JP2001081086A - 1,4−ベンゾジオキサン類の製法 - Google Patents

1,4−ベンゾジオキサン類の製法

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JP2001081086A
JP2001081086A JP25715299A JP25715299A JP2001081086A JP 2001081086 A JP2001081086 A JP 2001081086A JP 25715299 A JP25715299 A JP 25715299A JP 25715299 A JP25715299 A JP 25715299A JP 2001081086 A JP2001081086 A JP 2001081086A
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Yoshiro Furukawa
喜朗 古川
Kazuhiro Kitaori
和洋 北折
Hiroshi Yoshimoto
寛 吉本
Junzo Odera
純蔵 大寺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンゾジオキサン類の工業的製法 【解決手段】 式(3)のジオール化合物の水酸基を
塩基またはフッ化物塩の存在下、脱離基に変換し、該化
合物の保護基を脱離させると同時に閉環反応を行い、式
(1)の1,4−ベンゾジオキサン類を製造する方法に
おいて、途中で生成するいずれもの中間体を単離するこ
となく、ジオール化合物(3)に必要な反応剤を添加す
るだけのワンポットで製造することを特徴とする式
(1)の1,4−ベンゾジオキサン類の製法。 【化1】 【化2】 (上記式中、R1は水酸基の保護基、R2、R3およびR4
は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ
基、ホルミル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル
オキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル
基、N,N−ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニル
基、アルコキシカルボニル基、非置換もしくはアルキル
基で置換されたフェニル基などを表し、Aは水酸基また
はスルホネート基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、αおよびβアドレ
ナリン拮抗作用を有する循環器疾患治療薬並びに精神神
経疾患治療薬などの医薬品中間体として有用な1,4−
ベンゾジオキサン類の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−ベンゾジオキサン類は、αおよ
びβアドレナリン拮抗作用を有する循環器疾患治療薬や
精神治療薬などの合成中間体として用いられており、そ
の種々の製法が知られている。例えば、カテコール誘導
体とグリシジルトシレートとを水素化ナトリウムの存在
下に反応させる方法(特開平6−9613)やカテコー
ル誘導体とエピクロロヒドリンとをピリジンの存在下に
反応させる方法(J.Org.Chem.,46,3846(19
81))が知られている。また、カテコール誘導体とグ
リセリン1−トシレートアセトナイドとを反応させ、保
護基アセトナイドを脱離した後、トシル基を2つ導入し
単離した後に閉環して1,4−ベンゾジオキサン骨格を
構築する方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,921(1
976)、IL FARMACO,SCIENTIC EDITIOIN、43,11
53(1988))、カテコール誘導体とグリシジル
3−ニトロベンゼンスルホン酸エステルとを塩基の存在
下に反応させる方法(特開平10−45746)が開示
されている。また、発明者らは、モノアルキルカテコー
ルと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを反応さ
せ、ジオール体を得、これをスルホネート体または環状
カーボネート体に変換し、脱保護した後に閉環して1,
4−ベンゾジオキサン骨格を構築する方法を開発し、特
許出願(PCT国際公開番号WO96/30360とWO
98/51680)している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来公知の方法
は、出発原料から3ないし5という多段階反応で、途
中、中間体を単離したり、各工程で反応溶媒を置き換え
る必要があり、非常に煩雑である。一方、カテコール誘
導体とグリシジル 3−ニトロベンゼンスルホン酸エス
テルとを塩基の存在下に反応させる方法は1段階で1,
4−ベンゾジオキサン類が得られるものの、カテコール
誘導体の置換基の位置によって位置選択性の問題が生
じ、位置異性体を分離しなければならない。従って、こ
れらの方法はいずれも工業的に問題となる点が多く、よ
り優れた方法の開発が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1,4−
ベンゾジオキサン類の工業的製法を見い出すべく鋭意検
討した結果、カテコールあるいはモノアルキルカテコー
ル、あるいは後記式(2)で示されるジオール化合物を
出発原料として多段階反応ではあるが、生成する中間体
を単離することなく、反応系に必要な反応試薬を順次添
加するだけで、所望の1,4−ベンゾジオキサン類を合
成しうることを見出した。しかも、驚くべきことに各反
応工程を一つずつ行うより高収率で合成できる極めて有
利な工業的合成方法を見出し本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、下記式(4)で示される
モノアルキルカテコール
【化7】 をフッ化物塩の存在下、下記式(5)で示される3−ハ
ロゲノ−1,2−プロパンジオールまたは下記式(6)
で示されるグリシドール
【化8】 と反応させて下記式(3)で示されるジオール化合物
【化9】 とし、ついでフッ化物塩または塩基の存在下、該ジオー
ル化合物の水酸基を脱離基に変換し、式(2)で示され
る化合物
【化10】 とし、該化合物を単離することなく該化合物の保護基R
1を脱離させると同時に閉環して、式(1)で示される
1,4−ベンゾジオキサン誘導体
【化11】 を製造する方法で、反応系に順次、反応試薬を添加する
だけで途中、中間体を単離せずにワンポットで行うこと
を特徴とする式(1)の1,4−ベンゾジオキサン類の
製法に関する。
【0006】上記式(1)〜(6)中、R1は水酸基の
保護基、R2、R3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、
カルボキシ基、アルコキシ部分が炭素数1〜4のアルコ
キシカルボニルオキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアル
キル基、アルキル部分が炭素数1〜4のN,N−ジアル
キルアミノ基、アルキル部分が炭素数1〜4のアルキル
カルボニル基、アルキル部分が炭素数1〜4のアルコキ
シカルボニル基、非置換もしくは炭素数1〜4のアルキ
ル基で置換されたフェニル基を表し、またR2、R3およ
びR4のうち隣接する2つの基が一緒になってメチレン
ジオキシ基を形成してもよく、またR2、R3およびR4
のうち隣接する2つの基がそれぞれの基が結合している
炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成してもよい。
Aは水酸基またはスルホネート基を表し、Bは脱離基を
表し、そしてXはハロゲン原子を表す。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に反応行程を示して本発明方
法をより詳細に説明する。下記式中のR1、R2、R3
4、A、BおよびXは前記と同じものを意味する。
【化12】
【0008】まず、モノアルキルカテコール(4)をフ
ッ化物塩の存在下、3−ハロゲノ−1,2−プロパンジ
オール(5)あるいはグリシドール(6)と反応させる
ことによりジオール化合物(3)が得られる。3−ハロ
ゲノ−1,2−プロパンジオールとしては3−クロロ−
1,2−プロパンジオール、3−ブロモ−1,2−プロ
パンジオールが挙げられる。使用する溶媒としては、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド
などの非プロトン性極性溶媒、テトロヒドロフラン、ジ
オキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテ
ルなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリル、ブチ
ロニトリルなどのニトリル系溶媒酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル系溶媒などが挙げられ、特にN,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好まし
い。
【0009】使用するフッ化物塩としてはアルカリ金属
塩もしくはアルカリ土類金属塩が好ましく、これらの単
独もしくは混合物が使用できる。またフッ化物塩を適当
な担体に担持したものを用いてもよい。フッ化物塩の具
体例としてはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ
化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムが
挙げられ、特にフッ化カリウム、フッ化セシウムまたは
これらの混合物が好ましい。また、担体として用いるこ
とのできるものとしては、セライト、アルミナ、シリカ
ゲル、モレキュラーシーブスおよびそれらを修飾したも
の等が挙げられる。フッ化物塩の使用量は、3−ハロゲ
ノ−1,2−プロパンジオールを用いる場合は、モノア
ルキルカテコールに対して1.0〜10モル、より好ま
しくは1.1〜5モル、また、グリシドールを用いる場
合は、モノアルキルカテコールに対して0.005〜5
モル、より好ましくは0.01〜1モルである。
【0010】さらに、アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属の炭酸水素塩または炭酸塩をフッ化物塩と併用す
ることができる。この際、フッ化物塩の使用量を減らす
ことができ、モノアルキルカテコールに対して0.00
5〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
使用するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸
水素塩または炭酸塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムが挙げられ
る。これらの使用量は、モノアルキルカテコールに対し
て1.0〜10モル、より好ましくは1〜5モルであ
る。この反応は、フッ化物塩を存在させることで高収率
で達成される。また、後述する光学活性体を用いる場合
は、顕著なラセミ化が起こらず、高い光学純度の目的物
が得られる。
【0011】使用する3−ハロゲノ−1,2−プロパン
ジオールもしくはグリシドールの使用量はモノアルキル
カテコール(4)に対し、1〜5モル、より好ましくは
1〜3モルである。反応温度は−50℃〜150℃、好
ましくは−10℃〜100℃である。上記反応で得られ
たジオール化合物(3)は、単離してもよく、あるいは
単離することなくそのまま次の反応に付してもよい。
【0012】ジオール化合物(3)をフッ化物塩または
塩基の存在下、脱離基に変換しうる反応試薬を反応溶液
に添加して水酸基を脱離基に変換することができる。反
応試薬としてはスルホニルハライド化合物、炭酸エステ
ルが挙げられる。この場合は必ずしもフッ化物塩を存在
させなくても塩基だけでもよい。塩基としてはトリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルア
ミンなどの炭素数1〜6のトリアルキルアミンや、N,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなど
の炭素数1〜4のアルキル基とフェニル基からなる第3
級アミン、ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの含窒素
有機塩基、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキ
サイド、カリウムt−ブトキサイドなどの炭素数1〜4
の低級アルキルアルコールのアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属塩、アルカリ金属の水素化物、アルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸水素塩、
炭酸塩などの無機塩基が挙げられる。無機塩基として
は、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。フ
ッ化物塩または塩基の使用量は、ジオール化合物(3)
に対して1.0〜10モル、より好ましくは1〜5モル
である。
【0013】スルホニルハライド化合物、例えばベンゼ
ンスルホニルクロライド、トルエンスルホニルクロライ
ド、m−ニトロベンザンスルホニルクロライドもしくは
炭素数1〜4のアルキルスルホニルハライド、例えばメ
タンスルホニルクロライドとジオール化合物(3)を反
応させると下記式(2b)で示されるモノスルホネート
化合物、または下記式(2c)で示されるジスルホネー
ト化合物もしくは両者の混合物が得られる。反応温度は
−20〜150℃、好ましくは−10〜80℃である。
この反応は無触媒でも進行するがN,N−ジメチルアミ
ノピリジン等を添加すると反応が加速され収率も向上す
る。モノスルホネート化合物(2b)とジスルホネート
化合物(2c)との混合物で得られた場合は、混合物の
まま次の工程に用いることができる。
【0014】
【化13】
【化14】 (上記式中、R5はアルキル基またはアリール基を表
し、R1、R2、R3およびR 4は、前掲と同じものを意味
する。) 炭酸エステル化剤としては炭酸ジメチル、炭酸ジエチ
ル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアリル、炭酸アリルメチ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸ビス(4−ニトロフェニ
ル)、炭酸エチレンなどの炭酸エステル、クロロギ酸メ
チル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸1−クロロエチ
ル、クロロギ酸2−クロロエチル、クロロギ酸2−ブロ
モエチル、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、
クロロギ酸1,2,2,2−テトラクロロエチル、クロ
ロギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸
ブチル、クロロギ酸4−クロロブチル、クロロギ酸イソ
ブチル、、クロロギ酸ヘキシル、クロロギ酸オクチル、
クロロギ酸ビニル、クロロギ酸アリルなどのクロロ炭酸
エステル、N,N’−カルボニルジイミダゾール、炭酸
N,N’−ジスクシンイミジルなどの複素環を脱離基と
する炭酸エステルなどの炭酸エステル類、ホスゲンやク
ロロギ酸トリクロロメチル、炭酸ビストリクロロメチル
などのホスゲンのオリゴマーなどが挙げられる。
【0015】ジオール化合物(3)と炭酸エステルを反
応させると、下記式(2d)で示される環状カルボネー
ト化合物が得られる。
【化15】 (式中R1、R2、R3およびR4は、前掲と同じものを意
味する。) なお、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、
炭酸ジアリル、炭酸アリルメチル、炭酸ジフェニル、炭
酸ビス(4−ニトロフェニル)、炭酸エチレンなどの炭
酸エステルやN,N’−カルボニルジイミダゾール、炭
酸N,N’−ジスクシンイミジルなどの複素環を脱離基
とする炭酸エステルの場合は、フッ化物塩もしくは塩基
の使用量はジオール化合物(3)に対して0.005〜
5モル、より好ましくは0.01〜2モルで減らすこと
ができる。上記反応は生成するアルコールを留去しなが
ら反応させたり、モレキュラーシーブスなどで吸収する
と反応は速やかに進行する。反応温度は−20℃〜還流
温度、好ましくは0℃〜還流温度である。
【0016】次にフッ化物塩または塩基の存在下、中間
体(2)の保護基R1の脱離を行う。この際、保護基の
脱離と同時に閉環が起こり目的とする1,4−ベンゾジ
オキサン類(1)が得られる。この場合も必ずしもフッ
化物塩を存在させなくても塩基のみでもよい。塩基とし
ては前工程の中間体(2)の製造の際に用いたものが挙
げられる。保護基R1としては反応に影響を及ぼさない
基であればいかなる基でもよい。保護基としてベンジル
基またはアリル基を用いた場合は、パラジウム−炭素ま
たはラネーニッケルの存在下、水素ガスまたはギ酸アン
モニウムを用いて接触還元して脱保護できる。
【0017】モノスルホネート化合物(2b)、環状カ
ーボネート化合物(2d)からは2−ヒドロキシメチル
−1,4−ベンゾジオキサン類(式(1)中、Aが水酸
基)が、ジスルホネート化合物(2c)からは2−スル
ホニルオキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン類(式
(1)中、Aがスルホネート基)が得られる。式(2)
の中間体の保護基R1の脱離に際して、該R1がアリル基
であり、且つ、ベンゼン環上の置換基R1、R2およびR
3の少なくとも1個が水素原子であって、該水素原子が
3位もしくは5位または両者に置換した化合物である場
合、該化合物を加熱処理することにより、いわゆるクラ
イゼン転位反応が生じ、R1の脱離とベンゼン環の3位
または5位への該R1の導入、さらには閉環が同時に行
われる。この反応温度は0℃〜250℃、好ましくは5
0℃〜200℃である。反応は常圧でもよいし加圧下で
もよい。R1の転位は、当初3位に生じ、時間の経過と
共に5位へ転位したフェノール誘導体の量が多くなる。
【0018】式(4)のモノアルキルカテコールはカテ
コールのモノアルキル化で製造することができる。アル
キル化剤としては、例えば塩化ベンジル、臭化ベンジル
などのハロゲン化ベンジル、塩化アリル、臭化アリル、
沃化アリルなどのハロゲン化アリルが挙げられる。この
際、モノアルキルカテコール化合物(4)と下記式(4
b)のジアルキルカテコール化合物
【化16】 (式中R1、R2、R3およびR4は、前掲と同じものを意
味する。) もしくは両者の混合物が得られるが、これを単離するこ
となく、そのまま3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオ
ール(5)あるいはグリシドール(6)と反応させてジ
オール化合物(3)に変換してもよい。このモノアルキ
ル化の場合にも、必ずしもフッ化物塩を存在させなくて
も塩基のみでもよい。塩基としては中間体(2)の合成
の際に用いたものが挙げられる。フッ化物塩や塩基をカ
テコールに対して1から2モル用いる必要がある。反応
温度は−10〜150℃、好ましくは0〜100℃であ
る。この反応は無触媒でも進行するがN,N−ジメチル
アミノピリジン等を添加すると反応が加速され収率も向
上する。
【0019】なお、上記各反応で使用される塩基やフッ
化物塩は各工程で必要な量を最初にまとめて添加しても
よいし、各工程ごとに必要量を添加しても良い。また、
本発明においては光学活性なジオール化合物(3)を用
いることにより、光学活性な1,4−ベンゾジオキサン
類(1)を製造することができる。このような光学活性
ジオール化合物は、例えば式(4)のアルキルカテコー
ルに光学活性な式(5)の3−ハロゲノ−1,2−プロ
パンジオールあるいは式(6)のグリシドールを上記と
同様の反応条件で反応させることにより得られる。
【0020】光学純度の高い3−ハロゲノ−1,2−プ
ロパンジオール(5)あるいはグリシドール(6)を原
料として用いると、反応中顕著なラセミ化反応は起こら
ず高光学純度の1,4−ベンゾジオキサン類を製造する
ことができる。高光学純度(98%ee以上)の3−ハ
ロゲノ−1,2−プロパンジオール(5)は、例えば本
出願人による特公平4−73998号公報および特公平
4−73999号公報に記載の方法により得ることがで
きる。また本発明の方法によれば、(R)−3−ハロゲ
ノ−1,2−プロパンジオール(5)あるいは(R)−
グリシドール(6)からは、式(1)中Aが水酸基の場
合(S)−1,4−ベンゾジオキサン類(1)が、式
(1)中Aがスルホネート基の場合(R)−1,4−ベ
ンゾジオキサン類(1)が、そして(S)−3−ハロゲ
ノ−1,2−プロパンジオー(5)あるいは(S)−グ
リシドール(6)からは、式(1)中Aが水酸基の場合
(R)−1,4−ベンゾジオキサン類(1)が、式
(1)中Aがスルホネート基の場合(S)−1,4−ベ
ンゾジオキサン類(1)が得られる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 窒素雰囲気下、2−ベンジルオキシ−3−メチルフェノ
ール 3.60g (16.80mmol)をジメチルホルムアミド 150 m
lに溶かし、CsF 19.14g (126.01mmol)を加え、室温
で1時間攪拌した。次に、内温を80℃とし、99.3 %eeの
(R)-3-クロロ-1,2-プロパンジオール 1.86g (16.80mmo
l)を加え、同温度で4時間攪拌した。原料の消失をHPLC
で確認後、反応温度を0℃に下げた。次に、p-トルエン
スルホニルクロリド 6.41g(33.6mmol)をジメチルホルム
アミド 20mlに溶解した液を1時間かけて滴下し、滴下終
了後、反応温度を室温とし22時間攪拌した。原料の消失
をHPLCで確認後、反応終了後、反応混合物中に10重量
%Pd-C 865mgを加えて60℃で、水素添加を行なった。2
時間後、原料の消失をHPLCで確認後、塩及びPd-Cをろ過
し、ろ液を減圧下に濃縮した。得られた粗生成物に水を
加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸マク゛ネシウム
で乾燥した後、減圧下濃縮乾固した。残さの光学純度を
高速液体クトマトグラフィーによって分析の結果、99.2
%eeであった。この残さをシリカゲルクトマトグラフィ
ー( ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製することにより、
目的の(R)-8-メチル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベン
ゾジオキサン 4.62g (2−ベンジルオキシ−3−メチ
ルフェノールからの収率 82.0%,光学純度 99.2 %ee)を
無色針状結晶として得た。
【0022】実施例2 窒素雰囲気下、カテコール 5.25g (47.68mmol)をジメチルホ
ルムアミド 150 mlに溶かし、CsF 57.94g (381.43mm
ol)を加え、室温で1時間攪拌した。次に、内温を70℃と
し、アリルクロリド 4.38g (57.21mmol)を同温度で2時
間かけて滴下した。原料の消失をHPLCで確認後、内温を
80℃として、99.3 %eeの(R)-3-クロロ-1,2-プロパンジ
オール 5.27g (47.68mmol)を加え、同温度で6時間攪拌
した。原料の消失をHPLCで確認後、反応温度を0℃に下
げた。次に、p-トルエンスルホニルクロリド 18.18g(9
5.3mmol)をジメチルホルムアミド 40mlに溶解した液を1
時間かけて滴下し、滴下終了後、反応温度を室温とし30
時間攪拌した。原料の消失をHPLCで確認後、反応終了
後、反応混合物をオートクレーブに移し185℃で反応を
行なった。原料の消失をHPLCで確認後、塩類をろ過し、
ろ液を減圧下に濃縮した。得られた粗生成物に水を加え
て、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウム
で乾燥した後、減圧下濃縮乾固した。残さの光学純度を
高速液体クトマトグラフィーによって分析の結果、99.0
%eeであった。この残さをシリカゲルクトマトグラフィ
ー( ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製することにより、
目的の(R)-8-アリル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベン
ゾジオキサン 11.69g (カテコールからの収率 62%,
光学純度 99.0 %ee)を無色油状物として得た。
【0023】実施例3 窒素雰囲気下、 2−ベンジルオキシ−3−メチルフェ
ノール 1.03g (4.81mmol)をジメチルホルムアミド 150
mlに溶かし、CsF 0.015g (0.096mmol)を加え、室温
で1時間攪拌した。次に、内温を80℃とし、99.5 %eeの
(R)-グリシドール0.36g (4.81mmol)を加え、同温度で5
時間攪拌した。原料の消失をHPLCで確認後、反応温度を
0℃に下げた。次に、炭酸カリウム 2.19g (15.86mmol)
を加え、続いてp-トルエンスルホニルクロリド 1.83g
(9.61mmol)をジメチルホルムアミド 8mlに溶解した液を
1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を室温と
し19時間攪拌した。原料の消失をHPLCで確認後、反応終
了後、反応混合物中に10重量%Pd-C 300mgを加えて60
℃で、水素添加を行なった。1時間後、原料の消失をHPL
Cで確認し、塩及びPd-Cをろ過し、ろ液を減圧下に濃縮
した。得られた粗生成物に水を加えて、酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減
圧下濃縮乾固した。残さの光学純度を高速液体クトマト
グラフィーによって分析の結果、99.4 %eeであった。こ
の残さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサン:酢酸エ
チル=2:1)にて精製することにより、目的の(R)-8-メチ
ル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン 1.2
9g (2−ベンジルオキシ−3−メチルフェノールから
の収率 80.0%, 光学純度 99.4 %ee)を無色針状結晶と
して得た。
【0024】実施例4 窒素雰囲気下、カテコールモノアリルエーテル 3.68g
(24.50mmol)をジメチルホルムアミド 250 mlに溶かし、
CsF 0.082g (0.54mmol)を加え、室温で1時間攪拌し
た。次に、内温を80℃とし、99.5 %eeの(R)-グリシドー
ル 1.82g (24.50mmol)を加え、同温度で4時間攪拌し
た。原料の消失をHPLCで確認後、反応温度を0℃に下げ
た。次に、炭酸カリウム 11.50g (83.32mmol)を加え、
続いてp-トルエンスルホニルクロリド 9.34g(49.01mmo
l)をジメチルホルムアミド 20mlに溶解した液を1時間か
けて滴下した。滴下終了後、反応温度を室温とし25時間
攪拌した。原料の消失をHPLCで確認した。次に、反応混
合物をオートクレーブに移し185℃で反応を行なった。
原料の消失をHPLCで確認後、塩類をろ過し、ろ液を減圧
下に濃縮した。得られた粗生成物に水を加えて、酢酸エ
チルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾
燥した後、減圧下濃縮乾固した。残さの光学純度を高速
液体クトマトグラフィーによって分析の結果、99.3 %ee
であった。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー
( ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製することにより、目
的の(R)-8-アリル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベンゾ
ジオキサン 6.80g (カテコールモノアリルエーテルか
らの収率 77.0%, 光学純度 99.3 %ee)を無色油状物
として得た。
【0025】実施例5 窒素雰囲気下、2−ベンジルオキシ−3−メチルフェノ
ール 228.2mg (1.07mmol)をジメチルホルムアミド 15 m
lに溶かし、CsF 292.6 mg (1.92 mmol)を加え、室温
で1時間攪拌した。次に、内温を80℃とし、99.3 %eeの
(S)-3-クロロ-1,2-プロパンジオール 117.7mg (1.07mmo
l)を加え、同温度で4時間攪拌した。原料の消失をHPLC
で確認後、反応温度を室温とした。次に、クロル炭酸メ
チル 120.8mg(1.28mmol)、炭酸カリウム440.9mg (3.20m
mol)及びモレキュラーシーブス 3Aを加え、反応温度を1
00℃とし8時間攪拌した。原料の消失をHPLCで確認後、
反応混合物中に10重量%Pd-C 388mgを加えて60℃で、
水素添加を行なった。1時間後、原料の消失をHPLCで確
認後、塩及びPd-Cをろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。
得られた粗生成物に水を加えて、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧
下濃縮乾固した。残さの光学純度を高速液体クトマトグ
ラフィーによって分析の結果、99.0 %eeであった。この
残さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)にて精製することにより、目的の(R)-2-ヒドロ
キシメチル-8-メチル−1,4−ベンゾジオキサン 149.7mg
(収率 78.0%, 光学純度 99.0 %ee)を無色固体とし
て得た。
【0026】比較例1 (ジオール体の合成)水素化ナトリウム1.67g(41.86m
molオイル中60重量%)をn−ヘキサンで洗浄し、ジ
メチルホルムアミド15mlを加えた。この懸濁液中に
窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド10mlに溶解し
た2−ベンジルオキシ−3−メチルフェノール5.98g(2
7.91mmol)を0℃で1時間かけて滴下した。発泡がおさま
った後、(R)-3-クロロ-1,2-プロパンジオール 3.09g (2
7.91mmol)を氷冷下滴下した。反応温度を60℃とし、
3時間撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水
溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を
飽和食塩水及び水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥して減圧下濃縮した。この残さをシリカゲルクトマト
グラフィーから( ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製する
ことにより、ジオール体 6.87g(収率 85.0%)を無色
結晶として得た。
【0027】(ジトシル体の合成)ジオール体6.87g(2
3.72mmol)をピリジン20mlに溶かし、氷冷下p−トルエ
ンスルホニルクロリド9.95g(52.19mmol)を加え、その後
室温で12時間撹拌した。反応終了後、3重量%塩酸水
溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を
水洗2回後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下に
濃縮し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下濃縮し
た。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、ジトシル
体 10.58g(収率 92.0%)を無色結晶として得た。
【0028】(脱ベンジル体の合成)ジトシル体10.58g
(20.88mmol)をエタノール600mlに溶解させ、その
中に10重量%パラジウム−炭素1.62gを加えて室温下
に水素添加を行った。反応終了後、Pd-Cをろ過し、ろ液
を減圧下濃縮した。この残さをシリカゲルクトマトグラ
フィー( ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製することによ
り、脱ベンジル体 9.31g(収率 95.0%)を無色固体とし
て得た。 ((R)-8-メチル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベンゾジ
オキサンの合成)水素化ナトリウム0.88g(22.05mmolオ
イル中60重量%)をn−ヘキサンで洗浄し、ジメチル
ホルムアミド10mlを加えた。この懸濁液中に窒素雰
囲気下、ジメチルホルムアミド100mlに溶解した脱
ベンジル体9.31g(18.37mmol)を0℃で1時間かけて滴下
し、滴下終了後60℃で3時間撹拌した。原料の消失をHP
LCで確認後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢
酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水及び水
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下濃縮
した。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、(R)-8-メ
チル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン
5.84g(収率 95.0%、2−ベンジルオキシ−3−メチル
フェノールからの収率65.4%、光学純度 97.0 %ee)を
無色結晶として得た。
【0029】比較例2 (モノアリルカテコールの合成)カテコール19.8g(179.
82mmol)、炭酸ナトリウム21.1g(199.06mmol)及び沃化ナトリ
ウム3.01g(20.08mmol)をアセトン70ml中に加えた。この
懸濁液中に還流下、アリルクロリド22.3g(291.41mmol)
を同温で1時間かけて滴下した。原料の消失をHPLCで確
認後、減圧下濃縮した。残さに水を加えて、トルエンで
抽出した。トルエン層を5重量%水酸化ナトリウム水溶
液で逆抽出を行ない続いて、得られた水層を塩酸で酸性
としトルエン抽出し、トルエン層を水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥して減圧下濃縮した。この残さを
シリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサン:酢酸エチル=3:
1)にて精製することにより、モノアリルカテコール 1
8.9g(収率 70%)を無色油状物として得た。 (ジオール体の合成)水素化ナトリウム6.04g(151.05
mmolオイル中60重量%)をn−ヘキサンで洗浄し、ジ
メチルホルムアミド60mlを加えた。この懸濁液中に窒素
雰囲気下、ジメチルホルムアミド40mlに溶解したモノア
リールカテコール18.9g(125.87mmol)を0℃で1時間かけ
て滴下した。発泡がおさまった後、(R)-3-クロロ-1,2
―プロパンジオール 15.31g (138.46mmol)を氷冷下滴下
した。反応温度を60℃とし、5時間撹拌した。反応終
了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水及び水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下濃縮した。
この残さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサン:酢
酸エチル=2:1)にて精製することにより、ジオール体 23.
99g(収率 85.0%)を無色結晶として得た。
【0030】(ジオール体の合成)ジオール体23.99g
(106.99mmol)をピリジン150mlに溶かし、氷冷下p−ト
ルエンスルホニルクロリド44.88g(235.38mmol)を加え、
その後室温で24時間撹拌した。反応終了後、3重量%塩
酸水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を水洗2回後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧
下に濃縮し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下濃
縮した。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘ
キサン:酢酸エチル=3:1)にて精製することにより、ジトシ
ル体 53.0g(収率 93.0%)を無色結晶として得た。 (クライゼン転位体の合成)ジトシル体53.0g(99.50mm
ol)をジイソブチルケトン300ml中に加え、185℃でオー
トクレーブ中で反応をを行なった。反応終了後、減圧下
濃縮した。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー
( ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、ク
ライゼン転位体 43.99 g(収率 83.0%)を無色結晶と
して得た。 ((R)-8-アリル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベンゾジ
オキサンの合成)水素化ナトリウム3.63g(99.10mmolオ
イル中60重量%)をn−ヘキサンで洗浄し、ジメチル
ホルムアミド40mlを加えた。この懸濁液中に窒素雰囲
気下、ジメチルホルムアミド100mlに溶解したクラ
イゼン転位体体43.99g(75.98mmol)を0℃で1時間かけて
滴下し、滴下終了後60℃で6時間撹拌した。原料の消失
をHPLCで確認後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え
て、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水
及び水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧
下濃縮した。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー
( ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製することにより、目
的の(R)-8-アリル-2-トシルオキシメチル−1,4−ベンゾ
ジオキサン 27.38g(収率 92.0%、モノアリルカテコー
ルからの収率42.3%、光学純度 96.4 %ee)を無色油状
物として得た
【0031】比較例3 (ジオール体の合成)水素化ナトリウム1.02g(25.48m
molオイル中60重量%)をn−ヘキサンで洗浄し、ジ
メチルホルムアミド15mlを加えた。この懸濁液中に
窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド10mlに溶解し
た2−ベンジルオキシ−3−メチルフェノール3.64g(1
6.99mmol)を0℃で1時間かけて滴下した。発泡がおさま
った後、(R)-3-クロロ-1,2-プロパンジオール 2.07g (1
8.69mmol)を氷冷下滴下した。反応温度を60℃とし、
3時間撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水
溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を
飽和食塩水及び水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥して減圧下濃縮した。この残さをシリカゲルクトマト
グラフィー( ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製すること
により、ジオール体 4.16g(収率 85.0%)を無色結晶
として得た。 (カーボネート体の合成)
【0032】ジオール体4.16g(14.44mmol)をクロル炭
酸メチル81.87g(866.41mmol)に溶かし、炭酸カリウム3.99g
(28.88mmol)を加え、加熱還流を12時間した。反応終
了後、塩をろ過、溶媒を減圧下濃縮した。この残差に水
を加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下に濃縮した。この残
さをシリカゲルクトマトグラフィー( ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)にて精製することにより、カーボネート体 3.54g
(収率 78.0%)を無色結晶として得た。 (脱ベンジル体の合成)カーボネート体3.54g(11.26mmo
l)を酢酸エチル100mlに溶解させ、その中に10重量
%Pd-C 0.86gを加えて室温下に水素添加を行った。反
応終了後、Pd-Cをろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。この
残さをシリカゲルクトマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=3:1)にて精製することにより、脱ベンジル体 2.15g
(収率 85.0%)を無色固体として得た。
【0033】((S)-2-ヒドロキシメチル-8-メチル−1,4
−ベンゾジオキサンの合成)水素化ナトリウム0.15g
(4.79mmolオイル中60重量%)をn−ヘキサンで洗浄
し、ジメチルホルムアミド10mlを加えた。この懸濁
液中に窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド20mlに溶
解した脱ベンジル体2.15g(9.57mmol)を0℃で1時間かけ
て滴下し、滴下終了後60℃で2時間撹拌した。原料の消
失をHPLCで確認後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え
て、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水
及び水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧
下濃縮した。この残さをシリカゲルクトマトグラフィー
( ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、(S)
-2-ヒドロキシメチル-8-メチル−1,4−ベンゾジオキサ
ン1.38g(収率 85.0%、2−ベンジルオキシ−3−メチ
ルフェノールからの収率47.9%、光学純度 97.2 %ee)を
無色固体として得た。
【0034】
【発明の効果】本発明方法によれば、安価な出発原料を
用い、反応途中で生成する中間体を単離することなく、
ワンポットで収率よく1,4−ベンゾジオキサン類を得
ることができ、且つまた高光学純度で得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 吉本 寛 兵庫県尼崎市大高洲町9番地 ダイソー株 式会社内 (72)発明者 大寺 純蔵 岡山県岡山市湊1370−17 Fターム(参考) 4C022 LA01 LA02 4H006 AA02 AC81

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(3)で示されるジオール化合物
    の水酸基を塩基またはフッ化物塩の存在下、脱離基に変
    換し、下記式(2)で示される化合物を得、該化合物
    (2)の保護基R1を脱離させると同時に閉環反応を行
    い、下記式(1)で示される1,4−ベンゾジオキサン
    類を製造する方法において、途中で生成するいずれもの
    中間体を単離することなく、ジオール化合物(3)に必
    要な反応試薬を添加するだけのワンポットで、反応させ
    ることを特徴とする1,4−ベンゾジオキサン類(1)
    の製法。 【化1】 【化2】 【化3】 (上記式中、R1は水酸基の保護基、R2、R3およびR4
    はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ
    基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシ基、アルコキシ
    部分が炭素数1〜4のアルコキシカルボニルオキシ基、
    炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
    基、炭素数1〜4のハロアルキル基、アルキル部分が炭
    素数1〜4のN,N−ジアルキルアミノ基、アルキル部
    分が炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、アルキル部
    分が炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、または非
    置換もしくは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフ
    ェニル基を表し、またR2、R3およびR4のうち隣接す
    る2つの基が一緒になってメチレンジオキシ基を形成し
    てもよく、またR2、R3およびR4のうち隣接する2つ
    の基がそれぞれの基が結合している炭素原子と一緒にな
    ってベンゼン環を形成してもよく、Aは水酸基またはス
    ルホネート基を表し、そしてBは脱離基を表す。)
  2. 【請求項2】 フッ化物塩がフッ素のアルカリ金属もし
    くはアルカリ土類金属の炭酸水素塩または炭酸塩である
    請求項1に記載の1,4−ベンゾジオキサン類の製法。
  3. 【請求項3】 式(3)で示されるジオール化合物とし
    て光学活性体を用いることにより光学活性な1,4−ベ
    ンゾジオキサン類を製造する請求項1または2に記載の
    1,4−ベンゾジオキサン類の製法。
  4. 【請求項4】 式(2)の脱離基が、スルホニル基また
    は隣接する脱離基と一緒になってカルボジオキシ基を形
    成してなる基である請求項1〜3のいずれかに記載の
    1,4−ベンゾジオキサン類の製法。
  5. 【請求項5】 式(2)および式(3)の保護基R1
    ベンジル基またはアリル基である請求項1〜4のいずれ
    かに記載の1,4−ベンゾジオキサン類の製法。
  6. 【請求項6】 フッ素のアルカリ金属塩がフッ化カリウ
    ム、フッ化セシウムまたはこれらの混合物である請求項
    2〜5のいずれかに記載の1,4−ベンゾジオキサン類
    の製法。
  7. 【請求項7】 式(2)および式(3)の保護基R1
    アリル基であり、R2、R3およびR4の少なくとも1個
    が水素原子であって該水素原子が3位および/または5
    位に置換した化合物である請求項1〜6のいずれかに記
    載の1,4−ベンゾジオキサン類の製法。
  8. 【請求項8】 式(2)の化合物の保護基R1を脱離す
    ると同時に該R1をベンゼン環の3位または5位に転位
    させ、引き続いて閉環反応を一挙に行う請求項7記載の
    1,4−ベンゾジオキサン類の製法。
  9. 【請求項9】 下記式(4)で示されるモノアルキルカ
    テコールを式(5)で示される3−ハロゲノ−1,2−
    プロパンジオールまたは式(6)で示されるグリシドー
    ルとフッ化物塩の存在下で反応させ、式(3)のジオー
    ル化合物を製造し、該化合物を単離することなしに引き
    続き、請求項1〜8のいずれかに記載の反応を行う式
    (1)で示される1,4−ベンゾジオキサン類の製法。 【化4】 【化5】 (上記式中、Xはハロゲン原子を表し、R1、R2、R3
    およびR4は前掲と同じものを意味する。)
  10. 【請求項10】 式(5)の3−ハロゲノ−1,2−プ
    ロパンジオールまたは式(6)のグリシドールとして光
    学活性体を用いる光学活性な1,4−ベンゾジオキサン
    類(1)を製造する請求項9に記載の1,4−ベンゾジ
    オキサン類の製法。
  11. 【請求項11】 下記式(4a)で示されるカテコール
    類 【化6】 (式中、R2、R3およびR4は、前掲と同じものを意味
    する。)を塩基またはフッ化物塩の存在下、アルキル化
    剤と反応させ式(4)のモノアルキルカテコールを得、
    該化合物を単離することなしに引き続き、請求項9に記
    載の反応を行う、式(1)で示される1,4−ベンゾジ
    オキサン類の製法。
  12. 【請求項12】反応溶媒としてN,N-ジメチルホルムア
    ミドまたはジメチルスルホキシドを用いて反応を行う請
    求項1〜11のいずれかに記載の1,4−ベンゾジオキ
    サン類の製法。
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