与し、床材の劣化を防止して耐
久性を向上させ、またスリップを防止する等の歩行適性
の付与をはかっている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら、極めて多くの
顧客が訪れるファーストフード店の店舗床面には、従来
の艶出し剤を塗布した場合には、施工後数日から1週間
程度経過すると床面光沢が大きく低下し、また土砂、ラ
ード等の食用オイル、靴底ゴムに含まれているプロセス
オイルなどによる傷や着色汚れが目立ち、塗膜を剥離し
て再度塗布するという作業を何回も繰り返さざるを得な
かった。
【0004】我々は、すでに、歩行負荷による表面光沢
の劣化が少なく、土砂、ラード、プロセスオイルなどに
よる傷や着色汚れがわずかで、かつ研磨などによって着
色汚れを簡単に取り除くことができる組成物として、床
材の樹脂組成物(特願平10−272951)を提案し
た。しかしながら、上記従来の樹脂組成物においても、
高頻度で歩行が繰り返された床では表面光沢の劣化を十
分に防止できず、また赤インキや毛染め液等の極めて強
い汚染物質による着色汚れが目立つことがあった。
【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み、極め
て大きな歩行負荷によっても当初の高い表面光沢の低下
が少なく、研磨等の方法によって傷及び着色汚れを簡単
に取り除くことのできる塗膜を形成することができる樹
脂組成物および、該塗膜を被覆した塗膜被覆物を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は、不飽和ウレタン
化合物であって、該不飽和ウレタン化合物1分子当たり
の平均官能基数が4以上であり、また該不飽和ウレタン
化合物1分子中の少なくとも2以上の官能基がウレタン
結合を介することなく互いに結合しており、上記平均官
能基数に対する平均分子量の比が400以下であること
を特徴とする樹脂組成物である。
【0007】本発明の樹脂組成物を、そのまま、あるい
は適当な硬化剤を加え、これを被塗物に塗布し硬化させ
ると、表面光沢が高く、かつ光沢保持性及び耐汚染性に
極めて優れた塗膜が形成される。本発明の樹脂組成物に
より形成された塗膜は、極めて大きな歩行負荷によって
も表面光沢の劣化が著しく少なく、高い光沢保持性能を
有している。また、赤インクや毛染め液など極めて強い
汚染物質による着色汚れが目立たない。また、土砂、食
用オイルやプロセスオイル等の、塗膜の光沢を劣化させ
る細かい汚染物質による傷や着色汚れがわずかである。
【0008】また、これらの傷や着色汚れも塗膜内部に
深く浸透することなく表層に留まるため、研磨剤入りコ
ンパウンド等による研磨等によって簡単に取り除くこと
ができる。そのため、本発明の樹脂組成物から塗膜を床
材表面に形成することにより、床材表面のリフレッシュ
作業が容易となる。さらに塗膜の剥離も可能であり、重
ねて塗膜を形成することもできる。さらにまた、塗膜の
傷の修復もできる。
【0009】上記塗膜の日常清掃方法は極めて簡便な方
法でよい。たとえば、ダスタークロス、集塵ブラシ、吸
引式掃除機や、水や中性洗剤を用いたモップ拭き等で、
塗膜を清掃することにより、塗膜表面に付着した汚れを
除去することができる。従って、本発明の樹脂組成物に
より形成した塗膜は、床の日常維持管理費を含めた床メ
ンテナンスの総コストを大幅に削減することができる。
【0010】本発明において、「不飽和ウレタン化合
物」とは、不飽和基及びウレタン結合(−NH・CO・
O−)を有する化合物をいう。
【0011】本発明において、「不飽和ウレタン化合物
1分子当たりの平均官能基数」とは、不飽和ウレタン化
合物1分子中に含まれる官能基の数の平均値をいう。こ
の値は、不飽和ウレタン化合物が複数種類の場合にはそ
の不飽和ウレタン化合物の平均分子量を用いて計算した
値となる。
【0012】不飽和ウレタン化合物が2種類である場合
における、不飽和ウレタン化合物の平均分子量を用いた
1分子当たりの平均官能基数の計算方法について例示説
明する。2種類の不飽和ウレタン化合物の平均分子量を
Ma、Mbとし、その添加重量をWa、Wb、1分子当
たりの平均官能基数をNa、Nbとすると、1分子当た
りの平均官能基数Nは、N={(Wa/Ma)・Na+
(Wb/Mb)・Nb}/{(Wa/Ma)十(Wb/
Mb)}であらわされる。なお,不飽和ウレタン化合物
の平均分子量の求め方は,後で述べる。
【0013】樹脂組成物がモノマーを含有する場合に
は、モノマーの平均官能基数は、上記不飽和ウレタン化
合物の平均官能基数には含まれない。モノマーは不飽和
ウレタン化合物とともに硬化反応をおこすが、実質的に
モノマー配合は塗膜の光沢保持性能に影響を与えないか
らである。その理由は、モノマー配合量は不飽和ウレタ
ン化合物に比べて少ないからであると考えられる。
【0014】また、「官能基」とは、不飽和ウレタン化
合物における重合性を持つ不飽和基をいう。該官能基と
しては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル
基、ビニル基、ビニリデン基などがあるが、これらに限
定されない。当然ながら、ウレタン基は上記官能基では
ない。なお、以下、アクリロイル基とメタクリロイル基
とを併せて(メタ)アクリロイル基という。
【0015】本発明において、不飽和ウレタン化合物の
1分子中の平均官能基数は、4以上である。これによ
り,塗膜の光沢保持性が向上する。4未満では、塗膜の
光沢保持性が不十分となる。
【0016】本発明において、「不飽和ウレタン化合物
1分子中の少なくとも2以上の官能基がウレタン結合を
介することなく互いに結合している」とは、ウレタン結
合を介することなく互いに連結している、官能基の数X
が、2以上であることをいう。換言すれば、不飽和ウレ
タン化合物1分子において,官能基と該官能基と隣接す
る官能基との間に形成されている結合の中に、ウレタン
結合以外の結合が少なくとも1つ以上存在していること
をいう。ウレタン結合以外の結合としては、たとえば、
エステル結合、エーテル結合、炭素−炭素飽和結合、ア
ミド結合、カーボネート結合等があるが、これらに限定
されない。なお、逆に、「ウレタン結合を介して結合し
ている」とは、官能基と官能基の間にウレタン結合が存
在していることである。
【0017】上記官能基(R)の結合態様は、並列結合
(−(R)n)(n:2以上の整数)だけでなく、直列
結合(−R−R・・・Rn−)の場合もある。本発明の
不飽和ウレタン化合物の中には、2以上の官能基がウレ
タン基を介することなく互いに結合している部分が、少
なくとも1箇所はある。1箇所のみ存在する場合には、
その部分における官能基の数が、本発明でいう官能基の
数Xとなる。複数箇所存在する場合には、その中で、ウ
レタン基を介することなく互いに結合している官能基の
数が最も多い部分のその数が、上記官能基の数Xとな
る。
【0018】たとえば、不飽和ウレタン化合物の1分子
の中にアクリロイル基(−A−)が3つ互いに結合して
いる部分(−(A))がある場合には、上記官能基数
Xは3になる。3つのアクリロイル基が結合している部
分が2箇所存在する場合(−(A)、−(A))に
は,上記官能基の数Xは3になる。3つのアクリロイル
基が互いに連結している部分と、2つのアクリロイル基
が互いに連結している部分とが、それぞれ1箇所ずつ存
在する場合(−(A)、−(A))には、ウレタン
基を介することなく互いに結合している官能基の数が最
も多い部分(−(A))の官能基の数3が上記官能基
数Xになる。
【0019】本発明においては、2以上の官能基が、ウ
レタン結合を介することなく互いに結合している。これ
により、塗膜の光沢保持性が向上する。2未満では、塗
膜の光沢保持性が不十分となる。
【0020】「平均官能基数に対する平均分子量の比
(平均分子量/平均官能基数)」とは、不飽和ウレタン
化合物の平均分子量をその1分子に含まれる平均官能基
数で除して得た値をいい、官能基1個が占める平均分子
量に相当する。
【0021】本発明でいう平均分子量の求め方について
説明する。ウレタン化合物はイソシアネート化合物とヒ
ドロキシル化合物をウレタン化反応させることにより得
ることができる。そこで、ウレタン化反応はイソシアネ
ート基とヒドロキシル基が1:1で反応すると仮定し、
原料となるイソシアネート化合物の分子量(Mi)とヒ
ドロキシル化合物の分子量(Mh)およびイソシアネー
ト化合物1当量に付加するヒドロキシル化合物の必要な
当量(n)からウレタン化合物の平均分子量(Mu)を
求めた。なお,ヒドロキシル化合物の持つ官能基同士の
反応により生成する多量体の成分は形成しないと仮定す
る。
【0022】イソシアネート化合物の分子量はJIS
K7301のイソシアネート含有率測定法に従って求め
たイソシアネート含有率(重量(%))、およびイソシ
アネート基の分子量を下記の式(1)に代入して、イソ
シアネート化合物の分子量(Mi)とした。
【0023】 イソシアネート化合物分子量(Mi)=イソシアネート基分子量(42g/m ol)×平均イソシアネート基数×100/イソシアネート含有率(重量(%) )・・・(1)
【0024】次に、ヒドロキシル化合物はその化学式か
ら分子量(Mh)を求めた。イソシアネート化合物1分
子中に持つ平均イソシアネート基数、およびヒドロキシ
ル化合物1分子中に持つ平均ヒドロキシル基数は予めわ
かっているので、ウレタン化合物を合成する際にはそれ
ぞれ必要十分なヒドロキシル化合物の当量は算出でき
る。イソシアネート化合物1当量に対してウレタン化反
応に必要十分なヒドロキシル化合物の当量を(n)とし
て、以下の式(2)よりウレタン化合物の平均分子量と
した。
【0025】 ウレタン化合物平均分子量(Mu)=Mi+nMh・・・(2)
【0026】平均官能基数に対する平均分子量の比の値
は400以下である。これにより,塗膜の光沢保持性が
向上する。一方、400を超える場合には、光沢保持性
が十分ではない。
【0027】請求項2の発明のように、上記樹脂組成物
は、たとえば、塗膜形成用の樹脂組成物であることが好
ましい。これにより、上記樹脂組成物の効果を有効に発
現させることができる。
【0028】請求項3の発明のように、上記不飽和ウレ
タン化合物1分子中の平均官能基数が6以上であり、ま
た上記不飽和ウレタン化合物1分子中の少なくとも3以
上の官能基がウレタン結合を介することなく互いに結合
していることが好ましい。これにより、更に高い光沢保
持性を有する塗膜を形成することができる。
【0029】上記不飽和ウレタン化合物としては、ウレ
タン(メタ)アクリレートのごとき不飽和結合及びウレ
タン結合(−NHCO・O−)を有する化合物である。
かかるウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にイソ
シアネート基(−NCO)を有するイソシアネート化合
物と、分子内に(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ
ル基を有する化合物をウレタン化反応させることによっ
て得ることができる。
【0030】これらイソシアネート化合物には、下記の
モノイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、
ポリイソシアネート化合物などがある。
【0031】モノイソシアネート化合物としては、例え
ばメチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−
ヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシア
ネート等の脂肪族モノイソシアネート化合物、シクロヘ
キシルイソシアネート、例えばフェニルイソシアネート
などの芳香族モノイソシアネート化合物、例えばベンジ
ルイソシアネートなどの芳香脂肪族モノイソシアネート
化合物等があげられる。
【0032】ジイソシアネート化合物としては、例えば
脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族ジイソシアネート
化合物等が挙げられる。
【0033】脂肪族ジイソシアネー卜化合物としては、
例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネー卜、ヘキサメチレンジイソシアネート、
ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレン
ジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネー
ト、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチ
レンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−
ジイソシアネートメチルカプロエート等が挙げられる。
【0034】脂環族ジイソシアネート化合物としては、
例えば1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,
4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロ
ヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネ
ート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘ
キサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン等が挙げられる。
【0035】芳香脂肪族ジイソシアネート化合物として
は、例えば1,3−又は1,4−キシリレンジイソシア
ネート、もしくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアネ
ート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4
−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベン
ゼンもしくはその混合物等が挙げられる。
【0036】芳香族ジイソシアネート化合物としては、
例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又
は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トル
イジンジイソシアネート、4,4’ジフェニルエーテル
ジイソシアネート等が挙げられる。
【0037】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネ
ート化合物等が挙げられる。
【0038】脂肪族ポリイソシアネート化合物として
は、例えばリジンエステルトリイソシアネート、1,
4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−
トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネ
ート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6
−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチ
ル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメ
チルオクタン等が挙げられる。
【0039】脂環族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘ
キサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロ
ヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,
5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−
2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピ
ル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエ
チル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシ
アネートプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシア
ネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシア
ネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3
−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イ
ソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピ
ル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられ
る。
【0040】芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えば1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン
等が挙げられる。
【0041】芳香族ポリイソシアネートとしては、例え
ばトリフェニルメタン−4,4’,4’−トリイソシア
ネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、
2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4−ジ
フェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシア
ネート等が挙げられる。
【0042】これらのイソシアネート化合物は単独ある
いは2種類以上混合して用いることもできる。また、こ
うしたイソシアネート化合物の1種類以上からの変性形
態であるビュレット体、イソシアヌレート体、各種ポリ
ヒドロキシ化合物とのウレタン化反応によって得られる
アダクト体、その他アロファネート体、オキサジアジン
トリオン体、ウレチジオン体もイソシアネート化合物と
して使用できる。
【0043】また、(メタ)アクリロイル基及びヒドロ
キシル基を有する化合物としては、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、またはグリシジル
(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸付加物、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート
化合物、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレート化
合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などが挙げら
れる。これらにエチレンオキサイドあるいはプロピレン
オキサイドを付加したものを用いても良い。またこれら
の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を有する化
合物は単独あるいは2種類以上混合して用いることもで
きる。
【0044】また、イソシアネート化合物とヒドロキシ
ル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物とをウ
レタン化反応させる際に各種ポリヒドロキシル基含有化
合物を併用してもよい。ポリヒドロキシル化合物は、イ
ソシアネート化合物過剰の条件下で予めイソシアネート
化合物と反応させ、イソシアネー卜末端のプレポリマー
を合成してから、ヒドロキシル基及び(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物を反応させても一段で反応させて
も良い。
【0045】かかるポリヒドロキシル化合物としては、
エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ジクロロネオペンチルグリコール、
ジブロモネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン
酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジ
メチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピロ
グリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビス
フェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノール
A、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、ジメ
チロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げ
られる。
【0046】3官能以上のポリヒドロキシル化合物とし
ては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ジグリセロール、3−メチルペンタン
−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジ
ベンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
2,2,6,6−テトラメチロールシクロヘキサノール
−1、トリス2ヒドロキシエチルイソシアヌレート、マ
ンニット、ソルビトール、イノシトール、グルコース類
などが挙げられる。本発明に用いられる2官能以上のポ
リオール化合物としては、ジペンタエリスリトールが、
特に好ましく用いられる。
【0047】また、ポリヒドロキシル化合物として、ポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール等も挙げられ、これらの単独又
は2種以上を上記ポリオールに併用することができる。
【0048】不飽和ウレタン化合物は、イソシアネート
化合物と(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基を含
む化合物をウレタン化反応させることによって得ること
ができる。その際ヒドロキシル基の化学当量に対してイ
ソシアネート化合物のイソシアネート基化学当量が0.
9〜1.1、好ましくは1.0〜1.05の比率で反応
させることが必要である。このウレタン化反応は、無溶
剤あるいはイソシアネート基、ヒドロキシル基に不活性
な溶剤中で行われる。かかる不活性な溶剤としては酢酸
エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、
クロロホルム、ジクロロメタン、クロロメタン、トルエ
ン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0049】このウレタン化反応は0〜120℃の温度
範囲で行うことができる。0℃未満の場合にはウレタン
化反応が進まなかったり、副生成物の比率が増えたりす
るおそれがある。120℃を超える場合には、官能基の
重合が始まり目的とする組成物が得られないおそれがあ
る。好ましくは、ウレタン化反応は30〜90℃の温度
範囲で行う。これにより、本樹脂組成物を高効率で合成
することができる。
【0050】ウレタン化反応が反応原料の性質により十
分進まない場合には反応を促進するための触媒を使用し
ても良い。ウレタン化反応触媒の一部を挙げると、ジブ
チル錫ラウレート、ジブチル錫オクテート、ジブチル錫
ジメトキシド等の有機錫化合物、またはトリエチルアミ
ン、ジエタノールアミン、ジメチルブチルエタノールア
ミン等のアミン化合物が適切である。その他にはチタン
化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物等が
ある。
【0051】これらウレタン化反応促進触媒は反応原料
に対して0.01〜2.5重量%の範囲、好ましくは
0.1〜1.5重量%の範囲で、反応原料に応じて適宜
調整すると良い。反応原料のウレタン化反応中の熱によ
る官能基の重合を防止するために重合禁止剤を使用して
もよい。重合禁止剤としてはハイドロキノン、メチルハ
イドロキノン、2,6−ジ−第3ブチル−4−メチルフ
ェノールが挙げられる。これら重合禁止剤は反応原料に
対して0.0001〜1.0重量%、好ましくは0.0
01〜0.1重量%の範囲で、反応原料に応じて適宜調
整すると良い。
【0052】上記官能基としては、そのままあるいは硬
化剤の存在下で熱、光あるいは紫外線、電子線によりラ
ジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等により硬化
する結合を持つ原子団を指し、具体的にはアクリロイル
基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基等がある。
このうち、光硬化の場合には重合速度が速いことからア
クリロイル基が好ましい。
【0053】請求項4の発明のように、上記樹脂組成物
は、水性エマルション系および/または水性ディスパー
ション系であることが好ましい。ここで、水性エマルシ
ョン系とは、水中で液滴として分散し乳化する性質をい
う。水性ディスパーション系とは、水中で粒子として分
散する性質をいう。水性エマルション系及び/又は水性
ディスパーション系の樹脂組成物は、乾燥時に臭気がな
く、洗浄用有機溶剤が不要である。また、一般に粘度が
低いため、刷毛、ローラー、ムートン、モップ、吹付け
などの簡易な塗布方法に適している。また、樹脂組成物
は、有機系や無溶剤系であってもよい。この場合には、
硬化前の溶媒除去が不要か又は短時間で足りる。
【0054】請求項5の発明のように、上記樹脂組成物
は、硬化剤を含有していることが好ましい。硬化剤とし
ては、たとえば、熱硬化剤、光または紫外線硬化剤,電
子線硬化剤から選択される1種類以上が用いられる。
【0055】熱硬化剤としては、有機過酸化物、例えば
ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハ
イドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド
系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、
アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等が挙げ
られる。
【0056】光又は紫外線硬化剤としては、例えば、ベ
ンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオ
ロ−3(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス
アシルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベン
ゾインアルキルエーテルがある。
【0057】続いて、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−(4−イソプ
ロピルフィニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパ
ン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノ
ン)、P−tert−ブチルトリクロロアセトフェノ
ン、P−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、ベ
ンジル、ベンゾイル、アセトフェノン、ベンゾフェノン
がある。
【0058】続いて、1−フェニル−1,2−プロパン
ジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、2
−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、
ジベンゾスベロン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメ
チルチオキサントン、4,4’−ジクロルベンゾフェノ
ン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、
4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカーボ
ニル)ベンゾフェノン、ベンザルアセトン、ビアセチ
ル、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノ
ン、2−エチルアンスラキノンがある。
【0059】続いて、n−ブチルベンゾインエーテル、
イソブチルベンゾインエーテル、テトラメチルチウラム
スルフィド、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイル
パーオキサイド、3,3−ジメチル−4−メトキシベン
ゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2−
ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩
素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アシ
ルホスフィンオキサイド、イソブチルチオキサントン、
4−N,N’−ジメチルアセトフェノン、アセトフェノ
ンジエチルケタール、4’−イソプロピル−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロピオフェノンがある。
【0060】続いて、フェニルグリオキシル酸メチル、
O−ベンゾイル安息香酸メチル,P−ジメチルアミノ安
息香酸メチル、2,2’−ビス(O−クロロフェニル)
−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビ
イミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、
カンファーキノン、3−ケトクマリン、アンスラキノ
ン、α−ナフチル、アセナフセン、P,P’−ジメトキ
シベンジル、P,P’−ジクロロベンジル、2,6−ジ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベ
ンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、α−クロル
アンスラキノン、2−tert−ブチルアンスラキノ
ン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等があ
る。これらはいずれも、単独で用いることも、複数種を
組み合わせて用いることもできる。
【0061】電子線硬化剤としては、例えばハロゲン化
アルキルベンゼン、ジサルファイド系化合物等が挙げら
れる。光硬化触媒としては、例えばヒドロキシアルキル
フェノン系化合物、アルキルチオキサントン系化合物、
スルホニウム塩系化合物等が挙げられる。
【0062】上記の硬化剤の使用量は、使用条件、用
途、製造条件などに応じて、適宜選択される。不飽和ウ
レタン化合物100重量部に対する硬化剤の配合比は、
0.01〜10重量部であることが好ましい。これによ
り、樹脂組成物の光硬化反応が効果的に行われる。
【0063】本発明の樹脂組成物には、上記不飽和ウレ
タン化合物及び硬化剤のほかに、必要に応じてモノマー
や添加剤又は溶剤などを添加することができる。モノマ
ーは、反応性希釈剤ともいわれ、一般に不飽和ウレタン
化合物の低粘度化のために添加するが、床材との密着性
及び柔軟性などの塗膜性能の向上のために添加されるこ
とがある。
【0064】上記モノマーとしては、例えば、単官能モ
ノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオ
クチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルメチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N’−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、ビニルトルエン、アクリルモル
フォリン、N−ビニルピロリドン等がある。
【0065】また、2官能モノマーとして、例えば、
1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート等がある。
【0066】また、多官能モノマーとして、例えば、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、N,N,
N’,N’−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチ
ルジアミンのアクリル酸エステル等がある。また、アリ
ル系モノマーとして、例えば、ジアリルフタレート、ジ
アリルイソフタレート、ジアリルアジペート等がある。
これらはいずれも、単独で用いることも、複数種を組み
合わせて用いることもできる。
【0067】モノマーは、不飽和ウレタン化合物100
重量部に対して、0〜400重量部添加することができ
る。400重量部を超える場合には、塗膜の耐汚染性、
耐摩耗性、耐薬品性、耐候性などの塗膜物性が低下する
おそれがあるからである。
【0068】上記添加剤には、増感剤、着色剤、消泡
剤、脱泡剤、湿潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度
調整剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、滑り止め剤、塗膜ひび割
れ防止剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔
料、離型剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤な
どがある。いずれも、既知のものを用いることができ
る。
【0069】また、本発明の樹脂組成物に表面乾燥性の
改良補助剤として、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コ
バルトなどの有機金属塩やパラフィンワックス類を併用
することができる。
【0070】更に,本発明の樹脂組成物には、他の不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエス
テルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシ
ド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、
メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合
体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、
飽和ポリエーテル類やニトロセルローズ、セルローズア
セテートブチレートなどのセルローズ誘導体、ロジン誘
導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化
油等の油脂類ごとき天然及び合成高分子を添加できる。
これらを添加することにより樹脂組成物からなる塗膜の
硬化収縮量を低下できる場合がある。
【0071】更に,炭酸カルシウム、タルク、マイカ、
クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、ポリマー
微粒子、アスベスト粉、硫酸バリウム、水酸化アルミニ
ウム、ステアリン酸亜鉛、チタン白、亜鉛華、ベンガラ
またはアゾ顔料、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊
維、アラミド繊維などの各種充填剤、顔料、繊維を添加
することもできる。
【0072】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
か1項の樹脂組成物を被塗物に塗布し、硬化させて塗膜
を形成してなることを特徴とする塗膜被覆物である。
【0073】本塗膜被覆物では、上記樹脂組成物から塗
膜を形成しているため、極めて大きな歩行負荷によって
も当初の高い表面光沢の低下が少なく、研磨等の方法に
よって傷及び着色汚れを簡単に取り除くことのできる塗
膜を形成することができる。
【0074】上記被塗物表面には、上記樹脂組成物を塗
布する前に、シーラー用樹脂膜を形成することが好まし
い。シーラー用樹脂膜は、被塗物表面への樹脂組成物の
浸透を抑制するため、塗膜の乾燥厚みの制御を正確に行
うことができる。
【0075】樹脂組成物が浸透しやすい床材にシーラー
用樹脂膜を形成することなく直接樹脂組成物を塗布する
と、長時間光照射しても床材内部に深く浸透した樹脂組
成物を完全硬化させることが困難となり、また未硬化の
樹脂組成物が経時的に滲み出てくる場合がある。従っ
て、特に被塗物が木質系などの樹脂組成物が浸透しやす
い床材である場合には、上記シーラー用樹脂膜を形成す
ることの意義は大きい。
【0076】上記シーラー用樹脂膜は、ウレタン系,ア
クリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系など、通常シーラ
ー用塗料として使用される樹脂を用いることができ、有
機溶剤系、水溶液系または水性エマルション系、水性デ
ィスパーション系を問わない。
【0077】シーラー用樹脂膜の乾燥は、光硬化、自然
乾燥、熱風乾燥など、通常塗料の乾燥方法で行うことが
できるが、一般には乾燥時間が短く光劣化の少ない方法
が好ましい。シーラー用樹脂膜の樹脂硬化は、樹脂組成
物の塗布前に行うことが好ましい。樹脂組成物の床材表
面への浸透を防止するためである。
【0078】シーラー用樹脂膜の厚みは、被塗物表面に
必要とされる種々の機能により自由に設定できる。シー
ラー用樹脂膜の厚みは、樹脂組成物の床材内部への浸透
を防ぎ、かつ要求される塗膜性能が発揮される膜厚がよ
い。
【0079】請求項7の発明のように、樹脂組成物の硬
化は、加熱、光照射または/及び電子線照射により行う
ことが好ましい。本発明の樹脂組成物は、熱で硬化させ
ても、光あるいは電子線を照射して硬化させても、さら
に熱と光を併用して硬化させても良い。
【0080】樹脂組成物に照射する光は、高圧水銀灯、
メタルハライドランプなどの紫外線がある。照射面での
照射光量は、1〜5000mJ/cmであることが好
ましい。1mJ/cm未満の場合には、不飽和ウレタ
ン化合物の硬化速度が遅くなり、また未反応成分が残り
組成物本来の性質が発現しないおそれがある。5000
mJ/cmを超える場合には、照射能力の低い設備を
用いるときは長い照射時間が必要となり、短時間でその
照射光量を照射しようとすると設備費が高くなり、また
塗膜劣化のおそれがあるからである。更には、照射面で
の照射光量は、10〜3000mJ/cmであること
が望ましい。
【0081】その他、樹脂組成物に照射する光は、ハロ
ゲンランプ、キセノンランプ等の可視光、太陽光でもよ
いが、硬化を良好に行うためには、紫外線を含む短波長
成分の多い光が好ましい。
【0082】樹脂組成物の塗布厚みは、乾燥厚みで、少
なくとも3μm以上、好ましくは5μm以上であること
が好ましい。3μm未満の場合には、塗膜の初期光沢が
低くなるおそれがあり、5μm未満の場合には研磨等で
塗膜の汚染部分を取り除いたときに塗膜の光沢が低下す
るおそれがある。
【0083】また、樹脂組成物の塗布厚みは、乾燥厚み
で、200μm以下であることが好ましい。200μm
を超える場合には、塗布作業が長時間になり、塗膜の乾
燥や硬化に必要な時間や照射光量も大きくなるほか、塗
膜の収縮によるひび割れや床材反りが生じるおそれがあ
る。
【0084】電子線による硬化は、コックロフトワルト
ン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器
型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電
子線加速器を用いることが好ましい。また、電子線によ
る硬化は、加速電圧30〜500KV、特に30〜10
0KVの電子線を照射することにより行うことが好まし
い。加速電圧30〜100KVの電子線により硬化させ
た場合、塗膜の柔軟性及び耐加工性を向上させるという
本発明の効果を最大限発揮することができる。加速電圧
が高すぎると、得られる塗膜の柔軟性及び耐加工性のバ
ランスがとりにくくなる。好ましくは5KGy〜200
KGy程度であり、更に好ましくは10KGy〜100
KGyである。照射線量が低すぎると、硬化が不十分で
あり、また、高すぎると塗膜の柔軟性が損なわれる。
【0085】請求項8の発明のように、上記被塗物は、
プラスティック成形品または床材であることが好まし
い。上記プラスティック成形品は、特に限定しないが、
たとえば、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロ
ン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレ
ン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセ
テート、セルロースブチレート等の酢酸繊維素系樹脂等
を用いることができる。これらの樹脂から成るプラステ
ィックフィルムに本発明の樹脂組成物を塗布し硬化させ
た塗膜付きプラスティックフィルムは、樹脂系タイルお
よびシートの一部を構成する半製品として特に有用であ
る。
【0086】上記床材は、たとえば、i)塩化ビニル等
の樹脂系のタイルおよびシート、ii)フローリング等
の木質系材料、iii)磁器タイル等のセラミックス系
材料、iv)大理石等の石材料、v)モルタル等のコン
クリート系材料、vi)コンクリート系材料等の表面に
塗膜を設けた塗り床材のいずれかにより構成されてい
る。なお、これらの床材の裏面には、バッキングシート
が設けられていることがある。
【0087】i)樹脂系のタイルおよびシートとして
は、コンポジションビニル床タイル、ホモジニアスビニ
ル床タイル等のビニル床タイル、クッションフロア等の
発泡ビニル床シート、織布積層ビニル床シート、不織布
積層ビニル床シート等のビニル床シート、リノリューム
床材、コルクタイル、ゴムタイル等の自然素材などを用
いることができる。 ii)フローリング等の木質系材料としては、単層フロ
ーリング、複合フローリング、フローリングボード、フ
ローリングブロック、モザイクパーケット、防音床、遮
音二重床、フリーアクセスフロアなどを用いることがで
きる。 iii)磁器タイル等のセラミックス系材料としては、
磁器質タイルのほかに陶器質タイル、陶製タイル、陶製
ブロック、ノンスリップタイル等を用いることができ
る。 iv)大理石等の石材料としては、大理石のほかに御影
石、レジンテラゾ、セメントテラゾ等のテラゾなどを用
いることができる。 v)コンクリート系材料等の表面に塗膜を設けた塗り床
材としては、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリ
ル樹脂系、MMA樹脂系、ポリエステル樹脂系などを用
いることができる。
【0088】本発明の樹脂組成物は、床材表面に塗布す
るコーティング材料として最適なものである。また、本
発明の樹脂組成物は、各種プラスティックフイルム、プ
ラスティックレンズ等の光学製品、CD,MD等の記録
材料、航空機の風防、車両の窓等のプラスティック成形
品の表面に塗布してハードコート層を成すハードコート
剤として用いることができる。特に、ハードコート剤に
は耐溶剤性、耐薬品性、耐擦傷性、耐摩耗性などの機能
が要求されていることから、本樹脂組成物の床材以外へ
の適用例として極めて有望である。
【0089】本樹脂組成物をハードコート剤として使用
するに際しては、特公昭60−21628、特開昭52
−16586、特公昭55−15494、特公昭51−
24368、特開昭52−112698、特開昭60−
45201、特開平5−19102等に記載の材料や方
法を用いることができる。さらに本発明の樹脂組成物
は、バンパー等のFRP製品、大理石テーブル表面や木
質系材料で構成された椅子の手すり等のような、とくに
表面光沢が高く、かつ優れた光沢保持性能と耐汚染性が
要求される用途に対しても好ましく使用することができ
る。
【0090】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、実
施例によって更に詳細に説明する。本例では、各不飽和
ウレタン化合物からなる樹脂組成物を調製しこれを塗膜
としたときの塗膜の光沢保持性能、耐汚染性能を評価し
た。
【0091】(実施例1)温度計、コンデンサー、攪拌
機、不活性ガス導入口を備えた4つ口フラスコにテトラ
メチロールメタントリアクリレート50g、ブレンマー
AE350(平均分子量423)108g、コロネート
HX50g(日本ポリウレタン社製;イソシアヌレート
体ポリイソシアネート)、ハイドロキノン0.1g、ジ
ブチル錫ラウレート0.07gを仕込み、80℃で8時
間反応を続行する。赤外スペクトルによりイソシアネー
ト吸収ピーク(2170cm−1)がなくなった時点で
反応を停止した。
【0092】これにより,図1(A)に示す不飽和ウレ
タン化合物が得られた。図1(B)に、この不飽和ウレ
タン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。
同図において、「U」はウレタン基を、「A」はアクリ
ロイル基を示す。以下の図面において同様とする。同図
より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中の平均官
能基数が5個であり、また、2個の官能基(図1におい
て、網掛け部分。以後の図面において同様。)がウレタ
ン結合を介することなく互いに結合しており、(平均分
子量/平均官能基数)の値が338、不揮発分が96%
であった。
【0093】(実施例2)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコに2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ
−3−メタクロキシプロパン118g、デュラネートE
−204−90T(旭化成社製;アダクト体ポリイソシ
アネート)284gを仕込み重合禁止剤としてハイドロ
キノン0.1g、ジブチル錫ラウレート0.07gを仕
込み、以下実施例1と同様な操作を行った。
【0094】これにより、図2(A)に示す不飽和ウレ
タン化合物が得られた。図2(B)に、この不飽和ウレ
タン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。
同図において、「MA」はメタクリロイル基を示す。以
下の図面において同様とする。同図より、この不飽和ウ
レタン化合物は、1分子中の平均官能基数が6個で、か
2個の官能基がウレタン結合を介することなく互いに結
合しており、(平均分子量/平均官能基数)の値が30
8、不揮発分が96%であった。
【0095】(実施例3)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコに2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ
−3−メタクロキシプロパン428g、ヘキサメチレン
ジイソシアネート168g、ハイドロキノン0.1g、
ジブチル錫ラウレート0.07gを仕込み、以下実施例
1と同様な操作を行った。
【0096】これにより、図3(A)に示す不飽和ウレ
タン化合物が得られた。図3(B)に、この不飽和ウレ
タン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。
同図より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中の平
均官能基数が4個で、かつ2個の官能基がウレタン結合
を介することなく互いに結合しており、(平均分子量/
平均官能基数)の値が99、不揮発分が100%であっ
た。
【0097】(実施例4)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコにテトラメチロールメタントリアクリ
レート110g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート220g、デュラネートE−405−90T(旭
化成社製;アダクト体ポリイソシアネート)162g、
ハイドロキノン0.1g、ジブチル錫ラウレート0.0
7gを仕込み、以下実施例1と同様な操作を行った。
【0098】これにより図4(A)に示す不飽和ウレタ
ン化合物が得られた。図4(B)に、この不飽和ウレタ
ン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。同
図より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中の平均
官能基数が12個で、かつ6個の官能基がウレタン結合
を介することなく互いに結合しており、(平均分子量/
平均官能基数)の値が194、不揮発分が97%であっ
た。
【0099】(実施例5)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコにテトラメチロールメタントリアクリ
レート270g、デュラネート22A−75PX(旭化
成社製;ビュレット体ポリイソシアネート)170g、
ハイドロキノン0.1g、ジブチル錫ラウレート0.0
7gを仕込み、以下実施例1と同様な操作を行った。
【0100】これにより、図5(A)に示す不飽和ウレ
タン化合物が得られた。図5(B)に、この不飽和ウレ
タン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。
同図より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中の平
均官能基数が9個で、かつ3個の官能基がウレタン結合
を介することなく互いに結合しており、(平均分子量/
平均官能基数)の値が163、不揮発分が90%であっ
た。
【0101】(実施例6)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコにテトラメチロールメタントリアクリ
レート182g、コロネートHX17g、デュラネート
E402−90T104g、ハイドロキノン0.1g、
ジブチル錫ラウレート0.07gを仕込み、以下実施例
1と同様な操作を行った。
【0102】これにより、図6(a)に示す不飽和ウレ
タン化合物が90mol%と、図6(b)に示す不飽和
ウレタン化合物が10mol%得られた。図7(a)、
図7(b)に、それぞれの不飽和ウレタン化合物に含ま
れている官能基の結合様式を示した。同図より、これら
の不飽和ウレタン化合物は、いずれも、一分子中の平均
官能基数が9個で、かつ3個の官能基がウレタン結合を
介することなく互いに結合しており、(平均分子量/平
均官能基数)の値が226、不揮発分が97%であっ
た。
【0103】(実施例7)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコにテトラメチロールメタントリアクリ
レート438g、イソホロンジイソシアネート87g、
ハイドロキノン0.1g、ジブチル錫ラウレート0.0
7gを仕込み、以下実施例1と同様な操作を行った。
【0104】これにより、図8(A)に示す不飽和ウレ
タン化合物が得られた。図8(B)に、この不飽和ウレ
タン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。
同図より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中の平
均官能基数が6個で、かつ3個の官能基がウレタン結合
を介することなく互いに結合しており、(平均分子量/
平均官能基数)の値が136、不揮発分が100%であ
った。
【0105】(比較例1)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコに2−ヒドロキシエチルアクリレート
220g、デュラネートE402−90T218g、ハ
イドロキノン0.1g、ジブチル錫ラウレート0.07
gを仕込み、以下実施例1と同様な操作を行った。
【0106】これにより、図9(A)に示す不飽和ウレ
タン化合物が得られた。図9(B)に、この不飽和ウレ
タン化合物に含まれている官能基の結合様式を示した。
同図より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中の平
均官能基数が3個で、かつ全ての官能基がウレタン結合
を介して結合しており(1個の官能基がウレタン結合を
介することなく互いに結合しており)、(平均分子量/
平均官能基数)の値が518、不揮発分が95%であっ
た。
【0107】(比較例2)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコに2−ヒドロキシエチルアクリレート
220g、デュラネートME−20−100 196
g、ハイドロキノン0.1g、ジブチル錫ラウレート
0.07gを仕込み、以下実施例1と同様な操作を行っ
た。
【0108】これにより、図10(A)に示す不飽和ウ
レタン化合物が得られた。図10(B)に、この不飽和
ウレタン化合物に含まれている官能基の結合様式を示し
た。同図より、この不飽和ウレタン化合物は、一分子中
の官能基数が10個で、かつ全ての官能基がウレタン結
合を介して結合しており、(平均分子量/平均官能基
数)の値が593、不揮発分が100%であった。
【0109】(比較例3)実施例1と全く同様に装備し
た4つ口フラスコに2−ヒドロキシエチルアクリレート
180g、コロネートHX252g、ハイドロキノン
0.1g、ジブチル錫ラウレート0.07gを仕込み、
以下実施例1と同様な操作を行った。これにより、図1
1(A)に示す不飽和ウレタン化合物が得られた。図1
1(B)に、この不飽和ウレタン化合物に含まれている
官能基の結合様式を示した。同図より、この不飽和ウレ
タン化合物は、一分子中の官能基数が3個で、かつ全て
の官能基がウレタン結合を介して結合しており、(平均
分子量/平均官能基数)の値が297、不揮発分が10
0%であった。
【0110】次に、上記各種樹脂組成物から、以下の方
法で樹脂組成物を調製した。実施例1で得られた不飽和
ウレタン化合物を蒸留水中に40重量%になるようにホ
モミキサー(IKA社製;T25 Basic)で徐々
に加えながら乳化し、紫外線硬化剤としてダロキュア1
173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
を2重量%加え、エマルション系樹脂組成物とした。
【0111】さらに実施例2〜7および比較例1〜3で
得られた各不飽和ウレタン化合物については、濃度が4
0重量%になるようにトルエンで希釈し、紫外線硬化剤
としてダロキュア1173(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ(株)製)を2重量%加え樹脂組成物とした。
【0112】次に、得られた上記各種樹脂組成物から塗
膜を以下の方法で作成した。#400サンドペーパーで
研磨したポリエステル化粧板に、上記各樹脂組成物をア
プリケーターで不揮発分厚みが20μmになるように塗
布した。塗膜中の溶剤を揮発せしめるために60℃で5
分で加熱した。溶剤が蒸発した塗膜に高圧水銀灯(H0
5−L21;アイグラフィックス(株)製)を用いて、
光量420mJ/cmの光を照射した。これにより、
ポリエステル化粧板に樹脂組成物からなる塗膜を得た。
【0113】上記塗膜の光沢保持性能の評価方法は、塗
膜表面の上に珪砂8号を介して1200g/cmの金
属塊をのせ、金属塊を40回往復させる試験を行った。
試験前後の表面光沢度をグロスチェッカー(商品名IG
−330;(株)堀場製作所製)で測定し、その差で光
沢保持性能を評価した。試験前の塗膜の表面光沢度は全
て87.5±2.5であった。
【0114】塗膜の光沢保持性能は、表面光沢度差が小
さいほど高いことになる。なお金属塊40回往復による
表面光沢度差は、人の往来の激しい店舗での3ヶ月間の
床材の表面光沢度差に相当する。
【0115】上記塗膜の耐汚染性能評価は、水性赤イン
ク(パイロットインキ;(株)パイロット製)、毛染め
(ビゲンクリームトーン;ホーユー(株)製)、油性黒
インク(マジックインキ(登録商標))を用いた。塗膜
表面に該物質を塗布し、該当部を時計皿で覆い室温で3
時間放置した。次に、時計皿を除き該当部を水道水で洗
浄し、さらに油性黒インクについては石油ベンジンを染
み込ませたウエスで拭き取った後、耐汚染性能を次の基
準に従い評価した。
【0116】 ◎:痕跡なし。 ○:わずかに痕跡があり、かつ市販のコンパウンドで容
易に除去できた。 △:はっきりと痕跡があり、かつ市販のコンパウンドで
除去できた。 X:はっきりと痕跡があり、かつ市販のコンパウンドで
除去できない。 上記光沢保持性能と耐汚染性能の評価結果を表1に示し
た。
【0117】
【表1】
【0118】以上のように実施例1〜3から不飽和ウレ
タン化合物の一分子あたりの平均官能基数が4以上で、
かつ平均的に2の官能基がウレタン結合を介することな
く互いに結合しており、(平均分子量/平均官能基数)
の値が400以下である場合には、塗膜の表面光沢度差
が41±4と小さく、優れた光沢保持性能を示した。
【0119】さらに実施例4〜7から一分子あたりの平
均官能基数が6以上で、かつ平均的に3個以上の官能基
がウレタン結合を介することなく互いに結合しており、
(平均分子量/平均官能基数)の値が400以下である
場合には、塗膜の表面光沢度差が27±2と更に小さく
なり、一層優れた光沢保持性能を示した。また、実施例
1〜7のいずれの場合にも、塗膜の耐汚染性能が優れて
いた。
【0120】一方、比較例1の結果から、一分子中の平
均官能基数が3であり、全ての官能基がウレタン結合を
介して結合しており、(平均分子量/平均官能基数)の
値が400を越える場合には、表面光沢度差が63と大
きく,光沢保持性能が劣り、また耐汚染性能も劣ること
がわかった。また、比較例2の結果から、平均官能基数
が9であっても、全ての官能基がウレタン結合を介して
結合しており、(平均分子量/平均官能基数)の値が4
00を越える場合には、表面光沢度差が59と大きく,
光沢保持性能が劣り、また耐汚染性能も劣ることがわか
った。また,比較例3の結果から,(平均分子量/平均
官能基数)の値が400以下の297の場合であって
も,平均官能基数が3であり,全ての官能基がウレタン
結合を介して結合しているときには,表面光沢度差が5
5と大きく,光沢保持性能が劣り,また耐汚染性能も劣
ることがわかった。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、極めて大きな歩行負荷
によっても当初の高い表面光沢の低下が少なく、研磨等
の方法によって傷及び着色汚れを簡単に取り除くことの
できる塗膜を形成することができる樹脂組成物および、
該塗膜を被覆した塗膜被覆物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図2】実施例2の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図3】実施例3の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図4】実施例4の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図5】実施例5の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図6】実施例6の不飽和ウレタン化合物の化学構造式
を示す説明図。
【図7】実施例6の不飽和ウレタン化合物の官能基の結
合様式を示す説明図。
【図8】実施例7の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図9】比較例1の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図10】比較例2の不飽和ウレタン化合物の説明図。
【図11】比較例3の不飽和ウレタン化合物の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 C09D 5/00 C09D 5/00 C 5/02 5/02 7/12 7/12 Z 175/14 175/14 (72)発明者 富永 洋二 愛知県津島市神守町字中之折74番地 玄々 化学工業株式会社津島工場内 (72)発明者 山村 信雄 愛知県津島市神守町字中之折74番地 玄々 化学工業株式会社津島工場内 (72)発明者 大城戸 正治 和歌山県和歌山市有本687番地 新中村化 学工業株式会社内 (72)発明者 小松 裕幸 和歌山県和歌山市有本687番地 新中村化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB46Z BB47Z DA06 DB12 DB14 DC02 DC05 EA05 EA06 EA13 EB38 EB45 EB52 4J011 QA02 QA03 QA05 QA08 QA09 QA13 QA20 QA23 QA24 QA33 QA34 QA38 QA39 QB16 SA02 SA04 SA12 SA14 SA16 SA17 SA20 SA22 SA25 SA27 SA34 SA42 SA54 SA58 SA61 SA63 SA64 SA76 SA78 SA79 SA83 SA84 SA85 UA01 UA03 UA06 VA01 WA02 4J027 AC03 AC06 AG12 AG13 AG14 AG15 AG23 AG24 AG27 AG28 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA13 BA14 BA15 BA17 BA19 BA20 BA22 BA26 BA27 BA28 4J038 DG081 DG271 DG281 DG291 GA01 KA03 MA10 MA14 NA01 NA05 PA17 PA19 PB05 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ウレタン化合物であって、該不飽
    和ウレタン化合物1分子当たりの平均官能基数が4以上
    であり、また該不飽和ウレタン化合物1分子中の少なく
    とも2以上の官能基がウレタン結合を介することなく互
    いに結合しており、上記平均官能基数に対する平均分子
    量の比が400以下であることを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記樹脂組成物は、
    塗膜形成用の樹脂組成物であることを特徴とする樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、上記不飽和
    ウレタン化合物1分子中の平均官能基数が6以上であ
    り、また上記不飽和ウレタン化合物1分子中の少なくと
    も3以上の官能基がウレタン結合を介することなく互い
    に結合していることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    上記樹脂組成物は、水性エマルション系および/または
    水性ディスパーション系であることを特徴とする樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記樹脂組成物は、硬化剤を含有していることを特徴と
    する樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項の樹脂組成
    物を被塗物に塗布し、硬化させて塗膜を形成してなるこ
    とを特徴とする塗膜被覆物。
  7. 【請求項7】 請求項6において、樹脂組成物の硬化
    は、加熱、光照射または/及び電子線照射により行うこ
    とを特徴とする塗膜被覆物。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、上記被塗物
    は、プラスティック成形品または床材であることを特徴
    とする塗膜被覆物。
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