JP2001070272A - 脳内電気現象模擬装置 - Google Patents
脳内電気現象模擬装置Info
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Landscapes
- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 脳波計及び脳磁計の双方の評価・校正に利用
できるファントムを提供する。 【解決手段】 ファントムの外殻を構成する中空容器4
0の中には、脳質や髄液を電気的に模擬する生理食塩水
等の高導電率材料46が満たされ、その中に神経電流源
を模擬する電流双極子20が配置される。中空容器40
は、頭蓋と同等の低導電率の頭蓋模擬層42と、頭皮と
同等の高導電率の頭皮模擬層44の2層構造をとる。こ
のファントムは、電流双極子20により発生する磁界に
より脳磁計評価・校正用のモデルとなるとともに、頭皮
模擬層44を設けたことにより、脳波計評価・校正用の
モデルとしても用いることができる。
できるファントムを提供する。 【解決手段】 ファントムの外殻を構成する中空容器4
0の中には、脳質や髄液を電気的に模擬する生理食塩水
等の高導電率材料46が満たされ、その中に神経電流源
を模擬する電流双極子20が配置される。中空容器40
は、頭蓋と同等の低導電率の頭蓋模擬層42と、頭皮と
同等の高導電率の頭皮模擬層44の2層構造をとる。こ
のファントムは、電流双極子20により発生する磁界に
より脳磁計評価・校正用のモデルとなるとともに、頭皮
模擬層44を設けたことにより、脳波計評価・校正用の
モデルとしても用いることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳内の電気現象を
計測する脳波計や脳磁計などの計測装置の校正に用い
る、いわゆるファントムに関する。
計測する脳波計や脳磁計などの計測装置の校正に用い
る、いわゆるファントムに関する。
【0002】
【従来の技術】脳内の電気活動を測定する手法として
は、脳電位計測(EEG:脳波)が従来より広く用いら
れているが、近年、SQUID(Superconducting QUan
tum Interference Device)などの高感度な磁束計の開
発により、脳磁気計測(MEG)が可能となっている。
脳磁気計測に用いる装置は脳磁計と呼ばれる。脳磁計で
は、脳内磁場の原因である電流源を微小な電流双極子と
仮定し、計測した生体の磁場を満足する電流双極子の分
布を、逆問題を解くことにより推定している。この装置
は、脳内の電流源の位置を数mm程度の精度で推定でき
る。
は、脳電位計測(EEG:脳波)が従来より広く用いら
れているが、近年、SQUID(Superconducting QUan
tum Interference Device)などの高感度な磁束計の開
発により、脳磁気計測(MEG)が可能となっている。
脳磁気計測に用いる装置は脳磁計と呼ばれる。脳磁計で
は、脳内磁場の原因である電流源を微小な電流双極子と
仮定し、計測した生体の磁場を満足する電流双極子の分
布を、逆問題を解くことにより推定している。この装置
は、脳内の電流源の位置を数mm程度の精度で推定でき
る。
【0003】このような脳磁計の校正は、位置や向きな
どが既知の電流双極子をその装置で実際に測定し、計算
で推定した電流双極子の位置等が実際の位置等と等しく
なるように行う。このような校正作業のためには、脳内
の電気活動を模擬するファントムが用いられる。
どが既知の電流双極子をその装置で実際に測定し、計算
で推定した電流双極子の位置等が実際の位置等と等しく
なるように行う。このような校正作業のためには、脳内
の電気活動を模擬するファントムが用いられる。
【0004】図3は、脳内電気現象模擬用の従来のファ
ントムの概略構成を模式的に示す図である。このファン
トムは、アクリル樹脂等からなる球形の中空容器10に
生理食塩水を満たし、その中に電流双極子20を配置し
たものである。電流双極子20は、電気絶縁材で被覆さ
れた一対の被覆導線22をT字形に折り曲げ、被覆導線
22の水平導線部24の先端の被覆を剥がして形成され
る。電流双極子20へは、電源30から被覆導線22の
撚り線対26を介して電流が供給される。撚り線対26
は、2本の被覆導線22をより線などの形にして構成し
ている。
ントムの概略構成を模式的に示す図である。このファン
トムは、アクリル樹脂等からなる球形の中空容器10に
生理食塩水を満たし、その中に電流双極子20を配置し
たものである。電流双極子20は、電気絶縁材で被覆さ
れた一対の被覆導線22をT字形に折り曲げ、被覆導線
22の水平導線部24の先端の被覆を剥がして形成され
る。電流双極子20へは、電源30から被覆導線22の
撚り線対26を介して電流が供給される。撚り線対26
は、2本の被覆導線22をより線などの形にして構成し
ている。
【0005】電源30から電力を供給すると、被覆導線
22の水平導線部24では、一方の電極28から他方の
電極28へ向かって、その方向に電流が流れているとみ
なすことができる。この双極子電流により誘導される磁
界が生体磁気計測装置で検出され、校正に用いられる。
22の水平導線部24では、一方の電極28から他方の
電極28へ向かって、その方向に電流が流れているとみ
なすことができる。この双極子電流により誘導される磁
界が生体磁気計測装置で検出され、校正に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、脳波計と脳磁計
の測定結果の複合解析が行われるようになり、複合解析
用のソフトウエアも開発されている。脳波計・脳磁計複
合解析の結果を評価し、機器校正を行うには、脳波計及
び脳磁計に同一のファントムを用いることが望ましい。
しかしながら、上記脳磁計用の従来ファントムは、脳波
計校正用に用いるには不都合があった。
の測定結果の複合解析が行われるようになり、複合解析
用のソフトウエアも開発されている。脳波計・脳磁計複
合解析の結果を評価し、機器校正を行うには、脳波計及
び脳磁計に同一のファントムを用いることが望ましい。
しかしながら、上記脳磁計用の従来ファントムは、脳波
計校正用に用いるには不都合があった。
【0007】周知のように、脳波は、脳神経の電気活動
によって起こる脳電位の時間変化を頭皮上で検出したも
のであり、脳神経の活動による信号は脳質や髄液、頭
蓋、頭皮を経て検出されることになる。このような経路
をたどって検知される脳波は、神経活動に起因する元の
信号が、脳質や髄液、頭蓋、頭皮の導電率の違いによる
拡散等の作用を受けた結果となる。脳質や髄液、頭皮は
導電率が高く(すなわち低抵抗率)、頭蓋は導電率が低
い(すなわち高抵抗率)であることが知られている。こ
れに対し、上記従来ファントムは、低導電率のアクリル
樹脂の容器内に高導電率の生理食塩水を満たした2層構
造であり、生理食塩水は脳質や髄液を、アクリル樹脂容
器は頭蓋をそれぞれ模擬するものと捉えることができ
る。しかし、この従来ファントムには頭皮に相当する層
がなく、脳波に対する頭皮の影響を模擬することができ
なかった。また、上記従来ファントムでは、最外面が低
導電率の容器なので、これに電極をつけて信号を取り出
すことが困難であった。
によって起こる脳電位の時間変化を頭皮上で検出したも
のであり、脳神経の活動による信号は脳質や髄液、頭
蓋、頭皮を経て検出されることになる。このような経路
をたどって検知される脳波は、神経活動に起因する元の
信号が、脳質や髄液、頭蓋、頭皮の導電率の違いによる
拡散等の作用を受けた結果となる。脳質や髄液、頭皮は
導電率が高く(すなわち低抵抗率)、頭蓋は導電率が低
い(すなわち高抵抗率)であることが知られている。こ
れに対し、上記従来ファントムは、低導電率のアクリル
樹脂の容器内に高導電率の生理食塩水を満たした2層構
造であり、生理食塩水は脳質や髄液を、アクリル樹脂容
器は頭蓋をそれぞれ模擬するものと捉えることができ
る。しかし、この従来ファントムには頭皮に相当する層
がなく、脳波に対する頭皮の影響を模擬することができ
なかった。また、上記従来ファントムでは、最外面が低
導電率の容器なので、これに電極をつけて信号を取り出
すことが困難であった。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、脳波計及び脳磁計の校正に共用すること
のできるファントム(脳内電気現象模擬装置)を提供す
ることを目的とする。
たものであり、脳波計及び脳磁計の校正に共用すること
のできるファントム(脳内電気現象模擬装置)を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る脳内電気現象模擬装置は、頭蓋を模擬
する低導電率材質の内層と、前記内層を覆い、頭皮を模
擬する高導電率材質の外層と、を有する容器と、前記容
器内に満たされ、脳質及び髄液を模擬する高導電率材料
と、前記容器内に配置された電流双極子とを有する。
に、本発明に係る脳内電気現象模擬装置は、頭蓋を模擬
する低導電率材質の内層と、前記内層を覆い、頭皮を模
擬する高導電率材質の外層と、を有する容器と、前記容
器内に満たされ、脳質及び髄液を模擬する高導電率材料
と、前記容器内に配置された電流双極子とを有する。
【0010】この構成によれば、頭蓋を模擬した低導電
率材質の層の外側に頭皮を模擬する高導電率材質の層を
設けたことにより、頭部の電気的構造をより忠実に模擬
した脳内電気現象模擬装置が得られる。この模擬装置
は、頭皮を模擬する外層を設けたことにより、脳磁計だ
けでなく、脳波計にも適用可能である。
率材質の層の外側に頭皮を模擬する高導電率材質の層を
設けたことにより、頭部の電気的構造をより忠実に模擬
した脳内電気現象模擬装置が得られる。この模擬装置
は、頭皮を模擬する外層を設けたことにより、脳磁計だ
けでなく、脳波計にも適用可能である。
【0011】また、本発明に係る脳内電気現象模擬装置
は、頭蓋を模擬する低導電率材質の内層と、前記内層を
覆い、頭皮を模擬する高導電率材質の外層と、を有する
容器と、前記容器内に満たされ、脳質及び髄液を模擬す
る高導電率材料と、前記容器内に配置された脳波模擬信
号源とを有することを特徴とする。
は、頭蓋を模擬する低導電率材質の内層と、前記内層を
覆い、頭皮を模擬する高導電率材質の外層と、を有する
容器と、前記容器内に満たされ、脳質及び髄液を模擬す
る高導電率材料と、前記容器内に配置された脳波模擬信
号源とを有することを特徴とする。
【0012】この模擬装置は、頭部構造を忠実に模擬し
ており、脳波模擬信号源からの模擬信号が頭部構造と同
様の作用を受けて容器の外層に現れるので、脳波計の評
価・校正に適したものとなる。
ており、脳波模擬信号源からの模擬信号が頭部構造と同
様の作用を受けて容器の外層に現れるので、脳波計の評
価・校正に適したものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、本発明に係るファントム、すなわ
ち脳内電気現象模擬装置の構成を模式的に示す図であ
る。図に示すファントムは、人間の頭部を模擬するもの
であり、球形の中空容器40の中に高導電率材料46を
充填し、その中に電流双極子20を配置したものであ
る。中空容器40は支持台48に載置されている。電流
双極子20は、電源30に接続されている。
ち脳内電気現象模擬装置の構成を模式的に示す図であ
る。図に示すファントムは、人間の頭部を模擬するもの
であり、球形の中空容器40の中に高導電率材料46を
充填し、その中に電流双極子20を配置したものであ
る。中空容器40は支持台48に載置されている。電流
双極子20は、電源30に接続されている。
【0015】なお、図1では省略しているが、中空容器
40には電流双極子20を挿入するための挿入孔が設け
られている。電流双極子20は、一対の被覆導線22を
T字形に折り曲げ、被覆導線22の水平導線部24の先
端の被覆を剥がして形成される。水平導線部24の先端
が電極28となる。被覆導線22の撚り線対26は、撚
り線対となっており、非磁性硬質材料の筒(図示省略)
によって支持されている。なお、容器40には、挿入孔
から高導電率材料46が漏出しないようにするための漏
出防止機構が設けられていることは言うまでもない。容
器40の挿入孔は、1つでもよいし複数設けてもよい。
複数設ければ、容器10内の電流双極子20の配置位置
を様々に変えたり、複数の電流双極子20を同時に容器
40内に配置したりすることが可能になる。使用しない
挿入孔は栓で塞がれる。
40には電流双極子20を挿入するための挿入孔が設け
られている。電流双極子20は、一対の被覆導線22を
T字形に折り曲げ、被覆導線22の水平導線部24の先
端の被覆を剥がして形成される。水平導線部24の先端
が電極28となる。被覆導線22の撚り線対26は、撚
り線対となっており、非磁性硬質材料の筒(図示省略)
によって支持されている。なお、容器40には、挿入孔
から高導電率材料46が漏出しないようにするための漏
出防止機構が設けられていることは言うまでもない。容
器40の挿入孔は、1つでもよいし複数設けてもよい。
複数設ければ、容器10内の電流双極子20の配置位置
を様々に変えたり、複数の電流双極子20を同時に容器
40内に配置したりすることが可能になる。使用しない
挿入孔は栓で塞がれる。
【0016】このファントムにおいて、高導電率材料4
6は、脳質(導電率約0.33S/m)や髄液(導電率
約1.0S/m)と同等の高導電率の材料である。高導
電率材料46としては、例えば生理食塩水や、脳質や髄
液に近い導電率を持つゲルを用いることができる。
6は、脳質(導電率約0.33S/m)や髄液(導電率
約1.0S/m)と同等の高導電率の材料である。高導
電率材料46としては、例えば生理食塩水や、脳質や髄
液に近い導電率を持つゲルを用いることができる。
【0017】中空容器40は、直径15cm程度であ
り、頭蓋模擬層42と頭皮模擬層44の2層構造となっ
ている。
り、頭蓋模擬層42と頭皮模擬層44の2層構造となっ
ている。
【0018】頭蓋模擬層42は、非磁性かつ低導電率
(高抵抗率)材質からなり、その厚さは例えば4mm程
度である。頭蓋模擬層42の材料としては、例えばアク
リル樹脂を用いることができる。このアクリル樹脂は、
人間の頭蓋骨の導電率(約0.0042S/m)に近い
低導電率材料であり、頭蓋の電気的特性を良く模擬する
ことができる。なお、頭蓋模擬層42に用いる材質は、
アクリル樹脂に限らず、頭蓋に近い導電率を持つ非磁性
材質であれば何を用いても良い。
(高抵抗率)材質からなり、その厚さは例えば4mm程
度である。頭蓋模擬層42の材料としては、例えばアク
リル樹脂を用いることができる。このアクリル樹脂は、
人間の頭蓋骨の導電率(約0.0042S/m)に近い
低導電率材料であり、頭蓋の電気的特性を良く模擬する
ことができる。なお、頭蓋模擬層42に用いる材質は、
アクリル樹脂に限らず、頭蓋に近い導電率を持つ非磁性
材質であれば何を用いても良い。
【0019】頭皮模擬層44は、頭蓋模擬層42の外表
面を覆う厚さ0.2mm程度の薄い層であり、高導電率
(低抵抗率)材質からなる。頭皮模擬層44は、頭皮
(導電率約0.33S/m)とほぼ同等の導電率を持つ
材質にて形成する。このような材質には、例えば導電性
エポキシ樹脂がある。この頭皮模擬層44は、薄い層な
ので、頭蓋模擬層42表面上に蒸着や塗布により形成す
ることが好適である。
面を覆う厚さ0.2mm程度の薄い層であり、高導電率
(低抵抗率)材質からなる。頭皮模擬層44は、頭皮
(導電率約0.33S/m)とほぼ同等の導電率を持つ
材質にて形成する。このような材質には、例えば導電性
エポキシ樹脂がある。この頭皮模擬層44は、薄い層な
ので、頭蓋模擬層42表面上に蒸着や塗布により形成す
ることが好適である。
【0020】本実施形態のファントムは、頭蓋模擬層4
2の外側に頭皮と同等の導電率を持つ高導電率の頭皮模
擬層44を設けたので、その頭皮模擬層44の外表面に
脳波検出用の電極を取り付け、信号を取り出すことが可
能になる。
2の外側に頭皮と同等の導電率を持つ高導電率の頭皮模
擬層44を設けたので、その頭皮模擬層44の外表面に
脳波検出用の電極を取り付け、信号を取り出すことが可
能になる。
【0021】このような構成のファントムを用いて脳波
計、脳磁計の校正を行う場合、電源30から電流双極子
20に電力を供給すればよい。これにより、電流双極子
20の一方の電極28からもう一方の電極28に向かっ
て双極子電流が流れる。電源30の出力電圧又は出力電
流を制御することにより、電流双極子20に所望のパタ
ーンの双極子(ダイポール)電流を流すことができる。
この双極子電流により電流双極子20の周りに磁界が生
じる。この磁界が脳内磁界を模擬する。また、この双極
子電流に伴う電位差が、高伝導率材料46及び頭蓋模擬
層42を介して頭皮模擬層44に伝搬し、脳波を模擬す
る信号となる。
計、脳磁計の校正を行う場合、電源30から電流双極子
20に電力を供給すればよい。これにより、電流双極子
20の一方の電極28からもう一方の電極28に向かっ
て双極子電流が流れる。電源30の出力電圧又は出力電
流を制御することにより、電流双極子20に所望のパタ
ーンの双極子(ダイポール)電流を流すことができる。
この双極子電流により電流双極子20の周りに磁界が生
じる。この磁界が脳内磁界を模擬する。また、この双極
子電流に伴う電位差が、高伝導率材料46及び頭蓋模擬
層42を介して頭皮模擬層44に伝搬し、脳波を模擬す
る信号となる。
【0022】したがって、このファントムの頭皮模擬層
44の外表面に脳波計の電極を貼り付け、電流双極子2
0の双極子電流による頭皮模擬層44の電位の変化を検
出すれば、脳波計機能評価・校正用のデータが得られ
る。また、このファントムを脳磁計にセットし、電流双
極子20に電流を流して脳磁計で磁場変化を検出すれ
ば、脳磁計機能評価・校正用のデータが得られる。
44の外表面に脳波計の電極を貼り付け、電流双極子2
0の双極子電流による頭皮模擬層44の電位の変化を検
出すれば、脳波計機能評価・校正用のデータが得られ
る。また、このファントムを脳磁計にセットし、電流双
極子20に電流を流して脳磁計で磁場変化を検出すれ
ば、脳磁計機能評価・校正用のデータが得られる。
【0023】本実施形態のファントムは、脳質・髄液を
模擬する高導電率材料46、頭蓋模擬層42及び頭皮模
擬層44を有しており、頭部の電気的構造をよく模擬し
た構造となっている。特に、高導電率の頭皮模擬層44
を設けたことにより、脳波に対する頭皮の影響を模擬す
ることができるので、脳波計評価・校正用のファントム
として利用することが可能になった。また、本実施形態
のファントムは、電流双極子20により脳内磁場を模擬
することができるので、脳磁計評価・校正用のファント
ムとして用いることもできる。このように、本実施形態
のファントムは、脳波計・脳磁計共用のファントムとし
て用いることができる。本実施形態によれば、脳波計と
脳磁計とを同一のファントム、すなわち同一の基準で評
価、校正できるので、脳波測定結果と脳磁気測定結果と
を複合解析するようなシステムの評価・校正に極めて有
効である。
模擬する高導電率材料46、頭蓋模擬層42及び頭皮模
擬層44を有しており、頭部の電気的構造をよく模擬し
た構造となっている。特に、高導電率の頭皮模擬層44
を設けたことにより、脳波に対する頭皮の影響を模擬す
ることができるので、脳波計評価・校正用のファントム
として利用することが可能になった。また、本実施形態
のファントムは、電流双極子20により脳内磁場を模擬
することができるので、脳磁計評価・校正用のファント
ムとして用いることもできる。このように、本実施形態
のファントムは、脳波計・脳磁計共用のファントムとし
て用いることができる。本実施形態によれば、脳波計と
脳磁計とを同一のファントム、すなわち同一の基準で評
価、校正できるので、脳波測定結果と脳磁気測定結果と
を複合解析するようなシステムの評価・校正に極めて有
効である。
【0024】なお、本実施形態のファントムに対し、脳
波計校正用の電極群を予め固定配設したり、あるいは脳
波計校正用電極を貼り付ける貼付台を設けたりすること
も好適である。この構成では、ファントムの頭皮模擬層
44の外表面に電極又は貼付台を設ける。ここで、電極
又は貼付台は、脳波計で使用する脳波計測法で定められ
る各電極貼付位置に、それぞれ設ける。ファントムに電
極を設ける構成では、校正時に、脳波計の信号線をその
電極に接続すればよい。一方ファントムに電極貼付台を
設ける構成では、その貼付台に脳波計の電極を貼り付け
ればよい。このような構成によれば、校正用電極の配置
位置が一定するので、測定結果の再現性がよくなり、校
正の精度が向上する。また、電極の貼付作業が容易にな
るという利点もある。ファントムに設ける電極又は貼付
台は、導電性の非磁性材料を用いて形成すればよい。こ
のような材料としては、例えば塩化銀がある。
波計校正用の電極群を予め固定配設したり、あるいは脳
波計校正用電極を貼り付ける貼付台を設けたりすること
も好適である。この構成では、ファントムの頭皮模擬層
44の外表面に電極又は貼付台を設ける。ここで、電極
又は貼付台は、脳波計で使用する脳波計測法で定められ
る各電極貼付位置に、それぞれ設ける。ファントムに電
極を設ける構成では、校正時に、脳波計の信号線をその
電極に接続すればよい。一方ファントムに電極貼付台を
設ける構成では、その貼付台に脳波計の電極を貼り付け
ればよい。このような構成によれば、校正用電極の配置
位置が一定するので、測定結果の再現性がよくなり、校
正の精度が向上する。また、電極の貼付作業が容易にな
るという利点もある。ファントムに設ける電極又は貼付
台は、導電性の非磁性材料を用いて形成すればよい。こ
のような材料としては、例えば塩化銀がある。
【0025】以上の例では、電流双極子20として従来
と同様のものを用いていたが、この代わり図2に示す容
量性電流双極子100を用いれば、脳内電気活動をより
忠実に模擬するファントムが得られる。
と同様のものを用いていたが、この代わり図2に示す容
量性電流双極子100を用いれば、脳内電気活動をより
忠実に模擬するファントムが得られる。
【0026】すなわち、図2に示す容量性電流双極子1
00は、対向配置された一対の板状の電極102a及び
102bと、それら各電極102a及び102bに接続
された水平導線部104とを絶縁材料のケース110で
密封し、そのケース110の内部を誘電材料112で充
填して構成されている。水平導線部104は、両電極1
02a及び102b間を流れる双極子電流(等過電流)
の経路となるものであり、撚り線対108を介して電源
に接続される。
00は、対向配置された一対の板状の電極102a及び
102bと、それら各電極102a及び102bに接続
された水平導線部104とを絶縁材料のケース110で
密封し、そのケース110の内部を誘電材料112で充
填して構成されている。水平導線部104は、両電極1
02a及び102b間を流れる双極子電流(等過電流)
の経路となるものであり、撚り線対108を介して電源
に接続される。
【0027】この容量性電流双極子100は、電極10
2aと102bとの間の容量(キャパシタンス)により
双極子電流を流すものであり、電極102a及び102
bから外部の高導電率材料46に電流が流れ出すことは
ない。
2aと102bとの間の容量(キャパシタンス)により
双極子電流を流すものであり、電極102a及び102
bから外部の高導電率材料46に電流が流れ出すことは
ない。
【0028】脳波や脳磁界の起源は、微小な細胞内電流
のベクトル和であり、神経細胞から外部の組織や組織液
等に積極的に電流供給が行われているわけではない。図
1等に示したタイプの電流双極子20は電極28が高導
電率材料46に露出しており、一方の電極28から他方
の電極28へ、高導電率材料46内を電流が流れる。こ
れは、上記神経電流の原理とは異なっている。これに対
し、容量性電流双極子100は、外部の高導電率材料4
6内に電流が流れ出すことがなく、上記神経電流の原理
をより忠実に表したものとなっている。したがって、容
量性電流双極子100を用いることにより、脳内電気現
象をより忠実に模擬するファントムが得られ、この結
果、脳磁計や脳波計の評価・構成の精度が向上する。ま
た、容量性電流双極子100を用いた場合、電極102
a、102bから高導電率材料46に電流が流れ出さな
いので、容器40内に容量性電流双極子100を複数個
配置したとしても、クロストークはほとんど生じない。
のベクトル和であり、神経細胞から外部の組織や組織液
等に積極的に電流供給が行われているわけではない。図
1等に示したタイプの電流双極子20は電極28が高導
電率材料46に露出しており、一方の電極28から他方
の電極28へ、高導電率材料46内を電流が流れる。こ
れは、上記神経電流の原理とは異なっている。これに対
し、容量性電流双極子100は、外部の高導電率材料4
6内に電流が流れ出すことがなく、上記神経電流の原理
をより忠実に表したものとなっている。したがって、容
量性電流双極子100を用いることにより、脳内電気現
象をより忠実に模擬するファントムが得られ、この結
果、脳磁計や脳波計の評価・構成の精度が向上する。ま
た、容量性電流双極子100を用いた場合、電極102
a、102bから高導電率材料46に電流が流れ出さな
いので、容器40内に容量性電流双極子100を複数個
配置したとしても、クロストークはほとんど生じない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
頭部の電気的構造をより忠実に模擬した脳内電気現象模
擬装置(ファントム)を得ることができる。この模擬装
置は、頭皮を模擬する高導電率材質の層を設けたことに
より、脳磁計のみならず、脳波計の評価・校正にも適用
できるので、同一の脳内電気現象模擬装置で脳波計と脳
磁計の両方を評価・校正することが可能になる。
頭部の電気的構造をより忠実に模擬した脳内電気現象模
擬装置(ファントム)を得ることができる。この模擬装
置は、頭皮を模擬する高導電率材質の層を設けたことに
より、脳磁計のみならず、脳波計の評価・校正にも適用
できるので、同一の脳内電気現象模擬装置で脳波計と脳
磁計の両方を評価・校正することが可能になる。
【図1】 本発明に係る脳内電気現象模擬装置(ファン
トム)の構成を模式的に示す図である。
トム)の構成を模式的に示す図である。
【図2】 容量性電流双極子の構造を模式的に示す図で
ある。
ある。
【図3】 従来のファントムの構成を模式的に示す図で
ある。
ある。
20 電流双極子、22 被覆導線、24 水平導線
部、26 撚り線対、28 電極、30 電源、40
中空容器、42 頭蓋模擬層、44 頭皮模擬層、46
高導電率材料、48 支持台。
部、26 撚り線対、28 電極、30 電源、40
中空容器、42 頭蓋模擬層、44 頭皮模擬層、46
高導電率材料、48 支持台。
Claims (4)
- 【請求項1】 頭蓋を模擬する低導電率材質の内層と、
前記内層を覆い、頭皮を模擬する高導電率材質の外層
と、を有する容器と、 前記容器内に満たされ、脳質及び髄液を模擬する高導電
率材料と、 前記容器内に配置された電流双極子と、 を有することを特徴とする脳内電気現象模擬装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の脳内電気現象模擬装置で
あって、 前記電流双極子を、前記電流双極子の両電極及びこれら
両電極間の導線部を絶縁材料で覆った容量性電流双極子
としたことを特徴とする脳内電気現象模擬装置。 - 【請求項3】 頭蓋を模擬する低導電率材質の内層と、
前記内層を覆い、頭皮を模擬する高導電率材質の外層
と、を有する容器と、 前記容器内に満たされ、脳質及び髄液を模擬する高導電
率材料と、 前記容器内に配置された脳波模擬信号源と、 を有することを特徴とする脳内電気現象模擬装置。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
記載の脳内電気現象模擬装置であって、 前記高導電率材質の外層の外表面に、脳波計に接続され
る電極又はこの電極を貼り付けるための貼付台を設けた
ことを特徴とする脳内電気現象模擬装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25512499A JP2001070272A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 脳内電気現象模擬装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25512499A JP2001070272A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 脳内電気現象模擬装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001070272A true JP2001070272A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17274431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25512499A Pending JP2001070272A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 脳内電気現象模擬装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001070272A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346158A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Yokogawa Electric Corp | 脳磁計測装置のファントム |
DE102007007686A1 (de) * | 2007-02-16 | 2008-08-21 | Forschungszentrum Jülich GmbH | Phantom |
-
1999
- 1999-09-09 JP JP25512499A patent/JP2001070272A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346158A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Yokogawa Electric Corp | 脳磁計測装置のファントム |
DE102007007686A1 (de) * | 2007-02-16 | 2008-08-21 | Forschungszentrum Jülich GmbH | Phantom |
WO2008098538A3 (de) * | 2007-02-16 | 2008-10-09 | Forschungszentrum Juelich Gmbh | Phantom |
US8961187B2 (en) | 2007-02-16 | 2015-02-24 | Forschungszentrum Juelich Gmbh | Phantom |
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