JP2001084844A

JP2001084844A - 伸縮性ケーブル

Info

Publication number: JP2001084844A
Application number: JP2000234064A
Authority: JP
Inventors: Toriipu Karl-Heinz; トリープカール−ハインツ
Original assignee: WL Gore and Associates GmbH
Current assignee: WL Gore and Associates GmbH
Priority date: 1999-08-06
Filing date: 2000-08-02
Publication date: 2001-03-30
Also published as: EP1103987A1; CN1283855A; KR20010020742A

Abstract

(57)【要約】【課題】多数回の伸長の後にも依然として記憶作用を
維持し、電気的減衰が実質的に変化しない、通信装置に
使用される改良された伸縮ケーブルを提供する。【解決手段】ジャケットの中に埋設された複数の同軸
ケーブルを備えたケーブルであって、複数の同軸ケーブ
ルの少なくとも１本が、内側導体、内側導体を囲む誘電
性絶縁体、及び誘電性絶縁体を囲むシールドを備えたこ
とを特徴とするケーブルである。好ましくは、複数の同
軸ケーブルの少なくとも１本が、シールドを囲む保護層
をさらに備え、３本の同軸ケーブルがジャケットの中に
埋設され、ジャケットが３６Ｄのショアー硬度を有し、
ジャケットが、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチ
レン、及びポリ塩化ビニルを含むポリマーの群より選択
された材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ジャケット内に埋
設された複数の同軸ケーブルを有する電気ケーブルに関
する。また、本発明は、ケーブルによって通信装置の通
信電子回路に接続された伸縮アンテナを有する通信装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】携帯電
話、ウォーキートーキィ、又はラジオのような移動式通
信装置は、いずれも信号を送信及び受信するために空中
線又はアンテナを有する。装置サイズと信号周波数に応
じて、これらのアンテナは、通信装置のケーシングの外
に伸長することができ、ユーザーは、ケーシングからア
ンテナを引出し、そうしてより良好な受信又は送信を得
ることができる。使用の後、ユーザーは、壊れないこと
を確保するため、ケーシングの中にアンテナを押し戻
す。

【０００３】アンテナは、ケーブルによって装置の中で
電子通信信号処理回路に接続され、このケーブルは、移
動式通信装置のケーシングの中で伸長と収縮が可能でな
ければならない。アンテナの頻繁な伸長と収縮は、経時
的に、ケーブルの機械的及び電気的性能の双方に影響を
及ぼす。例えば、ケーブルの電気的減衰が増加する一方
で、ケーブルの記憶作用、即ちケーシングの中に戻した
後に元の位置まで戻る能力が、低下することが見出され
ている。

【０００４】通信装置の小型化への動向が高まること
は、ケーブルを収納可能な装置のケーシング内のスペー
スが減少することを意味する。即ち、同軸ケーブルの中
に一層太い中心導体を設けることによる、ケーブル減衰
を改良する従来の解決策は、可能ではない。同様に、ケ
ーブルの機械的安定性を改良するように、より頑丈なジ
ャケットやより厚い誘電性材料を与えるために、スペー
スは使うことができない。

【０００５】したがって、本発明の目的は、通信装置に
使用される改良された伸縮ケーブルを提供することであ
る。また、本発明の目的は、多数回の伸長の後にも依然
として記憶作用を維持するケーブルを提供することであ
る。また、本発明の目的は、多数回の伸長の後にも電気
的減衰が実質的に減じないケーブルを提供することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の
これら及びその他の目的は、ジャケット内に埋設された
複数の同軸ケーブルを有するケーブルを提供することに
よって解決される。用語「埋設」とは、ケーブルが周り
のジャケット材料の中にしっかりと固定されることを意
味する。各同軸ケーブルは、内部導体、内部導体を囲む
誘電性絶縁体、及び誘電性絶縁体を囲むシールドを備え
る。この構造は、用途に適切な電気的特性を有する同軸
ケーブルの使用を可能にする一方で、ケーブルが多数回
の伸長に耐えるのに十分な機械的安定性を有し、かつケ
ーブルが十分な記憶作用を提供する、即ちその元の（伸
長前の）位置に戻るのに十分なレジリエンスを有する、
ことをジャケットが保証することが見出されている。ジ
ャケットは、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、及びポリ塩化ビニルを含むポリマーの群より選択さ
れた材料等の、種々の材料からなることができる。テス
トは、十分なレジリエンスを確保するための最良の材料
は、３６Ｄのショアー硬度を有することを示している。
本発明の１つの好ましい態様において、このことは、ジ
ャケットにポリウレタンを使用することによって達成さ
れる。

【０００７】本発明の好ましい態様において、同軸ケー
ブルには、シールドの周りに保護層が提供され、シール
ドにジャケットが取り付けられる。この保護層は、十分
な機械的安定性とレジリエンスを提供する機能をする。
本発明の好ましい態様において、保護層はポリイミドか
らなる。

【０００８】誘電性絶縁体は、ポリエチレン、ポリエス
テル、ペルフルオロアルコキシ、フルオロエチレン−プ
ロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ
テトラフルオロエチレン、又は延伸膨張ポリテトラフル
オロエチレン（ＰＴＦＥ）を含む誘電性材料の群より選
択された材料からなり、最も好ましくは、僅かな寸法で
優れた電気的性能を与える延伸膨張ＰＴＦＥからなる。

【０００９】本発明の好ましい態様において、同軸ケー
ブルには、シールドの周りに保護層が提供され、シール
ドにジャケットが取り付けられる。この保護層は、十分
な機械的安定性を与えかつレジリエンスを高める機能を
する。本発明の１つの態様において、保護層は、ポリエ
ステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又
はポリカーボネートの群より選択された材料からなる。
本発明の最も好ましい態様において、ポリエステルが使
用され、これは、ケーブルに十分なレジリエンスを与え
ることが見出されている。

【００１０】好ましくは、本ケーブルは３本の同軸ケー
ブルを備え、このことは、移動電話のような用途に理想
的であることが見出されている。

【００１１】通信用途において、本ケーブルは、伸縮ア
ンテナに接続され、その用途のケーシング内で螺旋状に
巻かれる。本ケーブルは、伸長前の位置において、ある
所定の伸長前の長さを有する。ケーシングの外側にアン
テナを伸長すると、本ケーブルは特定の伸長後の長さを
有する。〔伸長後の長さ／伸長前の長さ〕の比は７：１
を上回ることが分かっており、このことは、伸長前の状
態でケーシング内にケーブルを収めるのに必要なスペー
スと、ケーシングの外側にアンテナを十分伸長すること
を可能にするのに必要な長さとの間で、最適な折衷を与
えることが見出されている。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本発明にしたがう移動電話
10を示す。この移動電話10は、ケーシング15とアンテナ
20を備え、アンテナ20は、図１に破線で示したケーシン
グ15の外側の伸長後の位置Ａと伸長前の位置Ｂを有す
る。後者の位置Ｂにおいて、アンテナ20は、実質的に又
は完全に、移動電話10のケーシング15の中に位置する。
アンテナ20に取り付けられるのは、アンテナ電子回路30
であり、この電子回路30は、やはり移動電話10のケーシ
ング15の中にある通信電子回路40にケーブル100 によっ
て接続される。アンテナ20の伸長前の位置Ｂにおいて、
ケーブル100 は、図１に示すように実質的に螺旋状に巻
かれる。この位置Ｂにおいて、ケーブル100 は長さＣと
螺旋直径Ｄを有し、ケーシング15の中のケーブル収納区
画50の中に収められる。アンテナ20の伸長後の位置Ａに
おいて、ケーブル100 は実質的に真っ直ぐであり、図１
に示した長さＥを有する。中間位置において、ケーブル
は、螺旋状に巻かれ、Ｄを下回る螺旋直径と、長さＣと
Ｅの間の長さを有する。使用において、アンテナ20は、
移動電話10が使用されるときに移動電話10のユーザーに
よってケーシング15の外に引き出され、次いで、移動電
話10がそれ以上使用されないとき、ケーシング15の中に
押し込まれる。

【００１３】移動電話の１つの例において、アンテナ20
は１００ｍｍ伸長可能である。ケーブル収納区画50の寸
法は約１４ｍｍ×１４ｍｍである。ここで、これらの寸
法は本発明を限定されるものではない。本発明は、移動
電話10に関して説明しているが、伸長可能なケーブルが
必要な任意の装置にも使用可能であることを認識すべき
である。このような装置の例には、ラジオ、ウォーキー
トーキィが挙げられる。

【００１４】移動電話10に使用されるケーブル100 の構
造が図２と図３に示されている。好ましい態様におい
て、ケーブル100 は、ケーブル100 のほぼ中心105 の周
りに等距離に配置された３本の同軸ケーブル110 を有す
る。３本の同軸ケーブル110 の各々は、銅、錫メッキさ
れた銅、又は銀メッキされた銅のような金属導体からな
る内部導体120 を有する。内部導体120 は、ポリエチレ
ン、ポリエステル、ペルフルオロアルコキシ、フルオロ
エチレン−プロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテン、ポリテトラフルオロエチレン、又は延伸膨張ポ
リテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）を含む誘電性材
料の群より選択された材料からなる誘電性絶縁体130 に
よって囲まれる。好ましくは、延伸膨張ＰＴＦＥのよう
なフルオロポリマーが使用される。

【００１５】誘電性絶縁体130 は、シールド140 に囲ま
れ、このシールド140 は、金属を編組した又は横巻きし
たものでよく、あるいは、金属化されたポリエステル布
帛のような金属化された布帛からなることができる。最
終的に、保護層150 がシールド140 の周りに配置され
る。保護層150 は、ポリエステル、ポリイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、又はポリカーボネートを含むポ
リマーの群より選択された材料からなる。好ましくは、
ポリイミドが保護層150 として使用される。次いで、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリ塩
化ビニルを含むポリマーの群より選択された材料からな
るジャケット160 の中に、３本の同軸ケーブル110 が押
出される。好ましくは、ポリウレタンが使用される。ジ
ャケット160 は、３６Ｄのショアー硬度を有し、これ
は、伸長後に元の位置に戻るのに十分なレジリエンスを
ケーブルに与えることが見出されているためである。

【００１６】ケーブル100 は、適当な直径を有する円筒
型の成形機の周りに巻回することにより、螺旋状コイル
に成形される。保護層150 とジャケット160 が作成され
る材料に応じ、ケーブル100 は１００℃〜１５０℃の温
度で３０分間〜２時間にわたって加熱され、その後、ケ
ーブル100 は螺旋形状を呈する。また、本発明は、ミニ
ロボット、又は位置センサー、温度センサー、もしくは
マーキングセンサーのようなセンサーといった別な分野
にも用途を見出すことができる。

【００１７】

【実施例】例１ケーブル100 を、図２と図３に示した構造にしたがって
作成した。内部導体120 は、銀メッキされた銅からな
り、ＡＷＧ（アメリカンワイヤーゲージ）３０（０．３
ｍｍ）の直径を有する。誘電性絶縁体130 は、延伸膨張
ＰＴＦＥテープからなり、内部導体120 の周りに巻回さ
れ、厚さ０．２ｍｍの層を形成し、シールド140 は、誘
電性絶縁体130 の周りに巻回されたＡＷＧ４４（０．０
５ｍｍ）の銀メッキされた銅線からなる。厚さ０．０４
ｍｍの保護層150 をポリエステルから作成し、シールド
140 の周りに押出した。次いで、３本の同軸ケーブル11
0 を中に通して押出し、ポリウレタンジャケット160 を
形成した。ケーブル100 は２．４ｍｍの直径を有し、２
００〜２５０ｍｍの長さに切断した。

【００１８】次いで、切断した長さのケーブル100 を円
筒型の成形機の周りに巻くことによって螺旋状に巻回
し、１２０℃〜１３０℃で７０〜１２０分間加熱した。
ケーブル100 は螺旋形を呈し、移動電話10のケーシング
15の中に配置する準備ができた。螺旋状に巻回されたケ
ーブル100 は、１４ｍｍの伸長前の長さと１３．８ｍｍ
の直径を有した。これは、１００ｍｍほど伸長可能であ
った。ケーブル100 について行ったテストは、作成後に
２．２ＧＨｚにおいて２．３６ｄＢ／ｍの減衰を有し
た。

【００１９】例２螺旋状に巻回したケーブルが、伸長前の位置で４５ｍｍ
の長さと１３．８ｍｍの螺旋外側直径を有した以外は、
例１に記載したのと同じ方法を用いてケーブル100 を作
成した。伸長後の位置において、ケーブル100 は３００
ｍｍの長さを有した。この例のケーブル100 も移動電話
10に使用される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にしたがう移動電話を示す。

【図２】移動電話の通信電子回路にアンテナを接続する
のに使用される本発明のケーブルを示す。

【図３】図２のケーブルの横断面を示す。

【符号の説明】

１００…ケーブル１１０…同軸ケーブル１２０…内側導体１３０…誘電性絶縁体１４０…シールド１５０…保護層１６０…ジャケット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者カール−ハインツトリープドイツ連邦共和国，71710 グンツェンハウゼン，リンデンシュトラーセ 15

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ジャケット(160) の中に埋設された複数
の同軸ケーブル(110) を備えたケーブル(100) であっ
て、複数の同軸ケーブル(110) の少なくとも１本が、内
側導体(120) 、内側導体(120) を囲む誘電性絶縁体(13
0) 、及び誘電性絶縁体(130) を囲むシールド(140) を
備えたことを特徴とするケーブル(100) 。
【請求項２】複数の同軸ケーブル(110) の少なくとも
１本が、シールド(140) を囲む保護層(150) をさらに備
えた請求項１に記載のケーブル(100) 。
【請求項３】３本の同軸ケーブル(100) がジャケット
(120) の中に埋設された請求項１に記載のケーブル(10
0) 。
【請求項４】ジャケット(160) が３６Ｄのショアー硬
度を有する材料からなる請求項１に記載のケーブル(10
0) 。
【請求項５】ジャケット(160) が、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルを含む
ポリマーの群より選択された材料からなる請求項１に記
載のケーブル(100) 。
【請求項６】ジャケット(160) がポリウレタンからな
る請求項５に記載のケーブル(100) 。
【請求項７】誘電性絶縁体(130) が、ポリエチレン、
ポリエステル、ペルフルオロアルコキシ、フルオロエチ
レン−プロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、又は延伸膨張ポリテ
トラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）を含む誘電性材料の
群より選択された材料からなる請求項１に記載のケーブ
ル(100) 。
【請求項８】誘電性絶縁体(140) が延伸膨張ＰＴＦＥ
からなる請求項７に記載のケーブル(100) 。
【請求項９】保護層(150) が、ポリエステル、ポリイ
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、又はポリカーボネ
ートを含むポリマーの群より選択された材料からなる請
求項１に記載のケーブル(100) 。
【請求項１０】保護層(150) が、ポリイミドからなる
請求項９に記載のケーブル(100) 。
【請求項１１】アンテナ電子回路(30)を備え、伸長後
の位置(A) と伸長前の位置(B) を有する伸縮アンテナ(2
0)、ケーブル(100) によってアンテナ電子回路(30)に接続さ
れた通信電子回路(40)、及び伸縮アンテナ(20)が伸長前
の位置(B) にあるときにケーブル(100) がその中に実質
的に配置されるケーブル収納区画(50)、を備えた通信装置(10)であって、前記ケーブル(100) は、実質的に螺旋状に巻かれ、伸縮
アンテナ(20)が伸長前の位置(B) にあるときに伸長前の
長さを有し、伸縮アンテナ(20)が伸長後の位置(A) にあ
るときに伸長後の長さを有し、〔伸長後の長さ／伸長前
の長さ〕の比が７：１を上回ることを特徴とする通信装
置(10)。
【請求項１２】前記ケーブル(100) が少なくとも１本
の同軸ケーブル(110) を備えた請求項１１に記載の通信
装置(10)。
【請求項１３】前記ケーブル(100) が３本の同軸ケー
ブル(110) を備えた請求項１２に記載の通信装置(10)。
【請求項１４】少なくとも１本の同軸ケーブル(110)
が、内部導体(120)、内部導体(120) を囲む誘電性絶縁
体(130) 、及び誘電性絶縁体(130) を囲むシールド(14
0) を備えた請求項１１に記載の通信装置(10)。
【請求項１５】少なくとも１本の同軸ケーブル(110)
が、シールド(140)を囲む保護層(150) をさらに備えた
請求項１１に記載の通信装置(10)。
【請求項１６】少なくとも１本の同軸ケーブル(110)
がジャケット(120)の中に埋設された請求項１１に記載
の通信装置(10)。
【請求項１７】ジャケット(120) が３６Ｄのショアー
硬度を有する材料からなる請求項１６に記載の通信装置
(10)。
【請求項１８】ジャケット(160) が、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルを含
むポリマーの群より選択された材料からなる請求項１６
に記載の通信装置(10)。
【請求項１９】ジャケット(160) がポリウレタンから
なる請求項１６に記載の通信装置(10)。
【請求項２０】誘電性絶縁体(130) が、ポリエチレ
ン、ポリエステル、ペルフルオロアルコキシ、フルオロ
エチレン−プロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテン、ポリテトラフルオロエチレン、又は延伸膨張ポ
リテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）を含む誘電性材
料の群より選択された材料からなる請求項１６に記載の
通信装置(10)。
【請求項２１】誘電性絶縁体(140) が延伸膨張ＰＴＦ
Ｅからなる請求項１４に記載の通信装置(10)。
【請求項２２】保護層(150) が、ポリエステル、ポリ
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、又はポリカーボ
ネートを含むポリマーの群より選択された材料からなる
請求項１５に記載の通信装置(10)。
【請求項２３】保護層(150) が、ポリイミドからなる
請求項２２に記載の通信装置(10)。