JP2001086880A - マルチング材 - Google Patents

マルチング材

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JP2001086880A
JP2001086880A JP26713299A JP26713299A JP2001086880A JP 2001086880 A JP2001086880 A JP 2001086880A JP 26713299 A JP26713299 A JP 26713299A JP 26713299 A JP26713299 A JP 26713299A JP 2001086880 A JP2001086880 A JP 2001086880A
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JP
Japan
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mulching
adhesive
sheet
fiber material
nitrogen
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JP26713299A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Sato
裕隆 佐藤
Hironori Watanabe
洋徳 渡辺
Katsunobu Fukuda
克伸 福田
Hidekazu Kobori
英和 小堀
Katsuhiko Hagio
勝彦 萩尾
Kikuhiko Mizusaki
貴久彦 水崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Forestry Co Ltd
Sumitomo Forestry Landscaping Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Forestry Co Ltd
Sumitomo Forestry Landscaping Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】造園樹木や林木を植栽地に定植する場合、定植
時の活着を高め、生育を促進するための優れたマルチン
グ資材を提供する。 【解決手段】短繊維資材と長毛繊維質資材を混合し、フ
ォーミングした後、ニードルパンチ絡合し成形して、さ
らに表層を接着剤で固定して得られる柔軟性及び生分解
性を有するシート状のマルチング材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、造園樹木や林木を定植
する際に株元に敷設するシート状のマルチング材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】造園樹木や林木を植栽地に定植する場
合、定植時の活着を高め、生育を促進する必要がある。
このために植栽する樹木の株元の土壌を被覆するマルチ
ングが行われる場合が多い。通常行われるマルチングの
効果としては、主に以下の項目があげられる。 1.草本による被圧を避ける為、雑草の発生、成長を押
さえる。 2.土壌からの水分の蒸発を押さえる。 3.冬季の地温低下防止 4.夏季の地温上昇防止 5.冬季の凍結による苗の凍て上がり防止 6.雨水によるエロージョンを防ぎ、土壌の流亡を防
ぐ。 7.庭園や街路などでは景観的効果
【0003】マルチング資材は、用いる素材とその形状
によって、いくつかに分類される。すなわち、シート状
に加工した化学製品を敷設する方法、シート状に加工さ
れた天然繊維を樹脂化合物と混合した製品を敷設する方
法、一定の粒径の岩石などを敷き詰める方法、樹皮など
の有機質素材と樹脂化合物を株元に敷き詰める方法に大
別される。前記マルチング資材にはそれぞれ一長一短が
あるが、造園や林業分野で樹木を植栽する際に用いられ
るマルチング材としては、とくに雑草抑制、土壌の乾燥
防止、施工のし易さが要求されている。また、設置後放
任されることが多いため近年とくに生分解性を有し環境
負荷が少ない素材のものが求められている。このような
条件から、植物質の原材料を用いたマルチング資材が広
く利用されており、例えば、繊維状の樹皮(バーク)を
株元に敷き詰める方法、コルク質の樹皮チップを株元に
敷き詰める方法が一般的である。これらの方法は、施工
が容易で、比較的安価であり、生分解性を有することか
ら環境負荷が少ない等の利点があるが、敷きムラができ
やすい、風で飛散しやすい等の問題点があった。そこ
で、それらの資材を接着剤等を使用して固めることによ
って改良を施した方法として、紙を樹脂で補強したシー
トを敷き詰める方法(特開平09−028210、08
−154501、08−269131、06−0626
81、05−103553)があるが、軽いため施工性
がよい等の利点はあるものの、薄いため保温性、保水性
に問題がある。また、透水性が悪く、分解するまでに時
間がかかる等の欠点がある。そこで、樹皮や稲わらなど
天然有機物素材をシート状に加工したものを土壌表面に
敷設する方法がある。この方法には、木材チップや樹皮
繊維と合成樹脂を混合した物を敷き詰める方法(特開平
09−313049、08−089097、08−11
6802、06−133652)、木質繊維に熱可塑性
樹脂を混合したシートを敷く方法(特開平08−187
035)などがある。これらの方法は、合成樹脂で固め
るためシートの柔軟性に欠け、土壌表面に凹凸がある場
合など土壌表面とシート間に隙間ができ、保温性、保水
性が著しく損なわれる場合があった。また、接着に用い
る樹脂等が難分解性の場合、接着剤が分解されずに環境
に負荷を与える可能性があった。環境負荷を押さえるた
めに樹脂含量を少なくすると、原材料間の接合が弱まり
マルチング材としての品質を損なうだけでなく、細かな
繊維質がシートから離脱し、作業性を悪化させ、作業者
が不快感を感じる問題点があった。さらに、原材料で用
いる木材チップ、樹皮等は、分解が遅いため施肥効果が
ほとんど望めないとともに、窒素含有量が少なく、分解
の過程で窒素欠乏を生じ植物の生育に悪影響を及ぼした
り、木材チップは樹木の代表的な腐朽菌であるナラタケ
病菌、紋羽病菌のエサとなり植栽樹木の病害の原因とな
る可能性があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】つまりマルチング材に
は雑草防止、乾燥防止、断熱性に優れた性質が求められ
る。その上で敷設の容易さ、メンテナンスの容易さ、不
要になった後の処理の容易さなども重要である。また前
記特徴を有するマルチング材であって、なおかつ育生樹
木の施肥も兼ねることができるものが最も望ましいマル
チング材として求められる。
【0005】
【課題を解決する手段】前記目的を達成するため、請求
項1記載の発明は、短繊維資材及び長毛繊維質資材、又
は短繊維資材及び長毛繊維質資材及びバーク堆肥、を混
合しフォーミングした後、ニードルパンチ絡合し成形し
て得られた柔軟性及び生分解性を有するシート(本発明
の説明では、ニードルパンチ絡合し成形したものをシー
トと称する。)の表裏の表面に、該シート表面から細か
な繊維が飛散することを押さえるために、接着剤溶液を
吹き付け、該シートの表層を硬化させたことを特徴とす
るシート状のマルチング材である。いずれも天然素材で
ある短繊維資材及び長毛繊維質資材を用いることにより
不要になった後の処理の容易さ、育生樹木の施肥も兼ね
ることができる。また前記短繊維資材及び長毛繊維質資
材にバーク堆肥を適宜加えることでマルチング材として
の有効期間及び施肥の効果を調節することができる。ま
た本発明のシート状のマルチング材は、表層を接着剤で
固定したため細かな繊維の離脱を抑えて作業性を向上さ
せることができる。
【0006】請求項2記載の発明は、短繊維資材及び長
毛繊維質資材、又は短繊維資材及び長毛繊維質資材に更
にバーク堆肥を混合しフォーミングした後、ニードルパ
ンチ絡合し成形して得られた柔軟性及び生分解性を有す
るシートの表裏の表面に、該シート表面から細かな繊維
が飛散することを押さえるために、接着剤溶液を吹き付
け、該シートの表層を硬化させたことを特徴とするシー
ト状のマルチング材であって、前記接着剤に、タンパク
質系接着剤、尿素樹脂接着剤、若しくは尿素−メラミン
共重合樹脂接着剤を用いる、又は緩効性窒素肥料を併用
することを特徴とするシート状のマルチング材で、前記
目的を達成することができる。前記接着剤は、生分解し
て無機態窒素を経て窒素肥料となるタンパク質系接着
剤、尿素樹脂接着剤、又は尿素ーメラミン共重合樹脂接
着剤が望ましい。分解しても窒素肥料とならない接着剤
を使用する場合は、緩効性窒素肥料を併用する。接着剤
あるいは窒素肥料を用いて窒素成分を前記シート内に添
加することによって、マルチング効果を失わない範囲で
シートを速やかに分解させることによって、植栽地の表
面土壌が肥沃化し、植物の地下部の伸長を促進する効果
がある。
【0007】請求項3記載の発明は、短繊維資材が10
%以上60%以下、長毛繊維質資材が40%以上90%
以下の割合からなる請求項1又は2記載のマルチング材
で、前記目的を達成することができる。
【0008】請求項4記載の発明は、前記シートの嵩比
重が0.03以上0.2以下且つ遮光率が98%以上に
調整された請求項1から3記載のマルチング材で、前記
目的を達成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】短繊維資材は木材又は廃棄木材チ
ップ等をディファイブレーターもしくはリファイナーで
解繊する機械化処理、または化学処理方法のいずれかの
方法で解繊される。繊維長は1mm〜40mm、望まし
くは3mmから20mmが効果的である。短繊維資材と
して他に単板くず、合板くず、古紙、パルプでも構わな
い。長毛繊維質資材は、廃棄麻袋等の麻繊維を通常の装
置を用いて解繊される。繊維長は5mmから150m
m、望ましくは30〜100mmが効果的である。長毛
繊維質資材として他に綿、羊毛、麻、綱麻、シュロ、ヤ
シ、ケナフ、コーリャン、竹、麦わら、稲わらのうちか
ら選ばれる単独あるいは複数の素材を加工して得られる
資材としても構わない。上記の短繊維資材の配合割合は
10%以上60%以下、長毛繊維質資材が40%以上9
0%、であるが長毛繊維質資材の割合が短繊維資材の割
合より多い方が望ましい。さらに望ましくは短繊維資材
が40%、長毛繊維質資材が60%前後が効果的であ
る。解繊された二つの繊維を混合し、均質にフォーミン
グした後ニードルパンチ絡合し成形し、シートを得る。
【0010】成形した該シートの表裏面に接着剤溶液を
吹きつけ硬化させる。その後、必要に応じて、所定の温
度および圧力で熱圧するか、常温でプレスし、該シート
を平滑かつ柔軟に仕上げることが望ましい。接着剤は、
タンパク質系接着剤、若しくはフェノール樹脂接着剤、
変性フェノール樹脂接着剤、タンニン樹脂接着剤、タン
ニン変性樹脂接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、エポ
キシ樹脂接着剤、ポリウレタン樹脂接着剤、若しくはα
−オレフィン・無水マレイン酸共縮合樹脂接着剤等の熱
硬化性樹脂接着剤、又は酢酸ビニル樹脂接着剤、変性酢
酸ビニル樹脂接着剤、ホットメルト接着剤、アクリル樹
脂接着剤若しくは変性アクリル樹脂接着剤等の熱可塑性
樹脂接着剤、又はゴム系接着剤、又はこれらの複合型接
着剤を用いても差し支えない。
【0011】特に生分解して無機態窒素を経て窒素肥料
となるタンパク質系接着剤、尿素樹脂接着剤、又は尿素
ーメラミン共重合樹脂接着剤が望ましい。分解しても窒
素肥料とならない接着剤を使用する場合は、緩効性窒素
肥料を併用する。緩効性窒素肥料は繊維質資材をフォー
ミングする際に一緒に混合するか、接着剤を塗布する前
にシート上に散布するか、若しくは接着剤溶液中に混合
して接着剤と一緒に塗布しても良い。接着剤塗布量は繊
維重量に対して固形分換算で、0.01〜10%、望ま
しくは0.05〜1%が効果的である。
【0012】窒素肥料は硫安、硝安、尿素等通常窒素肥
料として市販されているものならいずれのものでも用い
ることができる。CDU窒素、ウレアホルム、グアニル
窒素、尿素系縮合ポリマー(商品名ミクレア(三菱レイ
ヨン))など緩効性を有するものが望ましい。本発明で
添加される窒素肥料は窒素成分が最終的に得られるマル
チング材の0.5重量%以上2重量%以下となるように
添加する。
【0013】本発明では、含水率が30%以下に調整し
たバーク堆肥を添加することができる。本発明で用いる
バーク堆肥は、広葉樹あるいは針葉樹の樹皮に鶏ふんや
尿素などの窒素源を加えて長期間醗酵腐熟させたもの
で、土壌改良資材として政令指定されており、市販品で
あればいずれのものを用いることができる。本発明で用
いるバーク堆肥の粒径は12mm以下が望ましく、10
mm以下のものがさらに望ましい。さらにバーク堆肥の
C/N比が35以下、全窒素含有量が0.8%以上1.
4%以下のものが望ましい。本発明で用いるバーク堆肥
の含水率は30%以下、好ましくは20%以下が望まし
い。バーク堆肥の含水率が高い場合、フォーミング工程
において均一に混合しにくい、接着工程で接着効率が悪
いなどの不具合が発生する。本発明では、バーク堆肥を
添加することによって当該マルチング材内に腐植質や窒
素分、その他微量要素が添加され、マルチングとして敷
設したのちにこれらの成分が土壌中に溶出し、植栽樹木
の成育を促進する。さらに、バーク堆肥とともに当該マ
ルチング材内に木質繊維分解菌が添加され、その結果、
当該マルチング材を敷設後のシートの原材料である植物
質有機物の分解が促進される。さらに、分解による産物
である腐植質が生成され、植栽土壌の表層を肥沃化しす
ることができる。バーク堆肥の添加量によって当該マル
チングの分解を調節することができる。乾燥が著しい場
所や移植性の悪い樹木を植栽する場合などとくにマルチ
ング効果を持続させたい場合、バーク堆肥の添加量を少
なくすることによって分解促進を遅延させ、1.5〜2
年以上マルチング効果が持続するマルチングを得ること
ができる。活着性の良好な樹種の植栽や土壌の腐植化を
促進したい場合などバーク堆肥の添加量を高めて、分解
を促進させ、0.5〜1.5年程度で分解するマルチン
グを得ることができる。バーク堆肥の添加量は、本発明
のマルチング材乾物重量あたり0.5%以上5%以下、
好ましくは1%以上3%以下である。バーク堆肥の添加
量が多すぎると十分な絡合ができず十分な柔軟性を有す
るシートが得られない場合があり、製造効率が悪くな
る。さらに、植栽地に敷設後マルチング材の分解が著し
く促進され、植栽樹木が十分活着しないうちにマルチン
グの効果が失われる可能性がある。そのためバーク堆肥
はマルチング材の敷設面側に偏るように配合することで
マルチングの効果を引き延ばすことができる。
【0014】本発明では、植物質繊維の他に雑草発生抑
制資材を添加することができる。雑草発生抑制資材は、
例えばコーヒー滓、アレロパシー生産植物の植物体乾燥
粉末、ヒノキ、スギなどの針葉樹の樹皮や葉の粉末など
が例示される。これらの資材を植物質繊維とともに混合
し、シート内に保持することによって、当該マルチング
材を地面に敷設後、資材中の雑草発生抑制物質が速やか
に土壌中に溶出し、雑草の種子の発芽や新芽の伸長を抑
制することができる。雑草発生抑制資材の添加量は、本
発明のマルチング材乾物重量あたり0.1%以上5%以
下、好ましくは0.5%以上3%以下である。
【0015】本発明のマルチング材の厚さは3mm以上
50mmが望ましく、10mm以上30mm以下がさら
に望ましい。厚さ3mm以下では透水性、通気性が極め
て良好となり土壌中の水分保持、保温といったマルチン
グの機能が十分に発揮できない。また、50mm以上で
は、嵩張るため運搬性、施工性が悪い。
【0016】シートの比重は0.01〜0.4、望まし
くは0.03〜0.2が効果的である。シート比重が
0.01以下の場合、光透過率が高く、雑草種子の発芽
が抑制できない。また、透水性、通気性が極めて良好と
なり土壌中の水分保持、保温といったマルチングの機能
が十分に発揮できない。また、比重が0.4以上である
と重量が大きいため施工性が悪いだけでなく、製造コス
トが高くなる。
【0017】本発明のマルチング材の大きさは、製造、
加工が可能かつ敷設が可能であればいずれの大きさでも
良いが、0.04平方メートル以上10平方メートル程
度の正方形あるいは正方形に近似した長方形に裁断され
たものや、幅が0.3m以上3m以下で任意の長さに裁
断した短冊状のものを用いても良い。
【0018】本発明では、マルチング材を植栽した樹木
の株元に敷設する。正方形あるいは正方形に近似した長
方形に裁断されたマルチング材を用いる場合は、植栽し
た樹木の株元に隙間なく敷き詰める。このとき、隙間が
あるとそこから雑草の種子が発芽したり、水分の蒸発が
起こるため、5〜20mm程度重ねて敷設すると良い。
本発明のマルチング材は柔軟性を有するため、重ねた場
合にも土壌とマルチング材の隙間がほとんどなく敷設す
ることができる。植栽した樹木の株元に植栽地の全面に
敷き詰めても良いし、根鉢の上あるいは根鉢さに裁断し
た短冊状のマルチング材は広い範囲を省力的にマルチン
グする場合に適する。具体的には、整地した植栽地表面
に当該マルチング材を敷設し、根鉢が入る大きさにマル
チング材を切り裂き、樹木を植栽する。従って、根鉢が
大きな中高木の植栽より、ツツジ、ドウダンツツジ、ヘ
デラ、リュウノヒゲなどグランドカバー用の小低木や草
本の植栽に適する。敷設後は、風による飛散を防ぐため
に土壌表面に固定する。固定する方法にとくに限定はな
いが、木杭、竹杭、釘などで土壌表面に固定する方法、
さらに紐などで押さえる方法が望ましい。固定するため
の資材には生分解性を有する素材を使う事が、回収の必
要がないため好ましい。腐蝕する鉄製の釘などを用いて
も良い。
【0019】
【試験例】抑草物質混合効果の試験 短繊維資材として、スギ木材チップをディファイブレー
ターで解繊した繊維を40重量%、長毛繊維質資材とし
て麻廃棄袋を解繊機で解砕した繊維を60重量%の割合
となるように繊維重量135gを混合し、300mm×
300mmサイズに成形した後、ニードルパンチで絡合
した。成形されたシートに接着剤として、昭和高分子株
式会社製の酢酸ビニルエマルジョン接着剤EVA AD
−4(不揮発分45%)を、スプレーにて表、裏面に繊
維重量に対して固形分換算で各1%塗布し、60℃で面
圧10kg重/300mm×300mmで3分熱圧成形
した後、気乾放置し、厚さ10mm、気乾比重約0.1
5の無処理マルチング材を得た。無処理のマルチング材
に対して、表1に示した通りの試験区を設定し、各種抑
草物質をマルチング材にふりかけて、繊維の隙間に充填
させたものを供試サンプルとした。直径15cmのプラ
スチックポットに赤土を充填し、オヒシバ(イネ科)の
種子を0.2g/ポット、ホワイトクローバー(マメ
科)の種子を0.5gずつ散布し、さらにその上に隙間
なく供試サンプルを敷き詰め、十分灌水してその後の発
芽数を計数した。試験は3反復行った。試験開始後は2
0℃以上に管理されたガラス温室内で適度に灌水しなが
ら管理した。オヒシバは試験開始後3週間、ホワイトク
ローバーは2週間後の発芽数を計測した。
【0020】
【表1】
【0021】結果は、全くマルチングしないものに対し
て、マルチングした区ではいずれの植物とも発芽数が減
少した。ポットの端の部分などのわずかな隙間から伸長
する様子が観察されたため、マルチングを行うことによ
る発芽抑制効果は十分にあったものと思われる。さら
に、雑草抑草資材については、ヒノキ葉粉末を添加した
場合、添加量が多いほど発芽数が少なくなる傾向が見ら
れ、2g以上では大きな差は見られなかった。その他セ
イタカアワダチソウ根乾燥粉末、ヒメムカシヨモギ根乾
燥粉末、コーヒー滓についても同様に発芽抑制が認めら
たが、ゼオライト粉末には効果が見られなかった。
【0022】窒素及びバーク堆肥添加効果の試験 短繊維資材として広葉樹の化学パルプ(晒クラフトパル
プ)を40重量%、長毛繊維質資材として麻廃棄袋を解
繊機で解砕した繊維を60重量%の割合で混合し、繊維
重量135gを300mm×300mmサイズに成形し
た後、ニードルパンチで絡合し、無処理のマルチング材
を得た。得られた無処理のマルチング材に対して、表2
に示した通りの試験区を設定し、窒素肥料としてCDU
窒素(窒素成分、31重量%)、バーク堆肥(含水率1
3%、全窒素1.0%、10mmで篩別したもの)をマ
ルチング上に散布後、繊維間に充填した。また、尿素樹
脂として、住友ベークライト株式会社製のユリア樹脂接
着剤UA―919K(不揮発分65%、窒素成分47重
量%)を、スプレーにて表、裏面に繊維重量に対して表
2に示した通りの接着剤量となるように、また硬化剤と
して塩化アンモニウムを接着剤重量に対して1%混入し
て塗布し、180℃で面圧10kg重/300mm×3
00mmで3分熱圧成形した後、気乾放置し、供試サン
プルを得た。1999年3月に茨城県つくば市の屋外の
土壌(赤土)にツツジを植栽し、その株元に供試サンプ
ルを敷設し、5寸釘で固定した。植栽6ヶ月後にマルチ
ング材の状態、シートした土壌の状態等を観察し、土壌
表面深さ3cm以内の土壌をサンプリングし、無機態窒
素をケルダール法によって測定した。その結果を表3に
まとめた。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】いずれの試験区も植物の異常は見られずす
べて活着していた。気温、湿度が高く最も分解が促進さ
れ易い時期である3〜9月の試験では、シートの腐食程
度は窒素含有量の少ない区ではほとんど見られず、窒素
添加量が最も多い試験区とバーク堆肥を添加した区で
変色及び繊維組織の崩壊が見られ、腐食が進んでいるこ
とが観察された。これらの試験区では、土壌表面への設
置後半年以内に分解、腐植化が開始され、しかも1〜
1.5年以上マルチング効果が持続することが明らかと
なった。また、バーク堆肥の添加量が多いほど分解が促
進されていたことから、バーク堆肥の添加量を変えるこ
とによってマルチングの分解速度を調節できることが示
唆された。表面土壌の色については、マルチングの腐食
程度が大きいほど明褐色から暗褐色へ変色していること
が観察された。これは、マルチング材が分解した結果生
成した腐植質によるものと思われた。また、表層3cm
以内の無機態窒素については、窒素量が少ない試験区
及びではほとんど検出されず、窒素欠乏状態であるも
のと思われた。マルチング材内の窒素含有量が0.38
%以上の区では、無機態窒素が検出され、窒素添加量が
多いほど高くなる傾向が見られた。バーク堆肥を添加し
た区では、さらに無機態窒素量が多くなり、効率的に窒
素成分が土壌に溶出されているものと推測された。植栽
したツツジの根の様子から表層土壌の無機態窒素量が多
いほどより多くの根の伸長が観察された。窒素添加量が
著しく多い試験区についてはやや根の伸長が抑制され
る傾向が見られた。
【0026】以上の結果から、接着剤あるいは窒素肥料
を用いて窒素成分をシート内に添加したり、あるいはバ
ーク堆肥を添加することによって、マルチング効果を失
わない範囲でシートを速やかに分解させることによっ
て、植栽地の表面土壌が肥沃化し、植物の地下部の伸長
を促進することが明らかとなった。
【0027】次に本発明の好ましい実施例を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限され
るものではない。
【0028】
【実施例1】短繊維資材として、スギ木材チップをディ
ファイブレーターで解繊した繊維を40重量%、長毛繊
維質資材として麻廃棄袋を解繊機で解砕した繊維を60
重量%の割合で混合した繊維重量135gに、ヒノキ葉
乾燥粉末を5g混合し、300mm×300mmサイズ
に成形した後、ニードルパンチで絡合した。成形された
シートに接着剤として、昭和高分子株式会社製の酢酸ビ
ニルエマルジョン接着剤EVA AD−4(不揮発分4
5%)を、スプレーにて表、裏面に繊維重量に対して固
形分換算で各1%塗布し、60℃で面圧10kg重/3
00mm×300mmで3分熱圧成形した後、気乾放置
し、厚さ10mm、気乾比重約0.15の本発明のマル
チング材を得た。
【0029】
【実施例2】短繊維資材として広葉樹の化学パルプ(晒
クラフトパルプ)を40重量%、長毛繊維質資材として
麻廃棄袋を解繊機で解砕した繊維を60重量%の割合で
混合したもの135gに、さらにCDU窒素(窒素成
分、31重量%)を1.4g、バーク堆肥(含水率13
%、全窒素1.0%、10mmで篩別したもの)を7.
8g混合し、300mm×300mmサイズに成形した
後、ニードルパンチで絡合し、シートを得た。さらに、
住友ベークライト株式会社製のユリア樹脂接着剤UA―
919K(不揮発分65%、窒素成分47重量%)を接
着剤重量が1シートあたり1.2gとなるように、スプ
レーにて表、裏面に、また硬化剤として塩化アンモニウ
ムを接着剤重量に対して1%混入して塗布し、180℃
で面圧10kg重/300mm×300mmで3分熱圧
成形した後、気乾放置し、本発明のマルチング材を得
た。
【0030】
【発明の効果】本発明は、適度な比重と柔軟性を有し、
雑草防止、乾燥防止、断熱性に優れた天然繊維由来のシ
ート状のマルチング材であって、該シート状のマルチン
グ材は、表層を接着剤で固定したため細かな繊維の離脱
を抑えて作業性を向上させるだけでなく、生分解性を有
するため環境への負荷が少なく、さらにバーク堆肥など
の混合により敷設後速やかな分解を促すことによって窒
素欠乏やナラタケ病菌等の原因とならず、さらに樹木に
腐植質を含む肥料成分を供給することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 克伸 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 小堀 英和 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 萩尾 勝彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 水崎 貴久彦 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 住友 林業緑化株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DA06 DB07 DB10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短繊維資材及び長毛繊維質資材、又は短
    繊維資材及び長毛繊維質資材及びバーク堆肥、を混合し
    フォーミングした後、ニードルパンチ絡合し成形して得
    られた柔軟性及び生分解性を有するシートの表裏の表面
    に、該シート表面から細かな繊維が飛散することを押さ
    えるために、接着剤溶液を吹き付け、該シートの表層を
    硬化させたことを特徴とするシート状のマルチング材。
  2. 【請求項2】 前記接着剤に、タンパク質系接着剤、尿
    素樹脂接着剤、若しくは尿素−メラミン共重合樹脂接着
    剤を用いる、又は緩効性窒素肥料を併用することを特徴
    とする請求項1記載のマルチング材。
  3. 【請求項3】 前記短繊維資材の割合が10%以上60
    %以下、前記長毛繊維質資材の割合がが40%以上90
    %以下であることを特徴とする請求項1から2記載のマ
    ルチング材。
  4. 【請求項4】 前記シートの嵩比重が0.03以上0.
    2以下且つ遮光率が98%以上に調整されたことを特徴
    とする請求項1から3記載のマルチング材。
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