JP2001078970A - 血圧用加圧帯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】膨張可能な空気袋が加圧帯に直接形成された、
一体的な円錐形の血圧用加圧帯を提供する。 【解決手段】夫々が空気を通さない少なくとも第１並び
に第２の層を有し、可撓性があり曲がり易い積層体を有
する。この積層体は、第１並びに第２の円弧形状のエッ
ジ１０４，１０６を備え、第２のエッジは第１のエッジ
よりも小さい曲率を有している。前記第１の層と第２の
層との間には、密封された矩形のポケット１１２が形成
されている。積層体は、これが患者の腕に巻かれたとき
に、患者の腕の回りに積層体を留めるための取着パッチ
１２２を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、患者の血圧を測定
するために使用される改良された膨張可能な加圧帯（カ
フ）に関する。

【０００２】

【従来技術】血圧は、患者の身体を流れる心臓のポンプ
作用にもとづく血液から得られる。心臓の周期的な収縮
に従って、血液は、身体を通る動脈を介して圧送され
る。心臓の筋肉の各収縮によって、不規則な形状の圧力
パルスが動脈を通り、動脈壁の屈曲、即ち、振動を生じ
させる。

【０００３】患者の血圧を測定するために採用されてい
る２つの一般的に方法は、聴診方法と、振幅測定方法と
である。この振幅測定方法においては、膨張可能な空気
袋に接続された加圧帯が患者の腕にしっかりと巻かれて
空気袋が膨張される。膨張体に装着され、膨張された空
気袋は、腕動脈を流れる血液の流れを完全に阻止するよ
うに、患者の腕に対して機能する。そして、膨張体内の
圧力が、聴診器がコロトコフ音として知られたパルス音
を聴くように動脈の末端をモニターするために使用され
ている間に、除々に減じられ、このことによって、動脈
を再度血液が流れる。空気袋内の空気圧は、圧力が低下
するのに従って、モニターされる。そして、コロトコフ
音が最初に現れたときの空気袋内の空気圧は、収縮期圧
（最大血圧）の大きさである。そして、コロトコフ音が
全てきえたとき（これは制限されていない血液の流れが
再び生じたことを意味する）の空気袋内の圧力は、拡張
期圧（最小血圧）の大きさである。

【０００４】また、この振幅測定方法は、加圧帯を使用
しているけれども、動脈を流れる血液のを聴くよりもむ
しろ、この振幅測定方法は、動脈壁の屈曲を測定するこ
とにより、血圧を測定している。加圧帯が患者の腕の周
りで屈曲されると、加圧帯の近くの動脈の屈曲は、膨張
された空気袋に伝達される。そしてこの動脈の屈曲は、
空気袋内で、動脈の屈曲に対応する僅かではあるが検出
可能な圧力変動、即ち、パルスを生じさせる。複合体
（ｃｏｍｐｌｅｘ）として知られているこれらパルス
は、膨張可能な空気袋内の圧力に影響される。加圧帯の
圧力が、平均動脈圧力（ＭＡＰ）とほぼ等しいときに
は、複合体のピーク対ピーク振幅は、最大値に達する。
同様に、複合体のピーク対ピーク振幅は、加圧帯の圧力
が、最大血圧より大きく最小血圧よりも小さい場合に
は、最小となる。かくして、種々の加圧帯圧力での複合
体を測定することにより、平均動脈圧力と、最小血圧並
びに最大血圧とが近似される。

【０００５】上記方法は、患者の動脈を流れる血液の実
際の圧力を近似するための非侵入方法を提供すること
は、気付くであろう。上記方法で使用されている近似
は、より直接的な技術を使用して得られる実際の値に対
して、聴診方法もしくは振幅測定方法を使用して測定さ
れる探索相関血圧値の拡張体の結果である。この探索の
大部分は、矩形の膨張可能な空気袋を使用する血圧よう
加圧帯に基づいている。さらに、この空気袋の形状は、
聴診方法もしくは振幅測定方法を使用して得られる血圧
の読取りに大きな影響を与える。かくして、経験に基づ
く探索データに、この分野で採用されている血圧の読取
りを一致させるためには、矩形の膨張可能な空気袋が非
常に好ましい。

【０００６】規則正しい血圧の測定が必要な多くの患者
は、高血圧に苦しんでいる。また、これら患者の多く
は、臨床的な肥満症に苦しんでいる。これら肥満症の患
者は、大きいだけではなく、特徴的な円錐形の上腕を有
している。このような円錐形は、非常に発達した上腕筋
肉を有する患者の中にも見られる。

【０００７】一般の矩形の血圧加圧帯は、明白な円錐形
の上腕を有する患者に対しては有効ではなかった。矩形
の加圧帯が患者の上腕にしっかりと巻き付けられたとき
に、加圧帯の両端部は、肩の近くの患者の腕の大きい直
径と、そして、肘の近くの小さい直径と夫々一致するよ
うに三角形状で重なる。そして、空気袋の膨張により、
重なって閉じた所で捻り動が生じ、患者の皮膚を摘む可
能性が生じる。しかし、加圧帯が、患者の腕の比較的大
きい直径と一致するように円筒形に巻かれる場合には、
大きい空間が、患者の上腕の反対側の比較的小さい円周
と加圧帯とに間隙が形成されてしまう。この結果、空気
袋に空気が充填された場合には、空気袋の上部を満たす
のに必要な空気よりも、非常に大きい体積の空気が、下
部を満たすのに必要になる。このために、患者は不愉快
になるであろうし、また、血圧の読取りが不正確になる
重要な問題も生じる。このようにして血圧用加圧帯を巻
き付ける他の欠点は、加圧帯が皮膚と接触する領域が小
さくなるので、加圧帯は、患者の腕でずり下がってしま
うことである。

【０００８】この問題を解決するために、円錐形の血圧
用加圧帯が開発されている。既存の円錐形加圧帯は、加
圧帯に設けられたポケットの中に挿入される別の空気袋
部材を有する。これでは、矩形の空気袋部材と円錐形の
空気袋部材との、両方が使用されている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、円錐形の空気
袋部材は、矩形の空気袋部材に基づいて導かれた探索の
大部分に一致しない。さらに、空気袋の最終ディメンシ
ョンは、空気袋部材がポケットの中に挿入されて膨張さ
れたときに、空気袋部材を拘束する加圧帯のポケットの
サイズにより規定される。矩形の空気袋部材においてで
さえも、別の空気袋部材を有する円錐形の加圧帯にとっ
て、ポケットは空気袋部材の自然に膨張された形状を損
なう傾向があり、この結果、矩形の空気袋のためのディ
メンション的なテストデータと一致しないような変形し
た空気袋の形状となる。さらに、この部品のデザイン
は、使用上面倒であり、不正確な読取りを生じさせる。

【００１０】かくして、膨張可能な空気袋が加圧帯に直
接形成された、充分に一体的な円錐形の血圧用加圧帯
が、要望されている。さらに、このような一体的な円錐
形の血圧用加圧帯により得られる読取りを血圧測定に係
わる探索データの大部分に一致させるために、一体的な
空気袋が、患者の円錐形の上腕に一致するように適用さ
れた場合であっても、矩形の形状をとって、これを維持
させることが望まれている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、一体的な矩形
の膨張可能な空気袋を有する円錐形状の血圧用加圧帯を
提供する。この円錐形状の血圧用加圧帯は、空気袋の形
状が損なわれることがなく、また、空気袋が膨張された
ときに患者の表面波プラズマを摘むことがなく、真っ直
ぐなようにして患者の上腕の円錐状の部分に巻き付けら
れ得る。

【００１２】一体的な血圧用加圧帯並びに膨張可能な空
気袋は、夫々が空気を通さない材料の少なくとも２つの
層を有し、可撓性があり曲がり易い積層体により形成さ
れている。この積層体は、第１並びに第２の円弧形状の
エッジを備え、第２のエッジは第１のエッジよりも小さ
い曲率を有している。第３並びに第４の半径側のエッジ
が、第１のエッジと第２のエッジとの間に延びている。

【００１３】気密の矩形ポケット、即ち、空気袋は、積
層された第１の層と第２の層との間に形成されている。
膨張させるためのチューブがポケットの内部と連通して
いる。この結果、血圧を測定している間に、ポケットの
中に空気が圧送され、また、ポケットから解放され得
る。第２の膨張並びに萎ませるための第２のチューブ
が、設けられ得る。留め体が、一体的な血圧用加圧帯を
患者の腕の周りに装着するように設けられている。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１，２並びに３において、一体
的な矩形の膨張可能な空気袋を有する円錐形の血圧用加
圧帯が符号１００で示されている。この血圧用加圧帯
は、夫々が空気を通さない材料で形成された少なくとも
２つの層（第１並びに第２の層）１１８，１２０からな
る多重層基板１０２により形成されている。この材料の
適当な例は、織布に接着剤により接着されたポリマー
膜、もしくは織布上に抽出された溶融プラスチックであ
る。この織布は、患者の皮膚と接触するために心地好い
面を与えるように加圧帯の内層にとって好ましいけれど
も、不通気性の他の材料も使用され得る。前記基板１０
２は、間に膨張可能なポケットを形成する２つの層によ
り形成されている。これら層は、ポケットの中に導入さ
れた空気がポケットを囲む縫い目から逃げることができ
ないように、ポケットのエッジの周りで、永久的かつシ
ールするように互いに接着されている。

【００１５】前記基板１０２は、大きい曲率半径の外エ
ッジ１０４と少し小さい曲率半径の内エッジ１０６とを
備えた弓形形状に形成されている。半径側のエッジ１０
８，１１０が、上記外エッジ１０４と内エッジ１０６と
の間にのびている。図３に断面で示すように、矩形のポ
ケット１１２が基板１０２の層間に形成されている。上
述したように、本発明の好ましい実施の形態において、
基板の内側の層１１８は、不通気性の織布により形成さ
れており、また、外側の層１２０は、可撓性で適用性の
あるポリマー膜により形成されている。継ぎ目１１４
が、ポケットの外縁の周りに形成されており、この結
果、加圧帯を膨張させるために空気がポケット１１２の
中に導入されたときに、特徴のある矩形の形状が維持さ
れる。この継ぎ目１１４は、縫製、融着、もしくは、矩
形のボケット１１２の外縁の周りで、外側の層１２０に
内側の層１１８をしっかりと接続しシールするための他
の適当な手段により形成され得る。膨張させるチューブ
１１６が、基板１０２の層間に延びて、ポケット１１２
の内部と連通している。このチューブ１１６は、空気を
ポケット１１２の中に圧送し、かつポケットから解放さ
せることを可能にしている。これとは異なるデザイン
は、第２のチューブを有し得る。この第２のチューブ
は、第１のチューブを介して、空気をポケットの中に圧
送し、かつポケットから第２のチューブを通して解放さ
せることを可能にしている。

【００１６】留め体が、患者の腕の周りの巻かれた位置
に血圧用加圧帯を留めるために設けられ得る。好ましい
実施の形態においては、フックとループとで互いに係合
して留める形式の留め体（例えば、マジックテープ（登
録商標））が使用されており、これでは、ポリマーフッ
クの取着パッチ１２２が、第１の半径側のエッジ１０８
の近くで、基板１０２の内面に取着されており、また、
複数のループを備えた第２の取着パッジ１２４が、反対
側に位置する半径側のエッジ１１０の近くで、基板の外
面に取着されている。かくして、血圧用加圧帯が、図４
に示されるように、患者の腕に巻かれたときに、上記両
取着パッジは、互いに合わされて、しっかりと結合され
得る。代わって、加圧帯は、締め付けリング、Ｄ−コネ
クター、もしくは、一端で腕に加圧帯の一端側を留め、
他端柄が腕に巻かれて留められる取着パッドを使用する
ことにより自己的に装着される得る。

【００１７】図４に示されるように、一体的な血圧用加
圧帯が、患者の腕１２６に巻かれたときには、直径が長
い外エッジ１０４は、患者の上腕の太い箇所と一致する
ような大径のリングを形成する。また、直径が短い内エ
ッジ１０６は、患者の上腕の細い箇所と一致するような
小径のリングを形成する。かくして、この血圧用加圧帯
は、半径側のエッジ１０８，１１０が互いに比較的真っ
直ぐにアラインメントされた状態で、円錐形の姿勢を確
実にしている。しかし、加圧帯を膨張するように、空気
がポケット１１２の中に圧送されたときには、ポケッ
ト、即ち、空気袋は、その特徴のある矩形形状を維持す
る。空気袋が膨張されても、加圧帯が円錐形状をしてい
ることにより、加圧帯が患者の腕の周りで真っ直ぐなよ
うにして巻かれ得るので、半径側のエッジ１０８，１１
０の周りの結合は解除されない。そして、ポケット１１
２、即ち、膨張可能な空気袋が矩形形状を維持している
ので、円錐形の加圧帯でなされる圧力測定は、標準の矩
形の加圧帯に関連して蓄積された知識の標準たいと一致
するので、信頼性があり得る。

【００１８】本発明への種々の変更並びに変形は、請求
項により特別に詳細に説明された本発明の精神並びに範
囲から逸脱しないで当業者により容易になされるであろ
うことは理解されるであろう。さらに、当業者は、前記
説明は、例としてのみであり、請求項に記載されたよう
な本発明を規制するように意図していないことは、判る
であろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の好ましい実施の形態に係わる
一体的な円錐形の血圧用加圧帯の平面図である。

【図２】図２は、頭１に示される加圧帯の反対側を示
す、図１の一体的な円錐形の血圧用加圧帯の平面図であ
る。

【図３】図３は、図１の３−３線に沿って切断した一体
的な円錐形の血圧用加圧帯の断面図である。

【図４】図４は、患者の腕に巻かれて使用されている図
１の血圧用加圧帯の平面図である。

【符号の説明】

１００…血圧用加圧帯、１０２…多重層基板、１０４…
外エッジ、１０６…内エッジ、１０８，１１０…半径側
のエッジ、１１２…ポケット、１１４…継ぎ目、１１６
…チューブ、１１８…第１の層（内側の層）、２００…
第２の層（外側の層）、１２２…取着パッチ（留め
体）。

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 夫々が空気を通さない少なくとも第１並
   びに第２の層を有し、また、第１並びに第２の円弧形状
   のエッジを備え、第２のエッジは第１のエッジよりも小
   さい曲率を有している、可撓性があり曲がり易い積層体
   と、 前記第１の層と第２の層との間に形成された矩形のポケ
   ットと、 前記積層体が患者の腕に巻かれたときに、患者の腕の回
   りに積層体を留めるための留め体とを具備する血圧用加
   圧帯。
2. 【請求項２】 前記積層体は、織布に接着されたポリマ
   ー膜を有する請求項１の血圧用加圧帯。
3. 【請求項３】 前記積層体は、織布に射出された溶融プ
   ラスチック膜を有する請求項１の血圧用加圧帯。
4. 【請求項４】 前記ポケットの外縁を囲むようにして、
   前記第１の層と第２の層との間に形成され、空気を通さ
   ない継ぎ目をさらに具備する請求項１ないし３のいずれ
   か１の血圧用加圧帯。
5. 【請求項５】 前記空気を通さない継ぎ目は、前記第２
   の層を第１の層に縫製することにより形成されている請
   求項４の血圧用加圧帯。
6. 【請求項６】 前記空気を通さない継ぎ目は、前記第２
   の層を第１の層に融着することにより形成されている請
   求項４の血圧用加圧帯。
7. 【請求項７】 前記ポケットの内部に連通し、ポケット
   に空気を導入並びにポケットから空気を排出するための
   第１のチューブをさらに具備する請求項１ないし６のい
   ずれか１の血圧用加圧帯。
8. 【請求項８】 前記ポケットの内部と連通した第２のチ
   ューブをさらに具備し、ポケットは、この第２のチュー
   ブを介して導入された空気により膨張され、また、第２
   のチューブを介して排出された空気により縮められる、
   請求項７の血圧用加圧帯。
9. 【請求項９】 一体的に形成された矩形で膨張可能な空
   気袋を有する可撓性のある弓形の基板を具備し、この弓
   形の基板は、患者の腕に巻かれて装着されたときに、空
   気袋がその矩形形状を維持した状態で、円錐形のリング
   を形成するようになっている、血圧を測定するための血
   圧用加圧帯。
10. 【請求項１０】 前記基板は、空気を通さない少なくと
    も２つの層を備えた積層体を有し、前記膨張可能な空気
    袋は、前記空気を通さない層間のポケット内に形成され
    ている請求項９の血圧用加圧帯。
11. 【請求項１１】 前記積層体は、織布に接着されたポリ
    マー膜を有する請求項１０の血圧用加圧帯。
12. 【請求項１２】 前記積層体は、織布に射出された溶融
    プラスチック膜を有する請求項１０の血圧用加圧帯。
13. 【請求項１３】 前記ポケットの外縁を囲むようにし
    て、前記両層間に形成され、空気を通さない継ぎ目をさ
    らに具備する請求項１０，１１もしくは１２の血圧用加
    圧帯。
14. 【請求項１４】 前記空気を通さない継ぎ目は、前記一
    方の層を他方の層に縫製することにより形成されている
    請求項１３の血圧用加圧帯。
15. 【請求項１５】 前記空気を通さない継ぎ目は、前記一
    方の層を他方の層に融着することにより形成されている
    請求項１３の血圧用加圧帯。
16. 【請求項１６】 前記空気袋の内部に連通し、空気袋に
    空気を導入するための第１のチューブをさらに具備する
    請求項９ないし１５のいずれか１の血圧用加圧帯。
17. 【請求項１７】 空気が前記空気袋から排出されるよう
    に空気袋の内部と連通した第２のチューブをさらに具備
    する請求項１６の血圧用加圧帯。