JP2001075595A - 車載用音声認識装置 - Google Patents

車載用音声認識装置

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JP2001075595A
JP2001075595A JP24809499A JP24809499A JP2001075595A JP 2001075595 A JP2001075595 A JP 2001075595A JP 24809499 A JP24809499 A JP 24809499A JP 24809499 A JP24809499 A JP 24809499A JP 2001075595 A JP2001075595 A JP 2001075595A
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vehicle
noise level
noise
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recognition device
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Katsufumi Nagatome
克文 永留
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室内における本来の騒音レベルに応じて適
切なリジェクト値を設定して認識結果の精度を高くする
ことができる車載用音声認識装置を提供する。 【解決手段】 車両の車室内の騒音レベルを車両の運転
パラメータに基づいて推定し、その推定した騒音レベル
に応じて閾値を設定し、予め定められた複数の文字列の
基準音声パターンデータと入力された音声信号に応じた
入力音声パターンデータとの類似の近さを示す距離値を
各々算出し、その算出した距離値のうちの最小値の距離
値が上記の閾値以下であるときその最小値の距離値に対
応する文字列が入力された音声信号が示す文字列と認識
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
搭載される車載用音声認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載されたナビゲーション装置
は運転者にとっては目的地までの経路案内となり、不慣
れな地域を走行する際には非常に有用なものである。か
かるナビゲーション装置において経路案内を利用するた
めには目的地等の様々な情報や動作指令の入力を行う必
要があり、煩雑な操作を運転者に要求するものであっ
た。そこで、煩雑な操作に代わって音声認識にて情報や
動作指令の入力を行う音声認識装置を備えたものが既に
知られている。
【0003】かかる音声認識装置においては、通常、複
数の基準音声パターンデータが予め記憶されたメモリが
備えられ、その基準音声パターンデータ各々は互いに異
なる文字列の発声音についての特徴を示している。マイ
クロフォンに入力された音声の特徴を示す入力音声パタ
ーンデータと、メモリに記憶された複数の基準音声パタ
ーンデータとの類似度が演算され、その演算により最も
高い数値の類似度を示した基準音声パターンデータの文
字列が入力された音声に対応する認識結果と判断され
る。かかる類似度は入力音声パターンと基準音声パター
ンとの近さの程度を示す距離値として演算されることが
一般的であり、距離値が小さいほど類似度は高い。
【0004】しかしながら、演算の結果、最も小さい数
値の距離値を示した基準音声パターンデータの文字列が
入力された音声に対応するとは限らない。その最小値の
距離値が予め定められた閾値であるリジェクト値より大
きい場合には、入力音声に対応する文字列は用意された
ものではない、或いは音声以外の騒音(ノイズ)である
として演算結果は無視され、入力音声に対応する文字列
がないという判断がされることになる。
【0005】図1に示すように、入力音声に対して各基
準音声パターンデータの文字列毎の演算結果の距離値が
小さい順に得られた場合に、リジェクト値が600に設
定されているならば、文字列「遊園地」及び「行楽地」
の距離値302及び540がリジェクト値より小さいの
で、認識候補として、1位「遊園地」、2位「行楽地」
が記憶される。「遊園地」の距離値が最小となるので、
認識結果の文字列は「遊園地」となる。ところが、リジ
ェクト値が300に設定されたならば、いずれの文字列
もリジェクト値より大きいので、認識結果の文字列はな
いことになる。
【0006】自動車内ではマイクロフォンで集音される
音には音声認識のための音声以外にエンジンの動作音や
走行音等の各種の騒音が含まれ、騒音によって入力音声
がマスクされることが起き易いので、リジェクト値を比
較的大きく設定しておき、騒音によって入力音声に対す
る演算結果の距離値が大きくなっても演算結果を無視し
ないようにすることも考えられる。しかしながら、車内
の騒音レベルは一定していないので、リジェクト値を常
に大きくしていると、認識結果の精度が低下してしま
う。
【0007】これに対処するために、リジェクト値を大
小2値に切り換えることができるようにした装置がある
(例えば、実開昭59−153600号公報)。また、
マイクロフォンに集音される騒音のレベルを常時又は周
期的に監視しておき、その雑音レベルに応じたリジェク
ト値を自動設定することが考えられている。これに類似
のものとして、特開平5−35293号公報にはマイク
ロフォンに集音される騒音のレベルを監視してSN比を
求め、そのSN比に応じて音声認識結果の候補数を変化
させることが開示されている。
【0008】マイクロフォンに集音される騒音のレベル
を監視する場合、監視した騒音レベルに対してリジェク
ト値を例えば、図2に示すような関係にて定めることに
より、騒音レベルが高くなるほどリジェクト値は大きく
設定される。よって、騒音によってマイクロフォンへの
入力音声がマスクされるために距離値が大きくなっても
演算結果が無視されるということが減少する。騒音レベ
ルが低いときにはリジェクト値は小さく設定されるの
で、認識結果の精度を高くすることができる。
【0009】このように騒音レベルを監視しつつ音声認
識動作を行う音声認識装置においては、マイクロフォン
に認識されるべき音声を入力するときにはユーザがトー
クスイッチを操作するものと、監視時の通常レベル以上
の信号レベルがマイクロフォンから得られた場合に音声
認識動作を自動的に開始するものとがある。これは、マ
イクロフォンに入力されている音が認識されるべき音声
か或いは単なる騒音であるかを装置が区別するためであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、ナビゲーション装置の位置検索等の音声認識動作が
比較的長時間に亘って行われる場合には、騒音レベルを
監視することができなくなり、走行中に刻々変化する騒
音レベルに対応した処理を行うことができなくなるとい
う問題点があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、車室内における
本来の騒音レベルに応じて適切なリジェクト値を設定し
て認識結果の精度を高くすることができる車載用音声認
識装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の車載用音声認識
装置は、予め定められた複数の文字列の基準音声パター
ンデータと入力された音声信号に応じた入力音声パター
ンデータとの類似の近さを示す距離値を各々算出し、そ
の算出した距離値のうちの最小値の距離値が閾値以下で
あるときその最小値の距離値に対応する文字列が入力さ
れた音声信号が示す文字列と認識する車載用音声認識装
置であって、車両の車室内の騒音レベルを車両の運転パ
ラメータに基づいて推定する騒音レベル推定手段と、騒
音レベル推定手段によって推定された騒音レベルに応じ
て閾値を設定する閾値設定手段と、を備えたことを特徴
としている。
【0013】かかる構成の本発明の車載用音声認識装置
によれば、車室内の騒音レベルを車両の運転パラメータ
に基づいて推定するので、騒音レベル監視のための専用
のマイクロフォンを設けることなく常に騒音レベルを得
ることができる。すなわち、従来の如く、単一のマイク
ロフォンを音声入力(音声認識動作モード)共に騒音レ
ベル監視のために使用する場合に、そのマイクロフォン
が音声入力に長時間使用されると、騒音レベルを監視で
きなくなって、刻々変化する騒音環境に対応できなくな
り、意図した認識精度が得られなくなることが起き得る
が、本発明によれば、騒音レベル監視のためにマイクロ
フォンを使用しないで騒音レベルを常に得ることができ
るので、変化する騒音環境に対応することができる。ま
た、本発明の車載用音声認識装置によれば、その推定し
た騒音レベルに応じて適切なリジェクト値(閾値)を設
定するので、認識結果の精度を高くすることができる。
更に、高騒音レベル時であっても認識結果が無視される
ようなリジェクト値に設定されることがなくなる。
【0014】本発明の車載用音声認識装置において、上
記の運転パラメータには運転時間情報、道路情報、渋滞
情報、エンジン回転数、車速、車載エアコンデショナの
送風ファンの強度及びカーステレオの出力音量が少なく
とも含まれる。これらの各運転パラメータを検出して騒
音レベルを推定することにより、騒音レベルを高精度で
推定することができる。
【0015】また、本発明の車載用音声認識装置は、車
両のウインドウの開閉を検出するウインドウ開閉センサ
と、車両のドアの開閉を検出するドア開閉センサとを有
し、騒音レベル推定手段はウインドウ開閉センサ及びド
ア開閉センサの検出結果に応じて騒音レベルの推定値を
補正する。この構成により、車両のウインドウ及びドア
の開時と閉時とにおける車室外からの騒音の車室内への
到達レベルの違いを考慮して騒音レベルを推定すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ詳細に説明する。図3は本発明による車載用音
声認識装置の構成を示している。この音声認識装置は、
内燃エンジン搭載の自動車(図示せず)の車室内に設け
られたマイクロフォン1と、マイクロフォン1の出力に
接続された入力信号処理部2と、音声信号をディジタル
信号に変換するA/D変換部3と、音声認識のためのパ
ターンマッチングを行うマッチング演算部4と、複数の
基準音声パターンデータが記憶されたメモリ5と、マッ
チング演算部4の演算結果に基づいてマイクロフォン1
への入力音声を判定する音声判定部6と、マッチング演
算部4及び音声判定部6の各動作を制御する制御部7と
を備えている。
【0017】入力信号処理部2は、例えば、フィルタか
らなり、マイクロフォン1から出力される音声信号の所
定周波数成分だけを通過させるものである。A/D変換
部3は、入力信号処理部2から供給されたアナログの音
声信号をディジタル化してマッチング演算部4に供給す
る。マッチング演算部4は、A/D変換部3からディジ
タルの音声信号が供給されると、その音声信号を入力音
声パターンデータとして、メモリ5に記憶された各基準
音声パターンデータとのパターンマッチングの演算を行
って距離値を算出する。メモリ5には記憶された基準音
声パターンデータ毎の文字列も記憶されている。
【0018】音声判定部6は、マッチング演算部4での
マッチングの演算結果である距離値を基準音声パターン
データ毎に得てそれらの距離値のうちのリジェクト値よ
り小の距離値を抽出し、その抽出した距離値のうちの最
小の距離値を選択する。リジェクト値は制御部7から供
給される。そして、その最小の距離値に対応する基準音
声パターンデータの文字列をメモリ5から得てそれを判
定信号(認識結果)として出力する。
【0019】制御部7は、例えば、マイクロコンピュー
タからなり、騒音レベルを判定してその雑音レベルに応
じたリジェクト値を決定し、そのリジェクト値を音声判
定部6に供給する。騒音レベルの判定については後述す
る。リジェクト値は図2に示した如き騒音レベルとリジ
ェクト値との関係特性を用いて決定される。制御部7に
は、ナビゲーション装置11と、クランク角センサ12
と、車速センサ13と、ウインドウ開閉センサ14と、
ドア開閉センサ15と、ワイパー作動センサ16と、フ
ァン強度センサ17と、音量センサ18とが接続されて
いる。なお、車速センサ13、ファン強度センサ17及
び音量センサ18については、制御部7に直接ではなく
A/D変換器19を介して接続されている。A/D変換
器19は車速センサ13、ファン強度センサ17及び音
量センサ18各々の出力信号を個別にディジタル化して
制御部7に出力する。
【0020】ナビゲーション装置11はアンテナ11a
に接続されたGPS(グローバルポジショニングシステ
ム)装置からなり、アンテナ11aで人工衛星から送信
された電波を受信し、受信信号に基づいて現在の自車位
置及び進行方位を含む自車位置データを演算して検出す
る。また、ナビゲーション装置11では時間情報、道路
情報及び渋滞情報を得ることができる。時間情報につい
ては人工衛星から送信される電波には時間を表す基準情
報が含まれているので、その電波を受信して得た受信信
号に基づいて例えば、日本標準時の時間情報を算出する
ことができる。道路情報については上記の自車位置デー
タを地図データに照らし合わせて現在位置する道路が判
断されるので、その道路が少なくとも高速道路、一般舗
装道路及び砂利道のいずれであるかを示す道路情報が得
られる。渋滞情報については道路交通情報通信システム
のセンタから例えば、FM多重放送の電波によって送信
されてくる道路交通情報を受信して得ることができる。
【0021】クランク角センサ12は内燃エンジンのク
ランクシャフトが所定角度だけ回転する毎にクランクパ
ルスを発生する。クランクパルスは図示しないカウンタ
に供給され、そこでクランク角センサ12から出力され
るクランクパルスの発生間隔をクロックパルスの発生数
の計数により測定してエンジン回転数Neを示す信号が
生成される。
【0022】車速センサ13は車両の速度を検出する。
ウインドウ開閉センサ14は車両の各ウインドウ(図示
せず)の開閉を検出する。ドア開閉センサ15は車両の
各ドアの開閉を検出する。ワイパー作動センサ16は車
両のワイパー(図示せず)の作動を検出する。ファン強
度センサ17は車両に搭載されたエアコンデショナ(図
示せず)の送風ファンの強度を検出する。音量センサ1
8は車両に搭載されたカーステレオ(図示せず)の出力
音量を検出する。
【0023】制御部7はナビゲーション装置11及びセ
ンサ12〜18の各検出データに基づいて車室内の騒音
レベルを判定する。制御部7の騒音レベルの判定動作に
ついて次に図4のフローチャートに従って説明する。制
御部7は、所定の周期でナビゲーション装置11及びセ
ンサ12〜18から得られるデータを読み取る(ステッ
プS1)。すなわち、ナビゲーション装置11からは時
間情報、道路情報及び渋滞情報、クランク角センサ12
からはエンジン回転数Ne、車速センサ13からは車速
V、ウインドウ開閉センサ14からは各ウインドウの開
閉、ドア開閉センサ15からは各ドアの開閉、ワイパー
作動センサ16からはワイパーの作動、ファン強度セン
サ17からはエアコンデショナの送風ファンの強度、音
量センサ18からはカーステレオの出力音量の各運転パ
ラメータの検出値がデータとして制御部7では所定の周
期で得られる。
【0024】制御部7は各パラメータの検出値に応じて
各騒音寄与度N1〜N8を設定する(ステップS2〜S
9)。騒音寄与度としては、エンジンノイズによる騒音
寄与度N1、路面の種類及びタイヤの種類に応じた走行
ノイズによる騒音寄与度N2,N3、交通渋滞による騒
音寄与度N4、時間による騒音寄与度N5、及び気象状
態による騒音寄与度N6、エアコンデショナの送風ファ
ンの送風音による騒音寄与度N7、カーステレオの出力
音による騒音寄与度N8がある。
【0025】エンジンノイズによる騒音寄与度N1はエ
ンジン回転数Neに応じて設定される。エンジン回転数
Neと騒音寄与度N1との関係は、図5に示すように予
め定められており、この関係はN1データテーブルとし
てメモリ8に書き込まれている。よって、ステップS1
でクランク角センサ12から読み取られたエンジン回転
数Neに対応する騒音寄与度N1がN1データテーブル
から検索される。
【0026】走行ノイズによる騒音寄与度N2は、道路
情報と車速Vとに応じて設定される。騒音寄与度N2は
図6に示すように車速Vの上昇に従って直線的に上昇
し、更に、高速道路、一般舗装道路及び砂利道各々で異
なる特性となっている。高速道路、一般舗装道路及び砂
利道は道路情報に示された道路の種類で区別され、騒音
寄与度N2は同一車速であっても高速道路、一般舗装道
路及び砂利道の順に大となる。この車速Vと騒音寄与度
N2との関係は道路種類毎にN2データテーブルとして
メモリ8に書き込まれている。よって、ステップS1で
ナビゲーション装置11から読み取られた道路情報に応
じてN2データテーブルが選択され、車速センサ13か
ら読み取られた車速Vに対応する騒音寄与度N2が選択
されたN2データテーブルから検索される。
【0027】走行ノイズによる騒音寄与度N3は、車両
のタイヤの種類と車速Vとに応じて設定される。車両の
タイヤの種類については予め初期設定されており、既に
メモリ8に記憶されている。騒音寄与度N3は図7に示
すように車速Vの上昇に従って直線的に上昇し、更に、
ノーマルタイヤ及びワイドタイヤで各々異なる特性とな
っている。騒音寄与度N3の大きさについては同一車速
であってもノーマルタイヤよりワイドタイヤの方が大と
なる。この車速Vと騒音寄与度N3との関係はタイヤの
種類毎にN3データテーブルとしてメモリ8に書き込ま
れている。よって、タイヤの種類に応じてN3データテ
ーブルが選択され、車速センサ13から読み取られた車
速Vに対応する騒音寄与度N3が選択されたN3データ
テーブルから検索される。なお、タイヤの種類としては
タイヤ幅の他、トレッドパターンやタイヤの偏平率を考
慮することができる。
【0028】交通渋滞による騒音寄与度N4は、ナビゲ
ーション装置11からの渋滞情報に応じて設定される。
渋滞情報から現在の自車位置において交通渋滞が起きて
いる場合には騒音寄与度N4は第1所定値(>0)に等
しくされる。現在の自車位置において交通渋滞が起きて
いない場合には騒音寄与度N4は0に等しくされる。時
間による騒音寄与度N5は、ナビゲーション装置11か
らの時間情報に応じて設定される。時間情報から現在の
時間帯が朝、昼、夜及び真夜中のうちのいずれであるか
が判別され、時間帯毎に騒音寄与度N5が設定される。
例えば、昼、夜、朝、真夜中の順に騒音寄与度N5は大
きくなる。昼、夜、朝、真夜中各々に対応した騒音寄与
度N5の値はメモリ8に予め書き込まれているので、ナ
ビゲーション装置11から時間情報がステップS1で読
み取られると、その時間情報に対応する騒音寄与度N5
がメモリ8から読み出される。
【0029】気象状態による騒音寄与度N6は、ワイパ
ー作動センサ16によるワイパーの作動の検出結果に応
じて設定される。ワイパーが作動しているならば、雨が
降っている気象状態であるとして騒音寄与度N6は第2
所定値に等しくされる。ワイパーが作動していないなら
ば、雨が降っていない晴れや曇りの気象状態であるとし
て騒音寄与度N6は第3所定値(第2所定値より小)に
等しくされる。
【0030】送風ファンの送風音による騒音寄与度N7
は、ファン強度センサ17によって検出された送風ファ
ンの強度に応じて設定される。送風ファンの強度が大な
るほど、騒音寄与度N7は大きく設定される。送風ファ
ンの強度と騒音寄与度N7との関係は、図8に示すよう
に予め定められており、この関係はN7データテーブル
としてメモリ8に書き込まれている。よって、ステップ
S1でファン強度センサ17から読み取られた送風ファ
ンの強度に対応する騒音寄与度N7がN7データテーブ
ルから検索される。
【0031】カーステレオの出力音による騒音寄与度N
8は、音量センサ18によって検出されたカーステレオ
の出力音量に応じて設定される。カーステレオの出力音
量が大なるほど、騒音寄与度N8は大きく設定される。
カーステレオの出力音量と騒音寄与度N8との関係は、
図9に示すように予め定められており、この関係はN8
データテーブルとしてメモリ8に書き込まれている。よ
って、ステップS1で音量センサ18から読み取られた
カーステレオの出力音量に対応する騒音寄与度N8がN
8データテーブルから検索される。
【0032】このように騒音寄与度を各々求めると、制
御部7は車外騒音遮断係数kを設定する(ステップS1
0)。車外騒音とは上記した走行ノイズ、交通渋滞の騒
音、時間による騒音、気象状態による騒音である。これ
らの車外騒音のレベルは車内では車両のウインドウの開
閉及びドアの開閉に応じて変化するので、これを考慮し
て車外騒音遮断係数kが設定される。ウインドウ開閉セ
ンサ14によってウインドウの開状態が検出された時に
車外騒音遮断係数kは所定係数値k1(0<k1<1)
に等しくされ、ウインドウ開閉センサ14によってウイ
ンドウの閉状態が検出された時に車外騒音遮断係数kは
所定係数値k2(0<k2<k1)に等しくされる。ま
た、同様にドア開閉センサ15によってドアの開状態が
検出された時に車外騒音遮断係数kは所定係数値k1に
等しくされ、ドアの閉状態が検出された時に車外騒音遮
断係数kは所定係数値k2に等しくされる。車外騒音遮
断係数kはドアの閉時にはウインドウの開度に応じて設
定しても良い。なお、エンジンノイズはここでは車内騒
音としたが、車両によっては車外騒音に含むものとして
も良い。
【0033】ステップS10の実行後、制御部7は総騒
音寄与度NTOTALを算出する(ステップS11)。この
総騒音寄与度NTOTALは、次式から算出される。 NTOTAL=N1+(N2+N3+N4+N5+N6)k+
N7+N8 このように総騒音寄与度NTOTALを算出すると、この総
騒音寄与度NTOTALに対応する騒音レベルを設定する
(ステップS12)。総騒音寄与度NTOTALと騒音レベ
ルとの関係は、図10に示すように予め定められてお
り、この関係は騒音レベルデータテーブルとしてメモリ
8に書き込まれている。よって、ステップS12で算出
された総騒音寄与度NTOTALに対応する騒音レベルが騒
音レベルデータテーブルから検索されて設定される。こ
の設定された騒音レベルが上記したように制御部7にお
いてリジェクト値の決定の際に使用される。
【0034】図2に示した如き騒音レベルとリジェクト
値との関係特性がデータテーブルとしてメモリ8に記憶
されているので、制御部7はステップS12で設定した
騒音レベルに対応するリジェクト値をそのデータテーブ
ルから検索して決定し(ステップS13)、そのリジェ
クト値を音声判定部6に供給する(ステップS14)。
【0035】音声判定部6は、マッチング演算部4から
供給される基準音声パターンデータ毎の距離値が、制御
部7から供給された最新のリジェクト値より小であるか
否かを判別してリジェクト値より小の距離値を認識候補
として抽出し、その抽出した距離値のうちの最小の距離
値を選択し、その最小の距離値に対応する基準音声パタ
ーンデータの文字列をメモリ5から得てそれを判定信号
(認識結果)として出力する。
【0036】上記した実施例において、制御部7、メモ
リ8、ナビゲーション装置11、センサ12〜18及び
A/D変換器19の部分並びに制御部7のステップS1
〜S12の実行が車両の車室内の騒音レベルを車両の運
転パラメータに基づいて推定する騒音レベル推定手段に
相当する。また、制御部7によるステップS13の実行
が騒音レベルに応じて閾値を設定する閾値設定手段に相
当する。
【0037】なお、上記した実施例においては、各騒音
寄与度N1〜N8を個別に設定した後、それら騒音寄与
度N1〜N8の総騒音寄与度NTOTALを算出し、総騒音
寄与度NTOTALに対応する騒音レベルを騒音レベルデー
タテーブルを用いて設定したが、騒音レベルは必ずしも
個別の騒音レベルの合計ではないので、N1,N2・
k,N3・k,N4・k,N5・k,N6・k,N7,
N8のうちの最大値を選択し、その選択した最大値に対
応する騒音レベルを騒音レベルデータテーブルを用いて
設定しても良い。
【0038】また、上記した実施例においては、車両の
運転パラメータとしては、時間情報、道路情報、渋滞情
報、エンジン回転数、車速、車載エアコンデショナの送
風ファンの強度及びカーステレオの出力音量に限定され
ない。車両の変速機の変速段等の他の運転パラメータを
加えても良い。また、運転パラメータには上記の車載エ
アコンデショナ及びカーステレオ等の車両に搭載された
各種機器についての動作パラメータも含まれる。
【0039】
【発明の効果】以上の如く、車室内の騒音レベルを車両
の運転パラメータに基づいて推定するので、専用のマイ
クロフォンを設けることなく常に騒音レベルを得ること
ができる。また、その推定した騒音レベルに応じて適切
なリジェクト値(閾値)を設定するので、認識結果の精
度を高くすることができる。更に、高騒音レベル時であ
っても認識結果が無視されるようなリジェクト値に設定
されることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パターンマッチングによる各文字列に対する距
離値を順に示す図である。
【図2】騒音レベルとリジェクト値との関係特性を示す
図である。
【図3】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図4】制御部で実行される騒音レベル判定動作及びリ
ジェクト値決定動作を示すフローチャートである。
【図5】エンジン回転数Neと騒音寄与度N1との関係
特性を示す図である。
【図6】道路の種類毎の車速Vと騒音寄与度N2との関
係特性を示す図である。
【図7】タイヤの種類毎の車速Vと騒音寄与度N3との
関係特性を示す図である。
【図8】送風ファンと騒音寄与度N7との関係特性を示
す図である。
【図9】カーステレオの出力音量と騒音寄与度N8との
関係特性を示す図である。
【図10】総騒音寄与度NTOTALと騒音レベルとの関係
特性を示す図である。
【符号の説明】
1 マイクロフォン 2 入力信号処理部 4 マッチング演算部 6 音声判定部 7 制御部 11 ナビゲーション装置 12 クランク角センサ 13 車速センサ 14 ウインドウ開閉センサ 15 ドア開閉センサ 16 ワイパー作動センサ 17 ファン強度センサ 18 音量センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた複数の文字列の基準音声
    パターンデータと入力された音声信号に応じた入力音声
    パターンデータとの類似の近さを示す距離値を各々算出
    し、その算出した距離値のうちの最小値の距離値が閾値
    以下であるときその最小値の距離値に対応する文字列が
    前記入力された音声信号が示す文字列と認識する車載用
    音声認識装置であって、 車両の車室内の騒音レベルを車両の運転パラメータに基
    づいて推定する騒音レベル推定手段と、 前記騒音レベル推定手段によって推定された騒音レベル
    に応じて前記閾値を設定する閾値設定手段と、を備えた
    ことを特徴とする車載用音声認識装置。
  2. 【請求項2】 前記運転パラメータには運転時間情報、
    道路情報、渋滞情報、エンジン回転数、車速、車載エア
    コンデショナの送風ファンの強度及びカーステレオの出
    力音量が少なくとも含まれることを特徴とする請求項1
    記載の車載用音声認識装置。
  3. 【請求項3】 前記車両のウインドウの開閉を検出する
    ウインドウ開閉センサと、前記車両のドアの開閉を検出
    するドア開閉センサとを有し、 前記騒音レベル推定手段は前記ウインドウ開閉センサ及
    びドア開閉センサの検出結果に応じて騒音レベルの推定
    値を補正することを特徴とする請求項1記載の車載用音
    声認識装置。
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