JP2001089286A - 撥水性爆薬 - Google Patents

撥水性爆薬

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JP2001089286A
JP2001089286A JP26417699A JP26417699A JP2001089286A JP 2001089286 A JP2001089286 A JP 2001089286A JP 26417699 A JP26417699 A JP 26417699A JP 26417699 A JP26417699 A JP 26417699A JP 2001089286 A JP2001089286 A JP 2001089286A
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explosive
wax
water
nitrate
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JP26417699A
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Shosaku Aramaki
昌作 荒牧
Junji Inoue
順児 井上
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポーラスプリル硝安などの表面にのみ撥
水性被覆を形成することによって撥水性を付加あるいは
向上させ、水の爆薬粒子間への浸入を抑制し、起爆性及
び安定爆轟性を保持した爆薬を提供する。更に、カーボ
ンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末を添加
し、爆薬の帯電を減少し、流動性を向上させる。 【解決手段】 ポーラスプリル硝安、粉状爆薬、または
粒状爆薬の表面のみにワックスまたは粒状物質を含むワ
ックスを被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用爆薬における
発破、破砕、掘削などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用爆薬として最も一般的に使われて
いるのはダイナマイト、含水爆薬、硝安油剤爆薬(以
下、ANFOと略記)である。この中でもっとも多く消
費されている爆薬はANFOである。これはANFOが
硝酸アンモニウムと軽油という単純な組成で、簡単な装
置で容易に製造できること、衝撃感度などが低く安全で
あること、更に安価であることによる。現在使用されて
いるANFOは硝酸アンモニウムと軽油が重量比で94
/6である。これは酸素バランスを考慮し、もっとも威
力が最大となる配合である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ANF
Oはその主成分である硝酸アンモニウムの水への溶解性
が大きいことから耐水性がなく、ANFOはそのままで
は水孔での使用は不可能である。使用する場合は、AN
FOをポリエチレン袋にパッキングし水と隔離する方法
がある。また、米国特許No.4637849に記載の
通り、グアガムなどの粘稠剤と架橋剤を添加し、それら
が水と反応して膨張性のバリヤーを形成させ更に、それ
が架橋する事により強い不溶解性の膜を形成させる方法
がある。しかしながら、この粘稠剤の反応は遅く、水の
発破孔への流入が多い場合には爆薬内部に水が浸入して
硝酸アンモニウムを溶解したり、水の存在により安定な
爆轟エネルギーが発生されず爆轟中断を起こす場合があ
る。また、特公第2598318号報や特公第2598
319号報では、常温では固体状のワックス類、または
ワックス類とそれと相溶性のある樹脂を粒径が1.4m
m以下のポーラスプリル硝安に吸着させたものがある。
該明細書によると、ワックス等をワックスの融点以上の
温度で加熱溶融して液状化したものをポーラスプリル硝
安に加え、その加熱溶融温度を保ちながら十分混合、吸
着させるものである。該明細書より得られる爆薬はワッ
クス類などが容易にポーラスプリル硝安粒子内部まで浸
入したものであり、本発明の爆薬とは形態が異なり、そ
の形態から得られる効果が得られない。本発明で言う撥
水性はポーラスプリル硝安粒子表面のみを撥水性皮膜で
覆えば付加できるのであるが、酸化剤と燃料の酸素バラ
ンスを考慮した限られたワックス類などの量では、ポー
ラスプリル硝安粒子内部までワックス類が浸入すると、
ポーラスプリル硝安粒子表面全体を覆うには不十分とな
り、撥水性は得られない。
【0004】本発明の目的は、ポーラスプリル硝安、硝
安の粉状爆薬、または硝安の粒状爆薬の表面のみにワッ
クスを被覆することによって撥水性を付加あるいは向上
させ、水の爆薬粒子間への浸入を抑制し、起爆性及び安
定爆轟性を保持した爆薬を提供することである。更に、
カーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末
を添加し、爆薬の帯電を減少し、流動性を向上させるこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポーラスプリ
ル硝安、粉状爆薬、または粒状爆薬の表面のみにワック
スを被覆することによって撥水性を付加あるいは向上さ
せた爆薬である。更に、カーボンブラック、またはグラ
ファイトなどの炭素粉末を添加し、爆薬の帯電を減少
し、流動性を向上させた爆薬である。
【0006】本発明で言う撥水性の効果について述べ
る。粉状または粒状爆薬は、たとえそれらの個々の粒子
に水に溶解しない耐水性が付加されていても、爆薬粒子
間に水が浸入しその空間が完全に水に満たされた場合、
水の存在により安定な爆轟エネルギーが発生されず起爆
しないか爆轟中断を起こす場合がある。例えば、ポーラ
スプリル硝安を耐水性のあるポリビニルアルコールで被
覆した爆薬を、内径35mm鋼管に装填して水中に入れ
た場合、それぞれの粒子は耐水性はあるが撥水性がない
ために、水が爆薬粒子間に浸入しブースターで起爆して
も不爆となる。そこで、この爆薬にパラフィンワックス
を被覆し同様な起爆試験を行うと、撥水性のため水が爆
薬粒子間に浸入せず、ブースターで容易に起爆すること
ができる。これらの撥水性を付加した爆薬は、例えば内
径30mmのメスシリンダーに該爆薬25gを入れ、そ
の上から徐々に水25gを添加していくと、水が爆薬粒
子間に浸入することなく爆薬層と水層に分かれた状態と
なる。このことから撥水性のため水が爆薬粒子内に浸入
せず、容易に起爆する事が分かる。
【0007】本発明に用いるワックスはカーワックスに
広く使用されており、その撥水性はカーワックスの撥水
性の高さから容易に理解することができる。
【0008】ワックスは爆薬の燃料となるが、ワックス
単独でプリル硝安に燃料として被覆して爆薬としても良
いし、主に撥水剤としての役割とし、その他の燃料と併
用しても良い。
【0009】爆薬に被覆するワックスにはパラフィンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワ
ックス、ポリエチレンワックスなどがある。この中でパ
ラフィンワックスは安価で撥水性が高いワックスであ
る。マイクロクリスタリンワックスは温度による体積変
化が小さく、温度などの製造条件が複雑でない。
【0010】また、ワックスにポリエチレン、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、石油樹脂、ポ
リブテン、ロジン、クマロン樹脂、クマロン・インデン
・スチレン共重合物などの樹脂を配合しワックス皮膜の
強度や柔軟性を向上させることができる。
【0011】爆薬への被覆は、パンコーティング装置、
転動コーティング装置、流動層コーティング装置、複合
型コーティング装置などを用い、例えばワックスを徐々
にスプレーしながらポーラスプリル硝安や爆薬に添加、
被覆する方法がある。また、粉末状のワックスを予めポ
ーラスプリル硝安や爆薬に混合しておき、ワックスを融
解させて被覆する方法がある。また、既に耐水性を付加
する為などに他の物質で被覆されている場合で、緻密な
撥水被膜を必要としない場合は、複雑な操作や特別な装
置は必要なく、該爆薬をワックス溶液に漬けて取り出し
た後、凝集しないように冷却もしくは乾燥すればよい。
【0012】ポーラスプリル硝安など内部がポーラス状
で、被覆時に容易にワックスが内部に浸入していく場合
は、粉状物質を添加する必要がある。粉状物質はワック
スの浸入口であるポーラスプリル硝安などの表面に存在
する細孔を塞ぎ、ワックスを粉状物質自身に付着させて
保持し、更に被覆時のワックスの流動性を抑制する。粉
状物質の形状やサイズは細孔を塞ぎ、ワックスの流動性
を抑制するものであれば何でも良いが、形状については
板状、鱗片状、複雑な形状のものがより良い。そのよう
な形状のものであれば適切な添加量範囲でワックスの皮
膜強度を向上することもできる。粉状物質は例えば、炭
酸カルシウム、シリカ、タルク、カーボンブラック、グ
ラファイト、金属酸化物、アトマイズアルミニウム粉、
フレークアルミニウム粉、マグネシウム粉、未発泡のシ
ラスマイクロバルーン、発泡したシラスマイクロバルー
ン、ガラスマイクロバルーン、ポリエチレンビーズなど
がある。これら粉状物質の粒径は100ミクロン以下、
好ましくは50ミクロン以下、更に好ましくは20ミク
ロン以下である。
【0013】爆薬にワックスを添加する場合のいくつか
の添加方法の例を以下に述べる。
【0014】常温では固体状のワックスを使用する場合
は粉末か加熱溶融状態で爆薬に添加するか、水や溶剤に
乳化、分散または溶解させて爆薬に添加する。
【0015】ワックスを粉末で添加する場合、例えばポ
ーラスプリル硝安にワックスとタルクを混合し、徐々に
ワックスの融解開始温度まで加熱する。融解開始温度で
は全てのワックス全体が融解しておらず、更に粘度が高
いこととタルクの存在でポーラスプリル硝安内部への浸
入を防ぐことができる。融解開始温度はポーラスプリル
硝安とワックスの混合物の運動を観察していると容易に
目視で分かる。例えばパンコーティング装置を用いる場
合、融解開始温度以下ではポーラスプリル硝安とワック
スの混合物の回転運動はサラサラの状態であるが、融解
開始温度に到達すると抵抗のある回転運動となる。加熱
時間もワックスがポーラスプリル硝安内部に浸入しない
よう、また形成された皮膜が破壊されないよう必要以上
に掛けてはならい。この方法ではワックスがポーラスプ
リル硝安内部に浸入しないように加熱温度と加熱時間の
管理が重要である。電子顕微鏡写真に実施例3で製造し
たワックスで表面のみを被覆したポーラスプリル硝安の
断面写真を示す。左側がポーラスプリル硝安粒子内部で
右側がワックス皮膜表面である。その間がワックス断面
である。ポーラスプリル硝安の表面のみにワックスが被
覆されていることが分かる。
【0016】ワックスを溶融状態で爆薬に添加する場
合、ワックスは溶融状態に保つため加熱しておくが、例
えばポーラスプリル硝安を用いた爆薬の場合、ワックス
がポーラスプリル硝安粒子に付着後、粒子内部に浸入し
ないよう直ちに硬化しなくてはならない為、ポーラスプ
リル硝安は常にワックスの融点以下に保たねばならな
い。
【0017】ワックスを水や溶剤に乳化、分散または溶
解させて爆薬に添加する場合、例えばポーラスプリル硝
安を用いた爆薬の場合、乳化物、分散物、もしくは溶液
がポーラスプリル硝安に付着後、粒子内部に浸入しない
よう直ちに水もしくは溶剤を蒸発させなくてならない
為、ポーラスプリル硝安は加熱しておく必要がある。
【0018】常温で液状を呈するワックスを使用する場
合は、常温で固体状のワックスと併用するか、炭酸カル
シウム、シリカ、タルク、カーボンブラック、グラファ
イト、金属酸化物、アトマイズアルミニウム粉、フレー
クアルミニウム粉、マグネシウム粉、未発泡のシラスマ
イクロバルーン、発泡したシラスマイクロバルーン、ガ
ラスマイクロバルーンポリエチレンビーズ物などの粉状
物質と混合して添加するか、粉状物質と共に水や溶剤に
乳化、分散または溶解させて爆薬に添加し、被覆後、液
分離を行わないようにする方法などがある。
【0019】また、ワックスは導電性が無く、また当然
のことながら空気中の湿気を帯びることが少ないので、
ワックスで被覆されると爆薬は帯電の可能性が大きくな
る。これは爆薬装填中に静電気が発生し、電気雷管を使
用する場合は暴発の可能性があり危険である。そこでカ
ーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末を
添加することにより爆薬の帯電を防ぐことができる。カ
ーボンブラック、またはグラファイトなどの炭素粉末は
疎水性物質であるので、本発明の目的である撥水性を損
なうことはない。また、それらは耐ブロッキング剤とし
ての効果もあり、爆薬の流動性を向上させることができ
る。
【0020】その他、ワックスの被覆後に耐ブロッキン
グ剤として炭酸カルシウム、シリカ、タルク、カーボン
ブラック、またはグラファイト、金属酸化物などを添加
することができる。
【0021】また、反応性を向上させる目的で、アルミ
ニウムやマグネシウムなどの金属粉を添加することがで
きる。この中でピグメントアルミニウムは撥水性のある
ステアリン酸で被覆されており、爆薬の撥水性を損なう
こと無く添加することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例によって
本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】評価方法1 耐水試験 実施例または比較例の爆薬25gを内径30mmのメス
シリンダー入れ、その上から径が3mmから4mmのガ
ラスビーズ10g入れた。更に水25gを30秒掛けて
徐々に入れ、水が爆薬層に浸入して水と爆薬の混合層に
なるか、水層と爆薬層のそれぞれの層に分かれるか確認
した。水層と爆薬層に分かれたものについては水を入れ
終わってから30分後の水の浸入量をメスシリンダーの
目盛りから測定した。
【0024】評価方法2 起爆試験 実施例及び比較例の爆薬を径2mmの穴が12個ランダ
ムに開いた鋼管(内径35mm×長さ350mm、片方
は密閉)に密に詰め、鋼管の開いている一端を2号榎ダ
イナマイト30gで塞ぎ、一時間水中に漬けた。その
後、水中でダイナマイトに6号電気雷管を装着して起爆
するかしないかを確認した。評価の判定は完爆(不発残
留薬なし、かつ鋼管が全体的に破壊されている)、半爆
(一部不発残留薬あり、かつ鋼管が部分的に破壊されて
いる)、不爆(不発残留薬あり、鋼管がブースター部の
み破壊されている)で行った。
【0025】評価方法3 帯電試験 実施例及び比較例の爆薬100gを15cm×25cm
のポリエチレン袋の中で100回ふり、帯電によってポ
リエチレン袋表面へ付着するかしないかを確認した。
【0026】実施例1 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、100℃の溶融し
たパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:パ
ラフィンワックス155(融点69℃))30gを流量
5g/minの速度でスプレーし、スプレー終了後、5
8から62℃まで加熱し5分間維持した。その後50℃
から55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し
続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。なお、
ワックスのスプレーと同時にタルク30gを散布した。
この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示
す。
【0027】実施例2 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、パラフィンワック
ス(日本精蝋(株)製、商品名:パラフィンワックス1
55(融点69℃))の60メッシュ以下の粉末30g
とタルク30gを予め混合したものを添加し、58℃か
ら62℃まで加熱し5分間維持した。その後50℃から
55℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続け
た後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を
上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0028】実施例3 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、マイクロクリスタ
リンワックス(日本石油(株)製、商品名:155マイ
クロワックス(融点70℃))の60メッシュ以下の粉
末30gとタルク30gを予め混合したものを添加し、
58℃から62℃まで加熱し5分間維持した。その後5
0℃から55℃で20分間パンを回転(10r.p.
m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。
この爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示
す。また、図1に顕微鏡写真を示す。左側がポーラスプ
リル硝安粒子内部、右側がワックス皮膜表面である。
【0029】実施例4 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、55℃から60℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体を配合したパラフィンワックス(日本精蝋
(株)製、商品名:POLYCOAT−2255(融点
90℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク3
0gをあらかじめ混合したものを添加し、62℃から6
5℃まで加熱し5分間維持した。その後55℃から60
℃で20分間パンを回転(10r.p.m)し続けた
後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上
記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0030】実施例5 パンコーティング装置を用い、空気風量75m3/h
で、65℃から70℃に調整し、30r.p.mで回転
中の比較例2と同じ製法で作られたポリビニルアルコー
ルで被覆されたポーラスプリル硝安(重量比6/94)
470gに、110℃で乳化した混合物(マイクロクリ
スタリンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:Hi−
Mic−2095(融点98℃))20重量%/水77
重量%/界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲ
ン106)3重量%)50gを流量5g/minでスプ
レーし、スプレー終了後20分間パンを回転(10r.
p.m)し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得
た。なお、乳化混合物中にはタルクを10g加えた。こ
の爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示
す。
【0031】実施例6 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、100℃の溶融し
たパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:パ
ラフィンワックス155(融点69℃))30gを流量
5g/minの速度でスプレーし、スプレーの残量が1
0gとなった時点で、カーボンブラックを5g加えた。
スプレー終了後、58から62℃で5分間維持した。そ
の後50℃から55℃で20分間パンを回転(10r.
p.m)し続けた後、徐々に自然冷却し粒状爆薬を得
た。なお、ワックスのスプレーと同時にタルク30gを
散布した。この爆薬を上記評価方法により評価した結果
を表1に示す。
【0032】実施例7 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、パラフィンワック
ス(日本精蝋(株)製、商品名:パラフィンワックス1
55(融点69℃))の60メッシュ以下の粉末30g
とタルク30gを予め混合したものを添加し、58℃か
ら62℃まで加熱し5分間維持した。その直後カーボン
ブラックを5g加え、50℃から55℃で20分間パン
を回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に自然冷却
させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評
価した結果を表1に示す。
【0033】実施例8 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、50℃から55℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、マイクロクリスタ
リンワックス(日本石油(株)製、商品名:155マイ
クロワックス(融点70℃))の60メッシュ以下の粉
末30gとタルク30gを予め混合したものを添加し、
58℃から62℃まで加熱し5分間維持した。その直後
カーボンブラックを5g加え、50℃から55℃で20
分間パンを回転(10r.p.m)し続けた後、徐々に
自然冷却させ粒状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法
により評価した結果を表1に示す。
【0034】実施例9 パンコーティング装置を用い、空気風量25m3/h
で、55℃から60℃に調整し、40r.p.mで回転
中のポーラスプリル硝安470gに、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体配合したパラフィンワックス(日本精蝋
(株)製、商品名:POLYCOAT−2253(融点
90℃))の60メッシュ以下の粉末30gとタルク3
0gをあらかじめ混合したものを添加し、62℃から6
5℃まで加熱し5分間維持した。その直後カーボンブラ
ックを5g加え、55℃から60℃で20分間パンを回
転(10r.p.m)し続け後、徐々に自然冷却させ粒
状爆薬を得た。この爆薬を上記評価方法により評価した
結果を表1に示す。
【0035】実施例10 パンコーティング装置を用い、空気風量75m3/h
で、65℃から70℃に調整し、30r.p.mで回転
中の比較例2と同じ製法で作られたポリビニルアルコー
ルで被覆されたポーラスプリル硝安(重量比6/94)
470gに、110℃で乳化した混合物(マイクロクリ
スタリンワックス(日本精蝋(株)製、商品名:Hi−
Mic−2095(融点98℃))20重量%/水77
重量%/界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲ
ン106)3重量%)50gを流量5g/minでスプ
レーし、スプレーの残量が10gとなった時点で、カー
ボンブラックを5g加えた。スプレー終了後徐々に自然
降温させながら20分間パンを回転(10r.p.m)
し続けた後、徐々に自然冷却させ粒状爆薬を得た。な
お、乳化混合物にはタルクを10g加えた。この爆薬を
上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0036】比較例1 アルミニウム製パンの中で、ポーラスプリル硝安470
gに軽油30gを加え混合し硝安油剤爆薬を得た。この
爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0037】比較例2 パウレック社製ドリアコートを用い、空気風量50m3
/hで、温度80℃から90℃に調整し、30r.p.
mで回転中のポーラスプリル硝安450gに、2.5%
のポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名PV
A−HC)水溶液2000gを流量20g/minでス
プレーし、粒状爆薬を得た。ポーラスプリル硝安とポリ
ビニルアルコールの重量比率は90/10である。この
爆薬を上記評価方法により評価した結果を表1に示す。
【0038】耐水試験において、実施例1から実施例4
と実施例6から実施例9は比較例1と比較することによ
り撥水性が付加されたことが分かる。また、実施例5と
実施例10は比較例2と比較することにより撥水性が付
加されたことが分かる。30分後の爆薬へも水の浸入量
も0.5gから0.8gとわずかであった。また、起爆
試験についてはいずれの実施例も起爆することができ、
比較例1は不爆、比較例2は半爆であった。また、実施
例1から5の爆薬にカーボンブラックを添加することに
より、実施例6から10の様にビニールへの付着が無く
なり、帯電性が減少した。
【0039】以上から、ワックスを爆薬に被覆すること
により、水の爆薬粒子間への浸入を抑制し、起爆性及び
安定爆轟性を保持することができることが分かる。更
に、カーボンブラックを添加することによりポリエチレ
ンへの付着が無くなり、爆薬の帯電性が減少したことが
分かる。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明は、ポーラスプリル硝安、粉状ま
たは粒状爆薬の表面のみにワックスを被覆することによ
って撥水性を付加あるいは向上させ、水の爆薬粒子間へ
の浸入を抑制し起爆性及び安定爆轟性を保持することが
できる。更に、カーボンブラック、またはグラファイト
などの炭素粉末を添加する事により、帯電性を減少さ
せ、流動性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られた表面のみをワックス被覆し
たポーラスプリル硝安の断面の電子顕微鏡写真。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポーラスプリル硝安、粉状爆薬、または
    粒状爆薬の表面のみにワックスを被覆した爆薬。
  2. 【請求項2】 ワックス被覆は粉状物質を含む請求項1
    に記載の爆薬。
  3. 【請求項3】 ワックス被覆は、カーボンブラック、ま
    たはグラファイトなどの炭素粉末を含む請求項1または
    2に記載の爆薬。
JP26417699A 1999-09-17 1999-09-17 撥水性爆薬 Pending JP2001089286A (ja)

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